JPH0620855A - 変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変圧器の製造方法 - Google Patents
変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変圧器の製造方法Info
- Publication number
- JPH0620855A JPH0620855A JP4178304A JP17830492A JPH0620855A JP H0620855 A JPH0620855 A JP H0620855A JP 4178304 A JP4178304 A JP 4178304A JP 17830492 A JP17830492 A JP 17830492A JP H0620855 A JPH0620855 A JP H0620855A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 製作作業の簡略化を図ることを目的とする。
【構成】 零電位のシールド体300が一次巻線31と
二次巻線34との間に形成されるので、一方の巻線に発
生した異常高電圧が他方の巻線に移行するようなことが
ない。また、シールド体300を巻線の軸方向に見る
と、導電性薄帯32毎にスリットで絶縁されたのと同じ
構成となるので、シールド体300に渦電流の発生を抑
制することができる。特に、一次巻線31の外周に導電
性薄帯32を巻き付けてシールド体300を構成するの
で、従来のものと比較して製作作業の簡略化を図ること
ができる。
二次巻線34との間に形成されるので、一方の巻線に発
生した異常高電圧が他方の巻線に移行するようなことが
ない。また、シールド体300を巻線の軸方向に見る
と、導電性薄帯32毎にスリットで絶縁されたのと同じ
構成となるので、シールド体300に渦電流の発生を抑
制することができる。特に、一次巻線31の外周に導電
性薄帯32を巻き付けてシールド体300を構成するの
で、従来のものと比較して製作作業の簡略化を図ること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線電源用等の高周波
高電圧の変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変
圧器の製造方法に係り、特に製作作業の簡略化を図るこ
とができる変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその
変圧器の製造方法に関する。
高電圧の変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変
圧器の製造方法に係り、特に製作作業の簡略化を図るこ
とができる変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその
変圧器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】X線電源用等の高周波高電圧の変圧器
は、一般に、一方の巻線に発生した異常電圧が他方の巻
線に移行するのを防ぐ目的で、図5に示すように、変圧
器の一次巻線31と、二次巻線34との間に、混触防止
板と呼ばれる接地電位の導体薄板(以下、単にシールド
板と称する。)35を設けている。この結果、上述の変
圧器は、図5に示すように、一次巻線31と、シールド
板35と、二次巻線34とが静電容量C,C’により結
合されていることとなる。この状態において、一次巻線
31若しくは二次巻線34の何れか一方の巻線に異常電
圧が何らかの原因により生じると、その異常電圧は静電
容量CまたはC’を通してシールド板35に伝達し、そ
の後接地され、他方の巻線に移行することはない。ここ
で、もしシールド板35がないとすると、一方の巻線で
発生した異常電圧は静電容量CまたはC’を介して他方
の巻線に伝達してしまい、変圧器の機能が損われる。し
かも、この異常電圧の伝達は高周波ほど大きくなる。上
述のような変圧器としては、例えば特開昭63−248
109号公報に示されているものがある。
は、一般に、一方の巻線に発生した異常電圧が他方の巻
線に移行するのを防ぐ目的で、図5に示すように、変圧
器の一次巻線31と、二次巻線34との間に、混触防止
板と呼ばれる接地電位の導体薄板(以下、単にシールド
板と称する。)35を設けている。この結果、上述の変
圧器は、図5に示すように、一次巻線31と、シールド
板35と、二次巻線34とが静電容量C,C’により結
合されていることとなる。この状態において、一次巻線
31若しくは二次巻線34の何れか一方の巻線に異常電
圧が何らかの原因により生じると、その異常電圧は静電
容量CまたはC’を通してシールド板35に伝達し、そ
の後接地され、他方の巻線に移行することはない。ここ
で、もしシールド板35がないとすると、一方の巻線で
発生した異常電圧は静電容量CまたはC’を介して他方
の巻線に伝達してしまい、変圧器の機能が損われる。し
かも、この異常電圧の伝達は高周波ほど大きくなる。上
述のような変圧器としては、例えば特開昭63−248
109号公報に示されているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の変圧
器においては、図6に示すように、一次巻線31と二次
巻線34の間に磁束φ,φ’が集中する。すなわち、上
述の変圧器の一次巻線31と二次巻線34の間は漏れ磁
束が大きい。このために、この変圧器の一次巻線31と
二次巻線34の間にシールド板35を置くと、そのシー
ルド板35に渦電流が誘導される。特に、高周波変圧器
においては、その渦電流の誘導が顕著に表れる。しかも
その上、シールド板35として、図7に示すような円筒
導体を用いると、その円筒導体のシールド板35におい
