JPH0726470Y2 - 排臭形トイレルーム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はトイレルーム内から臭気を排出するように構成
された排臭形トイレルームに係り、特に床面に低段部と
高段部とが設けられ、この高段部に和風便器が設置され
たいわゆる汽車便形のトイレルームに関する。

［従来の技術］ 汽車便形のトイレルームは、男女兼用のトイレルームに
広く採用されている。この種のトイレルームにあって
は、比較的低い位置に設置された和風便器に向って起立
して男子小用の用便を行なうところから、周囲に尿が飛
散し易い。とりわけ、和風便器の後端部がせり出すよう
に位置する低段部の床面にあっては、飛散ないし滴下し
た尿が床に付き、臭気発生の原因となる。

トイレルームの臭気対策としては、従来よりトイレルー
ムの天井部や側壁上部にファンを設け、内部の臭気など
を排出することが行なわれている。

また、便器の内部からファン装置にて排気を行なうよう
にした排臭形便器も近年普及しつつある。

［考案が解決しようとする課題］ 従来のトイレルームにあっては、天井部のファン装置に
よりトイレルームの全体的な換気を行なうことにより排
臭を行なうことは可能であるが、強い臭気が発生する床
面部分（飛散した尿が付着した床面部分）からの臭気が
天井に達する間にトイレルーム内に飛散し、トイレルー
ムの使用者の嗅覚に強い刺激を与えることになる。

特に汽車便形のトイレルームにあっては、前記の通り和
風便器近傍の床面低段部に尿が飛散して強い臭気を発生
させ易い。

［課題を解決するための手段］ 本考案の排臭形トイレルームは、低段部及び高段部を有
するトイレルーム床面の該高段部に和風便器を設置し、
該和風便器の後端を高段部の立上り面から突出させたト
イレルームにおいて、該立上り面に排臭口を設け、高段
部の内部に排臭ファンを設けたことを特徴とするもので
ある。

［作用］ かかる本考案の排臭形トイレルームによると、和風便器
近傍の床面低段部上にかかった尿からの臭気が直ちに立
上り面の排臭口から排出されるので、臭気がトイレルー
ム内全体に拡散することを防止できる。もちろん、床面
高段部にかかった尿から発生する臭気の多くも、該排臭
口に向う下向き気流にのって該排臭口から排出されるよ
うになり、トイレルームの使用者に臭気として感取され
にくいものとなる。

なお、高段部の下側を排臭ファンの設置スペースに利用
しているから、トイレルームを拡張することなく排臭フ
ァンの設置を行なえる。

［実施例］ 以下、図面を用いて実施例について説明する。

第１図は実施例に係る排臭形トイレルームの縦断面図、
第２図は第１図のII−II線断面図である。

本実施例の排臭形トイレルームは公衆トイレに係るもの
であり、側壁１、天井２、床３にてトイレルームの外殻
部分が構成されている。このトイレルームは汽車便形ト
イレルームであり、床３の一部が高段部3aとなってお
り、この高段部3aに和風便器４が設置され、該和風便器
４の後端側が低段部3b側へ突出している。

側壁１のうち和風便器４の前方部分にはカウンター部５
が設けられ、このカウンター部５内に和風便器４への給
水用のロータンク（図示略）が設置されている。

低段部3bから高段部3aへの立上り面６には排臭口７が設
けられている。本実施例では、この排臭口７の背後側に
ケーシング８が設置され、該ケーシング８内がダクト９
を介して排臭ファン10に連通されている。排臭ファン10
の排風口は側壁１の排気口11を介してトイレルーム外部
に連通している。

前記低段部3bには立上り面６に沿って目皿12付きの排水
溝13が設けられている。14は排水溝13のトラップを示
す。また、15は天井排気ファンである。

このように構成されたトイレルームにあっては、和風便
器４の使用者が低段部3bに尿をかけたとしても、この尿
から発生する臭気は排臭口７、ケーシング８、ダクト
９、排臭ファン10及び排気口11を介して速やかに外部に
排出されるので、トイレルームの使用者には殆ど臭気と
して感じられない。また、排臭ファン10を作動させる
と、床面３に沿う部分では排臭口７に向う気流が生じる
ので、高段部3aにかかった尿から発生する臭気も多くは
排臭口７を経て外部に排出される。

本実施例にあっては、排水溝13が立上り面６に沿って設
けられているから、最も尿のかかり易い立上り面近傍の
低段部3bを水で丸洗いして清掃し易い。もちろん、高段
部3aを丸洗いしたときの排水も排水溝13から排出し易
い。この排水溝13及びトラップ14内の清掃排水や、目皿
12、排水溝13などに落下した尿からは臭気が発生する
が、この臭気も排臭口７から速やかに排出される。

［効果］ 以上の通り、本考案のトイレルームによると、床面や床
面付近から発生する臭気を、上方に立ち上らせることな
く速やかに外部に排出できるので、トイレルームの使用
者に感じ取られる臭気を著しく減少させることができ
る。また、高段部の下側に排臭ファンを設置したので、
スペースの有効利用を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例を示す断面図、第２図は第１図のII−II
線断面図である。 ３…床面、3a…高段部、3b…低段部、４…和風便器、７
…排臭口、９…ダクト、10…排臭ファン、12…目皿、13
…排水溝、14…トラップ。

フロントページの続き (72)考案者 桝 泰将 愛知県常滑市鯉江本町３丁目６番地 株式 会社イナックス内 (72)考案者 渡 和由 東京都豊島区南池袋１―11―22

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】低段部及び高段部を有するトイレルーム床
   面の該高段部に和風便器を設置し、該和風便器の後端を
   高段部の立上り面から突出させたトイレルームにおい
   て、該立上り面に排臭口を設け、高段部の内部に排臭フ
   ァンを設けたことを特徴とする排臭形トイレルーム。