JPS6219163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、温室の保温、遮光のために張設され
るカーテンを巻取り、巻戻しして開閉する装置に
おいて、該カーテンの巻取り、巻戻しをする巻取
軸の駆動装置に関し、特にカーテン張設用フレー
ム上に該巻取軸を転動せしめる構造における巻取
軸の駆動装置に関するものである。

この種のカーテン開閉用の転動型の巻取軸駆動
装置として、カーテンの一端縁部を固定した巻取
軸の一端に駆動装置を連設して、巻取軸と共に開
閉方向へ移動させつつその駆動力を巻取軸に伝え
該カーテンを開閉せしめるように構成したものが
ある。この場合、回転附勢力によつて生じる反作
用としての該駆動装置の自転を防止する必要があ
るが、この対策としての温室の床面に下端を回動
可能に軸支して扇状揺動可能に設けたスライド杆
材の上端を該駆動装置に固定して自転を阻止する
もの、あるいは、駆動装置の要所にスライド部材
を固設しかつ駆動装置の移動方向に沿つてガイド
レールを架設して該ガイドレールにスライド部材
を係合し又は挿通して自転を阻止するようにした
ものが知られている。

而して、これらの構造のものにおいては作動時
における巻取軸の軸心が常に巻取・巻戻し方向に
対して略直角の状態を維持しかつ軸心方向へのス
ライドもないことを前提としている。しかしなが
ら、幅広のカーテンを巻取・巻戻しする長尺な巻
取軸の転動移動の際には、部分的な巻取径の差異
の発生により進行方向に対する軸心の角度が変化
すること、またカーテンの巻取径の増減により巻
取軸が上下動すること、等により巻取軸の端部が
軸心方向へスライドしたり、進行方向への角度が
変化することが多いものである。このような場合
に、従来のもの特に後者のものでは自転阻止部材
の係合部（挿通部）に強大な摩擦抵抗が作用して
ロツク状態を生じ、巻取軸の移動自体が阻止され
カーテンの開閉動作が行えなくなる欠点があつ
た。

本考案はこのような欠点を除去するために提案
されたもので、その目的は、スペースを取らず
に、しかも巻取軸の撓みや部分的巻取速度の誤差
による移動角度が生じても、また、巻取軸の軸心
方向へのスライド移動にも対応できる自転阻止機
構を備えた温室カーテン開閉用の巻取軸駆動装置
を提供することにある。

本考案の他の目的は直線的に配置されたガイド
部材だけでなく、その全部又は一部を屈曲部とし
たガイド部材にも適用しうる自転阻止機構を備え
た巻取軸駆動装置を提供することにある。

本考案の温室用カーテン開閉用の巻取軸駆動装
置は、傾斜して又は水平に張設されたカーテンの
一端を固着した巻取ロツドを転動往復せしめるこ
とにより仕切面でカーテンを開閉する温室カーテ
ン開閉用の巻取軸駆動装置において、該巻取ロツ
ドの少くとも一端部に連結される駆動部と、該駆
動部の移動方向に沿つて配設された不動のガイド
部材と、該ガイド部材を軸として回転可能に係合
した状態で移動可能に設けられたリード部材と、
一端は支軸を介して該リード部材に回動可能に固
定され他端は支軸を介して上記駆動部の適所に回
動可能に固定せしめられてリード部材のガイド部
材に対する回転面と直角な回転面を持つ連結部材
とよりなり、巻取ロツドの軸心方向への移動およ
び／又は軸心の揺動変位に拘らず駆動部の自転を
防止しつつ案内するための自転抑止機構と、から
なることを特徴としている。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
ることとする。

第１図、第２図には本考案の装置の一実施例が
示されている。図において、１はカーテン２の張
設面の開閉方向に沿つて架設された不動のガイド
部材であり、例えば丸パイプ材を用いるものとす
る。３はカーテン２の一端が固着された巻取ロツ
ド、４は該巻取ロツド３の一端部に連結されてな
る駆動部、５はガイド部材１を軸として回転可能
に係合した状態で移動可能に設けられたリード部
材、６は一端が支軸７，７を介してリード部材５
に回動可能に固定されると共に他端は支軸８を介
して駆動部４の適所に回動可能に固定されてなる
連結部材である。

連結部材６はリード部材５と回動可能に固定さ
れているが、その回転方向は、リード部材５がガ
イド部材１を軸として回転しうる回転面と直角方
向となるように構成され、一方駆動部４との関係
では該リード部材５に固定した支軸７と平行に設
定してなる支軸８によつて連結されている。

９は駆動部４の自転を防止するための自転抑止
機構であつて、上記リード部材５と連結部材６と
から構成されている。

第１図、第２図における駆動部４は、減速機構
と電動機とが一体となつて巻取ロツド３の端部に
連結固定された例であるが、本考案はこの例に限
られず、駆動部４をケーシングに内蔵された減速
機構のみとし、これをフレキシブルな回転伝達ワ
イヤを介して温室内の所定位置に固定した原動機
に連結するものとしてもよいこと勿論である。