て大きなループ状の渦電流i,i’が流れる。この渦電
流i,i’が流れると、抵抗損が生じてそのシールド板
35が過熱する原因となる。
器においては、図6に示すように、一次巻線31と二次
巻線34の間に磁束φ,φ’が集中する。すなわち、上
述の変圧器の一次巻線31と二次巻線34の間は漏れ磁
束が大きい。このために、この変圧器の一次巻線31と
二次巻線34の間にシールド板35を置くと、そのシー
ルド板35に渦電流が誘導される。特に、高周波変圧器
においては、その渦電流の誘導が顕著に表れる。しかも
その上、シールド板35として、図7に示すような円筒
導体を用いると、その円筒導体のシールド板35におい
て大きなループ状の渦電流i,i’が流れる。この渦電
流i,i’が流れると、抵抗損が生じてそのシールド板
35が過熱する原因となる。
【0004】そこで、上述の渦電流i,i’の発生を防
止する一般的な対策としては、円筒導体のシールド板3
5にスリット(図示せず)を設けて渦電流が流れる電路
を分断する方法手段が採用されている。
止する一般的な対策としては、円筒導体のシールド板3
5にスリット(図示せず)を設けて渦電流が流れる電路
を分断する方法手段が採用されている。
【0005】しかしながら、上述の方法手段は、円筒導
体のシールド板35にスリットを加工する工程が増え
る。また、スリットを設けた円筒導体のシールド板35
は一部が接続された短冊形状の薄板の集りであるので、
そのスリット付きの円筒導体のシールド板35を巻線に
組み込む作業が煩雑となる。このように、上述の従来の
変圧器には、製作作業上等において問題がある。
体のシールド板35にスリットを加工する工程が増え
る。また、スリットを設けた円筒導体のシールド板35
は一部が接続された短冊形状の薄板の集りであるので、
そのスリット付きの円筒導体のシールド板35を巻線に
組み込む作業が煩雑となる。このように、上述の従来の
変圧器には、製作作業上等において問題がある。
【0006】本発明は、製作作業の簡略化を図ることが
できる変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変圧
器の製造方法を提供することを目的としている。
できる変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変圧
器の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の変圧器は、導電
性薄帯を一次巻線の外周の絶縁層に、1ターン毎に巻線
の軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯同士が電気
的に接触しないように連続して巻き付けて、シールド体
を構成したことを特徴とする。
性薄帯を一次巻線の外周の絶縁層に、1ターン毎に巻線
の軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯同士が電気
的に接触しないように連続して巻き付けて、シールド体
を構成したことを特徴とする。
【0008】また、本発明の変圧器は、導電性薄帯とそ
の導電性薄帯の内側又は外側又は内外両側に重ね合わせ
た絶縁性薄帯とを一次巻線の外周に、1ターン毎に巻線
の軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯同士が電気
的に接触しないように連続して巻き付けて、シールド体
を構成したことを特徴とする。
の導電性薄帯の内側又は外側又は内外両側に重ね合わせ
た絶縁性薄帯とを一次巻線の外周に、1ターン毎に巻線
の軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯同士が電気
的に接触しないように連続して巻き付けて、シールド体
を構成したことを特徴とする。
【0009】さらに、本発明の変圧器は、一次巻線と二
次巻線とに挟まれた空間に設けられ、かつ前記巻線の軸
方向に電気的に分割された導電性薄帯であって、周方向
にたどると、一周ごとに隣の導電性薄帯に転移して行
き、全体が一本の帯となっているシールド体を構成した
ことを特徴とする。
次巻線とに挟まれた空間に設けられ、かつ前記巻線の軸
方向に電気的に分割された導電性薄帯であって、周方向
にたどると、一周ごとに隣の導電性薄帯に転移して行
き、全体が一本の帯となっているシールド体を構成した
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明の変圧器の製造装置は、一次
巻線を固定した回転シャフトと、その回転シャフトの回
転角を検知する検知手段と、導電性薄帯を引き出して前
記一次巻線の外周に巻き付けるその導電性薄帯のフープ
と、その導電性薄帯のフープを前記回転シャフトに対し
て平行に移動させる移動機構と、その移動機構と前記回
転角検知手段とにそれぞれ接続し、前記回転シャフトの
回転角に比例して前記移動機構を駆動させて前記導電性
薄帯のフープを移動させる制御部と、を備えたことを特
徴とする。
巻線を固定した回転シャフトと、その回転シャフトの回
転角を検知する検知手段と、導電性薄帯を引き出して前
記一次巻線の外周に巻き付けるその導電性薄帯のフープ
と、その導電性薄帯のフープを前記回転シャフトに対し
て平行に移動させる移動機構と、その移動機構と前記回
転角検知手段とにそれぞれ接続し、前記回転シャフトの
回転角に比例して前記移動機構を駆動させて前記導電性
薄帯のフープを移動させる制御部と、を備えたことを特
徴とする。
【0011】さらに、本発明の変圧器の製造方法は、一
次巻線を形成する工程と、その一次巻線を一方向に回転
させると共に、その一次巻線の回転角に比例して導電性
薄帯のフープを前記一次巻線の軸方向と平行に移動させ
て、そのフープから引き出した導電性薄帯を前記一次巻
線の外周に巻き付ける工程と、その導電性薄帯に接地部
