JPH05321950A - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

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Publication number
JPH05321950A
JPH05321950A JP26666391A JP26666391A JPH05321950A JP H05321950 A JPH05321950 A JP H05321950A JP 26666391 A JP26666391 A JP 26666391A JP 26666391 A JP26666391 A JP 26666391A JP H05321950 A JPH05321950 A JP H05321950A
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JP
Japan
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cam
joint
plunger
magnetic body
cam housing
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JP26666391A
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English (en)
Inventor
Takehisa Yamada
剛央 山田
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Fuji Univance Corp
Original Assignee
Fuji Univance Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部に設けられているオリフィスの径を変え
ることで、2つの動力回転軸の回転速度差に対するトル
ク伝達特性を自在に制御すると共に、該トルク伝達状態
と、ロック状態、フリー状態の3状態を電磁式アクチュ
エータで切換え制御する油圧式動力伝達継手において、
電磁式アクチュエータ及び流動抵抗制御手段の構造を改
善することにより、小型の油圧式動力伝達継手を提供す
ることを目的とする。 【構成】 油圧ポンプの出口部に設けられた吐出油の流
動抵抗を制御するための流動抵抗制御手段及び電磁式ア
クチュエータを、入出力駆動軸に対して平行な位置に設
けることによって軸方向の長さを短縮化し、又、一対の
永久磁石とソレノイドで電磁式アクチュエータを構成
し、このソレノイドへの通電電流の極性を変えたり通電
を停止することによって上記3種類の切換え制御を行う
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、内部に設けられているオリフィ
スの流動抵抗に応じて、2つの動力回転軸の回転速度差
に対するトルク伝達特性を制御することができる油圧式
動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この様な油圧式動力伝達継手とし
ては、例えば、特願平1−154228号、特願平2−
184735号に開示されるものが知られている。特願
平1−154228号の油圧式動力伝達継手は、相対回
転可能な第1の回転部材と第2の回転部材間の回転速度
差により駆動される油圧ポンプと、その油圧ポンプの吐
出路に流動抵抗制御手段を備え、外部からの制御信号に
よって該流動抵抗制御手段の流動抵抗を制御することに
より、第1,第2の回転部材間の伝達トルクを制御する
ものであり、更に、第1又は第2の回転部材の中心部
に、これらの軸方向に作用する電磁式アクチュエータを
設けて、この電磁式アクチュエータによって上記流動抵
抗制御手段を直接作動させることで、第1,第2の回転
部材間のトルク伝達特性を制御する構成となっている。
【0003】特願平2−184735号の油圧式動力伝
達継手は、相対回転可能な入出力軸間に、両軸の回転速
度差により、駆動されるプランジャポンプを設けると共
に、該プランジャポンプの吸入吐出弁をロータリバルブ
とし、該ロータリバルブ自体に、流動抵抗を生じるオリ
フィスを形成し、該バルブが一定角度の範囲内で回転す
る構造を有することにより、上記入出力軸が相対的に正
逆転するいずれの場合でも、オリフィスによる流動抵抗
に応じた動力伝達が行なわれるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特願平1−15422
