JPH06241812A - 振動ジャイロ用振動子および振動ジャイロ用検出回路 - Google Patents

振動ジャイロ用振動子および振動ジャイロ用検出回路

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JPH06241812A
JPH06241812A JP5028140A JP2814093A JPH06241812A JP H06241812 A JPH06241812 A JP H06241812A JP 5028140 A JP5028140 A JP 5028140A JP 2814093 A JP2814093 A JP 2814093A JP H06241812 A JPH06241812 A JP H06241812A
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成和 阿部
Kenji Ogawa
賢二 小河
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    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造を簡単にし、信頼性を向上できる振動ジ
ャイロ用振動子を提供する。 【構成】 1は振動ジャイロ用振動子である。振動子1
を構成する振動体2を圧電セラミックスで円柱状に形成
する。この振動体2の外周面上に、その外周を略3分割
して3つの電極3,4,5を振動体2の長軸方向に印
刷、蒸着等で形成する。電極3から他の2つの電極4,
5の周方向の距離を互いに等しくする。電極3を共通電
極とし、他の2つの電極4,5との間に電界を印加する
と、電極4,5から電極3に向かって分極が施される。
電極を3極構成としており、電極構成及び振動体形状が
簡単になり、振動子1が形成し易く、製造コストを低減
できる。また、導線の本数も少なくなることから、信頼
性も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車等に搭
載され、車両の姿勢制御システムやナビゲーションシス
テムに使用される振動ジャイロ用振動子および振動ジャ
イロ用検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来既知の振動ジャイロ用振動子として
図19に示すものがある。同図Bはその斜視図、同図A
は同図Bに示す振動子の中央部分における断面図であ
る。図19に示す振動子61では、振動体62を円柱形
状を有した圧電セラミックスで形成し、円柱型圧電体の
外周面上の円周を等分する位置に、円柱の長軸方向に6
極の帯状電極が形成されている。この帯状電極におい
て、1つおきの電極を両端近傍で接続してアース電極6
6とし、残りの電極のうち1つを駆動用電極63、他の
2つを帰還検出用電極64,65とし、図19Aの矢印
で示すように、駆動電極63および帰還検出用電極6
4,65からアース電極66に向かう方向に分極処理が
施された構成となっている。
【0003】また、他の従来既知の振動ジャイロ用振動
子として図20に示すものは、特公平4−106407
号公報等により開示されている従来の振動ジャイロ用振
動子である。同図Bはその斜視図、同図Aは同図Bに示
す振動子の中央部分における断面図である。図20に示
す振動子71では、振動体72は円筒形状の圧電セラミ
ックスで形成され、この振動体72には軸方向に向かっ
て円形の貫通孔77が形成される。さらに、振動体72
の内周面にはその全面に内部電極76が形成され、その
外周面にはその外周をほぼ3分割して3つの外部電極7
3,74,75が形成される。
【0004】なお、これら外部電極73,74,75は
互いに所定間隔をもって形成される。外部電極73,7
4,75のうちの1つの電極が駆動用電極、他の2つの
電極が帰還検出用電極、そして内部電極76がアース電
極とされる。振動体72は、図20Aの矢印で示すよう
に、内部電極76から外部電極73〜75に向かって放
射状に分極が施される。
【0005】図21は、特開平4−106410号公報
等に開示されている従来の振動ジャイロの構成図であ
る。図において、81は振動子である。この振動子81
は、横断面形状が三角形をなすエリンバ等の恒弾性材料
で形成された柱状の振動体82の2つの側面に駆動検出
用の圧電体84,85が、他の1つの側面に帰還用の圧
電体83が導電性接着剤等を用いて固定されることで構
成される。
【0006】89は圧電体駆動装置であり、この圧電体
駆動装置89より抵抗器86,87を介して交流電圧V
が印加される。また、圧電体83の出力は圧電体駆動装
置89に入力され、振動子81を振動させるループが形
成される。88は差動増幅器であり、この差動増幅器8
8には、抵抗器86,87と圧電体84,85との接続
点P1,P2に発生する電圧VL,VRが入力される。
【0007】このような構成において、圧電体駆動装置
89より抵抗器86,87を介して圧電体84,85に
交流電圧Vが印加されると、振動子81はY方向に屈曲
励振され、接続点P1,P2には、交流電圧Vと圧電体
84,85の歪に伴って発生する電圧との合成された電
圧VL,VRが得られる。ここで、振動子81の振動の
下で、その振動子81がZ軸回りに回転されると、振動
子81にはコリオリ力に基づくX軸方向の振動が発生
し、接続点P1,P2に得られる電圧VL,VRに差を
生じる。差動増幅器88では、これらの電圧VL,VR
の差、従ってコリオリ力に基づく電圧が検出され、かか
る回転の角速度が求められる。
【0008】この図21の振動ジャイロの動作原理を、
図22を使用して詳細に説明する。図22Aは、圧電体
84,85をシンボルで表現したものであり、2つの振
動子がそれぞれ抵抗器86,87を介して圧電体駆動装
置89に接続されていることを示している。ここで、圧
電体駆動装置89より抵抗器86,87を介して圧電体
84,85に交流電圧Vが印加されると、圧電体84,
85に電流が流れ、それぞれ交流電圧VL,VRが印加
されることになる。
【0009】したがって、圧電体84,85の力係数を
Aとすると、圧電体84,85には、図22Bに示した
ように垂直方向にそれぞれ力係数Aと印加電圧VL,V
Rとで決まる力FL,FRが生じる。この力FL,FR
は、X軸方向の単位ベクトルをi、Y軸方向の単位ベク
トルをjとすると、次式で表わされる。
【0010】 FL=A×VL×COS30°×i−A×VL×SIN30°×j ・・・(1) FR=−A×VR×COS30°×i−A×VR×SIN30°×j
【0011】この2つの力FL,FRの合成により、振
動子81はY軸方向にvYの速度で運動する。ここで、
角速度Ωが図22Cに示したように振動子81に印加さ
れたとすると、振動子81にコリオリ力FCがX軸方向
に生じ、その大きさは振動子81の等価質量をmとする
と、次式で表わされる。
【0012】 FC=2×m×Ω×vY×i ・・・(2)
【0013】次に、振動子81が圧電体84,85に発
生する力FL,FRとコリオリ力FCによりX軸方向、
Y軸方向にそれぞれvX,vYの速度で振動するので、
振動子81には反力FZを生じる。この反力FZは、X
軸方向の機械インピーダンスをZX、Y軸方向の機械イ
ンピーダンスをZYとすると、次式で表わされる。
【0014】 FZ=−ZX×vX×i−ZY×vY×j ・・・(3)
【0015】また、速度vYによって圧電体83に電圧
VBが生じ、次式で表わされる力FBが発生する。
【0016】 FB=A×VB×j ・・・(4)
【0017】圧電体84,85に発生する力FL,FR
およびコリオリ力FCと振動子81に発生する反力F
Z、圧電体83に発生する力FBは釣合うので、次式が
成立する。
【0018】 0=FL+FR+FC+FZ+FB ・・・(5)
【0019】したがって、X軸方向、Y軸方向の力の釣
合を分離して整理すると、次の(6)式が得られる。
【0020】
【数1】
【0021】上記(6)式より角速度Ωは、次の(7)
式で求められる。
【0022】
【数2】
【0023】一方、圧電体84,85を流れる電流I
L,IRは、抵抗器86,87のアドミッタンスをYR
とすると、次式で表わされる。
