JP2645256B2 - ノイズカットトランス - Google Patents

ノイズカットトランス

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JP2645256B2 JP61067600A JP6760086A JP2645256B2 JP 2645256 B2 JP2645256 B2 JP 2645256B2 JP 61067600 A JP61067600 A JP 61067600A JP 6760086 A JP6760086 A JP 6760086A JP 2645256 B2 JP2645256 B2 JP 2645256B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電源線路を伝わってきた障害波(以下ノイ
ズという)を遮断するトランスに関する。
従来の技術 近年、コンピュータ利用の普及、ことにマイクロコン
ピュータによる利用の数量的な増加は著しいものがあ
り、情報、産業、民生、その他のあらゆる分野に及んで
いる。又集積回路の発達により、電子機器や制御装置の
デジタル化、小形化も極めて著しいものとなっている。
ところが、集積回路は極めて微弱な電気エネルギーによ
って動作するものであるため、外部から侵入するノイズ
によって誤動作や破壊を起しやすいという問題があり、
コンピュータ化、デジタル化にとって有効なノイズ防止
策は不可欠である。
ところが、普通一般のトランスではノイズはほとんど
防止できない。ノイズ防止用のトランスには、シールド
トランスがある。このトランスは絶縁トランスの構造に
加えて、コイル間やトランスの外周に静電遮蔽板を巻い
て、一方側の電圧電流に含まれるノイズが、分布静電容
量を通して他方側に伝達するのを防止するものである。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来のトランスにつき、周波数を非常
に低い周波数から高い周波数まで連続的に変えて、ノイ
ズ防止の作用と性能とを測定すると、周波数が数百KHz
に超えるにしたがい、ノーマルモードノイズ、コモンモ
ードノイズ共に、減衰率(dB)の変動が激しく大きくな
っていき、周波数によってはむしろノイズが増幅される
(第4図、第5図)。そのように減衰率が周波数によっ
て急激に変動し、その値が小さくなったり、大きくなっ
たり波を打つようになると、位相も遅れたり、反転して
進んだり、つまりキャパシティブになったり、インダク
ティブになったり変化する。この原因がどこにあるか掘
り下げてみると、トランスのコイルの巻数は多いもので
は数千、数万回も密接して巻かれており、その一巻き一
巻きの間には、キャパシタンスを持つようになる。更に
多くのものは多重層に巻かれているため層間にも持ち、
更にトランスの磁芯や支持枠や大地との間にも持ってい
る。また漏れ磁束の存在による漏れインダクタンスも、
同様に複雑に分布し、両者は互いに複雑な組合わせとな
って存在する。その結果、トランスのコイルは、多数の
なんらかの周波数における共振回路を内蔵する。この複
雑な値で複雑な分布定数の存在は値としてはそれ程大き
くないので、一般のトランスを電子回路に組込んだ場合
に、基本波近くの低い周波数では共振を起すこともな
い。しかし、高い周波数のノイズが侵入して、それが共
振周波数と一致すれば、共振して高い共振電圧を発生す
るので問題が起こる。なお、ノイズ電流による磁束は遮
蔽板面と平行方向に発生するので、電磁遮蔽体を設けて
もなかなか防止し難い。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされた
ものであり、ノイズ電流による磁束と直角方向に交叉す
る2次回路を作ることによって、その中を流れる2次電
流(短絡電流)による磁束(反抗磁束)によってノイズ
電流の磁束を打消すと同時に、共振電圧の発生を押える
ことのできる、しかも基本波の短絡電流が流れ難いノイ
ズカットトランスを提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための手段を、以下実施例に対応
する第1図及び第3図を用いて説明する。
このノイズカットトランスはコイル13の周面上に、0.