8号の油圧式動力伝達継手にあっては、上記電磁式アク
チュエータが第1,第2の回転部材の軸中心に連設して
構成されているので軸方向に長く大きな構造となり、四
輪駆動車用トランスファの出力軸端側に取り付けるよう
な場合に、車両への取付けが困難となったり、取付けの
ための大きなスペースを確保しなければならないという
装着性に問題があった。
【0005】又、電磁式アクチュエータに設けられた可
動磁性体を駆動するためのソレノイドコイルを2個必要
としており、装置が大型化する問題もあった。一方、特
願平2−184735号の油圧式動力伝達継手にあって
は、弁体が継手外形をなすカムハウジングに対し回転
し、この弁体とともに高圧室、絞り等が回転するため制
御が困難である。カム山とバルブポートとの位置関係を
回転方向に応じて切り換える為には、カムハウジングと
バルブを固定してカムハウジングとカムの位相をずらす
方法もあるが、カムハウジングとカムの間でトルクを伝
達しなければならずカムハウジング自体の強度、カムの
ハウジングとの噛み合い部(位置決め部)の強度等が問
題になるため、継手の大型化、重量の増加を招くという
問題があった。
【0006】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたものであり、上記電磁式アクチュエータ及び流動
抵抗制御手段の構造を改善することにより、上記のよう
な問題のないより小型の油圧式動力伝達継手を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】相対回転可能な入出力軸
間に設けられ前記一方の軸に連結され、内側面に2つ以
上のカム山を有するカム面を形成したカムハウジング
と、前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウ
ジング内に回転自在に収納され、複数のプランジャ室を
軸方向に形成したロータ部材と、前記複数のプランジャ
室の各々にリターンスプリングの押圧を受けて往復移動
自在に収納されると共に、前記両軸の相対回転時に前記
カム面によって駆動される複数のプランジャと、前記プ
ランジャを収納しない一方の端面に開口し前記プランジ
ャ室と通じる吸入吐出孔と、前記ロータ部材の端面に回
転自在に摺接するとともに前記カムハウジングとの間で
所定の関係に位置決めされ前記吸入吐出孔との位置関係
によって、吸入弁及び吐出弁の作用をする複数の吸入ポ
ート、吐出ポートを表面に形成した滑り弁と、これらに
より構成されたプランジャポンプの出口部に流動抵抗を
発生する手段を備え、前記プランジャポンプに流動抵抗
を制御可能な継手軸方向に作動するスプールバルブを設
けるとともに、該スプールバルブに対し、継手軸方向に
移動を規制され継手の周方向には一定角度内で回転自在
に連結される可動磁性体を、前記カムハウジング内部に
継手軸方向のみ移動可能にスプリングを介して固定し、
カムハウジングを一部磁性体で構成することによって、
前記可動磁性体とともに磁路を形成し、継手の外部に継
手本体と非接触に電磁コイルを配し、該コイルに電流を
流し、前記磁路をれい磁したとき、前記可動磁性体が前
記スプリングに抗して、軸方向に移動することにより前
記流動抵抗を変化させトルク伝達特性を制御するように
した。
【0008】
【作用】このような構成を有する本発明の油圧式動力伝
達継手によれば、油圧ポンプの出口部に設けられた吐出
油の流動抵抗を制御するための流動抵抗制御手段及び電
磁式アクチュエータを、入出力駆動軸に対して平行な位
置に設けたので、軸方向の長さを短縮できる。又、一対
の永久磁石とソレノイドで電磁式アクチュエータを構成
し、このソレノイドへの通電電流の極性を変えたり通電
を停止することによって、ロック、フリー及びトルク伝
達特性を設定することができる構成としたので、極めて
簡素で小型の流動抵抗制御手段及び電磁式アクチュエー
タを構成することができる。
【0009】更に、この油圧式動力伝達継手を外部から
直接に接触して制御する必要がなく、非接触で動力伝達
特性を制御することができることから、耐久性、信頼性
を向上することができる。又、上記ソレノイドへの通電
電流を制御するための制御手段を簡素な電気回路等で容
易に実現することができるので、この油圧式動力伝達継
手を制御するための所謂コントローラを小型且つ簡単化
することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に説明す
る。まず、図1に基づいて、全体構造を説明する。2は
