JPH06192006A - 発泡性農薬固形剤 - Google Patents

発泡性農薬固形剤

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JPH06192006A
JPH06192006A JP26768993A JP26768993A JPH06192006A JP H06192006 A JPH06192006 A JP H06192006A JP 26768993 A JP26768993 A JP 26768993A JP 26768993 A JP26768993 A JP 26768993A JP H06192006 A JPH06192006 A JP H06192006A
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solid
agent
water
tablets
foaming
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Application number
JP26768993A
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Inventor
Masayuki Nakagawa
昌之 中川
Akihiko Kunitomo
昭彦 国友
Kinji Tanizawa
欽次 谷澤
Kazuhiko Tsubota
和彦 坪田
Hiroshi Satobi
寛 佐飛
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 手軽に処理でき散布者や環境に悪影響を与え
ず、しかも生物効果及び薬害の面でも良好な結果を与え
る農薬組成物を提供すること。 【構成】 酸化カルシウムを含有する固形の発泡性農薬
を防湿包装中に封入することを特徴とする、経時的に安
定な発泡性農薬固形剤。 【効果】 本発明の農薬固形剤は、手軽に処理でき、散
布者や環境に危害を与えない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明の目的は、経時的に安定な発泡性
農薬固形剤を提供することにある。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化カルシウムを含有
する固形の発泡性農薬を防湿包装中に封入することを特
徴とする、経時的に安定な発泡性農薬固形剤に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、水田用農薬はその使用の便のため
に、種々の剤型、例えば、粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等
に製剤され、水面又は稲体に散布されている。
【0004】しかし、粉剤や水和剤は、粉立ちによる使
用者や生産者の健康上の問題や環境汚染の問題があり、
乳剤の場合は、有機溶媒の毒性の問題や火災の危険があ
る。粒剤はこういった欠点は少ないが、物流や経済性の
面で不利であるばかりでなく、活性成分によっては十分
な防除効果が得られない場合も多い。
【0005】これらのことから、最近、フロアブル(以
下FLと略す)やドライフロアブル(以下DFと略す)
といわれる新しい剤型が開発されてきた。これらは水に
稀釈して、水溶液、懸濁液あるいは乳化液として使用さ
れる。これらFLやDFといわれる剤型は、粉立ちがな
く流動性があるという点で水和剤の上記の欠点を解決し
た剤型といえるが、従来の剤型を含めこれらの製剤を散
布するためには、まず水に溶解又は分散させたあとで、
水田に入って散布器具を用いて散布することになる。こ
のように稀釈用の容器と散布器具を準備し、水田に入っ
て散布することは、小規模な兼業農家にとって、経済的
負担や安全面の不安ばかりでなく、労力的にも時間的に
も負担は大きい。特に、高齢者と女性に依存することの
大きい最近の農家にとっては、このような負担は耐え難
いものとなっている。
【0006】このため、最近、散布に特殊な器具を必要
