JP6419498B2 - 多価ヒドロキシ樹脂及び当該樹脂の製造方法。 - Google Patents

多価ヒドロキシ樹脂及び当該樹脂の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、多価ヒドロキシ樹脂、当該樹脂又はそのエポキシ化樹脂を含む熱硬化性成形材料、並びに当該熱硬化性成形材料よりなる半導体封止材及び積層板に関する。また、本発明は、当該多価ヒドロキシ樹脂の製造方法に関する。
エポキシ樹脂を用いた熱硬化性成形材料は、幅広い用途で利用されており、特に、半導体パワーデバイスの封止材料や電気絶縁材料、液晶用からフィルターなどの電子部品の分野で使用されてきている。一般に、エポキシ樹脂を用いた熱硬化性成形材料として、オルソクレゾールとホルムアルデヒドを反応させて得られるオルソクレゾール樹脂をエポキシ化して得られたエポキシ樹脂を用いた材料が知られているが、ガラス転移温度が低く、熱時の膨張が大きいため、半導体パワーデバイス用の封止材料等に使用する場合には問題があった。
かかる問題に対応するため、様々な新規構造のエポキシ樹脂及び硬化剤が検討されているが、十分な特性を有するエポキシ樹脂系熱硬化性成形材料は見出されていないのが現状である。例えば、ガラス転移温度を向上させるため、フェノールとオルソヒドロキシベンズアルデヒドを反応させて得られるトリフェニルメタン型樹脂を用いて、これをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂を含む熱硬化性成形材料が開発されている(特許文献1)。しかしながら、上記のオルソクレゾールを用いて得られるエポキシ樹脂よりもガラス転移温度は向上するものの、半導体パワーデバイス用の封止材料等として求められる特性には未だ十分なものではなかった。
特開平11−49846号公報
本発明は、ガラス転移温度が高く、高い耐熱性を有し、高温においても熱膨張率が小さい熱硬化性成形材料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、エポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度を低下させる要因となる低分子の樹脂成分の含有量を低減させ、かつモノマーにおける芳香族環を多官能化した多価ヒドロキシ樹脂を用いることによって、優れたガラス転移温度、耐熱性、及び熱膨張率を有する熱硬化性成形材料が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、一態様において、
[1]複数のフェノール性水酸基を有する芳香族モノマーと、以下の式(I)
Figure 0006419498
(式中、R、R、及びRは、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。)
で表される架橋剤とを反応させて得られる多価ヒドロキシ樹脂であって、
前記多価ヒドロキシ樹脂が、以下の式(II)
Figure 0006419498
(式中、Aは、前記芳香族モノマーに由来する部位を表し;R、R、及びR3は、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表し;及び、nは0〜3の整数を表す。)
で表される構造を有する成分を樹脂全体に対して70%以上含有することを特徴する、該多価ヒドロキシ樹脂;
[2]前記芳香族モノマーが、ジヒドロキシベンゼンである、[1]に記載の多価ヒドロキシ樹脂;
[3]前記芳香族モノマーが、レゾルシンである、[1]に記載の多価ヒドロキシ樹脂;
[4]前記式(I)で表される架橋剤が、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はトルアルデヒドである、[1]〜[3]のいずれか1に記載の多価ヒドロキシ樹脂
を提供するものである。
別の態様において、本発明は、
[5][1]〜[4]のいずれか1に記載の多価ヒドロキシ樹脂をエポキシ化してなる、エポキシ樹脂;

[6][5]に記載のエポキシ樹脂と硬化剤とを含む、熱硬化性成形材料;
[7]前記硬化剤がフェノール樹脂系硬化剤である、[6]に記載の熱硬化性成形材料;
[8][1]〜[4]のいずれか1に記載の多価ヒドロキシ樹脂、及び[5]に記載のエポキシ樹脂よりなる群から選択される1種以上を含有する、熱硬化性成形材料;
[9][6]〜[8]のいずれか1に記載の熱硬化性成形材料よりなる、半導体封止材;
[10][6]〜[8]のいずれか1に記載の熱硬化性成形材料を用いて半導体素子を封止してなる、半導体装置;
[11][6]〜[8]のいずれか1に記載の熱硬化性成形材料よりなる、積層板
を提供するものである。
また、多価ヒドロキシ樹脂の製造方法の態様として、本発明は、
[12]複数のフェノール性水酸基を有する芳香族モノマーと、以下の式(I)
Figure 0006419498
(式中、R、R、及びRは、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。)
