JPH09299282A - トイレの排臭装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常時トイレの室内が臭いのない状態に保てる
ように臭いを拡散することなく排除できる排臭装置を提
供する。 【解決手段】 吸気孔７を有する空気通路６を設け便器
１の輪郭部４に戴置可能に備えられた弁座２と、前記空
気通路６に連通し前記弁座２に取り付けられた排気管９
と、前記排気管９の延長部９ａに取り付けられた排気フ
ァン１０とを有して構成され、前記吸気孔７から便槽８
内の臭気を吸引して前記排気管９で排臭することにより
前記課題の解決手段とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、トイレの臭いを脱
臭したり室外に排臭するトイレの排臭装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、トイレの臭いを排臭したり脱臭消
臭する手段しとて、一般に換気扇、オゾン脱臭器、脱臭
消臭剤、芳香剤などの使用による方法が知られている。

【０００３】換気扇による排臭方法は、便器の槽口から
トイレの室内に漂う臭気を室内上部に設けた換気装置で
吸集して室外に排出するものであるので、利用頻度の高
いトイレでは使用していない間に拡散されてしまった臭
気を短時間では充分排除しきれない欠点を有している。

【０００４】また、便器にオゾン脱臭器を取り付けた脱
臭方法は、オゾンによる臭いの分解が不完全であるとと
もに、便器の槽口からトイレの室内に漂出した臭気にオ
ゾンを作用させるものであるので、即効性に乏しく、利
用頻度の多いトイレには不向きである。

【０００５】また、脱臭剤による方法の中で吸着剤を設
置することにより臭いを自然吸着させる脱臭方法は即効
性がなく、エアゾールなどの方法で消臭剤を散布するも
のは、一般に消臭剤自体の臭いをマスキングするととも
に芳香効果による臭いのマスキング効果を期待して付香
されているので、芳香剤と同様に基本的に芳香性を有し
ており、香りの好き嫌いという個人差の大きい問題があ
る。更に、利用者が操作しないと作動しない脱臭消臭装
置や芳香浄化装置は、利用者の完全操作が期待できない
欠点を有している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、周知
の換気扇による排臭方法やオゾン脱臭器による脱臭方法
では、便器の槽口からトイレの室内に漂出した臭気を排
除脱臭するものであるので、臭気は拡散されていて基本
的に短時間で消臭するすることが困難である。また、各
種の消臭剤や芳香剤は香料による臭いのマスキングを主
としているので、匂いの好みの個人差により不快に感じ
る人もいる。

【０００７】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、トイレの利用頻度に係わり無く常時トイレの室内が
臭いのない状態に保てるように臭いを拡散することなく
排除できるトイレの排臭装置を提供することを課題とし
ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、吸気孔を有する空気通路を設け便器
の輪郭部に戴置可能に備えられた弁座と、前記空気通路
に連通し前記弁座に取り付けられた排気管と、前記排気
管の延長部に取り付けられた排気ファンとを有して構成
され、前記吸気孔から便槽内の臭気を吸引して前記排気
管で排臭することでトイレの臭気の拡散を防止し、室外
に排除することで排臭することができる。

【０００９】また、吸気孔を有する空気通路を設けた便
器カバーで便器の輪郭部を覆っても同様の効果を得るこ
とができる。

【００１０】また、便器の排水通路内に排気管を連通さ
せ、前記排気管に排気ファン取り付けて、排水通路の水
洗孔から便槽内の臭気を吸引排臭してもよい。

【００１１】更に、排気管に脱臭器を取り付けることに
よりトイレ室内で排気循環させることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１３】図１乃至図３は、本発明のトイレの排臭装
置の第一の実施の形態を示すもので、図１の符合１は陶
器で焼成された洋風のサイホン式大便器であり、符合２
は合成樹脂材料で形成された環状の弁座、符合３は便器
１の蓋で、それぞれ便器１の後端に蝶着されている。

【００１４】弁座２は、便器１の外縁とほぼ相似の大き
さに形成されており、その裏面には便器１の輪郭部４の
上端面に距離をおいて乗るように護謨や合成樹脂からな
るスペーサー５が突設されている。

【００１５】弁座２の内部には、図において破線で示す
ように、弁座２が便器１に戴置されたとき便器１の槽口
８ａを囲むように中空環状の空気通路６が設けられてい
るとともに、弁座２の裏面には、適宜の間隔をおいて空
気通路６内に連通する複数の吸気孔７が配設されてい
る。

