JPH06241246A - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

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Publication number
JPH06241246A
JPH06241246A JP2766193A JP2766193A JPH06241246A JP H06241246 A JPH06241246 A JP H06241246A JP 2766193 A JP2766193 A JP 2766193A JP 2766193 A JP2766193 A JP 2766193A JP H06241246 A JPH06241246 A JP H06241246A
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JP
Japan
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magnetic body
movable magnetic
joint
valve
movable
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Application number
JP2766193A
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English (en)
Inventor
Satoru Suzuki
悟 鈴木
Takehisa Yamada
剛央 山田
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Fuji Univance Corp
Original Assignee
Fuji Univance Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の駆動力配分に使用する油圧式動力伝達
継手に関し、安定した制御動作を確保することを目的と
する。 【構成】 第1の継手構成部材と可動磁性体との径方向
のギャップ部に非磁性体のスペーサを挿入するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の駆動力配分に使
用する油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特願平3−338215号
において、図12に示すような油圧式動力伝達継手を提
案している。すなわち、この油圧式動力伝達継手は、相
対回転可能な入出力軸間に設けられ、該入出力軸の差動
回転によって駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプの
出口部に設けられ吐出油の流動抵抗を制御する制御弁
と、外部からの信号によって該制御弁を作動させるアク
チュエータを備え、上記入出力軸の回転速度差および外
部からの制御信号に応じたトルクを伝達する油圧式動力
伝達継手において、外部の部材に固定され、ソレノイド
コイル101を取り巻いて継手と非接触状態に保持され
る磁気枠102と、継手内部に軸方向への移動および傾
斜可能に支持されるとともに、前記ソレノイドコイル1
01への通電によって磁気吸引力を発生する可動磁性体
103と、により前記アクチュエータを構成し、前記可
動磁性体103の継手軸中心から離れた対称位置に、前
記制御弁としての第1の制御弁104と、第2の制御弁
105を設けるとともに、前記第1の制御弁104に対
しては弱く作用し、第2の制御弁105に対しては強く
作用するように、前記可動磁性体103を吸引方向とは
逆方向に付勢するリターンスプリングを設け、前記ソレ
ノイドコイル101への電流を非通電状態にすることに
より前記第1,第2両方の制御弁104,105を作動
させない状態と、弱通電状態にすることにより前記第1
の制御弁104のみを作動させる第2の制御状態と、強
通電状態にすることにより前記第1,第2両方の制御弁
104,105を作動させる第3の制御状態の3段階に
制御するようにしたものである。
【0003】ここで、106は磁気回路の構成部材を兼
ねる円筒形状のハウジングであり、ハウジング106の
