JPH0620878Y2 - 巻取式シ−トシヤツタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案建物、特に工場や倉庫の出入口等の間口開口部
に取付ける巻取式シートシャッターに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来のシートシャッターの代表的な１例を、第５図に基
づいて説明する。

シートシャッター１は、間口開口部の左右両側に配設し
たガイドレール２と、このガイドレール２の上方天井側
にモータ３を介して回動自在に軸支した巻取シャフト４
と、この巻取シャフト４にその上端側を止着し下端側に
は座板５を取付けてこの座板両端を夫々ガイドレール２
に収嵌したシート６とで構成している。

そして上記モータ３の時計方向の回転駆動で巻取シャフ
ト４が巻取り回転し、シート６を巻取シャフト４に巻取
ると、シート６の下端に取付けた座板５がガイドレール
２に案内されながら上動して、間口開口部を開状態にす
るものである。

また、上記とは反対にモータ３を反時計方向の回転駆動
で巻取シャフト４から巻き出され座板５がガイドレール
２に案内されながら下動して、間口開口部を閉状態にす
るものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来技術には次のような問題点があ
った。

イ）シートはその上端部を巻取シャフトに止着して懸吊
した形態であるので、風圧によりシートが煽られ、撓
み、座板を持上げる傾向となり、外気の室内侵入を許す
ことになるのみならず、ときには座板の片側端部が持上
がりガイドレールから外れるという問題点があった。

上記問題点を解決するために、シート巾方向に強度ある
骨材を取付け、風圧によるシートの煽りを抑制すること
も可能であるが、骨材を取付けたシートを巻取シャフト
に巻取るとシートが損傷しやすくなると同時に、巻取シ
ャフト側で巻きくずれが生じる問題点があった。

ロ）また、巻取シャフトは、長尺な上その両端部に軸受
を介してシートを懸吊しているので、時間の経過ととも
に中間位置から撓む傾向にあった。上記巻取シャフトの
状態でシートを懸吊するため、またシートを巻取るため
に、シートにシワが生じ、シートシャッターの美観を損
なうという問題があった。

この考案は上記問題点に鑑みなされたもので、シートの
巾方向に骨材の作用もなす巻取シャフトを取付け、風圧
に対しシートが煽られガイドレールから外れることがな
いようにするとともに、シートによって巻取シャフトを
支持させ巻取シャフトのたわみを防止するシートシャッ
ターを得ることを技術的課題とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記問題点を解決するために、間口開口部の
左右両側に配設したガイドレールと、このガイドレール
に沿って前記間口開口部を開閉する巻取自在なシート
と、このシートの中段巾方向に固定した開閉機内蔵型の
巻取シャフトと、この巻取シャフトの端部で前記開閉機
の出力軸と連結され、かつ、前記ガイドレール内に収嵌
されガイドレールの内側面と接合しうる回転転動体とか
らなる巻取式シートシャッターであって、上記回転転動
体を、前記開閉機の出力軸に固定された軸止板とその軸
止板の長手方向両端部に軸支され、かつ、その外端間を
ガイドレールの内幅よりも長く設定した一対のローラと
から構成し、巻取シャフトを固定したシートの位置を境
にシート上側とシート下側を同時に巻取シャフトに巻取
り、あるいは、巻取シャフトから同時にシートを巻き出
し可能にした巻取式シートシャッターを構成したもので
ある。

〔作用〕

この考案の巻取式シートシャッターによると、巻取シャ
フトの開閉機構を作動して、巻取シャフトを一方向に回
転させると、電動機と一体的な巻胴が回転し、巻胴にそ
の各一端が取付けられたシートのシート上側およびシー
ト下側が巻胴の反対位置から同時に巻取られる。

すると、シート上側の上端が天井側躯体に取付けられシ
ート下側の下端が自由状態となっているので、巻胴が上
昇し、軸止板の長手方向に軸支された両側のローラが巻
胴に従動してガイドレール内を上方に滑動して間口開口
部を開状態にすることになる。また、上記とは逆に開閉
機を作動して巻取シャフトを他方向に回転させれば、電
動機と一体的な巻胴が逆回転し、巻胴に巻かれていたシ
ート上側および下側が巻戻され始める。

すると、シート上側が巻戻される巻胴の回転に従動して
巻胴が下降し、軸止板の長手方向に軸支された両側のロ
ーラの巻胴に従動してガイドレール内を下方に滑動し
て、間口開口部を開状態にすることになる。