【００１６】また、弁座２には、空気通路６に連通する
排気管９が弁座２の外周壁から挿入されており、排気管
９の延長部９ａには吸気孔７から臭気を吸引する電動の
排気フアン１０が取り付けられ、更に、排気管９の末端
部９ａは屋外に出されている。尚、弁座２への排気管９
の取り付けは一個所に限らず、複数個所に取り付けると
効果的である。そして、排気ファン１０は屋外に取り付
けてもよく、また、常時稼動させても着座して使用する
時だけセンサーよって（図示省略）稼動させてもよいこ
とは言うまでもない。

【００１７】また、図２に示すように、弁座２下面の外
周縁に垂下壁２ａを設け、吸気孔７と便座２の外側を遮
断して吸気孔７による便槽８の吸気効率を高めるとよ
い。

【００１８】また、図３は、排気管９の延長部９ａに脱
臭器１１を取り付けた例を示すもので、脱臭器１１は、
活性炭など臭気の吸着剤をフィルターとしたものや、消
臭用のオゾン発生器を内設したものが使用される。脱臭
器１１を取り付けた排気管９の末端部９ｂを屋外に出す
ことはもとより、屋内に置いて空気を循環させてもよ
い。

【００１９】以上にように構成された本実施の形態にあ
っては、便槽８内に発生する臭気は槽口８ａを取り囲む
弁座２の位置で吸気孔７から排気ファン１０によって吸
収される。従って、小さな便槽８の空間から効率的に直
接排出処理されるので、臭気が便槽８から漂出してトイ
レの室内に拡散されることがなく、臭気に悩まされるこ
とがない。

【００２０】また、排気管９の延長部９ａに脱臭器１１
を取り付けておけば、屋外に臭気を排出しないですむば
かりか、屋内に脱臭処理済みの空気を放出して屋内にお
いて排出空気を室内循環させることもできる。排出空気
を室内循環させることにより、冬期におけるトイレ室内
の温度の低下を防止できるうえに、排出管９の末端部９
ｂを屋外へ導く施工が不要となり経済的メリットも大き
い。

【００２１】図３は、本発明の第二の実施の形態を示す
もので、上記第一の実施の形態と共通する部分について
は同一符合を付しその説明を省略する。

【００２２】符合１２は弁座２とほぼ相似形に形成され
た便器カバーであり、洋風の大便器１の便槽８の槽口８
ａを画成する環状に形成された輪郭部４の上面を覆って
装着されている。この便器カバー１２の内部は第一の実
施の形態と同様に中空の空気通路６となっており、空気
通路６に沿って槽口８ａ側に開口する複数の吸気孔７が
適宜間隔をおいて穿孔されている。そして、便器カバー
１２の後方には、空気通路６に連通する排気管９が挿入
されており、排気管９には、先の実施の形態において説
明した図１および図３で示す排気ファン１０と脱臭器１
１とからなる排臭処理装置が具備されている（図示省
略）。

【００２３】この便器カバー１２は、金属板や硬質の合
成樹脂材料を用いて形成され、カバー１２の上面は弁座
２が安定戴置できるように平坦になっている。

【００２４】本実施の形態における吸気孔７の形状や吸
気孔７設ける位置は、図示のものに限るものではなく、
例えば、吸気孔７の上側縁に飛沫の侵入を防御する庇を
設けてもよく、また、便器カバー１２の槽口８ａ側（内
側）を便槽８上に庇状に張り出して形成し、張り出した
部分の下面に吸気孔７を開設し、便器カバー１２の下面
から吸気するようにしてもよい。

【００２５】本実施の形態においては、便器カバー１２
を便器１の輪郭部４上面を覆って装着固定したので、利
用者によって勝手に操作されることがなく、着脱やメン
テナンスも容易であり、使用頻度の高い場所に適してい
る。

【００２６】図５は、本発明の第三の実施の形態を示す
もので、図示した便器１は、貯水槽１４に貯えられた洗
浄水が排水弁機構１５を通って便器１の輪郭部４内に中
空に周設された排水通路１７に流入し、排水通路１７に
穿孔され便槽８内に開口する水洗孔１８から噴流して汚
物を水洗する周知の水洗大便器である。

【００２７】本実施の形態の排臭装置は、前記便器１の
排水通路１７内の後方部に排気管９を挿入して開口さ
せ、排気管９に洗浄水が逆流して滞留しないように便器
１外において排気管９の延長部９ａを上方に向けて立ち
上げて延設し、貯水槽１４に貯えられる洗浄水の水面レ
ベルよりも高い位置で排気管９に排気ファン１０を取り
付けて構成されている。

