JPH06213273A - 振動体の防振装置 - Google Patents

振動体の防振装置

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JPH06213273A
JPH06213273A JP5026134A JP2613493A JPH06213273A JP H06213273 A JPH06213273 A JP H06213273A JP 5026134 A JP5026134 A JP 5026134A JP 2613493 A JP2613493 A JP 2613493A JP H06213273 A JPH06213273 A JP H06213273A
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JP
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vibration
vibrating
mass body
mass
support
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JP5026134A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Goto
勝博 後藤
Rentaro Kato
錬太郎 加藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動体から支持部材への振動伝達力と共に、
振動体自体の振動変位量をも、可及的に小さくすること
のできる振動体の防振装置の提供。 【構成】 (a)振動体10および支持部材14に対し
て変位可能に配設された質量体16と、(b)質量体1
6と振動体10とを弾性的に連結する第一のばね手段1
8と、(c)質量体16と振動体10との間に加振力を
及ぼす第一の加振手段20と、(d)質量体16と支持
部材14とを弾性的に連結する第二のばね手段22と、
(e)質量体16と支持部材14との間に加振力を及ぼ
す第二の加振手段24と、(f)振動体10の振動変位
量と、振動体10から支持部材14への振動伝達力と
が、共に低レベルとなるように、第一の加振手段20お
よび第二の加振手段24の作動を制御する制御手段と
を、有することを特徴とする振動体の防振装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、振動体を所定の支持部材に対し
て防振支持乃至は防振連結せしめる振動体の防振装置に
係り、特に、自動車におけるパワーユニットの車体に対
する防振支持機構等に有利に適用される振動体の防振装
置に関するものである。
【0002】
【背景技術】かくの如き防振装置としては、従来から、
ゴム弾性体等のばね要素を有するものが広く採用されて
おり、更に近年では、要求される防振性能の高度化に対
処するために、図4に示されているように、ばね要素2
に加えて力発生要素4を設け、振動体6から支持部材8
に伝達される振動伝達力:Ft が小さくなるように力発
生要素4の作動を制御することにより、防振特性を能動
制御するようにした制御型防振装置が、特開昭64−8
3742号公報等に提案されている。
【0003】ところが、このような従来の制御型防振装
置においては、振動伝達力:Ft をどんなに小さく、或
いは0にしても、振動体6の振動変位が0とならずに残
ってしまうという不具合があった。
【0004】すなわち、図4に示された振動伝達系にお
いて、ばね要素2のばね定数をK,力発生要素4によっ
て及ぼされる力をFa ,振動体6に及ぼされる加振力を
0とし、また振動体6の質量をM,変位量をxとする
と、その運動方程式および力の釣合式は、下式にて表さ
れる。 M・f″( x ) = F0 −(Kx+Fa ) Kx+Fa = Ft
【0005】そこにおいて、振動伝達力:Ft による支
持部材8の振動を0とするには、かかる振動伝達力:F
t が0となるように、Fa を制御する必要があり、一
方、振動体6の振動を0とするには、f″( x )が0と
なるように、即ちFt =F0 となるように、Fa を制御
する必要があるが、これら両制御は相反する制御である
ために、両立しないのである。
【0006】それ故、例えば自動車におけるパワーユニ
ットの支持系に適用した場合に、振動伝達力:Ft によ
るボデー側振動を抑えたとしても、パワーユニット自体
の振動が残ってしまい、このパワーユニットの振動が、
かかる支持系以外の連結部材であるインテークマニホル
ドや排気管等を通じて車体側に伝達されたり騒音を発生
するために、車両全体でみると、パワーユニットの加振
力に起因する振動,騒音を、充分に低減することができ
