JPH0623281B2 - ガラス繊維強化ポリ4―メチル―1―ペンテン組成物の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリ4―メチル―1―ペンテン組成物の製造方法

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JPH0623281B2
JPH0623281B2 JP2199900A JP19990090A JPH0623281B2 JP H0623281 B2 JPH0623281 B2 JP H0623281B2 JP 2199900 A JP2199900 A JP 2199900A JP 19990090 A JP19990090 A JP 19990090A JP H0623281 B2 JPH0623281 B2 JP H0623281B2
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浩 気賀
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はガラス繊維強化ポリ4-メチル-1-ペンテン組成
物の製造方法に関する。更に詳しくは不飽和カルボン酸
またはその酸無水物変性ポリ4-メチル-1-ペンテンを含
むガラス繊維強化ポリ4-メチル-1-ペンテン組成物の製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
ポリオレフィンにガラス繊維を配合して、ポリオレフィ
ンの引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の機械的性質や耐
熱性を改善させることは知られている。しかしながらポ
リオレフィンにガラス繊維を単に混和させただけでは、
ポリオレフィンとガラス繊維とは結合力がないので、ポ
リオレフィンの機械的性質や耐熱性の改善効果には自ず
から限界があり、分子内に極性基を有する不飽和ポリエ
ステルやエポキシ樹脂の改善効果には及ばない。
一方、ポリオレフィンとガラス繊維との結合力を改善す
る方法も数多く提案されている。例えばマレイン酸また
は無水マレイン酸と、ポリオレフィンおよびアミノシラ
ン系化合物で表面処理したガラス繊維とを有機過酸化物
の存在下でポリオレフィンの融点以上の温度で反応させ
る方法(特公昭49-41096号)、ポリオレフィンと、芳香
族カルボン酸無水物単位を有する変性ポリオレフィンお
よびアミノシラン系化合物で表面処理したガラス繊維と
からなる組成物(特公昭52-31895号)、ポリオレフィン
および無水マレイン酸を有機過酸化物の存在下、窒素雰
囲気下に溶融混練することによって得た変性ポリオレフ
ィンとガラス系補強材、或はこれらと未変性ポリオレフ
ィンとからなる組成物の製法(特公昭51-10265号)等が
提案されており、それなりに効果を上げている。
しかしながらマレイン酸または無水マレイン酸とポリオ
レフィンとガラス繊維とを同時に処理する特公昭49-410
96号の方法、あるいはポリオレフィンと無水マレイン酸
とを有機過酸化物の存在下窒素雰囲気下に溶融混練する
ことにより得た変性ポリオレフィンを用いる特公昭51-1
0265号の方法をポリ4-メチル-1-ペンテンに適用して
も、ポリ4-メチル-1-ペンテンはポリエチレンやポリプ
ロピレン等の他のポリオレフィンと異なり、熱分解し易
いので充分な効果が得られない。又芳香族カルボン酸無
水物変性ポリオレフィンを用いる特公昭52-31895号をポ
リ4-メチル-1-ペンテンに適用しても、ある程度耐熱
性、機械的強度が改善されるものの、用途によっては未
だ十分ではなかった。
また特開昭50-98532号には、不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体で変性したオレフィン系重合体及び未変性オレ
フィン系重合体の混合物、カーボンブラック、並びにガ
ラス繊維からなるオレフィン系重合体組成物及び製法が
記載されており、オレフィンとして4-メチル-1-ペンテ
ンが例示され、変性方法として溶液法の可能性も示唆さ
れている。しかしながら、ここでは溶融混練法が好まし
いとされ、実際に採用している変性方法は溶融混練法で
あり、この溶融混練法では重合体が熱分解により、著し
く低分子化する。また変性重合体と未変性重合体の割合
が1:1であり、大量の重合体を変性するため、組成物
中に占める低分子重合体の割合が大きい。このため得ら
れる組成物は耐熱性および機械的な強度が低下するとい
う欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、従来法の欠点を改善し、グラフト変性
による低分子化を防止して、耐熱性及び機械的強度に優
れたガラス繊維強化ポリ4-メチル-1-ペンテン組成物を
製造する方法を提案することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、(a)ポリ4-メチル-1-ペンテンを、ポリ4-メチ