【0024】 IL=YR×(V−VL) ・・・(8) IR=YR×(V−VR)
【0025】さらに、圧電体84,85の制動アドミッ
タンスをY、圧電体84,85の垂直方向への振動速度
をvL,vRとすると、電流IL,IRは次式で表わさ
れる。
【0026】 IL=A×vL+Y×VL ・・・(9) IR=A×vR+Y×VR
【0027】 したがって、次の(10),(11)式
が成立する。
【0028】
【数3】
【0029】
【数4】
【0030】 図22Dには、速度vL,vRと
速度vX,vYとの関係をベクトル線図として示してい
る。ここで、vL,vRを単位ベクトルi,jで表わす
と、次式のようになる。
【0031】 vL=vL×COS30°×i−vL×SIN30°×j ・・・(12) vR=−vR×COS30°×i−vR×SIN30°×j
【0032】そして、vXはvL,vRベクトルの和の
X軸上への投影、vYはその和のY軸上への投影である
ので、vX,vYは、次式のようになる。
【0033】 vX=COS30°×(vL−vR) ・・・(13) vY=−SIN30°×(vL+vR)
【0034】ここで、上記(10)式から上記(11)
式を減算すると、次の(14)式が得られる。
【0035】
【数5】
【0036】上記(7)式より上記(14)式を用いて
vXを消去すると、次の(15)式が得られる。
【0037】
【数6】
【0038】一方、圧電体83は、外部からの電流が存
在しないので、0=A×vY−Y×VBが成立ち、次の
(16)式が得られる。
【0039】
【数7】
【0040】上記(10)式と上記(11)式を加算す
ると、次の(17)式が得られる。
【0041】
【数8】
【0042】上記(16)式および上記(17)式より
次の(18)式が得られ、この(18)式を上記(1
5)式に代入することにより次の(19)式が得られ
る。
【0043】
【数9】
【0044】
【数10】
【0045】上記(19)式の分母はコリオリ力FCに
よってほとんど変化しないので、角速度Ωは(VL−V
R)に比例することになり、図21に示したように抵抗
器86,87と圧電体84,85の接続点P1,P2に
得られる電圧VL,VRの差を差動増幅器88で検出す
ることで、角速度Ωを検出できる。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図19に示
す振動ジャイロ用振動子61にあっては、振動体62の
外周面上に少なくとも6極の帯状電極を等間隔に形成
し、1つおきの電極66を両端近辺で接続してアース電
極とするものであり、構成が複雑になるという問題点が
あった。また、振動体62の外周面上に等間隔に6極の
帯状電極を形成するには、振動体62を正確な円柱形状
に形成せねばならず、精密な加工が必要となり、製造コ
ストが高くなるという問題点があった。また、電極の数
が多いことから導線の本数も多くなり、導線の破断等の
機会も多く、信頼性に欠けるという問題点があった。
【0047】図20に示す振動ジャイロ用振動子71に
あっては、振動体72に軸方向に貫通孔77を形成し、
さらにその内周全面に電極76を形成するものであり、
製造が複雑で面倒であり、製造コストが高くなるという
問題点があった。また、電極の数が多いことから導線の
本数も多くなり、導線の破断等の機会も多く、信頼性に
欠けるという問題点があった。
【0048】図21に示す振動ジャイロ用検出回路は、
数10の式に示したような原理で角速度Ωを検出してお
り、その式中に圧電体84,85の力係数A、制動アド
ミッタンスY、検出抵抗YR等の項を含んでいる。した
がって、温度変化や経年変化等で、力係数A、制動アド
ミッタンスY、検出抵抗YRが変化すると、角速度Ωを
正確に検出できず、また温度補償も複雑になるという問
題点があった。また、(19)式に示されるように、圧
電体83の出力VBや圧電体駆動装置89の出力Vを所
定の値にしても、圧電体の力係数Aや制動アドミッタン
ンスYの項を消去できないという問題点があった。
【0049】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、製造を簡単にし、信頼性を向上で
きる振動ジャイロ用振動子を提供することを目的とす
る。また、その振動ジャイロ用振動子を用いて正確にコ
リオリ力を検出し得る振動ジャイロ用検出回路を提供す
ることを目的とする。さらに、圧電体の力係数や制動ア
ドミッタンスの変化によらず角速度を正確に検出し得る
振動ジャイロ用検出回路を提供することを目的とする。
【0050】
【課題を解決するための手段】請求項第1項の発明に係
る振動ジャイロ用振動子は、柱状の振動体と、この振動
体の外周面に形成された3つの電極とを備え、上記3つ
の電極のうち1つの電極を共通電極として横断面の対称
軸上に設け、この共通電極からの周方向の距離が互いに
等しくなる位置に他の2つの電極を設け、上記共通電極
と他の2つの電極との間が分極処理されたものである。
【0051】請求項第2項の振動ジャイロ用検出回路
は、柱状の振動体及びこの振動体の外周面に形成された
3つの電極を有し、上記3つの電極のうち1つの電極を
共通電極として横断面の対称軸上に設け、この共通電極
からの周方向の距離が互いに等しくなる位置に他の2つ
の電極を設け、上記共通電極と他の2つの電極との間が
分極処理された振動ジャイロ用振動子と、上記共通電極
と他の2つの電極のそれぞれとの間に同電圧を印加して
上記振動子を駆動する駆動手段と、上記他の2つの電極
に流れる電流を夫々検出する2つの電流検出手段とを備
え、これ等の2つの電流検出手段の出力により角速度を
検出するものである。
【0052】請求項第3項の振動ジャイロ用検出回路
は、多角形の柱状振動子と、この振動子の平行でない2
つの柱面に形成されると共に上記振動子を振動させる2
つの圧電体と、上記2つの圧電体を同電圧で駆動する圧
電体駆動手段と、上記2つの圧電体に流れる電流を検出
する2つの電流検出手段と、これ等の2つの電流検出手
段の出力の差を取る差動手段とを備え、上記差動手段の
出力により角速度を検出するものである。
【0053】請求項第4項の振動ジャイロ用検出回路
は、多角形の柱状振動子と、この振動子の平行でない2
つの柱面に形成されると共に上記振動子を振動させる2
つの圧電体と、上記2つの圧電体の共通電極に電圧を印
加して上記圧電体を駆動する圧電体駆動手段と、上記2
つの圧電体の非共通電極が反転入力端子に接続され、非
反転入力端子が接地され、上記反転入力端子と出力端子
とが所定の抵抗素子で接続された演算増幅器よりなる2
つの電流検出手段と、これ等の2つの電流検出手段の出
力の差を取る差動手段と、上記圧電体駆動手段の出力が
入力される少なくとも1つの反転増幅器とを備え、上記
反転増幅器の出力端子と上記2つの電流検出手段の演算
増幅器の反転入力端子とを所定のコンデンサで接続し、
上記差動手段の出力により角速度を検出するものであ
る。
【0054】請求項第5項の振動ジャイロ用検出回路
は、多角形の柱状振動子と、この振動子の平行でない2
つの柱面に形成されると共に上記振動子を振動させる2
つの圧電体と、上記2つの圧電体を同電圧で駆動する圧
電体駆動手段と、上記2つの圧電体に流れる電流を検出
する2つの電流検出手段と、これ等の2つの電流検出手
段の出力の差を取る差動手段とを備え、上記2つの電流
検出手段のうちいずれか一方の出力または上記振動子の
駆動方向の速度を検出する速度検出手段の出力を上記圧
電体駆動手段に帰還して上記振動子を自励振動させると
共に、上記差動手段の出力により角速度を検出するもの
である。
【0055】請求項第6項の振動ジャイロ用検出回路
は、多角形の柱状振動子と、この振動子の平行でない2
つの柱面に形成されると共に上記振動子を振動させる2
つの圧電体と、上記2つの圧電体の共通電極に電圧を印
加して上記圧電体を駆動する圧電体駆動手段と、上記2
つの圧電体の非共通電極が反転入力端子に接続され、非
反転入力端子が接地され、上記反転入力端子と出力端子
とが所定の抵抗素子で接続された演算増幅器よりなる2
つの電流検出手段と、これ等の2つの電流検出手段の出
力の差を取る差動手段と、上記圧電体駆動手段の出力が
入力される少なくとも1つの反転増幅器とを備え、上記
