JP2540098Y2 - 圧電振動ジャイロ装置 - Google Patents
圧電振動ジャイロ装置Info
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- JP2540098Y2 JP2540098Y2 JP1992004731U JP473192U JP2540098Y2 JP 2540098 Y2 JP2540098 Y2 JP 2540098Y2 JP 1992004731 U JP1992004731 U JP 1992004731U JP 473192 U JP473192 U JP 473192U JP 2540098 Y2 JP2540098 Y2 JP 2540098Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は,船舶や自動車等の移動
体に搭載される機器の姿勢制御や自動車のナビゲーショ
ンシステムなどに用いられるジャイロスコープの内,特
に圧電振動子の超音波振動を用いた,いわゆる圧電振動
ジャイロ装置に関する。
体に搭載される機器の姿勢制御や自動車のナビゲーショ
ンシステムなどに用いられるジャイロスコープの内,特
に圧電振動子の超音波振動を用いた,いわゆる圧電振動
ジャイロ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電振動ジャイロは振動している物体に
回転角速度が与えられると,その振動方向と直角な方向
にコリオリ力を生ずるという力学現象を利用したジャイ
ロスコープである。一般に直交する二つの異なる方向の
振動を励振および検出可能に構成した複合振動系におい
て,一方の振動を励振した状態で,振動子を回転させる
と,前述のコリオリ力の作用によりこの振動と直角な方
向に力が働き,他方の振動が励振される。この振動の大
きさは入力側の振動の大きさおよび回転角速度に比例す
るため,入力電圧を一定にした状態では,この振動の大
きさに比例した出力電圧の大きさから回転角速度の大き
さを求めることが出来る。
回転角速度が与えられると,その振動方向と直角な方向
にコリオリ力を生ずるという力学現象を利用したジャイ
ロスコープである。一般に直交する二つの異なる方向の
振動を励振および検出可能に構成した複合振動系におい
て,一方の振動を励振した状態で,振動子を回転させる
と,前述のコリオリ力の作用によりこの振動と直角な方
向に力が働き,他方の振動が励振される。この振動の大
きさは入力側の振動の大きさおよび回転角速度に比例す
るため,入力電圧を一定にした状態では,この振動の大
きさに比例した出力電圧の大きさから回転角速度の大き
さを求めることが出来る。
【0003】我々は,圧電セラミックス円柱の外周面に
帯状電極を形成し,この帯状電極を用いて分極及び駆動
・検出を行う圧電振動ジャイロについて,特願平2−3
35987号で示している。
帯状電極を形成し,この帯状電極を用いて分極及び駆動
・検出を行う圧電振動ジャイロについて,特願平2−3
35987号で示している。
【0004】図6は従来の圧電振動ジャイロに用いられ
ている圧電振動子の構造例を示す斜視図である(特願平
3−23844号参照)。図示のように,圧電セラミッ
クス円柱59の外周面上の円周を等分する位置に長さ方
向と平行で,その長さがおよそ圧電セラミックス円柱5
9の長さの約70%の複数の帯状電極60が形成されて
いる。帯状電極60は曲面スクリーン印刷で直接形成す
るか,あるいはメッキ等で全面に形成された電極の不要
部分をフォトエッチングにより除去することにより容易
に得られる。
ている圧電振動子の構造例を示す斜視図である(特願平
3−23844号参照)。図示のように,圧電セラミッ
クス円柱59の外周面上の円周を等分する位置に長さ方
向と平行で,その長さがおよそ圧電セラミックス円柱5
9の長さの約70%の複数の帯状電極60が形成されて
いる。帯状電極60は曲面スクリーン印刷で直接形成す
るか,あるいはメッキ等で全面に形成された電極の不要
部分をフォトエッチングにより除去することにより容易
に得られる。
【0005】以下,帯状電極60の数が6個の場合につ
いて,図6に示した従来の圧電振動ジャイロの動作を説
明する。図7は図6に示した圧電セラミックス円柱59
に,6個の帯状電極61,62,63,64,65及び
66を形成した場合に,互いに一つおきの帯状電極6
1,63,65および62,64,66を電気的に接続
し2端子として分極処理を施した時の円柱の断面方向の
