JPH0560152A - 油圧式動力伝達継手 - Google Patents

油圧式動力伝達継手

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JPH0560152A
JPH0560152A JP21947891A JP21947891A JPH0560152A JP H0560152 A JPH0560152 A JP H0560152A JP 21947891 A JP21947891 A JP 21947891A JP 21947891 A JP21947891 A JP 21947891A JP H0560152 A JPH0560152 A JP H0560152A
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JP
Japan
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cam
flow resistance
orifice
plunger
rotary valve
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JP21947891A
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English (en)
Inventor
Toji Takemura
統治 竹村
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Fuji Univance Corp
Original Assignee
Fuji Univance Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 内部に設けられている流動抵抗発生手段によ
って、2つの動力回転軸の回転速度差に対するトルク伝
達特性を得る油圧式動力伝達継手において、該流動抵抗
を変化してトルク伝達特性を可変にすることを目的とす
る。 【構成】 相対回転可能な入出力軸間に設けられ、これ
ら両軸の回転速度差によって駆動される油圧ポンプと、
該油圧ポンプの出口部に設けられた吐出油の流動抵抗を
制御する複数個の流動抵抗発生弁とを備え、磁気的に移
動する可動磁性体40により、これらの流動抵抗発生弁
を開閉制御することで、トルク伝達特性を可変にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部に設けられている
オリフィスの径を変えることで、2つの動力回転軸の回
転速度差に対するトルク伝達特性を自在にチューニング
することができる油圧式動力伝達継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧式動力伝達継手としては、例
えば、特願平1−154228号に開示されたものがあ
る。この油圧式動力伝達継手は、相対回転可能な第1の
回転部材と第2の回転部材間の回転速度差により駆動さ
れる油圧ポンプと、その油圧ポンプの吐出路に外部から
の制御信号に応じた流動抵抗を発生する流動抵抗制御手
段を備え、外部からの制御信号により第1,第2の回転
部材間の伝達トルクを制御するものであり、さらに、第
1又は第2の回転部材の中心部に、これらの軸方向に作
用する電磁式アクチュエータを設けて、この電磁式アク
チュエータによって上記流動抵抗制御手段を直接作動さ
せることで、第1,第2の回転部材間のトルク伝達特性
をチューニングする構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の油圧式動力伝達継手にあっては、上記電磁式
アクチュエータが、第1,第2の回転部材の軸中心に連
接して構成されているので軸方向に長く大きな構造とな
り、例えば四輪駆動車用トランスファの出力軸端側に取
り付けるような場合に、車両への取付けが困難となった
り、取付けのための大きなスペースを確保しなければな
らないという装着性に問題があった。
【0004】又、電磁式アクチュエータに設けられた可