ないという問題があったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、振動体から支持部材への振動伝達力と共
に、振動体自体の振動変位量を、可及的に低減すること
のできる、新規な防振装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、振動体を支持部材に対して
防振支持乃至は防振連結せしめる振動体の防振装置であ
って、(a)前記振動体および前記支持部材に対して変
位可能に配設された質量体と、(b)該質量体と前記振
動体との間に介装されて、それらを弾性的に連結する第
一のばね手段と、(c)前記質量体と前記振動体との間
に介装されて、それらの間に防振すべき振動方向の加振
力を及ぼす第一の加振手段と、前記質量体と前記支持部
材との間に介装されて、それらを弾性的に連結する第二
のばね手段と、(d)前記質量体と前記支持部材との間
に介装されて、それらの間に防振すべき振動方向の加振
力を及ぼす第二の加振手段と、(e)前記振動体の振動
変位量と、該振動体から前記支持部材に伝達される振動
伝達力とが、共に低レベルとなるように、前記第一の加
振手段および前記第二の加振手段の作動を制御する制御
手段とを、有することにある。
【0009】また、本発明は、かくの如き振動体の防振
装置であって、前記制御手段が、(イ)前記振動体にお
ける起振力または前記質量体の振動を検出する第一の検
出手段と、(ロ)前記振動体の振動を検出する第二の検
出手段と、(ハ)前記支持部材の振動を検出する第三の
検出手段とを、備え、前記第一の検出手段からの信号を
基準信号とすると共に、前記第二の検出手段および前記
第三の検出手段からの信号をそれぞれ誤差信号とし、該
誤差信号が最小となるように、前記第一の加振手段およ
び前記第二の加振手段の作動を適応制御するようになっ
ているものをも、その特徴とするものである。
【0010】また、本発明は、上記の何れかの振動体の
防振装置であって、前記振動体と前記質量体との間およ
び前記振動体と前記支持部材との間の少なくとも一方
に、それらの間に振動減衰力を及ぼす減衰手段が設けら
れているものをも、その特徴とするものである。
【0011】更にまた、本発明は、上記の何れかの振動
体の防振装置であって、前記振動体を前記支持部材に対
して、前記質量体を介しないで防振支持乃至は防振連結
する別の支持系が並列的に設けられているものをも、そ
の特徴とするものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0013】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た振動体の防振装置の一具体例が、モデル的に示されて
いる。なお、本実施例は、自動車のパワーユニットのボ
デーに対する防振支持機構に本発明を適用したものであ
って、車両上下方向(図1中、上下方向)の振動を防振
することを目的とするものとして、以下、説明する。
【0014】かかる図1において、10は、エンジンを
含むパワーユニットであり、内燃機関における燃焼時の
トルク変動等に起因して、加振力:F0 が作用してい
る。そして、かかるパワーユニット10は、防振支持装
置12により、ボデー14に対して防振支持せしめられ
ている。
【0015】そこにおいて、防振支持装置12は、質量
体16を含んで構成されている。この質量体16は、パ
ワーユニット10とボデー14との間に位置して、少な
くとも防振すべき振動方向(本実施例では、上下方向)
に変位可能に配設されている。なお、かかる質量体16
としては、自動車のサブフレームやラジエータ等を利用
することも可能である。
【0016】そして、かかる質量体16とパワーユニッ
ト10との間には、第一のばね手段18が介装されてお
り、この第一のばね手段18によって、質量体16とパ
ワーユニット10とが、少なくとも防振すべき振動方向
において弾性的に連結されている。なお、この第一のば
ね手段としては、ゴム弾性体や空気ばね、金属ばね等の
公知の弾性部材が採用され得る。
【0017】また、質量体16とパワーユニット10と
の間には、第一のばね手段18と並列的に、第一の加振
手段20が介装されている。そして、かかる第一の加振
手段20によって、それら質量体16とパワーユニット
10との間に、防振すべき振動方向の加振力が及ぼされ
るようになっている。なお、この第一の加振手段として
は、電磁型や圧電型の駆動装置や超音波モータ、空気圧
乃至は油圧機構等のアクチュエータであって、その加振
力および加振周波数が制御可能なものが、何れも、採用
され得る。
【0018】一方、質量体16とボデー14との間に
も、第二のばね手段22と第二の加振手段24が、並列
的に介装されている。そして、かかる第二のばね手段2