ル-1-ペンテン100重量部に対して100ないし100000重量
部の溶媒の存在下に溶液状態で、ポリ4-メチル-1-ペン
テン100重量部に対して1ないし500重量部の不飽和カル
ボン酸またはその酸無水物、及びポリ4-メチル-1-ペン
テン100重量部に対して0.1ないし100重量部のラジカル
開始剤を添加して、100ないし250℃でグラフト変性し、
不飽和カルボン酸またはその酸無水物成分単位のグラフ
ト量が0.5ないし15重量%の範囲、及び極限粘度〔η〕
が0.5ないし10d/gの範囲のグラフト変性ポリ4-メ
チル-1-ペンテンを得る工程と、 (b)ポリ4-メチル-1-ペンテン〔I〕:80ないし99.99重
量部、グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕:
0.01ないし20重量部、及び〔I〕+〔II〕=100重量部
に対してガラス繊維〔III〕:1ないし300重量部を配合
する工程と からなることを特徴とするガラス繊維強化ポリ4-メチル
-1-ペンテン組成物の製造方法である。
本発明に用いる未変性のポリ4-メチル-1-ペンテン
〔I〕は、4-メチル-1-ペンテンの単独重合体もしくは4
-メチル-1-ペンテンと通常15モル%以下、好ましくは9
モル%以下の他のα−オレフィン、例えばエチレン、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセ
ン、1-テトラデセン、1-オクタデセン等の炭素数2ない
し20のα−オレフィンとの共重合体である。未変性のポ
リ4-メチル-1-ペンテンのメルトフローレート(荷重5k
g、温度260℃、以下MFRと略す)は、好ましくは5ない
し500g/10min、特に好ましくは25ないし150g/10minのも
のである。MFRが500g/10minを越えるものは、機械的強
度が低く、5g/10min未満のものは成形性に劣る。
本発明において、グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテ
ン〔II〕を製造するために、不飽和カルボン酸またはそ
の酸無水物をグラフトする変性前のポリ4-メチル-1-ペ
ンテンも、前記未変性のポリ4-メチル-1-ペンテン
〔I〕と同じ範囲のものが使用できるが、デカリン溶媒
中で135℃で測定した極限粘度〔η〕が0.5ないし25d
/gの範囲のものが好ましい。〔η〕が上記範囲外のも
のでは、グラフト変性した後の極限粘度〔η〕が0.5な
いし10d/gの範囲内のものが得られ難い。
本発明において、未変性のポリ4-メチル-1-ペンテンを
グラフト変性する不飽和カルボン酸またはその酸無水物
成分単位としては、アクリル酸、メタクリル酸などの不
飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、メサコン酸、グル
タコン酸、ナジック酸 、メチルナジック酸、テトラヒ
ドロフタール酸、メチルヘキサヒドロフタール酸などの
不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グル
タコン酸、無水ナジック酸 、無水メチルナジック酸、
無水テトラヒドロフタール酸、無水メチルテトラヒドロ
フタール酸などの不飽和ジカルボン酸無水物などがあげ
られ、これらの2成分以上の混合成分であっても差しつ
かえない。これらの不飽和カルボン酸あるいはその酸無
水物のうちでは、マレイン酸、無水マレイン酸、ナジッ
ク酸 または無水ナジック酸 を使用することが好まし
い。
本発明に用いるグラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン
〔II〕を製造する方法を以下に示す。すなわち未変性の
ポリ4-メチル-1-ペンテンを、溶媒の存在下に溶液状態
で、不飽和カルボン酸またはその酸無水物及びラジカル
開始剤を添加し、加熱してグラフト変性することにより
行う。ラジカル開始剤の使用割合は、ポリ4-メチル-1-
ペンテン100重量部に対して0.1ないし100重量部、好ま
しくは1ないし50重量部の範囲である。グラフト変性反
応を溶液状態で実施する際の溶媒の使用割合は、前記ポ
リ4-メチル-1-ペンテン100重量部に対して通常100ない
し100000重量部、好ましくは200ないし10000重量部の範
囲である。グラフト変性反応の際の温度は通常100ない
し250℃、好ましくは110ないし200℃の範囲であり、反
応の際の時間は通常15ないし600分、好ましくは30ない
し360分の範囲である。
グラフト変性反応に使用する溶媒としては、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカ
ン、灯油のような脂肪族炭化水素、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオ
