JPH06192359A - 新規な熱硬化性フェノール樹脂、その製造方法およびその硬化組成物 - Google Patents

新規な熱硬化性フェノール樹脂、その製造方法およびその硬化組成物

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JPH06192359A
JPH06192359A JP34484792A JP34484792A JPH06192359A JP H06192359 A JPH06192359 A JP H06192359A JP 34484792 A JP34484792 A JP 34484792A JP 34484792 A JP34484792 A JP 34484792A JP H06192359 A JPH06192359 A JP H06192359A
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phenolic resin
thermosetting
phenol
thermosetting phenolic
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Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Keisaburo Yamaguchi
桂三郎 山口
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂とア
ルデヒド類とを、塩基性触媒の存在下に反応させる熱硬
化性フェノール樹脂の製造方法、この方法で得られる含
酸素率が10〜22%の範囲の固形熱硬化性フェノール
樹脂およびそれを含有する樹脂組成物。 【効果】 優れた耐熱性、耐湿性、機械的性能を示す熱
硬化性フェノール樹脂およびその硬化組成物を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用な熱硬
化性フェノール樹脂、その製造方法およびその熱硬化性
フェノール樹脂組成物に関するものである。本発明の熱
硬化性フェノール樹脂は、耐熱性、耐湿性、機械的性質
等に優れ、成型用、摩擦材用、積層用、接着用、塗料
用、カーボン原料等の幅広い分野において利用可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は、最も歴史の古い合成
樹脂であるが、そのバランスのとれた性能が活かされ、
成形材料、積層材料、接着剤、バインダー等として、電
気・電子、機械、自動車をはじめとする幅広い分野にお
いて利用されている。このフェノール樹脂は、一般に
は、フェノール類とアルデヒド類とから製造され、反応
触媒の種類により得られる樹脂が異なり、ノボラック樹
脂とレゾール樹脂とに分類される。ノボラック樹脂はフ
ェノール類(以下、Pで表す)とアルデヒド類(以下、
Fで表す)とを、P/F=1.1〜1.5程度のモル比
において、蓚酸、塩酸等の酸性触媒下において反応させ
ることにより得られる熱可塑性の樹脂である。従って、
ノボラック樹脂をかかる用途の用いる際は、通常ヘキサ
メチレンテトラミン(以下ヘキサミン)が硬化剤として
用いられる。しかしながら、ヘキサミンによる硬化物
は、硬化に際し、ヘキサミンの分解により発生するアン
モニアやホルムアルデヒドのガスによる臭気、毒性等の
環境問題、更には硬化成形物中にボイドが発生したり、
ヘキサミンあるいはその分解生成物が硬化物中に残存す
ることによる物性の低下という問題が指摘されている。
【0003】一方、レゾール樹脂は、P/F=0.7〜
0.9程度のモル比で、水酸化ナトリウム、アンモニア
等の塩基性触媒の存在下において反応せしめて得られ
る、活性なメチロール基を多量に含む樹脂である。この
ため、レゾール樹脂は加熱により硬化する熱硬化性樹脂
である。従って、硬化の際に、ノボラックの様な硬化剤
に起因する諸問題は存在しない。しかしながら、ノボラ
ック樹脂と比較すると耐熱性に劣るという欠点ある。こ
の理由は、メチレン結合により連結されたフェノール成
分が、ノボラック樹脂では、1分子あたり平均2〜5個
程度あるのに対し、レゾール樹脂では、通常、1〜2個
に過ぎないためと推定される。また、レゾール樹脂は、
メチロール基等の反応性の高い官能基を多量に含んでい
るため、一定の品質で製造することが困難であり、保存
安定性も非常に悪いという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ノボ
ラック樹脂と同等以上の耐熱性を有し、且つ、保存安定
性に優れた、ヘキサミン等の硬化剤を必要としないレゾ
ールタイプの熱硬化性樹脂、その製造方法、およびその
熱硬化性フェノール樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに到
ったものである。すなわち、本発明は、一般式(I)
(化2)で表されるフェノール−ジシクロペンタジエン
