JP4234049B2 - 被塗装物の貫通孔の塞ぎ具 - Google Patents

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Description

この発明は、被塗装物に貫設された貫通孔の塞ぎ具に関する。更に詳しくは、例えば、車両ボディの各部を構成する車体用構造物(ピラー、ロッカパネル、ルーフサイドパネル、フードパネル等)などの被塗装物に貫設された貫通孔の塞ぎ具に関する。
車両ボディの一部をなす車体用構造物に塗装を施す際には、該車体用構造物を塗料槽に浸漬させて電着塗装を施した後に、その車体用構造物を加熱炉等に通過させて塗料の焼付けを行う。車体用構造物の所要位置には、塗料導入用の貫通孔が貫設されており、車体用構造物を塗料槽内に侵漬させた際に、塗料槽内の塗料の一部が前記貫通孔から車体用構造物の内部にも流入する。これにより、車体用構造物の外面側だけではなく、車体用構造物の内面側に対しても電着塗装を施すことができる。車体用構造物に設けられた貫通孔をそのまま放置すると、その貫通孔が原因となって異音が発生したり、あるいは水やゴミが侵入するなどの不具合が発生するため、貫通孔にはその後キャップ等の塞ぎ具が嵌め込まれて塞がれる。
また、従来、例えば車体用構造物などの中空構造物に設けられた塗料導入用の貫通孔を塞ぐための塞ぎ具として、加熱により発泡膨張する発泡性材料を用いた塞ぎ具が公知である(特許文献1を参照)。この特許文献1記載の塞ぎ具は、発泡性材料と、貫通孔の孔縁部に弾性的に係止する係止脚部とを一体状に備えた塞ぎ具である。中空構造物に貫設された貫通孔に対して前記塞ぎ具が取付けられると、中空構造物を塗料槽に侵漬させた際に、前記係止脚部に形成された塗料導入路を介して中空構造物の内部に塗料が流入する。これにより、中空構造物の内側面に対しても電着塗装を施すことができる。そして、中空構造物を加熱炉に通過させて焼付けを行った際に、その焼付け時の熱によって前記発泡性材料が発泡体となり、その発泡体によって前記貫通孔が塞がれる。
特開平9−47719号公報
しかしながら、上述した特許文献1記載の貫通孔の塞ぎ具によれば、次のような問題がある。まず1点目に、加熱により発泡膨張した発泡体が外部に露出しているので、被塗装物の見栄えが悪化する。例えば、車両のエンジンルームを開いた際に、車両ボディに設けられた貫通孔を塞ぐ発泡体がユーザーの視界に点在し見栄えが悪化する。2点目に、発泡性材料が発泡膨張すると、発泡体が四方八方に広がるので、貫通孔を塞ぐためには不必要な方向にも発泡体が広がることとなり、発泡性材料を多く消費するのでコストが高くつくという問題がある。
そこで本発明は、被塗装物の見栄えを悪化させることなく、しかも、より少ない発泡性材料でその被塗装物に貫設された貫通孔を塞ぐことができる被塗装物の貫通孔の塞ぎ具を提供することを課題とする。
課題を解決するための第1の発明は、
外部加熱により発泡膨張して発泡体となる発泡性材料と、前記発泡性材料を被塗装物の所要位置に貫設された貫通孔に対して取付けるための取付け手段と、を備え、前記被塗装物が塗料槽に侵漬された際には、前記被塗装物の内部に塗料を導入する塗料導入路が前記貫通孔によって確保されるとともに、前記被塗装物に施された塗装の焼付けの際には、前記発泡性材料が発泡体となることで前記貫通孔が塞がれるように構成された被塗装物の貫通孔の塞ぎ具であって、前記発泡体の全部又は一部を覆うカバー部材が、発泡性材料の発泡方向を貫通孔に向けて制御する位置に配置されており、前記カバー部材の配置構成は、前記発泡体よりも前記被塗装物の表面から離間した位置に配置されていることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具である。
この第1の発明によれば、発泡体よりも被塗装物の表面から離間した位置で、発泡体の全部又は一部がカバー部材によって覆われるので、被塗装物の見栄えを悪化させることなく、被塗装物に貫設された塗料導入用の貫通孔を発泡体によって塞ぐことができる。
また、カバー部材は、発泡性材料の発泡方向を貫通孔に向けて制御する位置に配置されていることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具である。これによれば、発泡性材料の発泡方向が貫通孔に向けて制御されるので、被塗装物に貫設された塗料導入用の貫通孔を、より少ない発泡性材料を用いて効率良く塞ぐことができる。