クタン、シクロドデカンのような脂環族炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、
エチルトルエン、トリメチルベンゼン、シメン、ジイソ
プロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼ
ン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、四塩化炭
素、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエタン、テトラクロロエチレンのようなハロゲン化
炭化水素などを例示することができる。これらの中では
とくにアルキル芳香族炭化水素が好適である。
前記グラフト変性反応において使用されるラジカル開始
剤として代表的なものは有機過酸化物であり、さらに具
体的にはアルキルペルオキシド、アリールペルオキシ
ド、アシルペルオキシド、アロイルペルオキシド、ケト
ンペルオキシド、ペルオキシカーボネート、ペルオキシ
カルボキシレート、ヒドロペルオキシド等がある。アル
キルペルオキシドとしてはジイソプロピルペルオキシ
ド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル2,5-ジ
-tert-ブチルペルオキシヘキシン-3など、アリールペル
オキシドとしてはジクミルペルオキシドなど、アシルペ
ルオキシドとしてはジラウロイルペルオキシドなど、ア
ロイルペルオキシドとしてはジベンゾイルペルオキシド
など、ケトンペルオキシドとしてはメチルエチルケトン
ヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシドな
ど、ヒドロペルオキシドとしてはtert-ブチルヒドロペ
ルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどをあげるこ
とができる。これらの中では、ジ-tert-ブチルペルオキ
シド、2,5-ジメチル2,5-ジ-tert-ブチルペルオキシヘキ
シン-3、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキ
シドなどが好ましい。
不飽和カルボン酸またはその酸無水物の使用割合は、ポ
リ4-メチル-1-ペンテン100重量部に対して通常1ないし
500重量部、好ましくは2ないし100重量部である。不飽
和カルボン酸またはその酸無水物の添加量が1重量部未
満では得られるグラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン
中の不飽和カルボン酸またはその酸無水物のグラフト量
が0.5重量%より低くなるため改善効果が充分でなく、
また、不飽和カルボン酸またはその酸無水物の添加量が
500重量部を越えると不飽和カルボン酸またはその酸無
水物のグラフト量が15重量%より大きくなるため、改善
効果が充分ではない。
本発明に用いるグラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン
〔II〕を得る方法は以上の如く、溶液法によって得られ
る。ポリ4-メチル-1-ペンテン、不飽和カルボン酸また
はその酸無水物及びラジカル開始剤からなる混合物を押
出機で溶融混練する方法でグラフトしても、ポリ4-メチ
ル-1-ペンテンの熱分解が起こり、本発明に用いる前記
範囲の〔η〕及び不飽和カルボン酸またはその酸無水物
のグラフト量を有するグラフト変性ポリ4-メチル-1-ペ
ンテンは得られず、不飽和カルボン酸またはその酸無水
物のグラフト量が0.5重量%のものでも〔η〕が0.5d
/g未満であり、本発明の組成物に用いても熱変形温度
の改善効果に劣る。
以上のようにポリ4-メチル-1-ペンテンに不飽和カルボ
ン酸またはその酸無水物をグラフト共重合して得られる
グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕は、その
基体構造は実質上線状であり、三次元架橋構造を有しな
いことを意味し、このことは有機溶媒たとえばp-キシレ
ンに溶解し、ゲル状物が存在しないことによって確認す
ることができる。
このグラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕は、
不飽和カルボン酸またはその酸無水物成分単位のグラフ
ト量が0.5ないし15重量%、好ましくは1ないし10重量
%の範囲及び極限粘度〔η〕(デカリン溶媒135℃中で
測定した値)が0.5ないし10d/g、好ましくは0.5な
いし5d/gの範囲である。グラフト量が0.5重量%
未満のものを本発明の組成物に用いても熱変形温度、引
張強度、曲げ強度、衝撃強度等の改善効果が充分でな
く、一方15重量%を越えるものは、組成物の耐水性が劣
るようになる。
グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕の〔η〕
