JPH0622567B2 - 医科用または歯科用セメント組成物 - Google Patents
医科用または歯科用セメント組成物Info
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- JPH0622567B2 JPH0622567B2 JP61299624A JP29962486A JPH0622567B2 JP H0622567 B2 JPH0622567 B2 JP H0622567B2 JP 61299624 A JP61299624 A JP 61299624A JP 29962486 A JP29962486 A JP 29962486A JP H0622567 B2 JPH0622567 B2 JP H0622567B2
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- medical
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医科用または歯科用セメント組成物に関す
る。より詳しくは、病的あるいは外的原因等により生じ
た骨や歯牙の欠損部や空隙部に適用し、当該個所に新生
骨や歯牙を発生させ易くし、後には生体の骨組織や歯牙
組織と一体化する、無機質材料と有機質材料との複合体
を形成し得るセメント組成物に係る。
る。より詳しくは、病的あるいは外的原因等により生じ
た骨や歯牙の欠損部や空隙部に適用し、当該個所に新生
骨や歯牙を発生させ易くし、後には生体の骨組織や歯牙
組織と一体化する、無機質材料と有機質材料との複合体
を形成し得るセメント組成物に係る。
従来の技術 従来から歯科用セメント組成物として、リン酸亜鉛セメ
ント、酸化亜鉛−ポリカルボキシレートセメント、グラ
スアイオノマーセメント等が開発されており、さらに生
体充填材料としてメタアクリレート系重合体等を用いた
レジンセメント材料が使用されて来た。しかし、これ等
のセメント組成物はいずれも化学的に歯や骨の成分と異
なるため、生体適合性の点で充分とは云えなかった。
ント、酸化亜鉛−ポリカルボキシレートセメント、グラ
スアイオノマーセメント等が開発されており、さらに生
体充填材料としてメタアクリレート系重合体等を用いた
レジンセメント材料が使用されて来た。しかし、これ等
のセメント組成物はいずれも化学的に歯や骨の成分と異
なるため、生体適合性の点で充分とは云えなかった。
これらの問題点を解決するため、最近では、骨や歯の主
成分と近似した組成を有するα−リン酸三カルシウム粉
末を利用したセメント組成物が提案されている。例え
ば、α−リン酸三カルシウム粉末と水との練和物に、極
小量の無機または有機酸を添加して硬化物を得る方法が
知られている(例えば、特開昭59−182263号公報参
照)。
成分と近似した組成を有するα−リン酸三カルシウム粉
末を利用したセメント組成物が提案されている。例え
ば、α−リン酸三カルシウム粉末と水との練和物に、極
小量の無機または有機酸を添加して硬化物を得る方法が
知られている(例えば、特開昭59−182263号公報参
照)。
しかしながら、前記公知技術においては、硬化時間に1
0分以上を要するとともに、得られた硬化物の圧縮強度
は50kg/cm2以下であるため、医科用あるいは歯科用
セメントとしての要求性能を満足しないという問題があ
った。
0分以上を要するとともに、得られた硬化物の圧縮強度
は50kg/cm2以下であるため、医科用あるいは歯科用
セメントとしての要求性能を満足しないという問題があ
った。
一方、α−リン酸三カルシウム粉末をポリカルボン酸水
溶液で練和することにより、圧縮強度の高い硬化物を得
る方法が提案されている(例えば、特開昭60−253454号
公報発明および特開昭60−225568号公報発明参照)。
溶液で練和することにより、圧縮強度の高い硬化物を得
る方法が提案されている(例えば、特開昭60−253454号
公報発明および特開昭60−225568号公報発明参照)。
しかしながら、前記技術においても高い圧縮強度を得よ
うとすれば、練和物の流動性が低くなり、練和作業性が
悪いという欠点があり、さらに硬化物の水中溶解性が大
きいため、骨や歯牙欠損部への充填物として使用するに
は問題があった。
うとすれば、練和物の流動性が低くなり、練和作業性が
悪いという欠点があり、さらに硬化物の水中溶解性が大
きいため、骨や歯牙欠損部への充填物として使用するに
は問題があった。
発明が解決しようとする問題点 以上述べたように、医科用または歯科用セメント組成物
に対する要件は生体適合性を有することであり、所定の
硬化速度、良好な作業性と硬化後の強度、特に圧縮強度
を有することが重要な要件である。
に対する要件は生体適合性を有することであり、所定の
硬化速度、良好な作業性と硬化後の強度、特に圧縮強度
を有することが重要な要件である。
さらに、骨や歯牙の欠損部へ充填する場合には、水中溶
解性が小さいということも重要な要件である。
解性が小さいということも重要な要件である。
しかしながら、上記の如く、従来提案された組成物は、
