JPH0621475B2 - 複合建築構造物の構格 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は大スパン建築構造物の構格に係るものである。

（従来の技術） 従来の、大スパンの建築構造物はプレストレストコンク
リート構造、鉄骨構造が一般的であった。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら大スパン構造物では、梁成が大きくなり、
階高が高くなるため建物高さが高くなる。

構造的にみれば、鉄骨鉄筋コンクリート構造、鉄筋コン
クリート構造はスパンに制限があり、大スパン構造の架
構には不適当である。

またプレストレストコンクリート構造及び鉄骨構造はあ
る程度の大スパン構造には有利であるが、高層の大スパ
ン構造の架構では梁成、及び柱断面が大きくなり、有効
ではなかった。また大スパンのプレストレストコンクリ
ート構造物の場合は、現場において緊張鋼材を配置し、
現場施行でコンクリートを打設するため、コンクリート
打設順序や緊張鋼材の緊張順序を考慮する必要があっ
た。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのような問題点を解決するために提案された
もので、鉄骨鉄筋プレストレストコンクリート柱部材
と、同柱部材の中間部に同柱部材と直交して配設された
プレストレストコンクリート梁部材または鉄骨鉄筋プレ
ストレストコンクリート梁部材とよりなる横Ｔ型部材を
スパン方向に対設し、相対する同横Ｔ型部材における前
記各梁部材に中間鉄骨梁の両端を接合してなることを特
徴とする複合建築構造物の構格に係るものである。

（作用） 本発明においては前記したように、鉄骨鉄筋プレストレ
ストコンクリート柱部材と、同柱部材の中間部に同柱部
材と直交して配設されたプレストレストコンクリート梁
部材または鉄骨鉄筋プレストレストコンクリート梁部材
とからなる横Ｔ型部材をスパン方向に対設し、相対する
同横Ｔ型部材における前記各梁部材間に中間鉄骨梁の両
端を接合して、プレストレストコンクリート部材と鉄骨
材とよりなる複合建築構造物を構成したものであって、
従来の鉄骨構造、プレストレストコンクリート構造より
長大なスパンが得られる。梁中間には鉄骨梁が使用され
ているので、梁端部となる前記横Ｔ型部材の梁部材にプ
レストレスが導入されていることを相俟って梁成が小さ
くなり、また前記中間鉄骨梁を用いたことによって、構
格の軽量化が図られる。

更にまた前記横Ｔ型部材のコンクリートにプレストレス
が導入されていることによって、同部材のコンクリート
部分のひび割れや、撓みがない。

また前記横Ｔ型部材を鉄骨鉄筋プレストレストコンクリ
ート構造とすることによって、従来の鉄筋コンクリート
構造やプレストレストコンクリート構造より常時荷重
や、耐震上からも部材の終局強度、靱性等が大幅に向上
する。

（実施例） 以下本発明の第１図の実施例について説明する。

(A) は横Ｔ型部材で、現場施行時にプレストレスが導入
されるように構成された鉄骨鉄筋プレストレストコンク
リート柱部材(1)の中間部より、同柱部材(1)と直交して
鉄骨鉄筋プレストレストコンクリート梁部材またはプレ
ストレストコンクリート梁部材(2)が一体に突出成形さ
れていて、同梁部材(2)には工場における製作時にプレ
ストレスが導入されている。

図中(3)は前記梁部材(2)に埋設されたシースに内蔵され
たＰＣ鋼材、(4)及び(5)は同ＰＣ鋼材(3)の定着金物及
び緊張端アンカーヘツドである。(6)はシヤコネクター
である。

また(7)は前記梁部材(2)の端部より突設された接合用鉄
骨梁、(8)は前記柱部材(1)の端部に定着された鉄骨柱接
合部片である。

(B) は中間鉄骨梁で、その下端部に長手方向に亘ってＰ
Ｃ鋼材(9)が配設され、同ＰＣ鋼材(9)を緊張して両端を
中間鉄骨梁(B) に配設された定着具(10)に定着すること
によって、前記中間鉄骨梁(B)にプレストレスを導入
し、同梁(B) を上方に指向して膨出するように彎曲し、
鉛直荷重に対して撓みを減少させるとともに、応力的に
も有利な状態とする。

