JPH0623228B2 - 油変性フエノ−ル樹脂の製造法 - Google Patents

油変性フエノ−ル樹脂の製造法

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JPH0623228B2
JPH0623228B2 JP12548386A JP12548386A JPH0623228B2 JP H0623228 B2 JPH0623228 B2 JP H0623228B2 JP 12548386 A JP12548386 A JP 12548386A JP 12548386 A JP12548386 A JP 12548386A JP H0623228 B2 JPH0623228 B2 JP H0623228B2
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phenol
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繁 伊藤
一紀 光橋
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子機器に使用されるフェノール樹脂積層板
の製造に適した油変性フェノール樹脂の製造法に関す
る。
従来の技術 従来、フェノール樹脂積層板あるいはフェノール樹脂銅
張積層板は、桐油変性のフェノール樹脂が広く用いられ
ている。桐油は、共役二重結合を有しフェノール類との
反応が優れているため、その変性フェノール樹脂を用い
れば、優れた電気性能及び打抜き加工性を有する積層板
が得られる。
前記の桐油は、天然に産するものであり、天候によって
収穫量が左右されることから、価格が大幅に変動し安定
した原材料確保が困難という問題がある。そこで、桐油
代替品としてのオイチシカ油が検討されている。
オイチシカ油は、価格的に安定した原料であり、桐油の
主成分α−エレオステアリン酸と同様の共役トリエン構
造を有するα−リカン酸を主成分とするため、桐油とよ
く似た反応性を示す。
発明が解決しようとする問題点 しかし、α−リカン酸は、α−エレオステアリン酸と異
なり分子鎖中にケト基を有するため、フェノール類との
反応性は異にしている。また、オイチシカ油は、桐油に
比べ飽和脂肪酸の含有量が多く、さらに粘度が高いなど
の相違点があり、フェノール樹脂との相溶性も異なる。
例えば、オイチシカ油−フェノール付加物を塩基性触媒
存在下でホルムアルデヒドと反応させ、レゾール化した
とき、その樹脂組成物の相溶性が劣り、透明均一な硬化
物が得難く、また、樹脂粘度が高く基材への含浸性に劣
る欠点がある。
本発明は、オイチシカ油で変性した油変性フェノール樹
脂において、基材への含浸性がよく積層板の製造に適し
た油変性フェノール樹脂を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明は、フェノール類とオイチシカ油をまず酸性触媒
存在下で反応させ、オイチシカ油−フェノール類付加物
をつくる。次いで、アンモニア触媒存在下、低級脂肪族
アルコール溶媒中にてホルムアルデヒド類を反応させた
後、更に第3級アミン触媒と大過剰(全体で、フェノー
ル類/ホルムアルデヒド類のモル比1.6以上)のホル
ムアルデヒド類を追加し、レゾール化させることを特徴
とするオイチシカ油変性フェノール樹脂の製造法であ
る。
〔作用〕
本発明によるオイチシカ油変性フェノール樹脂は、前記
の如くレゾール化反応を低級脂肪族アルコール溶媒中で
行なうことにより反応系を均一化すると共に急激な高分
子生成を抑制し、塩基性触媒としてまずアンモニアの存
在下でオイチシカ油−フェノール類付加物の高分子化を
進め、次いで第3級アミン触媒存在下でホルムアルデヒ
ド類を大過剰にして反応を進めたので、メチロール基の
多い油変性フェノール樹脂となる。硬化速度が速く、基
材への含浸性に優れたワニスとできる訳けである。
第3級アミン触媒存在下で、フェノール類に対して大過
剰にホルムアルデヒド類を添加したとき、全体でホルム
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1.6よ
り小さいと、反応系中のメチロールフェノール類の生成
が少なく、基材への含浸性が劣るので適当でない。
実施例 本発明に用いるフェノール類は、石炭酸、クレゾール、
キシレノール、ブチルフェノール、オクチルフェノー
ル、ノニルフェノール、カシュナットオイル、ウルシオ
ール、レゾルシン、ナフトール及び前記フェノール類の
ノボラック、ビスフェノールAなどである。また、本発
明に用いる酸性触媒は、塩酸、硫酸、燐酸などの無機
酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸などの有
機酸である。
酸性触媒存在下で得られたオイチシカ油−フェノール類
付加物は、次いで、アンモニア触媒存在下、低級脂肪族
アルコール溶媒中にてホルムアルデヒド類と反応させ、