駆動力が入力される入力軸、4はベアリング6を介して
入力軸2に相対回転可能に支持されたカムハウジングで
あり、カムハウジング4の側端に出力軸(図示せず)が
連結する。
【0011】更に、カムハウジング4には、入力軸2の
中心軸Qに対して同心円上に配置された円筒状のハウジ
ング側部が一体に固着されている。即ち、該円筒状のハ
ウジング側部は、非磁性体から成る第1の円筒部4a
と、強磁性体から成る円筒状の第2の円筒部4bと、非
磁性体から成る第3の円筒部4cと、非磁性体から成る
第4の円筒部4dとを図示の如く連設すると共に、第3
の円筒部4cと第4の円筒部4dの間に、後述する強磁
性体から成るスラストブロック46の側端を挟むように
して連設し、更に、夫々の円筒部4a〜4d及びスラス
トブロック46に形成されている連通孔に通した固定用
の長ネジ8によってカムハウジング4の本体部分に固着
することで一体化された構造となっている。尚、図1に
は、1個の長ネジ8による円筒部4a〜4d及びスラス
トブロック46の組付け構造を示すが、円筒部4a〜4
d及びスラストブロック46には周方向に複数箇所の連
通孔が形成され、それらの連通孔に長ネジ8と同様の長
ネジを通してカムハウジング4の本体部分に固着するこ
とにより、複数箇所で組付けている。
【0012】そして、このハウジング側部の内側に、油
圧ポンプ機構、アキュムレータ機構及びソレノイド制御
機構が構成されている。カムハウジング4の内側端面に
は、4個のカム山とカム谷が1つずつ交互に形成された
カム面12を有している。14は入力軸2にスプライン
嵌合されたロータであり、周方向に沿って複数個のプラ
ンジャ室16が形成されている。プランジャ室16の数
は、カムハウジング4のカム面12に設けられたカム山
の数に基づく所定の関係で決められており、この実施例
では、4個のカム山に対して7個のプランジャ室16が
等間隔で形成されている。尚、図中には、説明の都合上
2個のプランジャ室を示している。
【0013】夫々のプランジャ室16には、プランジャ
18がリターンスプリング20を介して摺動自在に収納
され、プランジャ室16の底部には、吸入吐出孔22が
形成されている。24は環状のロータリバルブであり、
カムハウジング4のハウジング側部と入力軸2に対して
周方向に相対回転可能に設けられている。
【0014】ロータリバルブ24は、図2及び図3に示
す形状を有している。まず、図2の分解斜視図に示す様
に側壁に4個の溝部26が等間隔で形成され、後述する
吸入ポート36と連通している。更に、一対の溝部2
6,26の中間部分には、背面側に突出する位置決め突
起28が形成され、入力軸2の中心軸Q(図1参照)に
対して位置決め突起28の反対位置に突部30が形成さ
れ、突部30の所定の位置に、中心軸Qと平行なスプー
ル孔32が貫通して形成され、スプール孔32には後述
するスプール78が挿入する。更に、ロータリバルブ2
4の背面側の側面には、中心軸Qを中心とする所定半径
の環状溝34が形成されている。
【0015】ロータ14に対向する側から見たロータリ
バルブ24の形状は、図3に示す様に、4個の吸入ポー
ト36と吐出ポート38が1つずつ交互に等間で形成さ
れ、夫々の吸入ポート36は周側に形成された前記溝部
(ハウジング内の低圧部と連通する)26と連通し、更
に、ハウジング側部内の低圧部と連通する溝40が設け
られ、吐出ポート38の内径側、外形側にシールランド
を形成している。
【0016】一方、吐出ポート38は溝部26とは連通
せず、背面に形成された前記環状溝34と連通してい
る。尚、突部30に対応する1つの吐出ポート38は、
スプール孔32と連通すると共に周側端外側まで貫通す
る大径の貫通孔31が形成され、スプール78の位置に
応じて該吐出ポート38と貫通孔31間の開閉を制御す
る。又、所定の1つの吐出ポート38には、周側端外側
に連通するオリフィス39が形成されている。
【0017】再び図1に基づいて説明するに、ロータリ
バルブ24の背面側には環状の可動磁性体42が設けら
れると共に、ロータリバルブ24の環状溝34をシール
するシール部材44aとニードルベアリング44bを介
して、強磁性体から成る環状のスラストブロック46が
設けられている。尚、スラストブロック46は入力軸2
に設けられたボールベアリング48を介して相対回転可
能に支持されると共に、前述したように、ハウジング円
筒部4a,4b,4c,4d及びカムハウジング4と一
体に組付けられている。更に、後述するアキュムレータ
機構によってロータリバルブ24側に付勢されている。