分極の向きを示す説明図である。図示のように,2端子
68,69間に直流動電圧を印加すると圧電セラミック
スは破線の矢印67で示す方向に分極される。
いて,図6に示した従来の圧電振動ジャイロの動作を説
明する。図7は図6に示した圧電セラミックス円柱59
に,6個の帯状電極61,62,63,64,65及び
66を形成した場合に,互いに一つおきの帯状電極6
1,63,65および62,64,66を電気的に接続
し2端子として分極処理を施した時の円柱の断面方向の
分極の向きを示す説明図である。図示のように,2端子
68,69間に直流動電圧を印加すると圧電セラミック
スは破線の矢印67で示す方向に分極される。
【0006】図8は,図7の圧電振動子の動作原理の説
明図である。図8において,各帯状電極の間隙部をそれ
ぞれG1,G2,G3,G4,G5及びG6とする。
今,帯状電極62を挟む帯状電極61および63を接続
して共通アース70とし,2端子71,70として帯状
電極62に交流電圧を印加した場合に,圧電セラミック
ス円柱59の断面方向に歪及び振動が発生する。図8に
示すように,間隙部G1部とG2部それぞれの分極の向
きに対して印加する電界の極性を同じになるようにし
て,圧電セラミックス円柱59の屈曲振動モードの共振
周波数にほぼ等しい周波数の励振用の交流電圧を印加す
ると圧電セラミックス円柱59には,それぞれ実線の矢
印で示すようにほぼ間隙部G1及びG2の中心線と円柱
の中心軸を含む面の方向の同じ向きの振動駆動力が発生
し,これらが合成されて圧電セラミックス円柱59はほ
ぼ帯状電極62の中心線と円柱の中心軸とを含む面の方
向(R1の方向)に屈曲振動する。尚,この例において
別の駆動源により圧電セラミックス円柱59が矢印R1
の方向に振動している場合,圧電効果により帯状電極6
2に出力電圧が発生する。
明図である。図8において,各帯状電極の間隙部をそれ
ぞれG1,G2,G3,G4,G5及びG6とする。
今,帯状電極62を挟む帯状電極61および63を接続
して共通アース70とし,2端子71,70として帯状
電極62に交流電圧を印加した場合に,圧電セラミック
ス円柱59の断面方向に歪及び振動が発生する。図8に
示すように,間隙部G1部とG2部それぞれの分極の向
きに対して印加する電界の極性を同じになるようにし
て,圧電セラミックス円柱59の屈曲振動モードの共振
周波数にほぼ等しい周波数の励振用の交流電圧を印加す
ると圧電セラミックス円柱59には,それぞれ実線の矢
印で示すようにほぼ間隙部G1及びG2の中心線と円柱
の中心軸を含む面の方向の同じ向きの振動駆動力が発生
し,これらが合成されて圧電セラミックス円柱59はほ
ぼ帯状電極62の中心線と円柱の中心軸とを含む面の方
向(R1の方向)に屈曲振動する。尚,この例において
別の駆動源により圧電セラミックス円柱59が矢印R1
の方向に振動している場合,圧電効果により帯状電極6
2に出力電圧が発生する。
【0007】図9は帯状電極61と63と65を接続し
てアース端74とし,帯状電極64及び66の夫々入力
端72,73に逆極性の交流電圧を印加した場合に圧電
セラミックス円柱59の断面方向に発生する歪の状態及
び振動方向を示している。図9に示すように,帯状電極
64の中心線と円柱の中心軸とを含む面の方向の振動駆
動力と帯状電極66の中心線と円柱の中心軸とを含む面
の方向の振動駆動力が発生し,これらが合成されて圧電
セラミックス円柱59はほぼ帯状電極62の中心線と円
柱の中心軸とを含む面の方向と直角な方向(R2方向)
に屈曲振動する。図9において別の駆動源により圧電セ
ラミックス円柱69が矢印R2の方向に振動している場
合,圧電効果により帯状電極64及び66に逆相の電圧
が発生する。
てアース端74とし,帯状電極64及び66の夫々入力
端72,73に逆極性の交流電圧を印加した場合に圧電
セラミックス円柱59の断面方向に発生する歪の状態及
び振動方向を示している。図9に示すように,帯状電極
64の中心線と円柱の中心軸とを含む面の方向の振動駆
動力と帯状電極66の中心線と円柱の中心軸とを含む面
の方向の振動駆動力が発生し,これらが合成されて圧電
セラミックス円柱59はほぼ帯状電極62の中心線と円
柱の中心軸とを含む面の方向と直角な方向(R2方向)
に屈曲振動する。図9において別の駆動源により圧電セ
ラミックス円柱69が矢印R2の方向に振動している場
合,圧電効果により帯状電極64及び66に逆相の電圧
が発生する。
【0008】図10は以上に示した6本の帯状電極を有
