JPH06189578A - 電圧形多相pwmインバータの制御装置 - Google Patents

電圧形多相pwmインバータの制御装置

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JPH06189578A
JPH06189578A JP5177785A JP17778593A JPH06189578A JP H06189578 A JPH06189578 A JP H06189578A JP 5177785 A JP5177785 A JP 5177785A JP 17778593 A JP17778593 A JP 17778593A JP H06189578 A JPH06189578 A JP H06189578A
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謙二 久保
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力 大前
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Abstract

(57)【要約】 【構成】PWMの搬送波の正および負の各最大振幅時点
で、各相の相電流の瞬時値を検出して取り込む手段1
1,12と、特定のサンプリング周期毎に前記交流モー
タの速度を演算する手段8と、前記サンプリング周期毎
に前記交流モータの速度検出値と速度指令値とからトル
ク電流指令値を演算する手段43と、各相相電流の瞬時
値と前記トルク電流指令値および設定された励磁電流指
令とからベクトル制御演算を実行して、電圧形PWMイ
ンバータに対する各相電圧指令の瞬時値を演算する手段
14と、この演算された電圧指令の瞬時値に基づいてP
WM信号を演算し、このPWM信号により多相電圧形P
WMインバータを制御する手段15,16とを備え、電
圧ゼロ区間の中点近傍に対応するタイミングで各相の相
電流の瞬時値を検出し、ベクトル制御条件を満すよう電
圧指令を演算する。 【効果】応答の良好な制御装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は直流電圧をスイッチング
して出力電圧を所望値に制御する多相PWMインバータ
の出力電流を検出する多相PWMインバータに関する。
【0002】
【従来の技術】直流電圧をスイッチングして出力電圧の
基本波成分を所望の値に制御する電力変換器としては、
誘導電動機の可変速駆動などに用いられるパルス幅変調
(以下PWMと略称する)インバータや直流電動機の駆
動用としてチョッパなどがある。一般に、これら電力変
換器の出力電流はスイッチングされる出力電圧に対応し
て基本波成分に脈動成分が重畳して波形となる。このよ
うな出力電流を検出して電流制御を行うためにはできる
だけ基本波成分のみを抽出して脈動成分の影響の少ない
検出値として取り出すことが望まれる。
【0003】一方、マイクロプロセッサなどを用いたデ
ィジタル制御装置では所定周期毎に電流制御を実行す
る。電力変換器の出力電流の検出もこの制御周期毎に行
われる。このため、脈動する電力変換器出力電流をどの
時点で検出するかによって得られる値が大きく変動す
る。このような検出値は電流制御を行う検出値としては
不適当である。
【0004】従来、電流検出値の脈動成分を取り除くに
は電流検出器の電流検出値を低域通過フィルタを用いて
平滑している。平滑した脈動成分の少ない電流検出値を
制御周期毎に取り込むことにより、電力変換器の出力電
流の基本波成分の検出が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低域通過フィ
ルタを用いると基本波成分と除去したい脈動成分との周
波数が接近している場合にはフィルタによって基本波成
分を正確に検出して脈動成分を除去することが難しくな
る。また、フィルタによる時間遅れのため電流検出値の
位相が遅れてしまい、瞬時の電流値として検出できない
という問題点がある。
【0006】このような問題点を解決し、制御周期毎に
脈動成分の影響が少なくしかも遅れのない瞬時電流を検
出する方法として、電力変換器のスイッチング信号(点
弧パルス信号)に同期して出力電流を検出する方法が考