5〜100ミクロンの厚さを有する導電性薄層の短絡環11か
ら成る遮蔽体を配設する。
作用 上記手段は次のように作用する。
コイル13の周面上に、0.5〜100ミクロンの厚さを有す
る導電性薄層の短絡環11から成る遮蔽体を配設すると、
それが電磁遮蔽体として働き、一方側のコイルに侵入し
たノイズが輻射、即ち電磁波として他方側のコイルに伝
達するのを防ぐ。又、その遮蔽体が導体となり、ノイズ
周波数領域において、低インピダンスの電気的閉回路を
構成するため、短絡電流(2次電流)が流れ、それによ
り発生する磁束が電磁誘導の法則によってノイズの磁束
と大きさが常に等しく逆方向であること(反抗磁束であ
ること)によって、ノイズの磁束を打消して著しくノイ
ズ減衰率を向上させると同時に、導体抵抗による損失が
共振回路のインダクタンスとキャパシタンスの他に抵抗
を含ませた結果となって、共振曲線をブロードにし、周
波数に対する減衰特性をフラットにする。これらの作用
をより良く行なうには導体内を流れる電流の表皮効果を
考慮し、その表面積を広くして高周波のインピダンスを
低くする。又、導体が厚いと、導体深部の抵抗が小さく
なり、基本波による低周波磁束によって導体内に基本波
の短絡電流が流れて焼損するので、高周波電流を主に流
すように薄くする。なお、導電性薄層の短絡環11にアー
スを施すと、それは静電遮蔽体としても働く。
実施例 以下、添附図面に基づいて、本発明の実施例を説明す
る。
第1図は本発明の一実施例によるノイズカットトラン
スの要部を示す斜視図である。第2図はその1部切欠
図、第3図はそのA−A線横断面図である。図中、11は
導電性薄層の短絡環例えば厚さ15ミクロンのアルミニウ
ムなどから成る良導電性金属箔の包覆体である。この短
絡環11はコイル13の周面上を全体的に包覆し、電気的閉
回路を構成している。なお、短絡環11を構成する導電性
材料には、その実施に適合した導電率を有するもの特に
導電率の大きい良導電性材料を採用する。15は金属箔の
両端17、19を重ね合せた短絡部である。この短絡部15で
はコイル13の周面上に、両端17、19を重ね合せ、良導電
的に接合している。なお、コイル13の周面上を包覆する
金属箔に換えて、金属テープを包帯のように巻く、蒸
着、スパッタリング、鍍金などで金属膜を作る、導電塗
料を用いる、従来の仕方でシールドした上に、鉢巻状に
金属帯を施すなどのいずれかの方法を採用して、導電性
薄層の短絡環を構成することもできる。
次に、上記実施例の作用を説明する。このような導電
性薄層の短絡環11は電磁遮蔽体としても働くため、この
短絡環11を施したコイル側に侵入したノイズは輻射、即
ち電磁波として他方側のコイルに伝達するのを妨げられ
るが、更に次のような重要な作用を行なう。即ち、この
短絡環11を一方側例えば1次コイルの周面上に設置する
と、それが1次コイルに覆い重なって2次の導体とな
り、ノイズ周波数領域において、低インピダンスの電気
的閉回路を構成するため、ノイズの磁束による短絡電流
が流れ、反抗磁束を生じてノイズの磁束を打消すと同時
に、導体抵抗による損失が共振回路のインダクタンスと
キャパシタンスに抵抗を加えた結果となって共振曲線を
ブロードにし、周波数に対する減衰特性をフラットにす
ることに寄与する。これらの作用を導体により良く行な
わせるためには、導体内を流れる電流の表皮効果を表わ
す式、 ただし、α:電流の流れる深さ、σ:導体の導電率、
μ:導体の透磁率、ω:角周波数より、例えば導体を純
銅として答えを求めると、例えば1MHzで66ミクロン、10
0MHzで6.6ミクロン、10GHzで0.66ミクロンとなるため、
高周波のインピダンスを低くするには、表面積を広くす
る他にないことがわかる。
導体が厚いと、導体深部の抵抗が小さくなり、1次コ
イルの基本波による低周波磁束によって導体内に基本波
磁束による巨大な短絡電流が流れて焼損する。従来、ト
ランスの遮蔽体は本願発明のものと比較すると厚く、30
〜300ミクロンの良導電板を用いて、コイルを一周回し
た始端と終端を重ね合せた間に必ず絶縁物を挟んで短絡
を防ぐ構造を取っていた。これは薄くする程強度不足で
破れ易く、加工し難く、コスト高にもなる上に、電磁遮
蔽の作用においては薄くしなければならないという理由
はなく、できるだけ厚い方が若干なりと効果が良くなり
悪くなることはないからであり、また輻射する電磁波の
遮蔽体としては一周回してから短絡する必要はなく(何
故ならば、電磁遮蔽効果の源である電磁波の進行方向と
直角方向に生ずる渦電流は、重ね合せ面とは並行して流
れるから、接続の有無によって値が変わらない)、しか
も重ね合せ面を絶縁すれば基本波磁束による巨大な短絡
電流が流れて焼損や効率低下が生じることを簡単確実に
防ぐことができるために、そのような構造にすることが
トランス設計上の常識中の常識とされてきたからであ
る。因みに、ピンポンボール程の小型トランスでも30ミ
クロンの遮蔽体を施すのは例外的であり、特に小型化が
要求される場合だけ薄いものを用いる。一般には加工の
容易性とコスト安を考慮して、トランスの大小に関係な