生体適合性の点で不十分であったり、生体適合性に優れ
ているものは硬化速度、練和作業性、圧縮強度などにお
いては不十分であった。従って、当分野においては人工
骨や人工歯牙材料として使用することのできる、上記各
種特性に優れたセメント組成物の開発が待望されてい
る。
生体適合性の点で不十分であったり、生体適合性に優れ
ているものは硬化速度、練和作業性、圧縮強度などにお
いては不十分であった。従って、当分野においては人工
骨や人工歯牙材料として使用することのできる、上記各
種特性に優れたセメント組成物の開発が待望されてい
る。
本発明の目的はこのような従来技術の問題点を解決し、
生体適合性に優れ、作業性が良好であるとともに、圧縮
強度が高く、しかも水中溶解性が小さい硬化物が得られ
る医科用または歯科用セメント組成物を提供しようとす
ることにある。
生体適合性に優れ、作業性が良好であるとともに、圧縮
強度が高く、しかも水中溶解性が小さい硬化物が得られ
る医科用または歯科用セメント組成物を提供しようとす
ることにある。
問題点を解決するための手段 本発明者等は生体適合性に優れ、填入直後の強度にも優
れた骨、歯牙等の充填材の上記の如き現状に鑑みて新た
な充填材を開発すべく種々検討した結果、α−リン酸三
カルシウムと練和液からなる組成物において、ポリエチ
レングリコールを併用することにより、上記諸条件を満
足する組成物が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
れた骨、歯牙等の充填材の上記の如き現状に鑑みて新た
な充填材を開発すべく種々検討した結果、α−リン酸三
カルシウムと練和液からなる組成物において、ポリエチ
レングリコールを併用することにより、上記諸条件を満
足する組成物が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
即ち、本発明は、 α−リン酸三カルシウム粉末と練和液からなる医科用ま
たは歯科用セメント組成物において、前記練和液が不飽
和カルボン酸の単独重合体もしくは共重合体の水溶液
と、ポリエチレングリコールとの混合物、又は必要によ
り更に水溶性の有機酸を添加した混合物である医科用ま
たは歯科用セメント組成物に関する。
たは歯科用セメント組成物において、前記練和液が不飽
和カルボン酸の単独重合体もしくは共重合体の水溶液
と、ポリエチレングリコールとの混合物、又は必要によ
り更に水溶性の有機酸を添加した混合物である医科用ま
たは歯科用セメント組成物に関する。
本発明の組成物において使用するα−リン酸三カルシウ
ムは公知の方法で製造することが出来、たとえば、次の
方法がある。
ムは公知の方法で製造することが出来、たとえば、次の
方法がある。
例えば、γ−ピロリン酸カルシウムと炭酸カルシウムと
を等モル量で均一に混合し、十分に乾燥させた後100
0〜1300℃、好ましくは1200℃前後で約1時間
焼成し、得られる生成物を微粉砕して粒径100μm以
下の微粉末とすることによって得ることができる。
を等モル量で均一に混合し、十分に乾燥させた後100
0〜1300℃、好ましくは1200℃前後で約1時間
焼成し、得られる生成物を微粉砕して粒径100μm以
下の微粉末とすることによって得ることができる。
また、上記の如くして得たα−リン酸三カルシウム粉末
をラバープレス法等により、加圧圧縮した後、再度焼成
し、同様に微粉末とすることも出来る。上記加圧圧縮処
理において、圧力は300〜1200kg/cm2であるこ
とが好ましい。このように、2度にわたり焼成、微粉化
処理を施すのは、まず第1回目の処理でα−リン酸三カ
ルシウムを形成し、続く第2回目の操作により密度の向
上を計り、それによって圧縮強度を高めることを意図す
るものである。たゞし、第1回目の焼成、微粉化により
得られる生成物でも本発明のセメント組成物の成分とし
て十分に機能することはいうまでもない。
をラバープレス法等により、加圧圧縮した後、再度焼成
し、同様に微粉末とすることも出来る。上記加圧圧縮処
理において、圧力は300〜1200kg/cm2であるこ
とが好ましい。このように、2度にわたり焼成、微粉化
処理を施すのは、まず第1回目の処理でα−リン酸三カ
ルシウムを形成し、続く第2回目の操作により密度の向
上を計り、それによって圧縮強度を高めることを意図す
るものである。たゞし、第1回目の焼成、微粉化により
得られる生成物でも本発明のセメント組成物の成分とし
て十分に機能することはいうまでもない。
上記α−リン酸三カルシウム粉末に流動性、可塑性を与
えるために用いる練和液としては、アクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸の単独重
合体又は2種以上の組み合せによる共重合体あるいは他
のモノマーとの共重合体の水溶液等が挙げられる。
えるために用いる練和液としては、アクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和有機酸の単独重
合体又は2種以上の組み合せによる共重合体あるいは他
のモノマーとの共重合体の水溶液等が挙げられる。
