JPH0624056Y2 - ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ケースのヘッド挿入孔を閉じる方向にシャ
ッターを付勢するためのスプリング形状を改良した、光
もしくは磁気用のディスクカートリッジに関する。

（従来の技術） 光ディスクあるいは磁気ディスクを収納するディスクカ
セットとして、従来、第６図ないし第８図に示すような
ディスクカートリッジ１が用いられている。そのディス
クカートリッジ１は、記録媒体としてのディスク２と、
該ディスク２を回転可能に収容して少なくとも片面にヘ
ッド挿入孔３を有するケース４と、該ケースのヘッド挿
入孔３を開閉するスライド可能なシャッター５と、前記
ケースのヘッド挿入孔３を閉じる方向にシャッター５を
付勢するスプリング６とからなる。

前記シャッター５は、上下の水平面５ａ，５ｂと垂直面
５ｃとよりなる断面断面略コ形状からなるもので、その
垂直面５ｃの一端部内側には、水平面５ａ，５ｂに沿っ
て先端がケース内の一隅部に向かう略Ｌ字状の爪９が形
成されている。

また前記スプリング６は、略中央がコイル状に巻かれ、
両端の脚７，８先端が互いに反対側のケース内面に向か
って鉤状に屈曲した第一折り曲げ部となったもので、一
方の脚７先端の第一折り曲げ部７ａが前記ケース４内の
一隅部に係止され、他方の脚８先端の第一折り曲げ部８
ａがシャッター５端部の前記爪９に係止されている。

このようにしてなるディスクカートリッジ１は、スプリ
ング６の弾性に抗してシャッター５をスライドさせるこ
とによってケースのヘッド挿入孔３が開き、記録または
再生が可能になる。また、シャッターに加える力を除去
すれば、スプリング６のばね弾性によってシャッター５
が押されて前記と反対方向にスライドし、ヘッド挿入孔
３が閉じられ、ディスクが保護される。

（考案が解決しようとする課題） しかし、前記のディスクカートリッジ１は、第９図に示
すようにスプリングの脚８とシャッターのＬ字状の爪９
とが浅い角度ｃで係合している。そのため、シャッター
のスライド時の衝撃、振動等により、スプリングの脚８
が第８図に示す矢印Ａの方向に移動すると、その脚先端
の第一折り曲げ部８ａがシャッターの爪９先端から外れ
易かった。

しかもそのスプリング６は、シャッターのスライド時に
スプリングの弾性変形および摺動が妨げられないよう
に、ケース４内面間の間隔よりも、かなり幅の狭いもの
が用いられる。そのため、シャッターのスライド時等の
際に、シャッターの爪と係止しているスプリング６の脚
８が爪９側、すなわち前記矢印Ａの方向に移動し易く、
前記理由によりスプリングの脚先端の第一折り曲げ部８
ａがシャッターの爪９から外れ易かった。

そこでこの考案は、シャッターのスライド等の際に、ス
プリングの脚がシャッターの爪から外れないディスクカ
ートリッジを提供せんとするものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、この考案は、ヘッド挿入窓を
有し、記録用ディスクを回転可能にするケースと、上下
の水平面と垂直面とよりなる断面略コ形状からなり、前
記垂直面の一端部内側には前記水平面に沿って先端がケ
ース内の一隅部に向かう略Ｌ字形の爪が形成されて、前
記水平面によりケース外面を挟むようにして該ケースに
スライド可能に取り付けられて前記ヘッド挿入窓を開閉
するシャッターと、両脚先端が互いに反対側のケース内
面を向いて鉤状に屈曲した第一折り曲げ部となって、一
方の脚の第一折り曲げ部が前記ケース内の一隅部に係止
され、他方の脚の第一折り曲げ部が前記シャッターの爪
に係止されるとともに、コイル状中央部がケース内方に
位置して前記シャッターをヘッド挿入窓の閉じる方向に
付勢する略くの字形のスプリングとからなるディスクカ
ートリッジにおいて、前記スプリングのシャッター側に
ある脚が、前記コイル状中央部と第一折り曲げ部間の中
程に該第一折り曲げ部先端とは反対側へ略くの字形に折
り曲げ形成された第二折り曲げ部を有し、かつ、前記第
一折り曲げ部に至る手前に、前記シャッターの垂直面側
へ略くの字形に折り曲げ形成された第三折り曲げ部を有
する構成としたのである。

