JPH06213937A - 電流測定器 - Google Patents

電流測定器

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JPH06213937A
JPH06213937A JP5008086A JP808693A JPH06213937A JP H06213937 A JPH06213937 A JP H06213937A JP 5008086 A JP5008086 A JP 5008086A JP 808693 A JP808693 A JP 808693A JP H06213937 A JPH06213937 A JP H06213937A
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JP
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winding
current
core
measuring device
magnetic field
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JP5008086A
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Inventor
Shinzo Ogura
新三 小倉
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 母線に流れる電流の高周波サージに起因する
絶縁破壊を防止し、軸方向磁界の影響を解消して、高精
度での電流測定を可能とする。 【構成】 環状をなす絶縁体製の巻心2の内外周及び両
側に、夫々の全周に沿わせて導体板5,5…を被着し、
これらの導体板5,5…の外側に巻線3を巻回して環状
コイル1を構成する。この環状コイル1の内側に、測定
対象となる母線4を同軸的に通し、この母線4に流れる
電流により巻線3に誘起される電圧を出力端子a,b間
に取り出し、この誘起電圧に基づいて母線4に流れる電
流を測定する。母線4を流れる電流に重畳された高周波
サージにより発生する高電圧は、巻線3と導体板5,5
…との間の浮遊静電容量により抑制する。また母線4を
流れる電流による軸方向磁界の作用により導体板5,5
…に渦電流が発生し、巻心2及び巻線3への軸方向磁界
の作用を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、母線を流れる電流をコ
イルの誘起電圧により測定する電流測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】測定対象となる母線に流れる電流を測定
するための1手段として、この電流により発生する磁界
の作用により、前記母線と同軸的に配された環状コイル
の巻線に誘起される電圧を媒介として用いる電流測定器
がある。図14は、この種の電流測定器の正面図、図15は
図14のXV−XV線による縦断面図である。
【0003】図示の如くこの電流測定器は、環状をなす
絶縁体性の巻心2の全周に巻線3を巻回して構成された
環状コイル1であり、巻心2の内側に測定対象となる母
線4を同軸的に通して用いる。この状態において母線4
に電流が流れると、環状コイル1の周方向に磁界が発生
する。このとき発生する磁界をHとし、環状コイル1内
部の磁束密度をBとした場合、前記母線4を流れる電流
Iは次式により表される。なお、この式中のμ0 は、真
空の透磁率であり、xは、環状コイル1の周方向長さで
ある。
【0004】
【数1】
【0005】母線4に流れる電流Iが角周波数ωの正弦
波交流であり、磁界Hと鎖交する環状コイル1の断面積
(鎖交断面積)をSとし、この鎖交断面内の磁束をΦと
した場合、前記(1)式から電流Iを求めるための
(2)式が得られる。
【0006】
【数2】
【0007】更に、環状コイル1の周方向の微小長さΔ
x当たりの巻線3の巻数をN、Δx間の巻線3に磁界H
が誘起する誘起電圧をeとした場合、前記(2)式は、
次の(3)式に変形できる。
【0008】
【数3】
【0009】(3)式中のN/Δxは、環状コイル1の
周方向の巻線密度nであり、この巻線密度nと鎖交断面
積Sとが環状コイル1の周方向に一定であるとした場
合、母線4に流れる電流Iは、環状コイル1全体の誘起
電圧Eを含む次式によって求められる。
【0010】
【数4】
【0011】即ち前述した電流測定器においては、環状
コイル1に誘起される誘起電圧Eを測定し、この測定値
を(4)式に適用することにより、母線4に流れる電流
Iを知ることができる。
【0012】なお、母線4に流れる電流Iにより環状コ