動磁性体を駆動するためのソレノイドコイルを2個必要
としており、装置が大型化する問題もあった。ところ
で、四輪駆動車の前後輪間に油圧式動力伝達継手を設け
る場合において、砂地などの走行抵抗が大きく駆動力を
かけたときに前後輪間で回転差が発生し易い状態では、
前後輪間のトルク伝達が大きい方が望ましい。舗装道路
を通常状態で走行するときは、燃費と実用的に必要な四
輪駆動走行が達成される様に、中程度のトルク伝達特性
が得られることが望ましい。又、制動時に常に車輪がロ
ック状態にならない様に制御する場合には、トルク伝達
特性が弱い方が望ましい。この様に、自動車の車輪の回
転差に応じてトルク伝達特性を可変にすることは、自動
車の走行安定性や安全性を確保する上で重要であり、こ
うしたトルク特性を可変とする油圧式動力伝達継手あっ
て、より小形且つ搭載性の良い新規の継手の開発が望ま
れていた。
【0005】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたものであり、上記電磁式アクチュエータ及び流動
抵抗制御手段の構造を改善することにより、上記のよう
な問題のない、小型かつトルク伝達特性可変形の油圧式
動力伝達継手を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、相対回転可能な入出力軸間に設けら
れ前記両軸の回転速度差によって駆動される油圧ポンプ
と、該油圧ポンプの出口部に設けられた吐出油の流動抵
抗を制御する流動抵抗発生弁と、外部からの信号によっ
て該流動抵抗発生弁を作動させるアクチュエータを備
え、前記両軸の回転速度差および外部からの制御信号に
応じたトルク伝達する油圧式動力伝達継手を対象とす
る。
【0007】そして、上記流動抵抗発生弁を複数個備
え、更に、外部の部材に固定されたソレノイドと、該ソ
レノイドにより発生する磁力に応じて移動することによ
り、上記複数の弁を開閉制御して、実質的な弁の径を変
化させることにより、複数の流動抵抗を設定する可動磁
性体を設けた。
【0008】
【作用】この様な構成によれば、上記複数の流動抵抗発
生弁の開閉を可動磁性体で制御することで、流動抵抗が
可変となり、この結果、入出力軸間のトルク伝達特性を
制御することができ、広範囲の応用が可能となる。又、
油圧ポンプの出口部に設けられた吐出油の流動抵抗を制
御するための流動抵抗発生手段及び電磁式アクチュエー
タを、入出力駆動軸に対して平行な位置に設けたので、
軸方向の長さを短縮でき、自動車等への装着性が向上す
る。
【0009】更に、この油圧式動力伝達継手を外部から
直接に接触して制御する必要がなく、非接触で動力伝達
特性を制御することができることから、耐久性、信頼性
を向上することができる。又、上記ソレノイドへの通電
電流を制御するための制御手段を簡素な電気回路等で容
易に実現することができるので、この油圧式動力伝達継
手を制御するための所謂コントローラを小型且つ簡単化
することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明による油圧式動力伝達継手の一
実施例を図面と共に説明する。図1〜図6は第1の実施
例を示すものであり、まず、図1の断面図に基づいて第
1の実施例の全体構造を説明すると図1において、2は
カムであり、右端の内側端面に2つ以上の山を有するカ
ム面4を形成している。カム面4には例えば4つのカム
山とカム谷が1つずつ交互に形成されている。カム2は
ボルトによって出力軸(図示せず)に連結され、該出力
軸と一体で回転する。又、カム2はカムハウジング8に
溶接10により固定され、カムハウジング8はカム2と
一体で回転する。
【0011】12はロータであり、カムハウジング8に
対して回転自在に収納され、入力軸14にはスプライン
嵌合により結合されることで入力軸14と一体に回転す
る。ロータ12には、軸方向に複数個のプランジャ室1
6が形成されている。プランジャ室16の数は、カム2
のカム面4に設けられたカム山の数を4個とすると、例
えば7個のプランジャ室16が等間隔に形成されてい
る。プランジャ室16の各々には、プランジャ18がリ