を設ける工程と、前記導電性薄帯の外周に二次巻線を巻
き付ける工程と、からなることを特徴とする。
次巻線を形成する工程と、その一次巻線を一方向に回転
させると共に、その一次巻線の回転角に比例して導電性
薄帯のフープを前記一次巻線の軸方向と平行に移動させ
て、そのフープから引き出した導電性薄帯を前記一次巻
線の外周に巻き付ける工程と、その導電性薄帯に接地部
を設ける工程と、前記導電性薄帯の外周に二次巻線を巻
き付ける工程と、からなることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の変圧器は、一次巻線の外周に連続して
巻き付けられ、かつ接地部の一点で接地された導電性薄
帯により、零電位のシールド体が一次巻線と二次巻線と
の間に形成されることとなる。この結果、このシールド
体の内周側と外周側とに配置された二つの巻線のうち一
方の巻線に異常な高電圧が発生しても、シールド体を隔
てた他方の巻線に上述の異常な高電圧が移行するような
ことがない。しかも、シールド体は導電性薄帯を隣り合
う導電性薄帯同士が電気的に接触しないように巻き付け
て構成されるので、そのシールド体を巻線の軸方向に見
ると、導電性薄帯毎に巻線の軸方向に対して交差する方
向のスリットで絶縁されたのと同じ構成となる。この結
果、シールド体を漏れ磁場中に配置しても渦電流の発生
を抑制することができる。特に、本発明の変圧器は、一
次巻線の外周に導電性薄帯を巻き付けてシールド体を構
成するものであるから、円筒導体のシールド板にスリッ
トを加工する工程が不要となる。また、スリットを設け
た円筒導体のシールド板、すなわち一部が接続された短
冊形状の薄板の集りであるシールド板を巻線に組み込む
作業と比較して簡便である。この結果、製作作業の簡略
化を図ることができる。
巻き付けられ、かつ接地部の一点で接地された導電性薄
帯により、零電位のシールド体が一次巻線と二次巻線と
の間に形成されることとなる。この結果、このシールド
体の内周側と外周側とに配置された二つの巻線のうち一
方の巻線に異常な高電圧が発生しても、シールド体を隔
てた他方の巻線に上述の異常な高電圧が移行するような
ことがない。しかも、シールド体は導電性薄帯を隣り合
う導電性薄帯同士が電気的に接触しないように巻き付け
て構成されるので、そのシールド体を巻線の軸方向に見
ると、導電性薄帯毎に巻線の軸方向に対して交差する方
向のスリットで絶縁されたのと同じ構成となる。この結
果、シールド体を漏れ磁場中に配置しても渦電流の発生
を抑制することができる。特に、本発明の変圧器は、一
次巻線の外周に導電性薄帯を巻き付けてシールド体を構
成するものであるから、円筒導体のシールド板にスリッ
トを加工する工程が不要となる。また、スリットを設け
た円筒導体のシールド板、すなわち一部が接続された短
冊形状の薄板の集りであるシールド板を巻線に組み込む
作業と比較して簡便である。この結果、製作作業の簡略
化を図ることができる。
【0013】また、本発明の変圧器の製造装置及び製造
方法は、一次巻線の回転角に比例して導電性薄帯のフー
プを一次巻線の回転シャフトと平行に移動させるもので
あるから、導電性薄帯を一次巻線の外周に1ターン毎に
巻線の軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯同士が
電気的に接触しないように連続して巻き付けてなるシー
ルド体を、簡単に構成することができる。従って、変圧
器の製作作業の簡略化を図ることができる。
方法は、一次巻線の回転角に比例して導電性薄帯のフー
プを一次巻線の回転シャフトと平行に移動させるもので
あるから、導電性薄帯を一次巻線の外周に1ターン毎に
巻線の軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯同士が
電気的に接触しないように連続して巻き付けてなるシー
ルド体を、簡単に構成することができる。従って、変圧
器の製作作業の簡略化を図ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の変圧器及びその変圧器の製造
装置並びにその変圧器の製造方法の一実施例を図1乃至
図3を参照して説明する。図1は本発明の変圧器の一実
施例を示し、一部を破断した要部の斜視図である。図に
おいて、1は本発明の変圧器である。この変圧器1は、
一例として二脚鉄心10と2個の巻線12a,12bを
組み合わせた二巻線型である。図において、31は一次
巻線である。この一次巻線31は、前記鉄心10の脚1
1に設けるボビン21の外周に巻装されている。この一
次巻線31の外周には絶縁層22が、一次巻線31と後
述する導電性薄帯32との間に所定の絶縁距離を保持す
るために施されている。図において、32は導電性薄帯
である。この導電性薄帯32は、例えば銅製の薄帯から
なり、前記一次巻線31の外周の絶縁層22に、1ター
ン(1巻)毎に巻線31の軸方向に順次ずらして隣り合
う導電性薄帯32同士が電気的に接触しないように連続
して巻き付けて、図3に示すようなシールド体300を
構成するものである。図において、33は接点部であ
る。この接点部33は、例えば、前記導電性薄帯32の
一点にリード33を半田付け等により取付けて、接地で
きるように構成されている。図において、34は二次巻
線である。この二次巻線34は、前記導電性薄帯32の
外周に絶縁層23を介して(所定の絶縁距離を隔て
て)、巻装されている。この二次巻線34の両端部及び
外周には端部絶縁24a、24b及び外装絶縁25が設
けられている。
装置並びにその変圧器の製造方法の一実施例を図1乃至
図3を参照して説明する。図1は本発明の変圧器の一実
施例を示し、一部を破断した要部の斜視図である。図に
おいて、1は本発明の変圧器である。この変圧器1は、
一例として二脚鉄心10と2個の巻線12a,12bを