2により、質量体16とボデー14とが、少なくとも防
振すべき振動方向において弾性的に連結されていると共
に、第二の加振手段24により、それら質量体16とボ
デー14との間に、防振すべき振動方向の加振力が及ぼ
されるようになっている。なお、これら第二のばね手段
22および第二の加振手段24としても、上記第一のば
ね手段18および第一の加振手段20と同様、公知の弾
性部材やアクチュエータが、何れも採用され得る。
【0019】さらに、前記質量体16には、第一のセン
サ26が装着されており、この第一のセンサ26によっ
て、質量体16の振動状態が検出されるようになってい
る。なお、かかる第一のセンサとしては、質量体16の
振動波形(振幅および周波数)を直接又は間接に検出で
きるものであれば良く、例えば、加速度センサや変位セ
ンサ,速度センサ,荷重センサ,マイク等を採用するこ
とができる。
【0020】また、パワーユニット10には第二のセン
サ28が、更にボデー14には第三のセンサ30が、そ
れぞれ、装着されており、パワーユニット10およびボ
デー14の振動状態がそれぞれ検出されるようになって
いる。なお、これら第二のセンサ28および第三のセン
サ30としても、上記第一のセンサ26と同様、公知の
加速度センサ等が、採用され得る。
【0021】従って、上述の如く構成された防振支持装
置12により、パワーユニット10がボデー14に支持
されてなる支持系において、第一のばね手段18のばね
定数をK1 ,第一の加振手段20によって及ぼされる力
をFa1,第二のばね手段22のばね定数をK2 ,第二の
加振手段24によって及ぼされる力をFa2とし、またパ
ワーユニット10の質量をM,質量体16の質量をm,
パワーユニット10の変位量をx1 ,質量体16の変位
量をx2 とし、またボデー14への伝達力をFt とする
と、かかる支持系における運動方程式および力の釣合式
は、下記(式1),(式2),(式3)にて表される。
【0022】 M・f″( x1)=−K1 ( x1 −x2 )−Fa1+F0 ・・・(式1) m・f″( x2)=K1 ( x1 −x2 )−K2 2 +Fa1−Fa2・・(式2) Ft =K2 2 + Fa2 ・・・(式3)
【0023】そこにおいて、ボデー14への伝達力:F
t と共に、パワーユニット10の振動:x1 をも、0と
するには、上記(式1〜3)より、 −mω2 2 = F0 ・・・(式4) Fa2= −K2 2 = K2 0 /mω2 ・・・(式5) Fa1=(−mω2 +K1 )x2 =F0 (1−K1 /mω2 )・・・(式6) となるように、第一及び第二の加振手段20,24に
て、Fa1およびFa2を与えれば良いことになる。
【0024】そして、それらFa1およびFa2は、上記
(式4〜6)より、F0 若しくはx2の値を検出するこ
とによって、演算にて求めることができるのである。
【0025】ところで、このような防振支持装置12の
作動制御は、振動系における振動状態や伝達特性が一定
でないことから、一般に、振動状態を把握するための基
準信号と、制御が適正に行なわれているかどうかを把握
するための誤差信号とを用いた適応制御によって行なわ
れることとなる。即ち、本実施例における防振支持装置
12は、前記第一,第二,第三のセンサ26,28,3
0からの信号がそれぞれ入力される制御装置を備えてお
り、この制御装置において、第一のセンサ26からの信
号を基準信号とし、第二及び第三のセンサ28,30か
らの信号を誤差信号として、処理することにより、パワ
ーユニット10およびボデー14の振動をそれぞれ最小
とするための、前記第一及び第二の加振手段20,24
の制御信号が出力されるようになっている。
【0026】なお、本実施例では、第一のセンサ26に
よって、質量体16の振動変位量:x2 に対応した信号
が検出されるようになっている一方、第二のセンサ28
によって、パワーユニット10の振動変位量:x1 に対
応した信号が検出されると共に、第三のセンサ30によ
って、ボデー14への振動伝達力:Ft に対応した信号
が検出されるようになっている。
【0027】より具体的には、かかる制御装置は、自動
車の走行条件やエンジン状態、或いは制御装置を構成す
るセンサやアンプの特性等の環境変化に応じて伝達特性
を変化させることにより適応型制御を行なう制御装置で
あって、例えば、図2に示されている如く、第一の適応
型デジタルフィルタ(ADF1)32と第二の適応型デ
ジタルフィルタ(ADF2)34を含んで構成される。
【0028】そこにおいて、第一の適応型デジタルフィ
ルタ32は、第一のセンサ(ACC1)26から入力さ
れる信号を基準信号として、第一の加振手段(ACT
1)20の作動制御のための信号を出力するものであ
り、また、第二の適応型デジタルフィルタ34は、第一
