JPH0621737Y2 - 配送伝票 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は荷物の配送、特に複数個口品を含む多種物品の
配送に有効に使用される配送伝票に関するものである。

［従来の技術］ 本願考案者らは先に、上紙と、該上紙と同形同寸の粘着
紙と剥離紙からなる下紙の間に、上下紙と左右及び天地
が短寸の中紙をその一端で上紙及び下紙に綴止し、天地
は上紙と下紙を接着して四辺を封着し、綴じ片に対向す
る辺内側に開封及び中紙摘出用ミシン目を設けた四辺で
封止された配送伝票を提案した（実開昭６３−１３７５
９，実開昭６３−１３７６０）。この配送伝票は、四辺
が封止されているため配送中に荷物の擦れ等により伝票
が汚損や脱落が防止される。

しかし、近年複数小口からなる荷物を含む多種類の物品
を１つの梱包で配送する要請が高まっている。このよう
なものの中には、壊れ易いものや特定の方向性を要求す
るものなど、取扱上特別に注意を要するものも当然含ま
れることになる。

このような荷物の配送に当たっては、発送に関する情報
が配送中に汚損や脱落がなく荷受人まで届くとともに、
荷受け時の照合用に個々の荷物の明細を記載した納品明
細書等の帳票が必要であり、また万一紛失あるいは誤送
等が生じた場合複数個口の個々のものがどの荷物に属す
るものであるかが常に追跡できるようにしなければなら
ない。

上述の、先に本願考案者らが提案した配送伝票は、発送
に関する情報が配送中の汚損や脱落が防止される点で優
れたものであったが、納品明細書などは別送する必要が
あった。また複数個口の個々の物品にはそのことを示す
タグやバーコードを貼付することが行われているが、こ
れも配送伝票とは別に作成されたものを荷物と照合しな
がら貼付作業を行う必要があり、きわめて作業性が悪い
ものであった。

［考案が解決しようとする課題］ そこで本考案は、発送に関する情報が配送中に汚損や脱
落するおそれがなく、納品明細書などの帳票類を荷物と
同時に送付することができ、複数個口の個々の物品に必
要な宛名等を記載する注意書きやバーコードなどの配送
付加情報の表示等を配送処理と同時に行うことができ、
かつコスト的にも有利な配送伝票の開発をその課題とし
た。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記課題を解決するために、第１の考案は、上
紙と、該上紙と同形同寸の粘着紙と剥離紙とからなる下
紙とからなり、上紙と下紙の粘着紙とをその四周縁で接
着し、下紙の一部には切り取った跡が帳票類の挿入口を
なす大きさの切り取り可能な配送用付加情報片を設けた
構成を採用した。

第２の考案は、上紙と、該上紙と同形同寸の粘着紙と剥
離紙とからなり、上紙と下紙の粘着紙とをその四周縁で
接着し、粘着紙の一部には切り取った跡が帳票類の挿入
口をなす大きさの切り取り可能な配送用付加情報片を設
けた構成を採用した。

第３の考案は、請求項１，２記載の配送伝票において、
上紙と下紙の間に上紙と左右同長で天地が短寸の中紙を
その左右端で上紙及び下紙と接着し、上紙の左或は右端
部近傍に少なくとも一条の開封用ミシン目を設け、更に
上紙の上に控票を設けた構成を採用した。

第４の考案は、請求項１，２記載の配送伝票において、
上紙の上に該上紙と天地同幅で左右が短い伝票を天地及
び左端の三周縁で上紙に接着し一端を開口部とする袋状
となし、該袋内部に配送事務処理用伝票を綴止するとと
もに、上紙の開封用ミシン目を開口部より外側に設けた
構成を採用した。

［作用］ 第１の考案からは、下紙から配送用付加情報片を切り取
ることにより、この切り取った配送用付加情報片を剥離
紙を剥して個口荷物に貼付することができる。一方、配
送用付加情報片が切り取られた下紙には開口部が形成さ
れ、この開口部から上紙と下紙とでなす袋状空間に適宜
の帳票類を挿入することを可能とし、下紙から剥離紙を
剥して荷物あるいは梱包に貼付することにより、袋状の
伝票内に必要な書類を入れた状態で当該伝票を荷物や梱
包に貼付することを可能とする。