えられている。この方法によれば、点弧パルス信号に対
応して脈動する電流波形の特定の時点の電流値を検出す
るため、低域通過フィルタなどを用いることなく脈動成
分の影響のない電流値を得ることができる。しかも、得
られた電流値はフィルタを通していないので位相の遅れ
がなく検出した時点の瞬時の電流値となる。
【0007】以上述べた点弧パルス信号に同期して電流
検出を行う方法は、チョッパ制御装置やサイリスタレオ
ナード装置のように決められた周期に1回だけ点弧パル
スが出力されるものにおいては電流検出周期がほぼ一定
となるため1回の電流検出に要する時間や制御処理に必
要な時間が問題になることはない。しかし、PWMイン
バータのようにスイッチング信号の時間間隔が変調され
るものではスイッチング信号に対応して電流検出周期が
変動する。このため、オンオフの時間間隔が変調され狭
くなった時点では、1回の電流検出に要する時間よりパ
ルス間隔のほうが狭くなる場合がある。さらに、スイッ
チング信号に同期して制御処理を行う場合には、パルス
間隔が狭い時点において1回の制御処理に要する時間よ
りパルス間隔のほうが短くなり、処理時間が不足するな
どの問題点がある。
【0008】また、点弧パルスに同期して電力変換器の
出力電流を検出する方法では脈動成分の影響の少ない電
流検出を実現できるが、検出値は点弧パルスの時点に対
応して、電流脈動のピーク時の電流値となり、出力電流
の基本波成分を表わす平均値の電流検出値が得られない
という欠点もある。
【0009】本発明の目的とするところは脈動成分の影
響が少ない電圧形多相PWMインバータ制御装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、多相電圧形P
WMインバータの出力電圧で交流モータを駆動するもの
において、PWMの搬送波の正および負の各最大振幅時
点で、各相の相電流の瞬時値を検出して取り込む手段
と、特定のサンプリング周期毎に前記交流モータの速度
を演算する手段と、前記サンプリング周期毎に前記交流
モータの速度検出値と速度指令値とからトルク電流指令
値を演算する手段と、前記正および負の各最大振幅時点
で検出した各相相電流の瞬時値と前記トルク電流指令値
および設定された励磁電流指令とからベクトル制御演算
を実行して、電圧形PWMインバータに対する各相電圧
指令の瞬時値を演算する手段と、この演算された電圧指
令の瞬時値に基づいてPWM信号を演算し、このPWM
信号により多相電圧形PWMインバータを制御する手段
とを備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】搬送波の正および負の各最大振幅時点は、半周
期に対応するのに加えて、ちょうど電圧ゼロ区間に対応
し、さらに、その中点近傍に対応する。従って、このタ
イミングで各相の相電流の瞬時値を検出し、ベクトル制
御条件を満すよう電圧指令を演算することで、応答の良
好な制御装置を実現することができる。
【0012】すなわち、多相電圧形PWMインバータで
は、搬送波の半周期毎に、電圧モードが制御される。こ
れは、3相電圧指令と三角波状の搬送波との交点は、搬
送波の正の最大振幅時点と負の最大振幅時点との間(搬
送波の半周期)で、各相とも1つ、存在するためであ
る。従って、搬送波の半周期毎に、多相PWMインバー
タの出力電圧が制御される。
【0013】交流モータのベクトル制御では、交流モー
タに流れる交流電流のうち、トルク電流成分と励磁電流
成分とを独立に制御する必要がある。従って、上記の関
係から、少なくとも搬送波の半周期に1回は、与えられ
た電圧モードに対応して交流モータに流れる電流を検出
して、その電流のトルク電流成分と励磁電流成分とがベ
クトル制御条件を満たすよう、各相の電圧指令を演算
し、それに基づきPWM信号を演算する必要がある。
【0014】いま、搬送波の正および負の各最大振幅時
点は、半周期に対応するのに加えて、ちょうど電圧ゼロ
区間に対応し、さらに、その中点近傍に対応する。従っ
て、このタイミングで各相の相電流の瞬時値を検出し、
ベクトル制御条件を満たすよう電圧指令を演算すること
で、応答の良好な制御装置を実現することができる。
【0015】
【実施例】図1はPWMインバータで誘導電動機を駆動