（作用） スプリングはシャッター側の脚の中程に、その脚先端の
鉤状の第一折り曲げ部先端とは反対側へ略くの字形に折
り曲がった第二折り曲げ部が形成されている。そのた
め、スプリングのシャッター側は、シャッターの爪と係
止する第一折り曲げ部に近づくに従い爪から遠ざかって
ケース内面に接近し、前記第一折り曲げ部の基部とシャ
ッターの爪との距離が大となる。従って、スプリングの
シャッター側の脚がシャッターの爪側（前記Ａ方向）に
移動しても、その脚の第一折り曲げ部がシャッターの爪
から外れにくくなる。

また、シャッターの爪と係止するスプリングの脚には、
鉤状の第一折り曲げ部の手前に、シャッターの垂直面側
へ略くの字形に折り曲がった第三折り曲げ部が形成され
ており、その第三折り曲げ部によりスプリングの脚とシ
ャッターの爪との係合角度が大になる。その結果、シャ
ッターの爪に係止しているスプリングの脚の第一折り曲
げ部の基部が前記爪側へ移動することがあっても、最終
的に前記第一折り曲げ部手前の第三折り曲げ部がシャッ
ターの爪の側面に当たって、それ以上第一折り曲げ部の
基部がシャッターの爪方向に移動できなくなる。したが
って、これによっても鉤状の第一折り曲げ部がシャッタ
ーの爪から外れるのが防止される。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面を用いて説明する。

第１図は、この考案の一実施例に係るディスクカートリ
ッジ１０の平面図、第２図はそのディスクカートリッジ
１０の要部正面図である。

ディスクカートリッジ１０は、記録媒体としてのディス
ク１２をヘッド挿入窓１４の有るケース１６内に回転可
能に収容し、そのヘッド挿入窓１４を開閉するシャッタ
ー１８をスライド可能にケース１６外面に装着するとと
もに、そのシャッター１８をヘッド挿入窓１４の閉じる
方向に付勢するスプリング２０をケース１６内に装着し
てなるものである。

前記ケース１６は、上半体と下半体の組み合わせからな
り、その上下半体の一部にヘッド挿入窓１４が形成され
ている。なお、ヘッド挿入窓１４は、上半体または下半
体の両方あるいは一方のみに形成される。

シャッター１８は、前記ヘッド挿入窓１４を塞ぐことの
できる上下の水平面１８ａ，１８ｂおよび垂直面１８ｃ
からなる断面略コの字形のもので、水平面１８ａ，１８
ｂのいずれか一側に形成された爪（図示せず）がケース
１６一端縁の表面に形成された溝（図示せず）に係合
し、そのケース１６端縁に沿ってスライド可能に取り付
けられる。またシャッター１８の垂直面１８ｃ一端部内
側には、スプリング２０係止用の爪２２が略Ｌ字形に形
成されている。この爪２２は、シャッター垂直面１８ｃ
の一端がシャッター内側へ略Ｌ字形に切り起こされたも
ので、シャッター水平面１８ａ，１８ｂに沿うととも
に、爪２２側のシャッター１８端部と対向するケース１
６内の一隅部に爪２２の先端が向かっている。

スプリング２０は、そのスプリングの斜視図である第３
図、平面図である第４図、正面図である第５図のよう
に、略中央部２０ａがコイル状に巻かれて、その両端が
脚２０ｂ、２０ｃとなった略くの字形からなり、その一
方の脚が２０ｂ先端が、前記シャッターの爪２２先端と
対向するケース１６の一隅部に係止され、他方の脚２０
ｃ先端が前記シャッターの係止用爪２２に係止される。
ケース１６内に係止される一方の脚２０ｂ先端と、シャ
ッターの爪２２に係止される他方の脚２０ｃ先端とは、
互いに反対側のケース内面を向いた第一折り曲げ部２０
ｄ、２０ｅになっている。また、シャッター側の脚２０
ｃは、コイル状中央部２０ａと第一折り曲げ部２０ｅ間
の中程２０ｆに、第一折り曲げ部２０ｅ先端とは反対側
へ５°の角度で略くの字形に折れ曲げられた第二折り曲
げ部２０ｇが形成されている。そして、その第二折り曲
げ部２０ｇの端部は、第一折り曲げ部２０ｅに至る２mm
手前でシャッター垂直面１８ｃ側へ４５°の角度で略く
の字形に折り曲げられて、第三折り曲げ部２０ｈが形成
されている。

このスプリング２０のシャッター側の脚２０ｃは、前記
第二折り曲げ部２０ｇの存在により、第５図に示すよう
に第一折り曲げ部の基部２０ｉとシャッターの爪２２と
の間隔ａが大になり、また、第三折り曲げ部２０ｈの存
在により、第４図に示すように第三折り曲げ部２０ｈと
爪２２との係合角度ｂが大になる。なお、上記角度およ
び寸法は、一例であって、それに限定されるものではな
い。