第２の考案からは、下紙から剥離紙を剥すと、剥離紙に
は、粘着紙に切り取り可能に設けた配送用付加情報片が
該粘着紙から切り取られて付着している。この剥離紙に
付着している配送用付加情報片を剥離紙から剥して個口
荷物に貼着することができる。一方、配送用付加情報片
が切り取られた粘着紙には開口部が形成され、この開口
部から上紙と粘着紙とでなす袋状空間に適宜の書類を挿
入することを可能とし、該粘着紙を荷物あるいは梱包に
貼着することにより、袋状の伝票内に必要な書類を入れ
た状態で当該伝票を荷物や梱包に貼着することを可能と
する。

第３の考案からは、例えば荷物が荷受け側に配送された
とき、荷受人が荷物あるいは梱包に貼付された伝票の上
紙の一部をミシン目に沿って切り取り、袋状の伝票内に
挿入した書類や該伝票内に綴られた中紙を容易に取り出
すことを可能とする。

第４の考案からは、配送の過程で配送用事務処理用伝票
を順次抜き取り配送することを可能とし、そして荷物が
荷受け側に配送されたとき、荷受人が荷物あるいは梱包
に貼付された伝票の上紙の一部をミシン目に沿って切り
取り、袋状の伝票内に挿入した書類や該伝票内に綴られ
た中紙等を容易に取り出すことを可能とする。

［実施例］ 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

図面において、１は上紙であり、この上紙１は感圧複写
紙の上用紙でその表面には所定の様式が印刷されてお
り、また長手方向の右端部近傍に１条の開封用ミシン目
２が天地全幅に渡って設けられている。３は上記上紙１
と同形同寸の粘着紙である。この粘着紙３は感圧複写紙
の下用紙であり、そしてその上面の四周縁には、接着剤
４が塗布されている。この粘着紙３の上面に前記上紙１
が重合されて四周縁が接着され、上紙１と粘着紙３とで
四辺封止袋が構成される。また、前記粘着紙３の下面に
は、この粘着紙３を荷物に貼付するための接着剤５が塗
布されている。６は粘着紙３の下面に接着された剥離紙
であり、前記粘着紙３と剥離紙６とで下紙７が形成され
ている。

第１図に示す実施例では、下紙７を形成している粘着紙
３の上面の下位に、複数のバーコードを含む付加情報８
が連接して印刷され、その周囲には切り取り可能なミシ
ン目９で囲まれており、このミシン目９で囲まれた部分
をもって付加情報片１０としている。１１は付加情報片
１０に表された付加情報８の境界に設けられたスリット
である。また、前記粘着紙３の下面に接着している剥離
紙６にも、前記ミシン目９に対応する位置にミシン目１
２が設けられており、ミシン目９，ミシン目１２によ
り、前記付加情報片１０を当該部分の剥離紙６′ととも
に切り取れるようになっている。

１３は前記付加情報片１０の切り取りを容易にするため
に、付加情報片１０を形成するミシン目９の一部に接し
て、粘着紙３と剥離紙６との一部を打ち抜いた指掛部１
３が形成されている。

そして、前記下紙７即ち、粘着紙３，剥離紙６から付加
情報片１０を切り取った跡が、上紙１と下紙７とで形成
される四辺封止袋内に適宜の納品書などの帳票や伝言メ
モ等の帳票類１４を入れる挿入口１５となるようにして
いる（第２図）。

第３図、第４図は第１図に示す実施例の使用例を示すも
ので、第３図は下紙７から付加情報片１０を切り取り、
下紙７に挿入口１５を開口させ、この挿入口１５から適
宜の帳票類１４を袋内に挿入し、そして粘着紙３から剥
離紙６を剥して、粘着紙３の裏面を荷物１６に貼付した
例を示し、第４図は前記の切り取った付加情報片１０を
小口荷物１７に貼付した例を示している。

第５図に示す実施例では、第１図に示す実施例と同様、
上紙１と下紙７とからなっており、粘着紙３には、その
上面の下位に印刷されている付加情報８の周囲を囲むよ
うにスリット１８が形成され、このスリット１８で囲ま
れた部分をもって付加情報片１０としている。

そして、粘着紙３から剥離紙６を剥したとき、前記スリ
ット１８で囲まれた付加情報片１０は剥離紙６に付着し
たまま粘着紙３から切り取られ、粘着紙３には付加情報
片１０を切り取った跡が開口して現われ、この開口部が
上紙１と下紙７即ち粘着紙３とで形成される四辺封止袋
内に帳票類１４を入れる挿入口１５となるようにしてい
る（第６図）。

