JP6893148B2 - 歯科用セメント - Google Patents

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Description

本発明は、歯科用セメントに関する。
グラスアイオノマーセメントは、一般に、フルオロアルミノシリケートガラス粉末を含む粉末成分と、ポリカルボン酸系重合体及び水を含む液体成分を有する。粉末成分と液体成分を混合すると、フルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカルボン酸系重合体の酸塩基反応により、フルオロアルミノシリケートガラス粉末から溶出したAl3+と、ポリカルボン酸系重合体の共役塩基がイオン架橋し、グラスアイオノマーセメントが硬化する。
従来から、液体成分に酒石酸が配合されている(例えば、特許文献1、2参照)。液体成分に酒石酸を配合すると、pHの緩衝作用をもたらし、低いpH(酸性条件)を維持しやすくなる。このため、フルオロアルミノシリケートガラス粉末からAl3+が適切な速度で溶出して、グラスアイオノマーセメントが硬化する。その結果、グラスアイオノマーセメントを臨床使用上適切な時間で硬化させることができる。
一方、歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果を向上させることが望まれている。
特開昭57−2210号公報 特開昭62−67008号公報
ここで、グラスアイオノマーセメントの歯質脱灰抑制効果を向上させるために、フルオロアルミノシリケートガラス粉末の代わりに、亜鉛を含むガラス粉末を添加して、歯科用セメントを作製することが考えられる。
しかしながら、粉末成分と液体成分を混合すると、ガラス粉末とポリカルボン酸系重合体の酸塩基反応により、ガラス粉末から溶出した亜鉛イオンと、酒石酸イオン((CH(OH)COO)が反応し、水に難溶な酒石酸亜鉛が生成する。このため、歯科用セメントの硬化が遅延し、歯科用セメントを臨床使用上適切な時間で硬化させることができないという問題があった。
ここで、酒石酸亜鉛の20℃における水に対する溶解度は、0.022g/100mLである。
本発明の一態様は、歯質脱灰抑制効果が大きく、臨床使用上適切な時間で硬化させることが可能な歯科用セメントを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、歯科用セメントにおいて、ガラス粉末を含む第一の成分と、ポリカルボン酸系重合体、有機多塩基酸及び水を含む第二の成分を有し、前記ガラス粉末は、亜鉛及びケイ素を含み、前記有機多塩基酸の共役塩基と亜鉛イオンの塩は、20℃における水に対する溶解度が1g/100mL以上であり、前記有機多塩基酸は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸及びアスコルビン酸からなる群より選ばれる1種以上である。
本発明の一態様によれば、歯質脱灰抑制効果が大きく、臨床使用上適切な時間で硬化させることが可能な歯科用セメントを提供することができる。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
<歯科用セメント>
本実施形態の歯科用セメントは、ガラス粉末を含む第一の成分と、ポリカルボン酸系重合体、有機多塩基酸及び水を含む第二の成分を有する。
ガラス粉末は、亜鉛及びケイ素を含む。このため、第一の成分と第二の成分を混合すると、ガラス粉末とポリカルボン酸系重合体の酸塩基反応により、ガラス粉末から溶出したZn2+とポリカルボン酸系重合体の共役塩基がイオン架橋し、硬化する。
有機多塩基酸の共役塩基と亜鉛イオンの塩の20℃における水に対する溶解度は、1g/100mL以上であり、5g/100mL以上であることがより好ましく、10g/100mLであることがさらに好ましい。有機多塩基酸の共役塩基と亜鉛イオンの塩の20℃における水に対する溶解度が1g/100mL未満であると、第一の成分と第二の成分を混合する際に、有機多塩基酸の共役塩基と亜鉛イオンが反応して、水に難溶な塩が生成し、歯科用セメントを臨床使用上適切な時間で硬化させることができない。
<第一の成分>
第一の成分は、粉末成分及び液体成分のいずれであってもよい。
液体成分は、ガラス粉末が水又は水と混和することが可能な分散媒に分散しているペーストであることが好ましい。
<ガラス粉末>
ガラス粉末は、亜鉛及びケイ素を含むが、フッ素をさらに含むことが好ましい。これにより、歯科用セメントの齲蝕防止効果が向上する。
ガラス粉末中の亜鉛の含有量は、酸化亜鉛(ZnO)に換算した量で、10〜60質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがさらに好ましい。ガラス粉末中の亜鉛の含有量が、酸化亜鉛(ZnO)に換算した量で10質量%以上であると、歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果が向上し、60質量%以下であると、ガラス粉末の透明性が向上する。
