JPH06193669A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH06193669A
JPH06193669A JP4341761A JP34176192A JPH06193669A JP H06193669 A JPH06193669 A JP H06193669A JP 4341761 A JP4341761 A JP 4341761A JP 34176192 A JP34176192 A JP 34176192A JP H06193669 A JPH06193669 A JP H06193669A
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JP
Japan
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vibration
diaphragm
liquid chamber
electromagnet
pressure receiving
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Application number
JP4341761A
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English (en)
Inventor
Kazuya Takano
和也 高野
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 力の小さいアクチュエータを用いても広範囲
な周波数にわたる振動を確実に吸収する。 【構成】 下部取付台12に電磁石50が取付られてい
る。電磁石50は、振動板24の下面から所定寸法離間
しており、振動板24に対向する部分が極となる。振動
板24と電磁石50との間の空間に対応した開口部11
2を有する通路110が形成されている。通路110の
終端部114は下部取付台12の外周側に位置してい
る。終端部114の周囲を覆うようにダイヤフラム12
0が、下部取付台12の外周側に貼り付けられている。
従って、温度が高くなっても、ダイヤフラム120の変
形により電磁石50と振動板24との間の空間の気圧が
上昇しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は能動型制御を行う防振装
置に係り、特にエンジン振動の車体への伝達を阻止する
ための防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンは防振装置によって車
体へ支持されており、この防振装置はエンジン振動の車
体への伝達を阻止している。
【0003】このような防振装置として、液体封入式防
振装置が提案されている。液体封入式防振装置は、受圧
液室と副液室を有しており、受圧液室と副液室とが制限
通路で連結されている。この防振装置に、振動が入力す
ると制限通路で液体が共振して減衰力が発生し、振動が
吸収される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンは
シリンダ内の燃料の爆発によって回転力を発生する。こ
の爆発による回転力によりクランクシャフトにトルク変
動が生じ、エンジンが加振される。エンジン振動の最大
のものとしては、このトルク変動によるものが上げられ
る。
【0005】そして、エンジンの回転数は数百〜数千回
転と幅広く、爆発の圧力変動による加振力、即ちエンジ
ン振動の周波数も幅広いものとなっている。ところが、
制限通路での共振周波数の範囲は狭く、所定の周波数の
振動は効果的に吸収できるが、所定の周波数を越えた周
波数の振動が入力すると動ばね定数が上がって振動吸収
能力が低下する。上記欠点を解消するために、制限通路
を複数個設けた液体封入式防振装置も提案されている
が、内部構造が複雑になり大型化する。したがって、実
際の防振装置に設けられる制限通路の数は2〜3個が限
度であり、広範囲の周波数にわたる振動を確実に吸収す
ることができなかった。
【0006】そこで、図6及び図7に示すような防振装
置が考えられるようになった。これらの図に示すよう
に、この種の防振装置は、頂部210と筒部212とを
ゴムなどで形成される弾性体214で連結し、この弾性