第７図に示す実施例は、第１図に示す実施例と同様、上
紙１と下紙７とからなっており、粘着紙３の上面の一部
に、宛名等を表示する表示部１９が印刷され、その周囲
は切り取り可能なミシン目２０で囲まれており、このミ
シン目２０で囲まれた部分をもって付加情報片２１とし
ている。また、前記粘着紙３の下面に接着している剥離
紙６にも前記ミシン目２０に対応する位置にミシン目２
２が設けられており、ミシン目２０，２２により、前記
付加情報片２１を当該部分の剥離紙６′とともに切り取
れるようになっている。

そして、前記下紙７即ち、粘着紙３，剥離紙６から付加
情報片２１を切り取った跡が、上紙１と下紙７とで形成
される四辺封止袋内に帳票類１４を入れる挿入口１５と
なるようにしている（第８図）。

第９図は下紙７から付加情報片２１を切り取り下紙７に
挿入口１５を開口させ、この挿入口１５から帳票類１４
を袋内に挿入し、そして粘着紙３から剥離紙６を剥し
て、粘着紙３の裏面を荷物１６に貼付した例を示す。ま
た切り取った付加情報片２１は適宜小口荷物に貼付する
ものである。

第１０図に示す実施例は、第１図に示す実施例同様、上
紙１と下紙７とからなっており、粘着紙３にその上面の
一部に印刷されている表示部１９の周囲を囲むようにス
リット２３が形成され、このスリット２３で囲まれた部
分をもって付加情報片２１としている。

そして、粘着紙３から剥離紙６を剥したとき、前記スリ
ット２３で囲まれた付加情報片２１は剥離紙６に付着し
たまま粘着紙３から切り取られ、粘着紙３には付加情報
片２１を切り取った跡が開口して現われ、この開口部が
上紙１と下紙７即ち粘着紙３とで形成される四辺封止袋
内に帳票類１４を入れる挿入口となるようにしている
（第１１図）。第１２図に示す実施例は、第１図の実施
例で示す上紙１と下紙７との間に、上紙１と下紙７と左
右同長で天地が短寸の中紙２下紙がその左右端で上紙１
及び下紙７と接着されて設けられている。即ち中紙２４
は上紙１と下紙７とで形成される四辺封止袋内にその左
右端が接着されて収納された状態となっている。２５は
接着剤である。また上紙１の上には左端を上紙１と接着
した控票２６が設けられている。２７は接着剤である。

上記実施例の中紙２４や控票２６の枚数，形態，印刷様
式，複写方法等にあっては特に限定されるものではな
い。

また上記実施例では、上紙１と下紙７は第１図に示す実
施例の上紙１と下紙７となっているが、図示しないが第
５図，第７図，第１０図に示すそれぞれの実施例の上紙
１と下紙７であってもよいことはもちろんである。

第１５図に示す実施例では、第１図の実施例で示す配送
伝票の上紙１の上に、該上紙１と天地同幅で左右が短い
伝票２８を天地及び左端の三周縁で上紙１に接着し一端
を開口部２６とする袋状となし、該袋部内に配送事務処
理伝票３０を綴止している。

３１は接着剤である。また、上紙１に設けたミシン目２
は上記開口部２９より外側に設けている。

［考案の効果］ 以上のように本考案に係る配送伝票は、上紙と、該上紙
と同形同寸の粘着紙とからなり、上紙と下紙の粘着紙と
をその四周縁で接着し、下紙の一部には切り取った跡が
帳票類の挿入口をなす大きさの切り取り可能な配送用付
加情報片を設けた四辺封止袋の形態を呈するものである
から、例えば、配送用付加情報片にバーコード，ＯＣＲ
コード，カルラコードや、割れ物，天地無用等の荷物取
扱上の個別情報、荷受人等を表示しておくことにより、
荷物が複数個口の場合、上記配送用付加情報片や絵符片
等を下紙から切り取って荷物に貼付することができ、そ
のために別に印刷されたものを用意する必要が無いの
で、付加情報等の貼付違いによる事故の心配は無い。更
に、付加情報片を切り取った跡に、下紙に形成される挿
入口から四辺封止袋内に納品書，伝票等の帳票類を挿入
して配送伝票と同時に送付することができるので、納品
書等の帳票類を別送する手間が省け、そしてまた、荷物
との照合が容易となる。

また、前記挿入口から挿入された帳票類は粘着紙の粘着
剤で荷物上にしっかりと貼付され、袋状の上紙と下紙で
保護されているので、紛失したり汚損したりする心配が
無い。

また、従来粘着紙を単に粘着剤の基材として使用してい
たのに対し、本考案にあっては、粘着剤の基材としてだ
けではなく、付加情報片として有効利用し、そして上紙
とともに帳票類の発送封筒の一部としても使用している
ので、これらを別個に行う場合と比べきわめて経済的で
ある。