2つの電流検出手段のうちいずれか一方の出力または上
記振動子の駆動方向の速度を検出する速度検出手段の出
力を上記圧電体駆動手段に帰還して上記振動子を自励振
動させると共に、上記反転増幅器の出力端子と上記2つ
の電流検出手段の演算増幅器の反転入力端子とを所定の
コンデンサで接続して上記差動手段の出力により角速度
を検出するものである。
【0056】
【作用】請求項第1項の発明においては、電極を3極構
成としているため、電極構成が簡単となり、振動体形状
も簡単になり、振動子を形成し易くなり、製造コストを
低減し得る。また、導線の本数も少なくなることから、
信頼性を向上し得る。
【0057】請求項第2項の発明においては、共通電極
と他の2つの電極に同電位を印加し、2つの電極に流れ
る電流を検出することにより角速度を検出することによ
って、コリオリ力の検出精度を有利に向上し得る。
【0058】請求項第3項および第4項の発明において
は、横断面が多角形の柱状振動子の平行でない2つの柱
面に形成される2つの圧電体を備え、この2つの圧電体
を同電位で駆動すると共に、2つの圧電体を流れる電流
の差を検出することにより、振動子に角速度が印加され
ることにより生ずるコリオリ力を検出できるように構成
したため、圧電体の制動アドミッタンスに依存しない角
速度出力が得られ、環境温度や経年変化によって制動ア
ドミッタンンスが変化しても角速度出力には影響しない
ものとなる。
【0059】請求項第5項および第6項の発明において
は、請求項第3項および第4項と同様に作用する他に、
2つの電流検出手段のうちいずれか一方の出力または振
動子の駆動方向の速度を検出する速度検出手段の出力を
圧電体駆動手段に帰還しているため、振動子を自励振動
させることができる。
【0060】
【実施例】
実施例1.図1は、この発明に係る振動ジャイロ用振動
子の一実施例を示しており、同図Bは斜視図であり、同
図Aは同図Bの中央部分における横断面図である。図に
おいて、1は振動ジャイロ用振動子である。振動子1を
構成する振動体2を圧電セラミックスで円柱状に形成す
る。この振動体2の外周面上に、その外周を略3分割し
て3つの電極3,4,5を振動体2の長軸方向に印刷、
蒸着、スパッタリング、銀ペースト焼結法およびメッキ
等によって形成する。電極3,4,5はそれらの面が互
いに所定間隔を有するように形成する。3つの電極3,
4,5のうち1つの電極、例えば電極3を共通電極と
し、他の2つの電極4,5との間に電界を印加すること
により、図1Aに矢印で示すように電極4,5から電極
3に向かって分極が施される。
【0061】本例においては、振動体2の外周を3分割
する位置に3つの電極3,4,5が形成されており、3
つの電極3,4,5のうち任意の1つの電極を共通電極
にすればよく、また共通電極から他の2つの周方向の距
離は互いに等しくなる。本例の振動子1は、その2つの
節点と対応する位置において支持される。なお、8は対
称軸である。
【0062】本例によれば、振動体2は円柱状に形成す
ればよく、図20に示す従来例のような振動体72を円
筒型に形成するものに比べ、簡単に形成できるため製造
コストを低減できる。また、振動体2の外周面上に形成
する電極は3極で構成され、形状も簡単なため、印刷、
蒸着、スパッタリング、銀ペースト焼結法およびメッキ
等によって、図19に示す6極以上の電極構成のもの
や、図20に示す円筒型の内周全面に内部電極を形成す
るものに比べ、簡単に形成することができる。
【0063】また、電極が3極構成のため、導線も3本
結線すればよく、従来例に比べて断線等の機会も少な
く、信頼性の向上を図ることができる。また、振動体2
が圧電セラミックスで形成されているため、図21に示
す振動子81のように振動体82の側面に圧電体83〜
85を接着する必要がなく、従来の振動ジャイロのよう
に雰囲気温度の変化による圧電体83〜85と振動体8
2との熱膨張係数の差による特性変化は生じない。
【0064】実施例2.図2は、この発明に係る振動ジ
ャイロ用振動子の他の実施例を示しており、同図Bは斜
視図であり、同図Aは同図Bの中央部分における横断面
図である。図2において、図1と対応する部分には同一
符号を付して示している。図において、11は振動ジャ
イロ用振動子である。この振動子11を構成する振動体
2も、実施例1の振動子1と同様に、圧電セラミックス
で円柱状に形成する。振動体2の外周面上に3つの電極
3,4,5を振動体2の長軸方向に印刷、蒸着、スパッ
タリング、銀ペースト焼結法およびメッキ等によって形
成する。
【0065】3つの電極3,4,5のうち1つの電極、
本例においては電極3を外周上の任意の位置に設けて共
通電極とする。そして、共通電極3からの周方向の距離
L34,L35が等しくなるように、それぞれ逆方向に他の
2つの電極4,5を外周上に形成する。こられの電極
3,4,5は、それらが互いに所定間隔を有するように
形成する。そして、共通電極3と他の2つの電極4,5
との間に電界を印加することにより、図2Aに矢印で示
すように電極4,5から電極3に向かって分極が施され
る。本例の振動子11は、その2つの節点と対応する位
置において支持される。
【0066】本例においては、振動体2の外周面上に形
成される3つの電極3,4,5の位置が実施例1とは異
なるものの、その他の構成は実施例1と同様であり、実
施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0067】実施例3.図3は、この発明に係る振動ジ
ャイロ用振動子の他の実施例を示しており、同図Bは斜
視図であり、同図Aは同図Bの中央部分における横断面
図である。図3において、図1と対応する部分には同一
符号を付して示している。図において、12は振動ジャ
イロ用振動子でる。この振動子12を構成する振動体6
も圧電セラミックスで形成する。振動体6は、その横断
面が円弧状となる、かまぼこ型形状の柱状とする。振動
体6は対称軸8に対して左右対称となる。
【0068】振動体6の外周面上に3つの電極3,4,
5を振動体6の長軸方向に印刷、蒸着、スパッタリン
グ、銀ペースト焼結法およびメッキ等によって形成す
る。3つの電極3,4,5の構成としては、まず外周の
長軸方向に横断面の対称軸8上に位置するように電極3
を設け、これを共通電極とする。そして、共通電極3か
らの周方向の距離L34,L35が等しくなるように、それ
ぞれ逆方向に他2つの電極4,5を円弧上に設ける。共
通電極3と他の2つの電極4,5との間に電界を印加す
ることにより、図3Aに矢印で示すように電極4,5か
ら電極3に向かって分極が施される。本例の振動子12
は、その2つの節点と対応する位置において支持され
る。
【0069】本例においては、振動体6の形状および電
極3,4,5の位置が実施例1とは異なるものの、その
他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の作
用効果を得ることができる。
【0070】実施例4.図4は、この発明に係る振動ジ
ャイロ用振動子の他の実施例を示しており、同図Bは斜
視図であり、同図Aは同図Bの中央部分における横断面
図である。図4において、図1と対応する部分には同一
符号を付して示している。図において、13は振動ジャ
イロ用振動子である。振動子13を構成する振動体7を
圧電セラミックスで正三角柱状に形成する。振動体7の
各側面に3つの電極3,4,5を振動体7の長軸方向に
印刷、蒸着、スパッタリング、銀ペースト焼結法および
メッキ等によって形成する。電極3,4,5はそれらの
面が互いに所定間隔を有するように形成する。
【0071】3つの電極3,4,5のうち1つの電極、
本例では電極3を共通電極とし、他の2つの電極4,5
との間に電界を印加することにより、図4Aの矢印で示
すように電極4,5から電極3に向かって分極が施され
る。この振動体7は正三角柱であるため、その横断面は
正三角形になる。よって、その各辺の中央部に3つの電
極が設けらているため、共通電極3は横断面の対称軸8
上に位置し、共通電極3から他2つの電極4,5間の周
方向の距離は互いに等しくなる。本例の振動子13は、
その2つの節点と対応する位置において支持される。
