JPH062152B2 - 骨欠損部及び骨空隙部充填材 - Google Patents

骨欠損部及び骨空隙部充填材

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JPH062152B2
JPH062152B2 JP62132964A JP13296487A JPH062152B2 JP H062152 B2 JPH062152 B2 JP H062152B2 JP 62132964 A JP62132964 A JP 62132964A JP 13296487 A JP13296487 A JP 13296487A JP H062152 B2 JPH062152 B2 JP H062152B2
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hydroxyapatite
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void filling
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昌弘 平野
啓泰 竹内
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は骨欠損部及び骨空隙部充填材に関する。
<従来の技術> 従来から、リン酸4カルシウム粉末にリンゴ酸40%及
びクエン酸の10%の混合溶液を粉液比(粉末重量/液
体重量)1.3〜2.0で添加して硬化させた硬化物は公知で
ある(「リン酸4カルシウム−リンゴ酸−クエン酸硬化
物の物理的性質とアパタイト生成」日本バイオマテリア
ル学会発行、生体材料、昭和61年11月25日、Vol.
4,No.4、p.199)。このような硬化物の圧縮強度は8
0〜100MPaであり、凝固に要する時間は5分以下
である。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、公知のリン酸4カルシウム硬化体は、粉
液比を高めるほど圧縮強度が増加するが、粉液比が高く
なりすぎると練和時に固すぎて操作が困難になる。また
従来から、リン酸4カルシウム硬化体は中性付近の緩衝
液中でヒドロキシアパタイトに転化すると考えられてい
るが、転化したヒドロキシアパタイトは結晶度が低く、
生体親和性を充分発揮できるか疑わしい。
<発明の目的> 従って、本発明の目的は粉液比を高めても練和時の操作
性が著しく改善され、かつ適切な硬化時間を有する骨欠
損及び骨空隙部充填材を提供することである。
本発明の別の目的は生体親和性が顕著で、圧縮強度も高
い骨欠損部及び骨空隙部充填材を提供することである。
<発明の目的を達成するための手段> 硬化遅延剤としてのヒドロキシアパタイト及び硬化剤と
してのリン酸4カルシウムからなる2成分硬化剤を含む
骨欠損及び骨空隙部充填材であって、前記ヒドロキシア
パタイトを骨欠損部及び骨空隙部充填材の全重量を基準
として5〜80重量%含み、pH=5以下の有機酸水溶
液を用いて硬化してなる骨欠損部及び骨空隙部充填材が
提供される。
<発明の概要> 本発明において使用できるヒドロキシアパタイト(Ca5(P
O4)3OH)は700℃以上、好ましくは900〜1250
℃、更に好ましくは1000〜1200℃で熱処理して
得たヒドロキシアパタイトが好ましい。熱処理の上限温
度については特に限定されるものではないが、ヒドロキ
シアパタイトが分解を開始するので、分解温度以下とす
べきである。又、熱処理の下限温度については添加した
ヒドロキシアパタイトが、低いpH中で硬化中又は硬化
後に分解することのない温度である700℃以上とする
のが好ましい。また本発明にて使用し得るヒドロキシア
パタイトは公知の製造方法により、人工的に合成された
ものであっても又、骨などから得られる天然のものを用
いてもよい。本発明において好ましく使用できるヒドロ
キシアパタイトは粒径100メッシュ以下、更に好まし
くは325メッシュ以下の粉末が使用できる。
本充填材中において使用できるヒドロキシアパタイトの
量は、本充填材の重量を基準として5〜80重量%、更
に好ましくは10〜70重量%、特に20〜50重量%
である。本充填材の硬化遅延剤であるヒドロキシアパタ
イトの量が5重量%より少ないと、硬化時の操作性の向
上が見られず、80重量%より多いと本充填材硬化体の
強度が低下するので好ましくない。
本発明において使用できるリン酸4カルシウム(Ca4(P
O4)2O)は、まずリン酸水素カルシウム2水和物(CaHPO4
2H2O)を500℃程度で分解させてγ−Ca2P2O7とし、こ
れと炭酸カルシウムを1:2のモル比で混合し、100