する場合の実施例である。図1においてPWMインバー
タ1には交流電源2の交流電圧を順変換器3で直流に変
換しコンデンサ4で平滑された直流電圧が入力される。
PWMインバータ1は直流入力電圧をパルス幅変調し誘
導電動機6に加える。誘導電動機6にロータリエンコー
ダ7が直結されており、ロータリエンコーダ7の出力パ
ルスはカウンタ8により計数される。マイクロコンピュ
ータ(以後、マイコンと略称する)9はカウンタ8の計
数値を一定時間毎に読込んで誘導電動機6の速度を演算
する。マイコン9は例えば10ms毎の時間割込み処理
によって速度演算を実行する。誘導電動機6に流れる電
流は電流検出器10で検出され、マルチプレクサ11を
介してA/D変換器12に入力される。マイコン9は後
述するようにして与えられる電流検出タイミング信号を
入力するとマルチプレクサの相アドレスを指定する。マ
ルチプレクサ11は指定された相の電流検出値をA/D
変換器12に印加する。A/D変換器12はマイコン9
からA/D変換起動信号を与えられると電流検出値をデ
ィジタル量に変換する。マイコン9はA/D変換が終了
するとその値を電流検出値として取り込み入力する。1
つの相の電流取り込みが終了すると同様な処理を行い他
の2つの相の電流検出値を取り込む。これらの電流検出
値の取り込みは0.5〜1mSの間に行われる。一方、
マイコン9は速度指令回路13から速度指令値を取り込
み入力する。速度指令値の取り込みは例えば10mS間
隔で行う。
【0016】マイコン9は上述のようにして誘導電動機
6の速度および電流を検出し、誘導電動機6の速度が速
度指令値に応答するように速度制御処理を実行する。こ
の制御処理によって誘導電動機6に印加すべき電圧指令
値を出力する。瞬時電圧波形発生回路14は電圧指令値
に応じて正弦波形の3相分の瞬時電圧信号(変調波信
号)を発生する。この変調波信号と搬送波信号発生回路
15から出力される三角波形の搬送波信号とを比較器1
6で比較することにより、PWMインバータ1を制御す
るためのPWM信号が得られる。このPWM信号をPW
Mインバータ1に加えることにより、誘導電動機6を速
度指令回路13から与えられる速度指令値に制御するこ
とができる。
【0017】図2に、電流検出タイミング信号とPWM
信号を発生する回路14,15,16の詳細図を示す。
【0018】瞬時電圧波形発生回路14は、D/A変換
器17,19,20,90゜位相差の2相正弦波信号を
発生する発振器18およびアナログ掛算器21,22か
ら構成される。なお、図2には1相分の瞬時電圧波形発
生回路のみを示してある。瞬時電圧波形発生回路14に
はマイコン9から、本実施例では瞬時電圧波形を発生す
るための指令として、瞬時電圧の周波数指令値f1*と
瞬時電圧を2つの直交する座標軸成分で表わしたときの
2つの成分の大きさの指令値Vm*,Vt*とが与えら
れる。周波数指令値f1*はD/A変換器17でアナロ
グ量に変換され2相発振器18に加えられる。2相発振
器18はf1*の周波数で90゜位相差の2相正弦波信
号sin2πf1*t,cosπf1*tを出力する。一
方、瞬時電圧の2軸方向成分Vm*,Vt*はそれぞれ
D/A変換器19,20でアナログ量に変換される。ア
ナログ量の励磁成分指令値Vm*は掛算器21で2相発
振器18の出力信号sin2πf1*tと掛け合わさ
れ、同様にトルク成分指令値Vt*はcosπf1*t
と掛け合わされる。両掛算器21,22の出力を加算す
ることにより1相分の瞬時電圧指令値V1*が得られ
る。瞬時電圧指令値V1*は次式のように表わされる。
【0019】 V1*=Vm*sin2πf1*t+Vt*cos2πf1*t =V1*sin(2πf1*t+θv*) ………………(数1)
【0020】
【数2】
【0021】
【数3】
【0022】この瞬時電圧指令値V1*が正弦波形の変
調波信号Mとなる。搬送波信号発生回路15はクロック
パルス発生器24、アップダウンカウンタ25、D/A
変換器26、最大値判別回路27、最小値判別回路2
8、オア回路29およびフリップフロップ30とから構
成される。
【0023】搬送波信号発生回路15の動作を図3を用
いて説明する。クロックパルス発生器24から出力され
るクロックパルスaはアップダウンカウンタ25で計数