で表される架橋剤とを溶媒中で反応させる工程、及び、
反応溶液からの析出生成物を分離して以下の式(II)
Figure 0006419498
(式中、Aは、前記芳香族モノマーに由来する部位を表し;R、R、及びRは、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表し;及び、nは0〜3の整数を表す。)
で表される構造を有する成分を樹脂全体に対して70%以上含有する多価ヒドロキシ樹脂を得る工程を含む、多価ヒドロキシ樹脂の製造方法;
[13]前記芳香族モノマーが、ジヒドロキシベンゼンである、[12]に記載の製造方法;
[14]前記芳香族モノマーが、レゾルシンである、[12]に記載の製造方法;
[15]前記式(I)で表される架橋剤が、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はトルアルデヒドである、[12]〜[14]のいずれか1に記載の製造方法;
[16]前記芳香族モノマーと前記架橋剤を、芳香族モノマー/架橋剤=0.50〜1.20のモル比で反応させる、[12]〜[15]のいずれか1に記載の製造方法;
[17]前記芳香族モノマーと前記架橋剤との反応が、25〜150℃の温度で行われる、[12]〜[16]のいずれか1に記載の製造方法;
[18]前記溶媒が、水、メタノール、又は水−メタノール混合溶媒である、[12]〜[17]のいずれか1に記載の製造方法;
[19]前記芳香族モノマーと前記架橋剤との反応が、臭化水素酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化鉄、及び塩化亜鉛よりなる群から選択される触媒の存在下で行われる、[12]〜[18]のいずれか1に記載の製造方法
を提供するものである。
本発明の多価ヒドロキシ樹脂及び当該樹脂より得られるエポキシ樹脂を用いることにより、ガラス転移温度が高く、高い耐熱性を有し、高温においても熱膨張率が小さい熱硬化性成形材料を提供することができる。当該熱硬化性成形材料は、高い耐熱性を有し、高温においても熱膨張が少ないことから、高機能性高分子材料として極めて有用であり、物理的、電気的に優れた材料として半導体封止材、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂、レジスト、電子部品の封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤、ビルドアップ積層板材料、FRP などの幅広い用途に使用することができる。
図1は、本発明の多価ヒドロキシ樹脂(合成例1)のGPCチャートを示すグラフである。 図2は、本発明の多価ヒドロキシ樹脂(合成例2)のGPCチャートを示すグラフである。 図3は、本発明の多価ヒドロキシ樹脂(合成例3)のGPCチャートを示すグラフである。 図4は、本発明の多価ヒドロキシ樹脂(合成例4)のGPCチャートを示すグラフである。 図5は、本発明の多価ヒドロキシ樹脂(合成例5)のGPCチャートを示すグラフである。 図6は、比較例1の樹脂(エポキシ化前)のGPCチャートを示すグラフである。 図7は、比較例2の樹脂(エポキシ化前)のGPCチャートを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
1.多価ヒドロキシ樹脂
本発明の1つの実施態様は、複数のフェノール性水酸基を有する芳香族モノマーと、以下の式(I)
Figure 0006419498
(式中、R、R、及びRについては後述のとおりである。)で表される架橋剤とを反応させて得られる多価ヒドロキシ樹脂であって、
前記多価ヒドロキシ樹脂が、以下の式(II)
Figure 0006419498
で表される構造、すなわち芳香環5核体以上の構造を有する樹脂成分を全体の70%以上含有することを特徴する、該多価ヒドロキシ樹脂である。ここで、Aは、前記芳香族モノマーに由来する構造を有する部位であり、モノマー中の芳香環上において架橋剤のCHと結合している(式(II)において、R、R、及びRは、式(I)と同じ定義である。)。
上記芳香族モノマーと上記式(I)の架橋剤との反応では、生成物として構造中に含まれるベンゼン環の数が3以上である複数の異なる成分が混在した樹脂が生じるが、本願発明では、上記芳香族と架橋剤に含まれる芳香環を5つ以上有する構造、いわゆる5核体以上の構造を有する化合物が多価ヒドロキシ樹脂全体の70%以上存在することを特徴とする。すなわち、低分子量の3核体成分の含有量を低く抑えることによって、当該樹脂を用いて得られる熱硬化性材料におけるガラス転移温度を高くすることができる。また、当該樹脂中の芳香環における置換基を多くし多官能化することも、ガラス転移温度の向上に寄与する。