のセンサ(ACC1)26から入力される信号を基準信
号として、第二の加振手段(ACT2)24の作動制御
のための信号を出力するものである。そして、これら第
一の適応型デジタルフィルタ32および第二の適応型デ
ジタルフィルタ34のフィルタ係数は、第二のセンサ
(ACC2)28および第三のセンサ(ACC3)30
から入力される誤差信号により、適応アルゴリズムに従
って、逐次、修正されるようになっている。
【0029】すなわち、かかる制御装置においては、先
ず、第一のセンサ26にて検出された、質量体16の変
位量:x2 に対応した信号が、ローパスフィルタ(LP
F)36およびA/D変換器(A/D)38を通じて、
第一の適応型デジタルフィルタ32および第二の適応型
デジタルフィルタ34に、基準信号として入力される。
【0030】次いで、第一の適応型デジタルフィルタ3
2において、前記(式4〜6)に従ってFa1が求めら
れ、第一の加振手段20の出力値がFa1となるように、
かかる第一の加振手段20の作動信号が出力される。そ
して、この作動信号が、D/A変換器(D/A)40,
ローパスフィルタ(LPF)42およびアンプ(AMP
1)44を通じて、第一の加振手段20に入力されるこ
とにより、かかる第一の加振手段20が、パワーユニッ
ト10と質量体16との間にFa1の加振力を及ぼし得る
ように作動制御せしめられることとなるのである。
【0031】また一方、第二の適応型デジタルフィルタ
34においては、前記(式4〜6)に従ってFa2が求め
られ、第二の加振手段24の出力値がFa2となるよう
に、かかる第二の加振手段24の作動信号が出力され
る。そして、この作動信号が、D/A変換器(D/A)
46,ローパスフィルタ(LPF)48およびアンプ
(AMP2)50を通じて、第二の加振手段24に入力
されることにより、かかる第二の加振手段24が、質量
体16とボデー14との間にFa2の加振力を及ぼし得る
ように作動制御せしめられることとなるのである。
【0032】また、上述の如き、第一及び第二の加振手
段20,24による加振状態下において、パワーユニッ
ト10の振動変位量:x1 に対応した信号およびボデー
14への振動伝達力:Ft に対応した信号が、第二のセ
ンサ28および第三のセンサ30によって、それぞれ検
出される。更に、かかる第二のセンサ28による検出信
号がローパスフィルタ(LPF)52およびA/D変換
器(A/D)54を通じて、また第三のセンサによる検
出信号がローパスフィルタ(LPF)56およびA/D
変換器(A/D)58を通じて、それぞれ、第一及び第
二の適応型デジタルフィルタ32,34に入力される。
【0033】そして、これら第一及び第二の適応型デジ
タルフィルタ32,34において、第二のセンサ28に
て検出されるパワーユニット10の振動変位量:x1
第三のセンサ30にて検出されるボデー14への振動伝
達力:Ft が、共に0若しくは問題とならない程小さく
なるように、自動車の走行条件等による外乱や振動制御
系の伝達特性等の変化に応じて、それら第一及び第二の
適応型デジタルフィルタ32,34のフィルタ係数を高
速で変化させることにより、かかる第一及び第二の適応
型デジタルフィルタ32,34におけるフィルタ係数
が、そのような変化に追従して、逐次、更新せしめられ
ることとなるのである。
【0034】なお、かかる第一及び第二の適応型デジタ
ルフィルタ32,34における適応アルゴリズムは、最
小二乗法や逐次回帰法、ニュートン法、最急降下法等で
構成することが可能であるが、一般に、最小二乗法が採
用される。
【0035】また、第一及び第二の適応型デジタルフィ
ルタ32,34に入力される第一のセンサ26からの入
力信号(基準信号)と、第二及び第三のセンサ28,3
0からの入力信号(誤差信号)は、同時刻のものである
べきであることから、必要に応じて、公知の手法に従
い、入力回路上に遅延素子やデジタルフィルタ等にて構
成された遅延回路が組み込まれる。更にまた、かくの如
き制御は、フィードバック要素が強いことから、必要に
応じて、デジタルフィルタ等を用いた発振防止回路が、
付加される。
【0036】従って、上述の如き制御装置を備えた防振
支持装置12によれば、ボデー14への振動伝達力:F
t と、パワーユニット10自体の振動変位量:x1
が、共に0若しくは問題とならない程小さくなるよう
に、防振特性を能動制御することができるのである。
【0037】そして、それ故、かかる防振支持装置12
を通じて伝達される振動伝達力:Ft によって生ぜしめ
られるボデー14の振動のみならず、パワーユニット1
0自体の振動変位が防振支持装置12以外の連結部材、
例えばインテークマニホルドや排気管等を通じてボデー
14側に伝達されることに起因して惹起される、ボデー