の発明は、上記第1の発明において、取付け手段は、貫通孔の孔縁部に弾性的に係止する樹脂製のクリップであることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具である。この第の発明によれば、前記クリップの着脱操作によって、被塗装物の貫通孔に対して塞ぎ具をより簡単に取付けることができる。また、発泡性材料が発泡膨張するときの塞ぎ具の脱落等をより確実に防止することができる。
の発明は、上記第の発明において、カバー部材は、クリップと一体状に形成されていることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具である。この第の発明によれば、カバー部材とクリップとを合成樹脂の射出成形等により一体状に成形することができる。したがって、塞ぎ具を構成する部品点数を削減できるとともに、塞ぎ具の製造工程を簡略化できるという効果がある。
の発明は、上記第1から第のうちいずれか1つの発明において、発泡性材料には割溝が形成されており、取付け手段にはリブが立設されており、前記割溝に対して前記リブが嵌め込まれることによって、前記発泡性材料と前記取付け手段とが一体状に組み付けられていることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具である。この第の発明によれば、発泡性材料と取付け手段とを組み付けるための特別な部品や接着剤等を必要としない。
本発明によれば、被塗装物の見栄えを悪化させることなく、しかも、より少ない発泡性材料で被塗装物に貫設された貫通孔を塞ぐことができる被塗装物の貫通孔の塞ぎ具を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態に係る被塗装物の貫通孔の塞ぎ具10は、外部加熱により発泡膨張する発泡性材料12と、その発泡性材料12を被塗装物の所要位置に貫設された貫通孔に対して取付けるための取付け用クリップ14とを備えている。この塞ぎ具10は、前記被塗装物が塗料槽に侵漬された際には、前記被塗装物の内部に塗料を導入する塗料導入路が前記貫通孔によって確保されるとともに、前記被塗装物に施された塗装の焼付けの際には、前記発泡性材料12が発泡膨張して発泡体となることで前記貫通孔が塞がれるように構成されている。また、この塞ぎ具10は、前記発泡性材料12が発泡膨張したときの発泡体の全部又は一部を覆う略円板状のカバー部材16を備えている。このカバー部材16は、前記取付け用クリップ14と熱可塑性合成樹脂により一体状に形成されている。
前記発泡性材料12は、外部加熱により発泡膨張する発泡性材料、例えば、発泡剤が混入されている合成樹脂やゴム等により略円柱状に形成されている。この発泡性材料12は、外部加熱により発泡膨張する発泡性の材料であればどのような材料を用いてもよいが、例えば、金属面や合成樹脂面に対し接着性を有する合成樹脂を主成分とし、これにガラス繊維のような繊維状物質等が混合され、車両ボディに施された塗装の焼付け時の熱(例えば、110℃〜190℃前後の温度)によって発泡膨張して発泡体となる発泡性材料を用いることができる。このような発泡性材料としては、例えば、特開平9−176356号公報、特開平2−276836号公報等に開示されている発泡性材料を用いることができる。勿論、ガラス繊維などの補強用の充填材を含まない発泡性材料を用いることもできる。
前記取付け用クリップ14は、熱可塑性合成樹脂の射出成形によりカバー部材16と一体状に形成されている。前記熱可塑性合成樹脂としては、例えばポリアミド−66等のナイロン系の合成樹脂を用いることができる。また、取付け用クリップ14が塗装の焼付け時の熱を受けて変形等しないように、耐熱性の合成樹脂を用いることもできる。
この取付け用クリップ14は、被塗装物に所要位置に貫設された貫通孔に挿入されることでその貫通孔の孔縁部に弾性的に係止する左右一対の弾性係止片18を備えている。この取付け用クリップ14により、塞ぎ具10が被塗装物の貫通孔に簡単に取付けられる。また、発泡性材料12が発泡膨張するときの塞ぎ具10の脱落等をより確実に防止することができる。この取付け用クリップ14が、本発明における「取付け手段」に対応している。