本発明において用いられる芳香族モノマーは、フェノール性水酸基を2つ以上持つモノマーであれば特に制限はないが、例えば、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ピロガロール等が挙げられる。好ましくは、ジヒドロキシベンゼン、より好ましくは、レゾルシンである。これは、比較的安価であり、架橋剤との反応性が非常に良い点で優れる。また、2種類以上の上記芳香族モノマーを混合して用いることもできる。
本発明において用いられる架橋剤は、式(I)に示されるように、ベンゼン環にアルデヒド基を持つモノマーであれば特に制限はないが、好ましくは、式(I)中においてR、R、及びRは、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基から選択されるものであることができる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基である。したがって、R、R、及びRは、好ましくは、各々独立に、水酸基、メチル基、メトキシ基である。これら置換基のベンゼン環における置換位置は、式(I)のアルデヒド基とメタ位であることが好ましい。各R、R、及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
当該架橋剤の具体的な例としては、それらに限定されるものではないが、ベンズアルデヒド、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、メタヒドロキシベンズアルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、トルアルデヒド、アニスアルデヒド、ヒドロキシナフトアルデヒド、ナフトアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、トリメトキシベンズアルデヒド等が挙げられる。これらの2種類以上を混合して用いることもできる。好ましくは、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はトルアルデヒドである。これは、比較的安価であり、上記芳香族モノマーとの反応性が非常に良い点で優れる。
本発明の多価ヒドロキシ樹脂は、上記式(II)で示される5核体以上の構造を有する成分を、樹脂全体に対して70%以上、好ましくは、80%以上、より好ましくは90%以上含有することができる。当該含有率は、当該技術分野において公知の手法を用いることができる、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)における各成分の面積比から算出することができる。
また、上記式(II)において、nは、0〜10、好ましくは0〜5、さらに好ましくは0〜3の整数を表す。特に、主成分がnが0〜3、すなわち、式(II)が5核体〜11核体であることが好ましく、その場合の含有量は、樹脂全体に対して70%以上、好ましくは、80%以上、より好ましくは90%以上であることができる。なお、式(II)中におけるR、R、及びRは、式(I)におけるものと同じであり、その好ましい態様は上述のとおりである。
2.多価ヒドロキシ樹脂の製造方法
本発明の多価ヒドロキシ樹脂は、以下の製造方法によって得ることができ、当該方法も本発明に含まれる。すなわち、本発明の製造方法は、複数のフェノール性水酸基を有する芳香族モノマーと、上記式(I)で表される架橋剤とを溶媒中で反応させる工程、及び、反応溶液からの析出生成物を分離して上記式(II)で表される構造を有する成分を樹脂全体に対して70%以上含有する多価ヒドロキシ樹脂を得る工程を含む、多価ヒドロキシ樹脂の製造方法である。
当該製造方法によれば、反応生成物のうち溶媒への溶解度の低い式(II)で表される5核体以上の樹脂成分が反応溶液から析出するため、当該析出物を分離することによって、樹脂全体に対して70%以上が5核体成分である多価ヒドロキシ樹脂を得ることが可能となる。当該製造方法において用いられる芳香族モノマー及び式(I)の架橋剤の好ましい態様は上述のとおりである。生成物における式(II)の成分含有率についても同様である。
本発明の製造方法において、架橋剤と芳香族モノマーのモル比(架橋剤/モノマー)は、通常0.1〜1.50であり、好ましくは0.5〜1.20、より好ましくは0.70〜1.00である。モル比が上記の範囲より低いと、歩留まり低下につながり、一方、モル比が上記の範囲より高いと、架橋剤が過剰となり生産コストの面で好ましくなく、また余剰の架橋剤の除去が問題となる。
本発明の製造方法において、芳香族モノマーと架橋剤とを反応させる際に、触媒を添加することができる。触媒の種類としては、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、3フッ化ホウ素等)、有機酸(シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等)、アルカリ金属(塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛)を使用することができ、反応が進行すればこれらの種類に特に制限はない。
