JPH06225135A - 光電変換装置の信号処理回路 - Google Patents

光電変換装置の信号処理回路

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JPH06225135A
JPH06225135A JP50A JP1039393A JPH06225135A JP H06225135 A JPH06225135 A JP H06225135A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 1039393 A JP1039393 A JP 1039393A JP H06225135 A JPH06225135 A JP H06225135A
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memory
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black
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JP50A
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Toru Kanno
透 管野
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Ricoh Research Institute of General Electronics Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Ricoh Research Institute of General Electronics Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】比較的広い信号入力範囲に対して、回路規模を
増大させることなく、高速・高精度性を確保し得るシェ
ーディング補正処理・黒補正処理を可能とすること。 【構成】 複数の光電変換素子をアレイ状又はマトリク
ス状に配置させ、これらの光電変換素子からの入力光量
に応じた電気信号を時系列で出力させるようにした光電
変換装置21の信号処理装置において、光電変換装置2
1の出力側に増幅利得が利得設定信号に対して反比例す
る特性を持たせた利得制御差動増幅器23を有するシェ
ーディング補正処理・黒補正処理回路22を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタルカラー複写機
やファクシミリ等におけるスキャナ装置、VTR等の撮
像装置等に利用される光電変換装置の信号処理回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スキャナなどの画像入力装置に
おいては、原稿照明用光源の光量分布、1次元又は2次
元CCD等の光電変換装置の感度分布、或いは、固定パ
ターンノイズ、オフセット成分等を考慮すると、光電変
換信号をそのまま画像信号として扱うことは困難であ
る。よって、このような不要な要因を取り除くためのシ
ェーディング補正(光量分布、感度分布の補正)、黒補
正(固定パターンノイズ、オフセット成分等の補正)が
必要である。
【0003】そこで、従来、一般に採用されているデジ
タル演算処理によるシェーディング補正・黒補正回路の
構成例を図7及び図8に示す。まず、図7に示す従来例
では、光電変換装置1からの光電変換信号を増幅器2に
より一定倍率で増幅し、これをA/D変換器3によりデ
ジタル信号に変換する。A/D変換された光電変換信号
は、減算器4、除算器5による処理を経て出力される。
また、A/D変換器3により変換された信号は、オフセ
ットや固定パターンノイズを記憶するための黒メモリ6
にも入力され、この黒メモリ6の出力側が前記減算器4
の他方の入力とされている。また、この減算器4の出力
側は一方では前記除算器5に入力されているが、他方で
は、原稿照明用光源の光量分布や光電変換装置1の感度
分布を記憶するための白メモリ7に入力され、この白メ
モリ7の出力側が前記除算器5の他方の入力とされてい
る。これらの各部は、コントローラ8制御で動作するタ
イミングジェネレータ9によるタイミングにて動作制御
される。
【0004】このような構成において、今、デジタルデ
ータが8ビットであるとして、シェーディング補正・黒
補正の動作を説明する。まず、初期状態として、黒メモ
リ6、白メモリ7の内容を00H (添字Hは16進数を
示す)にしておき、光電変換装置1に光が入らない状態
(つまり、原稿がない個所を読み込んだり、光路を遮断
