JPH0623627Y2 - 収納壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、浴室の壁として用いられる収納壁に関するも
のである。

［背景技術］ 浴槽と洗い場とをＦＲＰ（ガラス繊維強化不飽和ポリエ
ステルなどガラス繊維強化熱硬化性樹脂）で一体に成形
したユニットバスにおいて、その壁を構成する部材に収
納部を設けたいわゆる収納ニッチと称される収納壁が用
いられる。この収納壁もＦＲＰで形成されるものである
が、このとき、浴室のデザインのうえで収納壁の下部を
浴槽と同じ色に形成すると共に収納壁の上部をこれと異
なる色で形成することが望まれることが多い。そして色
の異なる二種類のＦＲＰシートを継ぎ合わせて成形硬化
させるなど、ＦＲＰで二色成形することは技術的に十分
可能であり、収納壁を上部と下部とで異なる色のＦＲＰ
によって形成することが実用段階に入っている。

しかしながら異なる色のＦＲＰの境界線においてそれぞ
れＦＲＰ樹脂が混ざり合ったりして、境界線（バーイン
グライン）をきれいに出すことは製造ラインにおいて非
常に手間がかかることになると共に精密に境界線をきれ
いに出すことは現実的に困難なことである。従ってこの
境界線によって収納壁の外観が損なわれることになると
いう問題を有するものであった。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて為されたものであり、上部
と下部とを異なる色のＦＲＰで形成するにあたって、異
色のＦＲＰの境界線で外観が損なわれるおそれのない収
納壁を提供することを目的とするものである。

［考案の開示］ しかして本考案に係る収納壁は、ＦＲＰ材で作成される
壁板１の上部と下部とを異なる色のＦＲＰ材で一体に形
成し、上下の異なるＦＲＰ材の境界線近傍にこの境界線
ｌに沿ってカウンター板２を配設すると共に壁板１に凹
設した収納凹部５の底面でこのカウンター板２を支持し
て壁板１の表面から突出させて取り付けて成ることを特
徴とするものであり、収納のために壁板１に取り付けら
れるカウンター板２で境界線ｌを隠すことができるよう
にして上記目的を達成したものであって、以下本考案を
実施例により詳述する。

第２図は壁板１を示すもので、本体片３と側片４とで平
面形状略Ｌ字状に形成してあり、その本体片３の上下の
中央部に収納凹所５が背方へ凹曲するように設けてあ
る。また収納凹所５の下縁位置において本体片３の表面
から側片４の表面にかけて平面三角形状の支持突片８が
一体に設けてあり、収納凹所５の底面から支持突片８の
上面にかけて載置面６が形成されるようにしてある。こ
の壁板１はＦＲＰ材によって作成されるものであり、例
えばシートモールディングコンパウンド（ＳＭＣ）の成
形によって作成することができる。そしてこのようにＦ
ＲＰ材で壁板１を作成するにあたって、壁板１の上部と
下部とは異なるＦＲＰ材を用いた二色成形によって成形
してある。すなわち第２図(a)に一点鎖線で示す境界線
ｌの上側と下側とで壁材１は異なる色に形成されている
ものである。この境界線ｌは浴槽１１の上縁とほぼ同じ
高さ位置になるようにしてある。またこの壁材１の背面
側には合板などの裏打ち材７を取り付けて補強がされる
ようにしてある。

カウンター板２はＦＲＰその他の任意の樹脂などで形成
されるもので、第３図に示すように壁板１の収納凹所５
に挿入される形状に形成すると共に端部に支持突片８の
上面形状とほぼ同形状の突出部１０が一体に形成してあ
り、その前縁には第４図に示すように垂下片９が全長に
亘って一体に設けてある。

しかしてこのカウンター板２は収納凹所５の下端部内に
はめ込まれ、第２図(b)に二点鎖線で示すように収納凹
部５の底面から支持突片８の上面にかけての載置面６上
に載置した状態で、接着等の適宜手段で固定して第１図
に示すように壁板１の表面側に突出して取り付けるよう
にするものである。このとき、壁板１の上部と下部との
色違いのＦＲＰ材の境界線ｌはカウンター板２の下面近
傍に位置することになり、境界線ｌは浴槽１１の上縁と
同じ高さに形成されていて人の目からは低い位置にあっ
て見下げられることになるところ、この境界線ｌはカウ
ンター板２によって視線から遮断されて外観として露出
しないように隠されることになる。特にカウンター板２
には垂下片９が設けてあって垂下片９によって境界線ｌ
は確実に隠されることになる。尚、境界線ｌのうち壁板
１の端部などカウンター板２によって隠し切れない部分
があれば、これは第１図のように浴槽１１や他の壁パネ
ル１２とのジョイント目地材１３などで隠すようにすれ
ばよい。

尚、上記実施例では境界線ｌが人の目の高さよりも下に
あるために、境界線ｌがカウンター板２の下側近傍にな
るようにして境界線ｌを隠したが、境界線ｌはカウンタ
ー板２の背端面によって覆われるようにしてもよく、ま
た逆に境界線ｌが人の目の高さよりも上にあるときに
は、境界線ｌがカウンター板２の上側近傍になるように
して境界線ｌを隠すようにしてもよい。そして浴槽１１
と洗い場床１４とを一体に形成したユニットバスにあっ
て、壁板１の下部の色を浴槽１１や洗い場床１４と同じ
色に形成することによって、壁板１の下部すなわち壁の
袴部分が浴槽１１や洗い場床１４と一体であるかのよう
な外観を与えることができ浴槽１１が浴室内で違和感を
もった存在になるようなことを防止できるものである。

［考案の効果］ 上述のように本考案にあっては、ＦＲＰ材で作成される
壁板の上部と下部とを異なる色のＦＲＰ材で一体に形成
し、上下の異なるＦＲＰ材の境界線近傍にこの境界線に
沿ってカウンター板を配設すると共に壁板に凹設した収
納凹部の底面でこのカウンター板を支持して壁板の表面
から突出させて取り付けるようにしてあるので、上下の
異なるＦＲＰ材の境界線はカウンター板によって視線か
ら遮断されて外観として露出しないように隠すことがで
き、収納のために壁板に取り付けられるカウンター板を
利用して境界線によって外観が損なわれることを防止す
ることができるものである。また、壁板に凹設した収納
凹部の底面でこのカウンター板を支持して壁板の表面か
ら突出させて取り付けたので、カウンター板を壁板の表
面に取り付けるよりも収納凹部の奥行き幅分だけ収納す
ることができる部分を大きくすることができ、多くのも
のあるいは大きいものを収納することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図(a)(b)(c)
は同上の壁板の正面図と側断面図と平面図、第３図(a)
(b)は同上のカウンター板の平面図と正面図、第４図は
第３図(a)のＡ−Ａ線での拡大断面図である。 １は壁板、２はカウンター板、５は収納凹部、ｌはＦＲ
Ｐ材間の境界線である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ＦＲＰ材で作成される壁板の上部と下部と
   を異なる色のＦＲＰ材で一体に形成し、上下の異なるＦ
   ＲＰ材の境界線近傍にこの境界線に沿ってカウンター板
   を配設すると共に壁板に凹設した収納凹部の底面でこの
   カウンター板を支持して壁板の表面から突出させて取り
   付けて成る収納壁。