内径部には、傾斜および軸方向に移動可能に可動磁性体
103が設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、可動磁性体
の外径部がハウジングの内径部よりわずかに小さな球面
形状をしているため、可動磁性体はハウジングに対して
がた分だけ芯づれが発生する。この芯づれによって、ハ
ウジングと可動磁性体とのギャップに大小の差が生じ、
場合によってハウジングと可動磁性体が直接接触するこ
ともある。
【0005】例えば、図13に示すように、ハウジング
106と可動磁性体103の最大ギャップをΔD、最小
ギャップをゼロとすると、ギャップ比(最大ギャップ/
最小ギャップ=ΔD/0)は無限大となる。このような
ギャップの不均一が生ずると、ギャップの小さい部分で
は磁気が通り易く、ギャップの大きいところでは磁気が
通り難くなる。
【0006】そして、この磁気の通り易い部分には多く
の磁気が通るため、ハウジングと可動磁性体の間で強い
磁気吸引力が発生し、磁気の通り難い部分では反対に磁
気吸引力が弱くなる。例えば、図14に示すように、ギ
ャップが不均一になると、可動磁性体とバルブの間の変
位に対する可動磁性体に発生する荷重にヒステリシスが
生じ、磁気吸引力のアンバランスが大きくなる。
【0007】その結果、全体として可動磁性体にはギャ
ップの小さい方向に吸引力が作用し、小さいギャップは
益々小さくなってついには接触に至る。この吸引力によ
って可動磁性体とハウジングとの間に強い摩擦力が発生
するため、制御のための本来の軸方向移動が阻害され
て、安定した動作ができなくなるという問題点があっ
た。
【0008】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、可動磁性体とハウジングの間
に非磁性体のスペーサを挿入することで、ギャップ比を
小さくして、可動磁性体の安定した動作を確保すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、相対回転可能な入出力軸間に設けられ、
前記両軸の差動回転によって駆動される油圧ポンプと;
該油圧ポンプの出口部に設けられ吐出油の流動抵抗を制
御する制御弁と;外部からの信号によって、該制御弁を
作動させるアクチュエータを備え;前記両軸の回転速度
差および外部からの制御信号に応じたトルクを伝達する
油圧式動力伝達継手において;外部の部材に固定され、
ソレノイドコイルを取り巻いて継手と非接触状態に保持
される磁気枠と、前記磁気枠の一方の極と磁気的に結合
するとともに、磁気回路の一部を構成する第1の継手構
成部材と、前記磁気枠の他の極と磁気的に結合するとと
もに、磁気回路の一部を構成する第2の継手構成部材
と、前記第1の継手構成部材と径方向のギャップを通じ
て磁気的に結合するとともに、前記第2の継手構成部材
と軸方向のギャップを通じて磁気的に結合し、継手内部
に軸方向への移動可能に支持されるとともに、前記ソレ
ノイドコイルへの通電によって前記第2の継手構成部材
との間で磁気吸引力を発生しアクチュエータとなる可動
磁性体を備えるとともに、前記第1の継手構成部材と前
記可動磁性体との径方向のギャップ部に非磁性体のスペ
ーサを挿入したことを特徴とする。
【0010】また、本発明は、前記非磁性のスペーサの
厚みを、前記第1の継手構成部材と前記可動磁性体との
直径差の1/4以上としたことを特徴とする。また、本
発明は、前記非磁性のスペーサを細長い長方形をした薄
板としたことを特徴とする。
【0011】
【作用】このような構成を備えた本発明の油圧式動力伝
達継手によれば、第1の継手構成部材と可動磁性体との
間に非磁性のスペーサを挿入し、可動磁性体が最大限偏
心した場合でも、最大ギャップと最小ギャップの比が3
を超えないようにしたため、すなわち、スペーサの厚み
を、第1の継手構成部材と可動磁性体との直径差の1/
4以上となるようにしたため、磁気吸引力のアンバラン
スが小さくなるので、第1の継手構成部材と可動磁性体
との摩擦力が小さくなり、小さな電流で可動磁性体が動
作し、かつ、可動磁性体に発生する荷重のバラツキも小
さくなる。
【0012】その結果、安定した制御動作を確保するこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図11は本発明の一実施例を示す図であ