ガラス粉末中のケイ素の含有量は、酸化ケイ素(SiO)に換算した量で、15〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。ここで、ケイ素は、ガラス中で網目形成の役割を果たす。ガラス粉末中のケイ素の含有量が、酸化ケイ素(SiO)に換算した量で15質量%以上であると、ガラス粉末の透明性が向上し、50質量%以下であると、歯科用セメントの硬化時間がさらに適切になる。
ガラス粉末中のフッ素(F)の含有量は、1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがさらに好ましい。ガラス粉末中のフッ素(F)の含有量が1質量%以上であると、歯科用セメントの齲蝕防止効果が向上し、30質量%以下であると、歯科用セメントの硬化時間がさらに適切になる。
ガラス粉末は、アルミニウム、カルシウム、リン、ストロンチウム、ランタン、ナトリウム、カリウム等をさらに含んでいてもよい。
ガラス粉末中のカルシウムの含有量は、酸化カルシウム(CaO)に換算した量で、0〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。ガラス粉末がカルシウムを含有することにより、歯科用セメントの操作性が改善される。
ガラス粉末中のリンの含有量は、酸化リン(V)(P)に換算した量で、0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがさらに好ましい。ガラス粉末がリンを含有することにより、歯科用セメントの操作性が改善される。
ガラス粉末中のストロンチウムの含有量は、酸化ストロンチウム(SrO)に換算した量で、0〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。ガラス粉末がストロンチウムを含有することにより、歯科用セメントの硬化物のX線造影性が向上する。
ガラス粉末中のランタンの含有量は、酸化ランタン(La)に換算した量で、0〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがさらに好ましい。ガラス粉末がランタンを含有することにより、歯科用セメントの硬化物の耐酸性が向上する。
ガラス粉末中のナトリウムの含有量は、酸化ナトリウム(NaO)に換算した量で、0〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがさらに好ましい。ガラス粉末がナトリウムを含有することにより、ガラス粉末の屈折率が低くなり、ガラス粉末の透明性が向上する。
ガラス粉末中のカリウムの含有量は、酸化カリウム(KO)に換算した量で、0〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。ガラス粉末がカリウムを含有することにより、ガラス粉末の屈折率が低くなり、ガラス粉末の透明性が向上する。
<ガラス粉末の製造方法>
ガラス粉末は、亜鉛化合物及びケイ素化合物を含む原料組成物を溶融させた後、粉砕することにより製造することができる。
亜鉛化合物としては、特に限定されないが、酸化亜鉛、フッ化亜鉛等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
ケイ素化合物としては、特に限定されないが、無水ケイ酸等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
原料組成物は、フッ素化合物等をさらに含んでいてもよい。
フッ素化合物としては、特に限定されないが、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化ナトリウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
なお、原料組成物における各化合物は、ガラス粉末の組成に対応するように配合すればよい。
<第二の成分>
第二の成分は、液体成分であるが、液体成分は、液状及びペースト状のいずれであってもよい。
<ポリカルボン酸系重合体>
ポリカルボン酸系重合体としては、特に限定されないが、α,β−不飽和カルボン酸の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
ポリカルボン酸系重合体を構成するα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−クロロアクリル酸、3−クロロアクリル酸、アコニット酸、メサコン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、グルタコン酸、シトラコン酸等が挙げられ、二種以上併用してもよい。これらの中でも、アクリル酸又はイタコン酸が特に好ましい。
また、ポリカルボン酸系重合体は、α,β−不飽和カルボン酸と、α,β−不飽和カルボン酸と共重合することが可能な成分との共重合体であってもよい。
α,β−不飽和カルボン酸と共重合することが可能な成分としては、例えば、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸エステル、アクリル酸塩類、塩化ビニル、塩化アリル、酢酸ビニル等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
この場合、ポリカルボン酸系重合体を構成するモノマーに対するα,β−不飽和カルボン酸の割合は、50質量%以上であることが好ましい。