される。カウンタ25のカウント値は図3のcのように
変化する。カウンタ25のカウント値は最大値判別回路
27で設定最大値(搬送波の正の最大振幅値に相当す
る)と比較され、カウント値が設定最大値と等しくなる
とオーバフローパルスbを出力する。パルスbはオア回
路29を通ってフリップフロップ30に加えられる。フ
リップフロップ30はその出力を「1」レベルから
「0」レベルにする。カウンタ25ではフリップフロッ
プ30の出力状態に応じてアップカウントとダウンカウ
ントとの切替えを行い、カウンタ25のカウント値が最
大値になるとダウンカウントに切替わる。同様に、カウ
ント値が最小値(搬送波の負の最大振幅値に相当する)
に等しくなると最小値判別回路28よりアンダーフロー
パルスdが出力される。カウンタ25はアンダーフロー
パルスdを入力するとダウンカウントからアップカウン
トに切替わる。カウンタ25はこのような動作を繰返し
行い最大値と最小値の間を変化する三角波状のカウント
値cを出力する。カウント値cをD/A変換器26でア
ナログ量に変換することにより図2に示す如き搬送波信
号Tが得られる。一方、オア回路29の出力信号fは搬
送波信号Tの正負の最大振幅値のときに発生する。この
信号fが電流検出タイミング信号CDTとしてマイコン
9に与えられる。
【0024】以上のようにして得られた瞬時電圧波形信
号V1*と搬送波信号Tとを比較器16で大きさを比較
することにより1相分のPWM信号PWMが得られる。
他の2相のPWM信号はそれぞれ120゜ずつ位相のず
れた各相の瞬時電圧波形信号と同一の搬送波信号Tとを
比較することにより求まる。なお本実施例では搬送波周
波数は瞬時電圧信号V1*(変調波信号M)の周波数と
関係なく一定であり、変調波信号Mと搬送波信号Tとの
同期はとっていない。
【0025】次に、マイコン9の制御処理内容を図4を
用いて説明する。図1の実施例は誘導電動機に流れる電
流を誘導電動機の回転磁束に平行な成分(励磁電流成
分)とそれに直交する成分(トルク電流成分)とに分解
して、各成分を独立に制御することにより、直流機並み
の高応答制御を実現するものとなっている。マイコン9
はこのような制御処理をソフトウエア処理によって行う
が、理解を容易にするため処理内容をアナログ回路的に
表わしたものが図4である。図4の破線9内がマイコン
の処理内容を表わす。マイコン9は一定時間毎(約10
mS毎)のタイマ割込みによって速度制御タスクが起動
されて速度制御処理を行い、また搬送波信号Tの最大振
幅時点毎(約1mS毎)の割込みパルスCDTによって
電流検出タスクが起動されて電流検出処理および電流制
御処理を行う。以下、それぞれの処理について説明す
る。
【0026】まず、速度制御タスクでは、ロータリエン
コーダの出力パルスのカウント値をカウンタ8から読み
出し、そのカウント値から速度演算手段38によって速
度検出値frを計算する。マイコン9はこの値をメモリ
に格納する。次に、速度指令値fr*を速度指令設定回
路131より取り込みメモリに格納する。メモリから読
み出した速度検出値frと速度指令値fr*との差を計
算し、速度制御処理39を実行する。これよりトルク電
流の指令値It*が求まりこの値をメモリに格納してお
く。また、励磁電流指令回路132から励磁電流の指令
値Im*を取り込みメモリに格納する。メモリに格納し
たトルク電流の指令値It*と励磁電流の指令値Im*
とから、すべり周波数の指令値fs*を演算する。この
すべり周波数の指令値fs*と速度検出値frとを加算
して誘導電動機6に印加する電圧の周波数指令値f1
を求める。この値をメモリに格納して速度制御処理は終
了する。次の速度制御割込みパルスで同様に速度制御処
理を行う。
【0027】一方、搬送波Tの最大振幅時点毎の電流検
出割込みパルスCDTによって、電流検出処理と電流制
御処理とが次のように行われる。まず、搬送波信号発生
回路15から電流検出割込みパルスCDTが入ると、図
5に示すようにU相、V相、W相の電流のうちU相電流
を選択する選択信号をマルチプレクサ11に送り、同時
にA/D変換器12に対して起動信号を送る。これによ
り、マルチプレクサ11はU相の電流検出器10の電流
検出値をA/D変換器に印加する。A/D変換器12は
電流検出値(アナログ量)をディジタル量に変換する。