特に好ましくは、ポリアクリル酸またはアクリル酸の共
重合体の水溶液である。
重合体の水溶液である。
前記アクリル酸の共重合体としてはアクリル酸と少量の
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等との共重合体ある
いは場合により歯科用セメント組成物等において知られ
ているメタクリル酸、アコニット酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、メサコン酸、チグリン酸等の不飽和酸もし
くはその低級アルキルエステル又はアクリル酸の低級ア
ルキルエステルとの共重合体も使用可能である。
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等との共重合体ある
いは場合により歯科用セメント組成物等において知られ
ているメタクリル酸、アコニット酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、メサコン酸、チグリン酸等の不飽和酸もし
くはその低級アルキルエステル又はアクリル酸の低級ア
ルキルエステルとの共重合体も使用可能である。
前記不飽和カルボン酸の単独重合体又は共重合体は公知
の任意の方法で製造でき、これは10〜60重量%、好
ましくは30〜60重量%濃度の水溶液として用いられ
る。
の任意の方法で製造でき、これは10〜60重量%、好
ましくは30〜60重量%濃度の水溶液として用いられ
る。
更に、練和液に添加混合して用いられるポリエチレング
リコールは、市販のものが支障なく使用出来、その分子
量は約1,000〜100,000程度、好ましくは
1,000〜50,000程度のものである。
リコールは、市販のものが支障なく使用出来、その分子
量は約1,000〜100,000程度、好ましくは
1,000〜50,000程度のものである。
前記ポリエチレングリコールは、前記不飽和カルボン酸
の単独重合体又は共重合体固形分100重量部に対して
2〜20重量%添加することが好ましい。
の単独重合体又は共重合体固形分100重量部に対して
2〜20重量%添加することが好ましい。
前記範囲に於いてポリエチレングリコールの添加混合量
が2重量%に満たない場合には、本発明の目的とする水
中溶解性を小さくすることが困難となり、逆に20重量
%をこえると練和作業性が低下し、圧縮強度が低下する
ようになるためいずれも好ましくない。
が2重量%に満たない場合には、本発明の目的とする水
中溶解性を小さくすることが困難となり、逆に20重量
%をこえると練和作業性が低下し、圧縮強度が低下する
ようになるためいずれも好ましくない。
更に本発明の組成物においてはα−リン酸三カルシウム
粉末(P)と、不飽和カルボン酸の重合体とポリエチレ
ングリコールの混合水溶液(L)の重量混合割合(粉液
比)、即ちP/Lが0.5〜2.5の範囲にあることが
好ましい。特に好ましくはP/L=2〜3の範囲であ
る。
粉末(P)と、不飽和カルボン酸の重合体とポリエチレ
ングリコールの混合水溶液(L)の重量混合割合(粉液
比)、即ちP/Lが0.5〜2.5の範囲にあることが
好ましい。特に好ましくはP/L=2〜3の範囲であ
る。
前記割合においてP/Lが0.5より少ない場合には、
粉末量が少なく、水分量が過剰となるため硬化物の強度
が低くなり、逆にP/Lが2.5より大きくなると水分
が過少となり、練和が著しく困難となるためいずれも好
ましくない。
粉末量が少なく、水分量が過剰となるため硬化物の強度
が低くなり、逆にP/Lが2.5より大きくなると水分
が過少となり、練和が著しく困難となるためいずれも好
ましくない。
一方、本発明の別の態様として、練和液に更に水溶性の
有機酸を混合したものが含まれる。
有機酸を混合したものが含まれる。
前記水溶性の有機酸としては、例えばクエン酸、乳酸、
酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、テトラヒドロフラン
テトラカルボン酸等の1価もしくは多価カルボン酸であ
り、これらは1種もしくは2種以上の混合物として使用
される。
酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、テトラヒドロフラン
テトラカルボン酸等の1価もしくは多価カルボン酸であ
り、これらは1種もしくは2種以上の混合物として使用
される。
前記水溶性有機酸と、不飽和カルボン酸の単独重合体又
は共重合体との混合比は任意でよいが、通常固形分比で
1/9〜9/1、好ましくは3/7〜7/3の範囲であ
る。尚、水溶性の有機酸は、10〜60重量%、好まし
くは30〜55重量%水溶液として使用される。
は共重合体との混合比は任意でよいが、通常固形分比で
1/9〜9/1、好ましくは3/7〜7/3の範囲であ
る。尚、水溶性の有機酸は、10〜60重量%、好まし
くは30〜55重量%水溶液として使用される。
又、ポリエチレングリコールの添加量は、前記同様の理
由により水溶性の有機酸と、不飽和カルボン酸の単独重
合体又は共重合体の合計固形分100重量部に対して2
