JPS6326279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車用内装部品の末端取付構造の
改良に関する。

例えばダツシユサイド、センターピラー、リア
コーナーその他乗用車室内の各部形状に合せて形
成されたトリム部品においては、通常自動車のイ
ンナーパネルの面に沿つて添設され、かつその辺
縁をインナーパネルのフランジ部にウエルトボデ
イサイド等により縁どりしてその表面を仕上げる
ようにしている。

従来この種の内装部品は第１図ａに示す如く、
自動車のインナーパネル１，１の接合フランジ部
１ａの面形状に合せてその辺縁２ａを形成した内
装部品２を、その辺縁２ａが上記接合フランジ部
１ａに挟着されるべくウエルトボデイサイド３に
よつて嵌め込み式に固定するようにしたもの、あ
るいはｂに示すように上記インナーパネル１，１
の接合フランジ部１ａにはウエルトボデイサイド
３を嵌め込んでおき、このウエルトボデイサイド
３の上面にその辺縁４ａが接合するように湾曲状
に形成した内装部品４をクリツプ５により、上記
インナーパネル１に挿通して固定するようにした
ものがある。

しかしながら、上記ａに示すものは、上記ウエ
ルトボデイサイドが内装部品の辺縁において外方
に顕われてしまうために、見栄えの悪いものとな
り、またｂに示すものはその辺縁部の形状はウエ
ルトボデイサイド３が覆い隠されるような形でト
リムされているために見栄えは良好であるが、そ
の代りにクリツプ５の頭部が外方に顕われてしま
いこれもまた見栄えの悪いものとなる。また例え
ば上記内装部品４においてクリツプ５の頭部が内
面に至るように固定する方式もあるがこれにおい
ては工数が大でありまたクリツプ等の余分な部品
数を要する。

そこでこの考案は、ウエルトボデイサイドの外
側面にその端末が当接するように側縁部を湾曲状
に成形した内装部品において、この側縁部下面に
係止片を一体に突設し、該係止片を上記フランジ
部に重合させて、ウエルトボデイサイドにより挟
圧固定することにより、従来のごときクリツプを
要せずしかも未端側縁部の形状においてウエルト
ボデイサイドを被覆するような形でトリムできる
ようにした自動車用内装部品の末端取付構造を提
供するものである。

以下この考案の実施例を図面を用いて詳細に説
明する。なお従来と同一部分には同一符号を付し
て説明する。

第２図はこの考案に係る自動車用内装部品の取
付部分の構造を示すものである。同図における内
装部品１０の側縁部１０ａはその端末が、フラン
ジ部１ａに挟着されるウエルトボデイサイド３の
外側面に当接するように湾曲状に成形されている
とともに、この側縁部１０ａの近傍において内装
部品１０の下面には係止片１１が一体に突設され
ている。この係止片１１は上記内装部品１０の下
面から垂設された垂直片１１ａと、この垂直片１
１ａと一体に連結されているとともに、第１の薄
肉ヒンジ部１２ａによつて屈曲可能にされた第１
の係止部１１ｂと、この第１の係止部１１ｂにや
はり第２の薄肉ヒンジ１２ｂを介して一体に設け
られた第２の係止部１１ｃとからなつている。

従つてこのように構成された内装部品１０を取
付けるためには上記インナーパネル１の平板面に
合せてこれを装着すれば、第１の係止部１１ｂが
ヒンジ１２ａを介してフランジ面一体に貼付けら
れた状態となるが、この状態から第２のヒンジ部
１１ｃを薄肉ヒンジ１２ｂを介してそのフランジ
部１ａの裏面に巻込むようにしてセツトし、次い
でウエルトボデイサイド３を圧入嵌合すれば、上
記第１、第２の係止部１１ｂ，１１ｃはフランジ
部１ａを挟んでその上下面に挟着されることにな
る。

次に第３図はこの考案の他の実施例を示すもの
である。同図において内装部品２０はやはり上記
ウエルトボデイサイド３の外側面に当接すべく湾
曲状に成形した側縁部２０ａを有するともに、そ
の側縁部２０ａの近傍下面には係止片２１が一体
に突設されている。

