JPH08170687A - 能動型防振装置および能動型防振制御方法 - Google Patents

能動型防振装置および能動型防振制御方法

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JPH08170687A
JPH08170687A JP6316762A JP31676294A JPH08170687A JP H08170687 A JPH08170687 A JP H08170687A JP 6316762 A JP6316762 A JP 6316762A JP 31676294 A JP31676294 A JP 31676294A JP H08170687 A JPH08170687 A JP H08170687A
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JP
Japan
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vibration
point
evaluation
vibrating
points
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Application number
JP6316762A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ichikawa
浩幸 市川
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加振手段による加振力が及ぼされる加振点及
び/又は加振手段の制御用信号を得る評価点の好適な設
定位置を、容易且つ有効に選定可能とすること。 【構成】 防振対象体に加振力を及ぼす加振手段と、該
防振対象体における所定の評価点の振動状態を検出する
振動検出手段とを、それぞれ複数設けて、各加振手段を
少なくとも二つの振動検出手段によって得られた検出信
号に基づいてそれぞれ制御することにより、各評価点に
おける振動を能動的に低減するようにした能動型防振装
置において、複数の加振手段にそれぞれ制御用検出信号
を与える複数の振動検出手段の各評価点を、一つの加振
手段から各評価点に至る振動伝達の位相差がそれら各加
振手段間において40度以下の差となるように設定し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、防振対象体に加振力を及ぼすこ
とにより防振対象体における振動を能動的に抑えるアク
ティブタイプの防振技術に関するものであり、詳しく
は、能動型防振装置と能動型防振制御方法および能動型
防振装置における評価点位置決定方法に関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】近年、防振性能に関する高度な要求を達成
するための一つの手段として、特開昭64−83742
号公報や特開平3−219140号公報等に開示されて
いるように、防振対象体に加振力を及ぼすことにより、
防振対象体の振動を相殺的に低減する能動型防振装置が
提案されており、例えば、自動車のエンシンマウントへ
の適用が検討されている。
【0003】このような能動型防振装置は、前記公報に
も記載されているように、一般に、防振対象体に加振力
を及ぼす加振手段と、該防振対象体における所定の評価
点の振動状態を検出する振動検出手段とを含んで構成さ
れており、振動検出手段による検出信号に基づいて得ら
れた誤差信号が最小となるように加振手段を適応制御す
ることによって、評価点における振動を能動的に低減せ
しめるようになっている。
【0004】ところで、より有効な防振効果を得るため
には、例えば、加振手段を複数設けることによって有効
な加振力を得ると共に、振動検出手段による評価点を複
数設定して、それら各評価点において何れも有効な防振
効果が発揮されるように加振手段を適応制御することが
考えられる。また、そのように加振手段と振動検出手段
をそれぞれ複数設けて、各加振手段を複数の振動検出手
段によって得られた検出信号に基づいて制御する場合に
は、複数の加振手段によって複数の評価点における振動
を何れも相殺し得る加振力を生ぜしめることは事実上不
可能であるから、一般に、各振動検出手段による検出信
号に基づいて得られた誤差信号の二乗和が最小となるよ
うに適応制御することにより、複数の評価点における振
動を平均的に下げることが行われる。
【0005】ところが、このように誤差信号の二乗和を
用いた平均化による適応制御を行うと、各加振手段と各
振動検出手段による評価点との間の振動伝達特性が一定
でないこと等に起因して、何等の振動低減効果が得られ
ないか、或いは逆に振動状態が悪化してしまう評価点が
発生するおそれがあった。即ち、上述の如き能動型防振
装置においては、振動検出手段の評価点を設置する位置
によって発揮される防振特性が変わるのであり、最適な