〜20重量%の範囲である。
由により水溶性の有機酸と、不飽和カルボン酸の単独重
合体又は共重合体の合計固形分100重量部に対して2
〜20重量%の範囲である。
更に、α−リン酸三カルシウムと、不飽和カルボン酸の
単独重合体又は共重合体、ポリエチレングリコール及び
水溶性有機酸から成る練和液との混合割合(粉液比)は
前記と同様の理由によりP/L=0.5〜2.5の範囲
が好ましい。
単独重合体又は共重合体、ポリエチレングリコール及び
水溶性有機酸から成る練和液との混合割合(粉液比)は
前記と同様の理由によりP/L=0.5〜2.5の範囲
が好ましい。
本発明の組成物において、水溶性の有機酸を併用する
と、得られた硬化物の圧縮強度向上効果が得られるもの
である。
と、得られた硬化物の圧縮強度向上効果が得られるもの
である。
本発明組成物の練和操作法は特に限定されず、従来から
歯科用セメントの分野で使用されている方法のいずれで
も良く、例えばJIS−6602に規定されるものを使
用できる。
歯科用セメントの分野で使用されている方法のいずれで
も良く、例えばJIS−6602に規定されるものを使
用できる。
作 用 既に繰返し述べたように医科用・歯科用セメント組成物
によって重要なことは生体適合性であり、この点、本発
明の組成物は化学的に骨・歯の成分に近いα−リン酸三
カルシウムを使用しているので、生体適合性の問題は解
決される。
によって重要なことは生体適合性であり、この点、本発
明の組成物は化学的に骨・歯の成分に近いα−リン酸三
カルシウムを使用しているので、生体適合性の問題は解
決される。
また、硬化時間の短縮および圧縮強度の改善も重要であ
り、これらは不飽和カルボン酸の単独重合体もしくは共
重合体、あるいはこれと有機酸の混合物とを練和液とし
て選択し、上記のα−リン酸三カルシウムと組合せて使
用したことにより解決される。
り、これらは不飽和カルボン酸の単独重合体もしくは共
重合体、あるいはこれと有機酸の混合物とを練和液とし
て選択し、上記のα−リン酸三カルシウムと組合せて使
用したことにより解決される。
さらに、硬化物の水中溶解性の改善も重要であり、これ
はポリエチレングリコールを併用することで改善するこ
とが出来た。このように本発明における組合せにより極
めてすぐれた医科用または歯科用セメント組成物が得ら
れ、その硬化時間、圧縮強度等の各物性は、従来のこの
種の製品と比較して著しく改善された。
はポリエチレングリコールを併用することで改善するこ
とが出来た。このように本発明における組合せにより極
めてすぐれた医科用または歯科用セメント組成物が得ら
れ、その硬化時間、圧縮強度等の各物性は、従来のこの
種の製品と比較して著しく改善された。
従って、本発明のセメント組成物は病的あるいは外的原
因等により生じた骨や歯牙の欠損部並びに空隙部に適用
するのに有利であり、また適用後には生体の骨組成や歯
牙組織と一体化することが期待できる複合材料であると
いえる。
因等により生じた骨や歯牙の欠損部並びに空隙部に適用
するのに有利であり、また適用後には生体の骨組成や歯
牙組織と一体化することが期待できる複合材料であると
いえる。
実施例 以下に本発明のセメント組成物を実施例によって更に詳
しく説明すると共に、該組成物の有する効果を実証する
が、本発明の範囲はこれによって何等制限されるもので
はない。
しく説明すると共に、該組成物の有する効果を実証する
が、本発明の範囲はこれによって何等制限されるもので
はない。
実施例1〜3 公知の方法によりγ−ピロリン酸カルシウムと炭酸カル
シウムを焼成してα−リン酸三カルシウムを合成し、粉
砕して300メッシュの篩を通過させて、所定の粒度の
α−リン酸三カルシウム粉末を得た。
シウムを焼成してα−リン酸三カルシウムを合成し、粉
砕して300メッシュの篩を通過させて、所定の粒度の
α−リン酸三カルシウム粉末を得た。
かくして得られたα−リン酸三カルシウム粉末と、下記
練和液とを第1表に示す割合で練和した。
練和液とを第1表に示す割合で練和した。
1. アクリル酸−イタコン酸共重合体(イタコン酸含
有量30重量%)水溶液(濃度45重量%)に、ポリエ
チレングリコール(分子量4,000)を2重量%添加
した水溶液〔実施例1〕 2. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体水溶
液に、ポリエチレングリコール(分子量4,000)を
5重量%添加した水溶液〔実施例2〕 3. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体水溶
液に、ポリエチレングリコール(分子量20,000)
を2重量%添加した水溶液〔実施例3〕 実施例4〜6 前記と同様のα−リン酸三カルシウムを用いて、下記練
和液を第1表に示す割合で練和した。
有量30重量%)水溶液(濃度45重量%)に、ポリエ
チレングリコール(分子量4,000)を2重量%添加
した水溶液〔実施例1〕 2. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体水溶
