JPH0624220U - スクリューグロメット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シール性の良好なスクリューグロメットの提
供。 【構成】 一方が開口するグロメット本体１と、該グロ
メット本体１の開口縁に形成されたフランジ２とから成
り、フランジ２下面にシールワッシャー５を装着してな
るスクリューグロメットにおいて、シールワッシャー５
を熱溶融又は熱軟化する樹脂材料で成形することによ
り、パネルに飾り材等を重合固定する前に、フランジ２
の下面に当該シールワッシャー５を装着して、グロメッ
ト本体１をパネルの取付孔に仮止めした状態を得て、所
定の温度に加熱すると、シールワッシャー５自体が溶融
又は軟化して、フランジ２下面とパネル表面を緊密に接
合するので、これにより、従来の発泡ワッシャーと比較
すると、フランジ２下面とパネル表面間のシール性が頗
る向上すると共に、パネル側に固定された飾り材等がガ
タつく心配もなくなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、自動車のボディパネルにフィニィシャー等の飾り材を重合 固定するスクリューグロメットの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種スクリューグロメットは、実開昭６３−１１５９０７号公報等に 示す如く、合成樹脂で一体に成形されて、一方が開口する矩形状のグロメット本 体と、該グロメット本体の開口縁に形成されるフランジとから成り、グロメット 本体の内部にネジ部材の差込孔を形成すると共に、フランジ下面に防水用のシー ルワッシャーを装着する構成となっている。

【０００３】 そして、実際の使用に際しては、グロメット本体の側面に形成された仮止め手 段を介して、パネルに穿設された取付孔にグロメット本体を仮止めした後、該グ ロメット本体の開口と飾り材に穿設された通孔とを合致させて、該通孔からネジ 部材をグロメット本体の差込孔内に回転させながら捩じ込めば、特に、グロメッ ト本体の対向する厚肉側壁が外方に膨出するので、この膨出側壁の取付孔縁に対 する圧接作用で、グロメット本体が取付孔に固着されると同時に、パネルと飾り 材とが重合固定されることとなる。又、斯る重合固定状態にあっては、フランジ 下面とパネル表面間にシールワッシャーが介在して、シール性を保障している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

然し乍ら、従来にあっては、斯るシールワッシャーを発泡樹脂で成形して、該 発泡ワッシャーを単にフランジ下面とパネル表面間に圧縮して介在させるだけで あるから、本来的にも、確実なシール性が期待できないことは言うまでもないが 、特に、この発泡ワッシャーが熱履歴や経時変化などで劣化すると、シール性が 大いに損なわれて長期間の使用に耐えられなくなってしまうばかりか、発泡ワッ シャーの劣化は、ネジ部材による締付力が緩んで、パネル側に固定される飾り材 が不用意にガタついてしまう恐れをも十分に有していた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、斯る従来グロメットの課題を有効に解決するために開発されたもの で、一方が開口するグロメット本体と、該グロメット本体の開口縁に形成される フランジとから成り、フランジ下面にシールワッシャーを装着してなるスクリュ ーグロメットを前提として、上記シールワッシャーを熱溶融又は熱軟化する樹脂 材料で成形する構成を採用した。

【０００６】

【作用】

依って、本考案にあっては、シールワッシャーが熱溶融又は熱軟化する樹脂材 料で成形されている関係で、パネルに飾り材を重合固定する前に、まず、フラン ジの下面に当該シールワッシャーを装着して、グロメット本体をパネルの取付孔 に仮止めした状態を得て、この状態のまま、所定の温度に加熱すると、シールワ ッシャー自体が溶融又は軟化して、フランジ下面とパネル表面を緊密に接合する ので、これにより、フランジ下面とパネル表面間のシール性が頗る向上する。 しかも、その後は、従来と同様に、グロメット本体の開口と飾り材の通孔とを 合致させて、ネジ部材を回転させながら差込孔内に捩じ込めば、パネルに飾り材 を重合固定できる訳であるが、この状態にあっては、ネジ部材による締付力が緩 む程、硬化したシールワッシャーが劣化することがないので、パネル側に固定さ れた飾り材がガタつく心配がなくなると共に、そのシール性も長期間に亘って保 障されることとなる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図示する一実施例に基づいて詳述すれば、該実施例に係るスク リューグロメットも、図１に示す如く、一方が開口する矩形状のグロメット本体 １と、該グロメット本体１の開口縁に形成される円環状のフランジ２とから成り 、グロメット本体１の内部にネジ部材の差込孔３を形成すると共に、フランジ２ の下面にシールワッシャー５を装着するものであるが、特徴とするところは、当 該シールワッシャー５を熱溶融又は熱軟化する樹脂材料で成形する点にある。 尚、本実施例にあっては、上記フランジ２の形状に合わせて、シールワッシャ ー５の形状を中央に角孔部を形成したリング状となしているが、形状自体はこれ に限定されるものではない。しかし、寸法的には、フランジ２よりも若干大きめ の方が好ましい。