とせず、手軽に散布できる方法として、除草剤のFLを
プラボトルに入れ、これをキャップ部に開けた小孔から
水田中に振り込む方法が開発された。この方法は、手軽
に散布できる利点があるが、散布に際しては依然として
水田に入る必要があり労力を要することや、散布方法や
風向きによっては薬液の飛沫が作業者にかかる等の安全
面での問題点があるため、必ずしも、従来法の欠点を完
全に除去し得たとは言い難い。また、使用済みの空き瓶
の処理も安全面や環境上の問題を引き起こす可能性があ
る。
【0007】さらに、最近、有効成分に界面活性剤及び
発泡剤を加えた水田用除草剤(特開平3−128301
号公報)や、有効成分、界面活性剤、並びに結合剤を含
有する水田除草用錠剤又はカプセル(特開平3−173
802号公報)に関する技術が開示された。これらの製
剤を処理するに当たっては、散布者の安全や環境保護の
面から、水溶紙にこれらの製剤を包み、これを水田中に
投げ入れるのが有力な方法となる(特開平4−2269
01号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような投げ込み製
剤は、従来の粒剤や粉剤のように均一散布をしないた
め、有効成分をできるだけ早く圃場全体に広がらせるた
めに、通常、有機酸と炭酸塩よりなる発泡剤を配合し、
水田中で固形剤をできるだけ早く崩壊分散させるように
する。特に、投げ込み製剤の場合、水温は比較的低く、
しかも有効成分の拡散は固形剤の崩壊分散の程度、即ち
発泡力の強さに影響を受けるから、発泡力、特に水田に
投げ込んでから固形剤が崩壊分散してしまうまでの比較
的短時間の発泡の強さが生物効果や薬害に大きな影響を
与える。このように、発泡力は投げ込み製剤の生物効果
や薬害に影響を与える重要な物理性であるが、同一処方
の製剤の発泡力を同一条件下で測定しても、製剤の硬度
が異なると発泡力もかなり変化する。ところが、発泡性
の農薬固形剤は経時的に硬化する傾向があり、これに伴
って、水に投入した後の発泡性もまた低下する傾向があ
る。従って、農薬の投げ込み製剤にとって、固形剤の硬
化を防止し、経時により発泡力が劣化しない発泡性固形
剤を得ることは、重要な課題であった。また、保存中に
製剤中の水分によって有機酸と炭酸塩が反応してしま
い、包装が膨張しやすいことも発泡製剤の欠点であり、
重要な解決課題であった。
【0009】発泡剤を配合した製剤は、医薬、入浴剤、
菓子、消毒剤、洗浄剤等様々な分野で製品化されてお
り、保存中の反応によるガスの発生を防ぐために、従
来、無水硫酸ナトリウムを配合する方法(特公昭58−
5695号公報)、酸化マグネシウム及び/又はアルミ
ン酸ナトリウムを配合する方法(特開昭59−7061
0号公報)、発泡剤に炭酸ガスを吹き込んで、製剤中に
水分と炭酸塩から重炭酸塩を形成する方法(特公平4−
22197号公報)、発泡剤の酸又は炭酸塩の表面にP
EG等をコーティングして有機酸と炭酸塩との直接接触
を防止する方法(特開昭61−176519号公報)、
酸や炭酸塩に粗い粒子を用いる等の方法が提案されてい
る。しかしながら、これらの方法は実用的な効果がなか
ったり、工程が繁雑となり加工費が高くなるため農薬に
適用できなかったり、経時的な発泡は防止できても使用
時の発泡力が低下したりして、上記のように激しい発泡
性とその発泡性が経時的に劣化しないことを要求される
農薬の投げ込み製剤には実用性がなかった。
【0010】このような現状に鑑みて、本発明者らは安
価で、かつ経時的に安定な農薬の発泡性製剤の開発を目
指して鋭意検討を重ねた結果、処方中に酸化カルシウム
を配合した発泡性の農薬固形剤を防湿包装することによ
り、経時的に固形剤の硬化や発泡性の低下がなく、包装
の膨張が改善された農薬の発泡性製剤を得ることができ
ることを見出し本発明を完成した。
【0011】
【発明の構成】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化カルシウ
ムを含有する固形の発泡性農薬を防湿包装中に封入する
ことを特徴とする、経時的に安定な発泡性農薬固形剤、