触媒の添加量は、芳香族モノマーに対して、通常は1.0〜100質量%であり、好ましくは10〜50質量%である。触媒の添加量が上記範囲より少ないと反応速度が遅く、上記範囲より多いと反応が急激に進み反応をコントロールすることが難しくなる。
芳香族モノマーと架橋剤とを反応させる温度は、通常25〜150℃であり、好ましくは40〜100℃である。反応温度が上記範囲より低いと、反応が進まないため好ましくない。また、反応温度が上記範囲より高いと、反応を制御することが難しくなり、目的とする多価ヒドロキシ樹脂を安定的に得ることが出来ない。
芳香族モノマーと架橋剤とを反応させる際には、常圧下で反応させてもよいし、場合により加圧下で反応させてもよい。
本発明の製造方法において用いられる溶媒は、水;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン類;又はこれらの混合溶媒を用いることができるが、反応後の上記式(II)の5核体以上の樹脂成分を析出させる溶解度のものであれば特に制限はない。安価であり、上記式(II)の樹脂成分を容易に析出させることが可能であるという観点から、水、メタノール、又は水−メタノール混合溶媒が好ましい。
当該溶媒の使用量は、生成した上記式(II)の樹脂成分が析出する条件であれば特に制限はないが、通常は、芳香族モノマーに対して50〜400質量%、好ましくは100〜300質量%である。使用量が少なすぎると反応で析出した樹脂成分が多量に存在して反応溶液の攪拌が困難になる。また、使用量が多すぎると反応が遅くなり、さらに、廃液の量が増加しコストアップとなり好ましくない。
3.多価ヒドロキシ樹脂のエポキシ化
本発明の多価ヒドロキシ樹脂の水酸基をエポキシ化剤でエポキシ化することによって、熱硬化性成形材料に用いられるエポキシ樹脂を得ることができる。
用いられるエポキシ化剤は、当該技術分野において公知のものを用いることができるが、かかるエポキシ化剤としては、例えば、エピクロルヒドリン、α-メチルエピクロルヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。安価であり工業的に入手が容易であるという点で、エピクロルヒドリンが好ましい。エポキシ化剤の添加量は、通常、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1molに対して2〜20mol、好ましくは、4〜10molである。添加量が少なすぎると重合が進んでしまい得られるエポキシ樹脂の軟化点や粘度が上昇してしまい好ましくない。また、添加量が多すぎると歩留まり低下につながるとともに、余剰のエポキシ化剤が多量となりコストアップとなるため好ましくない。
エポキシ化において用いられる触媒は、アルカリ金属水酸化物を用いることができるが、好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。当該触媒は、固形及び水溶液のいずれの形態で用いてもよい。
エポキシ化の1次反応における触媒の使用量は、通常、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1molに対して0.8〜3.0mol、好ましくは、1.0〜2.0molである。使用量が少なすぎるとエポキシ化反応の進行が進まず、一方、使用量が多すぎると、余剰のNaOHが多量に反応溶液中に残留し、コストアップにつながる。
エポキシ化反応において用いられる溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒を用いることができる。溶媒の使用量は、通常は、上記エポキシ化剤の添加量に対して5〜100質量%、好ましくは10〜50質量%である。
エポキシ化の1次反応は、通常、25〜120℃、好ましくは40〜90℃の温度で行われることができる。反応時間は、通常は、触媒の添加開始からエポキシ化剤の除去までの時間が1〜10時間、典型的には2〜8時間である。
エポキシ化の2次反応における触媒の使用量は、通常、多価ヒドロキシ樹脂中の水酸基1molに対して0.8〜3.0mol、好ましくは、1.0〜2.0molである。
4.熱硬化性成形材料
本発明のさらなる態様は、上記多価ヒドロキシ樹脂又は当該樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂組成物を含む熱硬化性成形材料である。当該熱硬化性成形材料は、a)本発明の多価ヒドロキシ樹脂をエポキシ化して得たエポキシ樹脂と任意の硬化剤を配合し、又はb)硬化剤として本発明の多価ヒドロキシ樹脂を用い、任意のエポキシ樹脂と配合し、加熱混合等をすることによって調製することができる。