体214にて、エンジンの重量を支持する構造となって
いる。
【0007】また、一対の液室となる受圧液室220及
び副液室222を設けると共に、オリフィスとなる制限
通路224を設け、この制限通路224でこれらの液室
220、222が互いに連通されている。
【0008】さらに、図6に示す防振装置では、受圧液
室220の下側に受圧液室220の隔壁となる振動板2
30が取り付けられると共に、振動板230により区画
された気体室232を介して電磁石234が取り付けら
れる。図7に示す防振装置では、受圧液室220の下側
に受圧液室220の隔壁となる板ばね240が取り付け
られると共に、板ばね240により区画された気体室2
32を介して電磁石234が取り付けられる。さらに、
これら気体室232は水等の侵入による故障を防止すべ
く気密状態とされている。
【0009】そして、搭載されたエンジンが作動して振
動が発生した場合には、弾性体214の変形及び液室2
20、222を連通する制限通路224内の液体の粘性
抵抗等で振動を吸収すると共に、センサ236からの信
号に基づいて電磁石234により振動板230あるいは
板ばね240を変位させて、受圧液室220の液圧が上
昇しないようにする。
【0010】しかし、この密閉された気体室232内の
気体(例えば、空気)は、温度の変化によりその圧力も
変化する。例えば、常温(23℃)から100℃に温度
を上昇した場合、最初の空気の体積が小さくとも(例え
ば、10cc程度)、約0.3気圧の圧力上昇があり、
この圧力上昇分の圧力と振動板230あるいは板ばね2
40の面積との積が、振動板230あるいは板ばね24
0に新たに加わる力(約9Kgの荷重に相当する力)と
なる。この結果、振動板230あるいは板ばね240の
動きが規制され、より大きな力がアクチュエータとなる
電磁石234に必要となる。
【0011】この一方、振動板230あるいは板ばね2
40の動きによる空気の体積変化もあり、これによる振
動板230あるいは板ばね240への反力も作用するの
で、より一層大きな力が電磁石234に必要となる。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、力の小さいア
クチュエータを用いても広範囲な周波数にわたる振動を
確実に吸収することができる防振装置を提供することが
目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の
取付部材との間に設けられる弾性体と、前記弾性体を隔
壁の一部として振動発生時に拡縮する受圧液室と、前記
受圧液室に制限通路を介して連結される副液室と、前記
受圧液室の隔壁の他の一部を構成し振動可能に支持され
た振動部材と、前記振動部材を前記受圧液室との間の隔
壁として気体が密閉される気体室と、前記気体室を介し
て前記振動部材と対向し前記振動部材を振動させるため
の加振力を発生するアクチュエータと、振動受部の振動
の振幅を検出する振動検出センサと、前記振動検出セン
サからの信号に基づいて前記アクチュエータを駆動する
制御手段と、前記気体室の大気側との間の隔壁のすくな
くとも一部を構成して前記気体室を拡縮可能とするダイ
ヤフラムとを備えたことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の防振装置は、第1の取付部材または第
2の取付部材の一方を振動発生部であるエンジンへ連結
し、他方を振動受部へ連結して使用する。
【0015】この防振装置にエンジン振動が入力する
と、弾性体が変形して受圧液室が拡縮する。この結果、
受圧液室内部の液体が制限通路を介して副液室との間を
行き来して減衰力が発生し、エンジン振動が吸収され
る。
【0016】一方、振動検出センサにより検出される振
動受部の振動の振幅が小さくなるように、アクチュエー
タが制御手段によって制御されて駆動し、振動部材を振
動させる。従って、受圧液室の隔壁の一部を構成する振
動部材が振動して、受圧液室内の液圧の上昇を抑える。
【0017】この結果、振動の周波数が上がって制限通
路が目詰まり状態となっても、振動部材が振動して受圧
液室内の液圧の上昇を抑えるので動ばね定数が上昇する
ことはなく、高周波数の振動を確実に吸収することがで
きる。
【0018】また、アクチュエータの駆動に際して、ダ
イヤフラムにより気体室内の気圧をほぼ一定に保つこと