すればよい)にし、固定パターンノイズやオフセット成
分をA/D変換器3でA/D変換し、黒メモリ6に記憶
する。これが、黒データの記憶となる。次に、基準白原
稿を読み取り、この時の値から各画素に対応する黒メモ
リ6の内容を減算器4により減算し(シェーディング補
正データの生成)、各々の画素データを白メモリ7に書
込む。これが、シェーディング補正データの記憶とな
る。
【0005】以上の処理により、各補正データの記憶が
終了し、通常の原稿読み取りに移行する。通常の原稿読
み取りでは、読み取ったデータから減算器4により黒メ
モリ6の内容を減算し、その後、除算器5により白メモ
リ7の内容で除算して出力することにより、シェーディ
ング補正及び黒補正が完了する。ただし、除算器5は除
数、被除数が等しい時にFFH が出力されるような係数
が掛けてある(これは、ビットシフト等による簡単な処
理により実現できる)。
【0006】図8に示す従来例は、図7の構成に代え
て、減算器4の出力を補正データテーブル(又は、除算
器)10を通して変換された補正データとして白メモリ
7に格納させるとともに、減算器4の出力とこの白メモ
リ7の出力とを乗算器11による乗算処理を行って出力
させるようにしたものである。即ち、図8に示す例で
は、白メモリ7への書き込みの場合には、補正データテ
ーブル10により入力されたデータの逆数に相当する補
正データが選択され白メモリ7に記憶される。
【0007】そして、通常の原稿読み取りでは、読み取
ったデータから減算器4により黒メモリ6の内容を減算
し、その後、乗算器11により白メモリ7の内容を乗算
し出力することで、シェーディング補正及び黒補正が完
了する。ただし、乗算器11は入力データが補正データ
を生成したデータと等しい時にFFH が出力されるよう
に構成されている(これは、ビットシフト等による簡単
な処理により実現できる)。
【0008】一方、一部には、図9や図10に示すよう
にアナログ的にシェーディング補正を行うようにしたも
のもある。図9に示す例は、光電変換装置1とA/D変
換器3との間に2段の増幅器12,13を設けるととも
に、これらの増幅器12,13間に複数の利得規定抵抗
RS1,RS2,〜,RSnを接続するとともに、これ
らの各抵抗RS1,RS2,〜,RSnに並列にアナロ
グスイッチSW1,SW2,〜,SWnを接続し、これ
らのアナログスイッチSW1,SW2,〜,SWnをメ
モリ14からの出力により制御することにより、増幅器
利得を切換えるようにしたものである。このメモリ14
には初期状態でA/D変換器3から取込んだデータを演
算器15で必要な処理を施したデータが格納されてい
る。図10は増幅器12のみとし、その帰還経路に上記
のようなアナログスイッチSW1,SW2,〜,SWn
と、各抵抗RS1,RS2,〜,RSn毎に直列で分圧
回路を形成する分圧基準抵抗RF1,RF2,〜,RF
nを接続した構成とし、増幅器利得を切換えるようにし
たものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図7や図8
に示したようなデジタル演算処理によりシェーディング
補正を行う場合、除算器5や乗算器11を必要とし、回
路規模を抑えようとすると高速演算が困難となり、逆
に、高速性を確保しようとすると回路規模が大きくなっ
てしまう。また、入力信号の大きさがばらつく場合、性
能の劣化が避けられないものである。
【0010】一方、図9や図10に示したようなアナロ
グ的なものでも、切換える利得数だけのアナログスイッ
チ、利得規定抵抗、又は、増幅器が必要となり、回路規
模が大きくなるため、浮遊容量の増大により高速性が確
保しにくくなる。また、アナログスイッチのオン抵抗、
素子のばらつきにより、利得精度を確保しにくいという
問題もある。
【0011】しかして、比較的広い信号入力範囲に対し
て、回路規模を増大させることなく高速性及び高精度を
確保し得るシェーディング補正処理・黒補正処理回路の
提供が要望される。
【0012】
【課題を解決するための手段】複数の光電変換素子をア
レイ状又はマトリクス状に配置させ、これらの光電変換
素子からの入力光量に応じた電気信号を時系列で出力さ
せるようにした光電変換装置の信号処理装置において、
前記光電変換装置の出力側に増幅利得が利得設定信号に
対して反比例する特性を持たせた利得制御差動増幅器を
有するシェーディング補正処理・黒補正処理回路を設け
た。
【0013】
【作用】利得設定信号と増幅利得とが反比例の関係にあ
る利得制御差動増幅器を用いることにより、比較的広い
信号入力範囲に対して、回路規模を増大させなくても、
シェーディング補正処理・黒補正処理に関して高速にし
て高精度性を確保できるものとなる。また、回路規模が