する圧電セラミックス円柱59を用いた圧電振動ジャイ
ロの動作原理の説明図である。図10において,帯状電
極61,63および65は接続されて共通アースとされ
ており,帯状電極62に端子75を介して励振用の交流
電圧が印加されている。この時,印加電圧の周波数は圧
電セラミックス円柱59の屈曲モードの共振周波数にほ
ぼ一致している。
する圧電セラミックス円柱59を用いた圧電振動ジャイ
ロの動作原理の説明図である。図10において,帯状電
極61,63および65は接続されて共通アースとされ
ており,帯状電極62に端子75を介して励振用の交流
電圧が印加されている。この時,印加電圧の周波数は圧
電セラミックス円柱59の屈曲モードの共振周波数にほ
ぼ一致している。
【0009】図8で説明したように,この時の圧電セラ
ミックス円柱59の振動方向はほぼ帯状電極62の中心
線と圧電セラミックス円柱59の中心軸とを含む面の方
向(R3方向)となる。
ミックス円柱59の振動方向はほぼ帯状電極62の中心
線と圧電セラミックス円柱59の中心軸とを含む面の方
向(R3方向)となる。
【0010】図10において,圧電セラミックス円柱2
を円柱の軸を回転軸として回転させると,振動方向と直
角な方向にコリオリ力が発生し,圧電セラミックス円柱
59は,帯状電極62の中心線と圧電セラミックス円柱
59の中心軸とを含む面の方向と直角な方向に振動す
る。従って,図8及び図9で説明したように,帯状電極
64と66には,帯状電極62の中心線と圧電セラミッ
クス円柱59の中心軸とを含む面の方向の振動による同
一振幅,同一位相の電圧と,これと直角な方向の振動に
よる同一振幅,逆位相の電圧が合成された電圧が発生す
る。従って,帯状電極64と66をそれぞれ差動増幅器
20の入力端子に接続すると,差動増幅器20の出力端
76の電圧はコリオリ力により発生した振動成分に伴う
電圧となり,加えられた回転角速度に比例した電圧とな
る。
を円柱の軸を回転軸として回転させると,振動方向と直
角な方向にコリオリ力が発生し,圧電セラミックス円柱
59は,帯状電極62の中心線と圧電セラミックス円柱
59の中心軸とを含む面の方向と直角な方向に振動す
る。従って,図8及び図9で説明したように,帯状電極
64と66には,帯状電極62の中心線と圧電セラミッ
クス円柱59の中心軸とを含む面の方向の振動による同
一振幅,同一位相の電圧と,これと直角な方向の振動に
よる同一振幅,逆位相の電圧が合成された電圧が発生す
る。従って,帯状電極64と66をそれぞれ差動増幅器
20の入力端子に接続すると,差動増幅器20の出力端
76の電圧はコリオリ力により発生した振動成分に伴う
電圧となり,加えられた回転角速度に比例した電圧とな
る。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】前述した従来の圧電振
動ジャイロにおいては,振動子として圧電セラミックス
円柱を用いているため周囲温度の変化に対する共振周波
数やメカニカルQなどの振動特性の温度変化が大きく,
ジャイロ特性の中で特に周囲温度に対する回転速度零時
の出力電圧,いわゆるヌル電圧,の温度ドリフトが大き
く,しかもその変化の仕方が使用する圧電セラミックス
材料の製造ロットにより変化しその補正が困難であっ
た。
動ジャイロにおいては,振動子として圧電セラミックス
円柱を用いているため周囲温度の変化に対する共振周波
数やメカニカルQなどの振動特性の温度変化が大きく,
ジャイロ特性の中で特に周囲温度に対する回転速度零時
の出力電圧,いわゆるヌル電圧,の温度ドリフトが大き
く,しかもその変化の仕方が使用する圧電セラミックス
材料の製造ロットにより変化しその補正が困難であっ
た。
【0012】そこで,本考案の技術的課題は,ヌル電圧
の温度ドリフトの小さい圧電振動ジャイロ装置を提供す
ることにある。
の温度ドリフトの小さい圧電振動ジャイロ装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本考案によれば,静止時
には互いに結合していないで,回転角速度Ωが与えられ
るとコリオリ力を通して結合するような2つの振動モー
ドを利用し,前記2つのモードのそれぞれ一方のみに結
合する2組の電気端子を有し,一方の電気端子から振動
を励振し,他方の電気端子から振動を検出する圧電振動
ジャイロにおいて,周囲温度に対する回転速度零時の出
力電圧の温度ドリフトの温度計数がほぼ逆の圧電振動ジ
ャイロ2個を同一軸方向に配置し,前記2個の圧電振動