ができ、より力の小さいアクチュエータを採用すること
が可能となる。
【0019】
【実施例】次に、本発明に係る防振装置の第1実施例を
図1及び図2に示し、これらの図に基づき第1実施例を
説明する。
【0020】図2に示すように、この防振装置本体10
には、第1の取付部材としてのカップ状の下部取付台1
2が備えられている。この下部取付台12の底板12B
は円板状とされ、下面には取付ボルト14が立設されて
いる。底板12Bの周囲は円筒状の立壁部12Aとさ
れ、上端部には半径方向外方に延びるフランジ部12C
が形成されている。
【0021】この下部取付台12は、本実施例では、自
動車の車体16へ載置され、前記取付ボルト14へナッ
ト18が螺合することによって固定されている。
【0022】下部取付台12の上側には振動板支持金具
20が配設されている。振動板支持金具20は、環状の
固定部20Aと、この固定部20Aの内周に一体的に上
方に延設された筒状部20Bとから構成されている。筒
状部20Bの内周面には環状の弾性支持体22が加硫接
着されており、この弾性支持体22の内周面には、カッ
プ状に形成された振動部材としての振動板24が加硫接
着されている。なお、この振動板24の底面は軸方向に
極が形成されるように着磁されている。
【0023】振動板支持金具20の外側には、振動板支
持金具20と同軸的に外筒26が配設されている。外筒
26は、上側へ行くにしたがって内外径が拡大されてお
り、内周に環状の弾性体28が加硫接着されている。弾
性体28の一部は外筒26の内周下端近傍まで薄肉状に
延設されており、前記振動板支持金具20の筒状部20
Bの外周が密着している。
【0024】外筒26の下端部にはフランジ部26Aが
設けられており、フランジ部26Aの外周側が内側に絞
られて、前記下部取付台12のフランジ部12Cとの間
に振動板支持金具20の固定部20Aを挟持している。
【0025】弾性体28の中央には固着部30が配設さ
れている。固着部30は、カップ状とされ、上端にはフ
ランジ部30Bが形成されており、円筒部30Aの外周
面からフランジ部30Bの一部にかけて前記弾性体28
が加硫接着されている。
【0026】固着部30の上側には第2の取付部材とし
ての空気室形成部32が配設されている。
【0027】空気室形成部32は、略ハット状に形成さ
れており、下端のフランジ部32Aが固着部30のフラ
ンジ部30Bの外周でかしめ固定されている。
【0028】固着部30と空気室形成部32との間に
は、ダイヤフラム34が配設されており、ダイヤフラム
34の周縁部は前記固着部30のフランジ部30Bと空
気室形成部32のフランジ部32Aとの間に挟持されて
いる。
【0029】空気室形成部32とダイヤフラム34との
間は空気室36とされており、内部は必要に応じて外気
と連通される。また、空気室形成部32の外側軸芯部に
はエンジン側の取り付け用とされる取付ボルト38が立
設されている。
【0030】この空気室形成部32にはエンジン52が
取り付けられたブラケット40が載置されており、ブラ
ケット40を貫通した取付ボルト38にはナット42が
螺合されている。
【0031】固着部30とダイヤフラム34との間は副
液室44とされており、固着部30と振動板24との間
は、受圧液室45とされている。固着部30の底部30
Cの中央にはパイプ46が固着されており、このパイプ
46は受圧液室45と副液室44とを互いに連通する制
限通路を構成している。
【0032】なお、これら受圧液室45、副液室44の
内部にはエチレングリコール等の液体が充填されてい
る。
【0033】下部取付台12にはアクチュエータとして
の電磁石50が取付られている。電磁石50は、上面が
前記振動板24の下面から所定寸法離間しており、振動
板24に対向する部分が極となる。
【0034】そして、振動板24と電磁石50との間の
空間に対応した開口部112を有する通路110が、下
部取付台12内に上下方向に伸びるように、形成されて
いる。この通路110の下端側の終端部114は下部取
付台12の外周側に位置し、通路110が、振動板24
と電磁石50との間の空間と、防振装置本体10の外側
の空間との間を連通している。さらに、この終端部11
4の周囲を覆うようにダイヤフラム120が、下部取付
台12の外周側に貼り付けられ、下部取付台12の外周