酸化カルシウムの配合量が0.5〜3%である上記農薬
固形剤、及び防湿包装が糸入り又は穴空きによりガス抜
き加工を施したアルミ箔貼り合わせフィルムよりなる袋
又は箱である、請求項1又は2に記載の発泡性農薬固形
剤である。
【0013】本発明に用いる酸化カルシウムは、粒状、
粉末状、塊状のいずれでも構わない。配合方法は、後述
する農薬成分及びその他の補助剤と混合するか、粒剤や
錠剤、ブリケット等の塊状物の場合には、必要に応じて
農薬成分やその他の補助剤と共に粉砕した後、所望の剤
型に製剤する。酸化カルシウムの配合量は、発泡性農薬
固形剤の剤型や処方によって異なる。配合量が少な過ぎ
る場合に十分な効果が期待できないのはもちろんである
が、配合量が多過ぎても発泡性が低下したり、固形剤の
硬度が低下したりするので注意を要する。好適な配合量
は一般に0.3〜5%であり、好ましくは0.5〜3%
である、この程度の配合量であれば、発泡性の低下は酸
の配合量を調整することにより十分回復可能であり、製
剤の硬度低下も実用上支障を来すことのない、経時的に
安定な発泡製剤を得ることができる。
【0014】本発明において安定化されるべき発泡性農
薬固形剤とは、水田への投げ込み処理により有効な農薬
有効成分と、固体の有機酸と炭酸塩よりなる発泡剤を必
須成分として含有する固形製剤を意味する。
【0015】本発明に使用できる農薬有効成分は、殺虫
剤や殺菌剤の場合、稲体に吸収されて移行する性質(浸
透移行性)のあるものが望ましいが、浸透移行性がなく
ても、水中又は水面に生息する虫、或は水中や水面から
感染する菌には有効である。いずれの場合も、薬害の少
ない化合物であることが必要である。除草剤の場合、そ
の本来の性質や使用時期の点から、特に薬害のない化合
物を選択することが望ましい。
【0016】有効成分は、水溶性でも水に難溶性でも、
また固体でも液体でも構わない。一般的には固体の化合
物の方が本発明に適合し易いが、液体原体も適当な方法
で固型化できれば十分に適用できる。本発明の固形剤に
は2種以上の有効成分を含有することも可能である。
【0017】本発明に使用される有効成分は、殺虫剤で
は、好適には、イソキサチオン、プロパホス、DEP、
ダイアジノン、エチルチオメトン、ホルモチオン、ジメ
トエート、モノクロトフォス、アセフェート、カルボス
ルファン、チオシクラム、カルタップ、ベンフラカル
ブ、フラチオカルブ、カルバリル、ブプロフェジン、B
PMC、PHC、イミダクロプリド、TI304等の浸
透移行性殺虫剤、シクロプロトリン、エトフェンプロッ
クス等のイネミズゾウムシやイネドロオイムシのような
水中又は水面近くに生息する害虫に有効な合成ピレスロ
イドを挙げることができる。
【0018】殺菌剤では、好適には、プロベナゾール、
イソプロチオラン、IBP、トリシクラゾール、ピロキ
ロン等のいもち剤、フルトラニル、メプロニル、MON
240、S658等のもんがれ剤、テクロフタラムなど
を挙げることができる。
【0019】除草剤では、好適には、ピラゾレート、ベ
ンゾフェナップ、ピラゾキシフェン、ピリブチカルブ、
ブロモブチド、メフェナセット、ベンスルフロンメチ
ル、ブタクロール、プレチラクロール、ベンチオカー
ブ、CNP、クロメトキシニル、ダイムロン、ビフェノ
ックス、ナプロアニリド、オキサジアゾン、ベンタゾ
ン、モリネート、ピペロホス、ジメピペレート、エスプ
ロカルブ、ジチオピル、イマゾスルフロン、ベンフレセ
ート、ACN、シンメスリン、MCPB、キンクロラッ
ク、ピラゾスルフロンエチル、KPP314、N−[2
−(3−メトキシ)チエニルメチル]−N−クロロアセ
ト−2,6−ジメチルアニリド(NSK850)、1−
(2−クロロベンジル)−3−(α,α−ジメチルベン
ジル)ウレア(JC940)等の水田除草剤を挙げるこ
とができる。
【0020】植物成長調節剤では、好適には、イナベン
フィド、パクロブトラゾール、ウニコナゾール、トリア
ペンテノール等を挙げることができる。
【0021】これらの有効成分は、水田に投入後、でき
るだけ早く田面水中に溶解拡散し、効力を発揮する必要
がある。長期間にわたり有効成分が局在すると、効力不
