JPH05285214A - 医療用硬化組成物 - Google Patents

医療用硬化組成物

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JPH05285214A
JPH05285214A JP4092938A JP9293892A JPH05285214A JP H05285214 A JPH05285214 A JP H05285214A JP 4092938 A JP4092938 A JP 4092938A JP 9293892 A JP9293892 A JP 9293892A JP H05285214 A JPH05285214 A JP H05285214A
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JP
Japan
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acid
molecular weight
mixed
medical
ratio
Prior art date
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Application number
JP4092938A
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English (en)
Inventor
Minoru Matsukura
実 松倉
Tadashi Hiraiwa
正 平岩
Yoshitaka Kimura
嘉孝 木村
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低崩壊率を維持しつつ、高耐圧強度を有する
医療用硬化組成物を提供する。 【構成】 所定の分子量をもつポリアクリル酸等とクエ
ン酸等とを所定比率で混合した水溶液を硬化剤とし、こ
れに更にリン酸四カルシウムを主成分とする粉末とを混
練してなる医療用硬化組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療用として、骨欠損部
充填材、骨接合材、人工骨および人工関節と生体との合
着充填材等、歯科用として、合着セメント、充填セメン
ト、仮封セメント、根管充填材等に用いられる医療用硬
化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている医療用硬化組成物に
は、ZnO−正リン酸水溶液系のリン酸亜鉛セメント、
ZnO−ポリカルボン酸水溶液系のカルボキシレートセ
メント、SiO2 、Al23 −ポリカルボン酸水溶液
系のグラスイオノマーセメント、ZnO−ユージノール
系のユージノールセメント、SiO2 −BISGMA樹
脂系のレジンセメント、ポリメタアクリル酸メチル粉末
があるが、近年これらに比べて生体親和性の優れたハイ
ドロキシアパタイト(以下HAPと略す)、α−リン酸
三カルシウム(以下α−TCPと略す)、リン酸四カル
シウム(以下4CPと略す)が医療用材料として普及し
てきている。この中でも4CPは、HAP、α−TCP
に比べて骨誘導性が優れており、特に注目されている材
料である。生体材料として用いる際には、耐圧強度に優
れ、崩壊率が低いことが要求され、その目的の発明とし
て特開平1−230367がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の材料を用いた硬
化組成物は、クエン酸等の酸と混合練和すると高い耐圧
強度を示すが崩壊率が高く、またポリアクリル酸(以下
PAAと略す)等のポリマーと混練すると、低崩壊率を
示すが、耐圧強度が低く、現実にはこの両者の良い特性
を満たすことが出来ていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の現状を鑑み、本発
明者等は鋭意研究の結果、クエン酸等の酸と特定分子量
のPAA等のポリマーとを一定比率で混合して水溶液と
し、この水溶液中のクエン酸等を特定の濃度にしたもの
を硬化材として使用し、これに4CPを混合することに
より、従来にない高耐圧強度、低崩壊率の医療用硬化組
成物が得られることを知見し本発明、即ち(A)分子量
5,000〜70,000のポリアクリル酸、または同
一分子量範囲内のポリアクリル酸とイタコン酸との共重
合体と(B)クエン酸またはリンゴ酸、マレイン酸、酒
石酸、グリコール酸の1種以上の酸または混合酸とを
(A):(B)=0.05〜0.1:1の比率で混合
し、混合物中の(B)成分の濃度を20〜70wt%の水
溶液としたものを硬化剤として使用し、この硬化剤とリ
ン酸四カルシウムを主成分とする粉末と混練してなる医
療用硬化組成物を見出した。
【0005】以下、発明の詳細について説明する。本発
明に於ける4CPは、カルシウム源としてCaCO3
CaO、Ca(OH)2 、リン源としてP25 、H3
PO4 、(NH4 )H2 PO4 、(NH42 HPO