側の壁面とダイヤフラム120の内壁面とで密閉された
空気室122が形成されている。
【0035】つまり、空気室122及び、空気室122
に通路110を介して繋がる振動板24と電磁石50と
の間の空間により気体室が構成され、ダイヤフラム12
0が防振装置本体10の外側の大気圧となっている空間
との間の隔壁となる。
【0036】この一方、図1に示すように、エンジン5
2にはエンジンの爆発パルスを検出するパルスセンサ5
4が取り付けられている。このパルスセンサ54は波形
整形器56、生成手段の一部を構成する周波数変換器5
7を介して生成手段の他の一部を構成する補正正弦波発
生器58に接続されている。波形整形器56は、爆発パ
ルスを所定の矩形状のパルスに整形する。また、周波数
変換器57は波形整形器56からのパルスの周波数を所
定の周波数に変換することができる。
【0037】一方、自動車の車体16には、車体16の
振動の振幅を検出する振動検出センサとしての振動セン
サ60が取り付けられている。なお、振動センサ60と
しては、加速度センサ等を用いることができる。
【0038】次に、補正正弦波発生器58の詳細を説明
する。補正正弦波発生器58は、比較器61、基準発信
器62、基準パルス発生器64及び変調器68を備えて
いる。
【0039】基準発信器62は、基準パルス発生器64
と変調器68とに接続されている。この基準発信器62
は所定周波数の正弦波を出力する。
【0040】基準パルス発生器64は、基準発信器62
の正弦波と同一周期の基準パルスを出力する。
【0041】この基準パルス発生器64は、波形整形器
56と変調器68とに接続された比較器61に接続され
ている。比較器61は、波形整形器56から出力された
波形整形後の爆発パルスの周期と基準発信器62の基準
パルスの周期とを比較して比較信号を変調器68に出力
する。
【0042】変調器68は、基準発信器62から出力さ
れた正弦波の周期を比較器61の比較信号に基づいて変
調して変調した正弦波を出力する。
【0043】変調器68には、制御手段の一部を構成す
る位相調整器70が接続されており、この位相調整器7
0は変調器68から出力された正弦波の位相を所定量ず
らす。
【0044】位相調整器70には、制御手段の他の一部
を構成する増幅器72が連結されており、増幅器72は
位相調整器70から出力された正弦波の振幅を増幅して
電磁石50のコイルに出力する。
【0045】増幅器72には、制御手段のさらに他の一
部を構成するゲインコントローラ74が連結されてい
る。このゲインコントローラ74には前述した振動セン
サ60が接続されており、車体の振動振幅を零とするよ
うに増幅器72のゲインを調整する。
【0046】次に本実施例の作用を説明する。エンジン
52の振動が防振装置本体10に入力すると、振動は空
気室形成部32及び固着部30を介して弾性体28へ伝
わり、これによって弾性体28が弾性変形して受圧液室
45が拡縮する。受圧液室45が拡縮すると、内部の液
体がパイプ46を介して受圧液室45と副液室44との
間を行き来し、液体がパイプ46内で共振することによ
って大きな減衰力が発生する。これによって、エンジン
振動が吸収される。
【0047】また、防振装置本体10では、受圧液室4
5の液圧が上昇しないように振動板24の振動が制御さ
れるので、パイプ46の中を液体が流れなくなるような
高い周波数の振動が入力しても動ばね定数が高くなるこ
とはなく、周波数の高い振動を吸収することができる。
【0048】振動板24を振動させるための制御につい
て詳細を以下に説明する。エンジン52が4サイクル4
気筒エンジンであり、爆発の周期と同一周期のエンジン
振動を吸収したい場合には、エンジン回転2次成分に着
目して振動板24の振動を制御する。
【0049】ここで、エンジンの回転数と発生振動数と
の比、つまりクランクシャフト1回転に対して何回の振
動が起こるかを回転次数といい、例えば、回転数300
0rpmの時、100Hz の振動が発生したとすれば、
その回転次数は2次(100÷(3000÷60)=2
次)である。そして、爆発による回転力の変化の周期
は、例えば、4サイクル単気筒エンジンの場合にはクラ
ンク軸2回転で1サイクルである。すなわち、エンジン
が4サイクル4気筒エンジンである場合には、クランク
シャフト1回転に対して2回の振動(クランクシャフト