イル1の周辺には、前述した周方向の磁界のみならず軸
方向の磁界もまた発生し、前記測定値中には軸方向磁界
が巻線3に誘起する電圧が含まれており、(4)式によ
り得られる電流値に誤差が生じる。従来の電流測定器に
おいては、図14に示す如く、巻線3の巻き終わり端に接
続した巻き戻し線30を、巻付けの進行方向と逆向きに、
巻心2の一面に沿わせ巻線3の巻き始め端の近傍に至る
まで巻き戻し、巻線3の巻き始め端と巻き戻し線30の先
端とに夫々設けた出力端子a,b間に得られる誘起電圧
Eを(4)式に適用するようにしている。
【0013】このようにした場合、前記軸方向磁界によ
り巻線3に誘起される電圧と、同じく巻き戻し線30に誘
起される電圧とが相殺され、軸方向磁界の影響による測
定誤差の発生を排除できる。なお図14においては、巻線
3が単層に巻かれたものについて述べたが、巻線3を2
層又はそれ以上の多層巻きとした場合、巻き戻し線30の
巻き戻しターン数も多層とする必要がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが以上の如き動
作をなす電流測定器においては、前記(4)式に明らか
な如く、環状コイル1の誘起電圧Eが母線4に流れる電
流Iの周波数ωに比例することから、前記電流Iに高周
波サージが重畳されている場合、瞬間的に高電圧が誘起
され、環状コイル1に絶縁破壊を生じる虞があった。
【0015】巻線3を多層巻きとした場合、各層間の浮
遊静電容量により、高電圧の誘起に伴う絶縁破壊の発生
をある程度緩和し得る。ところが、この緩和効果は十分
なものではなく絶縁破壊の虞が残る上、巻線3を多層巻
きとした場合、(4)式による電流Iの正確な算定のた
めの前提条件、即ち、鎖交断面積Sと巻線密度nとが一
定という条件を満たすことが難しく、環状コイル1内部
の磁界分布が不均一となり、新たな測定誤差を生み出す
虞がある。
【0016】また一方、母線4を流れる電流により形成
される軸方向磁界は、巻心2のみならず、該巻心2に巻
回された巻線3をも貫通するが、前述した構成の従来の
電流測定装置においては、軸方向磁界による主たる誤差
要因となる巻心2を貫通する軸方向磁界の影響は、前記
巻き戻し線30により排除できるが、巻線3を貫通する軸
方向磁界の影響に対する配慮はなされておらず、この磁
界による誘起電圧の重畳に伴う誤差が測定結果中に現
れ、測定精度の更なる向上を阻害する結果となってい
る。
【0017】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、母線に流れる電流の高周波サージに起因する絶
縁破壊の発生を有効に防止でき、また軸方向磁界の影響
による測定誤差の発生を略完全に解消して、高精度での
測定を可能とする電流測定器を提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
電流測定器は、絶縁体製の巻心に巻回された巻線に近接
して、巻心の全周に沿う導体板を配したものであり、ま
た巻心に近接配置した複数の導体板の一部に周方向の不
連続部を設け、この不連続部を臨む一側の端部に巻線の
巻き終わり端を接続し、他端に導線を接続して、前記導
体板を巻き戻し線として利用したものである。
【0019】また本発明の第2発明に係る電流測定器
は、断面の一部に全周に亘る空隙を有する中空の導体を
巻心としたものであり、また第3発明に係る電流測定器
は、前記巻心は、絶縁体製の心材に導体と絶縁体との2
層構造を有するテープを多重に巻付けて巻心を構成した
ものであり、更に第4発明に係る電流測定器は、測定対
象となる母線の表皮厚以下の厚さを有する複数枚の環状
をなす導体板を用いこれらを相互間に絶縁体を挾んで厚
さ方向に積層して巻心を構成したものである。
【0020】
【作用】第1発明においては、巻線とこれに近接する導
体板との間に十分な浮遊静電容量を確保し、高周波サー
ジに起因する高電圧の発生を抑制する。また、軸方向磁
界の作用により導体板に渦電流が発生し、巻心及び巻線
への軸方向磁界の作用を緩和する。更に、一部の導体板
を巻き戻し線として利用して、軸方向磁界の影響による
測定誤差の発生を解消する。
【0021】第2発明においては、巻線が巻回される巻
心を導体製として巻線との間に十分な浮遊静電容量を確
保し、高周波サージに起因する高電圧の発生を防ぎ、ま
た軸方向磁界の影響を排除する一方、周方向磁界の作用
により誘導電流が発生しないよう、巻心を中空とし、断
面の一部に空隙を設ける。
【0022】第3発明においては、絶縁体製の心材に導
体製のテープと絶縁体製のテープとを重ね巻きして巻心
を構成して、前記導体製のテープを巻線に近接した導体