足や薬害を生じるなどの不都合を生じることは言うまで
もない。従って、有効成分がたとえ水に対する溶解度の
高いものでも、固体の場合、ある程度微粉砕しておく方
がよい。有効成分が水に対する溶解度の低いものでは特
に微粉砕が必要である。このため、ハンマーミル、ジェ
ットミル等による乾式粉砕や、サンドミル又はアトライ
ター等による湿式粉砕を行なう方が望ましいが、湿式粉
砕を行なう場合には、発泡剤が水の存在下で発泡してし
まい、後述する成形機にかけにくいので、予め乾燥して
おく必要がある。乾燥は湿式粉砕したスラリーをそのま
まスプレードライヤー等を用いて乾燥しても良いが、後
述する他の助剤の一部又は全部と予め混合し、又必要で
あれば造粒する等した後乾燥しても良い。得られた乾燥
粉末又は粒は後述する成形機又は粉砕機を用いて目的と
する固形剤に製剤する。液状原体の場合は、必要なら適
当な溶媒や乳化剤に溶解し、適当なキャリヤーに吸収さ
せて固型化すれば、固体原体と同様に扱うことができ
る。
【0022】これらの有効成分は、水田に投入したとき
に、できるだけ速く水田全体に拡散するのが望ましい。
このため、発泡剤を配合し、有効成分を水田にできるだ
け広範囲に分散させるようにする。
【0023】発泡剤は、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸
カリウム、セスキ炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の
炭酸塩と、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、
マレイン酸、フマール酸、酒石酸等の水溶性の固体酸
を、固体のまま混合して使用する。
【0024】水田投げ込み製剤において、その発泡力の
強さは生物効果や薬害を左右する重要な要因である。従
って、発泡力は強い方が良く、発泡剤の配合量は多い方
が好ましいが、固形製剤の生産性、価格、安定性その他
の面からおのずから限界があり、又、農薬有効成分の種
類やその他の助剤の配合量、剤型によっても異なるが、
通常は固形剤中の発泡剤の量として20〜80%程度で
ある。固体酸と炭酸塩の比率は酸及び炭酸塩の種類によ
って異なるので一概にはいえないが、通常、酸の配合量
を炭酸塩の中和当量よりや多めにする方が発泡は強い。
炭酸塩の中では炭酸塩より重炭酸塩の方が、又有機酸の
中では、クエン酸やリンゴ酸のように水に対する溶解度
が高いものの方が、コハク酸やフマル酸のようにやや溶
解度が低いものより発泡性が強い。しかし、一方で重炭
酸塩や溶解の高い酸を用いると製剤の安定性が劣るケー
スがあるので、有効成分やその他の助剤、剤型等によっ
て、酸と炭酸塩の種類と配合量を選択する必要がある。
【0025】また、特に水に難溶性の化合物の場合、有
効成分粒子が長時間水面に浮遊すると、風により吹寄せ
られ、有効成分の局在が加速されることがあるので、適
当な湿潤剤を配合して有効成分を水中に懸濁させる必要
がある。このため、製剤中には必要であれば適当な増量
剤や補助剤を配合し、水に濡れて容易に崩壊分散するよ
うな製剤とする。このため、必要に応じて、増量剤、崩
壊分散剤、湿潤剤、滑沢剤、結合剤、粒子成長防止剤、
安定剤、拡展剤、発水剤等その他の成分を配合する。特
に、拡展剤、発水剤は固形剤を水面に浮遊させ、水面で
できるだけ広範囲に広げるという点で、また、崩壊分散
剤、湿潤剤は浮遊した固形剤から有効成分をぼた落ちさ
せないという点で重要である。
【0026】拡展剤にはポリカルボン酸及びポリスルホ
ン酸型の高分子界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム、
パーフルオロアルキルカルボン酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、
ソルビタンのアルキルエステル等の種々の界面活性剤、
パラフィンオイルやシリコンオイル等のオイル類、松脂
等の樹脂類、樟脳、ナフタレン等が好適である。