が0.5d/g未満のものを本発明の組成物に用いて
も、熱変形温度、引張強度、曲げ強度、衝撃強度等の改
善効果が充分でなく、一方、10d/gを越えるもの
は、溶融粘度が大きすぎてガラス繊維とのぬれが劣るた
め、組成物の機械的物性の改善効果が充分とはならな
い。
本発明に用いるグラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン
〔II〕は、前記範囲のものであれば本発明の目的を達成
できるが、以下の特性を有するものを用いることによ
り、更に耐熱性、機械的強度が改善された組成物を得る
ことができる。すなわち好ましくは分子量分布(w/
n)が1ないし8、融点が170ないし245℃、結晶化度
が1ないし45%、及びDSCパラメーターが4.0以下の範囲
の特性を有するグラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン
〔II〕である。
グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕の重量平
均分子量/数平均分子量で表わした分子量分布(w/
n)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
により測定される。GPCによる分子量分布の測定は次の
方法に従って実施した。すなわち、溶媒としてo-ジクロ
ロベンゼンを用い、溶媒100重量部に対し、ポリマー0.0
4g(安定剤として2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを
ポリマー100重量部に対し0.05gを添加)を加え、溶液
としたあと、1μのフィルターを通してゴミなどの不溶
物を除去する。その後、カラム温度135℃、流速1.0m
/分に設定したGPC測定装置を用いて測定し、数値比は
ポリスチレンベースで換算した。
グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕の融点は
示差走査型熱量計(DSC)によって測定した値である。な
お、ここで融点は次のようにして測定される。すなわち
試料を示差走査型熱量計(duPout 990型)に仕込み、室温
から20℃/minの速度で昇温し、250℃に達した所で20℃
/minの速度で降温して一旦25℃まで下げた後、再び20
℃/minの速度で昇温し、このときの融解ピークから融
点を読み取る(多くの場合、複数の融解ピークが現われ
るので、この場合は高融点側の値を採用した)。
また結晶化度は次のような方法によって測定した。すな
わち、前記したDSCによる融点測定時のチャートを用
い、単位量当りの測定試料の融解面積(S)と、対照サン
プルであるインジウムの単位量当りの融解エネルギー(P
o)に相当する記録紙上の融解面積(So)を比べる。インジ
ウムのPoは既知量であり、一方ポリ4-メチル-1-ペンテ
ンの結晶部の単位量当りの融解エネルギー(P)も下記の
ように既知であるので、測定試料の結晶化度は次式によ
り求まる。
ここで、Po:27Joul/g(at 156±0.5℃) P :141.7Joul/g〔F.C.Frank et al、 Philosophical Magazine、4、200(1959)〕 また、グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕の
組成分布のパラメーターとなるDSCパラメーターは、前
記したDSCによる測定試料の融解面積(S)を融点(即ち最
大ピーク)におけるピーク高さで除したものである。従
って、DSCパラメーターが小さいほどDSC曲線がシャープ
で組成分布が狭いことが推定される。
本発明に用いるガラス繊維〔III〕は、必ずしも表面処
理が施されていなくてもよいが、表面処理が施されたも
のを用いると更に熱変形温度、機械的特性が改善され
る。表面処理されたガラス繊維としては、アミノ基を有
するシラン系化合物で表面処理されたものが一般的であ
る。アミノ基を有するシラン系化合物としては、例えば
不飽和カルボン酸またはその酸無水物と反応し易いγ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミ
ノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の製造方法では、前述の通り溶液法によりグラフ
ト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン(II)を製造した後、
未変性のポリ4-メチル-1-ペンテン〔I〕、グラフト変
性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕およびガラス繊維〔I
II〕を配合することにより、ガラス繊維強化ポリ4-メチ
ル-1-ペンテン組成物を製造する。
各成分の配合割合は、ポリ4-メチル-1-ペンテン
〔I〕:80ないし99.99重量部、好ましくは90ないし99.