上記a)の場合、用いられる硬化剤としては、例えば、当該技術分野において通常用いられるものを用いることができるが、典型的にはフェノールノボラック樹脂、フェノールキシリレンアラルキル樹脂、フェノールビフェニレンアラルキル樹脂、トリフェニルメタン樹脂、フェノールジシクロペンタジエン樹脂等が挙げられる。また、上記b)の場合、本発明の多価ヒドロキシ樹脂と共に用いられるエポキシ樹脂としては、当該技術分野において通常用いられるエポキシ樹脂を用いることができるが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 、フェノールキシリレンアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレンアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。当該エポキシ樹脂として、本発明の多価ヒドロキシ樹脂をエポキシ化して得たエポキシ樹脂を用いることもできる。
本発明の熱硬化性成形材料において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.9〜1.1当量が好ましい。また上記硬化剤と共に硬化促進剤を併用することもできる。かかる硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。
本発明の熱硬化性成形材料は、さらに適切な量の無機充填剤や離型剤を含有してもよい。無機充填材の具体例としては球状シリカ、アルミナ、タルク等が挙げられ、離型剤としてはカルナバワックス等が挙げられる。
本発明の熱硬化性成形材料を半導体封止材や積層板として用いることができる。積層板は、例えば、上記a)又はb)の配合物を基材に含浸し、加熱加圧成形して得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[測定方法及び測定機器]
後述する合成例で得られた樹脂について、分子量Mw、分散度Mw/Mn、軟化点、溶融粘度を以下の方法で測定した。
(1)分子量Mw、分散度Mw/Mn
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定装置:東ソー社製HLC8120GPC
カラム:TSKgel G3000H+G2000H+G2000H
(2)軟化点
JIS K 6910に従って軟化点を測定した。
(3)溶融粘度
150℃に設定した粘度計(ブルックフィールド社製CAP2000 VISCOMETER)により150℃における溶融粘度を測定した。
後述する実施例及び比較例で得られた成形物について、ガラス転移温度、熱分解温度、誘電率、誘電正接を以下の方法で測定した。
(4)ガラス転移温度
樹脂成形物を幅10.0mm×長さ55.0mm×厚さ2.0mmに加工し、粘弾性スペクトロメーター(セイコーインスツルメンツ社製DMS 110)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃〜350℃の範囲で測定した。
(5)熱分解温度
樹脂成形物を示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製TG/DTA6300)により、エアー雰囲気下で熱重量減量を測定し、熱分解開始温度を求めた。
(6)熱膨張率
樹脂成形物を幅2.0mm×長さ2.0mm×厚さ2.0mmに加工し、熱機械的分析装置(日立ハイテク社製TMA7100)を用いて10°/分の昇温速度で30〜350℃の範囲で測定した。
以下の手順にしたがって多価ヒドロキシ樹脂A〜Eを合成した。得られた樹脂A〜EのGPCチャートをそれぞれ図1〜図5に示す。
[合成例1]
樹脂A(レゾルシンとオルソヒドロキシベンズアルデヒドとの反応)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に水440.0g、レゾルシン220.0g(2.0mol)、48%臭化水素酸40.0gを仕込み65℃まで昇温した。そこにオルソヒドロキシベンズアルデヒド183.0g(1.5mol)を2時間かけて滴下し、その後2時間反応を行った。次いで、50%NaOHで中和し、析出した樹脂をろ過後、乾燥させ多価ヒドロキシ樹脂Aを得た。得られた樹脂におけるベンゼン環5核体以上の構造はGPCで解析を行い98.6%であり(図1)、分子量Mw870、分散度Mw/Mnは1.033であった。また、水酸基当量は68g/eqであった。
[合成例2]
樹脂B(レゾルシンとパラヒドロキシベンズアルデヒドとの反応)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に水440.0g、レゾルシン220.0g(2.0mol)、48%臭化水素酸40.0gを仕込み65℃まで昇温した。そこにパラヒドロキシベンズアルデヒド183.0g(1.5mol)を2時間かけて滴下し、その後2時間反応を行った。次いで、50%NaOHで中和し、析出した樹脂をろ過後、乾燥させ多価ヒドロキシ樹脂Bを得た。得られた樹脂におけるベンゼン環5核体以上の構造はGPCで解析を行い97.9%であり(図2)、分子量Mw951、分散度Mw/Mnは1.055であった。また、水酸基当量は69g/eqであった。