14の振動や騒音も、極めて有効に軽減乃至は防止され
得るのであり、以て、パワーユニット10の防振支持性
能が飛躍的に向上され得て、極めて優れた防振効果が発
揮され得ることとなるのである。
【0038】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0039】例えば、前記実施例では、本発明の最も基
本的なモデルについて説明したが、本発明は、実際の防
振支持乃至は防振連結機構の構造やそこにおいて要求さ
れる防振特性等に応じて、適宜、設計変更型や発展型の
構成を採用することが可能である。
【0040】具体的には、例えば、図3に示されている
ように、前述の如く、第一のばね手段18および第一の
加振手段20と、第二のばね手段22および第二の加振
手段24が、パワーユニット10とボデー14との間
に、質量体16を挟んで直列的に配設されてなる構造の
防振支持装置12とは別の支持系60が、パワーユニッ
ト10とボデー14との間に、かかる防振支持装置12
と並列的に設けられてなる防振支持構造を採用すること
も可能である。
【0041】そして、このような支持系60を採用すれ
ば、パワーユニット10のボデー14に対する支持系の
設計自由度、延いては防振支持装置12を構成する第一
及び第二のばね手段18,22や第一及び第二の加振手
段20,24における設計自由度も有利に確保され得る
のである。
【0042】なお、かくの如き支持系60を設けた場合
には、防振支持装置12を通じてボデー14側に伝達さ
れる振動伝達力だけでなく、支持系60を通じてボデー
14側に伝達される振動伝達力をも含めた振動伝達力
を、第三のセンサ30にて検出し、かかる検出信号を誤
差信号として採用することが望ましい。
【0043】また、防振支持装置12の制御としては、
前述の如く、ボデー14への振動伝達力:Ft と、パワ
ーユニット10自体の振動変位量:x1 を、共に0にし
なくても、それらを実用上問題のないレベルに設定する
ことが可能であるが、そのような制御を行なうことによ
り、第一及び第二のばね手段18,22のばね定数や第
一及び第二の加振手段20,24の性能などに選択の幅
をもたせることができ、設計自由度が有利に確保され得
ることとなる。
【0044】更にまた、前記実施例では、鉛直方向の振
動に対して有効な防振効果を発揮し得る構造の防振支持
装置の一具体例を示したが、第一及び第二のばね手段1
8,22の弾性方向や第一及び第二の加振手段20,2
4の加振方向、質量体16の変位方向等を適当に設定す
ることにより、各種方向の振動に対して防振効果を発揮
し得る防振支持装置を構成することが可能であり、ロー
ル振動等の回転方向の振動に対しても有効な防振支持装
置を構成することができる。
【0045】また、自動車におけるパワーユニットの防
振支持装置に適用する場合には、かかるパワーユニット
の振動が、最大、6自由度系を持つ剛体振動として把握
されることから、各センサの振動検出方向や加振手段に
よる加振方向を、複数組み合わせることによって、多次
元の防振支持装置を構成することも可能である。
【0046】更にまた、前記実施例では、第一のセンサ
26にて検出される質量体16の変位量:x2 に対応し
た信号が基準信号として用いられていたが、それに代え
て、パワーユニット10における起振力:F0 に対応し
た信号を検出し、それを基準信号として採用すること等
も可能である。
【0047】さらに、図1及び図3においてモデル的に
示された第一のばね手段18と第一の加振手段20、或
いは第二のばね手段22と第二の加振手段24は、それ
らを別部材にて構成することも可能であるが、例えば、
特開平2−42228号公報や実開平3−73741、
或いは本願出願人が先に出願した特願平3−34192
9号および特願平3−339876号等において提案さ
れている如く、アクチュエータを内蔵した防振装置を採
用することも可能であり、それによって、防振装置の構
造の簡略化や装置のコンパクト化が有利に達成され得
る。
【0048】また、パワーユニット10のボデー14に
対する防振支持系に対して、減衰手段を付加することも
可能であり、それによってシェイク等の低周波振動に対
しても有効な減衰効果を得ることができる。
【0049】加えて、前記実施例では、本発明を、自動
車におけるパワーユニットのボデーに対する防振支持系
に対して適用したものの一具体例を示したが、本発明
は、その他、振動体を所定の支持部材に対して防振支持
乃至は防振連結せしめる各種振動体の防振装置に対し
て、何れも、有利に適用され得るものである。
【0050】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた防振装置においては、防振支持乃至
は連結系を通じて伝達される振動伝達力と共に、振動体
