JP2569467Y2 - シャッターのガイド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はシャッターの収納部にお
けるガイド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】シャッターの巻取りシャフトの前方に、
適当な距離をおいて該シャフトと平行にシャッターを案
内するプッシングシャフトを配設した２軸式シャッター
が知られている。ビル等の建造物の内部に取付けられる
シャッターは、周知のように天井上部のケースに収容し
た巻取りシャフトにシャッターを巻上げ・巻戻すこと
で、シャッターの開閉操作が行われる訳であるが、上記
２軸式シャッターとすることによりシャッターの天井内
納まり寸法が小さくなる。

【０００３】図２は２軸式シャッターの概略図である
が、プッシングシャフト(イ) は間口両側に設置したガイ
ドレール(ロ) の上方に軸支され、上記巻取りシャフト
(ハ) はプッシングシャフト(イ) と並設されている。シャ
ッター(ニ) が巻取りシャフト(ハ)に巻取られるにつれて
その外径は拡大するため、最大径となってもプッシング
シャフト(イ) に接触しないだけの距離Ｌが両シャフト
(イ) 、(ハ) 間には必要となる。

【０００４】シャッター(ニ) は複数枚のスラットが連結
して構成したものであり、上記シャフト(イ) 、(ハ) 間距
離Ｌが大きくなると、シャッター(ニ) はその自重によっ
てたわみを生じ、シャッター(ニ) を構成する各スラット
の継手は逆方向に屈曲させられる。すなわち、巻取りシ
ャフト(ハ) やプッシングシャフト(イ) に巻付く場合の屈
曲方向とは逆方向となり、これがシャッター開閉時の騒
音、並びにきしみ音となって発生する。特開昭６０−５
９９０号に係る「二軸式シャッター」及び実開昭６１−
１３７９６号に係る「複軸シャッターの案内軌条装置」
は、前記型式のシャッターを示す従来例である。

【０００５】

【本考案が解決しようとする課題】このように、従来の
２軸式シャッターには上記のごとき問題がある。本考案
が解決しようとする課題はこれら問題点であって、シャ
ッターがたわんできしみ音を発生することなく、また構
造も簡略化したガイド装置を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案のガイド装置は間
口両側に設けたガイドレールの上端と巻取りシャフトの
間に架設するガイドであり、シャッターがガイドレール
上端を離れて大きく湾曲し、巻取りシャフトへ導くよう
にガイドする。巻取りシャフトはガイドレール上端から
ある程度の距離をおいて取着され、ガイド装置は大きく
湾曲した部材であって、その下端はガイドレールの上端
に接近し、他端は巻取りシャフト側に位置し、シャッタ
ーが巻き付いて最大径になった状態で近接する位置まで
延びている。以下、本考案に係る実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。

【０００７】

【実施例】図１は本考案のガイド装置を取着したシャッ
ター装置の収納部を表わしている。同図において１はシ
ャッター、２は本考案のガイド装置、３は巻取りシャフ
ト、４は開閉機、５はガイドレールを示す。シャッター
１は複数枚のスラット６、６…が互いに連結して構成さ
れ、各スラット６、６…の上下端に形成している継手を
介して屈曲可能に連結している。シャッター１の下端に
は逆Ｔ型断面の座板７が取着され、上端は上記巻取りシ
ャフト３に止着されている。したがって、巻取りシャフ
ト３が図１において時計方向に回転すればシャッター１
は巻取りシャフト３に巻き付き、ガイドレール５に沿っ
て上昇し、間口を開口する。

【０００８】巻取りシャフト３は間口両側に沿設したガ
イドレール５、５の位置より建物の内側へある程度の奥
行きをもった所に取着され、上記開閉機４にて回転す
る。巻取りシャフト３の詳細は図示していないが、シャ
ッター１が直接巻き付くドラムと固定軸から成り、ドラ
ムはブラケット８に両端を固定して取着した軸に回転自
在に軸支されていて、該開閉機４はこのドラムを回転す
る。

【０００９】シャッター１が全開すれば、巻取りシャフ
ト３の外径Ｒは最大となるが、本考案のガイド装置２の
一端９は最大径となった巻取りシャフト３に接しない位
置にある。そして下端１０はガイドレール５の上端に近
接し、該下端１０と上記一端９を滑らかな湾曲線で形成
したガイド装置２となっている。上記一端９側はシャッ
ター１が巻き付いていない最小径のドラムと湾曲したガ
イド装置との共通接線上に位置するように設けられ、そ
のためガイド装置２の一端９から離れたシャッター１は
屈曲することなく、巻取りシャフト３に巻き付く。

【００１０】したがって、外径が拡大するにつれて、シ
ャッター１はガイド装置２の一端９から離れ、その間に
は多少の空間が形成されるが、しかしこのガイド装置２
から離れて巻取りシャフト３に巻き付くまでの距離Ｍは
それ程大きくはなく、シャッター１が自重によってたわ
む量は小さい。したがって、各スラット６、６…の逆方
向屈曲も小さく、シャッター開閉時のきしみ音は生じな
い。最大径になった場合の上記空間を小さくするため
に、ガイド装置２の一端９を前以て上方へ配置すること
は自由である。

【００１１】ここでガイド装置２はシャッター１の両サ
イドをガイドレール５、５のごとく支持するような形状
であってもよく、また間口全幅にわたって形成すること
により、シャッター１を全幅にわたって支持することも
出来る。そしてガイド装置２にはシャッター１の重量が
作用して、その状態でスライドすることになるが、スラ
イド時の摩擦や摩耗を防止するために摺動材１１を取着
するとよい。またガイド装置２の湾曲半径を大きくし、
より大きい湾曲面にて構成するならば、シャッター１の
重量並びに該シャッター１に作用している張力が、ガイ
ド装置２の摺動面（接触面）に働く影響は小さくなる。
以上述べたように、本考案のガイド装置はガイドレール
上端から巻取りシャフトへシャッターを導くために設け
た湾曲部材であって、次のような効果を得ることが出来
る。

【００１２】

【考案の効果】本考案のガイド装置はガイドレールの上
端から巻取りシャフトにかけての空間に配置されるた
め、シャッターは大きくたわむことなくスムーズに巻取
られる。またシャッターのたわみ量は小さく、そのため
各スラットの逆方向への屈曲も小さくなってシャッター
開閉時のきしみ音、並びにその他騒音を抑制することが
できる。一方、従来型式の２軸式シャッター装置に用い
たプッシングシャフトに比べてその構造は極めて簡素化
され、更に該装置の取着によって垂直距離が減少し、そ
の結果シャッターのスラット枚数は少なくてすむ。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガイド装置を取着したシャッター収納
部。

【図２】従来の２軸式シャッター装置

【符号の説明】

１ シャッター ２ ガイド装置 ３ 巻取りシャフト ４ 開閉機 ５ ガイドレール ６ スラット ７ 座板 ８ ブラケット ９ 一端 10 下端 11 摺動材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 間口両側に沿設したガイドレールの位置
   から奥行きをもった位置に巻取りシャフトを取着し、ガ
   イドレールの上端から立ち上がって湾曲して上記巻取り
   シャフトにシャッターを巻き付けるために、上記ガイド
   レール上端から巻取りシャフトにかけて湾曲したガイド
   部材を設け、その下端はガイドレール上端に近接し、他
   の一端を巻取りシャフトが最大径になった場合に接近す
   る位置まで近づけたことを特徴とするシャッターのガイ
   ド装置。