9重量部、グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔I
I〕:0.01ないし20重量部、好ましくは0.1ないし10重量
部、及び〔I〕+〔II〕=100重量部に対してガラス繊
維〔III〕:1ないし300重量部、好ましくは10ないし10
0重量部である。グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン
〔II〕の量が0.01重量部未満では熱変形温度、機械的強
度の改善効果が少なく、一方20重量部を越えると、変性
により低分子化するグラフト変性ポリ4-メチル-1-ペン
テン〔II〕の占める割合が大きくなり、曲げ強度、引張
強度、衝撃強度等の機械的強度に対する改善効果が少な
くなる。またガラス繊維〔III〕の量が1重量部未満で
は熱変形温度、機械的強度の改善効果が少なく、一方30
0重量部を越えると、ガラス繊維が成形品表面に浮き出
し、著しく外観を損なう。またグラフトしている不飽和
カルボン酸単位またはその無水物単位の含有量は組成物
全体(100重量部)に対して0.001ないし2重量%の範囲
であることが好ましい。
本発明の組成物を得る方法としては、前記各成分
〔I〕、〔II〕及び〔III〕を前記範囲で混合すること
により得られる。混合方法としては種々公知の方法、例
えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレ
ンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、混合
後更に一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等により熔融
混練後、造粒あるいは粉砕する方法が挙げられる。
本発明の組成物には、耐熱安定剤、耐候安定剤、核剤、
顔料、染料、滑剤、発錆防止剤等の通常ポリオレフィン
に添加混合して用いることのできる各種配合剤を本発明
の目的を損わない範囲で添加しておいてもよい。
前述の通り、ポリオレフィンのグラフト変性物、未変性
のポリオレフィンおよびガラス繊維からなる組成物はす
でに知られているが、一概にポリオレフィンといって
も、その種類によってグラフト変性時の物性変化に差が
ある。例えばポリエチレンの場合はグラフト変性時に架
橋が起こって、分子量が増大するのに対し、ポリプロピ
レンやポリ4-メチル-1-ペンテンの場合は低分子化す
る。また変性の方法によっても差があり、一般のポリエ
チレンやポリプロピレンの場合は溶液法と溶融法では、
生成する変性物の分子量はほぼ同じであるのに対し、ポ
リ4-メチル-1-ペンテンの場合は、溶液法よりも溶融法
の方が大幅に低分子化する。従ってグラフト変性の方法
はそれぞれの重合体に応じて選択する必要がある。
本発明においては、ポリ4-メチル-1-ペンテンのグラフ
ト変性に溶液法を採用するので、溶融法の場合のような
大幅な低分子化を防止することができる。このような点
はポリエチレンやポリプロピレンの例からは予想できな
いことである。
またポリ4-メチル-1-ペンテンの場合は、ポリエチレン
の場合と異なり、溶液法を採用する場合でも、ある程度
低分子化するが、本発明ではグラフト変性を行うポリ4-
メチル-1-ペンテンの量を、重合体の合計量の20重量%
以下にすることにより、変性により低分子化する重合体
の量を極めて少ない範囲に限定することができる。
このため本発明では、組成物のマトリックスを構成する
ポリ4-メチル-1-ペンテンの大部分は分子量が大きい未
変性の状態で用い、そのガラス繊維との結合力を改善す
るために、極く少部分の重合体を変性して用いることに
より、全体の低分子化を防止して、熱変形温度が高く、
優れた機械的強度を有する組成物が得られる。
本発明では、上記のような極く少部分の重合体をグラフ