自体の振動変位量も可及的に小さくされ得ることから、
かかる防振支持乃至は連結系を通じて伝達される振動伝
達力によって生ぜしめられる支持部材の振動のみなら
ず、振動体自体の振動変位が防振支持乃至は連結系以外
の連結部材を通じて支持部材側に伝達されることに起因
して惹起される、支持部材の振動や騒音も、極めて有効
に軽減乃至は防止され得るのである。
【0052】そして、それ故、かかる防振装置において
は、防振支持乃至は連結系を通じて伝達される振動伝達
力の軽減のみを目的とする従来の制御型防振装置に比し
て、防振性能が飛躍的に向上され得て、極めて優れた防
振効果が発揮され得るのである。
【0053】また、第一及び第二の加振手段の作動を適
応制御するようにした請求項2に記載の防振装置におい
ては、外乱や振動制御系の伝達特性等の変化に起因する
防振性能の変化を有利に軽減乃至は防止することが可能
であり、それによって、より一層高精度で且つ安定した
防振性能を得ることができるのである。
【0054】更にまた、減衰手段を付加せしめてなる請
求項3に記載の防振装置においては、かかる減衰手段に
よって発揮される減衰力に基づいて、低周波振動に対す
る減衰効果をも、有利に得ることができるのである。
【0055】さらに、振動体と支持部材との間に、それ
らを質量体を介しないで連結する別の支持系を並列的に
設けてなる請求項4に記載の防振支持装置においては、
振動体と支持部材との防振支持乃至は防振連結系におけ
る設計自由度が、有利に確保され得るといった効果が奏
され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての防振装置の構成を概
略的に示すモデル図である。
【図2】図1に示された防振装置における制御装置の一
具体例を示すブロック図である。
【図3】本発明の別の実施例としての防振装置の構成を
概略的に示すモデル図である。
【図4】従来構造の防振装置の一例を概略的に示す図で
ある。
【符号の簡単な説明】
10 パワーユニット 12 防振支持装置 14 ボデー 16 質量体 18 第一のばね手段 20 第一の加振手段 22 第二のばね手段 24 第二の加振手段 26 第一のセンサ 28 第二のセンサ 30 第三のセンサ 32 第一の適応型デジタルフィルタ 34 第二の適応型デジタルフィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体を支持部材に対して防振支持乃至
    は防振連結せしめる振動体の防振装置であって、 前記振動体および前記支持部材に対して変位可能に配設
    された質量体と、 該質量体と前記振動体との間に介装されて、それらを弾
    性的に連結する第一のばね手段と、 前記質量体と前記振動体との間に介装されて、それらの
    間に防振すべき振動方向の加振力を及ぼす第一の加振手
    段と、 前記質量体と前記支持部材との間に介装されて、それら
    を弾性的に連結する第二のばね手段と、 前記質量体と前記支持部材との間に介装されて、それら
    の間に防振すべき振動方向の加振力を及ぼす第二の加振
    手段と、 前記振動体の振動変位量と、該振動体から前記支持部材
    に伝達される振動伝達力とが、共に低レベルとなるよう
    に、前記第一の加振手段および前記第二の加振手段の作
    動を制御する制御手段とを、有することを特徴とする振
    動体の防振装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、前記振動体における起
    振力または前記質量体の振動を検出する第一の検出手段
    と、 前記振動体の振動を検出する第二の検出手段と、 前記支持部材の振動を検出する第三の検出手段とを、備
    え、前記第一の検出手段からの信号を基準信号とすると
    共に、前記第二の検出手段および前記第三の検出手段か
    らの信号をそれぞれ誤差信号とし、該誤差信号が最小と
    なるように、前記第一の加振手段および前記第二の加振
    手段の作動を適応制御するようになっている請求項1に
    記載の振動体の防振装置。
  3. 【請求項3】 前記振動体と前記質量体との間および前
    記振動体と前記支持部材との間の少なくとも一方に、そ
    れらの間に振動減衰力を及ぼす減衰手段が設けられてい
    る請求項1又は2に記載の振動体の防振装置。
  4. 【請求項4】 前記振動体を前記支持部材に対して、前
    記質量体を介しないで防振支持乃至は防振連結する別の
    支持系が並列的に設けられている請求項1乃至3の何れ
    かに記載の振動体の防振装置。
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