図1に示すように、前記取付け用クリップ14には板状のリブ20が立設されており、この板状のリブ20を介してカバー部材16と取付け用クリップ14とが一体状に連結されている。また、図1に示すように、前記発泡性材料12には、前記リブ20とほぼ同じかあるいは若干大きい幅を有する割溝22が形成されている。そして、前記割溝22に対して前記リブ20が嵌め込まれることによって、前記取付け用クリップ14と前記発泡性材料12とが一体状に組み付けられるようになっている(図2参照)。したがって、本実施の形態における塞ぎ具10によれば、発泡性材料12と取付け用クリップ14とを相互に組み付けるための特別な部品や接着剤等を必要としない。
また、図1に示すように、カバー部材16の表裏両面のうち取付け用クリップ14が配置されている側の面には、被塗装物とカバー部材16との間に塗料導入路を確保するための一対の脚部24が設けられている。この脚部24は、塞ぎ具10が貫通孔に取付けられたときに、被塗装物の表面に対してカバー部材16を所定の高さだけ浮き上がらせるためのスペーサとして機能する。この脚部24が設けられていることによって、被塗装物とカバー部材16との間に所定の空間が確保され、被塗装物に貫設された貫通孔を介して該被塗装物の内部に塗料が導入されるようになっている。
また、本実施の形態に係る塞ぎ具10では、カバー部材16と取付け用クリップ14が合成樹脂の射出成形等により一体状に成形されている。したがって、塞ぎ具10を構成する部品点数の削減が図られるとともに、塞ぎ具10の製造工程が簡略化されている。つまり、塞ぎ具10をより低コストで製造することができる。
上述のように構成される塞ぎ具10について、この塞ぎ具10を貫通孔に取付ける際の態様について説明する。また、被塗装物の貫通孔に取付けられた塞ぎ具10の作用効果について説明する。
図3及び図4に示すように、被塗装物としての車両ボディのピラー30は、インナパネル32とアウタパネル34とが、これら両パネルのフランジ部32a、34aにおいてスポット溶接されることで略四角形の閉じ断面に構成されている。前記インナパネル32の所要位置には、塗料導入用の貫通孔38が貫設されている。
前記貫通孔38に対して塞ぎ具10を取付ける際には、図3及び図4に示すように、貫通孔38に対して取付け用クリップ14の先端部を挿入し、一対の弾性係止片18を貫通孔38の孔縁部に弾性的に係止させる。これにより、貫通孔38に対して発泡性材料12が挿通された状態で、かつ、発泡性材料12の外側にカバー部材16が配置された状態で、貫通孔38に対して塞ぎ具10が取付けられる。
ピラー30に電着塗装を施す際には、ピラー30を塗料(電着塗装液)が満たされている塗料槽の内部に侵漬させる。そして、ピラー30と塗料槽との間に電圧を印加することによって、ピラー30の表面に対して塗料を析出させる。
ピラー30が塗料槽に侵漬された際には、ピラー30の内部36に塗料を導入することのできる塗料導入路Rが前記貫通孔38によって確保されており、この塗料導入路Rを介してピラー30の内部36に塗料が導入される。したがって、ピラー30の外側壁面だけではなく、ピラー30の内側壁面に対してもまんべんなく電着塗装を施すことができる。
ピラー30に施された塗装の焼付けの際には、このピラー30が加熱炉等に運ばれて加熱される。この焼付け時の熱によって、発泡性材料12が発泡膨張して発泡体13となる。この発泡体13は貫通孔38周りにおけるインナパネル32の内外両面に密着し、これによって貫通孔38が密封状態で塞がれる。貫通孔38が発泡体13によって塞がれることにより、貫通孔38からピラー30の内部36へのゴミや水の侵入を防止できるだけでなく、車両の走行時における異音や振動等の発生を防止することができる。
そして、塞ぎ具10はカバー部材16を備えているので、発泡性材料12が発泡膨張して発泡体13となったときには、図5に示すように、発泡体13の全部又は一部がカバー部材16によって覆われる。したがって、発泡体13の全部又は一部がユーザーの視界からは隠された状態となり、これによってピラー30の外観が損なわれることが防止される。
図4、図5に示すように、カバー部材16は、発泡性材料12の発泡方向を貫通孔38に向けて制御する発泡方向制御手段としても機能している。
