JPH0617230Y2 - 磁気ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、スライドすることによって磁気ヘッド挿入用
開口部を開閉するスライド式シャッタを備えた磁気ディ
スクカートリッジに関する。

（従来の技術） 従来から、磁気記録媒体をカセット本体内に収納し、該
カセット本体に外部から磁気ヘッドを挿入して該磁気ヘ
ッドを前記磁気記録媒体に接触させるための磁気ヘッド
挿入孔を有し、かつ前記カセット本体にその前縁（磁気
ディスクカートリッジをドライブに挿入して装填する場
合の挿入方向前方の縁）に沿ってスライドして前記磁気
ヘッド挿入孔を開放もしくは遮閉するシャッタを設けて
成る磁気ディスクカートリッジが知られている。

このような磁気ディスクカートリッジは、非使用時には
前記シャッタで前記挿入孔を遮閉すべく、該シャッタを
前記挿入孔遮閉位置に向けてシャッタバネで付勢してお
く構造がとられており、さらに携帯時等に不用意に前記
シャッタが開放されることのないように前記遮閉位置に
前記シャッタをロックするロック機構が設けられる必要
がある。したがってこのような磁気ディスクカートリッ
ジには前記シャッタを付勢するバネの他、ロックを行う
ロック部材が配設されていた。

（考案が解決しようとする課題） 近年、カートリッジ本体の小型化に伴い、カートリッジ
に内蔵する部品点数を少なくする傾向にあり、超小型カ
ートリッジではロック部材を配設しないことが多い。し
かし、このような超小型カートリッジは、特に操作や携
帯が簡単に行われるため、手荒に取り扱われることが多
く、非使用時にシャッタがスライドして磁気ヘッド挿入
孔が開放され、カートリッジ内部へ塵等が侵入し、ドロ
ップアウトの原因となる等の不都合が生ずるおそれがあ
る。このため特に小形のカートリッジにもロック機構を
設けることが好ましい。

前述したような要望に応え、本考案は、超小型カートリ
ッジ等のカートリッジ本体内のスペースの小さい磁気デ
ィスクカートリッジにおいても配設可能なシャッタ遮閉
位置ロック機構が設けられた磁気ディスクカートリッジ
の提供を目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は前述したような課題に鑑み、磁気ヘッド挿入孔
を有し、内部に磁気記録媒体を収容するカートリッジ本
体と該カートリッジ本体に設けられ上記挿入孔を開閉す
るスライド可能なシャッタとを備え、このシャッタの前
縁部には磁気ディスカートリッジがドライブ装置に装填
せしめられたときにドライブ装置側のシャッタ開閉用部
材が挿入される切欠部が形成されてなる磁気ディスクカ
ートリッジにおいて、シャッタバネ部とロックバネ部と
が一体的に形成されたシャッタバネ兼ロックバネが設け
られ、前記シャッタバネ部はそのシャッタ開放方向前方
側の端部がカートリッジ本体に当接されると共に、シャ
ッタ開放方向後方側の端部が前記シャッタに係止されて
該シャッタを前記磁気ヘッド挿入孔遮閉位置に向けて付
勢し、前記ロックバネ部は前記シャッタバネ部から該シ
ャッタ開放方向後方側に向けて前記切欠部内を通過して
延設され、このロックバネ部のシャッタ開放方向後端部
は前記カートリッジ本体に係止されて前記シャッタを前
記磁気ヘッド挿入孔遮閉位置にロックする係止部を有
し、前記磁気ディスクカートリッジのドライブ装置装填
時、前記切欠部へ前記開閉用部材が挿入されるとこの開
閉用部材により前記ロックバネ部が押圧されて前記係止
部の前記カートリッジ本体への係止が解除されるように
構成されていることを特徴とする。

（作用） 本考案の磁気ディスクカートリッジは、前述したような
構造を有するため、前記磁気ディスクカートリッジのド
ライブ装置への非装填時は、ロックバネ部の後端部がロ
ック位置に係合され、シャッタが遮閉状態にロックされ
ている。この磁気ディスクカートリッジをドライブ装置
へ装填すると、切欠部内に延設せしめられていた前記ロ
ックバネ部が開閉用部材に押圧され、後端部がロック位
置からはずれる。このためドライブ装置装填と同時にシ
ャッタのロックが解除され該シャッタの開放が可能とな
る。