評価点の設置位置を見い出すことが極めて重要とされる
のである。
【0006】しかしながら、有効な防振効果を得ること
の出来る評価点を選定するためには、実稼働状態下にお
いて加振手段を適応制御した場合の防振効果(評価点に
おける振動レベル)を、多数の評価点候補位置について
それぞれ実測しなければならず、極めて膨大な実験デー
タが必要となるために、作業が極めて煩雑で長時間を要
するという問題があり、現実的には時間的制約等から最
適な評価点を見い出すことが困難で、必ずしも有効な防
振効果を得ることが出来なかったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、加振手段による加振力が及ぼされる加振点
及び/又は加振手段の制御用信号を得る評価点の好適な
設定位置を、簡単な作業と短い時間で容易に選定するこ
とが可能であり、有効で且つ安定した防振効果を得るこ
との出来る能動型防振装置と能動型防振制御方法および
能動型防振装置における加振点及び/又は評価点の位置
決定方法を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、防振対象体に加振力を及ぼ
す加振手段と、該防振対象体における所定の評価点の振
動状態を検出する振動検出手段とを、それぞれ複数設け
て、前記各加振手段を少なくとも二つの前記振動検出手
段によって得られた検出信号に基づいてそれぞれ制御す
ることにより、前記各評価点における振動を能動的に低
減するようにした能動型防振装置において、複数の前記
加振手段にそれぞれ制御用検出信号を与える複数の前記
振動検出手段の前記各評価点を、一つの加振手段から各
評価点に至る振動伝達の位相差がそれら各加振手段間に
おいて40度以下の差となるように設定した能動型防振
装置にある。
【0009】また、かくの如き本発明に係る能動型防振
装置の好ましい第一の態様においては、前記一つの加振
手段から該加振手段にそれぞれ制御用検出信号を与える
複数の前記振動検出手段の前記各評価点に至る振動伝達
レベルが、何れの評価点においても、最大値を与える評
価点における振動伝達レベルの30%以上となるよう
に、かかる評価点が設定される。
【0010】さらに、本発明は、防振対象体に加振力を
及ぼす複数の加振手段を、それぞれ、該防振対象体にお
ける複数の評価点の振動状態の検出信号に基づいて制御
せしめて、前記各評価点における振動を能動的に低減す
る能動型防振制御方法であって、複数の前記加振手段に
それぞれ制御用検出信号を与える前記各評価点を、一つ
の加振手段から各評価点に至る振動伝達の位相差がそれ
ら各加振手段間において40度以下の差となるように設
定する能動型防振制御方法をも、特徴とする。
【0011】また、本発明は、防振対象体における所定
の加振点に加振力を及ぼす加振手段と、該防振対象体に
おける所定の評価点の振動状態を検出する振動検出手段
とを、それぞれ複数設けて、前記各加振手段を少なくと
も二つの前記振動検出手段によって得られた検出信号に
基づいて制御することにより、前記各評価点における振
動を能動的に低減せしめる能動型防振装置において、前
記加振点及び/又は前記評価点の設定位置を決定する能
動型防振装置における評価点位置決定方法であって、
(イ)前記加振点及び/又は前記評価点の候補点を複数
設定する工程と、(ロ)前記候補点を含む前記各加振点
において加振力を及ぼして、それら加振点から前記候補
点を含む前記各評価点に至る振動伝達特性を測定する工
程と、(ハ)一つの加振点から各評価点に至る振動伝達
の位相差が、前記各加振点間において40度以下の差と
なる前記候補点を選定することにより、前記加振点及び
/又は評価点を決定する工程とを、含む能動型防振装置
における加振点及び/又は評価点の位置決定方法をも、
特徴とする。
【0012】なお、上述の如き本発明に係る能動型防振
制御方法および能動型防振装置における評価点位置決定
方法の何れにおいても、好ましくは、前記一つの加振手
段から該加振手段にそれぞれ制御用検出信号を与える複
数の前記評価点に至る振動伝達レベルが、何れの評価点
においても、最大値を与える評価点における振動伝達レ
ベルの30%以上となるように、かかる評価点が設定さ
れる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。なお、本実施例においては、複数のエン
ジンマウントによってパワーユニットを車体に対して防
振支持せしめた自動車の能動型エンジンマウント機構に
対して、本発明を適用した場合について説明する。
【0014】先ず、図1には、振動発生源としてのパワ
−ユニット10と、防振対象体としての車体の基本フレ
ーム部分12,14がモデル的に示されていると共に、
加振手段としての能動型エンジンマウントの装着候補部
位:A,B,Cと、振動検出手段の評価点としてのセン
サの装着候補部位:a〜tが、それぞれ、図示されてい
る。なお、これら能動型エンジンマウントの装着候補部
