JPH06190293A - 穀物検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱ぷ粒を複数段に粒径選別する際の高品位側
粒の粒選別時間を短くして外観品位測定時における支障
を少なくする。 【構成】 サンプリング籾を受けて脱ぷ処理する脱ぷ手
段と、脱ぷ粒を受けて異なる目合の粒選別処理を行ない
ながらこの脱ぷ粒を複数段階に分離選別する粒選別手段
と、これらの分離選別粒毎に夫々の重量を計量する計量
手段、これら各粒の重量データを入力して粒径評価によ
り穀物品位を算出する制御手段等からなる粒径評価装置
において、粒選別手段は上手側選別手段側ほど目合を大
に設定し、良品位側である粒径大なる粒の取出を第１番
目の選別筒９，９側で行なう構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、穀物検査装置に関す
るもので、共同穀物調製施設等に利用しうる。

【０００２】

【従来技術及び発明が解決しようとする課題】荷受時に
穀物品位や食味を判定し、所定品位乃至食味毎に仕分け
て後処理しようとする形態が公知である（特開平３−２
０１９４１号公報）。ところが、上記従来技術では品位
に関し光学的手段で外観品位を検出できる形態とする
が、食味に相関の高い粒径については配慮されていな
い。

【０００３】このため、荷受籾一部をテスト乾燥した後
整粒と屑粒とに仕分ける所謂自主検定装置に直列的に粒
径選別・計量しつつ粒径による品位を評価できる粒径評
価装置が考えられたが、良品位とされる粒径の大なる穀
粒の選別時間が長く損傷し易い。従って、目視あるいは
光学的に外観品位を併せて評価するときには正確な評価
を行なえないおそれがある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は上記の欠点を
解消しようとし、次の技術的手段を講じた。すなわち、
サンプリング籾を受けて脱ぷ処理する脱ぷ手段と、脱ぷ
粒を受けて異なる目合の粒選別処理を行ないながらこの
脱ぷ粒を複数段階に分離選別する粒選別手段と、これら
の分離選別粒毎に夫々の重量を計量する計量手段、これ
ら各粒の重量データを入力して粒径評価により穀物品位
を算出する制御手段等からなる粒径評価装置において、
粒選別手段は上手側選別手段側ほど目合を大に設定して
あることを特徴とする穀物検査装置の構成とする。

【０００５】

【発明の作用及び効果】脱ぷ手段で脱ぷされたサンプリ
ング粒は先ず、第１番目の粒選別手段に供給される。こ
れの目合は以下に設定される粒選別手段の目合よりも大
きいものであるから、該第１番目の粒選別手段にて大粒
及びそれ以下の粒とに分離され、つまり食味が良とされ
る大粒は第２番目以下の選別を行なわなくともよく、選
別経路を短く設定でき、粒損傷も少ない。

【０００６】

【実施例】この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図１の玄米品位測定装置は、脱ぷ選別装置Ａ，粒径
評価装置Ｂ，及びパック装置Ｃからなる。このうち、脱
ぷ選別装置Ａは次の構成である。該装置Ａの背面側には
図外テスト乾燥機によって乾燥処理された籾を受けて所
定に配分し、その一方を装置内籾計量部２に供給し他を
同じく装置Ａ内に設ける排出スロワ３に供給すべく分配
機構を備えた供給部４を設け、装置Ａ内部には上部側か
ら供給スロワ５排出口にのぞむホッパ６、該ホッパ６直
下にあって一対の脱ぷロール７，７を有する脱ぷ部８、
左右２連に設けられ脱ぷ粒の供給を受けて大粒と中・小
粒とに分離する粒選別筒９，９、これら大整粒又は中・
小整粒と屑粒の混合未選別粒の各々を計量する計量器１
０等からなる。尚、左右粒選別筒９，９はいずれも同じ
目合いＧ１に構成され、脱ぷ部８から切替シュート１１
を介して何れか一方に案内される構成で、２荷口に対応
できる構成である。各粒選別筒９，９下方には集合ホッ
パに形成しシャッタ１２，１２を配設し筒から漏下する
上記中・小整粒及び屑粒を受けて一旦集合させることが
できる。又粒選別筒９，９は逆転可能に構成され筒の外
周部長手方向に沿わせて形成する開閉間隙部から残留す
る大整粒を排出できる構成としている。上記切替シュー
ト１１は供給スロワ５への還元通路１３への供給を行な
わせ２回籾摺り後に粒選別すべく構成している。