小さく、使用する素子の性能としてもあまり高性能であ
る必要はなく、抵抗やコンデンサ等も対になっている個
所での相対精度があればよく、モノリシックIC化も容
易であり、よって、シェーディング補正処理・黒補正処
理を含めて、非常にコンパクトな光電変換装置の信号処
理回路となる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図6に基づい
て説明する。まず、複数の光電変換素子(図示せず)を
アレイ状又はマトリクス状に配置させ、これらの光電変
換素子からの入力光量に応じた電気信号を時系列で出力
させるようにした光電変換装置21が設けられ、その出
力側にはシェーディング補正処理・黒補正処理回路22
が接続されている。このシェーディング補正処理・黒補
正処理回路22として、前記光電変換装置21の出力が
非反転入力端子(+)に入力される利得制御差動増幅器
23が設けられている。この利得制御差動増幅器23の
反転入力端子(−)には黒補正用の黒メモリ24に接続
されたD/A変換器1 25の出力が接続されている。
また、この利得制御差動増幅器23の利得を制御するた
めの利得制御端子には、シェーディング補正用の白メモ
リ26に接続されたD/A変換器2 27の出力が接続
されている。さらに、この利得制御差動増幅器23の出
力はA/D変換器28に入力されている。このA/D変
換器28は補正処理後のデジタル信号として出力すると
ともに、初期設定時にこの出力を前記黒メモリ24及び
前記白メモリ26に入力させるものである。
【0015】さらに、これらの各部の動作及びタイミン
グを制御するためのコントローラ29及びタイミングジ
ェネレータ30が設けられている。
【0016】なお、黒メモリ24や白メモリ26として
は、デュアルポートRAMやFIFO(ファーストイン
・ファーストアウト)のように、入出力を独立してコン
トロールできるものが用いられる。また、利得制御差動
増幅器23は利得設定信号に対して利得が反比例する特
性を持たせたものが用いられ、最小利得はAFFとされて
いる。さらに、D/A変換器1 25の基準電圧はA/
D変換器28の基準電圧に対して、1/(利得制御差動
増幅器23の最小利得AFF)に設定されている。
【0017】このような構成において、今、デジタルデ
ータが8ビットの場合を例にとり、シェーディング補正
・黒補正動作について説明する。最初に、コントローラ
29によって黒メモリ24には00H 、白メモリ26に
はFFH なるデータを書き込む。次いで、光電変換装置
21に光が入らない状態(例えば、原稿がない場所を読
んだり、光路を遮断すればよい)にし、この光電変換装
置21の各画素毎の固定パターンノイズやオフセット成
分を利得制御差動増幅器23の非反転入力端子に入力す
る。この時、黒メモリ24の出力は光電変換装置21の
各画素に対応したメモリが選択されるようにアドレスが
インクリメントされるが、最初の黒メモリ24の内容は
全て00H であるので、D/A変換器1 25の出力は
全ての画素に対して0Vであり、これが利得制御差動増
幅器23の反転入力端子に入力されている。また、白メ
モリ26の出力も黒メモリ24と同様に光電変換装置2
1の各画素に対応したメモリが選択されるようにアドレ
スがインクリメントされるが、白メモリ26の内容は全
てFFH であるので、D/A変換器2 27の出力は全
ての画素に対して最大電圧が出力される。このD/A変
換器2 27の出力は利得制御差動増幅器23の利得制
御端子に入力されるので、利得制御差動増幅器23の利
得は最小利得AFFとなっている。
【0018】このような状態で、1ライン分のデータを
A/D変換器28でA/D変換し、光電変換装置21の
各画素での固定パターンノイズやオフセット成分に応じ
たデータを黒メモリ24の各画素に応じたメモリ領域に
書き込む。以上の処理で、黒補正データの取り込みを終
了し、次のラインからは、黒メモリ24への書き込みは
行わず、利得制御差動増幅器23の利得制御端子にはD
/A変換器1 25により1/(利得制御差動増幅器2
3の最小利得AFF)のアナログ信号に変換された黒メモ
リ24から読み出された各画素での固定パターンノイズ
やオフセット成分が入力される。これにより、利得制御
差動増幅器23で同相成分が除去されるため、利得制御
差動増幅器23の出力での固定パターンノイズやオフセ
ット成分は低減される。
【0019】次に、基準白原稿を読み取ると、利得制御
差動増幅器23からは固定パターンノイズやオフセット
成分が低減され、利得制御差動増幅器23の最小利得A
FF倍された基準白原稿の信号が出力される。A/D変換
器28では、デジタル化された基準白原稿のデータが出
力され、白メモリ26において各画素に応じたアドレス