く100〜300ミクロンの遮蔽体を適宜採用する。
ところが、本願発明では敢て短絡させた遮蔽体を極限
まで薄くするとよく、つまり高周波電流が流れ得る限界
まで薄くすることによって、基本波の短絡電流が流れる
のを防止しながらノイズの短絡電流を良く流し、それに
よって著しいノイズ防止効果を上げることができる。
そこで、短絡環11を形成する導電性薄層の厚みは下記
の2条件を同時に満たす範囲で決める。
短絡環の抵抗値が、基本波の短絡電流を熱的に支障無
い値まで減少させる値であること。
除きたいノイズの高周波磁束による電流が表皮効果に
より流れ得る厚みよりあまり薄くしないこと。
つまり、導電性薄層の厚みはの条件により厚くでき
る限界が生じ、の条件により薄くできる限界が生じ
る。この結果を考慮し、実用のトランスでは導電性薄層
の厚みは0.5〜100ミクロンになる。なお、0.5ミクロン
は現在の技術によって施せる均一厚みの薄層の限界を示
す。一方100ミクロンにすると、発熱量が多くなるた
め、コイルの周面上に部分的にしか施せない。通常、コ
イルの周面上に全体的に施す場合は厚みを50ミクロン以
下にするとよい。また、導電性薄層を多層とすることに
よって、そのような効果を更に大にすることも可能であ
る。なお、導電性薄層の短絡環11にアースを施すと、そ
れは静電遮蔽体としても働く。
更に、他方側に当る2次コイルに、そのような導電性
薄層の短絡環を設置すれば、逆方向のノイズに対しても
同様な作用を行なわせることができ、効果は著しいもの
となる。
なお、上述した金属箔の接合による短絡環15に、導電
性接着剤等を用い、その導電率を選択すると、上記効果
の程度を調整することが可能である。また、必要に応じ
て短絡環と遮蔽体を別々に施しても良い。この場合には
経済性が減少する代りに短絡環の形状・材質・施工部位
の選択範囲が広がるという便利さが得られる。
次に、上記実施例と従来のトランスなどとについて、
周波数を非常に低い周波数から極めて高い周波数まで連
続的に変えた場合のノイズ減衰率の測定結果を示す。こ
の測定には、1次コイルと2次コイルとを重ね合せて巻
いた絶縁トランス、1次コイルと2次コイル間にシール
ド板を挟んで重ね合せて巻いたシールドトランス、コイ
ル13の周面上を厚さ15ミクロンのアルミ箔の短絡環11で
包覆したアースのない電磁遮蔽体を施した上記実施例で
示したノイズカットトランスなどを用いる。これらのト
ランスに対するノイズ減衰率測定では被測定トランスと
して、すべて容量300VA、1次定格電圧100V、2次定格
電圧100V、基本周波数50Hz/60Hzで、外形の最大寸法が
立方体の各辺となるものをそろえる。すると、絶縁トラ
ンスについては第4図、シールドトランスについては第
5図、上記実施例で示したノイズカットトランスについ
ては第6図などの各ノイズ減衰率特性グラフが得られ
た。各図について、実線がノーマルモードノイズを、点
線がコモンモードノイズをそれぞれ示す。これらの各ノ
イズ減衰率特性グラフより、1MHz〜130MHzまでのノイズ
平均減衰率(dB)は、ノーマルモードノイズ、コモンモ
ードノイズ、の順に各トランスについて示すと、絶縁ト
ランスが、−6.6、−4.2、シールドトランスが−21.5、
−17である。ところが、上記実施例で示したノイズカッ
トトランスでは−77.8、−78.5であり、その効果が顕著
である。
発明の効果 以上説明した本発明の構成によれば、一方に侵入した
ノイズ電流による磁束を他方に到達する前に消滅させ、
かつ高い周波数領域で共振電圧の発生を押え、かつ電磁
波として輻射するノイズを遮蔽することができる。それ
故、ノイズ減衰率が大きく、その変動が小さくなって、
ノイズ遮蔽効果が著しいものとなる。しかも、基本波の
短絡電流を熱的に支障無い値まで減少させることができ
るため、トランスの効率を低下させず、損傷することも
ない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例によるノイズカットトラン
スの要部を示す斜視図である。 第2図は第1図の1部切欠図、第3図は同図のA−A線
横断面図である。 第4図は従来の絶縁トランス、第5図は従来のシールド
トランスの各ノイズ減衰率特性グラフである。 第6図は、第1図に示したノイズカットトランスのノイ
ズ減衰率特性グラフである。 11……導電性薄層の短絡環、13……コイル、15……短絡
部、17、19……金属箔の両端

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイルの周面上に、0.5〜100ミクロンの厚
    さを有する導電性薄層の短絡環から成る遮蔽体を配設す
    ることを特徴とするノイズカットトランス。
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JP5388532B2 (ja) * 2008-10-03 2014-01-15 三菱電機株式会社 静電板

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