第二の成分中のポリカルボン酸系重合体の含有量は、5〜60質量%であることが好ましい。第二の成分中のポリカルボン酸系重合体の含有量が5質量%以上であると、歯科用セメントの硬化時間がさらに適切になり、60質量%以下であると、歯科用セメントの操作性が向上する。
なお、第二の成分中のポリカルボン酸系重合体は、少なくとも一部が粉末であってもよい。
<有機多塩基酸>
有機多塩基酸としては、共役塩基と亜鉛イオンの塩の20℃における水に対する溶解度が1g/100mL以上であれば、特に限定されないが、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸等の多塩基カルボン酸、アスコルビン酸等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
第二の成分中の有機多塩基酸の含有量は、5〜30質量%以下であることが好ましい。第二の成分中の有機多塩基酸の含有量が5質量%以上であると、歯科用セメントの硬化時間がさらに適切になり、30質量%以下であると、歯科用セメントの硬化物の強度が向上する。
第二の成分中の水の含有量は、30〜70質量%であることが好ましい。第二の成分中の水の含有量が30質量%以上であると、歯科用セメントの硬化時間がさらに適切になり、70質量%以下であると、歯科用セメントの硬化物の強度が向上する。
本実施形態の歯科用セメントには、必要に応じて、抗菌剤、蛍光剤、香料、顔料等を適宜配合することができる。
<歯科用セメントの練和物の調製>
歯科用セメントの練和物を調製する際の、第二の成分に対する第一の成分の質量比は、1〜5であることが好ましい。第二の成分に対する第一の成分の質量比が1以上であると、歯科用セメントの硬化物の強度が向上し、5以下であると、歯科用セメントの操作性が向上する。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
<ガラス粉末の作製>
酸化亜鉛(ZnO)、無水ケイ酸(SiO)、フッ化カルシウム(CaF)、酸化ランタン(La)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化ナトリウム(NaF)、リン酸アルミニウム(AlPO)、酸化アルミニウム(Al)を所定の比率で配合した後、乳鉢を用いて、充分に混合撹拌し、原料組成物を得た。原料組成物を白金るつぼに入れた後、電気炉内に設置した。電気炉を1300℃まで昇温し、溶融させて十分均質化した後、水中に流し出し、塊状のガラスを得た。アルミナ製のボールミルを用いて、塊状のガラスを20時間粉砕した後、120メッシュの篩を通過させ、第一の成分としての、ガラス粉末1〜4を得た。
<ガラス粉末の組成>
蛍光X線分析装置ZSX Primus II(リガク社製)を用いて、ガラス粉末1〜4を分析し、組成を求めた。
表1に、ガラス粉末の組成(単位:質量%)を示す。
Figure 0006893148
なお、Zn、Si、Ca、La、Al、Sr、Na、Pの含有量は、それぞれZnO、SiO、CaO、La、Al、SrO、NaO、Pに換算した量である。
<液の作製>
表2に示す各成分を混合し、第二の成分としての、液1〜8を得た。
Figure 0006893148
ここで、有機多塩基酸の共役塩基と亜鉛イオンの塩の20℃における水に対する溶解度は、以下の通りである。
クエン酸(クエン酸亜鉛):10g/100mL
リンゴ酸(リンゴ酸亜鉛):≧1g/100mL
酢酸(酢酸亜鉛):30g/100mL
酒石酸(酒石酸亜鉛):0.022g/100mL
[実施例1−1〜1−6、比較例1−1、1−2]
表3に示す実施例1−1〜1−6、比較例1−1、1−2の歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び硬化時間を評価した。
<歯科用セメントの練和物の調製>
ガラス粉末1と液1〜8を、それぞれ液1〜8に対するガラス粉末1の質量比が2となるように混合した後、練和し、歯科用セメントの練和物を得た。
<歯質脱灰抑制効果>
牛歯象牙質を注水下、耐水研磨紙#1200で研磨し、平坦にした研磨面に、直径が3mmの穴が開いているポリテトラフルオロエチレン製のシールを貼り付けた。穴の面の半分に歯科用セメントの練和物を塗布し、37℃、100%RHの恒温層に24時間放置し、歯科用セメントの練和物を硬化させた。
37℃の脱灰液(50mM酢酸、1.5mM塩化カルシウム、0.9mMリン酸二水素カリウム、pH4.5)に歯科用セメントの硬化物が形成された牛歯象牙質を24時間浸漬し、穴の面のもう半分の歯科用セメントの硬化物が形成されておらず、脱灰液が触れる面を試験面とした。
精密切断機を用いて、厚さが1mmとなるように、歯科用セメントの硬化物が形成された牛歯象牙質を切断し、試験体を得た。
X線検査装置を用いて、透過法により試験体を撮影し、画像処理ソフトを用いて、撮影画像を解析し、ミネラルロス量を求め、歯質脱灰抑制効果を評価した。
歯質脱灰抑制効果の判定基準は、以下の通りである。なお、ミネラルロス量の値が小さい程、歯質脱灰抑制効果が高くなる。
非常に良い:ミネラルロス量が2000体積%・μm未満である場合
良い:ミネラルロス量が2000体積%・μm以上2500体積%・μm未満である場合