板として配し、また第4発明においては、環状をなす複
数枚の導体板を相互間に絶縁体を挾んで積層して巻心を
構成して、各導体板を巻線に近接した導体板として配
し、夫々第1発明の場合と同様の作用を行わせる。
【0023】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は本発明の第1発明に係る電流測定器
の一実施例を示す正面図、図2は図1のII−II線による
縦断面図である。
【0024】図示の如くこの電流測定器は、矩形断面を
有する環状の巻心2を備え、絶縁体からなるこの巻心2
の内外周面及び両側面に、夫々の全周に沿わせて環状を
なす導体板5,5…を被着し、これらの導体板5,5…
の外側に巻線3を巻回せしめて構成された環状コイル1
であり、測定対象となる母線4を、その内側に同軸的に
通して用いられる。
【0025】以上の如き使用状態において母線4に電流
が流れると、従来の電流測定器と同様、前記電流が形成
する磁界に応じた誘導電流が巻線3に流れ、巻線3の巻
き始め端と巻き終わり端とに夫々設けた出力端子a,b
間に誘起電圧Eが発生する。母線4を流れる電流Iは、
出力端子a,b間の誘起電圧Eを測定し、この測定値を
前記(4)式に適用して算定される。
【0026】このように行われる測定に際し、巻線3に
誘起される電圧Eは母線4に流れる電流Iの周波数ωに
比例し、母線4に流れる電流に重畳された高周波サージ
により巻線3には瞬間的な高電圧が発生しようとする
が、図1に示す電流測定器においては、巻線3とこれの
内側に近接する導体板5,5…との間に十分に大きい浮
遊静電容量が存在しており、この静電容量の作用により
高周波サージに起因する高電圧の発生が有効に緩和さ
れ、巻線3の絶縁に支障を来す虞が小さい。
【0027】このことはまた、巻線3の多層巻きが不要
となることを意味しており、巻線3の巻き形状が単純と
なることから、周方向磁界に対する鎖交断面積S及び周
方向の巻線密度nの均一化が容易となる。即ち、(4)
式を用いた算定により電流Iを精度良く求め得るように
なる。
【0028】更に母線4に流れる電流Iは、環状コイル
1の周方向のみならず軸方向の磁界も形成する。ところ
が図1に示す電流測定器においては、周方向に連続する
導体板5,5…の夫々に前記軸方向磁界の作用により渦
電流が発生し、巻線3への軸方向磁界の作用が大幅に軽
減される。従って、出力端子a,b間に取り出される誘
起電圧Eの測定値中に含まれる軸方向磁界の影響による
誤差はわずかとなり、高精度での電流測定が可能とな
る。
【0029】図3は本発明の第1発明に係る電流測定器
の他の実施例を示す正面図、図4は図3のIV−IV線によ
る縦断面図である。この電流測定器は、環状をなす絶縁
体製の巻心2に巻線3を直接的に巻回し、この巻線3の
内外周面及び両側面に環状をなす導体板5,5…を配
し、これらの導体板5,5…の外側にテープ6を巻き付
けて導体板5,5…と巻線3とを密着せしめてなる。
【0030】この構成においても、巻線3の周囲に環状
をなす導体板5,5…が近接配置されたことになり、母
線4を流れる電流に重畳された高周波サージに起因する
高電圧の発生は、巻線3と導体板5,5…との間の浮遊
静電容量により抑制され、更に、軸方向磁界の影響によ
る誘起電圧Eの測定誤差は、導体板5,5…に発生する
渦電流の作用により低レベルに保たれる。
【0031】更にこの実施例においては、図3に明らか
な如く、巻線3の外側及び内側の導体板5,5に周方向
の不連続部50,50を設け、これらの不連続部50,50の近
傍に巻線3の巻き始め端及び巻き終わり端を配する一
方、外側の導体板5の不連続部50を臨む両端部の内、巻
き戻し側の端部に巻線3の巻き終わり端を接続し、前記
導体板5の他方の端部に接続された導線51の先端と巻線
の巻き始め端とに出力端子a,bを構成してある。
【0032】即ちこの構成によれば、外側の導体板5が
従来の電流測定器における巻き戻し線30と同等の機能を
果たし、巻線3自体を貫通する軸方向磁界の影響が排除
されて、軸方向磁界に起因する測定誤差の発生をより確
実に解消できる。
【0033】なお導体板5,5…の配設は、前述した両
実施例における態様に限らず、巻線3に近接した位置に
確実に位置決めし得るものであれば、いかなる配設態様
を採用してもよい。また巻心2の断面形状は、両実施例
中に示す矩形断面に限らず、円形、多角形等、各種の断
面形状を採用し得ることは言うまでもない。
【0034】図5は第1発明に係る電流測定器の他の実
施例を示す縦断面図である。この実施例においては、絶
縁体からなる巻心2に巻線3を直接的に巻回せしめて環
状コイル1を構成し、巻線3の一側面に環状をなす導体