液に、ポリエチレングリコール(分子量4,000)を
5重量%添加した水溶液〔実施例2〕 3. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体水溶
液に、ポリエチレングリコール(分子量20,000)
を2重量%添加した水溶液〔実施例3〕 実施例4〜6 前記と同様のα−リン酸三カルシウムを用いて、下記練
和液を第1表に示す割合で練和した。
1. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体26
重量部とクエン酸23重量部に対し水を51重量部混合
して水溶液とし、該水溶液にポリエチレングリコール
(分子量4,000)を2重量%添加した水溶液〔実施
例4〕 2. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体26
重量部とクエン酸23重量部に対し水を51重量部混合
して水溶液とし、該水溶液にポリエチレングリコール
(分子量20,000)を2重量%添加した水溶液〔実
施例5〕 3. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体20
重量部とクエン酸24重量部に対し水を56重量部混合
して水溶液とし、該水溶液にポリエチレングリコール
(分子量4,000)を5重量%添加した水溶液〔実施
例6〕 比較例1〜3 前記と同様のα−リン酸三カルシウムを用いて、下記練
和液を第1表に示す割合で練和した。
重量部とクエン酸23重量部に対し水を51重量部混合
して水溶液とし、該水溶液にポリエチレングリコール
(分子量4,000)を2重量%添加した水溶液〔実施
例4〕 2. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体26
重量部とクエン酸23重量部に対し水を51重量部混合
して水溶液とし、該水溶液にポリエチレングリコール
(分子量20,000)を2重量%添加した水溶液〔実
施例5〕 3. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体20
重量部とクエン酸24重量部に対し水を56重量部混合
して水溶液とし、該水溶液にポリエチレングリコール
(分子量4,000)を5重量%添加した水溶液〔実施
例6〕 比較例1〜3 前記と同様のα−リン酸三カルシウムを用いて、下記練
和液を第1表に示す割合で練和した。
1. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体水溶
液〔比較例1〕 2. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体26
重量部とクエン酸23重量部に対し水を51重量部添加
した水溶液〔比較例2〕 3. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体20
重量部とクエン酸24重量部に対し、水を56重量部添
加した水溶液〔比較例3〕 かくして調製したα−リン酸三カルシウム含有組成物の
圧縮耐圧強度及び崩壊率を測定した。
液〔比較例1〕 2. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体26
重量部とクエン酸23重量部に対し水を51重量部添加
した水溶液〔比較例2〕 3. 前記同様のアクリル酸−イタコン酸共重合体20
重量部とクエン酸24重量部に対し、水を56重量部添
加した水溶液〔比較例3〕 かくして調製したα−リン酸三カルシウム含有組成物の
圧縮耐圧強度及び崩壊率を測定した。
結果は第1表の通りである。なお、練和操作法、試験法
は歯科用セメントJIS−T−6602に記載の方法に
準拠した。
は歯科用セメントJIS−T−6602に記載の方法に
準拠した。
前記第1表の結果から明らかに、本発明の組成物におい
ては、ポリエチレングリコールを添加することにより、
硬化物の圧縮強度を低下させずに崩壊率を極端に低く出
来る(実施例1〜3、比較例1) 又、有機酸の水溶液を併用することにより、崩壊率の低
下とともに、圧縮強度の向上がみられた(実施例1〜
4、比較例2〜3)。
ては、ポリエチレングリコールを添加することにより、
硬化物の圧縮強度を低下させずに崩壊率を極端に低く出
来る(実施例1〜3、比較例1) 又、有機酸の水溶液を併用することにより、崩壊率の低
下とともに、圧縮強度の向上がみられた(実施例1〜
4、比較例2〜3)。
以上の結果から本発明の組成物は、医科用または歯科用
組成物として非常に有用なものであることが明らかとな
った。
組成物として非常に有用なものであることが明らかとな
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖人 神奈川県秦野市渋沢1352−80 (72)発明者 小山 和男 神奈川県秦野市渋沢706−1 (72)発明者 松田 治 神奈川県横浜市港北区樽町3−7−14
Claims (6)
- 【請求項1】α−リン酸三カルシウム粉末と練和液から
なる医科用または歯科用セメント組成物において、前記