【0072】本例においては、振動体7の形状が実施例
1とは異なるものの、その他の構成は実施例1と同様で
あり、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0073】実施例5.図5は、この発明に係る振動ジ
ャイロ用検出回路の一実施例を示す接続図である。本例
は、実施例1の振動子1を用いて角速度を検出するもの
であり、電極3をアース電極とし、他の2つの電極4,
5を駆動検出用電極としている。図において、20,3
0は電流検出手段である。この電流検出手段20,30
は駆動手段を兼ねており、演算増幅器21,31の出力
端子と反転入力端子との間に抵抗器22,32を接続
し、負帰還をかけた構成とする。
【0074】また、演算増幅器21,31の非反転入力
端子に駆動電源50を接続し、演算増幅器21,31の
反転入力端子を振動子1の電極4,5に接続し、演算増
幅器21,31のそれぞれの出力端子を角速度検出手段
を構成する差動増幅器40の各入力端子に接続する。本
例において、演算増幅器21,31に負帰還をかけてい
るため、演算増幅器21,31の非反転入力端子に駆動
電源50より交流電圧Vが印加されるとき、電極4,5
には同電位の交流電圧Vが印加される。
【0075】一般に、圧電セラミックスは分極時と同じ
極性の電圧を印加すると分極の向きに沿って伸び歪が発
生し、逆向きの電圧を印加すると縮み歪が発生する。よ
って、振動体2は、図1Aに矢印で示すように電極4,
5から電極3に向かう方向に分極が施されているため、
電極4,5に同電位の交流電圧Vが印加されると、振動
子1はY軸方向に振動する。
【0076】そして、電流検出手段20,30の出力
は、電極4,5に流れる電流に対応しているため、差動
増幅器40で差を検出することで、電極4,5に流れる
電流の差を求めることができる。つまり、電極4,5に
同電位の交流電圧Vを印加し、振動子1を振動させたと
きに、電極4,5に流れる電流をIL,IRとすると、
演算増幅器21,31の出力は、それぞれ(V+IL×
R),(V+IR×R)となる。これらを差動増幅器4
0で演算することにより、差動増幅器40の出力はR×
(IL−IR)となり、電極4,5での電流差を求める
ことができる。
【0077】無回転時には、振動子1は上述した理由に
よってY軸方向にのみ振動しているため、電極4,5に
流れるIL,IRは等しく、差動増幅器40の出力は0
となる。一方、振動子1がZ軸回りに回転すると、振動
子1にはコリオリ力に基づくX軸方向の振動が発生し、
電極4,5に流れる電流IL,IRに差が生じる。これ
らを差動増幅器40で演算することにより、電流差を検
出し、それにより角速度を求めることができる。
【0078】ところで、図6は、実施例1の振動子1
に、図21に示した従来の振動ジャイロ用検出回路を適
用した例である。電極4,5に抵抗器86,87を介し
て交流電圧Vを印加すると、振動子1はY軸方向に屈曲
振動し、電極4,5には同電圧が得られる。しかし、振
動子1がZ軸回りに回転すると、振動子1にはコリオリ
力に基づく、X軸方向の振動が発生し、電極4,5から
見た振動体2のインピーダンスが変化するため、電極
4,5に生じる電圧に差が生じる。
【0079】しかし、振動子1は、振動体2に3つの電
極3,4,5を設けた構成となっているため、電圧4,
5間にはコンデンサ10が接続されているのと等価であ
ると考えらる。ここで、電極4,5に電位差が生じる
と、コンデンサ10に電流が流れるため、電極4,5に
生じる電圧は、Y軸方向の振動、X軸方向の振動だけで
なく、さらにコンデンサ10を流れる電流の影響等が複
合されている。したがって、これらの複合電圧よりX軸
方向の振動のみを抽出するのは困難となり、正確に角速
度を求めることができない。
【0080】なお、図5の例においては、実施例1の振
動子1を用いたものであるが、実施例2〜実施例4の振
動子11〜13を用いることもできる。このことは後述
する実施例6においても同様である。
【0081】実施例6.図7は、この発明に係る振動ジ
ャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図である。本
例は、実施例1の振動子1を用いて角速度を検出するも
のであり、電極3を共通電極とし、他の2つの電極4,
5を駆動検出用電極としている。この図7において、図
5と対応する部分には同一符号を付して示している。本
例においては、共通電極3に振動子1を駆動するための
交流電圧Vを駆動電源50より印加する。
【0082】演算増幅器21,31の出力端子と反転入
力端子との間に抵抗器22,32を接続して負帰還をか
け、演算増幅器21,31の非反転入力端子は接地し、
また反転入力端子を振動子1の電極4,5に接続する。
そして、演算増幅器21,31の出力端子を角速度検出
手段を構成する差動増幅器40の各入力端子に接続す
る。
【0083】本例においては、演算増幅器21,31に
抵抗器22,32を介して負帰還をかけると共に、演算
増幅器21,31の非反転入力端子は接地されており、
また演算増幅器21,31の反転入力端子は振動子1の
電極4,5に接続されているため、電極4,5の電位は
接地電位となる。よって、共通電極3と電極4,5との
間に印加される電圧は同電位となる。そして、電流検出
手段20,30の出力は、電極4,5に流れる電流に対
応しているため、差動増幅器40で差を検出すること
で、電極4,5に流れる電流IL,IRの差を求めるこ
とができる。
【0084】つまり、振動子1の共通電極3に交流電圧
Vを印加すると、電極4,5の電位は0であり、電極3
から電極4,5に向かって分極が施されるため、振動子
1がY軸方向に振動する。このとき、電極4,5に流れ
る電流をIL,IRとすると、演算増幅器21,31の
出力はそれぞれ−IL×R,−IR×Rとなる。そし
て、これらを差動増幅器40で演算することにより、差
動増幅器40の出力はR(IL−IR)となり、電極
4,5の電流差を求めることができる。
【0085】無回転時には、振動子1は上述した理由に
よってY軸方向にのみ振動しているため、電極4,5に
流れる電流IL,IRは等しく、差動増幅器40の出力
は0となる。一方、振動子1がZ軸回りに回転すると、
振動子1にはコリオリ力に基づくX軸方向の振動が発生
し、電極4,5に流れる電流IL,IRに差が生じる。
これらを差動増幅器40で演算することにより、電流差
を検出し、それにより角速度を求めることができる。
【0086】実施例7.図8は、この発明に係る振動ジ
ャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図である。図
において、101は正四角柱状の振動子であり、エリン
バ等の恒弾性材料で形成する。102,103は圧電体
であり、振動子101の2柱面に導電性接着剤等を用い
て固定する。104,105は電流検出手段(駆動手段
を兼ねる)であり、この電流検出手段104,105に
は圧電体駆動手段106を接続する。107は角速度検
出手段を構成する差動増幅器であり、電流検出手段10
4,105より出力される電流検出出力を入力する。
【0087】電流検出手段104,105は、例えば図
10に示すように、演算増幅器141,151を用いて
構成する。すなわち、演算増幅器141,151の出力
端子と反転入力端子との間に抵抗器142,152を接
続し、負帰還をかけた構成とする。また、演算増幅器1
41,151の非反転入力端子に圧電体駆動手段106
を接続し、演算増幅器141,151の反転入力端子を
圧電体102,103に接続し、演算増幅器141,1
51のそれぞれの出力端子を差動増幅器107の各入力
端子に接続する。
【0088】図10の例において、演算増幅器141,
151に負帰還をかけているため、演算増幅器141,
151の非反転入力端子に圧電体駆動手段106より交
流電圧Vを印加すると、圧電体102,103には同電
位の交流電圧Vが印加される。換言すると、圧電体10
2,103に同電位の電圧Vが印加されるように、演算
増幅器141,151の出力が抵抗器142,152を
介して圧電体102,103にそれぞれ電流IL,IR
を流すことになる。
【0089】これにより、電流検出手段104,105