2回転に対して4回の爆発であるため)が起こるため、
回転次数は2次となる。
【0050】パルスセンサ54で検出されたエンジンの
爆発パルスは、波形整形器56に入力され所定の矩形状
のパルスに整形されて出力される。波形整形器56から
出力されたパルスは周波数変換器57を介して補正正弦
波発生器58へ出力される。
【0051】エンジン52が4サイクル4気筒エンジン
であり、爆発の周期と同一周期のエンジン振動はクラン
クシャフト1回転に対して2回の振動をおこすので、回
転次数は2次である。エンジン52が4サイクル4気筒
エンジンである場合には、爆発パルスは、クランクシャ
フト1回転に対して2回であるため周波数変換器57で
波形整形器56から出力されたパルスの周波数変換を行
わないようにする。
【0052】一方、基準発信器62は所定周波数の正弦
波を発生し、この正弦波が基準パルス発生器64と変調
器68とに入力される。基準パルス発生器64は基準発
信器62の正弦波と同一周期の基準パルスを発生し、こ
の基準パルスが比較器61に入力される。比較器61
は、エンジンの爆発パルスの周期と基準パルスの周期と
の比較をして比較信号を出力し、この比較信号が変調器
68に入力される。変調器68は、基準発信器62から
出力された正弦波を比較信号に基づいて変調し、エンジ
ンの爆発パルスと同一周期とし、変調された正弦波が位
相調整器70に入力される。
【0053】位相調整器70は、エンジン振動と電磁力
とが同期するように変調器68から出力された正弦波の
位相を調整する。
【0054】一方、ゲインコントローラ74は、車体1
6の振動の振幅を0(車体の振動を最小にするため)と
するように増幅器72のゲインを調整する。
【0055】これによって、エンジンの爆発によって生
じる振動に応じて、振動板24が受圧液室45の圧力上
昇を抑えるように振動して防振装置本体10の動ばね定
数の上昇を抑えることができる。したがって、エンジン
振動の車体側への伝達を効果的に阻止することができ
る。また、上記構成によりエンジン回転数の変化、即ち
エンジン振動の周波数の増減に追従して受圧液室45の
圧力上昇を抑えることができるため、本実施例の防振装
置本体10は広範囲な周波数にわたる振動を確実に吸収
することができる。
【0056】そして、振動板24と電磁石50との間の
空間内の空気が何らかの理由で膨張した場合には、膨張
した空気が通路110を通過して空気122内に逃げ
て、ダイヤフラム120を拡張する。この為、防振装置
本体10の温度が上昇した場合等でも、振動板24と電
磁石50との間の空間内の気圧が必要以上に高まること
がなく、より力の小さい電磁石50を採用することが可
能となる。
【0057】次に、本発明に係る防振装置の第2実施例
を図3に示し、この図に基づき本実施例を説明する。
尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材には同一に
符号を付し、重複した説明を省略する。
【0058】本実施例を表す図3に示すように、電磁石
50の中央部には、上下に貫通する貫通孔136が形成
され、貫通孔136の上部に貫通孔136より内径が大
きいざぐり部138が設けられている。この貫通孔13
6内には、上部がざぐり部138に合うように大きい径
とされ且つ電磁石50の厚さより軸方向の寸法が短く形
成された円筒状の永久磁石148が、緊密に嵌合されて
いる。従って、電磁石50と永久磁石148とで、電磁
石50の中央下部に凹部142が形成され、この防振装
置本体10を車体16に取り付ける取付ボルト14の頭
部14Aが凹部142内に位置することになる。
【0059】さらに、この凹部142内に、外周部分が
電磁石50の下部と底板12Bとの間に挟着されるダイ
ヤフラム140が位置し、この凹部142内の空間をダ
イヤフラム140が区画している。また、この取付ボル
ト14内には、通路14Bが取付ボルト14の軸方向に
沿って伸びていて、通路14Bの上端部が凹部142内
に位置すると共に下端部が取付ボルト14の下方に開放
されている。
【0060】そして、振動板24と電磁石50との間の
空間に対応した開口部132を有する通路130が、振
動板24と電磁石50との間の空間と凹部142内の空
間とを繋ぐように、永久磁石148と電磁石50との間
の嵌合部分に形成されている。この通路130の下端側