る。まず、構成を説明すると、図1および図2におい
て、1はハウジングであり、ハウジング1は図示しない
出力軸に連結され、出力軸と一体的に回転する。
【0014】ハウジング1は非磁性体でできたハウジン
グ非磁性部1Aと、溶接した部分2を含めて磁性体でで
きた他の部分が一体となっている。3はカムであり、カ
ム3はハウジング1の内側面にスラストニードルベアリ
ング4を介して所定の角度回転可能に支持される。カム
3は、複数のカム山とカム谷からなるカム面3Aを有
し、その外周であって、側面にカム山があるところに位
置決め兼トルク伝達用の複数の突起3Bを有する。
【0015】カム3は、その突起3Bがハウジング1に
形成した切欠き1Bに係合して、ロータ5の回転方向に
ハウジング1と一体で回転し、ロータ5の回転方向が変
わると、カム3はロータ5とともにつれ回りし、カム3
の突起3Bがハウジング1の切欠き1Bに当るまで回転
した後に、ハウジング1と一体で回転する。ロータ5は
ハウジング1内に回転自在に収納され、入力軸6に結合
され、入力軸6と一体で回転する。
【0016】ロータ5には、軸方向に複数個のプランジ
ャー室7が形成され、プランジャー室7内は複数個のプ
ランジャー8がリターンスプリング9を介して摺動自在
に収納されている。また、ロータ5には複数の吸入吐出
孔10が各プランジャー室7に通じるように形成されて
いる。11は吸入ポート12および吐出ポート13が形
成されたバルブであり、バルブ11は、ハウジング1の
切欠き1Bに突起14を係合させることにより、ハウジ
ング1に位置決め固定されている。
【0017】また、吐出ポート13は高圧室15に連通
し、高圧室15の出口部に流動抵抗発生手段としてのオ
リフィス16が形成される。図3に示すように、オリフ
ィス16の出口部を丸孔としてバルブ11の平面部17
に垂直に開口して開口孔18が形成される。この開口孔
18の直径は、オリフィス16の直径より大きく形成し
ている。
【0018】また、図4に示すように、開口孔18に連
通する溝19がバルブ11の外周に周方向に形成され、
溝19に連通する溝20が水平方向に形成され、これら
の溝19,20がオリフィス16からの流出油を流出さ
せる流出路21を構成している。矢印Dは、オリフィス
16からの流出油の流れを示している。なお、矢印Eは
後述するフリーバルブからの流出油の流れを示す。
【0019】この流出路21により、流出油を後述する
可動磁性体を設けた油室22に流出させずに、油圧ポン
プを設けた油室23側に流出させるようにしている。プ
ランジャー8が吸入行程にある場合は、バルブ11の吸
入ポート12とロータ5の吸入吐出孔10が通じる位置
関係となり、オリフィス16、開口孔18、流出路2
1、吸入ポート12、ロータ5の吸入吐出孔10を通じ
て、プランジャー室7にオイルを吸入することができ
る。
【0020】また、プランジャー8が吐出行程にある場
合は、吸入行程と逆の関係となり、ロータ5の吸入吐出
孔10はバルブ11の吐出ポート13、高圧室15に通
じる。バルブ11はベアリング24で支持され、バルブ
11はハウジング1の内周に固定され、ハウジング1と
一体で回転する。
【0021】25は磁気枠であり、磁気枠25は外部の
部材に固定され、継手と非接触状態に保持される。磁気
枠25は継手軸に対して同心状に配置され、磁気枠25
内にはソレノイドコイル26が収納される。27はソレ
ノイドコイル26への通電により磁気吸引力を発生する
可動磁性体であり、可動磁性体27はハウジング1内に
移動可能に収納される。可動磁性体27の図中右方向へ
のストッパとしてはビス28がバルブ11に設けられて
いる。また、ビス28は可動磁性体27のまわり止めと
しての機能をもつ。
【0022】29はフリーバルブとしてのポペット弁タ
イプの第1の制御弁であり、第1の制御弁29は一端側
がバルブ11の円筒孔であるバルブ孔30を閉止し、ま
た、他端側が可動磁性体27に形成した挿入用切欠き部
31に挿入されている。すなわち、図5に示すように、
高圧室15を内部に形成したバルブ11の両側には、互
いに継手内低圧室に連通し、同圧に保持される第1,第
2の油室32,33が設けられ、第1,第2の油室3