而して前記横Ｔ型部材(A)を所定位置に建込み、同部材
(A) における前記柱部材(1)を下位の横Ｔ型部材(A) の
柱部材(1)に継接したのち、同下位の柱部材(1)のＰＣ鋼
材(11)に上位の前記柱部材(1)のＰＣ鋼材(11)をカプラ
ー(12)を介して接続し、前記上下両柱部材(1)(1)間に接
合コンクリート(13)を打設する。その後前記ＰＣ鋼材(1
1)を現場で緊張して前記柱部材(1)にプレストレスを導
入する。

図中(14)はＰＣ鋼材定着部である。

次いでスパン方向に対向する前記横Ｔ型部材(A)におけ
る前記各梁部材(2)間に亘って前記中間鉄骨梁(B)を連結
する。

図中(15)は同中間鉄骨梁(B) と前記梁部材(2)の接合用
鉄骨梁(7)とを接合する添板である。

このように中間鉄骨梁(B)を横Ｔ型部材(A)の梁部材(2)
に接合すると同時に、同部材(A) における柱部材(1)に
鉄骨桁梁(C) を接合し、前記各梁上にオムニア板(D)を
載架し、床コンクリート(E)を打設する。

なお、第１図中(F) は下部構造、第３図において(16)は
前記梁部材(2)の梁主筋，(17)は助筋，(18)は梁鉄骨で
ある。

なお前記横Ｔ型部材(A) における柱部材(1)の接合位置
はほぼ階高の1/2 であって、地震力に対して曲げモーメ
ントの小さい反曲点の個所、梁部材(2)と中間鉄骨梁(B)
との接合位置は鉛直荷重に対して曲げモーメントの小
さい、梁端より梁スパンの1/4の個所に設けられる。

第４図は本発明の他の実施例を示し、前記横Ｔ型部材
(A) は前記梁部材(2)と前記柱部材(1)とが別個に工場で
製作され、現場において同柱部材(1)に設けた欠込み部
(1a)に前記梁部材(2)が係合し、両部材(1)(2)がＰＣ鋼
材(3)を緊張して一体化された場合を示し、図中、前記
実施例と均等部分には同一符号が附されている。

（発明の効果） 本発明によれば前記したように、鉄骨鉄筋プレストレス
トコンクリート柱部材と、その中間部にこれと直交して
配設されたプレストレストコンクリート梁部材または鉄
骨鉄筋プレストレストコンクリート梁部材とよりなる相
対する一双の横Ｔ型部材をスパン方向に対設し、早退す
る同各横Ｔ型部材における前記各梁部材間に、中間鉄骨
梁の両端を接合したので長大スパンの構格が構成され、
有効面積が大幅に増大される。

また前記構格の梁端部を構成する横Ｔ型部材の前記各梁
部材にはプレストレスが導入され、同各梁部材の中間は
鉄骨梁より構成されていることによって、梁成が低減さ
れ、建造物の階高を低くすることができ、逆に建造物全
体としての階数を増加することができ、更にまた中間鉄
骨梁を使用したことによって構格の軽量化を図ることが
できる。この結果建造物の躯体コストを大幅に低減しう
る。

更に本発明によれば前記横Ｔ型部材のコンクリート部に
プレストレスが導入されているため、躯体のひび割れや
撓み、振動障害が防止される。

また前記横Ｔ型部材の柱梁部材を鉄骨鉄筋コンクリート
造にプレストレスを導入した鉄骨鉄筋プレストレストコ
ンクリート構造とすることによって、プレストレストコ
ンクリート部材の場合より終局強度と靱性とが大幅に向
上し、部材としての曲げ破壊耐力を鉄骨断面で調整で
き、積載荷重が大きい場合に特に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る複合建築構造物の構造の一実施例
を示す正面図、第２図及び第３図は夫々第１図の矢視II
−II図並に矢視III−III図、第４図は本発明の他の実施
例を示す正面図である。 (A) ……横Ｔ型部材、(B) ……中間鉄骨梁、 (1)……柱部材、(2)……梁部材、 (3)……ＰＣ鋼材、(9)……ＰＣ鋼材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄骨鉄筋プレストレストコンクリート柱部
   材と、同柱部材の中間部に同柱部材と直交して配設され
   たプレストレストコンクリート梁部材または鉄骨鉄筋プ
   レストレストコンクリート梁部材とよりなる横Ｔ型部材
   をスパン方向に対設し、相対する同横Ｔ型部材における
   前記各梁部材に中間鉄骨梁の両端を接合してなることを
   特徴とする複合建築構造物の構格。