リード部材５はガイド部材１の軸心方向に摺動
可能にかつ該軸心方向と直角の面に回転方向に構
成されるものであればよく、例えば、ガイド部材
１を遊挿する環状の枠体からなるもの、あるい
は、第１図、第２図に示すように四角の環状に形
成したリード枠５１に軸ピン５２を介して回転自
在にローラ５３を軸支したものであつてもよい。
リード枠５１にローラ５３を設けたものにあつて
は、リード枠５１がガイド部材１に沿つて移動す
る際該ローラ５３によつてスムーズに移動でき、
また、該ローラ５３は少なくとも巻取ロツド３が
カーテン２を巻取る方向に回転したときに該ガイ
ド部材１に転接するように設定することが望まし
い。これは、巻戻しの際よりも、カーテン巻取動
作の時ほど負荷が大きく、駆動部における逆方向
への自転力が作用するので、この場合にリード部
材５の移動をスムーズに行い、カーテンに対する
テンシヨンをより少なくすることができるからで
ある。

また、本実施例ではリード部材５をカーテン巻
取の移動方向に対し駆動部４よりも先行する位置
に配置してある。この場合、巻取ロツド３を第１
図及び第２図に示すように矢印ｆ方向に回転して
カーテン２を巻取ろうとすると、駆動部４自体は
反作用で矢印ｒ方向へ自転しようとするが、ロー
ラ５３がガイド部材１へ当接して自転は抑止さ
れ、かつそのまま巻取りを継続したとき該ローラ
５３は該ガイド部材１に沿つて転接移動するので
巻取り動作における巻取ロツド３の移動がスムー
ズに行なわれるものである。更に、第３図に示す
ように二枚のカーテンを中央から左右方向に開閉
するように構成したカーテン開閉装置において、
ガイド部材１，１が中央で交差する位置の近傍で
屈曲せしめてリード部材５の移動距離を延長せし
めることにより、左右のロール状巻取部を温室中
央梁１０まですなわちカーテン基端縁まで巻付け
ることができるので、カーテン開放時におけるカ
ーテン巻き残し部分を生じることなく完全なカー
テン開放が行えるものである。

因みにリード部材５を巻取り方向に対し駆動部
４より後方に配置した場合は、カーテン巻取り時
における該駆動部４の自転を抑止するために、巻
取りロツド３をガイド部材１の下側に配置する方
が望ましい。

本考案は以上の構成からなり、リード部材５が
ガイド部材１に対してその軸心方向と直角の面に
おいて回転可能に設けられると共に該ガイド部材
１の軸心方向に移動可能に設けられており、一方
駆動部４と該リード部材５との間に介設される連
結部材６はリード部材５がガイド部材１に対して
有する回転面と直角に回動可能に軸支されている
ので、リード部材５は巻取ロツドの角度および／
又は軸心方向へのスライド変化に影響されること
なくガイド部材１に対して係合する状態が維持さ
れる。

したがつて、巻取ロツド３が撓んで駆動部４の
揺動運動が生じても、また巻取ロツド３の両端に
おけるカーテン巻取速度に誤差が生じる等により
巻取ロツド３の軸心方向がその移動方向に対し
様々な角度に変化しても何ら支障なくカーテン開
閉動作を行なうことができる。

また、巻取ロツド３がカーテン巻取り、巻戻し
をしているときにその軸心方向にスラスト移動し
た場合にも、連結部材６が該ロツド３の移動方向
に扇動することになり、カーテン巻取り、巻戻し
動作を続行することができる。

したがつて、本考案によれば、巻取ロツド３の
種々の動作に対応して、駆動部４の自転を防止で
き、また、その装置が占めるスペースも極めて少
なくて済む等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は他の取付例を示す一部省略底面図、第３図は
左右２枚張りの温室仕切カーテンにおける中央部
の一実施例を示す妻側正面図。 １……ガイド部材、２……カーテン、３……巻
取ロツド、４……駆動部、５……リード部材、６
……連結部材、９……自転抑止機構、５３……ロ
ーラ、Ｐ……カーテン仕切面形成部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 傾斜して又は水平に張設されたカーテンの一
   端を固着した巻取ロツドを転動往復せしめるこ
   とにより仕切面でカーテンを開閉する温室カー
   テン開閉用の巻取軸駆動装置において、該巻取
   ロツドの少くとも一端部に連結される駆動部
   と、該駆動部の移動方向に沿つて配設された不
   動のガイド部材と、該ガイド部材を軸として回
   転可能に係合した状態で移動可能に設けられた
   リード部材と、一端は支軸を介して該リード部
   材に回動可能に固定され他端は支軸を介して上
   記駆動部の適所に回動可能に固定せしめられて
   リード部材のガイド部材に対する回転面と直角
   な回転面を持つ連結部材とよりなり、巻取ロツ
   ドの軸心方向への移動および／又は軸心の揺動
   変位に拘らず駆動部の自転を防止しつつ案内す
   るための自転抑止機構と、からなる温室カーテ
   ン開閉用の巻取軸駆動装置。 ２ 駆動部が、減速機構と一体に巻取ロツドの端
   部に連結固定された電動機である前記登録請求
   の範囲第１項記載の装置。 ３ 駆動部が、ケーシングに内蔵された減速機構
   であり、フレキシブルな回転伝達ワイヤを介し
   て定位置固定の原動機に連結されてなる前記登
   録請求の範囲第１項記載の装置。 ４ リード部材が、ガイド部材を遊挿したリード
   枠と、軸ピンを介して該リード枠に回転自在に
   支持されたローラとからなり、該ローラが不動
   ガイド部材に転接するように設けてなる前記登
   録請求の範囲第１項記載の装置。