【0027】また、発水剤としては、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸ナトリ
ウム等の脂肪酸塩、ステアリルアルコール等の高級アル
コール、ステアリン酸等の高級脂肪酸、シリコンオイル
及びその誘導体、フッソ系界面活性剤、カチオン界面活
性剤、疎水性シリカ等が好適である。
【0028】好適な崩壊分散剤としては、たとえばリグ
ニンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタレンスルホン酸
塩及びその縮合物、フェノールスルホン酸塩及びその縮
合物、スチレンスルホン酸塩の縮合物、マレイン酸とス
チレンスルホン酸との縮合物の塩、アクリル酸やマレイ
ン酸等のカルボン酸縮合物の塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルサルフェートの塩、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテルサルフェートの塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン
酸エステル塩等のアニオン界面活性剤をあげることがで
きる。これら分散剤は、湿潤剤としても有用なものが多
い。分散剤や湿潤剤はこれらに限らず、ノニオン性やカ
チオン性あるいは両性イオン性のものであっても適当な
ものを使用できる。また、澱粉、カルボキシメチルセル
ロース及びその塩、カルボキシメチル化澱粉及びその
塩、ポリビニルピロリドンの架橋体、非結晶セルロー
ス、高吸水性樹脂等の水を吸収して膨潤する性質を有す
るものも崩壊分散剤として有用である。
【0029】好適な増量剤としては、ベントナイト、タ
ルク、クレー、珪藻土、無晶形二酸化ケイ素、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム等の一般的に農薬のキャリヤ
ーとして用いられる鉱物質微粉の他に、グルコース、砂
糖、乳糖等の糖類、カルボキシメチルセルロース及びそ
の塩類、澱粉及びその誘導体、非結晶セルロース、木粉
等の有機物、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化
カリウム等の水溶性無機塩類、尿素等を用いることがで
きる。
【0030】好適な結合剤としては、低分子量のデキス
トリンやポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができ
る。リグニンスルホン酸塩は分散剤と兼用でき、比較的
安価なため増量剤としても用いることができるので特に
有用である。
【0031】これらの有効成分粉砕物、発泡剤、酸化カ
ルシウム及びその他の助剤は、混合するか又はその後
で、適当な成型機を用いて、固形に製剤する。剤型は粉
剤、粒剤、錠剤やブリケット等の固形剤である。取扱の
点から、粒剤、錠剤、ブリケット等の塊状剤が好まし
い。粉剤は有効成分粉砕物及び助剤を混合し、粉砕する
ことにより、粒剤はローラーコンパクターを、錠剤は打
錠機を、またブリケットはブリケッティングマシンを使
用することにより得ることができる。
【0032】成形方法は、水を用いて成形すると発泡剤
が反応してしまうので、通常乾式法で成形する。
【0033】やむを得ず湿式で成形する場合は、酸部と
炭酸塩の部分とを別々に湿式で造粒し、乾燥した後、そ
の乾燥品を乾式で成形する方法をとる。この場合、有効
成分及びその他の助剤は、酸部又は炭酸塩部の造粒時、
或いは乾式での成形時の任意の工程で添加することにな
る。酸化カルシウムも水の存在下で反応し、その活性を
失うので、乾式での成形時に配合しなければならない。
【0034】固形剤の形状は、粉末状、粒状、フレーク
状、球、円柱、直方体、立方体、卵状、アーモンド状、
たどん状、ドーナツ状、釣り鐘状等いずれでも良い。
【0035】2種以上の有効成分を同時に水田に処理す
る場合、配合すると分解が生じたり、崩壊分散が劣化し
たりする場合がある。このような場合、2種以上の製剤
を別々に作り、これらを混合することにより解決できる