0℃程度で仮焼の上、1350℃以上で焼成して得たリ
ン酸4カルシウムが好ましく使用でき、粉砕後、粒径を
100メッシュ以下、好ましくは325メッシュ以下の
粉末にしたものが望ましく使用できる。
本発明においては、前記のヒドロキシアパタイト及びリ
ン酸4カルシウムを混合し、これにpH5以下の有機酸
を粉液化(粉末重量/液体重量)0.1〜10.0で加えて練
和することにより、骨欠損部及び骨空隙部充填材を製造
することができる。尚、本発明による骨欠損部及び骨空
隙部充填材に使用する粉末は必ずしもヒドロキシアパタ
イトとリン酸4カルシウムの組合せだけである必要はな
く、これらに生体に対して毒性のない1種又は2種以上
の化合物、たとえばアルミナ、シリカ、を含ませること
も可能である。
本発明による骨欠損部及び骨空隙部充填材は有機酸水溶
液により硬化する。これらの有機産はpH=5以下、好
ましくはpH=3以下、更に好ましくはpH=2以下の
酸水溶液であれば、任意の酸の水溶液が使用できる。か
ような有機酸としてはクエン酸、リンゴ酸、乳酸、フタ
ル酸、ポリアクリル酸又はこれらの混合物を挙げること
ができる。酸水溶液の量は好ましくは粉液化として0.1
〜10.0で使用でき、好ましくは0.5〜3.0での利用が望ま
しい。
本発明においては、ヒドロキシアパタイト及びリン酸4
カルシウムを含有する骨欠損部及び骨空隙部充填材に、
有機酸水溶液を加えて練和し、適切な粘度とした後に骨
欠損部、骨空隙部等に充てんすることができる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
<実施例> 実施例1 リン酸4カルシウムに1200℃で焼成したヒドロキシ
アパタイト(325メッシュ以下)を0,10,20,
30,40,50,60,70,80,90重量%の含
有率になるように混合し、30重量%の濃度クエン酸水
溶液を硬化液として硬化させ、強度試験を実施した。
使用したリン酸4カルシウムは、まずリン酸水素カルシ
ウム2水和物(CaHPO4・2H2O(純正化学社製))を50
0℃で分解させてγ−Ca2P2O7とし、これと炭酸カルシ
ウム(CaCO3(関東化学社製))を1:2のモル比で混合
し、1000℃で5時間仮焼した後、1350℃で6時
間焼成して得た。6時間の焼成は2度に分けて実施し
た。すなわち、最初に3時間焼成してから取出して粉砕
した後、再度3時間焼成して、リン酸4カルシウムのみ
からなる生成物を得た。使用に際しては、325メッシ
ュのふるいを通過するまで粉砕した。次いで、リン酸4
カルシウムとヒドロキシアパタイトの混合比によって、
粉末比を適当に変え、適度な粘度が得られるように配慮
した。
強度試験は直径7mm、長さ14mmの容器に泥状のセメン
トを流し込み、硬化後取り出して、すぐpH=6.8、温
度37℃に調整されたリン酸緩衝液に投入し、48時間
後に取り出してぬれたまま圧縮強度を測定することによ
り行なった。荷重速度は1mm/分とした。
硬化に用いた粉液化と圧縮強度を表1に示す。この結果
からわかるように、ヒドロキシアパタイトの混合比を増
加させてゆくと、60%くらいまでは強度が増加する傾
向がある。尚、充填材の練和時の操作性は格段に向上
し、表1に与えた粉液比でも硬化時間4〜10分であ
り、充分な操作性が得られた。
<発明の効果> 以上のように、本発明の骨欠損部及び骨空隙部充填材
は、ヒドロキシアパタイトを配合することにより、操作
性の格段の向上が見られ、リン酸4カルシウム単独のも
のより顕著に高強度の硬化体が得られる。又、ヒドロキ
シアパタイトの配合の結果として、本材料の生体親和性
の向上が期待できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化遅延剤としてのヒドロキシアパタイト
    及び硬化剤としてのリン酸4カルシウムからなる2成分
    硬化剤を含む骨欠損部及び骨空隙部充填材であって、前
    記ヒドロキシアパタイトを骨欠損部及び骨空隙部充填材
    の全重量を基準として5〜80重量%含み、pH=5以
    下の有機酸水溶液を用いて硬化してなる骨欠損部及び骨
    空隙部充填材。
  2. 【請求項2】ヒドロキシアパタイトが、焼成温度700
    ℃以上で焼成されたヒドロキシアパタイトである特許請
    求の範囲第1項記載の骨欠損部及び骨空隙部充填材。
JP62132964A 1987-05-28 1987-05-28 骨欠損部及び骨空隙部充填材 Expired - Lifetime JPH062152B2 (ja)

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