そして、スラストブロック46とロータリバルブ24は
後述する所定の角度θ内で相対回転可能であり、又、ス
ラストブロック46とロータリバルブ24の間にニード
ルベアリング44bとシール部材44aが介在している
ので、スラストブロック46とロータリバルブ24が相
対回転しても、常に、ロータリバルブ24の環状溝34
がシール部材44aによってシールされ、油漏れを生じ
ない。
【0018】更に、可動磁性体42の形状を図2に基づ
いて詳述すると、強磁性体の板材を加工等することによ
って成形され、径方向内側に延びる底端部50と、ロー
タリバルブ24を内包するように延設された側端部52
を有し、底端部50には、4個の切欠54が周方向に等
間隔で形成され、側端部52の端部には、切欠54に対
向して、4個の規制突起56が形成されている。更に、
底端部50には、一対の切欠54の間に円弧状の長穴5
8が形成されている。
【0019】又、スラストブロック46は、図2に示す
様に、可動磁性体42の底端部50に形成された穴60
を貫通して、前記ニードルベアリング44bとシール部
材44a(図2には、ニードルベアリング44bとシー
ル部材44aの記載を省略している)を介してロータリ
バルブ24に対向する環状凸部62が形成され、更に、
環状凸部62の側端には、中心軸Qに対して所定の角度
で一対の規制突起64,66が形成されている。更に、
スラストブロック46の底端部68には、前述の複数の
長ネジ8を貫通するための複数個の穴70が穿設される
と共に、可動磁性体42の規制突起56と対向する位置
に複数のネジ穴76が形成されている。
【0020】そして、図1に示すように、入力軸2に対
してこれらのロータリバルブ24と可動磁性体42及び
スラストブロック46が組付けられる。尚、この組付け
の際に、可動磁性体42の切欠54にリターンスプリン
グ74を介在し、規制突起56とリターンスプリング7
4内を貫通するガイドピン72の先端のネジ部をネジ穴
76にねじ込み固定することによって、可動磁性体42
のスラストブロック46に対する周方向への回転を禁止
しつつ、可動磁性体42のスラストブロック46に対す
る軸方向への進退移動を可能とする構造となっている。
したがって、スラストブロック46と可動磁性体42が
カムハウジング4と一体に周方向に回転するが、ロータ
リバルブ24はスラストブロック46と可動磁性体42
に対して相対回転可能であり、更に、可動磁性体42
が、スラストブロック46とロータリバルブ24の間に
おいて、スラストブロック6の底端部68とガイドピン
72のツメ部72aによって規制されている範囲内で、
軸方向への進退移動が可能となっている。
【0021】更に、スプール78が可動磁性体42の長
穴58を通ってロータリバルブ24のスプール孔32に
挿通し、スプール78の後端80とEリング82で可動
磁性体42の底端部を狭むことで、スプール78が長穴
58に沿って周方向へ移動することができるが、軸方向
に沿っては、可動磁性体42と一体でなければ進退移動
できない構造となっている。
【0022】又、この組付けによって、図4に示すよう
に、ロータリバルブ24の位置決め突起28が、スラス
トブロック46の規制突起64,66の間に位置するこ
ととなり、規制突起64,66で規制される角度θ内
で、ロータリバルブ24とスラストブロック46が周方
向へ相対回転可能となっている。又、この相対回転にお
いて、スプール78は可動磁性体42の長穴58内を移
動するので、常にスプール孔32中に挿入したままでロ
ータリバルブ24と一体に回転する。尚、長穴58の周
方向の長さは、規制突起64,66の間隔より若干長く
形成されている。
【0023】再び図1に戻って説明するに、スラストブ
ロック46の背面側には、アキュムレータピストン84
が設けられ、カムハウジング4の円筒部4dの側面側に
固定したリテーナ86に介装されたリターンスプリング
88によってスラストブロック46側に付勢されてい
る。尚、90はOリング、92はオイルシールであり、
カムハウジング4の円筒部4dと入力軸2とアキュムレ
ータピストン84によるピストン室をシールしている。
【0024】94はカムハウジング4のカムハウジング
側部の外側に設けられた磁気枠96に惓装されたソレノ
イドコイルであり、磁気枠96がスラストブロック46
と円筒部4bに対向して設けられている。次にかかる構
成の実施例の作動を説明する。まず、ソレノイドコイル
94に所定の極性の直流電流を供給すると、磁気枠9
6、スラストブロック46、円筒部4b及び可動磁性体
42に磁路が発生し、リターンスプリング74のバネ力