2,33を連通する円筒孔であるバルブ孔30の軸芯に
そって移動可能に第1の制御弁29が設けられる。
【0023】第1の制御弁29は、図6に示すように、
高圧室15と第1の油室32の開閉を行うポペット弁部
29Aと、高圧室15に連通する連通溝29Bと、バル
ブ孔30の軸芯にそって移動可能に設けられ、高圧室1
5と第2の油室33をシール状態に保持するピストン部
29Cと、可動磁性体27と係合する係合部29Dを有
する。
【0024】ここで、ピストン部29Cの直径は、ポペ
ット弁部29Aのシール部直径と等しくなるように形成
される。通常のポペット弁は、圧力をそのバルブ面に直
接受けるため、バルブ閉止時の油圧による発生荷重が大
きく、閉止状態を保持することができない。そこで、前
記のように、ポペット弁部29Aと一体にポペット弁部
29Aの受圧面積と同径のピストン部29Cを圧力バラ
ンスピストンとして設け、係合部29D側を第2の油室
33に開放することによって、第1の制御弁29にかか
る油圧をバランスさせ、スプールバルブと同等の荷重で
作動可能とした。
【0025】図5において、Fは開口長さを示し、開口
長さFは、バルブストロークとなるようにしている。し
たがって、開口長さFを充分とることができる。また、
ポペット弁部29Aがバルブ孔30に着座するため、充
分なシール性を確保することができる。また、バルブ閉
止時の位置決めは、バルブ11のバルブシート部がポペ
ット弁部29Aのストッパとなるので、第1の制御弁2
9、バルブ11の各部材の精度を上げる必要がない。
【0026】さらに、第1の制御弁29は、バルブスト
ロークの初めから開口することになる。36はロックバ
ルブとしての第2の制御弁であり、第2の制御弁36
は、バルブ11の平面部17と垂直で、かつ開口孔18
と同心になる軸芯にそって移動することができるよう
に、バルブ11に形成したガイド部37に摺動自在に挿
入されるとともに、その一端部は可動磁性体27に挿入
される。なお、ガイド部37はオリフィス16からの流
出油が可動磁性体27に当らないようにガードする機能
も有する。
【0027】前記の図3に示すように、第2の制御弁3
6は、オリフィス16の出口部の開口孔18の直径より
大きな丸断面の棒形状に形成され、開口孔18に密着し
て閉止する接触面36Aと平面部17との角度Gは、所
定角、例えば45度以下となるようにした。すなわち、
第2の制御弁36の他端部は、球面または円錐形になっ
ている。
【0028】可動磁性体27により、第2の制御弁36
が図1中左方向に移動して、開口孔18を閉止すると、
オリフィス16が閉止され、ロックの状態になる。可動
磁性体27、ソレノイドコイル26および磁気枠25が
全体としてアクチュエータを構成しており、アクチュエ
ータは第1,第2の制御弁29,36の作動を制御す
る。
【0029】バルブ11と可動磁性体27の間には、図
7に示すように、下側の2ケ所において、リターンスプ
リング38,39が、それぞれ介装されている。リター
ンスプリング38,39は可動磁性体27の継手軸中心
を通る垂直線に対して、それぞれ対称となる位置に設け
られ、リターンスプリング38,39間には第1の制御
弁29が、それぞれ設けられている。すなわち、リター
ンスプリング38,39はバルブ11に形成された収納
孔40,41にそれぞれ収納される。
【0030】図1中、42はハウジング1と一体で回転
するアキュームレータピストンであり、アキュームレー
タピストン42は、封入油の熱膨張を吸収するために設
けられている。アキュームレータピストン42とハウジ
ング1に固定したカバー43の間にはリターンスプリン
グ44が介装されている。ここで、61は非磁性のスペ
ーサであり、スペーサ61は、ハウジング1の内径部と
可動磁性体27の外径部の間に挿入される。
【0031】スペーサ61は、図8に示すように、例え
ばステンレスの薄板を細長い長方形に切ったものを丸め
て使用する。なお、スペーサ61は、ハウジング1と可
動磁性体27の間に挿入するだけではなく、ハウジング
1の内径部に固着するようにしても良い。これにより、
可動磁性体27が最大限偏心した場合でも、ハウジング
1との内径部と可動磁性体27の外径部の、最大ギャッ
プと最小ギャップとの比が3を超えないようにした。
【0032】すなわち、図9に示すように、スペーサ6