ト変性して、ガラス繊維に対する十分な結合力を得るた
めに、不飽和カルボン酸または酸無水物成分単位のグラ
フト量を0.5ないし15重量%という従来より高い範囲に
限定している。重合体の分子量の低下は、主としてラジ
カル開始剤によって起こるから、変性量を大きくして
も、それに比例して低分子化することはない。
このように本発明では、ポリオレフィンの種類、そのグ
ラフト変性方法、変性の割合、変性量等から特定の組合
せを選択することにより、従来のものより優れた物性の
組成物を得ることができる。
本発明の組成物は、従来のガラス繊維強化ポリ4-メチル
-1-ペンテンに比べて著しく熱変形温度が高く、機械的
強度も改善されているので、コネクター、チューナー、
スイッチ、ヒーターダクト、ラジエーターファン等の耐
熱性の必要な家電、自動車部品へ応用される。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明によれば、極く少量のポリ4-メチル
-1-ペンテンを、溶液法により特定の反応条件でグラフ
ト変性し、大量の未変性のポリ4-メチル-1-ペンテン及
びガラス繊維と配合するようにしたため、グラフト変性
による低分子化を可能な限り少なくするとともに、ガラ
ス繊維との結合力を大きくすることができ、これにより
耐熱性及び機械的強度に優れたガラス繊維強化ポリ4-メ
チル-1-ペンテン組成物を得ることができる。
〔実施例〕
次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
製造例1 4-メチル-1-ペンテン単独重合体(〔η〕1.7d/g、
w/n 7.5、融点241℃、結晶化度42%、DSCパラメー
ター3.0)800gをトルエン5.2中に溶解し、これに無
水マレイン酸322g、及びラジカル開始剤としてジクミ
ルペルオキシド24gを添加して、145℃でグラフト反応
を行った。得られた反応物に大過剰のアセトンを加える
ことにより、ポリマーを沈殿させ、濾取し、沈殿物をア
セトンで繰返し接触することにより、無水マレイン酸グ
ラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテンAを得た。
また、ジクミルペルオキシドとの添加量を23g、25g、
22g、26gに変化させ、無水マレイン酸の添加量を84
g、419g、28g、1200gに変化させることにより変性
度の異なる無水マレイン酸グラフト変性ポリ4-メチル-1
-ペンテンBないしEを得た。その物性を表1に示す。
製造例2 ポリ4-メチル-1-ペンテンとして製造例1で示した単独
重合体のかわりに4-メチル-1-ペンテン、デセン-1共重
合体(デセン-1含量3重量%、〔η〕6.0d/g、w
/n 7.5、融点236℃、DSCパラメーター3.2)を用いる
ほかは、製造例1の変性ポリ4-メチル-1-ペンテンAと
同様の方法により無水マレイン酸グラフト変性4-メチル
-1-ペンテン−デセン-1共重合体Fを得た。その物性を
表1に示す。
製造例3 変性モノマーとして無水マレイン酸の代りに無水ナジッ
ク酸 330gを添加る他は、製造例1と同様の方法によ
り無水ナジック酸グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテ
ンGを得た。その物性を表1に示す。
製造例4 4-メチル-1-ペンテン単独重合体(〔η〕3.8d/g、
w/n 7.3、融点240℃、結晶化度41%、DSCパラメー
ター3.2)に対し、無水マレイン酸および2,5-ジメチル-
2.5-ジ-tert-ブチルペルオキシヘキシン-3を添加し、こ
の混合物をN2雰囲気下260℃に設定した一軸押出機に供
給し、溶融混練することにより無水マレイン酸グラフト
変性ポリ4-メチル-1-ペンテンHおよびIを得た。その
物性を表1に示す。
実施例1ないし5および比較例1ないし4 製造例1で使用した4-メチル-1-ペンテン単独重合体99