位:A,B,Cおよびセンサの装着候補部位:a〜t
は、何れも、自動車の構造や従来データ等を考慮して選
定されたものである。また、能動型エンジンマウントと
しては、特開平2−42228号公報等に開示されてい
るように、適当な加振手段を防振マウントに組み込んだ
ものが好適に用いられるが、その他、車体に対して加振
力を及ぼし得るものであって、且つその加振力および加
振周波数が制御可能なものであれば良く、例えば、防振
マウントを構成しない公知の電磁型や圧電型のアクチュ
エータや超音波モータ,空気乃至は油圧機構などを用い
ることも可能である。更にまた、センサとしては、車体
の振動波形(振幅および周波数)を検出できるものであ
れば良く、例えば、加速度センサや変位センサ,速度セ
ンサ,荷重センサ,マイク等を用いることが出来る。
【0015】そして、本実施例では、何れか2つの能動
型エンジンマウントを、それぞれ、何れか2つのセンサ
の検出信号に基づいて、それら2つのセンサの評価点
(装着部位)における振動レベルを低減するように適応
制御するに際して、最も有効な防振効果を得ることが出
来る2つの能動型エンジンマウントと2つのセンサの組
み合わせを求めることとする。
【0016】なお、かくの如く、2つの能動型エンジン
マウントを、それぞれ、2つのセンサの検出信号に基づ
いて、適応型デジタルフィルタ(ADF)を用いて適応
制御する場合の制御系の具体例を、図2に、ブロック図
として示しておく。そこにおいて、適応フィルタの更新
式としては、例えば、下式が採用される。 Wk+1 = Wk +(2u/(L+1)σk 2 )εk k σk 2 = αrk 2 +(1−α)σk-1 2 ここで、σk 2 は入力の平均パワーを示し、Rk はシス
テム全体の伝達特性を考慮した場合の参照入力であり、
下式で表される。 Rk =[GT ・Xk ,GT ・Xk-1 ,・・・,GT ・X
k-L T =[rk ,rk-1 ,・・・,rk-L T
【0017】先ず、図1に示された能動型エンジンマウ
ントの装着候補部位:A,B,Cに、それぞれ、適当な
加振手段(能動型エンジンマウント等)を装着すると共
に、センサの装着候補部位:a〜tに、それぞれ、適当
な振動センサ(加速度センサ等)を装着する。そして、
エンジン停止状態下で、それぞれの加振手段によって車
体に加振力を及ぼし、a〜tの各部位における振動レベ
ルを振動センサによって検出する。これによって、能動
型エンジンマウントの各装着候補部位:A,B,Cから
センサの各装着候補部位:a〜tに至る振動伝達の位相
ずれ:δと振動伝達レベル:Gを測定する。
【0018】なお、加振手段によって車体に及ぼす加振
力は、車体の振動伝達レベルの周波数特性を考慮し、実
際に防振を目的とする周波数域の加振力とすることが望
ましい。なお、本実施例では、防振対象振動をアイドリ
ング振動域に相当する28Hzの振動とし、加振手段によ
って28Hzの振動を車体に及ぼした。また、上述の如
く、加振手段と振動センサを用いて、能動型エンジンマ
ウントの各装着候補部位:A,B,Cからセンサの各装
着候補部位:a〜tに至る振動伝達特性を求める具体的
手法は、モーダル解析として公知の技術であり、例えば
「機械のモーダル・アナリシス(大久保信行著 昭和5
7年5月 中央大学出版部発行)」や「モード解析の基
礎と応用(日本機械学会編 昭和61年7月 丸善株式
会社発行)」等に記載されていることから、詳細な説明
を省略する。
【0019】かくの如き測定方法に従い、実際に測定し
た結果の一部を、図3〜5に示す。なお、振動伝達レベ
ル:Gは、適応型デジタルフィルタによって構成された
コントローラ内部への入出力信号の比であって、本実施
例では、チャージアンプの増幅率を一定として電位差の
入出力比で表した。また、かかる測定に際しては、FF
型4気筒ディーゼルエンジンの車両を用いた。なお、以
下においては、説明を簡略とするために、図3〜5に示
された結果の範囲内だけで、マウントおよびセンサの装
着部位の選定方法を説明することとする。
【0020】すなわち、このようにして得られた結果に
基づいて、有効な防振効果を得ることの出来る、2つの
能動型エンジンマウントの装着部位と、それらの制御用
信号を与える2つのセンサの装着部位とを、決定するに
際しては、先ず、選定しようとする何れか2つのセンサ
の装着部位における同一のマウント装着部位(A〜Cの
何れか一つ)からの振動伝達の位相差が、選定しようと
する何れか2つのマウント装着部位間で、40度を越え
て大きく異なる場合には、良好なる制御特性が実現出来
ず、有効な防振効果が発揮されないものと推定する。
【0021】具体的には、二つのマウント装着部位とし
て、車両前部(A)と車両右部(B)を採用すると共
に、二つのセンサ装着部位として、運転席(q)と助手
席(r)を採用した場合(具体的選定例)には、マウ
ント装着部位:Aに対する二つのセンサ装着部位:q,
rにおける振動伝達の位相差が(103.2−123.