[合成例3]
樹脂C(レゾルシンとベンズアルデヒドとの反応)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に水220.0g、レゾルシン220.0g(2.0mol)、48%臭化水素酸40.0gを仕込み80℃まで昇温した。そこにベンズアルデヒド159.0g(1.5mol)を2時間かけて滴下し、その後2時間反応を行った。次いで、水220.0g添加後、50%NaOHで中和し、析出した樹脂をろ過後、乾燥させ多価ヒドロキシ樹脂Cを得た。得られた樹脂におけるベンゼン環5核体以上の構造はGPCで解析を行い98.4%であり(図3)、分子量Mw821、分散度Mw/Mnは1.039であった。また、水酸基当量は88g/eqであった。
[合成例4]
樹脂D(レゾルシンとトルアルデヒドとの反応)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に水110.0g、メタノール110.0g、レゾルシン220.0g(2.0mol)、48%臭化水素酸40.0gを仕込み80℃まで昇温した。そこにパラトルアルデヒド180.0g(1.5mol)を2時間かけて滴下し、その後2時間反応を行った。次いで、水220.0g添加後、50%NaOHで中和し、析出した樹脂をろ過後、乾燥させ多価ヒドロキシ樹脂Dを得た。得られた樹脂におけるベンゼン環5核体以上の構造はGPCで解析を行い93.8%であり(図4)、分子量Mw897、分散度Mw/Mnは1.084であった。また、水酸基当量は93g/eqであった。
[合成例5]
樹脂E(レゾルシンとアニスアルデヒドとの反応)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に水110.0g、メタノール110.0g、レゾルシン220.0g(2.0mol)、48%臭化水素酸40.0gを仕込み80℃まで昇温した。そこにパラアニスアルデヒド204.0g(1.5mol)を2時間かけて滴下し、その後2時間反応を行った。次いで、水220.0g添加後、50%NaOHで中和し、析出した樹脂をろ過後、乾燥させ多価ヒドロキシ樹脂Eを得た。得られた樹脂におけるベンゼン環5核体以上の構造はGPCで解析を行い96.1%であり(図5)、分子量Mw984、分散度Mw/Mnは1.110であった。また、水酸基当量は99g/eqであった。
合成例1〜5で得た樹脂A〜Eについて以下の手順でエポキシ化を行った。
[合成例6]
樹脂Aのエポキシ化
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に多価ヒドロキシ樹脂Aを68.0g、DMSO136.0g、エピクロロヒドリン462.5g(5.0mol)を仕込み65℃まで昇温した。50%NaOHを発熱に注意しながら1時間かけて滴下した。その後65℃で1時間、80℃に昇温し2時間反応をおこなった。次いで、80℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン204.0g加え溶解し、70℃にまで昇温した。そこに50%の水酸化ナトリウム水溶液2.0gを加え、1時間反応を行なった後、洗浄水が中性になるまで水洗を行ない、得られた溶液を150℃減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することにより多価エポキシ樹脂Aを得た。GPC測定における分子量はMw1609、分散度はMw/Mn1.191であった。また、エポキシ当量は162g/eq、軟化点は94.4℃、180℃における溶融粘度は3.5Pであった。
[合成例7]
樹脂Bのエポキシ化
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に多価ヒドロキシ樹脂Bを69.0g、DMSO138.0g、エピクロロヒドリン462.5g(5.0mol)を仕込み65℃まで昇温した。50%NaOHを発熱に注意しながら1時間かけて滴下した。その後65℃で1時間、80℃に昇温し2時間反応をおこなった。次いで、80℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン207.0g加え溶解し、70℃にまで昇温した。そこに50%の水酸化ナトリウム水溶液2.0gを加え、1時間反応を行なった後、洗浄水が中性になるまで水洗を行ない、得られた溶液を150℃減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することにより多価エポキシ樹脂Bを得た。GPC測定における分子量はMw1781、分散度はMw/Mn1.189であった。また、エポキシ当量は168g/eq、軟化点は95.3℃、180℃における溶融粘度は4.3Pであった。
[合成例8]
樹脂Cのエポキシ化