のメモリ領域に記憶される。以上の処理で、シェーディ
ング用データの取り込みを終了し、次のラインからは、
白メモリ26への書き込みは行わず、利得制御差動増幅
器23の制御利得端子にはD/A変換器2 27により
アナログ信号に変換された白メモリ26から読み出され
た各画素での最小利得AFFでの電圧が入力され、利得制
御差動増幅器23ではこの制御利得端子に対する利得設
定信号に反比例した利得となる。よって、利得制御差動
増幅器23の出力としては一定電圧が出力され、A/D
変換器28でデジタル信号に変換されて出力される。
【0020】このようにして黒補正・シェーディング補
正が完了し、原稿を読み取った場合には、固定パターン
ノイズやオフセット成分が低減され(黒補正)、原稿照
明の光量分布や光電変換装置21の感度分布などが補正
(シェーディング補正)された画像信号が取り出せるこ
とになる。
【0021】図2は前述したような黒補正・シェーディ
ング補正動作の概略を示すフローチャートである。ま
た、図3に黒補正時(黒補正データ取り込み、及び、黒
補正実行)の処理例のタイミングチャートの一例を示
し、図4にシェーディング補正時(シェーディング補正
データ取り込み、及び、シェーディング補正実行)の処
理例のタイミングチャートの一例を示す。
【0022】ところで、本実施例の具体的構成例を図5
に示す。まず、光電変換装置21はCCDリニアイメー
ジセンサとされている。また、A/D変換器28は8ビ
ットのA/Dコンバータとされ、黒メモリ24、白メモ
リ26は1ワード当り8ビット構成で読み出し・書き込
みを独立して制御できるFIFOが用いられている。ま
た、図1の説明では、これらのA/D変換器28と黒メ
モリ24及び白メモリ26とをデータバスで接続してい
たが、図5に示す構成例ではA/D変換器28はデータ
バスを通して12ビット構成のワークメモリを持ち後述
するように平均化処理を行う12ビットの加算器31に
接続され、この加算器31からデータバスを介して黒メ
モリ24及び白メモリ26に接続されている。さらに、
D/A変換器2 27としては差動電流出力型の8ビッ
トD/Aコンバータが使用され、その出力IO ,IOB
利得制御差動増幅器23の制御利得端子IG ,IGBに入
力されている。D/A変換器1 25としては電圧出力
型の8ビットD/Aコンバータが使用され、その基準電
圧(入力電圧FFH 時の出力電圧)はA/D変換器28
の基準電圧VREF (入力電圧がVREF の時にFFH が出
力される)を利得制御差動増幅器23の最小利得(RF
/RE )で割った値、即ち、VREF /(RF/RE )と
なっており、その出力は利得制御差動増幅器23の反転
入力端子に入力されている。また、データバスには加算
器31、黒メモリ24の入力、白メモリ26の入力の他
に、コントローラ29の出力が接続されている。
【0023】また、利得制御差動増幅器23は図示の如
く、複数のトランジスタQ1 〜Q10、カレントミラーM
1 〜M3 、抵抗RE ,RF 等の個別部品により回路構成
したものとされている。
【0024】このような図5に示す具体的構成による動
作を説明する。まず、データバス上の黒メモリ24以外
をディゼーブルにし、コントローラ29からデータ00
H を送出し、黒メモリ24に書き込む。次に、白メモリ
26以外をディゼーブルにし、コントローラ29からデ
ータFFH を送出し、白メモリ26に書き込む。これに
より、利得制御差動増幅器23の初期状態を規定する。
【0025】次に、CCDリニアイメージセンサ(光電
変換装置)21の固定パターンノイズやオフセット成分
を補正するための黒補正データを取り込むが、これは、
加算器31を利用して平均化処理を行ってデータを取り
込むものとする。平均化処理は、最初に12ビット構成
のワークメモリを全て000H にし、2ビットの加算器
31を用い、ワークメモリから読み出したデータとA/
Dコンバータ(A/D変換器)28の出力8ビットと、
その上位4ビットを0とした12ビットで加算する。加
算された結果は、ワークメモリに記憶される。これを1
6回繰返す。もっとも、雑音が大きい場合には、ワーク
メモリ及び加算器31の大きさを13ビット、14ビッ
トのように増やすことで32回、64回の平均化とする
ことにより雑音を低減させるようにすればよく、逆に、
雑音が小さい時にはワークメモリ及び加算器31の大き
さを11ビット、10ビットのように減らすことで平均
化の回数を8回、4回のように減らして処理時間を短縮
させるようにしてもよい。16回の加算が終了したら、
ワークメモリの上位8ビットのデータを黒メモリ24に
転送し、黒補正データの取り込みを終了する。この間、