の終端部134は、凹部142内に位置し、通路130
及び通路14Bがダイヤフラム140を介して、振動板
24と電磁石50との間の空間と、防振装置本体10の
外側の空間との間をつないでいる。
【0061】つまり、凹部142の上部側及び、凹部1
42に通路130を介して繋がる振動板24と電磁石5
0との間の空間により気体室が構成され、ダイヤフラム
140が防振装置本体10の外側の大気圧となっている
空間との間の隔壁となる。
【0062】従って、振動板24と電磁石50との間の
空間内の空気が何らかの理由で膨張した場合には、膨張
した空気が通路130を通過して凹部142の上部側に
逃げて、ダイヤフラム140を拡張する。この為、振動
板24と電磁石50との間の空間内の気圧が必要以上に
高まることがない。
【0063】次に、本発明に係る防振装置の第3実施例
を図4に示し、この図に基づき本実施例を説明する。
尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材には同一に
符号を付し、重複した説明を省略する。
【0064】本実施例を表す図4に示すように、下部取
付台12のフランジ部12Cの上部には、リング状の支
持金具166が位置し、これらの間に一対のOリング1
68を介して円板状の板ばね164が挟着されている。
従って、この板ばね164が受圧液室45の下部側の隔
壁を構成し、電磁石50により中央部寄りが上下して、
受圧液室45内の圧力上昇を防止する。
【0065】そして、防振装置本体10を車体16に取
り付ける取付ボルト14の頭部14Aが位置する電磁石
50の凹部162内の空間に、外周部分が電磁石50の
下部と底板12Bとの間に挟着されるダイヤフラム16
0が位置し、この凹部162内の空間をダイヤフラム1
60が区画している。また、この取付ボルト14内に
は、通路14Bが取付ボルト14の軸方向に沿って伸び
ていて、通路14Bの上端部が凹部162内に位置する
と共に下端部が取付ボルト14の下方に開放されてい
る。
【0066】さらに、板ばね164と電磁石50との間
の空間に対応した開口部152を有する通路150が、
電磁石50の中央部に上下方向に伸びるように、形成さ
れている。この通路150の下端側の終端部154は、
凹部162内に位置し、通路150及び通路14Bがダ
イヤフラム160を介して、板ばね164と電磁石50
との間の空間と、防振装置本体10の外側の空間との間
を繋いでいる。
【0067】つまり、凹部162の上部側及び、凹部1
62に通路150を介して繋がる板ばね164と電磁石
50との間の空間により気体室が構成され、ダイヤフラ
ム160が防振装置本体10の外側の大気圧となってい
る空間との間の隔壁となる。
【0068】従って、板ばね164と電磁石50との間
の空間内の空気が何らかの理由で膨張した場合には、膨
張した空気が通路150を通過して凹部162の上部側
に逃げて、ダイヤフラム160を拡張する。この為、板
ばね164と電磁石50との間の空間内の気圧が必要以
上に高まることがない。
【0069】次に、本発明に係る防振装置の第4実施例
を図5に示し、この図に基づき本実施例を説明する。
尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材には同一に
符号を付し、重複した説明を省略する。
【0070】本実施例を表す図5に示すように、この防
振装置本体10の下部取付台12のフランジ部12Cの
上部には、リング状の支持金具172が位置し、この支
持金具172の内周側には、円板状の振動板170が、
リング状に形成されるように支持金具172と振動板1
70の間に加硫接着されたゴム膜174を介して、支持
されている。さらに、下部取付台12内には、電磁石5
0の外周側に巻き付けられるようにコイルスプリング1
76が位置し、コイルスプリング176の上端部が振動
板170の下面側と当接して、受圧液室45内の圧力に
このコイルスプリング176で抗している。
【0071】従って、この振動板170が受圧液室45
の下部側の隔壁を構成し、電磁石50により上下して、
受圧液室45内の圧力上昇を防止する。
【0072】そして、下部取付台12の内周面一周にわ
たって空気室182を形成するダイヤフラム180の上
下部分が下部取付台12の内周面に加硫接着されて取り