ので、従来配合禁忌とされていた配合剤も同時処理が可
能となる。
【0036】かくして得られた固形剤は、そのまま以下
に述べる防湿包装中に包装しても良いが、散布者の安全
や環境保護の面からPVAのフィルムのような水溶紙に
分包とし、この分包を防湿包装することもできる。
【0037】本発明に用いる防湿包装は、アルミ箔貼り
合わせフィルム、糸入り又は穴空きによりガス抜き加工
を施したアルミ箔貼り合わせフィルム、アルミ蒸着フィ
ルム又はシリカ蒸着フィルムよりなる袋又は箱である。
【0038】アルミ箔貼り合わせフィルムよりなる袋又
は箱とは、アルミ箔とポリエチレン、ナイロン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン
等の樹脂フィルムやクラフト紙とをラミネートしたフィ
ルムよりなる袋又は箱である。
【0039】糸入りによりガス抜き加工を施したアルミ
箔貼り合わせフィルムよりなる袋又は箱とは、上記のア
ルミ箔と樹脂フィルムやクラフト紙とのラミネートフィ
ルムのヒートシール部に細い糸を挟み込んだものであ
る。糸の太さや本数は特に制限はないが、太過ぎる糸を
何本も挟み込むと防湿効果が低下するので、通常径1m
m以下の糸を1本、シール部の一端に挟み込んでおけば
十分目的を達成し得る。
【0040】又、穴空きによりガス抜き加工を施したア
ルミ箔貼り合わせフィルムよりなる袋又は箱とは、上記
アルミ箔貼り合わせフィルムを構成する何枚かのフィル
ムのうち、アルミ箔を含む一部のフィルムに小さな穴を
空けたアルミラミネートフィルムよりなる袋又は箱であ
る。穴の大きさや穴の個数に特に制限はないが、穴が大
き過ぎたり、穴の個数が多すぎると、防湿効果が低下す
るので、通常径1mm程度の穴を1袋当たり1個空けて
おけば十分にに目的を達成し得る。ラミネートする全て
のフィルムに貫通孔を空けてしまうと防湿効果が極端に
低下するので避けなければならない。
【0041】通常これらアルミラミネート袋に貼り合わ
せるアルミ箔の厚さは数μm〜十数μmである。
【0042】アルミ蒸着及びシリカ蒸着フィルムよりな
る袋又は箱は、前述したような樹脂フィルムの表面にア
ルミニウム又はシリカを蒸着させたフィルムよりなるも
ので、場合によっては同種又は異種のフィルム又はクラ
フト紙を多層に貼り合わせたものよりなる袋又は箱であ
る。
【0043】これらの中でも糸入り又は穴空きによりガ
ス抜き加工を施したアルミ箔貼り合わせフィルムよりな
る袋又は箱は、末端部をヒートシールしておけば、袋内
部の圧が上がった場合には内部のガスを袋外に排出する
ことができるが、防湿効果は高いので、内部が陰圧にな
らない限り、外気の水分が袋内に入って発泡剤の反応を
加速することはほとんどなく特に有用である。
【0044】このようにして得られた発泡性農薬固形剤
を上記防湿包装中に封入した製剤は、以下に詳述するよ
うに経時的に包装の膨張はなく、かつ発泡性農薬固形剤
も実用的に支障のあるような経時劣化は生じない。
【0045】以下に実施例を掲げて本発明の実施態様を
より具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定さ
れるものではない。
【0046】
【実施例】
【0047】
【実施例1〜10】水36.15部中にニューコール2
91PG(日本乳化剤(株)製)0.85部を溶解させ
た中にピラゾレート原体63.0部を懸濁させた。この
懸濁液をアトライター1S型(三井三池製作所製)によ
り180rpmで45分間粉砕し、ピラゾレートのスラ
リーを得た。このスラリーに、炭酸カルシウム粉末(足
立石灰工業(株)製)7.0部とバニレックスN(山陽
国策パルプ(株)製)29.15部を水30部に懸濁溶
解した液を加え、撹拌混合したのち、スプレードライヤ
ーL−8型(大川原化工機(株)製)により噴霧乾燥
し、ピラゾレートPMを得た。別に、プレチラクロール
原体45部、下記配合乳化剤5部を混合溶解し、オイル
Q(日澱化学(株)製)50部と混合してプレチラクロ
ールPMを得た。ピラゾレートPM28.57部、プレ
チラクロールPM10.0部、バレイショデンプン5.