の出力は、圧電体102,103に流れる電流IL,I
Rに対応しているため、差動増幅器107で差を検出す
ることで、圧電体102,103に流れる電流IL,I
Rの差を求めることができる。つまり、圧電体102,
103に同電位の交流電圧Vを印加し、振動子101を
振動させたときに圧電体102,103に流れる電流を
IL,IRとすると、演算増幅器141,151の出力
は、それぞれ(V+IL×R),(V+IR×R)とな
る。これらを差動増幅器107で演算することにより、
差動増幅器107の出力はR×(IL−IR)となり、
圧電体101,103に流れる電流の差を求めることが
できる。
【0090】次に、動作原理を図9を使用して詳細に説
明する。図9Aは、圧電体102,103をシンボルで
表現したものであり、2つの圧電体102,103に圧
電体駆動手段106より交流電圧Vを印加したときに、
それぞれIL,IRなる電流が流れることを示してい
る。圧電体102,103に交流電圧Vが印加される
と、圧電体102,103には図9Bに示すように垂直
方向に圧電体102,103の力係数Aと印加電圧Vと
で決まる力FL,FRが生じる。この力FL,FRは、
X軸方向の単位ベクトルをi、Y軸方向の単位ベクトル
をjとすると、次式で表わされる。
【0091】 FL=A×V×COS45°×i+A×V×SIN45°×j ・・・(20) FR=−A×V×COS45°×i+A×V×SIN45°×j
【0092】この2つの力FL,FRの合成により、振
動子101はY軸方向にのみ力を受け、Y軸方向にvY
の速度で運動する。ここで、角速度Ωが図9Cに示した
ように振動子101に印加されたとすると、振動子10
1にコリオリ力FCがX軸方向に生じ、その大きさは振
動子101の等価質量をmとすると、次式で表わされ
る。
【0093】 FC=2×m×Ω×vY×i ・・・(21)
【0094】次に、振動子101が圧電体102,10
3に発生する力FL,FRとコリオリ力FCによりX軸
方向、Y軸方向にそれぞれvX,vYの速度で振動する
ので、振動子101には反力FZを生じる。この反力F
Zは、X軸方向の機械インピーダンスをZX、Y軸方向
の機械インピーダンスをZYとすると、次式で表わされ
る。
【0095】 FZ=−ZX×vX×i−ZY×vY×j ・・・(22)
【0096】圧電体102,103に発生する力FL,
FRおよびコリオリ力FCと振動子101に発生する反
力FZは釣合うので、次式が成立する。
【0097】 0=FL+FR+FC+FZ ・・・(23)
【0098】したがって、X軸方向、Y軸方向の力の釣
合を分離して整理すると、次の(23)式が得られる。
【0099】
【数11】
【0100】上記(23)式より角速度Ωは、次の(2
4)式で求められる。
【0101】
【数12】
【0102】一方、圧電体102,103を流れる電流
IL,IRは、圧電体102,103の制動アドミッタ
ンスをY、圧電体102,103の垂直方向への振動速
度をvL,vRとすると、次の(26),(27)式で
表わされる。
【0103】
【数13】
【0104】
【数14】
【0105】また、vL,vR,vX,vYをベクトル
で考えると、図9Dに示すような関係があるので、v
X,vYは次式で表わされる。
【0106】 vX=COS45°×(vL−vR) ・・・(27) vY=SIN45°×(vL+vR)
【0107】一方、上記(25)式から上記(26)式
を減算すると、次の(28)式が得られる。
【0108】
【数15】
【0109】上記(24)式より上記(28)式を用い
てvXを消去すると、次の(29)式が得られる。
【0110】
【数16】
【0111】ここで、Vを所定値とすることにより、角
速度Ωは圧電体102,103に流れる電流IL,IR
の差として検出できることがわかる。したがって、図1
0の差動増幅器107の出力が角速度Ωに対応する。本
例においては、上記(29)式より明かなように、圧電
体102,103の制動アドミッタンスに依存しない角
速度出力を得ることができ、環境温度や経年変化によっ
て制動アドミッタンスが変化しても角速度出力には影響
しなくなる。
【0112】実施例8.図11は、この発明に係る振動
ジャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図である。
この図11において、図10と対応する部分には同一符
号を付し、その詳細説明は省略する。図において、圧電
体102は抵抗器108を介して圧電体駆動手段6に接
続し、抵抗器108および圧電体102の接続点を電流
検出手段105を構成する演算増幅器151の非反転入
力端子に接続する。また、抵抗器108および圧電体駆
動手段106の接続点を差動増幅器107の非反転入力
端子に接続する。
【0113】本例においては、圧電体103に印加され
る電圧は、圧電体駆動手段106からの電圧ではなく、
圧電体102に印加されている電圧となる。本例は以上
のように構成し、その他は図10の例と同様に構成す
る。いま、圧電体102に印加されている交流電圧を
V、流れている電流をILとすると、圧電体駆動手段1
06の出力は、次式のようになる。
【0114】 V+IL×R ・・・(30)
【0115】一方、電流検出手段105の出力は、実施
例7でも説明したように、次式のようになる。
【0116】 V+IR×R ・・・(31)
【0117】そのため、差動増幅器107の出力は圧電
体102,103を流れる電流の差に相当し、この出力
より角速度Ωを検出することができる。
【0118】実施例9.図12は、この発明に係る振動
ジャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図である。
この図12において、図10と対応する部分には同一符
号を付し、その詳細説明は省略する。図において、圧電
体102,103の共通電極を兼ねている振動子101
に圧電体駆動手段106を接続する。また、電流検出手
段104,105を構成する演算増幅器141,151
の非反転入力端子を接地する。本例は以上のように構成
し、その他は図10の例と同様に構成する。
【0119】本例においては、演算増幅器141,15
1の非反転入力端子は接地され、また演算増幅器14
1,151の出力端子は抵抗器142,152を介して
その反転入力端子に接続されているので、演算増幅器1
41,151は圧電体102,103の電位が接地電位
となるように抵抗器142,152を介して圧電体10
2,103にそれぞれ電流IL,IRを流すことにな
る。そのため、圧電体102,103に印加される電圧
は同一となり、電流検出手段104,105の出力はそ
れぞれ電流IL,IRに対応したものとなる。したがっ
て、差動増幅器107を用いて電流検出手段104,1
05の出力の差を検出することにより、圧電体102,
103を流れる電流IL,IRの差が検出され、数16
に示した原理に基づいて角速度Ωを検出できる。
【0120】実施例10.図13は、この発明に係る振
動ジャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図であ
る。この図13において、図12と対応する部分には同
一符号を付し、その詳細説明は省略する。図において、
110は利得が−Kの反転増幅器であり、この反転増幅
器110の入力側を圧電体駆動手段106に接続し、そ
の出力側をコンデンサ111,112を介して電流検出
手段104,105を構成する演算増幅器141,15
1の反転入力端子に接続する。本例は以上のように構成
し、その他は図12の例と同様に構成する。
【0121】本例の動作を図14を使用して説明する。
図14に示すように、圧電体102(103)は、コイ
ル121(L)、コンデンサ122(C)、抵抗器12
3(R)、コンデンサ124(Cd)よりなる等価回路
で与えられる。コンデンサ111(112)の容量をC
rとすると、演算増幅器141(151)の反転入力端
子の電圧は0であり、コンデンサ111(112)には
−KVの電圧が印加されているので、コンデンサ111
(112)を流れる電流I3は、次式で表わされる。
【0122】 I3=jωCr×K×V ・・・(32)
【0123】一方、圧電体102(103)の制動容量