ターンスプリング20を介して摺動自在に収納されてい
る。また、各プランジャ室16の底部には吸入吐出孔2
2が形成されている。
【0012】24はロータリバルブであり、入力軸14
に設けられたボールベアリング26を介して、スラスト
ブロック28と共に入力軸14に対して回転可能に支持
されている。30はロータリバルブ24に当接する板状
の蓋部材、32はスラストブロック28と蓋部材30の
間に介在するニードルベアリングである。
【0013】34はカムハウジング8に固着されたリテ
ーナであり、非磁性体で形成されている。36はアキュ
ムレータピストンであり、リテーナ34に介在したスプ
リング38によってアキュムレータ室39に油を余圧を
もって封入している。40は環状の可動磁性体であり、
リテーナ34に介在するリターンスプリング42のバネ
力を受けてロータリバルブ24の所定の端面に対向して
いる。
【0014】44は電磁ソレノイドを構成する磁気枠で
あり、リテーナ34の外側から可動磁性体40に対向し
て設けられ、更に、該磁気枠44にはソレノイドコイル
46が捲装されている。そして、ソレノイドコイル46
に所定の極性の直流電流を供給すると、磁気枠44と可
動磁性体40に磁界が発生し、その時の磁力がリターン
スプリング42に抗して可動磁性体40をロータリバル
ブ24から離す様に移動させる。
【0015】一方、電流を供給しないと、上記磁力が発
生せず、リターンスプリング42のバネ力により可動磁
性体40がロータリバルブ24の所定端面に押圧され
る。次に、ロータリバルブ24の構造を詳述する。図2
に示す様に、ロータリバルブ24のロータ12側の端面
には、4個の吸入ポート48と吐出ポート50が1個ず
つ交互に形成されている。又、吸入ポート48の夫々に
は外周からカムハウジング8の内側の低圧部に吸入路5
2が形成されている。
【0016】更に、ロータリバルブ24の裏面には、図
3に示す様に、表面の4か所の吐出ポート50の夫々を
連通する連通溝54が4か所に分けて形成され、特定の
1つの吐出ポート50には、カムハウジング8の内側の
低圧部分と連通する2個のオリ フィス56,58が設け
られている。一方のオリフィス56は常時開放状態、他
方のオリフィス58は可動磁性体40に対向して形成さ
れており、前記ソレノイドによる磁力によって可動磁性
体40がロータリバルブ24から離れる様に移動すると
きは開放状態となり、ソレノイドに電流を供給しないと
きは、リターンスプリング42による可動磁性体40の
押圧によって、閉鎖状態となる。
【0017】更に、ロータ12とロータリバルブ24の
相対的位置関係を図4と共に述べる。図4は図1のI−
I断面を示したものであり、図4の仮想線J−Jの上側
部分がロータリバルブ24の断面、下側部分がロータ1
2の断面を示す。図4において、ロータリバルブ24は
表面のカム山に相対する円周上の位置の4か所に、交互
に吸入ポート48と吐出ポート50を形成している。4
つの吸入ポート48は吸入路52を介して外周のカムハ
ウジング8の内側(低圧部)に開口している。4つの吐
出ポート50は裏面の連通溝54により相互に連通して
いる。
【0018】尚、連通溝54は、図1に示す様に、蓋部
材30で密封されている。更に図4に示すように、ロー
タリバルブ24はカムハウジング8の内周4か所に形成
した切欠60の各々に係合する位置決め用の突起61を
有する。カムハウジング8の切欠60とロータリバルブ
24の突起61は、入力軸14とカム2及び出力軸との
間に相対回転が生じた時に回転方向の如何に関わらず吸
入吐出孔22と吸入ポート48及び吐出ポート50との
間の開閉タイミングとの位相関係を決定する位置決め機
構を構成している。
【0019】切欠60に対し突起61が回転できる角度
θ、即ちロータリバルブ24の回転可能角度θは、カム
山の数をNcとすると、
【0020】
【数1】
【0021】に設定されている。次に、かかる構造の実
施例の動作を説明する。まず、ソレノイドコイル46に
電流を供給しないと、図1に示す様に、可動磁性体40
はリターンスプリング42のバネ力によってロータリバ
ルブ24に押圧され、オリフィス58が閉鎖される。