この係止片２１は内装部品２０の裏面に垂設さ
れた垂直部２１ａとこの垂直部２１ａの下部にあ
つて薄肉ヒンジ部２２ａを介して一体的に突設さ
れた係止部２１ｂとからなる。

従つてこのように構成された内装部品２０を取
付けるには上述するのと同様に内装部品２０をパ
ネル１の面に押付けて係止部２１ｂを上記フラン
ジ部１ａの面に押しあてた後にウエルトボデイサ
イド３を嵌め込めば、これによつて装着が完了す
ることになる。

次に第４図はこの考案の更に他の実施例を示す
ものである。同図における内装部品３０はやはり
湾曲状に成形した側縁部３０ａを有するとともに
これの下面には２色成形等により構成された軟質
の係止舌片３１が一体に突設されている。

従つてこのように構成された内装部品３０を取
付けるためには上記パネル１に内装部品３０を押
付ければ上記軟質係止舌片３１はフランジ１ａの
面に沿つて撓曲し、この状態でウエルトボデイサ
イド３を押込めばこれによつて内装部品３０の固
定が行なわれることになる。

以上各実施例で説明した取付け構造のものにお
いて各係止片または係止舌片はフランジ部に対し
容易に重合させるため、撓曲可能に構成されてい
るが、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、これら係止片または係止舌片がフランジ部
に重合状態になるように構成されていればよく、
上記係止片または係止舌片は内装部品の形状ある
いは取付け位置に応じた配置がなされる。第５図
はその各例を示すもので同図ａはダツシユサイド
４０を示し、このダツシユサイド４０は図におい
てその右側辺縁に沿つてインナーパネルのフラン
ジ面に取付けられる。従つて、この部分に沿つて
部分的に上記係止片Ａを設ければその辺縁に沿つ
て数箇所固着されることになる。

また第５図ｂに示すものはセンターピラーのア
ツパー５０ａおよびロアー５０ｂを示すもので、
これらのものは上下一体化された状態で自動車の
インナーパネルの両側に取付けられ、これに応じ
てその係止片Ａを両側に所々間隔をおいて設ける
ことができる。

更に第５図ｃに示すものはリアコーナーを示す
もので、このリアコーナーはその右側部が適宜の
手段で固定されるとともに、左側部辺縁に沿つて
自動車のインナーパネルのフランジ部に取付けら
れる。従つてこの辺縁に沿つて数箇所係止片Ａを
設ければ良い。

以上各実施例で示したようにこの考案に係る自
動車用内装部品の末端取付構造にあつては、上述
の如く内装部品の側縁部を湾曲状に成形するとと
もに、かつ側縁部の下面に係止片を一体に突設形
成し、この係止片をウエルトボデイサイドにより
フランジ面に挟着できるようにしたので、従来の
ような樹脂クリツプ等の取付け手段が不要であつ
て、しかも従来のウエルトボデイサイドで挟み込
んで固定するものに比してそのウエルトボデイサ
イドが外方に顕われず、その湾曲した側縁部によ
つて覆い隠されてしまうために見栄えが向上する
等の二重の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来の内装部品における取付け
構造を示す部分断面図、第２図はこの考案に係る
内装部品の取付け構造を示す部分拡大断面図、第
３図はこの考案の他の実施例を示す部分拡大断面
図、第４図はこの考案の更に他の実施例を示す部
分拡大断面図、第５図ａ，ｂ，ｃは各内装部品及
びそれに対応した係止片の形成位置を示す説明図
である。 １……インナーパネル、１ａ……接合フランジ
部、３……ウエルトボデイサイド、１０，２０，
３０……内装部品、１０ａ，２０ａ，３０ａ……
側縁部、１１，２１，３１……係止片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 射出成形体からなり、かつ自動車のインナーパ
   ネルの面に沿つて添設される自動車用内装部品に
   おいて、 前記内装部品の側縁部がインナーパネル側に向
   けて湾曲状に成形されているとともに、 上記側縁部の下面適宜箇所に係止片が一体に突
   設形成され、この係止片をインナーパネルのフラ
   ンジ部に重合させて、ウエルトボデイサイドによ
   り挟圧固定した際、上記側縁部の端末がウエルト
   ボデイサイドの外側面に当接するようにしたこと
   を特徴とする自動車用内装部品の末端取付構造。