組み合わせた二巻線型である。図において、31は一次
巻線である。この一次巻線31は、前記鉄心10の脚1
1に設けるボビン21の外周に巻装されている。この一
次巻線31の外周には絶縁層22が、一次巻線31と後
述する導電性薄帯32との間に所定の絶縁距離を保持す
るために施されている。図において、32は導電性薄帯
である。この導電性薄帯32は、例えば銅製の薄帯から
なり、前記一次巻線31の外周の絶縁層22に、1ター
ン(1巻)毎に巻線31の軸方向に順次ずらして隣り合
う導電性薄帯32同士が電気的に接触しないように連続
して巻き付けて、図3に示すようなシールド体300を
構成するものである。図において、33は接点部であ
る。この接点部33は、例えば、前記導電性薄帯32の
一点にリード33を半田付け等により取付けて、接地で
きるように構成されている。図において、34は二次巻
線である。この二次巻線34は、前記導電性薄帯32の
外周に絶縁層23を介して(所定の絶縁距離を隔て
て)、巻装されている。この二次巻線34の両端部及び
外周には端部絶縁24a、24b及び外装絶縁25が設
けられている。
【0015】この実施例における本発明の変圧器は、一
次巻線31の外周に連続して巻き付けられ、かつ接地部
33の一点で接地された導電性薄帯32により、零電位
のシールド体300が一次巻線31と二次巻線34との
間に形成されることとなる。すなわち、一次巻線31、
シールド体300、二次巻線34は、図5に示すよう
に、静電容量C,C’により結合されていることとな
る。この結果、上述の状態で、前記シールド体300の
内周側と外周側とに配置された二つの巻線31、34の
うち一方の巻線に異常な高電圧が発生しても、その異常
な高電圧は、静電容量CまたはC’を通してシールド体
300に伝達した後接地部33を介して接地され、その
シールド体300を隔てた他方の巻線に移行するような
ことがない。しかも、シールド体300は、図3に示す
ように、導電性薄帯32を隣り合う導電性薄帯32同士
が電気的に接触しないように巻き付けて構成されるの
で、そのシールド体300を巻線31、34の軸方向に
見ると、導電性薄帯32毎に巻線31、34の軸方向に
対して交差する方向のスリットで絶縁されたのと同じ構
成となる。この結果、シールド体300を漏れ磁場中に
配置しても渦電流の発生を抑制することができる。すな
わち、磁束で誘導される渦電流を大幅に低減することが
できる。また、変圧器の動作周波数が高くなればなる
程、渦電流低減のためのスリットの間隔を小さくしなけ
ればならないが、本発明のこの実施例によれば、周波数
に応じて幅の小さい導電性薄帯32を選んで巻回数を増
すだけで容易に渦電流を低減できる効果がある。
次巻線31の外周に連続して巻き付けられ、かつ接地部
33の一点で接地された導電性薄帯32により、零電位
のシールド体300が一次巻線31と二次巻線34との
間に形成されることとなる。すなわち、一次巻線31、
シールド体300、二次巻線34は、図5に示すよう
に、静電容量C,C’により結合されていることとな
る。この結果、上述の状態で、前記シールド体300の
内周側と外周側とに配置された二つの巻線31、34の
うち一方の巻線に異常な高電圧が発生しても、その異常
な高電圧は、静電容量CまたはC’を通してシールド体
300に伝達した後接地部33を介して接地され、その
シールド体300を隔てた他方の巻線に移行するような
ことがない。しかも、シールド体300は、図3に示す
ように、導電性薄帯32を隣り合う導電性薄帯32同士
が電気的に接触しないように巻き付けて構成されるの
で、そのシールド体300を巻線31、34の軸方向に
見ると、導電性薄帯32毎に巻線31、34の軸方向に
対して交差する方向のスリットで絶縁されたのと同じ構
成となる。この結果、シールド体300を漏れ磁場中に
配置しても渦電流の発生を抑制することができる。すな
わち、磁束で誘導される渦電流を大幅に低減することが
できる。また、変圧器の動作周波数が高くなればなる
程、渦電流低減のためのスリットの間隔を小さくしなけ
ればならないが、本発明のこの実施例によれば、周波数
に応じて幅の小さい導電性薄帯32を選んで巻回数を増
すだけで容易に渦電流を低減できる効果がある。
【0016】特に、この実施例における本発明の変圧器
は、一次巻線31の外周に導電性薄帯32を巻き付けて
シールド体300を構成するものであるから、従来の変
圧器のように、円筒導体のシールド板にスリットを加工
する工程が不要となる。また、従来の変圧器のように、
スリットを設けた円筒導体のシールド板、すなわち一部
が接続された短冊形状の薄板の集りであるシールド板を
巻線に組み込む作業と比較して簡便である。この結果、
製作作業の簡略化を図ることができる。
は、一次巻線31の外周に導電性薄帯32を巻き付けて
シールド体300を構成するものであるから、従来の変
圧器のように、円筒導体のシールド板にスリットを加工
する工程が不要となる。また、従来の変圧器のように、
スリットを設けた円筒導体のシールド板、すなわち一部
が接続された短冊形状の薄板の集りであるシールド板を
巻線に組み込む作業と比較して簡便である。この結果、
製作作業の簡略化を図ることができる。
【0017】図2は本発明の変圧器の製造装置及び製造
方法の一実施例を示した概略説明図である。図中、図1
及び図3と同符号は同一のものを示す。図において、3
7は巻線装置の回転シャフトである。この回転シャフト
37は、前記一次巻線31を前記ボビン21を介して固
定し、その一次巻線31を図示しない駆動装置で回転さ
せるものである。図において、38は前記回転シャフト
37の回転角を検知する検知手段である。図において、
39は前記導電性薄帯32のフープである。このフープ
39は、前記導電性薄帯32を引き出して前記一次巻線
の外周に巻き付けるものである。図において、40は前