このようにしてなるディスクカートリッジ１０は、シャ
ッター１８がスプリング２０のばね弾性により押され
て、ケースのヘッド挿入窓１４を塞いだ状態にある。そ
して、そのスプリング２０のばね弾性に抗してシャッタ
ー１８をケース１６の一端にスライドさせることによ
り、ケース１６のヘッド挿入窓１４が開口する。それら
の際に、スプリング２０のシャッター側の脚２０ｃが、
シャッターの爪２２側（第２図の矢印方向）へ移動する
ことがあっても、前記のように該脚２０ｃの第一折り曲
げ部の基部２０ｉと爪２２との距離ａ（第５図に示す）
が大であるため、該第一折り曲げ部の基部２０ｉが爪２
２の部分まで移動することがない。しかも、たとえその
第一折り曲げ部の基部２０ｉが爪２２の部分まで移動す
ることがあっても、その爪２２とスプリングの脚部の第
三折り曲げ部２０ｈとの係合角度ｂ（第４図に示す）が
大であるため、該第三折り曲げ部２０ｈが爪２２の側面
に衝突し、それ以上第一折り曲げ部２０ｅが爪２２側へ
移動することができない。したがって、該スプリングの
脚の第一折り曲げ部２０ｅがシャッターの爪２２から外
れることがない。

（効果） この考案は、シャッター側のスプリングの脚におけるコ
イル状中央部と先端の第一折り曲げ部間に、前記のよう
な第二折り曲げ部と第三折り曲げ部を設けることによ
り、合計三個の折り曲げ部をシャッター側のスプリング
の脚に設けたため、シャッターのスライド時等の際に、
スプリングの脚の第一折り曲げ部がシャッターの爪から
外れる恐れがない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例に関し、その
うち第１図はディスクカートリッジの斜視図、第２図は
ディスクカートリッジの要部正面図、第３図はスプリン
グの斜視図、第４図はスプリングの平面図、第５図はス
プリングの正面図、第６図ないし第９図は従来のディス
クカートリッジに関するもので、そのうち第６図は平面
図、第７図は要部斜視図、第８図は要部正面図、第９図
はスプリングの脚の係止状態を示す図である。 １２…ディスク、１４…ヘッド挿入窓、１６…ケース、
１８…シャッター、１８ａ，１８ｂ…シャッターの上下
の水平面、１８ｃ…シャッターの垂直面、２０…スプリ
ング、２０ｂ，２０ｃ…スプリングの脚、２０ｄ，２０
ｅ…スプリングの第一折り曲げ部、２０ｉ…スプリング
の第一折り曲げ部の基部、２０ｇ…第二折り曲げ部、２
０ｈ…第三折り曲げ部、２２…シャッターの爪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヘッド挿入窓を有し、記録用ディスクを回
   転可能にするケース（１６）と、 上下の水平面（１８ａ，１８ｂ）と垂直面（１８ｃ）と
   よりなる断面略コ形状からなり、前記垂直面（１８ｃ）
   の一端部内側には水平面（１８ａ，１８ｂ）に沿って先
   端が前記ケース内の一隅部に向かう略Ｌ字形の爪（２
   ２）が形成されて、前記水平面（１８ａ，１８ｂ）によ
   りケース（１６）外面を挟むようにして該ケース（１
   ６）にスライド可能に取り付けられて前記ヘッド挿入窓
   を開閉するシャッター（１８）と、 両脚（２０ｂ，２０ｃ）先端が互いに反対側のケース内
   面を向いて鉤状に屈曲した第一折り曲げ部（２０ｄ，２
   ０ｅ）となって、一方の脚（２０ｂ）の第一折り曲げ部
   （２０ｄ）が前記ケース（１６）内の一隅部に係止さ
   れ、他方の脚（２０ｃ）の第一折り曲げ部（２０ｅ）が
   前記シャッターの爪（２２）に係止されるとともに、コ
   イル状中央部（２０ａ）がケース（１６）内方に位置し
   て前記シャッター（１８）をヘッド挿入窓の閉じる方向
   に付勢する略くの字形のスプリング（２０）とからなる
   ディスクカートリッジにおいて、 前記スプリング（２０）のシャッター側にある脚（２０
   ｃ）が、前記コイル状中央部（２０ａ）と第一折り曲げ
   部（２０ｅ）間の中程（２０ｆ）に該第一折り曲げ部
   （２０ｅ）先端とは反対側へ略くの字形に折り曲げ形成
   された第二折り曲げ部（２０ｇ）を有し、かつ、前記第
   一折り曲げ部（２０ｅ）に至る手前に、前記シャッター
   の垂直面（１８ｃ）側へ略くの字形に折り曲げ形成され
   た第三折り曲げ部（２０ｈ）を有することを特徴とする
   ディスクカートリッジ。