〔実施例〕

この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、この考案に係る巻取式シートシャッターの全
体を示す概略斜視図である。第２図は、第１図II−II線
矢視図であり第３図は、第１図III−III線矢視図であ
る。また、第４図は、第１図Ｅ部拡大図である。

シートシャッターＡは、建物の間口開口部の左右両側に
配設したガイドール１０ａ，１０ｂと、この間口開口部
を開閉するシート１１と、このシート１１の巾方向に固
定した巻取シャフトＢと、この巻取シャフトＢの前記ガ
イドレール１０ａ，１０ｂ内を上下動可能にする係合体
である係合ローラＣで構成している。

上記ガイドレール１０ａ，１０ｂは、断面視略コ字形の
開口側同士を対向状にして、間口開口部の左右両側躯体
に夫々取付けている。

上記シート１１は一枚もので、基布にポリエステルを用
い、その表面に塩ビコーテングを施している。

このシート１１の上端部は、袋折りした中を固定バー
（図示しない）を挿通し、取付部材１２を介して天井側
躯体に取付けている。

また、シート１１の下端部は、袋折りした中に平板状の
座板１３を挿通し、シート１１両端側から突出した状態
に取付け、前記ガイドレール１０ａ，１０ｂ内に夫々突
出部分を収嵌して、シート１１の上下動を案内するよう
にしている。

上記巻取シャフトＢは、第３図に示すように円筒状の巻
胴１４に上記シート１１を巻取るもので、巻胴１４内の
一側端には開閉機である電動機１５を固定的に設置し、
その出力軸１６を巻胴１４から突出させ上記回転転動体
Ｃを取付けている。

一方、巻取シャフトＢの他側端には、従動軸１６′を突
設してベアリング内蔵のローラ１７を取付けている。

上記巻取シャフトＢは、上記シート１１の高さ方向中間
位置の巾方向にわたり取付けている。

具体的には、第４図に示すように、シート１１の上記相
応位置を袋折りしてその中に平板状の固定バー１８を挿
通し、上記巻取シャフトＢの巻胴１４周面とビス等を用
いて固定的に取付ける。また、上記回転転動体Ｃ及びロ
ーラ１７は、夫々両側の上記ガイドレール１０ａ，１０
ｂに収嵌させている。

上記電動機１５には、その出力軸１６側へ延出した電源
コードが上下移動によってガイドレール１０ｂ内でたる
まないようにするため、カールコード１９を介して図示
しない電力供給源に接続している。

更に、上記回転転動体Ｃは、上記電動機１５の出力軸１
６に固定した軸止板２０と、この軸止板２０の両端外側
に夫々取付けたベアリング内蔵の上側ローラ２１ａ及び
下側ローラ２１ｂで構成している。

この回転転動体Ｃは、前述のとおりガイドレール１０ｂ
内に収嵌しているが、第４図に示すように巻取シャフト
Ｂの回転に連動して軸止板２０がいずれか方向に回転し
たときに、上記両側ローラ２１ａ，２１ｂがガイドレー
ル１０ｂ内壁に当接して拘束されるように構成してい
る。

すなわち、第４図に示すように、上記両側ローラ２１
ａ，２１ｂにおける外端間の長さＬ_１がガイドレール１
０ｂ内幅長さＬ_２より長い寸法であり、軸止板２０が一
定角度傾斜したときに両側ローラ２１ａ，２１ｂがガイ
ドレール１０ｂ内側面に当接状態で滑動するようにして
いる。

次に、以上のように構成したシートシャッターＡの作動
状態を作用とともに説明する。

まず、第１図に示すように間口開口部が全閉状態にある
のを開状態にするには、電動機１５を始動して第４図に
示すように出力軸１６を矢印Ｄ方向に回転させる。これ
により軸止板２０が回動して両側ローラ２１ａ，２１ｂ
をガイドレール１０ｂ内に当接して回転板２０の回転を
拘束するので、電動機１５と一体的な巻胴１４が回転し
巻胴１４にその各一端が取付けられたシート１１のシー
ト上側１１ａおよびシート下側１１ｂが巻胴１４の反対
位置から同時に巻取られる。

