JP3700540B2 - 電動機の駆動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の駆動制御装置に関し、特にディジタルサーボ制御を用いて直流電源から可変周波数、可変電圧の交流を出力して交流電動機を駆動する駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルサーボ制御を用いて直流電源から可変周波数、可変電圧の交流を出力して交流電動機を駆動する駆動制御装置としては、例えば特開平9−47065号公報に記載されたものがある。上記の従来例には、離散系演算処理による制御無駄時間の影響とその対策手段について下記のごとき内容が記載されている。すなわち、100μsec程度の制御周期で電流制御演算が為されるディジタルサーボにおいては、制御無駄時間が存在するため、現在の電流値を読み取るタイミングと次期PWM電圧を出力するタイミングとの間に制御無駄時間分の遅れが発生し、その無駄時間中に回転角θが進んでしまうことから、リアルタイムで制御した場合に比して上記無駄時間分の出力誤差を伴うという問題が生じる。その問題を解決するため上記従来例では、上記無駄時間分の進み角度の補正を行った上で次期PWM出力電圧を演算することにより、出力誤差を解消するように構成している。なお、制御無駄時間とは、電流の現在値データを読み込んでから、演算後のPWM出力の中心までに要する時間であり、例えば後記図6のτd0(1223)に相当する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の技術による電流サーボ手段においては、100μsec程度の高速演算処理毎に次期指令電圧演算や角度補正演算を行う必要があるため、演算負荷が極めて重く、相応の処理能力を有するマイコンやDSP等の高速演算素子が必要となった。一例として3相同期電動機をベクトル電流フィードバックで制御した場合、32bitRISCマイクロコンピュータを用いて100μsecjobを回すと、アセンブラ使用時で約7割程度の演算負荷を占有してしまうので、演算負荷が極めて重くなるという問題があった。
また、より低い処理能力を持つマイクロコンピュータでの電流演算処理に対応させるため、200μsec、300μsec、400μsec若しくはそれ以上に処理周期を長周期化すると、演算負荷は軽減される反面、前述の制御無駄時間が増加し、電流フィードバック制御部の制御安定性が低下するためループゲインが十分取れなくなり、電流追従性が悪化したり、外乱変動に対する電流安定性が悪くなる等の電流制御性能の悪化が生じるという問題があった。
【0004】
本発明は上記のごとき従来技術の問題を解決するためになされたものであり、制御性能の悪化を抑制しながら演算負荷を軽減することのできる電動機の駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明においては特許請求の範囲に記載するように構成している。すなわち、請求項1に記載の発明においては、マイクロコンピュータやDSP等に代表されるディジタル演算手段を用いて、電動機に流れる電流の値と電流指令値と電動機の回転角とに基づいてディジタル出力を演算して出力することにより、電動機の電流フィードバック制御を行う電動機の駆動制御装置において、前記ディジタル演算手段における、電動機に流れる電流の値と電流指令値と電動機の回転角とに基づくディジタル出力の演算である電流フィードバックの演算周期が、該電流フィードバックの演算によって得られるディジタル出力の出力周期の整数n倍であり、前記電流フィードバック演算の1演算周期の時間内に出力されるn個のディジタル出力は、該n個のディジタル出力それぞれの出力タイミングにおける電動機の回転角と電動機に流れる電流の値と電流指令値とに基づいて算出され、かつ、前記電流フィードバック演算の1演算周期の時間内に出力されるn個のディジタル出力の演算を、前記電流フィードバック演算の1演算周期毎に、前記電流フィードバック演算の1演算周期内で行なうように構成している。これにより、あたかもPWM、PAM、PCM等のディジタル出力の出力周期毎に電流フィードバック演算を行っているかの如く滑らかなPWM等のディジタル出力が可能で、同程度の出力波形を、より遅い演算周期で出力可能にすることができる。
【0006】
従来は、ディジタル出力毎に電流フィードハックによる補正をかけていたため、電流フィードハック演算周期とディジタル出力周期とを同じにする必要があり、高速回転に対応する場合、演算負荷が大きくなっていた。これに対して、本発明では、一般的に電流フィードバック演算周期における電動機の速度変化が小さいことに着目し、電流フィードバック演算の1演算周期と同時間に出力されるn個のディジタル出力のそれぞれの補正量の演算を電流フィードハックの1演算周期内でまとめて行なうことにより、電流フィードハック演算周期とディジタル出力の出力周期とを異ならせる、つまり電流フィードハック演算周期をディジタル出力の出力周期よりもn倍に長くすることができるようにしている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明においては、前記n個のディジタル出力のそれぞれの演算において、電動機に流れる電流の値を読み込んだタイミングにおける電動機の回転角からディジタル出力の出力中心時間までの進み角を用いて、前記n個のディジタル出力それぞれの出力タイミングにおける電動機の回転角を算出し、該算出した出力タイミングにおける電動機の回転角に基づいてディジタル出力を演算するように構成したものである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記n個のディジタル出力の各々の出力時間を算出する際に、n個の出力タイミングの時間平均値から、各ディジタル出力の出力タイミングまでの遅れ(進み)時間を演算し、さらに前記遅れ時間をそれぞれ足しあわせ、かつディジタル演算に要する1周期分の時間を加えることにより、現在角を読み込むタイミングから、それぞれの制御周期目のディジタル出力までの遅れ時間を求め、この遅れ時間に制御周期中の平均角速度を掛け合わせ、現在角に足しあわせることで、前記n個のディジタル出力それぞれの出力タイミングにおける電動機の回転角を算出し、該算出した出力タイミングにおける電動機の回転角に基づいてディジタル出力を演算するように構成している。