更に、第3級アミン触媒下で大過剰のホルムアルデヒド
類を添加し反応を進めレゾール化する。このとき用いる
第3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリメチル
アミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−メチルイミ
ダゾール、2−フエニルイミダゾール、2−エチル,4
−メチルイミダゾールなどが適当である。
ホルムアルデヒド類としては、反応系を均一化しレゾー
ル化反応後の減圧脱水工程を省略でき、さらに塩基性触
媒の添加量を少なくできるなどの利点から、高濃度の8
0〜90%パラホルムアルデヒドを用いるのが好まし
い。
ホルムアルデヒド類のモル比は、フェノール類に対しア
ンモニア触媒下のレゾール化では1.1〜1.3モルが
好ましく、次いで、第3級アミン触媒下に大過剰に追加
するホルムアルデヒド類は、全体でフェノール類に対し
1.6モル以上が適当である。尚、アンモニア触媒下、
低級脂肪族アルコール溶媒中でのレゾール化反応の際、
必要に応じて前記フェノール類を追加あるいは添加して
も差し支えない。また、本発明に用いる低級脂肪族アル
コールは、メタノール、エタノールプロピルアルコール
など炭素数3以下のものが好ましい。
本発明によるオイチシカ油変性フェノール樹脂は、コッ
トンリンター紙、クラフト紙などの基材に含浸、乾燥さ
せプリプレグとした後、所要枚数を重ね合わせ、必要に
応じて片面または両面に銅箔を重ねて加熱加圧して積層
板あるいは銅張積層板を得る。また、本発明によるオイ
チシカ油変性フェノール樹脂を基材に含浸する時、水溶
性フェノール樹脂初期縮合物を混合するか、もしくは前
記初期縮合物を予め含浸した基材を用いることも可能で
ある。
実施例1 フェノール500g、オイチシカ油500gにパラトル
エンスルホン酸0.5gを加え、95〜100℃にて1
20分間反応させてオイチシカ油−フェノール付加物を
得た。引き続き、メタノール50g、アンモニア水10
g、85%パラホルムアルデヒド225gを加え、95
〜100℃で2時間反応させた後、トリエチルアミン3
0g、85%パラホルムアルデヒド100gを添加し、
80〜85℃で5時間反応させてレゾールワニスを得
た。
このワニスをメタノールで希釈し50%濃度のオイチシ
カ油変性フェノール樹脂ワニスを得た。クラフト紙に前
記オイチシカ油変性フェノール樹脂ワニスを含浸乾燥し
て樹脂付着分48%の塗工紙を得た。この塗工紙8プラ
イとその片側に接着剤付き35μ銅箔を重ね、温度16
0℃、圧力100kgf/cm2にて50分間加熱加圧して、
厚き1.6mmの銅張積層板を得た。その性能を第1表に
示す。
比較例1 フェノール500g、オイチシカ油500gにパラトル
エンスルホン酸0.5gを加え95〜100℃にて12
0分間反応させ、オイチシカ油−フェノール付加物を得
た。引き続きメタノール50g、アンモニア水30g、
85%パラホルムアルデヒド225gを加え、95〜1
00℃で6時間反応させた後、減圧下濃縮し、トルエン
/メタノール=50/50溶剤で希釈して樹脂分50%
のオイチシカ油変性フェノール樹脂ワニスを得た。
上記ワニスを用いて、実施例1と同様にして1.6mm厚
の銅張積層板を得た。その性能を第1表に示す。
発明の効果 本発明によるオイチシカ油変性フェノール樹脂は、アン
モニア触媒を用いレゾール化して高分子化を進め、次い
で第3級アミン触媒下でパラホルムアルデヒド類を大過
剰に添加し更に反応を進める事により、系中にメチロー
ル基の多いワニスを得ることができる。得られたワニス
は、可塑効果が有り且つ基材に対する含浸性を向上する
事ができ、これを用いることにより電気特性、耐水性に
優れ且つ打抜き加工性に優れた積層板を得ることができ
る。
また第1表に示すように、ワニス歩留り等の生産性につ
いても優れており、工業的価値極めて大なるものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール類とオイチシカ油を酸性触媒の
    存在下で反応させた後、アンモニア触媒存在下、低級脂
    肪族アルコール溶媒中でホルムアルデヒド類を反応さ
    せ、さらに第3級アミン触媒存在下でホルムアルデヒド
    類を大過剰(全体で、フェノール類/ホルムアルデヒド
    類のモル比1.6以上)に添加し反応させることを特徴
    とする油変性フェノール樹脂の製造法。
JP12548386A 1986-05-30 1986-05-30 油変性フエノ−ル樹脂の製造法 Expired - Lifetime JPH0623228B2 (ja)

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JPS62283117A JPS62283117A (ja) 1987-12-09
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