に対抗する磁力によって可動磁性体42が、ロータリバ
ルブ24側へ移動する。
【0025】これにより、可動磁性体42と共にスプー
ル78も同方向へ移動するので、図3に示したロータリ
バルブ24の1つの吐出ポート38が貫通孔31と連通
してハウジング側部内の低圧部に連通する。この状態
で、入力軸2とカムハウジング4の間に回転速度差が発
生して、カム面12によるプランジャ18のストローク
があると、吐出ポート38の液圧はスプール78の開動
作によって、環状溝34及び大径の貫通孔31を介して
上記低圧部へ放出されるので、吐出ポート38の液圧上
昇を生じない。この結果、入力軸2とカムハウジング4
との間でトルク伝達が行なわれないので、図6の特性B
の様になり、いわゆるフリー状態となる。
【0026】次に、ソレノイドコイル94に電流を供給
しないと、上記の様な磁路が発生せず、可動磁性体42
はリターンスプリング74によって図1の左側、即ち、
スラストブロック46側へ移動して静止する。これによ
り、スプール78も可動磁性体42に連れて移動し、図
3に示す貫通孔31を閉鎖し、吐出ポート38を密封す
る。
【0027】この状態では、カム面12、ロータ14及
びロータリバルブ24の位置関係は、直線上に展開して
示した図5に示す様になる。そして、入力軸2とカムハ
ウジング4の間に回転速度差が発生して、カム面12に
よるプランジャ18のストロークがあると、図5におい
て、あるプランジャ18が吸入工程にある場合(上側矢
印で示す場合)は、ロータリバルブ24の吸入ポート3
6とプランジャ室16の吸入吐出孔22が通じる位置関
係となり、溝部26からロータ14の吸入吐出孔22を
通じてプランジャ室16にオイルを吸入し、あるプラン
ジャ18が吐出工程にある場合(下側矢印で示す場合)
は、吸入工程と逆の関係となり、ロータ14に形成した
プランジャ室16の吸入吐出孔22は、ロータリバルブ
24の吐出ポート38を介して環状溝34に通じる。そ
して、このようなプランジャ16の吸入工程と吐出工程
は7つのプランジャ18について図5のように交互に生
じ、吐出側と吸入側ロータリバルブ24のオリフィス3
9を介して連通しているため、オリフィス39の流動抵
抗に応じた圧力を吐出側に発生し、入力軸2とカムハウ
ジング4間でトルク伝達が行なわれる。
【0028】更に、カム部10が回転すると吸入工程と
なり、プランジャ18がカム面12の谷底部に向ってリ
ターンスプリング20により押し戻される。吸入工程で
はプランジャ室16の吸入吐出孔22は吸入ポート36
と連通するため、溝部26のオイルは吸入ポート36と
吸入吐出孔22を介してプランジャ室16に吸入され、
プランジャ18はカム面12に沿って戻る。
【0029】この様な、回転速度差に対するトルク伝達
の特性は図6の曲線Aの様になり、回転速度差が増加す
るにつれて伝達トルクが増加する。更に、オリフィス3
9の径を変えることで流動抵抗を制御することによって
も特性が変わる。即ち、オリフィス39の径を小さくす
ることにより流動抵抗を上げると、回転速度差の変化に
対する伝達トルクの傾きΔT/ΔSが大きくなって、特
性が急峻となり、逆に、オリフィスの径を大きくするこ
とにより流動抵抗を小さくすると、回転速度差の変化に
対する伝達トルクの傾きΔT/ΔSは小さくなる。
【0030】この様に、この実施例によれば、カムハウ
ジングの外側に設けられたソレノイドに電流の供給と非
供給の制御を行なうことにより、機械的な非接触で、い
わゆる動力伝達特性とフリー特性を切換え制御すること
ができる。又、スプールを駆動するための可動磁性体
を、入力軸に対して周方向外側へ平行に設けたので、軸
方向の長さを短くすることができ、四輪駆動車用トラン
スファの出力軸側などのスペースに制約がある場合で
も、省スペース化を実現することができる。
【0031】尚、この実施例においては、スプールのポ
ジション制御を行うのに、ソレノイドコイル94に電流
を供給しない場合にトルク伝達となり、ソレノイドコイ
ル94に直流電流を供給するとフリー特性が得られる様
にしたが、この組合せによる制御に限定されるものでは
なく、スプール弁の構造を変えたり、オリフィス39の
位置を変えることによってソレノイドコイル94への供
給電流に対するスプールの移動位置を制御して、これら
の実施例と等価な制御を実現するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、油
圧ポンプの出口部に設けられた吐出油の流動抵抗を制御
するための流動抵抗制御手段及び電磁式アクチュエータ