ジャイロの出力電圧の和の電圧を検出するように構成し
たことを特徴とする圧電振動ジャイロ装置が得られる。
には互いに結合していないで,回転角速度Ωが与えられ
るとコリオリ力を通して結合するような2つの振動モー
ドを利用し,前記2つのモードのそれぞれ一方のみに結
合する2組の電気端子を有し,一方の電気端子から振動
を励振し,他方の電気端子から振動を検出する圧電振動
ジャイロにおいて,周囲温度に対する回転速度零時の出
力電圧の温度ドリフトの温度計数がほぼ逆の圧電振動ジ
ャイロ2個を同一軸方向に配置し,前記2個の圧電振動
ジャイロの出力電圧の和の電圧を検出するように構成し
たことを特徴とする圧電振動ジャイロ装置が得られる。
【0014】
【作用】本考案の圧電振動ジャイロ装置は,周囲温度に
対する回転速度零時の出力電圧いわゆるヌル電圧の温度
ドリフトの温度係数がほぼ逆の圧電振動ジャイロ2個を
同一軸方向に配置するとともに,2個の圧電振動ジャイ
ロの出力電圧の和の電圧を検出するように構成したの
で,圧電振動ジャイロ装置からのヌル電圧の温度ドリフ
トを抑制し,ヌル電圧の温度係数を圧電振動ジャイロ一
つから構成されるものに比べて半分以下の値とすること
ができる。
対する回転速度零時の出力電圧いわゆるヌル電圧の温度
ドリフトの温度係数がほぼ逆の圧電振動ジャイロ2個を
同一軸方向に配置するとともに,2個の圧電振動ジャイ
ロの出力電圧の和の電圧を検出するように構成したの
で,圧電振動ジャイロ装置からのヌル電圧の温度ドリフ
トを抑制し,ヌル電圧の温度係数を圧電振動ジャイロ一
つから構成されるものに比べて半分以下の値とすること
ができる。
【0015】
【実施例】以下,本考案の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0016】図1は本考案の実施例に係る圧電振動ジャ
イロ装置の構成を示す図である。図1において,2個の
圧電振動ジャイロ2および3は,圧電振動子1,1′の
共振時の振動の節の位置をシリコンゴムからなる支持リ
ング4,4′で支持され,さらにホルダー5,5′に固
定されている。また,2個の圧電振動ジャイロ2,3は
検出すべき回転軸を合わせて互いに平行に離間して基板
6に固定されている。この2個の圧電振動ジャイロ2,
3は,ヌル電圧の温度係数の大きさがほぼ同じで,その
符号がプラスマイナス逆符号の2個の圧電振動ジャイロ
であり,それぞれの検出回路の出力は,後述するよう
に,ゲインが0.5の加算回路に接続されている。この
2個の圧電振動ジャイロの温度ドリフト特性は,その大
きさがほぼ同じで,温度変化に対する変化の符号が逆な
ものであるので,合成された温度ドリフトはそれらが互
いに打ち消された値となる。このように同一基板に互い
に平行に固定された圧電振動ジャイロ装置には,全く同
じ回転角速度が作用するため,2個の圧電振動ジャイロ
2,3の出力の和は,温度に関係なく回転角速度に比例
することになる。
イロ装置の構成を示す図である。図1において,2個の
圧電振動ジャイロ2および3は,圧電振動子1,1′の
共振時の振動の節の位置をシリコンゴムからなる支持リ
ング4,4′で支持され,さらにホルダー5,5′に固
定されている。また,2個の圧電振動ジャイロ2,3は
検出すべき回転軸を合わせて互いに平行に離間して基板
6に固定されている。この2個の圧電振動ジャイロ2,
3は,ヌル電圧の温度係数の大きさがほぼ同じで,その
符号がプラスマイナス逆符号の2個の圧電振動ジャイロ
であり,それぞれの検出回路の出力は,後述するよう
に,ゲインが0.5の加算回路に接続されている。この
2個の圧電振動ジャイロの温度ドリフト特性は,その大
きさがほぼ同じで,温度変化に対する変化の符号が逆な
ものであるので,合成された温度ドリフトはそれらが互
いに打ち消された値となる。このように同一基板に互い
に平行に固定された圧電振動ジャイロ装置には,全く同
じ回転角速度が作用するため,2個の圧電振動ジャイロ
2,3の出力の和は,温度に関係なく回転角速度に比例
することになる。
【0017】図2は圧電振動ジャイロの駆動・検出回路
を含めた構成ブロック図である。図2において,圧電振
動子は,帯状電極12,14,16が共通にアースされ
ており,また,帯状電極11,15が出力端子,帯状電
極13は入力端子として使用されている。図2に示され
る以上までの構成は図10の従来例と同様である。本考
案の実施例に係る圧電振動ジャイロ装置の各圧電振動ジ
ャイロの駆動・検出回路は,更に,帯状電極11,15