樹脂とアルデヒド類とを、塩基性触媒の存在下において
反応させる熱硬化性フェノール樹脂の製造方法、および
この方法で得られる含酸素率が10%〜22%の範囲の
固形熱硬化性フェノール樹脂に関するものである。
【0006】
【化2】 (式中、nは0から10までの自然数を示す)さらに、
本発明は、(a)本発明の熱硬化性フェノール樹脂およ
び(b)無機および/または有機充填剤を必須成分とす
る熱硬化性フェノール樹脂組成物、また、(a)本発明
の熱硬化性フェノール樹脂、(b)無機および/または
有機充填剤および(c)フェノール性化合物またはフェ
ノール性樹脂を必須成分とする熱硬化性フェノール樹脂
組成物に関するものである。
【0007】本発明により得られる熱硬化性フェノール
樹脂は、耐熱性、耐湿性、機械的強度等に優れた硬化物
を与えるため、使用目的に応じて、単独で、あるいは無
機および/または有機充填剤等を配合して様々な分野に
利用することができる。また、本発明による固形熱硬化
性フェノール樹脂は、保存安定性において優れているた
め、使用時のハンドリングに際し、極めて優位であり、
また、従来の熱硬化性フェノール樹脂とは異なり、20
〜40℃において長期的に保存することが可能であると
いう特徴を有するものである。さらに、本発明の熱硬化
性フェノール樹脂は、溶剤溶解性にも優れており、特に
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類に対して2
00重量%以上の溶解性を示す。従って、ワニス状態で
の保存が可能となり、例えば、70%メチルエチルケト
ン溶液を用いた23℃および40℃における増粘テスト
において、150時間後の増粘率は5%以下である。
【0008】本発明の熱硬化性フェノール樹脂の原料と
なるフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂は、特開昭
54−99160、特願平3−258888等に記載の
方法により製造される。すなわち、フェノールとジシク
ロペンタジエンとを三弗化ほう素、パーフルオロアルカ
ンスルホン酸等の酸性触媒の存在下において反応せしめ
て得られるものである。この様にして得られたフェノー
ル−ジシクロペンタジエン樹脂は、塩基性触媒の存在下
においてアルデヒド類と反応させることにより、本発明
の熱硬化性フェノール樹脂へと導くことができる。
【0009】本発明の熱硬化性フェノール樹脂は、原料
となるフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂の芳香環
の空位のオルソ、パラ位の50%以上、好ましくは70
%以上、さらに好ましくは90%以上が、アルデヒド類
に由来するメチロール基等の活性官能基で置換されてい
ることが望ましい。使用されるアルデヒド類としてはホ
ルマリン、パラホルムアルデヒドのいずれかのホルムア
ルデヒド、ヘキサミン、フルフラール、アセトアルデヒ
ド等が挙げられる。アルデヒド類の使用量は、原料とな
るフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂の水酸基1モ
ルに対して0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜
1.2モルの範囲である。
【0010】本発明の反応は塩基性触媒の存在下におい
て行われる。具体的な触媒を例示すれば、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの様なアルカリ
金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウムの様なアルカリ土類金属の水酸化
物、アンモニア、ヘキサミン、ジメチルアミン、ジエチ
レントリアミン等のアミン類等を挙げることができる。
得られる熱硬化性フェノール樹脂の物性から、アルカリ
金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物を用
いることが望ましい。その使用量は、フェノール−ジシ
クロペンタジエン樹脂の水酸基1モルに対して、0.5
〜1.5当量、好ましくは0.7〜1.2当量、さらに
好ましくは1.0〜1.1当量である。
【0011】反応は、フェノール−ジシクロペンタジエ
ン樹脂と塩基性触媒が均一に溶解した状態で行われるこ
とがが好ましく、このため反応は水中でおこなうことが
好ましい。また、必要によりメタノール、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ等の有機溶剤を用いることも可能である。反応温度
は、生成物の反応性が高いため、80℃以下、好ましく
は60℃以下、さらに好ましくは40℃以下が望まし
い。反応時間は、アルデヒド類がすべて消費されるま
で、または、アルデヒド類が過剰の場合はフェノール核
の空位のオルソ位およびパラ位が、ほとんどメチロール
基等で置換されるまで行うことが望ましく、反応温度に
も左右されるが、1〜10時間、通常3〜5時間程度で