すると、シート上側１１ａの上端が天井側躯体に取付け
られシート下側１１ｂの下端が自由状態となっているの
で、巻胴１４が上昇し、軸止板２０の長手方向に軸支さ
れた両側のローラ２１ａ，２１ｂが巻胴１４に従動して
ガイドレール１０ｂ内を上方に滑動して、第２図に想像
線で示す態様で巻取シャフトＢに巻取るものである。こ
の間回転転動体Ｃはその両側のローラ２１ａ，２１ｂが
ガイドレール１０ｂ内で拘束されながら滑動して上動す
ることになる。

また、間口開口部が全開状態にあるのを閉操作するに
は、上記とは逆に電動機１５を作動する。電動機１５と
一体的な巻胴１４が逆回転し、巻胴１４に巻かれていた
シート上側１１ａおよびシート下側１１ｂが巻戻され始
める。

すると、シート上側１１ａが巻戻される巻胴１４の回転
に従動して巻胴１４が下降し、軸止板２０の長手方向に
軸支された両側のローラ２１ａ，２１ｂの巻胴１４に従
動してガイドレール１０ｂ内を下方に滑動して、間口開
口部を閉状態にするものである。

上記シート１１の開閉動作は、巻取シャフトＢ側、ある
いはガイドレール１０ｂ側に設ける図示しないリミット
スイッチによって、その動作を停止するように構成して
いる。

なお、巻取シャフトＢとシート１１との固定態様は実施
例に限ることなく、２枚の上側シートと下側シートを用
い、上側シートの下端部と下側シートの上端部を夫々巻
取シャフトＢの巻胴１４における対向位置に取付けるよ
うにしてもよい。

更に、巻取シャフトＢは、１個に限ることなく、１枚の
シートに２個以上取付けてもよい。複数個の巻取シャフ
トをシートに取付けることによりシートの開閉が迅速に
行えることになる。

〔考案の効果〕

この考案は以上のように構成したので、次のような効果
がある。

イ）巻取シャフトは、間口開口部を開閉するシートに固
定的に取付けているので、シートに強度ある骨材を取付
けているのと同作用があり、風圧に対してシートが煽ら
れ撓むことがなく、シート全体が持上がらなくなり、外
気の侵入を防止することが可能であるとともに、シート
が持上がりガイドレールから座板が外れる事態がなくな
るものである。

ロ）また巻取シャフトはシートに取付けられているの
で、従来のように両端側で軸支する巻取シャフトにシー
トを懸吊している形態とは異なり、巻取シャフトが撓む
ことなく、したがって、シートにシワが生じないので、
シートの美観を損なうことがなくなるものである。

ハ）さらに、巻取シャフトがシートの中間部に設けて、
巻取シャフトを境にシート上側とシート下側を同時に巻
取シャフトに巻取り、あるいは巻取シャフトから同時に
シートを巻き出すので、その作業時間が略半分に短縮さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る巻取式シートシャッターの全
体を示す概略斜視図、第２図は、第１図II−II線矢視
図、第３図は、第１図III−III線矢視図、第４図は、第
１図Ｅ部の拡大図、第５図は、従来の巻取式シートシャ
ッターを示す側面図である。 Ａ……（巻取式）シートシャッター Ｂ……巻取シャフト Ｃ……回転転動体 １０ａ，１０ｂ……ガイドレール １１……シート １３……座板 １４……巻胴 １５……電動機（開閉機） １６……出力軸 ２０……軸止板 ２１ａ……上側ローラ ２１ｂ……下側ローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】間口開口部の左右両側に配設したガイドレ
   ールと、このガイドレールに沿って前記間口開口部を開
   閉する巻取自在なシートと、このシートの中段巾方向に
   固定した開閉機内蔵型の巻取シャフトと、この巻取シャ
   フトの端部で前記開閉機の出力軸と連結され、かつ、前
   記ガイドレール内に収嵌されガイドレールの内側面と接
   合しうる回転転動体とからなる巻取式シートシャッター
   であって、 上記回転転動体を、前記開閉機の出力軸に固定された軸
   止板とその軸止板の長手方向両端部に軸支され、かつ、
   その外端間をガイドレールの内幅よりも長く設定した一
   対のローラとから構成し、巻取シャフトを固定したシー
   トの位置を境にシート上側とシート下側を同時に巻取シ
   ャフトに巻取り、あるいは、巻取シャフトから同時にシ
   ートを巻き出し可能にしたことを特徴とする巻取式シー
   トシャッター。