間の電圧の和を演算する加算回路23と,加算回路23
からの出力を受けて電極13に入力して,圧電振動子を
駆動する発振回路24とを備えている。また,帯状電極
11,15間の電圧を増幅する差動増幅部20と,差動
増幅された電圧を加算回路23からの出力に基づいて検
波し,検出電圧として出力する同期検波部22とを備え
ている。
を含めた構成ブロック図である。図2において,圧電振
動子は,帯状電極12,14,16が共通にアースされ
ており,また,帯状電極11,15が出力端子,帯状電
極13は入力端子として使用されている。図2に示され
る以上までの構成は図10の従来例と同様である。本考
案の実施例に係る圧電振動ジャイロ装置の各圧電振動ジ
ャイロの駆動・検出回路は,更に,帯状電極11,15
間の電圧の和を演算する加算回路23と,加算回路23
からの出力を受けて電極13に入力して,圧電振動子を
駆動する発振回路24とを備えている。また,帯状電極
11,15間の電圧を増幅する差動増幅部20と,差動
増幅された電圧を加算回路23からの出力に基づいて検
波し,検出電圧として出力する同期検波部22とを備え
ている。
【0018】図3は図1の本考案の実施例に係る圧電振
動ジャイロ装置の合成されたヌル電圧の温度係数の測定
例を示す図である。図4は図3のヌル電圧の測定するた
めの2個圧電振動ジャイロの出力の結線を示す図であ
る。図4に示すように,ヌル電圧の温度係数の大きさが
ほぼ同じで,その符号がプラスマイナス逆符号の2個の
圧電振動ジャイロ#1−1と#2−1(図5参照)を検
出すべき回転軸を合わせて,平行に配置し,それぞれの
検出回路の出力(図2の同期検波部からの出力)をゲイ
ンが 0.5の,加算回路23とは別の加算回路30に
接続されている。図3で示すように,2個の圧電振動ジ
ャイロの温度ドリフト特性として,その大きさがほぼ同
じで,温度変化に対する変化の符号が逆なものを選べ
ば,合成された温度ドリフトはそれらが互いに打ち消さ
れた値となり,ヌル電圧の温度係数はほぼ圧電振動ジャ
イロ#1−1と#2−1(図5参照)の温度係数の差の
値に等しくなる。
動ジャイロ装置の合成されたヌル電圧の温度係数の測定
例を示す図である。図4は図3のヌル電圧の測定するた
めの2個圧電振動ジャイロの出力の結線を示す図であ
る。図4に示すように,ヌル電圧の温度係数の大きさが
ほぼ同じで,その符号がプラスマイナス逆符号の2個の
圧電振動ジャイロ#1−1と#2−1(図5参照)を検
出すべき回転軸を合わせて,平行に配置し,それぞれの
検出回路の出力(図2の同期検波部からの出力)をゲイ
ンが 0.5の,加算回路23とは別の加算回路30に
接続されている。図3で示すように,2個の圧電振動ジ
ャイロの温度ドリフト特性として,その大きさがほぼ同
じで,温度変化に対する変化の符号が逆なものを選べ
ば,合成された温度ドリフトはそれらが互いに打ち消さ
れた値となり,ヌル電圧の温度係数はほぼ圧電振動ジャ
イロ#1−1と#2−1(図5参照)の温度係数の差の
値に等しくなる。
【0019】図5は,初期設定条件を変えた6個の従来
の圧電振動ジャイロについて,図2で示す駆動・検出回
路を用いた周囲温度に対するヌル電圧の変化の測定例を
示す図である。図5の圧電振動ジャイロでは,ロットに
より,温度ドリフトの大きさが変化し,同じロットの中
でもその大きさがばらついている。尚,図1で示す本考
案の実施例に係る圧電振動ジャイロ装置では,図5に示
されるヌル電圧の温度係数の大きさがほぼ同じで,その
符号がプラスマイナス逆符号の2個の圧電振動ジャイロ
#1−1と#2−1を選択すれば良い。
の圧電振動ジャイロについて,図2で示す駆動・検出回
路を用いた周囲温度に対するヌル電圧の変化の測定例を
示す図である。図5の圧電振動ジャイロでは,ロットに
より,温度ドリフトの大きさが変化し,同じロットの中
でもその大きさがばらついている。尚,図1で示す本考
案の実施例に係る圧電振動ジャイロ装置では,図5に示
されるヌル電圧の温度係数の大きさがほぼ同じで,その
符号がプラスマイナス逆符号の2個の圧電振動ジャイロ
#1−1と#2−1を選択すれば良い。
【0020】
【考案の効果】以上,説明したように,本考案の圧電振
動ジャイロ装置では,ヌル電圧の温度係数を半分以下の
値とすることは容易であり,用途により特に厳しいヌル
電圧の温度係数が要求される場合でも,組み合わせる2
個の圧電振動ジャイロそれぞれのヌル電圧の温度係数の
値を選ぶことにより合成したヌル電圧の温度係数の値を