すなわち、カバー部材16は、ピラー30の内部36側から見たときに、発泡性材料12の背面側の位置に配置されている。したがって、発泡性材料12が発泡膨張して発泡体13になるときには、より多くの発泡体13が貫通孔38に向かうようにカバー部材16によって制御されるので、より少ない発泡性材料12を用いて貫通孔38を効率的に塞ぐことができる。
〔第2の実施の形態〕
図6及び図7に示すように、第2の実施の形態に係る被塗装物の貫通孔の塞ぎ具40は、外部加熱により発泡膨張する発泡性材料42と、その発泡性材料42を被塗装物の所要位置に貫設された貫通孔に対して取付けるための取付け用クリップ44とを備えている。この塞ぎ具40は、前記被塗装物が塗料槽に侵漬された際には、前記被塗装物の内部に塗料を導入する塗料導入路が前記貫通孔によって確保されるとともに、前記被塗装物に施された塗装の焼付けの際には、前記発泡性材料42が発泡膨張して発泡体となることで前記貫通孔が塞がれるように構成されている。また、この塞ぎ具40は、前記発泡性材料42が発泡膨張したときの発泡体の全部又は一部を覆う略円筒状のカバー部材46を備えている。このカバー部材46は、前記取付け用クリップ44と熱可塑性合成樹脂により一体状に形成されている。
前記発泡性材料42は、外部加熱により発泡膨張する発泡性材料、例えば、発泡剤が混入されている合成樹脂やゴム等により略円環状に形成されている。また、この発泡性材料42には、カバー部材46に設けられている2箇所の凸部41に対応する位置に、凹部43がそれぞれ形成されている。これら凸部41及び凹部43の機能については後述する。この発泡性材料42のその他の点については、前述した第1の実施の形態における発泡性材料12と同様なので省略する。
前記取付け用クリップ44は、熱可塑性合成樹脂の射出成形によりカバー部材46と一体状に形成されている。前記熱可塑性合成樹脂としては、例えばポリアミド−66等のナイロン系の合成樹脂を用いることができる。また、取付け用クリップ44が塗装の焼付け時の熱を受けて変形等しないように、耐熱性の合成樹脂を用いることもできる。
前記取付け用クリップ44は、被塗装物に所要位置に貫設された貫通孔に挿入されることでその貫通孔の孔縁部に弾性的に係止する左右一対の弾性係止片48を備えている。この一対の弾性係止片48が貫通孔の孔縁部に弾性的に係止することによって、塞ぎ具40が被塗装物の貫通孔に対して脱落等することなくしっかりと取付けられるようになっている。また、取付け用クリップ44を被塗装物の貫通孔に挿入するだけでよいので、塞ぎ具40を簡単に取付けることができるようになっている。この取付け用クリップ44が、本発明における「取付け手段」に対応している。
図6、図7に示すように、カバー部材46は、熱可塑性合成樹脂の射出成形により略円筒状に形成されており、発泡性材料42の外周囲を覆うことのできるキャップ状の形態をなしている。カバー部材46は、一方の端部に底部47を有しており、この底部47の一方の面から取付け用クリップ44が一体状にかつ突出して設けられている。また、この底部47には、射出成形時にスライド型を抜き出すための引抜孔41b、48bが設けられている。引抜孔41bからスライド型を抜き出すことにより、凸部41の裏側にあるアンダーカット部41aを射出成形することができる。引抜孔48bからスライド型を抜き出すことにより、弾性係止片48の裏側にあるアンダーカット部48aを射出成形することができる。そして、カバー部材46と発泡性材料42との間には、発泡性材料42が発泡膨張したときに発泡体が前記引抜孔41b、48bから洩れ出すことを防止するための環状プレート45が配置される。この環状プレート45が配置されていることにより、前記引抜孔41b、48bからの発泡体の洩れ出しを防止できるので、より少ない発泡性材料42を用いて効率良く貫通孔を塞ぐことができる。
取付け用クリップ44に対して発泡性材料42を組み付ける際には、図6及び図7に示すように、環状プレート45の中心孔45aに対して取付け用クリップ44の先端部を挿通させるとともに、発泡性材料42の中心孔42aに対して取付け用クリップ44の先端部を挿通させる。これにより、環状プレート45を間に介在させた状態で、発泡性材料42とカバー部材46とが一体状に組み付けられる。