1の厚みをtとすると、最大ギャップがΔD−tとな
り、最小ギャップがtとなるので、ギャップ比は、(Δ
D−t)/tとなる。このギャップ比が3を超えないよ
うにした{(ΔD−t)/t→t>ΔD/4}。換言す
ると、スペーサ61の厚みtを、ハウジング1と可動磁
性体27との直径差の1/4以上とした。
【0033】なお、45はスプライン、46,47は注
油孔、48,49はオイルシール、50はニードルベア
リング、51はシールリング、52〜54はストッパリ
ングである。次に、動作を説明する。まず、通常特性に
ついて説明する。
【0034】ソレノイドコイル26に通電しないとき
は、可動磁性体27は磁気吸引力を発生せず、図1の位
置に保持される。したがって、リターンスプリング3
8,39は圧縮されない。このため、第1の制御弁29
は高圧室15と第1の油室32を連通させるバルブ孔3
0を閉止した状態にある。
【0035】すなわち、第1の制御弁29のポペット弁
部29Aは、バルブ11のバルブ孔30のバルブシート
部に着座して、高圧室15と第1の油室32の連通を遮
断する。このように、ポペット弁部29Aでバルブ孔3
0を閉止するので、充分なシール性を得ることができ
る。一方、第2の制御弁36はオリフィス16を開放し
ているので、オイルは図1の矢印Hで示すように流れ
る。
【0036】吐出ポート13に押し出されたオイルは、
高圧室15、オリフィス16、開口孔18を通り、ガイ
ド部37により密閉されて、流出路21を経て、吸入ポ
ート12に供給される。すなわち、オイルは、可動磁性
体27が設けられている油室22側には流出しないで、
油圧ポンプが設けられている油室23側に流れる。
【0037】そして、オリフィス16の抵抗により高圧
室15、吐出ポート13およびプランジャー室7の油圧
が上昇し、プランジャー8に反力が発生する。このプラ
ンジャー反力に逆ってカム3を回転させることによりト
ルクが発生し、カム3とロータ5との間でトルクが伝達
される。このときのトルク特性は、図10のIに示さ
れ、差動回転数ΔNの2乗に比例したトルクTとなる。
【0038】次に、ロックの特性について説明する。ソ
レノイドコイル26に弱通電したときは、リターンスプ
リング38,39が設けられていない可動磁性体27の
上側は、バルブ11に当接した状態になる。このため、
第1の制御弁29は高圧室15と第1の油室32を連通
するバルブ孔30を閉止した状態のままであるが、第2
の制御弁36はオリフィス16を閉止する。
【0039】すなわち、前記の図3に示すように、第2
の制御弁36は、その球面で開口孔18に密着してオリ
フィス16を閉止する。接触面36Aと平面部17の角
度は45度以下であり、平面部17に対して小さな接触
角で接触する。このときトルク特性は、図10のJに示
され、ロックの状態になる。次に、フリーの特性につい
て説明する。
【0040】ソレノイドコイル26に強通電したとき
は、可動磁性体27はリターンスプリング38,39を
圧縮して、移動し、全体がバルブ11に当接した状態に
なる。このため、第2の制御弁36はオリフィス16を
閉止した状態を保持し、第1の制御弁29は、高圧室1
5と第1の油室32を連通するバルブ孔30を開放す
る。このため、高圧室15のオイルは、オリフィス16
を通らないで、そのまま吸入ポート12に流れる。
【0041】すなわち、ポペット弁部29Aは、バルブ
ストロークの初めから開口し、高圧室15のオイルは、
連通溝29B、第1の油室32を通って吸入ポート12
に流れる。第1の制御弁29の開口長さFは充分確保す
ることができ、流動抵抗が少なくなり、応答性も高くな
る。
【0042】このときのトルク特性は、図10のKに示
され、フリーの状態になる。ここで、本実施例において
は、ハウジング1と可動磁性体27の間に非磁性のスペ
ーサ61を挿入して、可動磁性体27が最大限偏心した
場合でも、最大ギャップ(ΔD−t)と最小ギャップ
(t)のギャップ比{(ΔD−t)/t}を3を超えな
いようにした。
【0043】このため、磁気吸引力のアンバランスが小
さくなるので、ハウジング1と可動磁性体27との摩擦
力が小さくなる。その結果、小さな電流で可動磁性体2
7が動作する。また、図11に示すように、バルブ11