【0022】この状態でのカム2、ロータ12及びロー
タリバルブ24の位置関係は、直線上に展開して示した
断面図5に示す様になり、オリフィス56だけが吐出ポ
ート50と低圧の吸入ポート48の1つと連通した状態
となる。あるプランジャ18が吸入工程にある場合(上
側矢印で示す場合)は、ロータリバルブ24の吸入ポー
ト48とプランジャ室16の吸入吐出孔22が通じる位
置関係となり、吸入路52からロータ12の吸入吐出孔
22を通じてプランジャ室16にオイルを吸入し、ある
プランジャ18が吐出工程にある場合(下側矢印で示す
場合)は、吸入工程と逆の関係となり、ロータ12に形
成したプランジャ室16の吸入吐出孔22は、ロータリ
バルブ24の吐出ポート50を介して連通溝54に通じ
る。そして、このようなプランジャ18の吸入工程と吐
出工程は7つのプランジャ18につき図5のように交互
に生じ、吐出側と吸入側はロータリバルブ24のオリフ
ィス56を介して連通しているため、オリフィス56の
流動抵抗に応じた圧力を吐出側に発生し、それによる反
力によってカム2とロータ12間でトルク伝達が行われ
る。
【0023】したがって、カム2とロータ12との間に
回転差が生じると、吐出工程にあるプランジャ18に注
目した場合、プランジャ18はカム2のカム面4により
軸方向(左方向)に押し込まれることとなり、プランジ
ャ18とプランジャ室16のオイルを吸入吐出孔22か
らロータリバルブ24の吐出ポート50に押し出し、吐
出ポート50に押し出されたオイルは、連通溝54、オ
リフィス56を通って低圧側に流れる。この時、オリフ
ィス56の流動抵抗により連通溝54、吐出ポート50
およびプランジャ室16の油圧が上昇し、プランジャ1
8に反力が発生し、このプランジャ18の反力に逆って
カム2を回転させることによりトルクが発生し、カム2
とロータ12との間でトルクが伝達され、ひいては、入
力軸14と出力軸間でトルク伝達が行われる。
【0024】更に、カム2が回転して吸入工程となる
と、プランジャ18がカム面4の谷底部に向ってリター
ンスプリング20により押し戻される。吸入工程ではプ
ランジャ室16の吸入吐出孔22は吸入ポート48と連
通するため、吸入路52のオイルは吸入ポート48、吸
入吐出孔22を介してプランジャ室16に吸入され、プ
ランジャ18はカム2のカム面4に沿って戻る。
【0025】この様な回転速度差に対するトルク伝達の
特性は図6の曲線Aの様になり、回転速度差が増加する
につれて伝達トルクが増加する。一方、ソレノイドコイ
ル46に所定の極性の直流電流を供給すると、磁気枠4
4及び可動磁性体40に磁界が発生し、その時の磁力に
より、可動磁性体40が移動し、ロータリバルブ24か
ら離れて、オリフィス58が開放状態となる。この状態
で、入力軸14とカム2の間に回転速度差が発生する
と、オリフィス56と58が吐出ポート50と低圧の吸
入ポート48間に並列に介在するので、流動抵抗が低下
し、図6の曲線Bに示す様に、回転速度差に対するトル
ク伝達特性が低下する。
【0026】この様にこの実施例によれば、外部に設け
られたソレノイドに所定の電流を供給又は非供給する制
御を行うことで、トルク伝達特性を容易に切替えること
ができる。次に、第2の実施例を図7と共に説明する。
尚、図7において図1と同一又は相当する部分を同一符
号で示す。
【0027】図1に示した第1実施例との相違点を述べ
ると、ロータ12に対向してロータリバルブ62が、ス
ラストブロック28と共にボールベアリング26を介し
て入力軸14に回転可能に支持されている。ロータリバ
ルブ62は、ロータ12とは反対側に延びる筒状部64
を一体に有しており、特定の1個の吐出ポート50(図
7の下側の吐出ポート)に連通する高圧室66,68が
形成され、夫々の高圧室66、68は筒状部64の外側
端に穿設された開口穴70、72に連通している。 7
4はロータリバルブ62の筒状部74の外側に軸方向に
沿って摺動可能に嵌挿された筒状の強磁性体から成るハ
ブ部材であり、内側に形成された段部と筒状部64に設
けられた止めリング65の間に介在されたリターンスプ