黒メモリ24、白メモリ26の出力は、CCDのライン
走査信号と同期して黒メモリ24、白メモリ26の出力
のアドレスカウンタがリセットされて各々1番目のメモ
リ領域の内容が出力され、CCDの画素クロックと同期
して黒メモリ24、白メモリ26のアドレスカウンタが
インクリメントされ、各画素に応じたメモリ領域のデー
タが出力される。ただし、黒補正データ取り込み時点で
は、黒メモリ24、白メモリ26の内容は、各々0
H ,FFH である。
【0026】次に、光源の光量分布や、CCDの感度分
布を補正するためのシェーディング補正データの取り込
みを行う。この場合、基準白原稿を読み取ることにより
行うが、黒補正データ取り込み時と同じく、加算器31
を利用して加算データの上位8ビットだけを取り込むよ
うにする。ただし、基準白原稿は、反射率が100%で
はない場合が殆どであるので、シェーディング補正デー
タの取り込みを始める前に、A/Dコンバータ28の基
準電圧を基準白原稿の反射率に見合った電圧(例えば、
反射率が70%であれば、0.7*VREF )にする必要
がある。ただし、この時の黒メモリ24、白メモリ26
の内容としては、黒メモリ24には黒補正データが既に
記憶されており、白メモリ26は初期のFFH のままで
ある。シェーディング補正データ取り込み時の電圧出力
型D/Aコンバータ(D/A変換器1)25の出力は、
CCDの固定パターンノイズやオフセット成分が、1/
(利得制御差動増幅器23の最小利得)になって出力さ
れるため、利得制御差動増幅器23の出力は固定パター
ンノイズやオフセット成分が除去された基準白原稿の信
号出力となる。ここで、基準白原稿の反射率が70%の
時を考えると、シェーディング補正データ取り込み時に
A/Dコンバータ28の基準電圧を当初のVREF の70
%としているため、A/Dコンバータ28の出力は、基
準白原稿の反射率が100%、A/Dコンバータ28の
基準電圧がVREF の場合と同じデータが出力されること
になる。
【0027】このようにして、黒補正データ及びシェー
ディング補正データの取り込みが終了し、画像データの
読み込みが行われる。
【0028】ところで、本実施例の要旨をなす利得制御
差動増幅器23は、図6に示すように基本構成される。
即ち、一対のトランジスタQ1 ,Q2 と各々のエミッタ
側に接続されたエミッタ抵抗RE と電流源IE とによる
抵抗挿入型エミッタ結合ペア32と、トランジスタQ3
〜Q6 と電流源IC とによるギルバート利得セル33
と、ベースを直結した一対のトランジスタQ7 ,Q8
よるカレントミラー34と、帰還型電流電圧変換回路3
5とにより構成されている。
【0029】このような構成において、まず、抵抗挿入
型エミッタ結合ペア32では、入力電圧の差動成分(V
1 −V2 )に応じて各々のトランジスタQ1 ,Q2 のコ
レクタには電流変化分が生ずる。今、ベース電流を無視
すると、各々のコレクタ電流IC1,IC2は、 IC1=IE /2−dI1C2=IE /2+dI1 ただし、dI1 =(V1 −V2 )/2・RE となる。
【0030】これらの電流IC1,IC2はギルバート利得
セル33に入力され、トランジスタQ3 ,Q4 のエミッ
タに電圧変化が生ずる。即ち、これらのトランジスタQ
3 ,Q4 のベース・エミッタ電圧をVBE3 ,VBE4 とす
ると、 VBE3 =KT/q×ln(IC1/ISS) VBE4 =KT/q×ln(IC2/ISS) となる。ここに、トランジスタQ5 ,Q6 はエミッタ結
合ペアとなっており、トランジスタQ3 のベース、トラ
ンジスタQ5 のエミッタ間の電圧と、トランジスタQ4
のベース、トランジスタQ6 のエミッタ間の電圧とは等
しいことから、 VBE3 +VBE5 =VBE4 BE6 ln(IC1*IC5)=ln(IC2*IC6) IC1*IC5=IC2*IC6 となる。また、IC5,IC6は各々、 IC5=IC /2+dI2C6=IC /2−dI2 である。よって、前述したIC1,IC2の式から、 IC *dI1 =IE *dI2 dI2 =IC /IE *dI1 となる。
【0031】この結果、ギルバート利得セル33の出力
であるトランジスタQ3 ,Q6 のコレクタ電流の和I
C36 、トランジスタQ4 ,Q5 のコレクタ電流の和I
C45 は、 IC36 =IC1+IC6 =IE /2+IC /2−(IC /IE +1)*dI1C45 =IC2+IC5 =IE /2+IC /2+(IC /IE +1)*dI1 となる。ここで、IC36 はトランジスタQ7 ,Q8 によ
るカレントミラー34で、トランジスタQ8 のコレクタ
電流として出力されるため、帰還型電流電圧変換回路3