悪い:ミネラルロス量が2500体積%・μm以上である場合
ここで、歯科用セメントの練和物を全く塗布しなかった以外は、上記と同様にして、歯質脱灰抑制効果を評価したところ、ミネラルロス量は、4302体積%・μm以上であった。
<硬化時間>
23℃に調整した金型(8mm×75mm×100mm)をアルミニウム箔の上に置き、金型の上面の高さまで、歯科用セメントの練和物を充填した。練和終了から60秒後に、37℃、100%RHの恒温層に放置し、歯科用セメントの練和物を硬化させた。練和終了から90秒後に、歯科用セメントの硬化物の表面に垂直に400gのビカー針を降ろし、5秒間維持した。この操作を10秒間隔で実施し、ビカー針によるくぼみが完全な円形でなくなるまでの時間を求めた(ISO 9917-1 Water-based cements Part1:Powder/liquid acid-base cements 8.1 Net setting time参照)。
硬化時間の判定基準は、以下の通りである。
非常に良い:硬化時間が1分30秒以上6分以下である場合
良い:硬化時間が6分を超え、10分以下である場合
悪い:硬化時間が1分30秒未満である、又は、10分を超える場合
表3に、実施例1−1〜1−6、比較例1−1、1−2の歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び硬化時間の評価結果を示す。
Figure 0006893148
表3から、実施例1−1〜1−6の歯科用セメントは、歯質脱灰抑制効果が大きく、臨床使用上適切な時間で硬化させることが可能であることがわかる。
これに対して、比較例1−1、1−2の歯科用セメントは、液7、8が酒石酸を含むため、臨床使用上適切な時間で硬化させることができない。
[実施例2−1〜2−6、比較例2−1、2−2]
ガラス粉末1の代わりに、ガラス粉末2を用いた以外は、それぞれ実施例1−1〜1−6、比較例1−1、1−2と同様にして、実施例2−1〜2−6、比較例2−1、2−2の歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び硬化時間を評価した。
表4に、実施例2−1〜2−6、比較例2−1、2−2の歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び硬化時間の評価結果を示す。
Figure 0006893148
表4から、実施例2−1〜2−6の歯科用セメントは、歯質脱灰抑制効果が大きく、臨床使用上適切な時間で硬化させることが可能であることがわかる。
これに対して、比較例2−1、2−2の歯科用セメントは、液7、8が酒石酸を含むため、臨床使用上適切な時間で硬化させることができない。
[実施例3−1〜3−6、比較例3−1、3−2]
ガラス粉末1の代わりに、ガラス粉末3を用いた以外は、実施例1−1〜1−6、比較例1−1、1−2と同様にして、実施例3−1〜3−6、比較例3−1、3−2の歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び硬化時間を評価した。
表5に、実施例3−1〜3−6、比較例3−1、3−2の歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び硬化時間の評価結果を示す。
Figure 0006893148
表5から、実施例3−1〜3−6の歯科用セメントは、歯質脱灰抑制効果が大きく、臨床使用上適切な時間で硬化させることが可能であることがわかる。
これに対して、比較例3−1、3−2の歯科用セメントは、液7、8が酒石酸を含むため、臨床使用上適切な時間で硬化させることができない。
[比較例4−1〜4−8]
ガラス粉末1の代わりに、ガラス粉末4を用いた以外は、実施例1−1〜1−6、比較例1−1、1−2と同様にして、比較例4−1〜4−8の歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び硬化時間を評価した。
表6に、比較例4−1〜4−8の歯科用セメントの歯質脱灰抑制効果及び硬化時間の評価結果を示す。
Figure 0006893148
表6から、比較例4−1〜4−8の歯科用セメントは、ガラス粉末4が亜鉛を含まないため、歯質脱灰抑制効果が小さいことがわかる。

Claims (2)

  1. ガラス粉末を含む第一の成分と、
    ポリカルボン酸系重合体、有機多塩基酸及び水を含む第二の成分を有し、
    前記ガラス粉末は、亜鉛及びケイ素を含み、
    前記有機多塩基酸の共役塩基と亜鉛イオンの塩は、20℃における水に対する溶解度が1g/100mL以上であり、
    前記有機多塩基酸は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸及びアスコルビン酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする歯科用セメント。
  2. 前記ガラス粉末は、フッ素をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の歯科用セメント。
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