（実施例） 以下、図面を用いて本考案の磁気ディスクカートリッジ
の一実施例を説明する。

第１図に示す磁気ディスクカートリッジ１も一般的な磁
気ディスクカートリッジと略同様にカートリッジ本体２
にシャッタ３が取付けられてなり、該カートリッジ本体
２にはドライブ装置装填時に磁気ヘッドが挿入される磁
気ヘッド挿入孔４が開孔されており、該挿入孔４が非使
用時には前記シャッタ３により遮閉されており、使用時
にのみ前記シャッタ３が矢印Ａ方向にスライドし、第１
図に示すように前記挿入孔４が開放される構造を有す
る。前記シャッタ３の前縁部には略四角形の切欠部５が
形成されている。この切欠部５はドライブ装置に設けら
れたシャッタ開閉用部材（以下、「ピン」とする）を嵌
合可能な形状を有しており、この磁気ディスクカートリ
ッジ１のドライブ装置への装填時、前記ピンがこの切欠
部５内に嵌合され、矢印Ａ方向へ移動せしめられること
により、前述したようなシャッタ３のスライドが行われ
る。また前記挿入孔４の開放位置から遮閉位置への前記
シャッタ３のスライドもこのピン10の矢印Ａ′方向への
移動に伴って行われる。

前記シャッタ３は、第２図に示すシャッタバネ兼ロック
バネ６により、前記挿入孔４の遮閉方向に常に付勢され
ている。以下、このシャッタバネ兼ロックバネ６を説明
する。このシャッタバネ兼ロックバネ６は線状金属バネ
によりシャッタバネ部７が形成され、このシャッタバネ
部７の、前記シャッタ開放方向（矢印Ａ）後方側にロッ
クバネ部８がこのシャッタバネ部７と一体的に形成され
てなる。

このシャッタバネ部７は、中心部7cを中心に弾性力を有
し、シャッタ開放方向前方側端部7aが前記カートリッジ
本体２に当接されて係止せしめられており、該シャッタ
バネ部７のシャッタ開放方向後方側（矢印Ａ′）端部7b
は、前記シャッタ３の開放方向前方側の側面からシャッ
タ内側へ突出せしめられた係止部3aに係止せしめられた
状態で、前記シャッタ３を磁気ヘッド挿入孔遮閉位置に
向けて付勢して配設される。このシャッタバネ部７の前
記後方側端部7bは、さらにシャッタ開放方向後方側に延
設され、該端部7bを支点に下方へ撓むことが可能なロッ
クバネ部８が形成されている。すなわち、このロックバ
ネ部８は、前記切欠部５内の空間を通過して延設される
形状を有し、後端部にカートリッジ本体２側へ突出され
た係止部8aが形成されてなる。この係止部8aは前記シャ
ッタ３が挿入孔遮閉位置にあるとき、第３図に示すよう
に、カートリッジ本体２の内部壁面の前記切欠部５のシ
ャッタ開放方向後方側近傍位置に設けられた突部９と係
合することにより、前記シャッタ３を挿入孔遮閉位置に
ロックする構造を有する。このような係合時には前記シ
ャッタ３は挿入孔開放方向へスライドすることは不可能
である。

このようにシャッタ３が挿入孔遮閉位置へロックせしめ
られている磁気ディスクカートリッジ１をドライブ装置
へ装填すると、第４図に示すように前記切欠部５内にピ
ン10が嵌入される。このとき、切欠部５内に延設せしめ
られていたロックバネ部８はこのピン10によりカートリ
ッジ挿入方向後方（矢印Ｂ）へ押圧され撓んで前記突部
９との係合がはずれる（第４図２点鎖線）。このため、
前記シャッタ３の挿入孔遮閉位置のロックが解除され、
ピン10のシャッタ開放方向前方への移動に伴って前記シ
ャッタバネ部７の端部7bが付勢力に抗して弾性的に端部
7a側へ押圧され、これに伴ってシャッタ３のスライドが
可能となり、前記シャッタバネ部７の撓みにより、前記
シャッタ３が挿入孔開放方向へ移動せしめられる。