板5を接触させ、またこの導体板5の他側に、珪素鋼板
を積層体である巻心7aに巻線7bを巻回してなる電流変成
器7を環状コイル1と同軸をなして接触させて、これら
を相互に一体化せしめた構成となっている。
【0035】このように構成された電流測定器におい
て、電流変成器7の巻線7bには軸心部を通る母線4と等
しいアンペアターンが流れ、巻線7bの巻線密度の不均一
により発生する不平等磁界が環状コイル1に侵入しよう
とするが、この侵入は、両者間に配された導体板5によ
り遮蔽され、測定誤差を無くすことができる。
【0036】図6は本発明の第2発明に係る電流測定器
の一実施例を示す正面図、図7は図6の VII−VII 線に
よる縦断面図である。この電流測定器は、環状をなす巻
心2に巻線3を直接的に巻回してなる単純な構成を有す
る環状コイル1であり、先に示した電流測定器と同様、
測定対象となる母線4を、その内側に同軸的に通して用
いられる。
【0037】巻心2は、図2、図4及び図5におけるそ
れらとは異なり、中空の矩形断面を有して成形された導
体であり、断面の一部に全周に亘る空隙20を備えてな
る。即ち、この電流測定器は、内側の中空部分(絶縁
体)の周囲に巻心2(導体)を配し、この巻心2に巻線
3を巻回して、第1発明に係る電流測定器と同様の構
成、即ち、巻線3に近接して導体を配した構成を実現し
たものであり、第1発明におけると同様の動作により、
母線4を流れる電流に重畳された高周波サージに起因す
る巻線3の絶縁破壊の防止と、測定結果における軸方向
磁界の影響の排除とを共に実現し得る。このとき前記空
隙20は、導体製の巻心2の断面を不連続とし、母線4を
流れる電流が形成する周方向磁界により、前記巻心2自
体に誘導電流が流れることを防ぐ作用をなす。
【0038】図8は本発明の第3発明に係る電流測定器
の縦断面図、図9はその要部の拡大図である。この電流
測定器は、環状の心材21の外側にテープ22を巻付けて構
成された巻心2を備え、この巻心2の外側に巻線3を巻
回せしめて構成された環状コイル1であり、先に示した
電流測定器と同様、測定対象となる母線4を、その内側
に同軸的に通して用いられる。
【0039】前記心材21は、中実断面を有する絶縁体で
あり、これの外側のテープ22は、図9に示す如く、良導
体からなる導体層 22aと、高誘電率を有する絶縁体層 2
2bとの2層構造をなしており、前記心材22の外側に重ね
巻きしてある。即ちこの電流測定器は、テープ22の導体
層 22aを巻線3に近接した導体板として配し、第1発明
に係る電流測定器と同様の構成を実現したものであり、
導体層 22aは、絶縁体層 22bにより周方向の連続を絶た
れているから、第1発明における導体板5,5…と同
様、母線4を流れる電流に重畳された高周波サージに起
因する巻線3の絶縁破壊の防止と、測定結果における軸
方向磁界の影響の排除とに寄与し得る。
【0040】図10及び図11は、本発明の第4発明に係る
電流測定器の側面図である。図10に示す電流測定器は、
環状をなす複数枚の導体板23,23…を用い、これら相互
間に略同形の絶縁体板24,24…を挾んで厚さ方向に積層
してなる巻心2を備え、この巻心2に巻線3を巻回して
構成された環状コイル1であり、先に示した電流測定器
と同様、測定対象となる母線4を、その内側に同軸的に
通して用いられる。
【0041】また図11に示す電流測定器は、導体板23,
23…をこれらの間の絶縁体板24,24…と共に、コの字形
断面を有する良導体製の枠体25内に収納し、この枠体25
の開口部を良導体製の蓋板26により閉塞して巻心2を構
成してなる。この構成によれば、巻心2の大きさが枠体
25により決定され、図10に示す構成に比較した場合、巻
心2の大きさの均一化が容易となる。但し、この構成に
おいては、枠体25と蓋板26とからなる外枠に周方向磁界
の作用による誘導電流が流れないように、枠体25(又は
蓋板26)の一部に空隙27が設けてある。この空隙27は、
第2発明における空隙20と同様の作用をなすものであ
る。
【0042】巻心2を構成する導体板23,23…は、図示
の如き薄肉の板であり、巻線3に近接して配された導体
板、即ち、第1発明における導体板5,5…と同様の作
用をなし、母線4を流れる電流に重畳された高周波サー
ジによる巻線3の絶縁破壊の防止に寄与し、また、測定
結果における軸方向磁界の影響を排除し、測定精度の向
上に寄与する。
【0043】なお、以上の効果を実現するには、前記導
体板23,23…の厚さを母線4の表皮厚以下とする必要が
ある。この理由を次に述べる。図12は、導体板23,23…
の厚さと、これらの導体板23,23…に渦電流により発生
する反作用磁界の大きさとの関係を、導体板23,23…に