であるコンデンサ124を流れる電流I2は、次式で表
わされる。
【0124】 I2=jωCd×V ・・・(33)
【0125】ここで、K=Cd/Crであるならば、コ
イル121、コンデンサ122、抵抗器123よりなり
直列共振回路を流れれる電流I1と演算増幅器141
(151)に接続されている抵抗器142(152)を
流れる電流I4とは等しくなり、演算増幅器141(1
51)の出力は、直列共振回路を流れる電流に対応す
る。これは、数13、数14で示した圧電体102,1
03を流れる電流の式から、制動容量Yを流れる電流を
差し引いたものに対応するため、電流検出手段104の
出力は次式のようになる。
【0126】 IL′=A×vL ・・・(34)
【0127】また、電流検出手段105の出力は次式の
ようになる。
【0128】 IR′=A×vR ・・・(35)
【0129】差動増幅器107で、電流検出手段10
4,105の出力の差をとると、次式のようになる。
【0130】 IL′−IR′=A(vL−vR) ・・・(36)
【0131】このように差動増幅器107の出力は上記
(28)式と同等の出力となり、差動増幅器107の出
力より角速度Ωを検出できる。
【0132】実施例11.図15は、この発明に係る振
動ジャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図であ
る。本例は自励振動するように構成した例である。この
図15において、図10と対応する部分には同一符号を
付し、その詳細説明は省略する。おいて、109は電流
検出手段104,105の出力が入力され、振動子10
1のY軸方向の振動成分を出力するY振動検出手段であ
る。このY振動検出手段109の出力を圧電体駆動手段
106に帰還する。
【0133】Y振動検出手段109を構成する演算増幅
器191の非反転入力端子には圧電体駆動手段106の
出力を入力する。演算増幅器191の反転入力端子はコ
ンデンサ192を介して接地する。このコンデンサ92
の容量は、圧電体102,103の制動アドミッタンス
相当の容量Cd(=1/Y)とする。また、演算増幅器
191の出力端子を抵抗器193を介して反転入力端子
に接続する。ここで、演算増幅器191の非反転入力端
子にはVなる電圧が印加されるいるので、反転入力端子
にもVなる電圧が印加されるように、演算増幅器191
は抵抗器193を介してコンデンサ192に電流を流す
ため、演算増幅器191の出力は、次式のようになる。
【0134】 Vo=V+Id×R =V+Y×V×R ・・・(37)
【0135】また、Y振動検出手段109を構成する他
方の演算増幅器194は、抵抗器195〜199により
差動増幅器を構成している。ここで、抵抗器197,1
98は同抵抗値であり、抵抗器195は抵抗器197の
1/2の抵抗値、抵抗器196,199は同抵抗値であ
る。そのため、この差動増幅器は、抵抗値195が接続
されている演算増幅器191の出力の2倍から、抵抗器
197に接続された電流検出手段104の出力と、抵抗
器198に接続された電流検出手段105の出力との和
を差し引いて、抵抗器197と抵抗器196との比、つ
まりR2/R1倍したものを出力する。したがって、演
算増幅器194の出力は次の(38)式で表わされる。
【0136】
【数17】
【0137】一方、上記(25)式と上記(26)式と
を加算することにより、次の(39)式が得られる。
【0138】
【数18】
【0139】図22Dに示したように、Y軸方向の振動
速度vYは、vY=SIN30°×(vL+vR)で示され
るので、上記(39)式より、次の(40)式が得られ
る。
【0140】
【数19】
【0141】この(40)式を上記(38)式に代入す
ると、次の(41)式が得られる。
【0142】
【数20】
【0143】この(41)式より、Y振動検出手段10
9の出力は、振動子101のY軸方向の振動速度をvY
に対応することになる。一方、上記(23)式に示すよ
うに、圧電体102,103に印加する電圧Vと、Y軸
方向の振動速度vYとは、次式の関係がある。
【0144】 ZY×vY=2×A×V×SIN45° ・・・(42)
【0145】この式を変形すると、次式が得られる。
【0146】 vY/V=2×A×SIN45°/ZY ・・・(43)
【0147】この式は、図15に示したAから見たBの
伝達関数に他ならない。ここで、ZYは、振動子101
のY軸方向の機械インピーダンスであり、固有の共振周
波数を持つので、vY/Vはこの共振周波数において位
相が0°であり、利得が最大となる。
【0148】ただし、Y振動検出手段109の出力は−
vYに相当しているので、電圧Vの周波数がZYの共振
周波数で与えられているときには、180°だけ電圧V
と位相がずれている。したがって、圧電体駆動手段10
6を−Gの利得を持つ増幅器で構成することにより、図
15のA−A開ループ伝達関数の共振周波数での位相と
利得とをそれぞれ0°、0dBにすることができる。こ
れにより、振動子101はそのY軸方向の機械インピー
ダンスZYの共振周波数で自励振動する。
【0149】なお、図15の例においては、電流検出手
段104,105をY振動検出手段109に入力するこ
とにより、振動子101のY軸方向の振動速度vYに圧
電体102,103の力係数Aを乗じたものに相当する
出力を検出し、Y振動検出手段109の出力を圧電体駆
動手段106を介して圧電体102,103に帰還する
ように構成したものであるが、必ずしもこのように構成
する必要はない。
【0150】例えば、図15の回路構成で、Y振動検出
手段109の差動増幅器を構成している演算増幅器19
4に接続される抵抗器のうち、抵抗器197を廃し、抵
抗器198,199を同一の抵抗値として演算増幅器1
94の出力を考えると、圧電体103を流れる電流から
制動アドミッタンスを流れる電流を消去した結果、圧電
体103の垂直方向の速度vRに圧電体の力係数Aを乗
じたものに相当する出力となる。
【0151】また、圧電体102,103により駆動さ
れて振動して生ずるY軸方向の速度vYと、振動子10
1がvYの速度を持ち、かつ角速度Ωが印加されること
により生ずるX軸方向の速度vXとを比較すると、vY
>>vXであるので、vLvRが成立し、結局次式が得
られる。したがって、このように構成しても、図15の
例と同様の原理で振動子101を自励振動させることが
できる。
【0152】 vY 2×SIN45°×vL ・・・(44)
【0153】実施例12.図16は、この発明に係る振
動ジャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図であ
る。本例も自励振動するように構成した例である。この
図16において、図13および図15と対応する部分に
は同一符号を付し、その詳細説明は省略する。図におい
て、電流検出手段104,105の出力は、図13の例
(実施例10)で説明したように、圧電体102,10
3に電圧Vを印加したときに流れる電流から、圧電体1
02,103の制動アドミッタンスを流れる電流を消去
したものに相当している。すなわち、電流検出手段10
4,105の出力は、それぞれ対応する圧電体102,
103の垂直方向の振動速度vL,vRに圧電体の力係
数Aを乗じたものに相当することになる。
【0154】したがって、電流検出手段104,105
の出力を加算するY振動検出手段109の出力は、A×
(vL+vR)に相当し、結局、A×vYに対応する出
力が得られる。これにより、実施例11で説明した原理
と同様に、Y振動検出手段109の出力を圧電体駆動手
段106に帰還することにより、振動子101は自励振
動する。また、Y振動検出手段(加算器)109を用い
ずとも、電流検出手段104,105のいずれか一方の
出力を圧電体駆動手段106に帰還しても、振動子10
1が自励振動することは、実施例11で説明したことか
ら、自明である。
【0155】実施例13.図17は、この発明に係る振
動ジャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図であ
る。この図17において、図16と対応する部分には同
一符号を付し、その詳細説明は省略する。本例において