図7に示すように、円筒状のカバー部材46に対して発泡性材料42が組み付けられた後の状態では、発泡性材料42に設けられた2箇所の凹部43に対して、カバー部材46に設けられた2箇所の凸部41が嵌り込んだ状態となる。これにより、カバー部材46と発泡性材料42との相対回動が防止されるとともに、カバー部材46と発泡性材料42が分離することが防止されている。
図6に示すように、カバー部材46の開口側の縁部46aには、被塗装物とカバー部材46との間に塗料導入路を確保するための一対の脚部49が設けられている。この脚部49は、塞ぎ具40が貫通孔に取付けられたときに、被塗装物の表面に対してカバー部材46を所定の高さだけ浮き上がらせるためのスペーサとして機能する。この脚部49が設けられていることによって、被塗装物の表面とカバー部材46との間に所定の空間が確保され、被塗装物に貫設された貫通孔を介して該被塗装物の内部に塗料が導入されるようになっている。
また、本実施の形態に係る塞ぎ具40では、カバー部材46と取付け用クリップ44が合成樹脂の射出成形等により一体状に成形されている。したがって、塞ぎ具40を構成する部品点数の削減が図られるとともに、塞ぎ具40の製造工程が簡略化されている。つまり、塞ぎ具40をより低コストで製造することができる。
上述のように構成される塞ぎ具40について、この塞ぎ具40を貫通孔に取付ける際の態様について説明する。また、被塗装物の貫通孔に取付けられた塞ぎ具40の作用効果について説明する。
図8及び図9に示すように、被塗装物としての車両ボディのピラー50は、インナパネル52とアウタパネル54とが、これら両パネルのフランジ部52a、54aにおいてスポット溶接されることで略四角形の閉じ断面に構成されている。インナパネル52の所要位置には、塗料導入用の貫通孔58が貫設されている。
前記貫通孔58に対して塞ぎ具40を取付ける際には、図8及び図9に示すように、貫通孔58に対して取付け用クリップ44の先端部を挿入し、一対の弾性係止片48を貫通孔58の孔縁部に弾性的に係止させる。これにより、発泡性材料42の外側面がカバー部材46により覆われた状態で、貫通孔58に対して塞ぎ具40が取付けられる。
ピラー50に電着塗装を施す際には、ピラー50を塗料(電着塗装液)が満たされている塗料槽の内部に侵漬させる。そして、ピラー50と塗料槽との間に電圧を印加することによって、ピラー50の表面に対して塗料を析出させる。
ピラー50が塗料槽に侵漬された際には、ピラー50の内部56に塗料を導入することのできる塗料導入路Sが前記貫通孔58によって確保されており、この塗料導入路Sを介してピラー50の内部56に塗料が導入される。したがって、ピラー50の外側壁面だけではなく、ピラー50の内側壁面に対してもまんべんなく電着塗装を施すことができる。
ピラー50に施された塗装の焼付けの際には、このピラー50が加熱炉等に運ばれて加熱される。この焼付け時の熱によって、発泡性材料42が発泡膨張して発泡体60となる。この発泡体60は貫通孔58周りにおけるインナパネル52の内外両面に密着し、これによって貫通孔58が密封状態で塞がれる。貫通孔58が発泡体60によって塞がれることにより、貫通孔58からピラー50の内部56へのゴミや水の侵入を防止できるだけでなく、車両の走行時における異音や振動等の発生を防止することができる。
そして、塞ぎ具40はカバー部材46を備えているので、発泡性材料42が発泡膨張して発泡体60となったときには、図10に示すように、発泡体60の全部又は一部がカバー部材46によって覆われる。したがって、発泡体13の全部又は一部がユーザーの視界からは隠された状態となり、これによってピラー50の外観が損なわれることが防止される。
また、本実施の形態に係る塞ぎ具40によれば、カバー部材46は略円筒状の形態をなしており、発泡体60の上側(図10の上側)だけではなく外周側面全体がカバー部材46によって覆われている。したがって、発泡体60のほぼ全部がユーザーの視界から隠された状態となるので、ピラー50の見栄えがより向上している。
図9、図10に示すように、カバー部材46は、発泡性材料42の発泡方向を貫通孔58に向けて制御する発泡方向制御手段としても機能している。