【０００７】粒径評価装置Ｂは、脱ぷ選別装置Ａの排出
スロワ３から排出される中・小粒，屑粒をこれら３ラン
クに仕分け選別するもので、上部左右の粒選別筒２１，
２１、及び下部左右の粒選別筒２２，２２、仕分け選別
された各ランクの粒重量を計量する計量器２３等からな
る。前記排出スロワ３にホッパ等を介して接続される揚
上スロワ２４からの中・小粒はホッパ２５に受けられ、
切替シュート２６で左右いずれかの系列に供給される構
成としている。即ち、上下一対の粒選別筒２１，２２で
中・小粒を３ランクに仕分けできる形態であり、上段側
粒選別筒２１の目合いＧ２（＜粒選別筒９の目合いＧ
１）を下段粒選別筒２２の目合いＧ３より大きく設定
し、上段側粒選別筒２１で大小に選別しこの目合いから
漏下した小整粒を下段粒選別筒２２で受けてさらに大
小、すなわち小整粒と屑粒とに選別する構成である（Ｇ
１＞Ｇ２＞Ｇ３）。これら上下粒選別筒２１，２２との
間にはベルトコンベア２７を設ける。これを駆動するモ
ータ２８は正逆転可能とし逆転駆動状態では上段粒選別
筒２１から漏下する粒を受けて後方のホッパ２９に排出
しうるものとしている。コンベア２７を正転連動すると
きは、逆回転によって筒２１内から排出される残留粒を
受けて前方のホッパ３０に排出される構成である。尚ホ
ッパ３０は下段粒選別筒２２に設けられて排出口を選別
筒２２内部にのぞませている。後方ホッパ２９，下段粒
選別筒２２下方のホッパ部はいずれも上記計量器２３用
ホッパ３１に連通するものである。

【０００８】３２，３２…は上段粒選別筒２１，２１そ
れぞれに配設する供給ホッパで前記切替シュート２６に
のぞみうる。３３はこれら供給ホッパ３２，３２…間に
配設する籾・大整粒用ホッパで、同様に切替シュート２
６にのぞむものである。３４は上記籾・大粒用ホッパ３
３下方に連設される待機ボックスで、上下複数段に構成
すべく上下に長い空間部をスライドシャッタ３５，３５
…で仕切るものである。この待機ボックス３４，３４…
は前面扉３５’に配設され、これの開動に連れて装置Ｂ
前面を開放状態となす。

【０００９】前記計量器２３用ホッパ３１と待機ボック
ス３４の下端ホッパ３４’とは排出用スロワ３６の入り
口ホッパ３７に連通する構成としている。３８，３８…
は各粒選別筒２１，２２を正逆転連動するモータ、３
９，３９は前記ホッパ２９底部に設けるシャッタで、２
荷口を連続的に処理する場合の混在防止用に供される。

【００１０】パック装置Ｃは上記排出用スロワ３６にて
揚上される籾・大整粒・中整粒・小整粒・屑粒を区分け
して成形した透明フィルム４１に順次収容させるもので
あり、該スロワ３６上端に接続するシュート４２、ホッ
パ４３、フィルム用繰出ロール４４やガイド部材４５を
有するフィルム繰出機構４６、左右端部溶着機構４７、
仕切部溶着機構４８等からなる。４９はプリンタであ
る。

【００１１】前記脱ぷ選別装置Ａの機枠には制御盤Ｄを
設け、荷受人コードや品種，受入れ年月日等を予め設定
入力できる構成とするほか、該脱ぷ選別装置Ａ，粒径評
価装置Ｂ，パック装置Ｃの駆動各部を一連に運転制御す
べくモータ等に駆動指令信号を出力できる構成としてい
る。更に脱ぷ選別装置Ａの籾重量及び整粒，大粒各選別
結果重量値と歩留率、粒径評価装置Ｂの中整粒・小整粒
・屑重量値及びこれらから算出される粒径評価値は、上
記荷受人コード，品種，受入れ年月日等と共に前記プリ
ンタ４９にて伝票５１に出力印字され、所定の整粒内に
同時パックされる構成としている。