更には、上紙と下紙の間に、上紙と左右同長で天地が短
寸の中紙をその左右端で上紙及び下紙と接着し、上紙の
左或は右端部近傍に少なくとも一条の開封用ミシン目を
設け、更に上紙の上に控票を設けたから、例えば荷物が
荷受け側に配送されたとき、荷受人が荷物あるいは梱包
に貼付された伝票の上紙の一部をミシン目に沿って切り
取り、袋状の伝票内に挿入した書類や該伝票内に綴られ
た中紙等を容易に取り出すことを可能にすることがで
き、更にまた、上紙の上に、該上紙と天地同幅で左右が
短い伝票を天地及び左端の三周縁で上紙に接着し一端を
開口部とする袋状となし、該袋内部に配送事務処理用伝
票を綴止するとともに、上紙の開封用ミシン目を開口部
より外側に設けたから、配送の過程で配送用事務処理用
伝票を順次抜き取り配送することを可能とし、そして荷
物が荷受け側に配送されたとき、荷受人が荷物あるいは
梱包に貼付された伝票の上紙の一部をミシン目に沿って
切り取り、袋状の伝票内に挿入した書類や該伝票内に綴
られた中紙等を容易に取り出すことを可能にすることが
でき、配送伝票として一層便利なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る配送伝票の実施の一例を示す分解
斜視図、第２図は第１図に示す配送伝票から付加情報片
を切り取った状態を示す説明図、第３図は第１図に示す
配送伝票の使用の一例を示す断面図、第４図は切り取っ
た付加情報片の使用例を示す説明図、第５図は本考案の
他の実施の一例を示す分解斜視図、第６図は第５図に示
す配送伝票から付加情報片を切り取った状態を示す説明
図、第７図は本考案の他の実施の一例を示す分解斜視
図、第８図は第７図に示す配送伝票から付加情報片を切
り取った状態を示す説明図、第９図は第７図に示す配送
伝票の使用の一例を示す説明図、第１０図は本考案の他
の実施の一例を示す説明図、第１１図は第１０図に示す
配送伝票から付加情報片を切り取った状態を示す説明
図、第１２図は本考案の他の実施の一例を示す分解斜視
図、第１３図は第１２図に示す配送伝票の左右方向断面
図、第１４図は第１２図に示す配送伝票の天地方向断面
図、第１５図は本考案の他の実施一例を示す平面図、第
１６図は第１５図に示す配送伝票の左右方向断面図、第
１７図は第１５図に示す配送伝票の天地方向断面図であ
る。 １…上紙、２…ミシン目、３…粘着紙 ６…剥離紙、７…下紙、９…ミシン目 １０…付加情報片、１２…ミシン目 １４…帳票類、１５…挿入口 １８…スリット、２０…ミシン目 ２１…付加情報片、２２…ミシン目 ２３…スリット、２４…中紙、２６…控票 ２８…伝票、２９…開口部 ３０…配送用事務処理伝票

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上紙と、該上紙と同形同寸の粘着紙と剥離
   紙とからなる下紙とからなり、上紙と下紙の粘着紙とを
   その四周縁で接着し、下紙の一部には切り取った跡が帳
   票類の挿入口をなす大きさの切り取り可能な配送用付加
   情報片を設けたことを特徴とする配送伝票。
2. 【請求項２】上紙と、該上紙と同形同寸の粘着紙と剥離
   紙とからなり、上紙と下紙の粘着紙とをその四周縁で接
   着し、粘着紙の一部には切り取った跡が帳票類の挿入口
   をなす大きさの切り取り可能な配送用付加情報片を設け
   たことを特徴とする配送伝票。
3. 【請求項３】請求項１，２記載の配送伝票において、上
   紙と下紙の間に、上紙と左右同長で天地が短寸の中紙を
   その左右端で上紙及び下紙と接着し、上紙の左或は右端
   部近傍に少なくとも一条の開封用ミシン目を設け、更に
   上紙の上に控票を設けたことを特徴とする配送伝票。
4. 【請求項４】請求項１，２記載の配送伝票において、上
   紙の上に、該上紙と天地同幅で左右が短い伝票を天地及
   び左端の三周縁で上紙に接着し一端を開口部とする袋状
   となし、該袋内部に配送事務処理用伝票を綴止するとと
   もに、上紙の開封用ミシン目を開口部より外側に設けた
   ことを特徴とする配送伝票。