また磁気ディスクカートリッジ１の使用終了時には、前
記切欠部５内のピン10がシャッタ開放方向後方（矢印
Ａ′）へ移動するのに伴って、前記シャッタ３が挿入孔
遮閉位置へ移動し、前記ロックバネ部８の係合部8aが前
記突部９との係合位置下方までスライドされて止まる。
この状態でドライブ装置から磁気ディスクカートリッジ
１がはずされるためロックバネ部８の撓みが回復しロッ
クバネ部８の係合部8aが突部９との係合位置に復帰し、
再ロックされる。また、この突部９のシャッタ開放方向
前方側側面9aをテーパ状にしておけば仮に前記シャッタ
バネ部７が完全に回復していない状態でピン10が切欠部
からはずされても、テーパ面に沿って係合部9aが再ロッ
ク可能である。

（考案の効果） 本考案の磁気ディスクカートリッジは、ロック機能とシ
ャッタ付勢機能とを有するシャッタバネ兼ロックバネが
配設されているため、前記シャッタの付勢を行う部材で
シャッタのロックも行うことができる。

このように２つの機能を有する単一の部材が配設されて
いるため、カートリッジの小型化に伴いカートリッジ内
蔵部品が削減されてもシャッタのロック機構を確保する
ことができる。したがって超小型の磁気ディスクカート
リッジにおいても取り扱い中に不用意にシャッタがスラ
イドして磁気ヘッド挿入孔が開放され、塵等が侵入する
等の不都合が生ずることがなく、携帯に適した超小型カ
ートリッジの提供も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の磁気ディスクカートリッジの一実施例
の平面略図、 第２図は前記実施例の要部拡大斜視図、 第３図は前記実施例のロック部を示す斜視図、 第４図は前記実施例のロック機構を示す平面略図であ
る。 １……磁気ディスクカートリッジ ２……カートリッジ本体、３……シャッタ ４……磁気ヘッド挿入孔、５……切欠部 ６……シャッタバネ兼ロックバネ ７……シャッタバネ部 7a……シャッタ開放方向前方側の端部 7b……シャッタ開放方向後方側の端部 ８……ロックバネ部、8a……係止部 10……シャッタ開閉用部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヘッド挿入孔を有し、内部に磁気記録
   媒体を収容するカートリッジ本体と該カートリッジ本体
   に設けられ上記挿入孔を開閉するスライド可能なシャッ
   タとを備え、このシャッタの前縁部には磁気ディスカー
   トリッジがドライブ装置に装填せしめられたときにドラ
   イブ装置側のシャッタ開閉用部材が挿入される切欠部が
   形成されてなる磁気ディスクカートリッジにおいて、 シャッタバネ部とロックバネ部とが一体的に形成された
   シャッタバネ兼ロックバネが設けられ、 前記シャッタバネ部はそのシャッタ開放方向前方側の端
   部がカートリッジ本体に当接されると共に、シャッタ開
   放方向後方側の端部が前記シャッタに係止されて該シャ
   ッタを前記磁気ヘッド挿入孔遮閉位置に向けて付勢し、 前記ロックバネ部は前記シャッタバネ部から該シャッタ
   開放方向後方側に向けて前記切欠部内を通過して延設さ
   れ、このロックバネ部のシャッタ開放方向後端部は前記
   カートリッジ本体に係止されて前記シャッタを前記磁気
   ヘッド挿入孔遮閉位置にロックする係止部を有し、 前記磁気ディスクカートリッジのドライブ装置装填時、
   前記切欠部へ前記開閉用部材が挿入されるとこの開閉用
   部材により前記ロックバネ部が押圧されて前記係止部の
   前記カートリッジ本体への係止が解除されるように構成
   されていることを特徴とする磁気ディスクカートリッ
   ジ。