0部、リンゴ酸15.0部、コハク酸15.0部、炭酸
水素ナトリウム16.0部、炭酸ナトリウム5.43
部、粉末生石灰A(岩白鉱産(株)製)2部を混合し、
ローラーコンパクターミニ型(フロイント産業(株)
製)により圧縮造粒し、開孔径2mmのふるいを強制篩
過し顆粒を得た。得られた顆粒97.0部にタルク(局
方)3.0部を加え、混合したのち、打錠機P−18型
(畑鉄工(株)製)を用いて、直径1cm、1錠の重さ
0.5gに打錠した。得られた錠剤はピラゾレート1
8.0%,プレチラクロール4.5%を含有した。得ら
れた錠剤の半量は厚さ40μmのハイセロンC−200
(日合フィルム(株)製)に50gずつ小分けし、分包
とした。ここに得られた錠剤および錠剤の分包を表1に
掲げた包装にそれぞれ1kgずつ包装した。尚、口部は
全てヒートシールした。
【0048】 配合乳化剤組成 ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(日本乳化剤(株)製) 2.0部 ニューコール2609(日本乳化剤(株)製) 3.0部
【0049】
【実施例11〜16】実施例1の処方の内、生石灰の配
合量を表2に示すように0.3、0.5、1、3、4、
5%とし、増減は炭酸水素ナトリウムで調整し、他の条
件は実施例1と全く同様にして錠剤を得た。得られた錠
剤はそれぞれ1kgずつ表1の実施例1と同じ包装に小
分けし、口部はいずれもヒートシールした。
【0050】
【実施例17】表3の原体プレミックスを混合し、ジェ
ットオーマイザー0101型(セイシン企業(株)製)
を用いて、空気圧6kg/cm2 、供給速度1.5kg
/hrで2回粉砕した。粉砕品に発泡剤及び助剤部分を
加え、混合したのち、ハンマーミルで粉砕した。粉砕物
をローラーコンパクターミニ型を用いて乾式造粒し、粗
砕して開孔径2mmの篩を通して整粒した。得られた造
粒物に滑沢剤を加えて混合し、打錠機を用いて直径1.
5cm、1錠の重さ1.5gに打錠した。得られた錠剤
はベンスルフロンメチル0.5%,ピリブチカルブ6.
0%、ダイムロン4.5%を含有する。得られた錠剤の
半量は厚さ40μmのハイセロンS−400(日合フィ
ルム(株)製)に50gずつ小分けし、分包とした。こ
こに得られた錠剤及び錠剤の分包を表3に掲げた包装に
それぞれ1kgずつ包装した。尚、口部は全てヒートシ
ールした。
【0051】
【実施例18】表3の原体プレミックスを混合し、ジェ
ットオーマイザー0101型を用いて、実施例17と同
一条件で2回粉砕した。粉砕品に発泡剤部分と助剤部分
を加え、混合したのち、ハンマーミルで粉砕した。粉砕
物をブリケッティングマシンK102型(太陽鉄工
(株)製)を用いて長さ22mm、幅13mm、厚さ7
mm、1個の重量1.8gのアーモンド状に成形した。
得られた成形物はベンスルフロンメチル0.5%,ダイ
ムロン4.5%、メフェナセット10.0%を含有す
る。得られたブリケットの半量は厚さ40μmのハイセ
ロンS−400に50gずつ小分けし、分包とした。こ
こに得られたブリケット及びブリケットの分包を、表3
に掲げた包装にそれぞれ1kgずつ包装した。尚、口部
は全てヒートシールした。
【0052】
【実施例19】表3の原体プレミックス部分、発泡剤部
分、助剤部分を秤りとり、混合したのち、ハンマーミル
で粉砕した。粉砕物をローラーコンパクターミニ型を用
いて乾式造粒し、粗砕して開口径2mmのふるいを通し
て整粒した。得られた造粒物に滑沢剤を加えて混合し、
打錠機を用いて直径2cm、1錠の重さ4.0gに打錠
した。得られた錠剤はピロキロン24%を含有する。得
られた錠剤の半量は厚さ40μmのハイセロンC−20
0に50gずつ小分けし、分包とした。ここに得られた
錠剤及び錠剤の分包を、表3に掲げた包装にそれぞれ
0.5kgずつ包装した。口部は全てヒートシールし
た。
【0053】
【比較例1〜10】実施例1で得た錠剤および錠剤の分
包を、表4に掲げた包装にそれぞれ1kgずつ包装し
た。尚、口部は全てヒートシールした。
【0054】
【比較例11〜12】実施例1の処方の内、粉末生石灰
Aの代わりに炭酸水素ナトリウムを配合して、他は実施
例1と全く同様にして錠剤を得た。得られた錠剤はピラ
ゾレート18.0%、プレチラクロール4.5%を含有
した。得られた錠剤の半量は厚さ40μmのハイセロン
C−200(日合フィルム(株)製)に50gずつ小分
けし、分包とした。ここに得られた錠剤および錠剤の分
包を表4に掲げた実施例1と同じ包装にそれぞれ1kg
ずつ包装した。尚、口部は全てヒートシールした。