を、入出力駆動軸に対して平行な位置に設けたので、軸
方向の長さを短縮できる。又、ソレノイドで電磁式アク
チュエータを構成し、このソレノイドへの通電と通電を
停止することによって、フリー及びトルク伝達特性を設
定することができる構成としたので、極めて簡素で小型
の流動抵抗制御手段及び電磁式アクチュエータを構成す
ることができる。
【0033】更に、この油圧式動力伝達継手を外部から
直接に接触して制御する必要がなく、非接触で動力伝達
特性を制御することができることから、耐久性、信頼性
を向上することができる。又、上記ソレノイドへの通電
電流を制御するための制御手段を簡素な電気回路等で容
易に実現することができるので、この油圧式動力伝達継
手を制御するための所謂コントロールを小型且つ簡素化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による油圧式動力伝達継手の実施例の構
造を示し、図3のY−Y線に沿った位置関係の断面を示
す断面図である。
【図2】ロータリバルブ、可動磁性体及びスラストブロ
ックの形状、及びこれらに付随する弁機構構成部品の形
状を示す分解斜視図である。
【図3】ロータリバルブの構造を示す平面図である。
【図4】スラストブロックとロータリバルブを組合せた
時の相互の位置関係を示す平面図である。
【図5】入力軸とハウジングの相対回転によるトルク伝
達時の動作を直線上に展開して示した説明図である。
【図6】この実施例のトルク伝達特性を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
2;入力軸 4;カムハウジング 4a;第1の円筒部 4b;第2の円筒部 4c;第3の円筒部 4d;第4の円筒部 8;長ネジ 12;カム面 14;ロータ 16;プランジャ室 18;プランジャ 20;リターンスプリング 22;吸入吐出孔 24;ロータリバルブ 26;溝部 28;位置決め突起 30;突部 31;貫通孔 32;スプール孔 34;環状溝 36;吸入ポート 38;吐出ポート 39;オリフィス 40;溝 42;可動磁性体 44a;シール部材 44b;ニードルベアリング 46;スラストブロック 50;底端部 52;側端部 54;切欠56;規制突起 58;長穴 62;環状凸部 64,66;規制突起 68;底誌部 70;穴 72;ガイドピン 74;リターンスプリング 76;ネジ穴 78;スプール 80;後端 82;Eリング 94;ソレノイドコイル 96;磁気枠

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ前記
    一方の軸に連結され内側面に2つ以上のカム山を有する
    カム面を形成したカムハウジングと、 前記他方の軸に連結されるとともに、前記カムハウジン
    グ内に回転自在に収納され、複数のプランジャ室を軸方
    向に形成したロータ部材と、 前記複数のプランジャ室の各々にリターンスプリングの
    押圧を受けて往復移動自在に収納されると共に、前記両
    軸の相対回転時に前記カム面によって駆動される複数の
    プランジャと、前記プランジャを収納しない一方の端面
    に開口し前記プランジャ室と通じる吸入吐出孔と、前記
    ロータ部材の端面に回転自在に摺接するとともに前記カ
    ムハウジングとの間で所定の関係に位置決めされ前記吸
    入吐出孔との位置関係によって、吸入弁及び吐出弁の作
    用をする複数の吸入ポート、吐出ポートを表面に形成し
    た滑り弁と、 これらにより構成されたプランジャポンプの出口部に流
    動抵抗を発生する手段を備え、 前記プランジャポンプに流動抵抗を制御可能な継手軸方
    向に作動するスプールバルブを設けるとともに、該スプ
    ールバルブに対し、継手軸方向に移動を規制され継手の
    周方向には一定角度内で回転自在に連結される可動磁性
    体を、前記カムハウジング内部に継手軸方向のみ移動可
    能にスプリングを介して固定し、カムハウジングを一部
    磁性体で構成することによって、前記可動磁性体ととも
    に磁路を形成し、継手の外部に継手本体と非接触に電磁
    コイルを配し、該コイルに電流を流し、前記磁路をれい
    磁したとき、前記可動磁性体が前記スプリングに抗し
    て、軸方向に移動することにより前記流動抵抗を変化さ
    せトルク伝達特性を変化させ得ることを特徴とする油圧
    式動力伝達継手。
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