【００２８】尚、図において、排気フアン１０に至る前
の排気管９の延長部９ａに水圧を受けると閉弁するが排
気フアン１０の吸気力では閉弁しない周知の構造の逆止
弁Ａを交換可能に設けてもよく、この場合、排気ファン
１０を逆止弁が装着された位置に近い高さに設けること
ができる。

【００２９】本実施の形態においては、排水状態にある
とき以外は便槽８内の臭気を水洗孔１８から排水通路１
７内に吸引し、既述した実施の形態と同様に排気管９を
通して排臭するものである。排水時に於いて洗浄水が排
気管９内に浸水しても、排気管９の延長部９ａは立ち上
げてあるので、排水終了とともに排気管９に浸水した洗
浄水は自重で排水通路１７に逆流され、直ちに排気管９
の機能は回復する。

【００３０】本実施の形態は、周知の水洗大便器１の水
洗孔１８と排水通路１７を利用して、先の第二の実施の
形態における吸気孔７および空気通路６と同様の排臭装
置としての機能を担持させたもので、周知の便器を使っ
た簡単な構成であるので安価に提供できる。

【００３１】以上、本実施の形態を洋風の大便器で説明
したが、水洗便器であれば和風の大便器や小便器でもこ
の排臭装置が構成されることは言うまでもない。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したような形態で実施される本
発明のトイレの排臭装置は、以下に記載されるような効
果を奏する。

【００３３】請求項１に記載のトイレの排臭装置によれ
ば、弁座に便器の槽口をとりまくように吸気孔を配設
し、排気管を通して排気ファンで便槽内の臭気を槽口で
吸引排臭するようにしたので、臭を拡散せずに便槽の空
間から効率的に排出処理することができ、利用頻度に係
わり無く常時トイレの室内を無臭の状態に保つことがで
きる。

【００３４】請求項２に記載のトイレの排臭装置によれ
ば、上記と同様の効果を奏するとともに、便器カバーを
便器に固定した構成であるので、利用者によって乱暴に
取り扱われる心配がなく、公衆便所など利用頻度の高い
トイレに好適である。

【００３５】請求項３に記載のトイレの排臭装置によれ
ば、上記と同様の効果を奏するとともに、周知の水洗大
便器の水洗孔と排水通路を利用した簡単な構成であるの
で、組立も容易で部品数も少なく安価に提供できるもの
である。

【００３６】請求項４に記載のトイレの排臭装置によれ
ば、上記の効果に加えて、排気管に脱臭器を取り付け排
気を無臭にしてトイレ室内で循環できるようにしたの
で、冬期におけるトイレ室内の温度の低下を防止できる
うえに、排出管を屋外へ導く施工が不要となり装置全体
が安価にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のトイレの排臭装置の第一の実施の形態
を示す斜視図。

【図２】図１の実施の形態に於ける別の便座を示す斜視
図。

【図３】図１に示す実施の形態の説明図。

【図４】本発明のトイレの排臭装置の第二の実施の形態
を示す断面図。

【図５】本発明のトイレの排臭装置の第三の実施の形態
を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 便器，２ 弁座，４ 輪郭部，６ 空気通路，７
吸気孔，８ 便槽，８ａ 槽口，９ 排気管，９ａ 延
長部，１０ 排気フアン，１１ 脱臭器，１２便器カバ
ー，１７ 排水通路，１８ 水洗孔，

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気孔を有する空気通路を設け便器の輪
   郭部に戴置可能に備えられた弁座と、前記空気通路に連
   通し前記弁座に取り付けられた排気管と、前記排気管の
   延長部に取り付けられた排気ファンとを有して構成さ
   れ、前記吸気孔から便槽内の臭気を吸引して前記排気管
   で排臭することを特徴とするトイレの排臭装置。
2. 【請求項２】 吸気孔を有する空気通路を設け便器の輪
   郭部を覆う便器カバーと、前記空気通路に連通し前記便
   器カバーに取り付けられた排気管と、前記排気管の延長
   部に取り付けられた排気ファンとを有して構成され、前
   記吸気孔から便槽内の臭気を吸引して前記排気管で排臭
   することを特徴とするトイレの排臭装置。
3. 【請求項３】 便器の輪郭部内に形成された排水通路に
   連通する排気管と、前記排気管の延長部に取り付けられ
   た排気ファンとを有して構成され、前記排水通路に穿孔
   された複数の水洗孔から便槽内の臭気を吸引して前記排
   気管で排臭することを特徴とするトイレの排臭装置。
4. 【請求項４】 排気管の延長部に脱臭器を取り付けたこ
   とを特徴とする請求項１、２又は３記載のトイレの排臭
   装置。