リング76によって筒状部64からの抜止めが成される
と共に、ロータリバルブ62側へ弾性付勢されている。
尚、ロータリバルブ62とハブ部材64の夫々の外観形
状は、図8の平面図に示す様になっている。
【0028】更に、ハブ部材64の一端には、高圧室6
6と連通する開口穴70に対向する第1のオリフィス7
8と、高圧室68と連通する開口穴72に対向する第2
のオリフィス80が設けられており、ハブ部材74が筒
状部64を軸方向に沿って移動する位置に応じて、第1
のオリフィス78と高圧室66との連通状態を開閉する
と共に、第2のオリフィス80と高圧室68との連通状
態を開閉する構造となっている。
【0029】82はカムハウジング8に組付けられたリ
テーナ34の外側に、ハブ部材74に対向して設けられ
た電磁ソレノイドであり、磁気枠84とそれに捲装した
ソレノイドコイル86で構成されている。又、カムハウ
ジング8、ロータ12及びロータリバルブ62は図9に
示す(図4に対応して示す)様に、第1の実施例と等し
い関係で組付けられており、吐出ポート50、吸入ポー
ト48及び吸入吐出孔22、及びロータリバルブ62の
背面側の連通溝54も等しい位相関係で同じ形状に形成
されている。
【0030】次にかかる構造を有する第2実施例の動作
を説明する。まず、電磁ソレノイド82のソレノイドコ
イル86に所定の極性の直流電流を供給すると、磁気枠
84とハブ部材74に磁界が発生し、その時の磁力によ
って、図7に示す様に、ハブ部材74がリターンスプリ
ング76のバネ力に抗して、図の左側へ移動する。この
結果、高圧室66が開口穴70を介して第1のオリフィ
ス78と連通し、他方の高圧室68は第2のオリフィス
80との位置ずれによって閉鎖状態となる。
【0031】この状態で入力軸14とカム2の間に回転
速度差が発生すると、カム面4に応じてプランジャ18
が作動することによる吐出ポート50へ出力されるオイ
ルは、高圧室66及び第1のオリフィス78を通って、
低圧の吸入ポート側へ流れる。したがって、第1のオリ
フィス78で設定される流動抵抗に応じた図6の曲線1
Aに示す様なトルク伝達特性が得られる。
【0032】一方、電磁ソレノイド82のソレノイドコ
イル86に電流を供給しないと、上記の様な磁界が発生
しないので、ハブ部材74はリターンスプリング76の
バネ力によってロータリバルブ62側へ移動する。この
結果、高圧室66と第1のオリフィス78が位置ずれに
よって閉鎖状態となり、高圧室68と第2のオリフィス
80が連通状態となる。
【0033】この状態で、入力軸14とカム2の間に回
転速度差が発生すると、カム面4に応じてプランジャ1
8が作動することによる吐出ポート50へ出力されるオ
イルは、高圧室68及び第2のオリフィス80を通って
吸入ポート側へ流れる。ここで、第1のオリフィス78
の径よりも第2のオリフィス80の径の方が大径である
ため、流動抵抗が低下し、したがって、図6の曲線Bに
示す様に、低いトルク伝達特性が得られる。
【0034】この実施例においても、ソレノイドを用い
た外部からの非接触制御によって、トルク伝達特性を可
変にすることができる。次に第3の実施例を図10に基
づいて説明する。尚、図10において図1と同一又は相
当する部分を同一符号で示す。図1に示した第1の実施
例との相違点を述べると、ロータ12に対向に設けられ
たロータリバルブ24の特定の吐出ポート50の一端に
設けられた固定のオリフィス56に加えて、第1,第2
のオリフィス88,90が背面側に形成されている。
【0035】そして、第1のオリフィス88の外側に対
向して、環状の第1の可動磁性体92、第2のオリフィ
ス90の外側に対向して環状の第2の可動磁性体94が
夫々配置され、夫々の可動磁性体92,94はリテーナ
34に介在されたリターンスプリング96,98によっ
てロータリバルブ24側へ付勢されている。更に、リテ
ーナ34の外側には、第1の可動磁性体92に対向して
第1の電磁ソレノイド100と、第2の可動磁性体94
に対向して第2の電磁ソレノイド102が設けられ、夫
々の電磁ソレノイド100,102は夫々独立した磁気