記フープの移動機構である。この移動機構40は、前記
回転シャフト37と平行に敷設したガイド41と、その
ガイド41に係合させた移動体42と、その移動体42
の内部に内蔵した移動体42の移動用の駆動部(図示せ
ず)とからなり、前記駆動部を駆動させることにより、
前記移動体42が前記ガイド41に沿って移動するもの
である。前記移動体42に前記フープ39を搭載する。
図において、43は制御部である。この制御部43は、
前記移動機構40の移動体42と前記回転角検知手段3
8とにそれぞれ接続し、前記回転シャフト37の回転角
に比例して前記移動機構40の駆動部を駆動させて前記
導電性薄帯32のフープ38を移動させるものである。
方法の一実施例を示した概略説明図である。図中、図1
及び図3と同符号は同一のものを示す。図において、3
7は巻線装置の回転シャフトである。この回転シャフト
37は、前記一次巻線31を前記ボビン21を介して固
定し、その一次巻線31を図示しない駆動装置で回転さ
せるものである。図において、38は前記回転シャフト
37の回転角を検知する検知手段である。図において、
39は前記導電性薄帯32のフープである。このフープ
39は、前記導電性薄帯32を引き出して前記一次巻線
の外周に巻き付けるものである。図において、40は前
記フープの移動機構である。この移動機構40は、前記
回転シャフト37と平行に敷設したガイド41と、その
ガイド41に係合させた移動体42と、その移動体42
の内部に内蔵した移動体42の移動用の駆動部(図示せ
ず)とからなり、前記駆動部を駆動させることにより、
前記移動体42が前記ガイド41に沿って移動するもの
である。前記移動体42に前記フープ39を搭載する。
図において、43は制御部である。この制御部43は、
前記移動機構40の移動体42と前記回転角検知手段3
8とにそれぞれ接続し、前記回転シャフト37の回転角
に比例して前記移動機構40の駆動部を駆動させて前記
導電性薄帯32のフープ38を移動させるものである。
【0018】次に、上述の本発明の変圧器の製造装置に
よる本発明の変圧器の製造方法について説明する。ま
ず、前工程において、巻線装置の回転シャフト37に装
着したボビン21を回転しながら、そのボビン21の外
周に一次巻線31を巻いて、一次巻線31を形成する。
その後、続けて前記一次巻線31の外周に絶縁紙等を巻
きつけて絶縁層22を形成する。それから、上述のよう
にして形成された一次巻線31を巻線装置の回転シャフ
ト37に取り付けたまま、引き続きボビン21ごと一方
向に回転させる。それと同時に、制御部43の作動によ
り、移動機構40の駆動部を駆動させて、前記一次巻線
31(回転シャフト37)の回転角に比例して導電性薄
帯32のフープ39を前記一次巻線31の軸方向(回転
シャフト37)と平行に移動させる。そして、前記フー
プ39から引き出した導電性薄帯32を前記一次巻線3
1の外周に巻き付ける。それから、後工程において、前
記導電性薄帯32に接地部33を設け、かつその導電性
薄帯32の外周に絶縁層23を施し、さらにその絶縁層
23外周に二次巻線34を巻き付け、その二次巻線34
の両端部及び外周に端部絶縁24a、24b及び外装絶
縁25を設ける。
よる本発明の変圧器の製造方法について説明する。ま
ず、前工程において、巻線装置の回転シャフト37に装
着したボビン21を回転しながら、そのボビン21の外
周に一次巻線31を巻いて、一次巻線31を形成する。
その後、続けて前記一次巻線31の外周に絶縁紙等を巻
きつけて絶縁層22を形成する。それから、上述のよう
にして形成された一次巻線31を巻線装置の回転シャフ
ト37に取り付けたまま、引き続きボビン21ごと一方
向に回転させる。それと同時に、制御部43の作動によ
り、移動機構40の駆動部を駆動させて、前記一次巻線
31(回転シャフト37)の回転角に比例して導電性薄
帯32のフープ39を前記一次巻線31の軸方向(回転
シャフト37)と平行に移動させる。そして、前記フー
プ39から引き出した導電性薄帯32を前記一次巻線3
1の外周に巻き付ける。それから、後工程において、前
記導電性薄帯32に接地部33を設け、かつその導電性
薄帯32の外周に絶縁層23を施し、さらにその絶縁層
23外周に二次巻線34を巻き付け、その二次巻線34
の両端部及び外周に端部絶縁24a、24b及び外装絶
縁25を設ける。
【0019】このように、本発明の変圧器の製造装置及
び製造方法は、一次巻線31の回転角に比例して導電性
薄帯32のフープ39を一次巻線31の回転シャフト3
7と平行に移動させるものである。この結果、導電性薄
帯32を一次巻線31の外周に1ターン毎に巻線31の
軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯32同士が電
気的に接触しないように連続して巻き付けてなるシール
ド体300を、簡単に構成することができる。従って、
変圧器の製作作業の簡略化を図ることができる。
び製造方法は、一次巻線31の回転角に比例して導電性
薄帯32のフープ39を一次巻線31の回転シャフト3
7と平行に移動させるものである。この結果、導電性薄
帯32を一次巻線31の外周に1ターン毎に巻線31の
軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯32同士が電
気的に接触しないように連続して巻き付けてなるシール
ド体300を、簡単に構成することができる。従って、
変圧器の製作作業の簡略化を図ることができる。
【0020】本発明の変形例として、前記導電性薄帯3
2に粘着剤を塗布したものを使用する。この結果、図2
の製作工程において、粘着剤付き導電性薄帯32を一次
巻線31の外周の絶縁層22に巻き付ければ、その導電
性薄帯32の巻き付けと同時に固定をも行なうことがで
きるので、巻き回し後の位置ずれによる隣接する導電性