付けられている。さらに、この空気室182と防振装置
本体10の大気圧となっている外部との間を連通して繋
げる通路184が下部取付台12を貫通して、形成され
ている。
【0073】つまり、ダイヤフラム180の内周面、振
動板170及び電磁石50等により区画される空間によ
り気体室190が構成され、ダイヤフラム180が防振
装置本体10の外側の大気圧となっている空間との間の
隔壁となる。
【0074】従って、気体室190内の空気が何らかの
理由で膨張した場合には、膨張した空気がダイヤフラム
180を押圧して、空気室182内の空気を通路184
を介して防振装置本体10外に逃がす。この為、振動板
170と電磁石50との間の空間内の気圧が必要以上に
高まることがない。
【0075】なお、第1実施例では、エンジンの爆発パ
ルスを検出するためにパルスセンサ54を用いている
が、点火時期を演算するマイクロコンピュータをパルス
センサとして用い、点火時期を爆発パルスとして利用し
てもよく、また、クランクシャフトの回転角度やカムシ
ャフトの回転角度を検出する角度位置検出センサをパル
スセンサとして用いてもよい。
【0076】また、第1実施例において、パルスセンサ
54、波形整形器56、周波数変換器57、補正正弦波
発生器58及び位相調整器70等を用いたが、これらを
用いずに、単に、振動センサ60からの信号に基づき、
増幅器72及びゲインコントローラ74により、車体の
振動振幅を零とするように調整する機構としてもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、力
の小さいアクチュエータを用いても広範囲な周波数にわ
たる振動を確実に吸収することができるという優れた効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のブロック図である。
【図2】図1の防振装置本体の断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る防振装置本体の断面
図である。
【図4】本発明の第3実施例に係る防振装置本体の断面
図である。
【図5】本発明の第4実施例に係る防振装置本体の断面
図である。
【図6】従来の防振装置本体の断面図である。
【図7】別の従来の防振装置本体の断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置本体 12 下部取付台(第1の取付部材) 24 振動板(振動部材) 28 弾性体 32 空気室形成部(第2の取付部材) 44 副液室 45 受圧液室 46 パイプ(制限通路) 50 電磁石(アクチュエータ) 60 振動センサ(振動検出センサ) 70 位相調整器(制御手段) 72 増幅器(制御手段) 74 ゲインコントローラ(制御手段) 120 ダイヤフラム 122 空気室(気体室) 140 ダイヤフラム 142 凹部(気体室) 160 ダイヤフラム 162 凹部(気体室) 164 板ばね(振動部材) 170 振動板(振動部材) 180 ダイヤフラム 190 気体室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方
    に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と
    前記第2の取付部材との間に設けられる弾性体と、前記
    弾性体を隔壁の一部として振動発生時に拡縮する受圧液
    室と、前記受圧液室に制限通路を介して連結される副液
    室と、前記受圧液室の隔壁の他の一部を構成し振動可能
    に支持された振動部材と、前記振動部材を前記受圧液室
    との間の隔壁として気体が密閉される気体室と、前記気
    体室を介して前記振動部材と対向し前記振動部材を振動
    させるための加振力を発生するアクチュエータと、振動
    受部の振動の振幅を検出する振動検出センサと、前記振
    動検出センサからの信号に基づいて前記アクチュエータ
    を駆動する制御手段と、前記気体室の大気側との間の隔
    壁のすくなくとも一部を構成して前記気体室を拡縮可能
    とするダイヤフラムとを備えたことを特徴とする防振装
    置。
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