【００１２】上例の作用について説明する。荷受籾を一
部サンプリングして図外テスト乾燥機で乾燥処理する。
乾燥処理後の籾は脱ぷ選別装置Ａの供給部４に送られ
る。ここで所定量の籾は供給スロワ５に送られ、残りは
分配機構部に一時貯留される。供給スロワ５内の籾は計
量後脱ぷ部８に至り脱ぷ処理される。切替シュート１１
は還元通路１３にのぞみスロワ５で再度脱ぷ部に送られ
２回摺りが行なわれる。切替シュート１１はいずれか空
いている粒選別筒９に供給すべく切り替わっており、脱
ぷ粒は当該粒選別筒９内に供給されることとなる。粒選
別筒９の正回転で、目合いから中・小整粒及び屑粒が漏
下しシャッタ１２上に集合される。予め設定した選別時
間が経過すると粒選別筒９は逆転連動される。その間シ
ャッタ１２は開いており中整粒以下の小整粒及び屑粒の
未選別物の排出と計量が行なわれる。粒選別筒９の逆転
で内部残留の大粒が間隙部から漏下しシャッタ１２上に
堆積される。中・小整粒及び屑粒が計量器１０から排出
スロワ３に移行する頃を見計らいシャッタ１２が開かれ
る。大粒重量が同様に計量され、排出スロワ３で粒径評
価装置Ｂ側に移される。制御部Ｄはこれら各計量値及び
籾の計量値とから歩留率を算出し記憶する。尚、上記自
主検定動作の入る前には制御部Ｄの入力部から荷受人コ
ード、品種、荷受年月日等が入力される。

【００１３】脱ぷ選別装置Ａから整粒が送られるに際
し、切替シュート２６は上段粒選別筒２１の左右供給ホ
ッパ３２のうちいずれか空いている方のホッパに切替ら
れる。中・小粒・屑粒の混合物は粒選別筒２１の正回転
で目合いＧ２から漏下する小粒・屑粒と以外の中粒とに
分けられる。その間ベルトコンベア２７は前方に向け駆
動され、漏下する小粒・屑粒の混合物を移送し、下段粒
選別筒２２に至る。一方所定の選別時間が経過すると選
別筒２１は逆転連動され、逆側移送に切替られるベルト
コンベア２７面に中粒を排出し、ホッパ２９内に排出す
る。この後計量器２３用ホッパ３１に至りその重量が計
量される。

【００１４】上記下段粒選別筒２２に至った小粒・屑粒
の混合物が、選別筒２２の正転連動によって目合いＧ３
から屑粒と筒内に残る小粒とに分けられる。屑粒は計量
器２３用ホッパ３１に流下し計量される。次いで選別筒
２２を逆転連動すると、小粒が排出されホッパ３１に至
り、計量される。前記中整粒の計量、及び後の小整粒・
屑粒の各計量とは夫々重なり合わないように計量タイミ
ングをずらせて設定し、先の計量が終って排出用スロワ
３６で排出されてから行なわれる。尚、この排出スロワ
３６は、整粒の排出にさきがけて待機ボックス３４内の
籾・大粒も後続のパック装置Ｃに向けて排出移送する。

【００１５】尚、分配機構部に一時貯留された前記籾
は、上記上段選別筒２１による選別が行なわれる間に排
出スロワ３部に送られ、更に粒径評価装置Ｂの揚上スロ
ワ２４，切替シュート２６，籾・大粒用ホッパ３３を経
て待機ボックス３４に送られて待機する。切替シュート
２６は引き続き排出スロワ３から排出される大整粒を待
機ボックス３４に供給案内するまで籾・大粒用ホッパ３
３上部にのぞませている。尚、先の籾はスライドシャッ
タ３５の開閉制御によって次段の空間部に移って混在を
防止することができる。

【００１６】粒径評価は例えば次のように行なわれる。
仮に目合いＧ１で分離される大粒のの評価係数をＰ１、
同様に目合いＧ２に残る中整粒をＰ２、下段粒選別筒２
２内に残る小整粒をＰ３とする（Ｐ１＞Ｐ２＞Ｐ３で、
値の大なる方が評価値は高い）。次ぎにこれら各大・中
・小整粒の各重量をＷ１，Ｗ２，Ｗ３とする。品位評価
値Ｐｘは、 Ｐｘ＝（Ｗ１Ｐ１＋Ｗ２Ｐ２＋Ｗ３Ｐ３）／Ｗ （Ｗ＝Ｗ１＋Ｗ２＋Ｗ３） この評価値Ｐｘより、ランクＡ，Ｂ，Ｃのいずれに属す
るかを決定するものである。尚、ランクＡはＰｘ≧Ｐａ
のとき、ランクＢはＰａ＞Ｐｘ≧Ｐｂのとき、ランクＣ
はＰｘ＜Ｐｂのときである（Ｐａ及びＰｂは予め設定し
た値）。