薄帯32同士の短絡の恐れがなくなる。
2に粘着剤を塗布したものを使用する。この結果、図2
の製作工程において、粘着剤付き導電性薄帯32を一次
巻線31の外周の絶縁層22に巻き付ければ、その導電
性薄帯32の巻き付けと同時に固定をも行なうことがで
きるので、巻き回し後の位置ずれによる隣接する導電性
薄帯32同士の短絡の恐れがなくなる。
【0021】図4は本発明の変形例を示した概略説明図
である。図中、図1乃至図3と同符号は同一のものを示
す。図において、26,26’は絶縁薄帯である。この
絶縁薄帯26,26’は、前記導電性薄帯32の内面及
び外面に重ね合わせて、その導電性薄帯32と共に一次
巻線31に巻き付けるものである。この実施例によれ
ば、導電性薄帯32を巻回する工程で、それと同時に、
導電性薄帯32相互間の絶縁処理と、導電性薄帯32と
一次巻線31及び二次巻線34との間の絶縁処理とを、
も施すことができる。
である。図中、図1乃至図3と同符号は同一のものを示
す。図において、26,26’は絶縁薄帯である。この
絶縁薄帯26,26’は、前記導電性薄帯32の内面及
び外面に重ね合わせて、その導電性薄帯32と共に一次
巻線31に巻き付けるものである。この実施例によれ
ば、導電性薄帯32を巻回する工程で、それと同時に、
導電性薄帯32相互間の絶縁処理と、導電性薄帯32と
一次巻線31及び二次巻線34との間の絶縁処理とを、
も施すことができる。
【0022】特に、絶縁薄帯26,26’として導電性
薄帯32より幅広のものを用いたり、粘着剤付きの絶縁
薄帯26,26’を用いることにより、より確実な絶縁
を確保することができる。
薄帯32より幅広のものを用いたり、粘着剤付きの絶縁
薄帯26,26’を用いることにより、より確実な絶縁
を確保することができる。
【0023】また、上述の絶縁薄帯26,26’は、導
電性薄帯32の内側又は外側にのみ施しても良い。
電性薄帯32の内側又は外側にのみ施しても良い。
【0024】さらに、上述の実施例における導電性薄帯
32は、銅製の薄帯であるが、その代わりにアルミ等、
他の金属薄帯や、導電性材料を混入あるいは塗布したテ
ープ等を用いてもよい。
32は、銅製の薄帯であるが、その代わりにアルミ等、
他の金属薄帯や、導電性材料を混入あるいは塗布したテ
ープ等を用いてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の変圧器
は、零電位のシールド体が一次巻線と二次巻線との間に
形成されることとなるので、このシールド体の内周側と
外周側とに配置された二つの巻線のうち一方の巻線に異
常な高電圧が発生しても、シールド体を隔てた他方の巻
線に上述の異常な高電圧が移行するようなことがない。
さらに、シールド体は導電性薄帯を隣り合う導電性薄帯
同士が電気的に接触しないように巻き付けて構成される
ので、そのシールド体を巻線の軸方向に見ると、導電性
薄帯毎に巻線の軸方向に対して交差する方向のスリット
で絶縁されたのと同じ構成となる。この結果、シールド
体を漏れ磁場中に配置しても渦電流の発生を抑制するこ
とができる。
は、零電位のシールド体が一次巻線と二次巻線との間に
形成されることとなるので、このシールド体の内周側と
外周側とに配置された二つの巻線のうち一方の巻線に異
常な高電圧が発生しても、シールド体を隔てた他方の巻
線に上述の異常な高電圧が移行するようなことがない。
さらに、シールド体は導電性薄帯を隣り合う導電性薄帯
同士が電気的に接触しないように巻き付けて構成される
ので、そのシールド体を巻線の軸方向に見ると、導電性
薄帯毎に巻線の軸方向に対して交差する方向のスリット
で絶縁されたのと同じ構成となる。この結果、シールド
体を漏れ磁場中に配置しても渦電流の発生を抑制するこ
とができる。
【0026】特に、本発明の変圧器は、一次巻線の外周
に導電性薄帯を巻き付けてシールド体を構成するもので
あるから、円筒導体のシールド板にスリットを加工する
工程が不要となる。また、スリットを設けた円筒導体の
シールド板、すなわち一部が接続された短冊形状の薄板
の集りであるシールド板を巻線に組み込む作業と比較し
て簡便である。この結果、製作作業の簡略化を図ること
ができる。
に導電性薄帯を巻き付けてシールド体を構成するもので
あるから、円筒導体のシールド板にスリットを加工する
工程が不要となる。また、スリットを設けた円筒導体の
シールド板、すなわち一部が接続された短冊形状の薄板
の集りであるシールド板を巻線に組み込む作業と比較し
て簡便である。この結果、製作作業の簡略化を図ること
ができる。
【0027】また、本発明の変圧器の製造装置及び製造
方法は、一次巻線の回転角に比例して導電性薄帯のフー
プを一次巻線の回転シャフトと平行に移動させるもので
あるから、導電性薄帯を一次巻線の外周に1ターン毎に
巻線の軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯同士が
電気的に接触しないように連続して巻き付けてなるシー
ルド体を、簡単に構成することができる。従って、変圧
器の製作作業の簡略化を図ることができる。導電性薄帯
を軸方向に順次ずらしながら巻回すことで変圧器の一、
二次巻線間のシールド板を簡易に構成でき、巻線の作る
磁束によりシールド板に生じる渦電流を低減できる効果
が得られる。
方法は、一次巻線の回転角に比例して導電性薄帯のフー
プを一次巻線の回転シャフトと平行に移動させるもので
あるから、導電性薄帯を一次巻線の外周に1ターン毎に
巻線の軸方向に順次ずらして隣り合う導電性薄帯同士が
電気的に接触しないように連続して巻き付けてなるシー
ルド体を、簡単に構成することができる。従って、変圧
器の製作作業の簡略化を図ることができる。導電性薄帯
を軸方向に順次ずらしながら巻回すことで変圧器の一、
二次巻線間のシールド板を簡易に構成でき、巻線の作る