枠とソレノイドコイルで構成されている。
【0036】尚、ロータリバルブ24、ロータ12及び
カムハウジング8は図11に示す(図4に対応して示
す)様に、第1の実施例と等しい関係で組付けられてお
り、吐出ポート50、吸入ポート48及び吸入吐出孔2
2、及び連通溝54も等しい位相関係で同じ形状に形成
されている。次にかかる構造の第3の実施例の動作を説
明する。
【0037】まず、第1,第2の電磁ソレノイド10
0,102のいずれにも電流を供給しないと、可動磁性
体92,94は共にリターンスプリング96,98のバ
ネ力によって、ロータリバルブ24に押圧され、第1,
第2のオリフィス88,90が閉鎖される。この状態で
入力軸14とカム2の間に回転速度差を生じると、カム
面4に応じて作動するプランジャ18によって吐出ポー
ト50に出力されるオイルが固定のオリフィス56を通
って低圧側へ流れるので、オリフィス56の流動抵抗に
応じたトルク伝達特性が得られる。
【0038】次に、第1の電磁ソレノイド100に所定
極性の直流電流を供給し、第2電磁のソレノイド102
には電流を供給しないと、第1のソレノイド100と第
1の可動磁性体92の間にのみ磁界が発生し、その時の
磁力によって第1の可動磁性体92がリターンスプリン
グ96に抗してロータリバルブ24から離れる。したが
って、第1のオリフィス88は開放状態、第2のオリフ
ィス90は閉鎖したままの状態となる。
【0039】この状態で、入力軸14とカム2の間に回
転速度差が生じると、カム面4に応じて作動するプラン
ジャ18により吐出ポート50へ出力されるオイルは、
オリフィス56と第1のオリフィス88を通って低圧側
へ流れるので、2個のオリフィス56,88による実質
的な流動抵抗が低下し、トルク伝達特性が低下する。次
に、第2の電磁ソレノイド102に所定極性の直流電流
を供給し、第1の電磁ソレノイド100には電流を供給
しないと、第2の電磁ソレノイド102と第2の可動磁
性体94の間にのみ磁界が発生し、その時の磁力によっ
て第2の可動磁性体94がリターンスプリング98に抗
してロータリバルブ24から離れる。したがって、第2
のオリフィス90は開放状態、第1のオリフィス88は
閉鎖したままの状態となる。
【0040】この状態で、入力軸14とカム2の間に回
転速度差が生じると、カム面4に応じて作動するプラン
ジャ18により吐出ポート50へ出力されるオイルは、
オリフィス56と第2のオリフィス90を通って低圧側
へ流れるので、2個のオリフィス56,90による実質
的な流動抵抗が低下し、トルク伝達特性が低下する。こ
こで、第1のオリフィス88の径よりも第2のオリフィ
ス90の径のほうが大きく設計されているので、オリフ
ィス56と88が開放することによる流動抵抗よりもオ
リフィス56と90が開放することによる流動抵抗の方
が低くなり、トルク伝達特性もそれに応じて低くなる。
【0041】次に、第1,第2の電磁ソレノイド10
0,102のいずれにも電流を供給すると、その時の磁
力によって、第1,第2の可動磁性体92,94がリタ
ーンスプリング96,98に抗してロータリバルブ24
から離れる。したがって、第1,第2のオリフィス8
8,90は共に開放状態となる。この状態では、吐出ポ
ート50のオイルは、オリフィス56と、第1,第2の
オリフィス88,90を通って低圧側へ流れるので、最
も低い流動抵抗となり、それに応じて最も低いトルク伝
達特性が得られることとなる。
【0042】この様に、この第3の実施例によれば、更
にきめ細く、トルク伝達特性を切替制御することができ
る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
相対回転可能な入出力軸間に設けられ前期両軸の回転速
度差によって駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプの
出口部に設けられた吐出油の流動抵抗を制御する流動抵
抗発生弁と、外部からの信号によって該流動抵抗発生弁
を作動させるアクチュエータを備え、前期両軸の回転速
度差および外部からの制御信号に応じたトルク伝達する