ある。反応終了後、中和または希釈することにより目的
物を粉体で得ることができ、通常の濾過により取り出せ
ばよい。
【0012】本発明により得られる熱硬化性フェノール
樹脂は、従来の熱硬化性フェノール樹脂と比較して、保
存安定性に優れ、30℃においては安定的に保存するこ
とができる。本発明により得られる固形熱硬化性フェノ
ール樹脂の分子量範囲は350〜3000の範囲であ
り、その溶融開始温度は、70℃〜170℃の範囲であ
る。このようにして製造された本発明の固形熱硬化性フ
ェノール樹脂は、加熱することにより硬化反応を開始
し、非常に強靭な硬化物を与える。この硬化物の13C−
NMRを測定することにより、以下のことが判明した。
すなわち、硬化に際し、フェノール核のオルソ位または
パラ位に空位がある場合には、オルソ位またはパラ位に
おいて硬化反応が進行する。硬化反応により、全てのオ
ルソ位またはパラ位が置換された後、さらに反応活性基
が残存する場合、またはレゾール化の段階で全てのオル
ソ位またはパラ位にメチロール基等が導入されている場
合には、得られる硬化物は、その架橋構造が、通常考え
られている様なフェノール核のオルソおよびパラ位のみ
ならず、驚くべきことにメタ位において硬化反応が進行
し、メチレン基により架橋されていることが判明した。
(図2〜5参照) このことによって、本発明の熱硬化性フェノール樹脂
は、強靭な機械的性質を発揮するものと推定される。
【0013】また、本発明の熱硬化性フェノール樹脂
は、硬化に際して、その他のフェノール性化合物または
フェノール性樹脂を併用することにより、その硬化物中
に他の骨格を導入することが出来る。このフェノール性
化合物またはフェノール性樹脂としては、例えば、フェ
ノール、クレゾール、キシレノール、アニソールの如き
一価フェノール、レゾルシン、ハイドロキノン、レゾル
シン、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4ーヒドロキ
シフェニル)プロパン〕、ビスフェノールF〔ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン〕、ビスフェノールS
〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン〕、4、
4’−チオジフェノールの如き二価フェノール、ノボラ
ック樹脂等のフェノール性化合物またはフェノール性樹
脂、および、これらフェノール性化合物またはフェノー
ル性樹脂を、塩基性触媒の存在下においてアルデヒド類
と反応せしめて得られるレゾール樹脂、あるいは、一般
式(II)(化3)で表されるフェノールアラルキル樹脂
が挙げられる。その配合量は、本発明の熱硬化性フェノ
ール樹脂の特性が損なわれない程度であり、本発明の熱
硬化性フェノール樹脂に対して、0〜50wt%の範囲
である。
【0014】
【化3】 (式中、mは0から10の整数を表し、Rは水素原子、
メチル基、フェニル基、水酸基を表す)
【0015】さらに本発明の熱硬化性フェノール樹脂は
硬化に際し、硬化物中に他の骨格を導入するもう一つの
方法として、エポキシ樹脂を併用することも出来る。す
なわち、本発明の熱硬化性樹脂の自己縮合と競争的に、
その水酸基とエポキシ基を反応させることにより、硬化
物中に他の骨格が導入されるものである。エポキシ樹脂
としては、公知一般のエポキシ樹脂が用いられるが、例
えば、前述の各種フェノール性化合物およびフェノール
性樹脂を常法によりエポキシ化して得られるエポキシ樹
脂を用いることも出来る。エポキシ樹脂を併用するとき
の使用量は、最大でも、そのエポキシ基の含有量と本発
明の熱硬化性樹脂中の水酸基含有量が等しくなる量であ
る。
【0016】また、本発明の熱硬化性フェノール樹脂
は、その使用時に、必要に応じて、無機および/または
有機の各種充填剤を併用することができる。例えば、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、アスベスト繊維、金属繊維、
パルプ、木炭、クレー、カオリン、珪藻土、マイカ、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、グラファイト、さ
らには、芳香族アラミド繊維等が挙げられ、その他、難
燃剤、顔料、安定剤、帯電防止剤等、目的に応じた各種
添加剤をも同時に利用することが出来る。
【0017】
【実施例】次に、本発明の方法を実施例により、更に詳
細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるも
のではない。 合成例1 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた反応装置に、
ジシクロペンタジエン−フェノール樹脂(DPR#50
00 三井東圧化学製、水酸基当量180g/eq、平
均分子量706)360g(2モル)、水1000g、