磁束によりシールド板に生じる渦電流を低減できる効果
が得られる。
【図1】本発明の変圧器の一実施例を示し、一部を破断
した要部の斜視図である。
した要部の斜視図である。
【図2】本発明の変圧器の製造装置及び製造方法の一実
施例を示した概略説明図である。
施例を示した概略説明図である。
【図3】本発明の変圧器のシールド体を示す斜視図であ
る。
る。
【図4】本発明の変形例を示した概略説明図である。
【図5】変圧器の一次巻線と二次巻線との間に配置した
シールド板の効果を説明するための原理図である。
シールド板の効果を説明するための原理図である。
【図6】変圧器の一次巻線と二次巻線との断面から見た
磁束の流れを示す概念図である。
磁束の流れを示す概念図である。
【図7】変圧器の一次巻線と二次巻線との間に設置した
シールド板に流れる渦電流の一例を示す概念図である。
シールド板に流れる渦電流の一例を示す概念図である。
1…変圧器、10…鉄心、11…鉄心脚、12a,12
b…巻線、21…ボビン、22,23…絶縁層、24
a,24b…端部絶縁、25…外装絶縁、26,26’
…絶縁性薄帯、31…一次巻線、32…導電性薄帯、3
3…リード線、34…二次巻線、36…円筒導体、37
…回転シャフト、38…回転角検知手段、39…フー
プ、40…移動機構、43…制御部、300…シールド
体、i,i’…渦電流、φ,φ’…磁束、C,C’…静
電容量。
b…巻線、21…ボビン、22,23…絶縁層、24
a,24b…端部絶縁、25…外装絶縁、26,26’
…絶縁性薄帯、31…一次巻線、32…導電性薄帯、3
3…リード線、34…二次巻線、36…円筒導体、37
…回転シャフト、38…回転角検知手段、39…フー
プ、40…移動機構、43…制御部、300…シールド
体、i,i’…渦電流、φ,φ’…磁束、C,C’…静
電容量。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 順 千葉県柏市新十余二2番1号 株式会社日 立メディコ技術研究所内 (72)発明者 橋爪 博 千葉県柏市新十余二2番1号 株式会社日 立メディコ柏工場内
Claims (10)
- 【請求項1】 鉄心に巻装した一次巻線と、その一次巻
線の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設したシールド体
と、そのシールド体に設けた接地部と、前記シールド体
の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設した二次巻線と備
えた変圧器において、 前記シールド体は、導電性薄帯を前記一次巻線の外周の
絶縁層に、1ターン毎に巻線の軸方向に順次ずらして隣
り合う導電性薄帯同士が電気的に接触しないように連続
して巻き付けて構成されていることを特徴とする変圧
器。 - 【請求項2】 請求項1に記載の導電性薄帯として、粘
着剤が塗布された粘着導電性薄帯を用いたことを特徴す
る請求項1に記載の変圧器。 - 【請求項3】 鉄心に巻装した一次巻線と、その一次巻
線の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設したシールド体
と、そのシールド体に設けた接地部と、前記シールド体
の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設した二次巻線と備
えた変圧器において、 前記シールド体は、導電性薄帯とその導電性薄帯の内側
に重ね合わせた絶縁性薄帯とを前記一次巻線の外周に、
1ターン毎に巻線の軸方向に順次ずらして隣り合う導電
性薄帯同士が電気的に接触しないように連続して巻き付
けて構成されていることを特徴とする変圧器。 - 【請求項4】 鉄心に巻装した一次巻線と、その一次巻
線の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設したシールド体
と、そのシールド体に設けた接地部と、前記シールド体
の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設した二次巻線と備
えた変圧器において、 前記シールド体は、導電性薄帯とその導電性薄帯の外側
に重ね合わせた絶縁性薄帯とを前記一次巻線の外周の絶
縁層に、1ターン毎に巻線の軸方向に順次ずらして隣り
合う導電性薄帯同士が電気的に接触しないように連続し
て巻き付けて構成されていることを特徴とする変圧器。 - 【請求項5】 鉄心に巻装した一次巻線と、その一次巻
線の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設したシールド体
と、そのシールド体に設けた接地部と、前記シールド体
の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設した二次巻線と備
えた変圧器において、 前記シールド体は、導電性薄帯とその導電性薄帯の内側
及び外側にそれぞれ重ね合わせた絶縁性薄帯とを前記一
次巻線の外周に、1ターン毎に巻線の軸方向に順次ずら
して隣り合う導電性薄帯同士が電気的に接触しないよう
に連続して巻き付けて構成されていることを特徴とする
変圧器。 - 【請求項6】 請求項3、4又は5に記載の絶縁性薄帯
として、粘着剤が塗布された粘着絶縁性薄帯を用いたこ
とを特徴する請求項3、4又は5に記載の変圧器。 - 【請求項7】 請求項3、4又は5に記載の絶縁性薄帯
として、幅が導電性薄帯の幅より広い絶縁性薄帯を用い
たことを特徴する請求項3、4又は5に記載の変圧器。 - 【請求項8】 鉄心に巻装した一次巻線と、その一次巻
線の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設したシールド体
と、そのシールド体に設けた接地部と、前記シールド体