A/D変換器12が変換に要する時間(約20μs)の
間、マイコン9は待たされる。変換終了後、マイコン9
はディジタル量のU相電流値ivをA/D変換器12か
ら取り込みメモリに格納する。次に、マルチプレクサ1
1とA/D変換器12に対しV相の電流を検出するとい
う選択信号と起動信号を送り、U相の場合と同様な処理
でディジタル量のV相電流値ivを取り込み、この値を
メモリに格納する。同様にしてW相の電流値iwを取り
込み、メモリに格納する。
【0028】このときの動作波形は図5のようになる。
このようにして検出して得られた3相分瞬時電流値i
u,iv,iwを、電流成分演算手段41によってトル
ク電流成分Idtと励磁電流成分Imdとに分解し、そ
の値をメモリに格納する。次に、前述の速度制御処理に
より求めたトルク制御指令値It*と励磁電流指令値I
m*とをメモリから読み出し、電流検出処理により得ら
れたトルク電流成分Itdと励磁電流成分Imdとの偏
光をそれぞれ計算して電流制御手段42,43に与え
る。トルク電流制御手段43によって誘導電動機6に印
加する電圧のトルク方向成分の指令値Vt*tが得ら
れ、励磁電流制御手段42で励磁方向成分の指令値Vm
*得られる。マイコンは、これらの計算が終了した後、
前述の速度制御処理で求めメモリに格納してあった周波
数指令値f1*と電流指令値Vt*,Vmとを瞬時電圧
発生回路14に指令として与える。これにより、指令に
応じた正弦波状の瞬時電圧波形が得られる。以上で、電
流検出割込み毎の処理は終了し、次の電流検出割込みに
よって同様な処理を行う。
【0029】以上述べたようなマイコンの処理内容をフ
ローチャートで書くと、速度制御タスクが図6のように
なり、電流検出タスクが図7のようになる。
【0030】次に、以上述べたような制御処理により発
生するPWM信号PWMとPWMインバータ1から誘導
電動機に出力される電流との関係を図8により説明す
る。まず3相分瞬時電圧波形として与えられる3相分の
変調波信号Mu,Mv,Mwと搬送波信号Tとの関係は
図8のaのようになる。なお、図は理解を容易にするた
めに変調波信号Mと搬送波信号Tとの同期がとれている
場合を示している。各相の変調波信号Mu,Mv,Mw
と搬送波信号Tとの大きさを比較して得られたPWM信
号により、PWMインバータから出力される各相の相電
圧eu,ev,ewは図8のb,c,dのようになる。
このとき、U相−V相間の線間電圧euvは同図eのよ
うになる。一方、PWMインバータ1から誘導電動機6
に出力される電流は負荷側の各相電圧に応じて流れる。
いま、U相の負荷側電圧VuNは各相の相電圧eu,e
v,ewを用いて次式のように表わされる。
【0031】
【数4】
【0032】ここで、Nは負荷側の中性点を表わす。こ
の関係より、電圧Vunの波形は図8のfのように表わ
される。従って、誘導電動機6に流れるU相電流iuは
電圧Vunの変動に対応して脈動し、同図gに示すよう
な波形となる。このとき、電流iuの基本波成分は電圧
Vunの基本波成分に対して誘導電動機6のインピーダ
ンスに相当した位相だけ遅れている。このように脈動す
るU相電流Iuを搬送波信号Tの最大振幅時点毎に検出
すると、得られる検出値は同図hの黒丸で示すようにな
る。すなわち、搬送波信号Tの負の最大振幅時点tpで
相電流iuの瞬時電流を検出すると、その検出タイミン
グは同図gのようになり検出値Ipが得られる。搬送波
信号Tの正の最大振幅時点tQでも同様なタイミングで
検出値IQが得られる。この検出値を滑らかな曲線で結
んだものが同図hに破線で示す波形である。
【0033】さて、脈動する電流波形と電流検出タイミ
ングの関係を詳細に表わすと図9のようになる。図9の
aは搬送波信号の最大振幅時点に一致した電流検出タイ
ミング信号CDT、bはU相変調波信号Muと搬送波信
号Tの関係図、cはU相負荷側相電圧Vunの波形、d
は電圧Vunに応じて流れるU相電流iuの波形であ
る。図から明らかなように電圧Vunは変調波信号Mu
と搬送波信号Tとの交点A,Bの時点でスイッチングさ
れ、それに応じてU相電流iuも脈動する。変調波信号
Muは搬送波信号Tの周波数が変調波信号Muに対して
十分高いため搬送波に対してあまり急激な変化はしな
い。また、搬送波信号Tは三角波波形となっている。こ