8)=−20.6となると共に、マウント装着部位:B
に対する二つのセンサ装着部位:q,rにおける振動伝
達の位相差が〔62.74−(−76.5)〕=13
9.24となるから、それら両位相差の差が(−20.
6−139.24)=−159.84(度)となり、非
常に大きいために、このようなマウント装着部位とセン
サ装着部位の組み合わせでは、到底、有効な防振効果が
発揮され得ないものと推定される。
【0022】一方、二つのマウント装着部位として、車
両前部(A)と車両後部(C)を採用すると共に、二つ
のセンサ装着部位として、運転席(q)と点:eを採用
した場合(具体的選定例)には、マウント装着部位:
Aに対する二つのセンサ装着部位:q,eにおける振動
伝達の位相差が(103.2−79.55)=23.6
5となると共に、マウント装着部位:Cに対する二つの
センサ装着部位:q,eにおける振動伝達の位相差が
〔−84.2−(−92.0)〕=7.8となるから、
それら両位相差の差が23.65−7.8=15.85
(度)となり、かなり小さいことから、このようなマウ
ント装着部位とセンサ装着部位の組み合わせによって、
有効な防振効果が発揮されるものと推定される。
【0023】また、二つのマウント装着部位として、車
両前部(A)と車両後部(C)を採用すると共に、二つ
のセンサ装着部位として、点:eと点:mを採用した場
合(具体的選定例)には、マウント装着部位:Aに対
する二つのセンサ装着部位:e,mにおける振動伝達の
位相差が(79.55−78.48)=1.07となる
と共に、マウント装着部位:Cに対する二つのセンサ装
着部位:e,mにおける振動伝達の位相差が〔−92.
0−(−96.9)〕=4.9となるから、それら両位
相差の差が1.07−4.9=−3.83(度)とな
り、極めて小さいことから、このようなマウント装着部
位とセンサ装着部位の組み合わせによっても、有効な防
振効果が発揮されるものと推定される。
【0024】さらに、二つのマウント装着部位として、
車両前部(A)と車両右部(B)を採用すると共に、二
つのセンサ装着部位として、点:eと点:mを採用した
場合(具体的選定例)には、マウント装着部位:Aに
対する二つのセンサ装着部位:e,mにおける振動伝達
の位相差が(79.55−78.48)=1.07とな
ると共に、マウント装着部位:Bに対する二つのセンサ
装着部位:e,mにおける振動伝達の位相差が60.3
9−20.35=40.04となるから、それら両位相
差の差が1.07−40.04=−38.97(度)と
なり、前記具体的選定例よりは十分に小さいが、前記
具体的選定例,よりは大きいことから、このような
マウント装着部位とセンサ装着部位の組み合わせによれ
ば、或る程度は有効な防振効果が発揮されるものと推定
される。
【0025】加えて、本実施例では、各マウント装着部
位から各センサ装着部位に至る振動伝達レベル:Gも評
価することとし、全てのマウント装着部位とセンサ装着
部位の組み合わせの中で、振動伝達レベル:Gの最低値
と最大値の差が大きい場合には、優れた防振効果を得る
ことが難しいと推定した。具体的には、かかる振動伝達
レベル:Gの最低値が、最大値の30%以上となること
を、優れた防振効果を得るための条件とした。
【0026】具体的には、前記具体的選定例,,
では、何れも、かかる条件を満足しないが、前記具体的
選定例では、振動伝達レベル:Gの最低値(0.10
0)が最大値(0.216)の約46%となり、前記振
動伝達の位相差による評価と併せて考えれば、極めて優
れた防振効果が発揮されるものと推定される。
【0027】因みに、各具体的選定例〜について、
防振効果を実車で測定し、その結果を下記[表1]に示
す。なお、かかる測定は、前述の如き装着点の選定のた
めの測定に用いたのと同じFF型4気筒ディーゼルエン
ジンの車両を使用して行い、アイドリング状態におい
て、図2に示された制御システムに従って各能動型エン
ジンマウントを適応制御した場合に、各能動型エンジン
マウントを加振作動させなかった場合に比べて、車体に
おける各点q(運転席),r(助手席),e,mでの振
動レベルがどれだけ低下したかを、表1中にデシベル
(dB)値で表した。
【0028】
【表1】
【0029】かかる表1の結果からも、上述の如き、振
動伝達の位相差と振動伝達レベルとに基づいて行った推