水酸化ナトリウム88g(2.2モル)を装入し、30
℃において撹拌、溶解した。同温度を保ちながら、35
%ホルマリン206g(2.4モル)を、2時間で滴下
した。滴下中は送風による冷却で温度を保った。滴下終
了後、さらに同温度で4時間撹拌を継続し、反応を完結
させた。次いで、25%塩酸溶液を、30℃を保ちなが
ら滴下し、pH=6になるまで中和することにより、桃
色・粉末状の目的物をスラリー状で得た。このスラリー
を濾過し、さらに水洗して、目的とする熱硬化性フェノ
ール樹脂431gを得た。150℃におけるゲルタイム
は3分25秒であった。尚、乾燥は30℃以下の送風乾
燥機にて行った。 (図1)にこの樹脂のKBr錠剤法によるIRチャート
を示した。
【0018】合成例2 合成例1と同様の反応装置に、ジシクロペンタジエン−
フェノール樹脂(DPR#5000 三井東圧化学製、
水酸基当量180g/eq)360g(2モル)、水1
000g、水酸化ナトリウム88g(2.2モル)を装
入し、30℃において撹拌、溶解した。同温度を保ちな
がら、35%ホルマリン103g(1.2モル)を、2
時間で滴下した。滴下中は送風による冷却で温度を保っ
た。滴下終了後、さらに同温度で、4時間撹拌を継続
し、反応を完結させた。次いで、25%塩酸溶液を、3
0℃を保ちながら滴下し、pH=6になるまで中和する
ことにより、桃色・粉末状の目的物をスラリー状で得
た。このスラリーを濾過し、さらに水洗して、目的とす
る熱硬化性フェノール樹脂405gを得た。150℃に
おけるゲルタイムは3分35秒であった。尚、乾燥は3
0℃以下の送風乾燥機にて行った。
【0019】実施例1 合成例1で得られた熱硬化性フェノール樹脂を用い、1
70℃/3min+170℃→200℃/7min・5
kgの条件で硬化物を得、その5%重量減少(Td5
およびアセトンによる煮沸抽出率を測定し、その結果を
表−1(表1)に示した。合成例1で得られた熱硬化性
フェノール樹脂の13C−NMRチャートを(図2)、
(図3)に、実施例1で得られた硬化物の13C−NMR
チャートを(図4)、(図5)に示した。(図2)およ
び(図4)は通常の測定状態であるCPMAS法を用い
て測定した13C−NMRチャートで、(図3)および
(図5)は観測時にプロトンデカップルする時間を多少
切り、プロトンの結合していない13Cを選択的に測定す
るMASDL法を用いて測定した13C−NMRチャート
である。MASDL法による測定では、プロトンの結合
した炭素は観察されないために、本発明の反応におい
て、アルデヒド類に対して反応性を持たないフェノール
核のメタ位の炭素は観察されない。従って、(図3)に
おいては、(図2)のaのシグナルが消失し、bのシグ
ナルがおよそ半分の強度に減少し、全体として芳香族炭
素のシグナル(100 〜160PPM )の強度が、約2/3に減
少する。また、(図4)と(図5)とを比較すると、芳
香族炭素のシグナル強度には殆ど変化がなく、プロトン
の結合している芳香族炭素は殆ど存在していないことが
判る。この様に、CPMAS法とMASDL法とによる
13C−NMR測定結果の比較から、本発明の熱硬化性フ
ェノール樹脂には、プロトンが結合したフェノール核の
メタ位の芳香族炭素が認められるが、硬化反応後の硬化
物にはプロトンの結合した芳香族炭素は認められない。
このことから、本発明の熱硬化性フェノール樹脂は、メ
タ位で硬化反応が進行し、架橋することが判る。また、
(図4)および(図5)のチャートでは、150ppm
付近の水酸基に結合した炭素以外は、120〜140p
pm付近に1つのブロードなピークが観察されるのみで
ある。このことから、芳香族炭素中に残っていたプロト
ンが硬化に際して消費されることが判る。これらの結果
から、本発明の熱硬化性フェノール樹脂は、フェノール
核のオルソ位、パラ位に加え、メタ位も硬化に際し反応
点となっていることが判明した。
【0020】実施例2 合成例2で得られた熱硬化性フェノール樹脂を用い、1
70℃/3min+170℃→200℃/7min・5
kgの条件で硬化物を得、その5%重量減少(Td5
およびアセトンによる煮沸抽出率を測定した。結果を表
−1に示した。
【0021】比較例1 実施例1における熱硬化性フェノール樹脂の代わりに、
フェノールノボラック樹脂(三井東圧製、#2000)
10部に対し、ヘキサメチレンテトラミン2部を配合し
た混合物を用いて硬化物を得た。得られた硬化物のTd
5 およびアセトンによる煮沸抽出率を測定し、結果を表
−1に示した。
【0022】比較例2 実施例1における熱硬化性フェノール樹脂の代わりに、
フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂10部に対し、
ヘキサメチレンテトラミン2部を配合した混合物を用い
て硬化物を得た。得られた硬化物のTd5 およびアセト
ンによる煮沸抽出率を測定し、結果を表−1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】実施例3 合成例1で得られた熱硬化性フェノール樹脂を30重量
