JPH0621985Y2 - 小便器装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は排臭機能を備える小便器装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 小便器使用中には便器及び床への垂れ等により臭気が発
生し、従来では壁面に吸気口や隙間を設けたりしてトイ
レルーム内を強制排臭しているものもあり、かかる従来
手段はトイレルーム内を排臭するため構造の複雑化、設
備の大型化を招く外、吸気口が小便器の垂れ等の臭気源
から離れているので排臭効果の点で問題がある。

そこで小便器の上部に吸気口（脱臭口）を設けることも
考えられるが、これによると小便器の上部の内側の給水
口を含む部分に二重に吸気通路を設ける必要があるので
小便器の構造が複雑化すること、給水部と吸気部が隣接
することとなるので給水時に吸気口や通路内に洗浄水が
侵入する虞れがある。

（考案が解決しようとする課題） ところで大便器については脱臭式のものが例えば特開昭
６２−２１３７２１号が提案され、この技術は洋式便器
の弁座を中空にして排臭ダクトに接続して排臭したり、
和風便器では金隠し部にこれとの間に通路を設けるよう
にフードを設け、フードを排臭ダクトに接続するように
している。

以上の技術は弁座やフードに排臭通路を設けるので小便
器には用いることができない。

本考案は以上の問題点を解決すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、小便器使用時に発生する臭気を直接
的に排臭し、以上を簡単な構造で実現せしめ得るように
したことにある。

（課題を解決するための手段） 以上の問題点を解決するための手段は、上部に設けられ
た洗浄水供給口、背壁、左右の側壁、下部のボール部、
該ボール部の底に設けられた排水部、下部の後部に開口
する如く設けられ、外部の排水管と接続する排出口を備
える小便器であって、前記背壁の背部に区画され、排臭
装置に接続された排臭チャンバを設け、該チャンバの両
側に吸気口を設けたことである。

（上記手段による作用） 上記手段によれば、使用中に発生した臭気は裏面の排臭
チャンバ両側の吸気口から吸引排臭される。

（実施例） 次に本考案の好適する一実施例を添付図面を参照しつつ
詳述する。

第１図は側面図、第２図は縦断側面図、第３図は第２図
３−３線断面図である。

図において１は小便器で、実施例では壁掛式のものを示
している。小便器１は平面視Ｕ型の背壁２、背壁２の両
側に前方に突設された側壁３，３、下部に設けられた凹
状のボール部４、ボール部４から前方に突出し、両側壁
３，３よりも前方に突出し、ボール部４と接続する垂れ
受け部５、上部で前方に突出する如く設けられた庇部６
を備える。ボール部４の底４ａには排出口７が形成さ
れ、排出口７の下にはＵ字状のトラップ８が形成され、
トラップ８の後部には外部排出口９が設けられていて不
図示の排水管と接続される。上部の庇部６内にはチャン
バ状の給水通路１０を画成し、下壁６ａには背壁２に近
い部分に複数の給水口１１を設けて、背壁２の内面に沿
って洗浄水を流下供給する如くし、上壁６ｂには入口１
２を設けて金具２１を介してフラッシュバルブ２２と管
２３により接続し、フラッシュバルブ２２は給水管２４
と接続し、ノブ２５の押圧で洗浄水を供給する。

以上の小便器１の背壁２の後面には所定幅で上部から中
間下部迄占めるように排臭チャンバ１３を画成する。チ
ャンバ１３は前後方向に薄く形成され、正面は背壁２の
後面で画成され、上下の壁１３ａ，１３ｂ、両側壁１３
ｃ，１３ｃ、後壁１３ｄで囲まれた空間１４を備える。
両側壁１３ｃ，１３ｃには上下方向に離間して複数の吸
気口１５…を形成し、吸気口１５…は小便器１の側壁
３，３の後方にあって側方に開口し、側壁３，３の側方
及び後方は吸気口１５…によりチャンバ１３の空間１４
と連通する。尚吸気口１５をチャンバ１３の両側に設け
たが下面、即ち下壁１３ｂに追加して設けても良い。

チャンバ１３の後壁１３ｄの中間部には開口１６を設
け、これを配管２６を介して吸引ファン２７の如き排臭
装置に接続する。

以上において、使用時に小便器１のボール４で臭気が発
生し、これが上昇し、又床上の垂れによる臭気が上昇し
てくる。一方、使用時にファン２７を駆動することによ
りチャンバ１３内の空間１４の空気は吸引され、吸気口
１５…から小便器両側の空気が吸引される。この結果、
小便器の側壁３，３周りから便器内及び床上の臭気は背
面の吸気口１５…に廻り込んで吸引され、排臭されるこ
ととなる。これを第３図で矢印により示した。

以上実施例では便器とチャンバとを一体成形したものを
示したが、チャンバを別体として背面に接着等して一体
化したものでも良く、又実施例では壁掛タイプのものを
示したが、床置式のものでも良い。

（考案の効果） 以上で明らかな如く本考案によれば、小便器の背面に排
臭チャンバを設け、これの両側に吸気口を設け、チャン
バ内を排臭装置で吸引するようにしたので、先ず小便器
背面に開口部を有するチャンバを一体或は別体で設けれ
ば良く、チャンバは便器内と区画して外部、即ち背部に
設けるので洗浄水の給水部等と無関係に形成でき、従っ
て構造簡単、製作容易に排臭機能をもつ小便器を提供す
ることができるとともに、臭気源である小便器の側方か
ら直接的に排臭することができるので排臭効果も高いも
のが得られる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は外観側
面図、第２図は縦断側面図、第３図は第２図３−３線断
面図である。 尚図面中、１は小便器、２は背壁、３は側壁、４はボー
ル部、７は排水部（排出口）、９は排出口（外部排出
口）、１１は洗浄水供給口（給水口）、１３は排臭チャ
ンバ、１５は吸気口、２７は排臭装置（吸引ファン）で
ある。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 藤田 由美 東京都港区虎ノ門１丁目１番28号 東陶機 器株式会社東京支社内 (72)考案者 滝崎 深雪 東京都港区虎ノ門１丁目１番28号 東陶機 器株式会社東京支社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部に設けられた洗浄水供給口、背壁、左
   右の側壁、下部のボール部、該ボール部の底に設けられ
   た排水部、下部の後部に開口する如く設けられ、外部の
   排水管と接続する排出口を備える小便器であって、前記
   背壁の背部に区画され、排臭装置に接続された排臭チャ
   ンバを設け、該チャンバの両側に吸気口を設けたことを
   特徴とする小便器装置。