と可動磁性体27との変位に対する可動磁性体27に発
生する荷重は、ヒステリシスがなく、バラツキが小さく
なる。
【0044】その結果、安定した制御動作を確保するこ
とができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、ハウジングと
可動磁性体との間に非磁性のスペーサを挿入したため、
磁気吸引力のアンバランスが少なくなり、ハウジングと
可動磁性体との摩擦力が小さくなり、小さな電流で可動
磁性体が動作し、かつ、可動磁性体に発生する荷重のバ
ラツキも小さくなる。その結果、安定した制御動作を確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】側面図
【図3】部分断面図
【図4】バルブの斜視図
【図5】第1の制御弁の動作を示す図
【図6】第1の制御弁の斜視図
【図7】バルブと可動磁性体を示す図
【図8】スペーサの斜視図
【図9】ギャップの説明図
【図10】トルク特性を示すグラフ
【図11】変位と荷重の関係を示すグラフ
【図12】従来例を示す断面図
【図13】従来のギャップの説明図
【図14】従来の変位と荷重の内径を示すグラフ
【符号の説明】
1:ハウジング 1A:非磁性部 1B:切欠き 2:溶接した部分 3:カム 3A:カム面 3B:突起 4:スラストニードルベアリング 5:ロータ 6:入力軸 7:プランジャー室 8:プランジャー 9:リターンスプリング 10:吸入吐出孔 11:バルブ 12:吸入ポート 13:吐出ポート 14:突起 15:高圧室 16:オリフィス 17:平面部 18:開口孔 19,20:溝 21:流出路 22,23:油室 24:ベアリング 25:磁気枠 26:ソレノイドコイル 27:可動磁性体 28:ビス 29:第1の制御弁 29A:ポペット弁部 29B:連通溝 29C:ピストン部 29D:係合部 30:バルブ孔 31:挿入用切欠き部 32:第1の油室 33:第2の油室 36:第2の制御弁 36A:接触面 37:ガイド部 38,39:リターンスプリング 40,41:収納孔 42:アキュームレータピストン 43:カバー 44:リターンスプリング 45:スプライン 46,47:注油孔 48,49:オイルシール 50:ニードルベアリング 51:シールリング 52〜54:ストッパリング 61:非磁性のスペーサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、前
    記両軸の差動回転によって駆動される油圧ポンプと;該
    油圧ポンプの出口部に設けられ吐出油の流動抵抗を制御
    する制御弁と;外部からの信号によって、該制御弁を作
    動させるアクチュエータを備え;前記両軸の回転速度差
    および外部からの制御信号に応じたトルクを伝達する油
    圧式動力伝達継手において;外部の部材に固定され、ソ
    レノイドコイルを取り巻いて継手と非接触状態に保持さ
    れる磁気枠と、 前記磁気枠の一方の極と磁気的に結合するとともに、磁
    気回路の一部を構成する第1の継手構成部材と、 前記磁気枠の他の極と磁気的に結合するとともに、磁気
    回路の一部を構成する第2の継手構成部材と、 前記第1の継手構成部材と径方向のギャップを通じて磁
    気的に結合するとともに、前記第2の継手構成部材と軸
    方向のギャップを通じて磁気的に結合し、継手内部に軸
    方向への移動可能に支持されるとともに、前記ソレノイ
    ドコイルへの通電によって前記第2の継手構成部材との
    間で磁気吸引力を発生しアクチュエータとなる可動磁性
    体を備えるとともに、 前記第1の継手構成部材と前記可動磁性体との径方向の
    ギャップ部に非磁性体のスペーサを挿入したことを特徴
    とする油圧式動力伝達継手。
  2. 【請求項2】前記非磁性のスペーサの厚みを、前記第1
    の継手構成部材と前記可動磁性体との直径差の1/4以
    上としたことを特徴とする請求項1の油圧式動力伝達継
    手。
  3. 【請求項3】前記非磁性のスペーサを細長い長方形をし
    た薄板としたことを特徴とする請求項1の油圧式動力伝
    達継手。
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