4 、CaとPの両者を含有するCaHPO4 、Ca(H
2 PO42、Ca227 等が考えられ、公知の方
法で作られる、CaCO3 とCa227 を1300
℃以上で2時間前後保持する乾式製造法で、化学反応式 2CaCO3 +Ca227 → Ca4 (PO42 O+2CO により合成される4CPを粉砕して微粉末として用い
る。好ましくは、24μm 以下の微粉末にする。この
際、粗粒が混在していると練和時にざらつきがあり、粒
度分布幅が大きいと硬化反応速度が均一に進行しないた
め良好な硬化組成物が得られない。この様な方法で製造
された4CPの粉末は有機酸水溶液と混練すれば硬化作
用を示し、医療用硬化組成物の粉末基剤として極めて有
用である。
【0006】硬化剤として、分子量5,000〜70,
000のPAA、または同一分子量範囲内のPAAとイ
タコン酸との共重合体のみを使用した場合、低崩壊率を
示すが、耐圧強度が著しく低く好ましくない。また、ク
エン酸またはリンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グリコー
ル酸の1種以上の酸または混合酸のみを使用した場合、
高耐圧強度硬化組成物を形成するが、崩壊率が大きくな
る。以上の様に単独の場合、耐圧強度と低崩壊率の両特
性を維持することが出来ない。
【0007】分子量5,000〜70,000のPA
A、または同一分子量範囲内のPAAとイタコン酸との
共重合体を(A)とし、クエン酸またはリンゴ酸、マレ
イン酸、酒石酸、グリコール酸の1種以上の酸または混
合酸を(B)とした場合、(A):(B)=0.05〜
0.1:1の一定比率で混合し、(B)成分濃度を20
〜70wt%の水溶液を硬化剤として初めて耐圧強度の低
下なしに崩壊率を低減できる。PAAにイタコン酸を共
重合させるのは、有効カルボニル基を増やし特性を増す
ためである。(A):(B)=0.05〜0.1:1の
比率より(A)である酸を少なく添加した場合は、
(A)である酸による崩壊率低下の効果がほとんど現れ
ない。一方、(A):(B)=0.05〜0.1:1の
比率を越えて(A)である酸を過剰に入れた場合、崩壊
率は低減されるものの耐圧強度が著しく低下してしま
う。また、(A):(B)=0.05〜0.1:1の比
率で混合しても使用するPAAの分子量が5,000未
満および70,000を越える場合には崩壊率低下の効
果がほとんど現れない。更に、(B)成分の濃度が20
wt%未満の場合、4CPに対する硬化剤の絶対量が不足
し、高耐圧強度の硬化組成物が得られず、また(B)成
分の濃度が70wt%を越える場合、4CPに対して
(B)成分が大過剰に存在するため硬化時間が早くな
り、それにより均一な練和が困難となり、高耐圧強度の
硬化組成物が得られない。
【0008】次に、本発明と前述の特開平1−2303
67との差について述べる。特開平1−230367の
場合は上記の(A):(B)=2.0〜4.5:1の比
率で、混合物中の(A)成分の濃度を25〜55wt%の
水溶液としたものを硬化剤としているが、この場合には
崩壊率は1.6%以下に極度に低いが耐圧強度が600
〜1000kg/cm2 程度で、実際の使用には強度が
不足する場合があるのに対し、本発明は、ほぼ1000
kg/cm2 以上の耐圧強度をもち、大きいものは13
00kg/cm2 にもなり、低崩壊率を維持し高耐圧強
度を有する医療用硬化組成物であるのが特徴である。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって説明する。 実施例1 乾式製造法で合成した4CPを微粉砕して24μm 以下
の微粉末とした。この4CP粉末を分子量29,000
のPAAとクエン酸を用いた硬化剤とを4CPと硬化剤
との混合比率1:1.5にして均一に混合練和し、パテ
状物を得て、歯科用リン酸亜鉛セメント試験法(JIS
T6602−1979)に準じて、硬化時間、耐圧強
度、崩壊率を測定した。その結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】比較例1 実施例1と同様に微粉砕化した4CPに対し、クエン酸
のみを使用した場合と、PAAとクエン酸との混合比率
が0.05〜0.1:1の範囲外の場合につき、実施例
1と同様の測定をした結果を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】実施例2 分子量29,000のPAAと15wt%のイタコン酸の
共重合体を用いて実施例1と同様の測定をした結果を表
3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】比較例2 分子量29,000のPAAと15wt%のイタコン酸の
共重合体のみを使用した場合と、共重合体と酸との混合
比率が0.05〜0.1:1の範囲外の場合、酸濃度が
15wt%の場合につき実施例1と同様の測定をした結果
を表4に示す。
【0016】
【表4】