重量部、ガラス繊維10重量部に対し、製造例1ないし4
で調製した不飽和カルボン酸グラフト変性ポリ4-メチル
-1-ペンテンを各々1重量部添加し、三者を混合後、通
常の押出機で造粒しペレットを得た。このペレットを射
出成形機を用いて試験片を作製し、曲げ試験、引張試
験、アイゾット衝撃試験、熱変形試験、耐沸水試験を行
い、表1の結果を得た。
実施例6ないし8並びに比較例5および6 4-メチル-1-ペンテン重合体、変性ポリ4-メチル-1-ペン
テンAおよびガラス繊維を表1に示した割合で用いる他
は実施例1と同様の方法により試験を行った。結果を表
1に示した。
表1の結果より、実施例のものはいずれも、変性モノマ
ー含量が範囲外の比較例1および2、溶融法による比較
例3および4、並びに変性物を含まない比較例5および
6よりも、曲げ強度、引張強度、アイゾット衝撃強度な
どの機械的強度が大きく、熱変形温度が高いことがわか
る。
製造例5 エチレン単独重合体(〔η〕1.5d/g)を用いる他
は製造例1と同様の方法により、無水マレイン酸グラフ
ト変性ポリエチレン(J)を得た。
製造例6 製造例5のエチレン単独重合体を用いる他は製造例4と
同様の方法により、無水マレイン酸グラフト変性ポリエ
チレン(K)を得た。
製造例7 プロピレン単独重合体(〔η〕4.0d/g)を用いる
他は製造例1と同様の方法により、無水マレイン酸グラ
フト変性ポリプロピレン(L)を得た。
製造例8 製造例7のプロピレン単独重合体を用いる他は製造例4
と同様の方法により、無水マレイン酸グラフト変性ポリ
プロピレン(M)を得た。
製造例5ないし8で得られた変性重合体の物性を、製造
例1および4で得られた物性とともに表2に示す。
表2の結果より、ポリエチレンの場合はグラフト変性に
より高分子化し、ポリプロピレンおよびポリ4-メチル-1
-ペンテンの場合は逆に低分子化している。またポリエ
チレンおよびポリプロピレンの場合は、変性物の分子量
は溶液法と溶融法で差がないのに対し、ポリ4-メチル-1
-ペンテンの場合は、溶液法よりも溶融法の場合に大幅
に低分子化している。この結果から、ポリオレフィンの
種類によって、グラフト変性による物性の変化に差があ
ることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 23/20 23:26) (C08L 23/20 51:06)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリ4-メチル-1-ペンテンを、ポリ4-メ
    チル-1-ペンテン100重量部に対して100ないし100000重
    量部の溶媒の存在下に溶液状態で、ポリ4-メチル-1-ペ
    ンテン100重量部に対して1ないし500重量部の不飽和カ
    ルボン酸またはその酸無水物、及びポリ4-メチル-1-ペ
    ンテン100重量部に対して0.1ないし100重量部のラジカ
    ル開始剤を添加して、100ないし250℃でグラフト変性
    し、不飽和カルボン酸またはその酸無水物成分単位のグ
    ラフト量が0.5ないし15重量%の範囲、及び極限粘度
    〔η〕が0.5ないし10d/gの範囲のグラフト変性ポ
    リ4-メチル-1-ペンテンを得る工程と、 (b)ポリ4-メチル-1-ペンテン〔I〕:80ないし99.99重
    量部、グラフト変性ポリ4-メチル-1-ペンテン〔II〕:
    0.01ないし20重量部、及び〔I〕+〔II〕=100重量部
    に対してガラス繊維〔III〕:1ないし300重量部を配合
    する工程と からなることを特徴とするガラス繊維強化ポリ4-メチル
    -1-ペンテン組成物の製造方法。
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