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に多価ヒドロキシ樹脂Cを88.0g、DMSO176.0g、エピクロロヒドリン462.5g(5.0mol)を仕込み65℃まで昇温した。50%NaOHを発熱に注意しながら1時間かけて滴下した。その後65℃で1時間、80℃に昇温し2時間反応をおこなった。次いで、80℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン264.0g加え溶解し、70℃にまで昇温した。そこに50%の水酸化ナトリウム水溶液2.0gを加え、1時間反応を行なった後、洗浄水が中性になるまで水洗を行ない、得られた溶液を150℃減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することにより多価エポキシ樹脂Cを得た。GPC測定における分子量はMw1299、分散度はMw/Mn1.176であった。また、エポキシ当量は200g/eq、軟化点は117.9℃、180℃における溶融粘度は12.4Pであった。
[合成例9]
樹脂Dのエポキシ化
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に多価ヒドロキシ樹脂Dを93.0g、DMSO186.0g、エピクロロヒドリン462.5g(5.0mol)を仕込み65℃まで昇温した。50%NaOHを発熱に注意しながら1時間かけて滴下した。その後65℃で1時間、80℃に昇温し2時間反応をおこなった。次いで、80℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン279.0g加え溶解し、70℃にまで昇温した。そこに50%の水酸化ナトリウム水溶液2.0gを加え、1時間反応を行なった後、洗浄水が中性になるまで水洗を行ない、得られた溶液を150℃減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することにより多価エポキシ樹脂Dを得た。GPC測定における分子量はMw1226、分散度はMw/Mn1.157であった。また、エポキシ当量は205g/eq、軟化点は99.0℃、180℃における溶融粘度は4.5Pであった。
[合成例10]
樹脂Eのエポキシ化
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量1Lのガラス製反応容器に多価ヒドロキシ樹脂Eを99.0g、DMSO198.0g、エピクロロヒドリン462.5g(5.0mol)を仕込み65℃まで昇温した。50%NaOHを発熱に注意しながら1時間かけて滴下した。その後65℃で1時間、80℃に昇温し2時間反応をおこなった。次いで、80℃で減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン297.0g加え溶解し、70℃にまで昇温した。そこに50%の水酸化ナトリウム水溶液2.0gを加え、1時間反応を行なった後、洗浄水が中性になるまで水洗を行ない、得られた溶液を150℃減圧下でメチルイソブチルケトン等を留去することにより多価エポキシ樹脂Eを得た。GPC測定における分子量はMw1475、分散度はMw/Mn1.154であった。また、エポキシ当量は216g/eq、軟化点は85.9℃、180℃における溶融粘度は3.1Pであった。
合成例6〜10で得られたエポキシ樹脂を用いて、表1に示す組成に従い、各原料を混合して熱硬化性成形材料をそれぞれ調製した(実施例1〜5)。また、比較例として、合成例6〜10のエポキシ樹脂に代えて、オルソクレゾール型エポキシ樹脂(エポキシ化前の5核体以上の比率78.2%;日本化薬社製、製品名「EOCN−1020」)及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂(エポキシ化前の5核体以上の比率54.4%;日本化薬社製、製品名「EPPN−502H」)を作成した(比較例1及び2)。比較例1及び2の樹脂について、エポキシ化前の5核体以上の比率を測定したGPCチャートをそれぞれ図6及び図7に示す。
上記熱硬化性成形材料を100℃で溶融混合し、175℃でトランスファー成型を行い、樹脂成形物を得た。その後、樹脂成形物を180℃で5時間アフターベークを行い、物性評価用のテストピースを作成した。
各実施例において、エポキシ樹脂及び硬化剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ基当量と、硬化剤中の水酸基当量との当量比が1となるように配合量を設定した。使用した他の原料の詳細を以下に示す。
硬化剤:フェノールノボラック樹脂(群栄化学工業社製、製品名「PSM−4261」)
充填剤:球状シリカ(龍森社製、製品名「MSR−2212」)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン
離型剤:カルナバワックス(日本ワックス社製)
実施例1〜5、比較例1及び2の樹脂成形物について、上記の方法によりガラス転移温度等の特性評価した結果を表1に示す。
Figure 0006419498