5の入力IIVは、 IIV=IC45 −IC36 =2*(IC /IE +1)*dI1 となり、帰還型電流電圧変換回路35の出力VO は、 VO =IIV*RF =−2*(IC /IE +1)*dI1 *RF =−RF /RE *(IC /IE +1)*(V1 −V2 ) となる。よって、利得Aは、 A=−RF /RE *(IC /IE +1) (マイナス
は反転の意) となり、IC /IE の値を変えることにより、利得Aを
制御することができる。
【0032】ここで、利得決定の動作を考えると、最
初、利得制御差動増幅器23の最小利得AFFで白基準原
稿を読み込み、A/D変換し、デジタルデータDDATA
得る。これが、A/Dコンバータ28の入力範囲の最大
(デジタルデータでFFH )となるように利得ADATA
決める。今、A/Dコンバータ28を8ビットとした
時、ADATAとDDATAとの関係は、 ADATA=FFH /DDATA*AFF である。ここで、利得決定の演算をデジタルで行うこと
を極力避け、回路を簡素化するためには、利得制御差動
増幅器23の利得の関係式に利得決定の演算を盛り込め
ばよい。
【0033】即ち、利得制御差動増幅器23の利得A
は、 A=RF /RE *(IC /IE +1) =RF /RE *(IC +IE )/IE であり、その利得決定の演算は、 ADATA=FFH /DDATA*AFF =AFF*FFH /DDATA であるので、(IC +IE )/IE とFFH /DDATA
の関係を等しくすればよいことであ。即ち、IC +IE
を一定となるようにし、IE をA/D変換したデジタル
データをDDATAに比例した電流とすることで、利得決定
の演算を利得制御差動増幅器23に内蔵し、非常に簡単
な構成とすることができる。IC ,IE の関係を満足す
るものは、差動電流出力型のD/Aコンバータ(D/A
変換器2)27であり、本実施例ではこれを用いてい
る。
【0034】このような構成により、本実施例の利得制
御差動増幅器23は、利得5〜30倍の範囲で周波数帯
域60MHz以上を実現している。
【0035】
【発明の効果】本発明は、複数の光電変換素子をアレイ
状又はマトリクス状に配置させ、これらの光電変換素子
からの入力光量に応じた電気信号を時系列で出力させる
ようにした光電変換装置の信号処理装置において、前記
光電変換装置の出力側に増幅利得が利得設定信号に対し
て反比例する特性を持たせた利得制御差動増幅器を有す
るシェーディング補正処理・黒補正処理回路を設けたの
で、比較的広い信号入力範囲に対して、回路規模を増大
させなくても、シェーディング補正処理・黒補正処理に
関して高速にして高精度性を確保できるものとなり、同
時に、回路規模が小さく、使用する素子の性能としても
あまり高性能である必要はなく、抵抗やコンデンサ等も
対になっている個所での相対精度があればよく、モノリ
シックIC化も容易であり、よって、シェーディング補
正処理・黒補正処理を含めて、非常にコンパクトな光電
変換装置の信号処理回路とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】基本的処理制御を示すフローチャートである。
【図3】黒補正時の処理例を示すタイミングチャートで
ある。
【図4】シェーディング補正時の処理例を示すタイミン
グチャートである。
【図5】具体的構成例を示すブロック図である。
【図6】利得制御差動増幅器の構成例を示す回路図であ
る。
【図7】デジタル方式の従来例の一例を示すブロック図
である。
【図8】デジタル方式の従来例の他例を示すブロック図
である。
【図9】アナログ方式の従来例の一例を示すブロック図
である。
【図10】アナログ方式の従来例の他例を示すブロック
図である。
【符号の説明】
21 光電変換装置 22 シェーディング補正処理・黒補正処理回路 23 利得制御差動増幅器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光電変換素子をアレイ状又はマト
    リクス状に配置させ、これらの光電変換素子からの入力
    光量に応じた電気信号を時系列で出力させるようにした
    光電変換装置の信号処理装置において、前記光電変換装
    置の出力側に増幅利得が利得設定信号に対して反比例す
    る特性を持たせた利得制御差動増幅器を有するシェーデ
    ィング補正処理・黒補正処理回路を設けたことを特徴と
    する光電変換装置の信号処理回路。
JP50A 1993-01-26 1993-01-26 光電変換装置の信号処理回路 Pending JPH06225135A (ja)

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