【0017】比較例3 分子量5,000〜70,000のPAA、または同一
分子量のPAAと15wt%のイタコン酸の共重合体のみ
を用いた場合の例を表5に示す。
【0018】
【表5】
【0019】実施例3 分子量65,000のPAAを用いた場合につき実施例
1と同様な測定の結果を表6に示す。
【0020】
【表6】
【0021】比較例4 分子量65,000のPAAを用いた請求範囲外の比較
例を表7に示す。
【0022】
【表7】
【0023】実施例4 分子量5,000のPAAを用いた場合につき実施例1
と同様な測定の結果を表8に示す。
【0024】
【表8】
【0025】比較例5 分子量5,000のPAAを用いた請求範囲外の比較例
を表9に示す。
【0026】
【表9】
【0027】比較例6 PAAの分子量が2,000の場合、90,000の場
合につきそれぞれ表10、表11に示す。
【0028】
【表10】
【0029】
【表11】
【0030】
【発明の効果】本発明は上記の様に4CPに対し、分子
量5,000〜70,000のPAA、または同一分子
量範囲内のPAAとイタコン酸との共重合体とクエン酸
またはリンゴ酸等の1種以上の酸または混合酸とを一定
比率にて混合した硬化剤を使用することにより、耐圧強
度の低下なしに、崩壊率を低減させることができ、医科
および歯科の医療用硬化組成物として使用され、従来に
ない優れた特性を示すものが得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の現状を鑑み、本発
明者等は鋭意研究の結果、クエン酸等の酸と特定分子量
のPAA等のポリマーとを一定比率で混合して水溶液と
し、この水溶液中のクエン酸等を特定の濃度にしたもの
を硬化剤として使用し、これに4CPを混合することに
より、従来にない高耐圧強度、低崩壊率の医療用硬化組
成物が得られることを知見し本発明、即ち (A)分子量5,000〜70,000のポリアクリル
酸、または同一分子量範囲内のポリアクリル酸とイタコ
ン酸との共重合体と (B)クエン酸またはリンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、
グリコール酸の1種以上の酸または混合酸とを (A):(B)=0.05〜0.1:1の比率で混合
し、混合物中の(B)成分の濃度を20〜70wt%の水
溶液としたものを硬化剤として使用し、この硬化剤とリ
ン酸四カルシウムを主成分とする粉末と混練してなる医
療用硬化組成物を見出した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】次に、本発明と前述の特開平1−2303
67との差について述べる。特開平1−230367の
場合は上記の(A):(B)=2.0〜4.5:1の比
率で、混合物中の(A)成分の濃度を25〜55wt%の
水溶液としたものを硬化剤としているが、この場合には
崩壊率は1.6%以下と極度に低いが耐圧強度が600
〜1000kg/cm2 程度で、実際の使用には強度が
不足する場合があるのに対し、本発明は、ほぼ1000
kg/cm2 以上の耐圧強度をもち、大きいものは13
00kg/cm2 にもなり、低崩壊率を維持し高耐圧強
度を有する医療用硬化組成物であるのが特徴である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24:06)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子量5,000〜70,000
    のポリアクリル酸、または同一分子量範囲内のポリアク
    リル酸とイタコン酸との共重合体と(B)クエン酸また
    はリンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、グリコール酸の1種
    以上の酸または混合酸とを(A):(B)=0.05〜
    0.1:1の比率で混合し、混合物中の(B)成分の濃
    度を20〜70wt%の水溶液としたものを硬化剤として
    使用し、この硬化剤とリン酸四カルシウムを主成分とす
    る粉末と混練してなる医療用硬化組成物。
JP4092938A 1992-04-13 1992-04-13 医療用硬化組成物 Pending JPH05285214A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019034891A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 株式会社ジーシー 歯科用セメント

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019034891A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 株式会社ジーシー 歯科用セメント

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