表1の結果から、本発明の熱硬化性成形材料を用いた樹脂成形物は、比較例と比べて、高いガラス転移温度を有し、さらに優れた熱膨張率及び貯蔵弾性率を有するという特性を有する。従って、本発明の熱硬化性成形材料を用いた本発明の樹脂成形物は、高機能性高分子材料として極めて有用であり、物理的、電気的に優れた材料として半導体封止材、電気絶縁材料、銅張り積層板用樹脂、レジスト、電子部品の封止用樹脂、液晶のカラーフィルター用樹脂、塗料、各種コーティング剤、接着剤、ビルドアップ積層板材料、FRP などの幅広い用途に使用することができる。

Claims (17)

  1. 複数のフェノール性水酸基を有する芳香族モノマーと、以下の式(I)
    Figure 0006419498
    (式中、R、R、及びRは、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。)
    で表される架橋剤とを反応させて得られる多価ヒドロキシ樹脂をエポキシ化してなるエポキシ樹脂であって、
    前記多価ヒドロキシ樹脂が、以下の式(II)
    Figure 0006419498
    (式中、Aは、前記芳香族モノマーに由来する部位を表し;R、R、及びRは、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表し;及び、nは0〜3の整数を表す。)
    で表される構造を有する成分を樹脂全体に対して70%以上含有することを特徴する、該エポキシ樹脂
  2. 前記芳香族モノマーが、ジヒドロキシベンゼンである、請求項1に記載のエポキシ樹脂
  3. 前記芳香族モノマーが、レゾルシンである、請求項1に記載のエポキシ樹脂
  4. 前記式(I)で表される架橋剤が、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はトルアルデヒドである、請求項1〜3のいずれか1に記載のエポキシ樹脂
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載のエポキシ樹脂と硬化剤とを含む、熱硬化性成形材料。
  6. 前記硬化剤がフェノール樹脂系硬化剤である、請求項5に記載の熱硬化性成形材料。
  7. 請求項5又は6に記載の熱硬化性成形材料よりなる、半導体封止材。
  8. 請求項5又は6に記載の熱硬化性成形材料を用いて半導体素子を封止してなる、半導体装置。
  9. 請求項5又は6に記載の熱硬化性成形材料よりなる、積層板。
  10. 複数のフェノール性水酸基を有する芳香族モノマーと、以下の式(I)
    Figure 0006419498
    (式中、R、R、及びRは、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。)
    で表される架橋剤とを溶媒中で反応させる工程
    反応溶液からの析出生成物を分離して以下の式(II)
    Figure 0006419498
    (式中、Aは、前記芳香族モノマーに由来する部位を表し;R、R、及びRは、存在する場合は、各々独立に、水酸基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表し;及び、nは0〜3の整数を表す。)
    で表される構造を有する成分を樹脂全体に対して70%以上含有する多価ヒドロキシ樹脂を得る工程、及び
    前記多価ヒドロキシ樹脂の水酸基をエポキシ化剤でエポキシ化する工程
    を含む、エポキシ樹脂の製造方法。
  11. 前記芳香族モノマーが、ジヒドロキシベンゼンである、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記芳香族モノマーが、レゾルシンである、請求項10に記載の製造方法。
  13. 前記式(I)で表される架橋剤が、オルソヒドロキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はトルアルデヒドである、請求項10〜12のいずれか1に記載の製造方法。
  14. 前記芳香族モノマーと前記架橋剤を、芳香族モノマー/架橋剤=0.50〜1.20のモル比で反応させる、請求項10〜13のいずれか1に記載の製造方法。
  15. 前記芳香族モノマーと前記架橋剤との反応が、25〜150℃の温度で行われる、請求項10〜14のいずれか1に記載の製造方法。
  16. 前記溶媒が、水、メタノール、又は水−メタノール混合溶媒である、請求項10〜15のいずれか1に記載の製造方法。
  17. 前記芳香族モノマーと前記架橋剤との反応が、臭化水素酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化鉄、及び塩化亜鉛よりなる群から選択される触媒の存在下で行われる、請求項10〜16のいずれか1に記載の製造方法。
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