1桁以上小さくすることも可能である。
動ジャイロ装置では,ヌル電圧の温度係数を半分以下の
値とすることは容易であり,用途により特に厳しいヌル
電圧の温度係数が要求される場合でも,組み合わせる2
個の圧電振動ジャイロそれぞれのヌル電圧の温度係数の
値を選ぶことにより合成したヌル電圧の温度係数の値を
1桁以上小さくすることも可能である。
【図1】本考案の実施例に係る圧電振動ジャイロ装置の
構成を示す図である。
構成を示す図である。
【図2】図1の圧電振動ジャイロ装置の各圧電振動ジャ
イロの駆動・電圧測定回路を示す図である。
イロの駆動・電圧測定回路を示す図である。
【図3】図1の圧電振動ジャイロの図2の駆動・検出回
路を用いたヌル電圧測定例である。
路を用いたヌル電圧測定例である。
【図4】図3のヌル電圧を測定する回路の構成例を示す
図である。
図である。
【図5】従来の圧電ジャイロのヌル電圧測定例を示す図
である。
である。
【図6】従来の圧電振動ジャイロの構成例を示す図であ
る。
る。
【図7】図6の圧電振動ジャイロの動作の説明図であ
る。
る。
【図8】図6の圧電振動ジャイロの動作原理の説明図で
ある。
ある。
【図9】図6の圧電振動ジャイロの歪及び振動状態を示
す図である。
す図である。
【図10】図6の圧電振動ジャイロの回転角速度検出原
理を示す図である。
理を示す図である。
1 圧電振動子 2,3 圧電振動ジャイロ 4,4′ 支持リング 5,5′ ホルダー 6 基板 11,12,13,14,15,16 帯状電極 20,21 差動増幅器 22 同期検波部 23,30 加算回路 24 発振回路 51 圧電振動子 59 圧電セラミックス円柱 60,61,62,63,64,65,66 帯状電
極
極
Claims (1)
- 【請求項1】 静止時には互いに結合していないで,回
転角速度Ωが与えられるとコリオリ力を通して結合する
ような2つの振動モードを利用し,前記2つのモードの
それぞれ一方のみに結合する2組の電気端子を有し,一
方の電気端子から振動を励振し,他方の電気端子から振
動を検出する圧電振動ジャイロにおいて,周囲温度に対
する回転速度零時の出力電圧の温度ドリフトの温度計数
がほぼ逆の圧電振動ジャイロ2個を同一軸方向に配置
し,前記2個の圧電振動ジャイロの出力電圧の和の電圧
を検出するように構成したことを特徴とする圧電振動ジ
ャイロ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992004731U JP2540098Y2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 圧電振動ジャイロ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992004731U JP2540098Y2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 圧電振動ジャイロ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0564721U JPH0564721U (ja) | 1993-08-27 |
JP2540098Y2 true JP2540098Y2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=11592053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992004731U Expired - Lifetime JP2540098Y2 (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | 圧電振動ジャイロ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2540098Y2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP1992004731U patent/JP2540098Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0564721U (ja) | 1993-08-27 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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