の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設した二次巻線と備
えた変圧器において、 前記シールド体は、一次巻線と二次巻線とに挟まれた空
間に設けられ、かつ前記巻線の軸方向に電気的に分割さ
れた導電性薄帯であって、周方向にたどると、一周ごと
に隣の導電性薄帯に転移して行き、全体が一本の帯とな
っていることを特徴とする変圧器。 - 【請求項9】 鉄心に巻装した一次巻線と、その一次巻
線の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設したシールド体
と、そのシールド体に設けた接地部と、前記シールド体
の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設した二次巻線と備
えた変圧器の製造装置であって、 前記一次巻線を固定した回転シャフトと、 その回転シャフトの回転角を検知する検知手段と、 前記導電性薄帯を引き出して前記一次巻線の外周に巻き
付けるその導電性薄帯のフープと、 その導電性薄帯のフープを前記回転シャフトに対して平
行に移動させる移動機構と、 その移動機構と前記回転角検知手段とにそれぞれ接続
し、前記回転シャフトの回転角に比例して前記移動機構
を駆動させて前記導電性薄帯のフープを移動させる制御
部と、 を備えたことを特徴とする変圧器の製造装置。 - 【請求項10】 鉄心に巻装した一次巻線と、その一次
巻線の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設したシールド
体と、そのシールド体に設けた接地部と、前記シールド
体の外側に所定の絶縁距離を隔てて配設した二次巻線と
備えた変圧器の製造方法において、 第一巻線を形成する工程と、 前記一次巻線を一方向に回転させると共に、その一次巻
線の回転角に比例して前記導電性薄帯のフープを前記一
次巻線の軸方向と平行に移動させて、そのフープから引
き出した前記導電性薄帯を前記一次巻線の外周に巻き付
ける工程と、 前記導電性薄帯に接地部を設ける工程と、 前記導電性薄帯の外周に前記二次巻線を巻き付ける工程
と、 からなることを特徴とする変圧器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4178304A JPH0620855A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変圧器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4178304A JPH0620855A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変圧器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0620855A true JPH0620855A (ja) | 1994-01-28 |
Family
ID=16046136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4178304A Pending JPH0620855A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 変圧器及びその変圧器の製造装置並びにその変圧器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0620855A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001203116A (ja) * | 2000-01-20 | 2001-07-27 | Otowa Denki Kogyo Kk | コイルボビン式巻鉄心変圧器 |
JP2011199143A (ja) * | 2010-03-23 | 2011-10-06 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 乾式変圧器 |
CN108152616A (zh) * | 2017-12-14 | 2018-06-12 | 马鞍山豪远电子有限公司 | 一种变压器铁芯的性能检测装置、变压器制造系统及方法 |
EP4310870A1 (en) | 2022-07-22 | 2024-01-24 | Hitachi, Ltd. | Power conversion device |
-
1992
- 1992-07-06 JP JP4178304A patent/JPH0620855A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001203116A (ja) * | 2000-01-20 | 2001-07-27 | Otowa Denki Kogyo Kk | コイルボビン式巻鉄心変圧器 |
JP4503756B2 (ja) * | 2000-01-20 | 2010-07-14 | 音羽電機工業株式会社 | コイルボビン式巻鉄心変圧器 |
JP2011199143A (ja) * | 2010-03-23 | 2011-10-06 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 乾式変圧器 |
CN108152616A (zh) * | 2017-12-14 | 2018-06-12 | 马鞍山豪远电子有限公司 | 一种变压器铁芯的性能检测装置、变压器制造系统及方法 |
EP4310870A1 (en) | 2022-07-22 | 2024-01-24 | Hitachi, Ltd. | Power conversion device |
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