油圧式動力伝達継手において、流動抵抗発生弁を複数個
備え、外部の部材に固定されたソレノイドと、該ソレノ
イドにより発生する磁力に応じて移動する可動磁性体を
設けることによりこれらの弁を開閉制御して複数の流動
抵抗を設定するようにしたので、入出力軸間のトルク伝
達を広範囲で制御することができる。
【0044】又、油圧ポンプの出口部に設けられた吐出
油の流動抵抗を制御するための流動抵抗発生手段及び電
磁式アクチュエータを、入出力駆動軸に対して平行な位
置に設けたので、軸方向の長さを短縮でき、自動車等へ
の装着性が向上する。更に、この油圧式動力伝達継手を
外部から直接に接触して制御する必要がなく、非接触で
動力伝達特性を制御することができることから、耐久
性、信頼性を向上することができる。又、上記ソレノイ
ドへの通電電流を制御するための制御手段を簡素な電気
回路等で容易に実現することができるので、この油圧式
動力伝達継手を制御するための所謂コントローラを小型
且つ簡単化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構造を示す断面図で
ある。
【図2】ロータリバルブの表面側の構造を示す平面図で
ある。
【図3】ロータリバルブの背面側の構造を示す背面図で
ある。
【図4】図1のI−I線に沿って示す断面図である。
【図5】図1のカムとロータの相対回転によるプランジ
ャの動きを直線上に展開して示した説明図である。
【図6】第1実施例の動力伝達特性を示す特性図であ
る。
【図7】本発明の第2実施例の全体構造を示す断面図で
ある。
【図8】第2実施例のロータリバルブとハブ部材の形状
を示す側面図である。
【図9】図7のI−I線に沿って示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施例の全体構造を示す断面図
である。
【図11】図10のI−I線に沿って示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2……カム 4……カム面 8……カムハウジング 10……溶接 12……ロータ 14……入力軸 16……プランジャ室 18……プランジャ 20……リターンスプリング 22……吸入吐出口 24,62……ロータリバルブ 26……ボールベアリング 28……スラストブロック 30……蓋部材 32……ニードルベアリング 34……リテーナ 36……キュムレータピストン 38……スプリング 39……アキュムレータ室 40,92,94……可動磁性体 42,96,98……リターンスプリング 44,84……磁気枠 46,86……ソレノイドコイル 48……吸入ポート 50……吐出ポート 52……吸入路 54……連通溝 56,58,78,80,88,90……オリフィス 60……切欠 61……突起 65……止めリング 66,68……高圧室 64……筒状部 70,72……開口孔 74……ハブ部材 76……リターンスプリング 82,100,102……電磁ソレノイド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能な入出力軸間に設けられ、こ
    れら両軸の回転速度差によって駆動される油圧ポンプ
    と、該油圧ポンプの出口部に設けられた吐出油の流動抵
    抗を制御する流動抵抗発生弁と、外部からの信号によっ
    て該流動抵抗発生弁を作動させるアクチュエータを備
    え、これら両軸の回転速度差および外部からの制御信号
    に応じたトルクを伝達する油圧式動力伝達継手におい
    て、 前記流動抵抗発生弁を複数個備え、 更に外部の部材に固定されたソレノイドと、 該ソレノイドにより発生する磁力に応じて移動すること
    により、上記複数の弁を開閉制御して、複数の流動抵抗
    を設定する可動磁性体を設けたことを特徴とする油圧式
    動力伝達継手。
JP21947891A 1991-08-30 1991-08-30 油圧式動力伝達継手 Pending JPH0560152A (ja)

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