のため、電流検出時点である搬送波信号Tの最大振幅時
点Qの時刻tQは、変調波信号Muと搬送波信号Tが交
わる2つ交点A,Bの時刻tA,tBのほぼ中点に相当す
る。この結果、搬送波信号Tの最大振幅時点tQで検出
した電流値IQは脈動のピーク時点の電流IA,IBのほぼ平
均の値を表わすことになる。従って、このタイミングで
検出した電流値は基本波成分を検出していることにな
る。図8のhに破線で示す曲線が相当する。
【0034】以上説明したように、本発明は、搬送波信
号の最大振幅値近傍のタイミング毎に離散的な電流検出
により脈動分の影響がなく、出力電流の基本波成分の電
流検出値を得ることができる。
【0035】なお、搬送波信号の最大振幅値近傍のタイ
ミングは多相PWMインバータの各線間電圧が総て零に
なる電圧零期間のほぼ中心位置であり、電圧零期間のほ
ぼ中心位置のタイミングで相電流の瞬時値を取り込むよ
うにしてもよいのは勿論のことである。このような電流
検出により誘導電動機に流れる電流を検出し電流制御を
行うことによって、応答性のよい電流制御が実現でき
る。また、搬送波の最大振幅時点毎の離散的な処理を前
提としており、マイコンを用いたディジタルな制御装置
に用いると好適である。
【0036】なお、以上の実施例ではPWM信号を発生
するための変調波信号と搬送波信号とが非同期の場合に
ついて述べたが、同期方式の場合でも同じ関係が成立つ
ので適用できる。
【0037】さらに、前述の実施例では3相インバータ
について説明したが、6相、12相のインバータであっ
ても電圧零期間が存在するので同様にして検出できる。
【0038】
【発明の効果】搬送波の正および負の各最大振幅時点
は、半周期に対応するのに加えて、ちょうど電圧ゼロ区
間に対応し、さらに、その中点近傍に対応する。従っ
て、このタイミングで各相の相電流の瞬時値を検出し、
ベクトル制御条件を満たすよう電圧指令を演算すること
で、応答の良好なPWMインバータの制御装置を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図。
【図2】図1の一部分の詳細構成図。
【図3】搬送波信号と電流検出タイミング信号の発生の
動作波形図。
【図4】図1におけるマイクロコンピュータの制御処理
内容をアナログ的に図示したブロック図。
【図5】電流検出の動作説明用タイムチャート。
【図6】図1におけるマイクロコンピュータのフローチ
ャート。
【図7】図1におけるマイクロコンピュータのフローチ
ャート。
【図8】搬送波信号と脈動する出力電流の関係を説明す
るための動作波形図。
【図9】図8の一部拡大波形図。
【符号の説明】
1…PWMインバータ、3…順変換器、5…逆変換器、
6…誘導電動機、7…ロータリエンコーダ、9マイクロ
コンピュータ、10…電流検出器、11…マルチプレク
サ、12…A/D変換器、14…瞬時電圧波形発生回
路、15…搬送波信号発生回路、M…変調波信号、CD
T…電流検出タイミング信号、T…搬送波信号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多相電圧形PWMインバータの出力電圧で
    交流モータを駆動する電圧形多相PWMインバータの制
    御装置において、 前記PWMの搬送波の正および負の各最大振幅時点で、
    各相の相電流の瞬時値を検出して取り込む手段と、 特定のサンプリング周期毎に交流モータの速度を演算す
    る手段と、 前記サンプリング周期毎に前記交流モータの速度検出値
    と速度指令値とからトルク電流指令値を演算する手段
    と、 前記正および負の各最大振幅時点で検出した各相相電流
    の瞬時値と前記トルク電流指令値および設定された励磁
    電流指令とからベクトル制御演算を実行して、電圧形P
    WMインバータに対する各相電圧指令の瞬時値を演算す
    る手段と、 この演算された電圧指令の瞬時値に基づいてPWM信号
    を演算し、このPWM信号により多相電圧形PWMイン
    バータを制御する手段とを備えたことを特徴とする電圧
    形多相PWMインバータの制御装置。
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