【0055】
【試験例1】実施例1〜16及び比較例1〜12で得た
包装を、それぞれ40℃、RH80%で4週間及び50
℃で1週間虐待経時したのち、包装の膨張及び錠剤の発
泡量並びに硬度を調べた。結果は各表に並記した。尚、
錠剤の発泡量は以下の試験法により測定した。
【0056】発泡量の測定方法:図1に示す装置の丸底
フラスコに20℃の水10mlを入れる。この中に固形
剤2gを投入し、直ちに栓をして発生するガスを導管を
通じて、20℃の水を満たしたメスシリンダーに受け、
5分後に発生したガス量(ml)を読み取る。この際、
発生する炭酸ガスは水に溶けるうえ、水温によって溶解
度が異なるので、誤差を避けるために、水温、フラスコ
に入れる水量、ならびに発生するガスを受ける導管の太
さ及び導管先端の位置には特に注意が必要である。
【0057】硬度の測定法:新光電子(株)製デジタル
フォースゲージMFG−50型により測定する。(単位
kgf) 実施例の組成物はいずれも実用的に支障を来すような包
装の膨張は認められず、経時による発泡量の低下並びに
錠剤の硬化も見られなかったが、比較例の組成物はいず
れも包装の膨張が顕著で、錠剤の発泡量は経時により明
らかな低下が認められた。
【0058】
【試験例2】実施例17〜19で得た包装を、それぞれ
40℃、RH80%で4週間及び50℃で1週間虐待経
時したのち、包装の膨張及び錠剤の発泡量並びに錠剤の
硬度を調べた。結果は各表に並記した。
【0059】これら実施例の組成物はいずれも実用的に
支障を来すような包装の膨張は認められず、経時による
錠剤の発泡量の低下や錠剤の硬度変化も見られなかっ
た。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】本発明は、水田に入ることなしに、且つ
散布に特殊な器具を用いることなく、手軽に処理でき、
散布者や環境に危害を与えない経時的に安定な発泡性の
農薬組成物を提供するものである。その包装は軽量化、
コンパクト化が可能であり、しかもその容器は容易に焼
却処理ができるため、安全性と省力化が求められている
農薬及び農薬業界の発展に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発泡量測定装置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪田 和彦 滋賀県野洲郡野洲町野洲1041 三共株式会 社内 (72)発明者 佐飛 寛 滋賀県野洲郡野洲町野洲1041 三共株式会 社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化カルシウムを含有する固形の発泡性農
    薬を防湿包装中に封入することを特徴とする、経時的に
    安定な発泡性農薬固形剤。
  2. 【請求項2】酸化カルシウムの配合量が0.5〜3%で
    ある請求項1に記載の農薬固形剤。
  3. 【請求項3】防湿包装が糸入り又は穴空きによりガス抜
    き加工を施したアルミ箔貼り合わせフィルムよりなる袋
    又は箱である、請求項1又は2に記載の発泡性農薬固形
    剤。
JP26768993A 1992-10-28 1993-10-27 発泡性農薬固形剤 Pending JPH06192006A (ja)

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JP26768993A JPH06192006A (ja) 1992-10-28 1993-10-27 発泡性農薬固形剤

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JP4-290456 1992-10-28
JP29045692 1992-10-28
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014043440A (ja) * 2012-07-31 2014-03-13 Ueno Fine Chem Ind Ltd 固形殺菌剤組成物および殺菌方法

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JP2014043440A (ja) * 2012-07-31 2014-03-13 Ueno Fine Chem Ind Ltd 固形殺菌剤組成物および殺菌方法

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