部、ガラス繊維を40重量部、ウォラストナイトを30
重量部の割合で配合した熱硬化性フェノール樹脂組成物
を、130℃において5分間ロール混練し、さらに22
0℃/10min・2.3tの条件で圧縮成形し、得られ
た試験片の物性を測定した。結果を表−2(表2)に示
した。
【0025】実施例4 合成例2で得られた熱硬化性フェノール樹脂を30重量
部、ガラス繊維を40重量部、ウォラストナイトを30
重量部の割合で配合した熱硬化性フェノール樹脂組成物
を、130℃において5分間ロール混練し、さらに22
0℃/10min・2.3tの条件で圧縮成形し、得られ
た試験片の物性を測定した 結果を表−2に示した。
【0026】比較例3 実施例3における熱硬化性フェノール樹脂の代わりに、
フェノールノボラック(三井東圧製,#2000)10
部に対し、ヘキサメチレンテトラミン2部を配合した混
合物を用いて、同様に圧縮成形し、得られた試験片の物
性を測定し、結果を表−2に示した。
【0027】比較例4 実施例3における熱硬化性フェノール樹脂の代わりに、
フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂10部に対しヘ
キサメチレンテトラミン2部を配合した混合物を用い
て、同様に圧縮成形し、得られた試験片の物性を測定
し、結果を表−2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明により提供される新規な熱硬化性
フェノール樹脂およびその組成物は、優れた耐熱性、耐
湿性、機械的性能を示す硬化物を与えるため、従来、フ
ェノール樹脂が用いられている成型用、摩擦材用、積層
用、接着用等の幅広い分野において利用可能である。ま
た、本発明の方法は、これまでにない保存安定性に優れ
た熱硬化性フェノール樹脂を、容易に製造できる方法で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1で得られた熱硬化性フェノール樹脂
のIRチャート(KBr錠剤法)
【図2】 合成例1の熱硬化性フェノール樹脂のCPM
AS法による13C−NMRチャート
【図3】 合成例1の熱硬化性フェノール樹脂のMAS
DL法による13C−NMRチャート
【図4】 実施例1で得られた熱硬化性フェノール樹脂
の硬化物のCPMAS法による13C−NMRチャート
【図5】 実施例1で得られた熱硬化性フェノール樹脂
の硬化物のMASDL法による13C−NMRチャート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 61/06 LMS 8215−4J LND 8215−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)(化1)で表されるフェノール
    −ジシクロペンタジエン樹脂と 【化1】 (式中、nは0から10までの自然数を示す)アルデヒ
    ド類とを、塩基性触媒の存在下に反応させることを特徴
    とする熱硬化性フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 含酸素率が10〜22%の範囲である請
    求項1の方法で得られる固形熱硬化性フェノール樹脂。
  3. 【請求項3】 (a)請求項2のフェノール熱硬化性樹
    脂、および、(b)無機および/または有機充填剤を必
    須成分とする熱硬化性フェノール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (a)請求項2のフェノール熱硬化性樹
    脂、(b)無機および/または有機充填剤、および、
    (c)フェノール性化合物またはフェノール性樹脂を必
    須成分とする熱硬化性フェノール樹脂組成物。
JP34484792A 1992-12-24 1992-12-24 新規な熱硬化性フェノール樹脂、その製造方法およびその硬化組成物 Pending JPH06192359A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013525568A (ja) * 2010-04-29 2013-06-20 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリシクロペンタジエンポリフェノールのビニルベンジルエーテル

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JP2013525568A (ja) * 2010-04-29 2013-06-20 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリシクロペンタジエンポリフェノールのビニルベンジルエーテル

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