60Hzの磁界が加わるという条件下にて計算した結果を示
す図である。
【0044】本図の横軸は、表皮厚に対する導体板23の
厚みの割合であり、また縦軸は、母線4に流れる電流に
より環状コイル1に鎖交する磁束に対する前記反作用磁
界の大きさの割合である。本図に明らかな如く、導体板
23の厚みが表皮厚以下である場合、反作用磁界の大きさ
を鎖交磁束の1%(測定誤差中に含み得る大きさ)程度
に抑えることができる。
【0045】図13は、母線4に流れる電流の周波数と導
体板23,23…に発生する磁束との関係を示す図である。
本図の縦軸は、導体板23,23…が存在しない場合の磁束
に対する百分率であり、図に明らかな如く、導体板23に
発生する磁束は、母線4に流れる電流の周波数の上昇に
伴って低下し、10000 Hzなる周波数下においては、導体
板23が存在しない場合のそれの1/10前後の磁束が発生
するに過ぎない。
【0046】即ち、表皮厚以下の導体板23,23…により
巻心2を構成した場合、測定対象となる低周波電流に対
しては正確な測定結果が得られ、測定対象から外れた高
周波電流に対しては磁束が大きく低減し、高電圧の誘起
に伴う絶縁破壊の虞を有効に回避できるようになる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
る電流測定器においては、巻線とこれに近接配置された
導体板との間に充分な浮遊静電容量が確保され、高周波
サージに起因する高電圧の発生を抑制でき、絶縁破壊の
発生を未然に防止し得る。また軸方向磁界により導体板
に発生する渦電流の作用により、巻心及び巻線への軸方
向磁界の作用が緩和され、更に一部の導体板を巻き戻し
線として機能し、巻線への軸方向磁界の作用が緩和され
るから、軸方向磁界の影響による測定誤差の発生を有効
に解消でき、高精度での電流測定が可能となる。
【0048】また第2発明に係る電流測定器において
は、巻線が巻回される巻心自体が導体製であり、巻線と
の間に十分な浮遊静電容量を確保する一方、周方向磁界
の作用による巻心内部の誘導電流の発生を、断面の一部
に空隙を有する中空構造として解決したから、更に、第
3発明においては、絶縁体製の心材に導体製のテープと
絶縁体製のテープとを重ね巻きして巻心を構成し、導体
製のテープを巻線に近接した導体板として配し、また第
4発明においては、環状をなす複数枚の導体板を相互間
に絶縁体を挾んで積層して巻心を構成して、各導体板を
巻線に近接した導体板として配したから、第1発明にお
けると同様の効果に加え、構成の単純化が図れる等、本
発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1発明に係る電流測定器の一実施例
を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線による縦断面図である。
【図3】本発明の第1発明に係る電流測定器の他の実施
例を示す正面図である。
【図4】図3のIV−IV線による縦断面図である。
【図5】本発明の第1発明に係る電流測定器の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第2発明に係る電流測定器の一実施例
を示す正面図である。
【図7】図6の VII−VII 線による縦断面図である。
【図8】本発明の第3発明に係る電流測定器の一実施例
を示す縦断面図である。
【図9】図8の要部の拡大図である。
【図10】本発明の第4発明に係る電流測定器の一実施
例を示す縦断面図である。
【図11】本発明の第4発明に係る電流測定器の他の実
施例を示す縦断面図である。
【図12】導体板の厚さと導体板に渦電流により発生す
る反作用磁界の大きさとの関係を示す図である。
【図13】母線に流れる電流の周波数と導体板に発生す
る磁束との関係を示す図である。
【図14】従来の電流測定器の正面図である。
【図15】図14のXV−XV線による縦断面図である。
【符号の説明】
1 環状コイル 2 巻心 3 巻線 4 母線 5 導体板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
電流測定器は、絶縁体製の巻心に巻回された巻線に近接
して、巻心の全周に沿う導体板を配したものであり、
また巻心に近接配置した複数の導体板の一部に周方向の
不連続部を設け、この不連続部を臨む一側の端部に巻線
の巻き終わり端を接続し、他端に導線を接続して、前記
導体板を巻き戻し線として利用したものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】即ちこの構成によれば、外側の導体板5が