練和液が不飽和カルボン酸の単独重合体もしくは共重合
体の水溶液と、ポリエチレングリコールとの混合物であ
る医科用または歯科用セメント組成物。 - 【請求項2】前記不飽和カルボン酸の単独重合体または
共重合体が、ポリアクリル酸、またはアクリル酸と、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸か
らなる群から選ばれた少なくとも1種の不飽和カルボン
酸との共重合体である特許請求の範囲第(1)項記載の医
科用または歯科用セメント組成物。 - 【請求項3】前記ポリエチレングリコールは、不飽和カ
ルボン酸の単独重合体もしくは共重合体固形分に対し2
〜20重量%の割合で混合する特許請求の範囲第(1)項
記載の医科用または歯科用セメント組成物。 - 【請求項4】α−リン酸三カルシウム粉末と練和液から
なる医科用または歯科用セメント組成物において、前記
練和液が、不飽和カルボン酸の単独重合体または共重合
体の水溶液、ポリエチレングリコール及び水溶性の有機
酸の混合物である医科用または歯科用セメント組成物。 - 【請求項5】前記不飽和カルボン酸の単独重合体または
共重合体が、ポリアクリル酸、またはアクリル酸と、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸か
らなる群から選ばれた少なくとも1種の不飽和カルボン
酸との共重合体である特許請求の範囲第(4)項記載の医
科用または歯科用セメント組成物。 - 【請求項6】前記ポリエチレングリコールが、不飽和カ
ルボン酸の単独重合体もしくは共重合体、及び有機酸の
全固形分に対して2〜20重量%の割合で混合する特許
請求の範囲第(4)項記載の医科用または歯科用セメント
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61299624A JPH0622567B2 (ja) | 1986-12-16 | 1986-12-16 | 医科用または歯科用セメント組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61299624A JPH0622567B2 (ja) | 1986-12-16 | 1986-12-16 | 医科用または歯科用セメント組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63153069A JPS63153069A (ja) | 1988-06-25 |
JPH0622567B2 true JPH0622567B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=17875013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61299624A Expired - Lifetime JPH0622567B2 (ja) | 1986-12-16 | 1986-12-16 | 医科用または歯科用セメント組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0622567B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0360451A (ja) * | 1989-07-25 | 1991-03-15 | Natl Inst For Res In Inorg Mater | リン酸カルシウム水硬性セメント組成物 |
DE10245212B4 (de) * | 2002-09-27 | 2008-01-03 | Ivoclar Vivadent Ag | Verwendung säurehaltiger Mittel zur Desensibilisierung von Zähnen |
JP4668172B2 (ja) * | 2003-04-08 | 2011-04-13 | エイディーエイ ファウンデーション | プレミックスされた自硬性の骨移植ペースト |
EP1604693A1 (en) * | 2004-06-09 | 2005-12-14 | Scil Technology GmbH | In situ forming scaffold, its manufacturing and use |
US20200140607A1 (en) * | 2017-06-09 | 2020-05-07 | The Penn State Research Foundation | Ion-Crosslinked Polymeric or Oligomeric Compositions |
-
1986
- 1986-12-16 JP JP61299624A patent/JPH0622567B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63153069A (ja) | 1988-06-25 |
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