すなわち、カバー部材46は、ピラー50の内部56側から見たときに、発泡性材料42の背面側の位置に配置されている。したがって、発泡性材料42が発泡膨張して発泡体60になるときには、より多くの発泡体60が貫通孔58に向かうようにカバー部材46によって制御されるので、より少ない発泡性材料42を用いて貫通孔58を効率的に塞ぐことができる。また、カバー部材46は略円筒状の形態をなしており、発泡体60の外周側面全体がカバー部材46によって覆われるので、必要最小限の発泡性材料42を用いて効率的に貫通孔58を塞ぐことができる。
上記実施の形態では、被塗装物が車両ボディを構成する中空状のピラー30、50である例を示したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。本発明は、中空構造物以外の構造物、例えば、車両ボディを構成するルーフパネルやフロアパネルなどの平板状の構造物に対しても適用することが可能である。また、塗装が施されることのある車両ボディ以外の構造物、例えば、船舶、橋、建物などのその他の構造物に対しても適用することが可能である。
塞ぎ具の斜視図であり、発泡性材料と取付け用クリップとが組み付けられる前の状態を示している。 塞ぎ具の斜視図であり、発泡性材料と取付け用クリップとが組み付けられた後の状態を示している。 塞ぎ具の断面図であり、塞ぎ具が被塗装物の貫通孔に取付けられる前の状態を示している。 塞ぎ具の断面図であり、塞ぎ具が被塗装物の貫通孔に取付けられた後の状態を示している。 塞ぎ具の断面図であり、発泡性材料が発泡膨張して発泡体となった後の状態を示している。 塞ぎ具の斜視図であり、発泡性材料と取付け用クリップとが組み付けられる前の状態を示している。 塞ぎ具の斜視図であり、発泡性材料と取付け用クリップとが組み付けられた後の状態を示している。 塞ぎ具の断面図であり、塞ぎ具が被塗装物の貫通孔に取付けられる前の状態を示している。 塞ぎ具の断面図であり、塞ぎ具が被塗装物の貫通孔に取付けられた後の状態を示している。 塞ぎ具の断面図であり、発泡性材料が発泡膨張して発泡体となった後の状態を示している。
符号の説明
10、40 塞ぎ具
12、42 発泡性材料
13、60 発泡体
14、44 取付け用クリップ(取付け手段)
16、46 カバー部材
18、48 弾性係止片
20 リブ
22 割溝
30、50 ピラー(被塗装物)
38、58 貫通孔
45 環状プレート
R、S 塗料導入路

Claims (4)

  1. 外部加熱により発泡膨張して発泡体となる発泡性材料と、前記発泡性材料を被塗装物の所要位置に貫設された貫通孔に対して取付けるための取付け手段と、を備え、前記被塗装物が塗料槽に侵漬された際には、前記被塗装物の内部に塗料を導入する塗料導入路が前記貫通孔によって確保されるとともに、前記被塗装物に施された塗装の焼付けの際には、前記発泡性材料が発泡体となることで前記貫通孔が塞がれるように構成された被塗装物の貫通孔の塞ぎ具であって、
    前記発泡体の全部又は一部を覆うカバー部材が、発泡性材料の発泡方向を貫通孔に向けて制御する位置に配置されており、
    前記カバー部材の配置構成は、前記発泡体よりも前記被塗装物の表面から離間した位置に配置されていることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具。
  2. 請求項1に記載の被塗装物の貫通孔の塞ぎ具であって、
    取付け手段は、貫通孔の孔縁部に弾性的に係止する樹脂製のクリップであることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具。
  3. 求項2に記載の被塗装物の貫通孔の塞ぎ具であって、
    カバー部材は、クリップと一体状に形成されていることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の被塗装物の貫通孔の塞ぎ具であって、
    発泡性材料には割溝が形成されており、
    取付け手段にはリブが立設されており、
    前記割溝に対して前記リブが嵌め込まれることによって、前記発泡性材料と前記取付け手段とが一体状に組み付けられていることを特徴とする被塗装物の貫通孔の塞ぎ具。
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