定結果が、極めて有効であることが明らかであり、特に
本実施例結果としての具体的選定例〜では、何れ
も、過半数の評価点で有効な防振効果が発揮され得るこ
とが認められる。
【0030】なお、振動伝達の位相差に基づく推定結果
が有効な理由は、一つのマウント装着点(加振点)から
各センサ装着点(評価点)に至る振動伝達の位相差が、
各マウント装着点間で40度を越えて大きく異なると、
二つのセンサ装着点の振動を低減するために一つのマウ
ントに対して位相の異なる加振力が要求されることとな
り、結果的に、二つのセンサ装着点の振動を平均的に低
減させるように防振制御を行うと、何等の振動低減効果
が得られないか、或いは逆に振動状態が悪化してしまう
場合があるからと考えられる。
【0031】また、振動伝達レベルに基づく推定結果が
有効な理由は、二つのセンサ装着点の振動を平均的に低
減させるように防振制御を行う場合に、各振動伝達レベ
ル:Gの間に大きな差があると、低い振動伝達レベルで
あったセンサ装着点は、当然、計算上考慮され難くな
り、結果的に望むべく効果が得られないことになるから
と考えられる。ただし、位相差の場合と異なり、各振動
伝達レベル:Gの間に差があっても、振動状態が悪化し
てしまうことはないことから、前記位相差に基づく判断
結果を満足していれば、或る程度の有効な防振効果を得
ることが可能である。加えて、振動伝達レベルは、チャ
ージアンプの増幅率やセンサの感度等を調節することに
よって変更可能であることから、例えば、各マウント装
着点から各センサ装着点に至る振動伝達レベルが同一と
なるように調節する場合には、チャージアンプの増幅率
を一定とした状態下での振動伝達レベルの相違を考慮す
る必要はない。
【0032】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0033】例えば、前記実施例では、二つの加振手段
を二つの振動検出手段によって得られた検出信号に基づ
いてそれぞれ制御する場合について説明したが、加振手
段および振動検出手段の数は実施例によって限定解釈さ
れるものでなく、本発明は、二つ以上の加振手段を二つ
以上の振動検出手段によって得られた検出信号に基づい
てそれぞれ制御する場合について、何れも、有効に適用
され得る。
【0034】なお、本発明の理解を容易とするために、
本発明が適用され得る、N個の加振手段をN個の振動検
出手段によって得られた検出信号に基づいてそれぞれ制
御するようにした能動型防振装置における制御系のブロ
ック図を、図6に示しておく。なお、図中の記号は、図
2に対応して示されている。
【0035】また、前記実施例では、本発明を自動車の
能動型エンジンマウント機構に対して適用したものの具
体例を示したが、本発明の適用範囲は、かかる実施例に
よって何等限定されるものでなく、各種装置の防振シス
テムに対して適用可能であり、防振対象体を所定空間内
の大気とすれば、音場の防音システム等に対して適用す
ることも可能である。
【0036】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0037】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従えば、振動系を実際に稼働させることなく、モーダ
ル解析によって得られる情報を利用して、有効な防振効
果を得るために適当な評価点を推定することが出来るの
であり、それ故、能動型防振装置の設計を容易且つ迅速
に行うことが出来ると共に、有効な防振効果を安定して
発揮せしめ得る能動型防振機構が、少ない労力をもって
容易に実現可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される自動車の能動型エンジンマ
ウント機構を概略的に示すモデル図である。
【図2】図1に示された能動型エンジンマウント機構に
採用され得る制御系の具体例を示すブロックである。
【図3】図1に示された能動型エンジンマウント機構に
おいて振動伝達の位相差および振動伝達レベルを実測し
た結果の一部を示す図である。
【図4】図1に示された能動型エンジンマウント機構に
おいて振動伝達の位相差および振動伝達レベルを実測し
た結果の別の一部を示す図である。
【図5】図1に示された能動型エンジンマウント機構に
おいて振動伝達の位相差および振動伝達レベルを実測し