【００１７】パック装置Ｃでは、繰出ロール４４から繰
り出されるフィルム４１を、先ず左右端部を中央部で重
ね合わせて溶着し、仕切部溶着機構４８で仕切を形成す
る。スロワ３６，ホッパ４３を経由して、同一荷受人の
籾・大整粒・中整粒・未熟粒・小整粒の順に受入れ各間
を仕切部溶着機構４８の作動で仕切形成しながら、縦長
い連続袋詰め状態で所定収容場所に送られる。尚、前記
制御部Ｄに入力されたデータ、即ち荷受人コード、品
種、歩留率、品位ランク等がプリンタ４９にて印字出力
され区分け袋詰めされる整粒のいずれかに同時封入され
る構成としている。

【００１８】以上のように、脱ぷ選別装置Ａで脱ぷされ
た脱ぷ粒の品位を粒選別筒９，２１，２２での選別分離
状況をもって整粒の品位を算出し、いずれのランクに属
するかが決定される。種々の外観品位のうち粒径を上げ
れば一般に粒径の大なる方が良食味であるとされ、粒径
分布を知ってその重量割合を勘案しながら品位評価する
ものであるから、品種等との組合せで製品玄米の差別化
に有利である。

【００１９】なお、図では左右２系列の粒選別筒９，２
１，２２を配設するものであるから、選別処理の能力が
大きい。又、上記実施例では脱ぷ選別装置Ａ機枠内に目
合Ｇ１の粒選別筒９，９を配設したが、この粒選別筒
９，９を粒径評価装置Ｂの上下２段の粒選別筒２１，２
２の上部に配設し、上下に直列的に選別処理できる形態
でもよい（図４）。この際、脱ぷ装置８の下方空間にサ
ンプル籾の投入手段、即ち、所定配分手段を構成する投
入ホッパ６０、この投入ホッパ６０下に配設される計量
部２、配分された残りの籾を案内すべく分岐的に接続さ
れる案内シュート６１は、その上端を脱ぷ装置８下方に
設ける２方向切替弁６２の下方にのぞむように延長させ
てあり、このシュートの下端排出部を粒径評価装置Ｂの
揚上スロワ２４胴にのぞませて設けてある。なお、２方
向切替弁６２の他方側は循環シュート６３にのぞみ、ス
ロワ５に接続される。又、脱ぷ装置８下方の余剰空間部
にはパック装置Ｃを配設してスロワ３６を延長して設
け、待機ボックス３４，３４…及び計量器２３からの各
大きさの整粒等は個別に該パック装置Ｃに向けて移送さ
れる。

【００２０】図５はパック装置Ｃを脱ぷ装置８の上部に
配設している。投入部から脱ぷ装置８への籾スロワ５途
中部に、分岐シュート７０と当該分岐部に位置して切替
弁７１を配設し、分岐シュート７０を粒径評価装置Ｂの
揚上スロワ２４胴に接続している。余りは略図４におけ
ると同様である。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体正面図である。

【図２】その一部の側面図である。

【図３】同背面図である。

【図４】別実施例を示す正面図である。

【図５】更に他の実施例を示す正面図である。

【符号の説明】

Ａ 自主検定装置 Ｂ 粒径評価装置 Ｃ パ
ック装置 Ｄ 制御部 ３ 排出スロワ ９ 粒選別筒 ２１ 上段粒選別筒 ２２ 下段粒選別筒 ２３ 計量器 ２４ 揚上スロワ ２５ ホッパ ２６ 切替シュート ２７ ベルトコンベア ３０ ホッパ ３２，３２ 供給ホッパ ３３ 籾・大整粒用ホッパ ３４ 待機ボックス ３６ 排出スロワ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 健二 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 福永 大三公 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 サンプリング籾を受けて脱ぷ処理する脱
   ぷ手段と、脱ぷ粒を受けて異なる目合の粒選別処理を行
   ないながらこの脱ぷ粒を複数段階に分離選別する粒選別
   手段と、これらの分離選別粒毎に夫々の重量を計量する
   計量手段、これら各粒の重量データを入力して粒径評価
   により穀物品位を算出する制御手段等からなる粒径評価
   装置において、粒選別手段は上手側選別手段側ほど目合
   を大に設定してあることを特徴とする穀物検査装置。