は、図16の例(実施例12)の回路構成に、Y振動検
出手段109の出力が入力され、その交流電圧の振幅を
検出する振幅検出手段113と、振幅検出手段13の出
力が所定の値となるように、圧電体駆動手段106の増
幅器の増幅率を制御する制御器114を備えたものであ
る。
【0156】次に、この回路の動作について説明する。
圧電体102,103に同電圧Vを印加したときに、そ
れぞれの圧電体102,103を流れる電流の差は、上
述した(29)式で与えられる。一方、Y振動検出手段
109の出力は、実施例12で説明したように、振動子
101のY軸方向の振動速度A×vYに相当する。ま
た、上述した(23)式より、次式が得られる。
【0157】 vY=2×A×V×SIN45°/ZY ・・・(45)
【0158】したがって、振幅検出手段113の出力を
一定値に制御することは、次式を一定値にすることにな
る。
【0159】 A×vY=2×V2×45°/ZY ・・・(46)
【0160】したがって、上記(29)式より次の(4
7)式が得られ、角速度を求める式より、圧電体10
2,103の固有の特性である力係数Aが消去され、角
速度Ωの検出性は、振動子101のX軸方向の機械イン
ピーダンスZXのみに依存することになる。
【0161】
【数21】
【0162】実施例14.図18は、この発明に係る振
動ジャイロ用検出回路の他の実施例を示す接続図であ
る。この図18において、図16と対応する部分には同
一符号を付し、その詳細説明は省略する。本例において
は、図16の例(実施例12)にて説明した電流検出手
段104,105のうちいずれか一方の出力を圧電体駆
動手段106に帰還して、振動子101を自励振動させ
る回路において、実施例13と同等の動作をさせる回路
構成の一例を示したものである。
【0163】振幅検出手段113は、実施例13では2
つの電流検出手段104,105の出力の和の振幅を検
出しているのに対して、電流検出手段104の出力の振
幅のみを検出している。制御器114は、振幅検出手段
113の出力が所定の値となるように、圧電体駆動手段
106の利得を制御することは実施例13と同様であ
る。一方、実施例11で示したように、次式が成立して
いる。
【0164】 vY 2×SIN45°×vL ・・・(48)
【0165】そのため、図18の振幅検出手段113の
出力は、図17の振幅検出手段113の出力に相当した
ものとなる。したがって、実施例13と同様に、角速度
Ωは数21で求められ、圧電体102,103の固有の
特性である力係数Aが消去され、角速度Ωの検出性は振
動子101のX軸方向の機械インピーダンスZXのみに
依存することになる。
【0166】なお、図18の例では、圧電体駆動手段1
06に帰還している電流検出手段104の出力に振幅検
出手段113を接続したものであるが、振幅検出手段1
13をもう一方の電流検出手段105の出力に接続して
も差し支えなく、また電流検出手段104,105の和
をとる加算器を設置して、その出力に振幅検出手段11
3を接続してもよい。また、図18の例では、実施例1
2で説明した検出回路とを組み合わせた例で説明した
が、必ずしも実施例12で説明した検出回路である必要
はなく、他の実施例で説明した検出回路においても、A
×vY相当出力、またはA×vL,A×vR相当出力が
所定の値となるように圧電体駆動手段106の利得を制
御することにより、図18の例と同等の結果が得られ
る。
【0167】
【発明の効果】請求項第1項の発明によれば、柱状の振
動体と、この振動体の外周面に形成された3つの電極と
を備え、上記3つの電極のうち1つの電極を共通電極と
して横断面の対称軸上に設け、この共通電極からの周方
向の距離が互いに等しくなる位置に他の2つの電極を設
け、上記共通電極と他の2つの電極との間が分極処理さ
れたものであり、電極を3極構成としているため、電極
構成が簡単となり、振動体形状も簡単になり、振動子を
形成し易く、製造コストを低減でき、また、導線の本数
も少なくなることから信頼性を向上させることができる
等の効果がある。
【0168】請求項第2項の発明によれば、柱状の振動
体及びこの振動体の外周面に形成された3つの電極を有
し、上記3つの電極のうち1つの電極を共通電極として
横断面の対称軸上に設け、この共通電極からの周方向の
距離が互いに等しくなる位置に他の2つの電極を設け、
上記共通電極と他の2つの電極との間が分極処理された
振動ジャイロ用振動子と、上記共通電極と他の2つの電
極のそれぞれとの間に同電圧を印加して上記振動子を駆
動する駆動手段と、上記他の2つの電極に流れる電流を
夫々検出する2つの電流検出手段とを備え、これ等の2
つの電流検出手段の出力により角速度を検出するもので
あり、コリオリ力の検出精度を有利に向上させることが
できる等の効果がある。
【0169】請求項第3項の発明によれば、多角形の柱
状振動子と、この振動子の平行でない2つの柱面に形成
されると共に上記振動子を振動させる2つの圧電体と、
上記2つの圧電体を同電圧で駆動する圧電体駆動手段
と、上記2つの圧電体に流れる電流を検出する2つの電
流検出手段と、これ等の2つの電流検出手段の出力の差
を取る差動手段とを備え、上記差動手段の出力により角
速度を検出するものであり、圧電体の制動アドミッタン
スに依存しない角速度出力が得られ、環境温度や経年変
化によって制動アドミッタンンスが変化しても角速度出
力には影響しないようにできる等の効果がある。
【0170】請求項第4項の発明によれば、多角形の柱
状振動子と、この振動子の平行でない2つの柱面に形成
されると共に上記振動子を振動させる2つの圧電体と、
上記2つの圧電体の共通電極に電圧を印加して上記圧電
体を駆動する圧電体駆動手段と、上記2つの圧電体の非
共通電極が反転入力端子に接続され、非反転入力端子が
接地され、上記反転入力端子と出力端子とが所定の抵抗
素子で接続された演算増幅器よりなる2つの電流検出手
段と、これ等の2つの電流検出手段の出力の差を取る差
動手段と、上記圧電体駆動手段の出力が入力される少な
くとも1つの反転増幅器とを備え、上記反転増幅器の出
力端子と上記2つの電流検出手段の演算増幅器の反転入
力端子とを所定のコンデンサで接続し、上記差動手段の
出力により角速度を検出するものであり、圧電体の制動
アドミッタンスに依存しない角速度出力が得られ、環境
温度や経年変化によって制動アドミッタンンスが変化し
ても角速度出力には影響しないようにできる等の効果が
ある。
【0171】請求項第5項の発明によれば、多角形の柱
状振動子と、この振動子の平行でない2つの柱面に形成
されると共に上記振動子を振動させる2つの圧電体と、
上記2つの圧電体を同電圧で駆動する圧電体駆動手段
と、上記2つの圧電体に流れる電流を検出する2つの電
流検出手段と、これ等の2つの電流検出手段の出力の差
を取る差動手段とを備え、上記2つの電流検出手段のう
ちいずれか一方の出力または上記振動子の駆動方向の速
度を検出する速度検出手段の出力を上記圧電体駆動手段
に帰還して上記振動子を自励振動させると共に、上記差
動手段の出力により角速度を検出するものであり、圧電
体の制動アドミッタンスに依存しない角速度出力が得ら
れ、環境温度や経年変化によって制動アドミッタンンス
が変化しても角速度出力には影響しないようにできると
共に、振動子を自励振動させることができる等の効果が
ある。
【0172】請求項第6項の発明によれば、多角形の柱
状振動子と、この振動子の平行でない2つの柱面に形成
されると共に上記振動子を振動させる2つの圧電体と、
上記2つの圧電体の共通電極に電圧を印加して上記圧電
体を駆動する圧電体駆動手段と、上記2つの圧電体の非
共通電極が反転入力端子に接続され、非反転入力端子が
接地され、上記反転入力端子と出力端子とが所定の抵抗
素子で接続された演算増幅器よりなる2つの電流検出手
段と、これ等の2つの電流検出手段の出力の差を取る差
動手段と、上記圧電体駆動手段の出力が入力される少な
くとも1つの反転増幅器とを備え、上記2つの電流検出
手段のうちいずれか一方の出力または上記振動子の駆動
方向の速度を検出する速度検出手段の出力を上記圧電体
駆動手段に帰還して上記振動子を自励振動させると共
に、上記反転増幅器の出力端子と上記2つの電流検出手