た結果の更に別の一部を示す図である。
【図6】図2に示された制御系を一般化して示すブロッ
ク図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/178

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防振対象体に加振力を及ぼす加振手段
    と、該防振対象体における所定の評価点の振動状態を検
    出する振動検出手段とを、それぞれ複数設けて、前記各
    加振手段を少なくとも二つの前記振動検出手段によって
    得られた検出信号に基づいてそれぞれ制御することによ
    り、前記各評価点における振動を能動的に低減するよう
    にした能動型防振装置において、 複数の前記加振手段にそれぞれ制御用検出信号を与える
    複数の前記振動検出手段の前記各評価点を、一つの加振
    手段から各評価点に至る振動伝達の位相差がそれら各加
    振手段間において40度以下の差となるように設定した
    ことを特徴とする能動型防振装置。
  2. 【請求項2】 前記一つの加振手段から該加振手段にそ
    れぞれ制御用検出信号を与える複数の前記振動検出手段
    の前記各評価点に至る振動伝達レベルが、何れの評価点
    においても、最大値を与える評価点における振動伝達レ
    ベルの30%以上となるように、かかる評価点が設定さ
    れている請求項1に記載の能動型防振装置。
  3. 【請求項3】 防振対象体に加振力を及ぼす複数の加振
    手段を、それぞれ、該防振対象体における複数の評価点
    の振動状態の検出信号に基づいて制御せしめて、前記各
    評価点における振動を能動的に低減する能動型防振制御
    方法であって、 複数の前記加振手段にそれぞれ制御用検出信号を与える
    前記各評価点を、一つの加振手段から各評価点に至る振
    動伝達の位相差がそれら各加振手段間において40度以
    下の差となるように設定することを特徴とする能動型防
    振制御方法。
  4. 【請求項4】 防振対象体における所定の加振点に加振
    力を及ぼす加振手段と、該防振対象体における所定の評
    価点の振動状態を検出する振動検出手段とを、それぞれ
    複数設けて、前記各加振手段を少なくとも二つの前記振
    動検出手段によって得られた検出信号に基づいて制御す
    ることにより、前記各評価点における振動を能動的に低
    減せしめる能動型防振装置において、前記加振点及び/
    又は評価点の設定位置を決定する能動型防振装置におけ
    る加振点及び/又は評価点の位置決定方法であって、 前記加振点及び/又は前記評価点の候補点を複数設定す
    る工程と、 前記候補点を含む前記各加振点において加振力を及ぼし
    て、それら加振点から前記候補点を含む前記各評価点に
    至る振動伝達特性を測定する工程と、 一つの加振点から各評価点に至る振動伝達の位相差が、
    前記各加振点間において40度以下の差となる前記候補
    点を選定することにより、前記加振点及び/又は評価点
    を決定する工程とを、含むことを特徴とする能動型防振
    装置における加振点及び/又は評価点の位置決定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008069282A1 (ja) * 2006-12-06 2008-06-12 Sinfonia Technology Co., Ltd. 制振装置、制振装置の制御方法、制振装置のオフセット補正方法及び板バネ
JP2008144781A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Shinko Electric Co Ltd 自動車制振装置
JP2008256110A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Shinko Electric Co Ltd 制振装置及び制振装置のオフセット補正方法
CN107870639A (zh) * 2016-09-28 2018-04-03 广西大学 一种激振器控制软件

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