【０００８】 そして、斯るシールワッシャー５の成形材料としては、熱可塑性樹脂のうち、 特に、１２０〜１８０°Ｃの低融点又は低軟化点をもつ、ビニル系・ポリアミド 系・ポリエステル系・ポリエーテル系のものを使用するものとするが、この中で も、ビニル系の酢酸ビニル樹脂やアクリル系樹脂やメタクリル系樹脂が好ましい 。しかし、これらに限定されるものではなく、本考案の精神に反しない限り、熱 硬化性樹脂等を使用することも可能である。

【０００９】 依って、斯る構成のスクリューグロメットの使用に際しては、パネルＰ１に飾 り材Ｐ２を重合固定する前に、まず、図２に示す如く、シールワッシャー５に形 成された中央角孔部を利用して、上記材料製シールワッシャー５をフランジ２の 下面に装着して、グロメット本体１をパネルＰ１の取付孔Ｈ１に係止爪４を介し て仮止めした状態を得て、この状態のまま、融点又は軟化点以上の温度に加熱す ると、図３に示す如く、シールワッシャー５自体が溶融又は軟化して、フランジ ２下面とパネルＰ１表面間を緊密に接合するので、これにより、フランジ２下面 とパネルＰ１表面間のシール性が頗る向上すると共に、当該シール性は長期間に 亘って保障されることとなる。

【００１０】 尚、上記の加熱に関しては、独自の加熱工程で行なえることは勿論であるが、 例えば、自動車の上塗り塗装焼付工程における乾燥温度が約１８０〜２００°Ｃ であることに鑑み、これを利用すれば、独自の加熱工程を経ずとも、自動車車体 にグロメット本体１を予め仮止めしておくだけで、シールワッシャー５を溶融又 は軟化させて、フランジ２下面とパネルＰ１表面間を自動的に接合することが可 能となる。

【００１１】 従って、いずれの加熱工程の下でも、その後は、従来と同様に、グロメット本 体１の開口と飾り材Ｐ２の通孔Ｈ２とを合致させて、ネジ部材６を回転させなが ら差込孔３内に捩じ込めば、図４に示す如く、パネルＰ１に飾り材Ｐ２を重合固 定できる訳であるが、この状態にあっては、従来の如く、ネジ部材６による締付 力が緩む程、硬化したシールワッシャー５が劣化することがないので、パネルＰ １側に固定された飾り材Ｐ２がガタつく恐れもなくなる。

【００１２】

【考案の効果】

以上の如く、本考案は、上記構成の採用により、シールワッシャーの熱溶融又 は熱軟化を得て、フランジ下面とパネル表面間を緊密に接合することが可能とな るので、これにより、従来のものと比較すると、シール性の向上が大いに図れる と共に、ネジ部材による締付力が緩んで、パネル側に固定された飾り材等がガタ つく心配も全くなくなった。 その上、シールワッシャーの加熱に際して、自動車車体の上塗り塗装焼付工程 を利用すれば、独立した加熱工程が全く不要となるので、工程上それ程支障を来 すこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るスクリューグロメットを
示す分解斜視図である。

【図２】グロメット本体をパネルの取付孔に仮止めした
状態を示す断面図である。

【図３】シールワッシャーが熱溶融又は熱軟化して、フ
ランジ下面とパネル表面間をシールした状態を示す側面
図である。

【図４】パネルに飾り材を重合固定した状態を示す側面
図である。

【符号の説明】

１ グロメット本体 ２ フランジ ５ シールワッシャー P1 パネル H1 取付孔 P2 飾り材 H2 通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方が開口するグロメット本体と、該グ
   ロメット本体の開口縁に形成されるフランジとから成
   り、フランジ下面にシールワッシャーを装着してなるス
   クリューグロメットにおいて、上記シールワッシャーを
   熱溶融又は熱軟化する樹脂材料で成形したことを特徴と
   するスクリューグロメット。