段の演算増幅器の反転入力端子とを所定のコンデンサで
接続して上記差動手段の出力により角速度を検出するも
のであり、圧電体の制動アドミッタンスに依存しない角
速度出力が得られ、環境温度や経年変化によって制動ア
ドミッタンンスが変化しても角速度出力には影響しない
ようにできると共に、振動子を自励振動させることがで
きる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る振動ジャイロ用振動子の一実施
例を示す断面図および斜視図である。
【図2】この発明に係る振動ジャイロ用振動子の他の実
施例を示す断面図および斜視図である。
【図3】この発明に係る振動ジャイロ用振動子の他の実
施例を示す断面図および斜視図である。
【図4】この発明に係る振動ジャイロ用振動子の他の実
施例を示す断面図および斜視図である。
【図5】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の一実
施例を示す接続図である。
【図6】図5の例を説明するための従来の振動ジャイロ
用検出回路の接続図である。
【図7】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他の
実施例を示す接続図である。
【図8】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他の
実施例を示す接続図である。
【図9】図8の例の動作を説明するための図である。
【図10】図8の例の具体構成例を示す接続図である。
【図11】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他
の実施例を示す接続図である。
【図12】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他
の実施例を示す接続図である。
【図13】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他
の実施例を示す接続図である。
【図14】図13の例の動作を説明するための図であ
る。
【図15】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他
の実施例を示す接続図である。
【図16】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他
の実施例を示す接続図である。
【図17】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他
の実施例を示す接続図である。
【図18】この発明に係る振動ジャイロ用検出回路の他
の実施例を示す接続図である。
【図19】従来の振動ジャイロ用振動子を示す断面図お
よび斜視図である。
【図20】従来の振動ジャイロ用振動子を示す断面図お
よび斜視図である。
【図21】従来の振動ジャイロ用検出回路を示す接続図
である。
【図22】図21の例の動作を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1,11,12,13 振動ジャイロ用振動子 2,6,7 振動体 3〜5 電極 8 対称軸 20,30,104,105 電流検出手段 40,107 差動増幅器 50 駆動電源 101 振動子 102,103 圧電体 106 圧電体駆動手段 109 Y振動検出手段 110 反転増幅器 111,112 コンデンサ 113 振幅検出手段 114 制御器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状の振動体と、この振動体の外周面に
    形成された3つの電極とを備え、 上記3つの電極のうち1つの電極を共通電極として横断
    面の対称軸上に設け、この共通電極からの周方向の距離
    が互いに等しくなる位置に他の2つの電極を設け、 上記共通電極と他の2つの電極との間が分極処理された
    ことを特徴とする振動ジャイロ用振動子。
  2. 【請求項2】 柱状の振動体及びこの振動体の外周面に
    形成された3つの電極を有し、上記3つの電極のうち1
    つの電極を共通電極として横断面の対称軸上に設け、こ
    の共通電極からの周方向の距離が互いに等しくなる位置
    に他の2つの電極を設け、上記共通電極と他の2つの電
    極との間が分極処理された振動ジャイロ用振動子と、 上記共通電極と他の2つの電極のそれぞれとの間に同電
    圧を印加して上記振動子を駆動する駆動手段と、 上記他の2つの電極に流れる電流を夫々検出する2つの
    電流検出手段とを備え、 これ等の2つの電流検出手段の出力により角速度を検出
    することを特徴とする振動ジャイロ用検出回路。
  3. 【請求項3】 多角形の柱状振動子と、 この振動子の平行でない2つの柱面に形成されると共に
    上記振動子を振動させる2つの圧電体と、 上記2つの圧電体を同電圧で駆動する圧電体駆動手段
    と、 上記2つの圧電体に流れる電流を検出する2つの電流検
    出手段と、 これ等の2つの電流検出手段の出力の差をとる差動手段
    とを備え、 上記差動手段の出力により角速度を検出することを特徴
    とする振動ジャイロ用検出回路。
  4. 【請求項4】 多角形の柱状振動子と、 この振動子の平行でない2つの柱面に形成されると共に
    上記振動子を振動させる2つの圧電体と、 上記2つの圧電体の共通電極に電圧を印加して上記圧電
    体を駆動する圧電体駆動手段と、 上記2つの圧電体の非共通電極が反転入力端子に接続さ
    れ、非反転入力端子が接地され、上記反転入力端子と出
    力端子とが所定の抵抗素子で接続された演算増幅器より
    なる2つの電流検出手段と、 これ等の2つの電流検出手段の出力の差を取る差動手段
    と、 上記圧電体駆動手段の出力が入力される少なくとも1つ
    の反転増幅器とを備え、 上記反転増幅器の出力端子と上記2つの電流検出手段の
    演算増幅器の反転入力端子とを所定のコンデンサで接続
    し、上記差動手段の出力により角速度を検出することを
    特徴とする振動ジャイロ用検出回路。
  5. 【請求項5】 多角形の柱状振動子と、 この振動子の平行でない2つの柱面に形成されると共に
    上記振動子を振動させる2つの圧電体と、 上記2つの圧電体を同電圧で駆動する圧電体駆動手段
    と、 上記2つの圧電体に流れる電流を検出する2つの電流検
    出手段と、 これ等の2つの電流検出手段の出力の差を取る差動手段
    とを備え、 上記2つの電流検出手段のうちいずれか一方の出力また
    は上記振動子の駆動方向の速度を検出する速度検出手段
    の出力を上記圧電体駆動手段に帰還して上記振動子を自
    励振動させると共に、上記差動手段の出力により角速度
    を検出することを特徴とする振動ジャイロ用検出回路。
  6. 【請求項6】 多角形の柱状振動子と、 この振動子の平行でない2つの柱面に形成されると共に
    上記振動子を振動させる2つの圧電体と、 上記2つの圧電体の共通電極に電圧を印加して上記圧電
    体を駆動する圧電体駆動手段と、 上記2つの圧電体の非共通電極が反転入力端子に接続さ
    れ、非反転入力端子が接地され、上記反転入力端子と出
    力端子とが所定の抵抗素子で接続された演算増幅器より
    なる2つの電流検出手段と、 これ等の2つの電流検出手段の出力の差を取る差動手段
    と、 上記圧電体駆動手段の出力が入力される少なくとも1つ
    の反転増幅器とを備え、 上記2つの電流検出手段のうちいずれか一方の出力また
    は上記振動子の駆動方向の速度を検出する速度検出手段
    の出力を上記圧電体駆動手段に帰還して上記振動子を自
    励振動させると共に、上記反転増幅器の出力端子と上記
    2つの電流検出手段の演算増幅器の反転入力端子とを所
    定のコンデンサで接続して上記差動手段の出力により角
    速度を検出することを特徴とする振動ジャイロ用検出回
    路。
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