従来の電流測定器における巻き戻し線30と同等の機能を
果たし、巻線3自体を貫通する軸方向磁界の影響が排除
されて、軸方向磁界に起因する測定誤差の発生をより確
実に解消できる。なお、周方向の不連続部50は、図3に
示す実施例において、巻線3の両側の導体板5,5に形
成してもよく、また図1に示す実施例において、巻線3
の周囲に配された導体板5,5…の夫々に形成してもよ
く、この形成により巻線3を貫通する軸方向磁界の影響
による測定誤差を減じることができる。即ち、導体板
5,5…は、巻心2の略全周に沿って配設してあればよ
く、軸方向磁界の影響による測定誤差の発生を避けるた
めには、周方向の不連続部50を各導体板5に積極的に設
けるのがよい。このことは、以下に述べる各実施例にお
いても同様である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
る電流測定器においては、巻線とこれに近接配置された
導体板との間に充分な浮遊静電容量が確保され、高周波
サージに起因する高電圧の発生を抑制でき、絶縁破壊の
発生を未然に防止し得る。また軸方向磁界により導体板
に発生する渦電流の作用により、巻心及び巻線への軸方
向磁界の作用が緩和され、更に一部の導体板巻き戻し
線として機能し、巻線への軸方向磁界の作用が緩和され
るから、軸方向磁界の影響による測定誤差の発生を有効
に解消でき、高精度での電流測定が可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状をなす巻心に巻線を巻回してなるコ
    イルの内側に、測定対象となる母線を同軸的に通し、該
    母線に流れる電流を、この電流により発生する磁界が前
    記巻線に誘起する電圧を媒介として測定する電流測定器
    において、前記巻心は絶縁体であり、該巻心の全周に沿
    う環状の導体板を前記巻線に近接して備えることを特徴
    とする電流測定器。
  2. 【請求項2】 前記導体板を複数枚備え、これらの一部
    に周方向の不連続部を設け、該不連続部を臨む導体板の
    両端部の内、巻き戻し側の端部に前記巻線の巻き終わり
    端を接続し、他方の端部に接続された導線と前記巻線の
    巻き始め端とに前記電圧の出力端子を構成してある請求
    項1記載の電流測定器。
  3. 【請求項3】 環状をなす巻心に巻線を巻回してなるコ
    イルの内側に、測定対象となる母線を同軸的に通し、該
    母線に流れる電流を、この電流により発生する磁界が前
    記巻線に誘起する電圧を媒介として測定する電流測定器
    において、前記巻心は中空断面を有する導体であり、断
    面の一部に全周に亘る空隙を備えることを特徴とする電
    流測定器。
  4. 【請求項4】 環状をなす巻心に巻線を巻回してなるコ
    イルの内側に、測定対象となる母線を同軸的に通し、該
    母線に流れる電流を、この電流により発生する磁界が前
    記巻線に誘起する電圧を媒介として測定する電流測定器
    において、前記巻心は、絶縁体製の心材に導体と絶縁体
    との2層構造を有するテープを多重に巻付けて構成して
    あることを特徴とする電流測定器。
  5. 【請求項5】 環状をなす巻心に巻線を巻回してなるコ
    イルの内側に、測定対象となる母線を同軸的に通し、該
    母線に流れる電流を、この電流により発生する磁界が前
    記巻線に誘起する電圧を媒介として測定する電流測定器
    において、前記巻心は、前記母線の表皮厚以下の厚さを
    有し、環状をなす複数枚の導体板を、相互間に絶縁体を
    挾んで厚さ方向に積層して構成してあることを特徴とす
    る電流測定器。
JP5008086A 1993-01-21 1993-01-21 電流測定器 Pending JPH06213937A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013535001A (ja) * 2010-04-20 2013-09-09 アンヤン・アンケ・エレクトリック・カンパニー・リミテッド パルス電流センサー及び該センサーを有するサージ波記録型雷防護キャビネット
JP2017504022A (ja) * 2014-01-07 2017-02-02 パワー エレクトロニック メジャメンツ リミテッド スクリーンされたコイルを備える広帯域ロゴスキートランスデューサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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