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、負荷の重い電流フィードバック演算をディジタル出力周期のn倍の長い演算周期で行うことができるので演算負荷を大幅に軽減することが可能となり、かつ、電流フィードバック演算を周期1/nで行った場合に近い精度・分解能で相電圧指令値を得ることができるため、高速回転領域での制御性能を損うことがない、という効果が得られる。
また、PWM化電力変換部(例えば後記図1の104)に用いられるMOSFETやサイリスタ等の電力変換素子は、一般に10〜15kHzを超える周波数域ではスイッチング損失が急増し、かつ、PWMキャリア周波数の基本波に依存するPWM騒音は5〜7kHzを下回る周波数領域では可聴領域に入るため騒音問題が発生する。そのためPWMキャリア周波数は使用できる範囲が制限されるが、本発明によれば電流フィードバック演算の周期とPWMタイマのキャリア周波数とを独立に設定可能となることから、適当な電流フィードバック演算周期を選択しつつ、電力変換素子の損失を抑え、PWM騒音の影響を排除した最適キャリア周波数の選択が可能となる。
【0010】
また、マイクロコンピュータ等による演算手段の演算負荷が軽減されるので、速度制御や位置制御といった電流フィードバック制御ループよりも外側の制御演算の取り込みや、発電制御や回生制動要求等に代表される電動機に対する他の付加価値を持つ処理機能を、電動機の制御マイクロコンピュータの演算処理に統合化し、1個のCPUで実現することが可能となり、システムの簡略化、高性能化、小型化および低価格化が実現可能となる。また、同一の電流フィードバック制御の処理演算内容であれば、より低い性能のマイクロコンピュータ等による演算手段が適用可能となることから、システムの大幅原価低減や汎用マイクロコンピュータの使用等が可能となる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明においては、n個のPWM出力パルスの時間中心までの制御無駄時間を補正しているため、相応の回転数まで正確な電圧指令出力が可能となる。
また、請求項3に記載の発明においては、進み時間と遅れ時間の補正時間が常に1対をなすため、n個のPWMパルスの全ての補正値を演算処理する場合に比べて、約半分の演算負荷で全パルスの補正演算を行うことができる。これにより、電流フィードバック制御演算のなかで行われる処理演算の回数を減らすことが可能となり、更なる演算負荷の軽減が可能となる。また、PWMパルスの時間平均値を制御パラメータとして有することにより、離散値系演算を行っているにも関わらず連続系における制御無駄時間との対応づけが容易となる。なお、PWM中心までの補正時間は、例えば後記図6のτd0に相当し、各パルスまでの補正時間は、例えば後記図6のτd0±τd1〜4(1224〜1226)に相当する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例の構成を示すブロック図である。図1において、電動機101は例えば同期電動機であり、PWM化電力変換部(例えばインバータ回路)104の出力によって駆動される。回転角度センサ102は電動機101の回転角度を検出し、その結果を現在角θre演算ブロック111へ送る。電流センサ103はPWM化電力変換部104から電動機101のu、v、wの各相に流れる電流を検出する。電流制御演算ブロック105は外部から与えられた電流指令値iq*とid*(例えばアクセルペダルの開度と回転速度に応じて決定される値)と実際の動作から求められた2相電流iq、idとの偏差に基づいて電圧指令値vd’*、vq’*を算出する。非干渉演算ブロック106は干渉項の補正を行って2相電圧指令値vd*、vq*を算出する。2相→3相変換ブロック107(図では2相→3相を2φ→3φと略記している)は軸変換を行って3相電圧指令値vu*、vv*、vw*を出力する。その出力でPWM化電力変換部104を駆動する。PWM化電力変換部104は例えばPWM信号発生部とインバータ回路とからなり、三角波と3相電圧指令値とを比較することによってPWM信号を作成し、それによってインバータ回路を駆動して電動機101へ必要な電流を供給する。
【0013】
電流値A/D変換部109は電流センサ103で検出したアナログ電流値をディジタル値に変換する。3相→2相変換ブロック110は軸変換を行って3相の電流値を2相電流iq、idに変換し、電流制御演算ブロック105へ送る。現在角θre演算ブロック111は回転角度センサ102の出力に基づいて上記の軸変換に必要な現在角θreを算出する。θre補正演算ブロック112は現在角θreの補正を行う。また、sin・cos参照ブロック113、114は現在角θreから軸変換に必要な数値を求め、2相→3相変換ブロック107、3相→2相変換ブロック110へ送る。なお、上記の各演算、変換ブロックは図面では分けて記載しているが、実際には共通のコンピュータ等で構成できる。また、その演算内容については詳細を後述する。
【0014】
(第1の実施例)
本発明の第1の実施例として、同期電動機に代表される電動機を用い、図1の回転角度センサ102としてレゾルバやエンコーダ等を用いて現在角度を読み込むシステム、または誘導電動機に代表される電動機を用い、上記と同様の回転角度センサを用いて現在角度を読み込むか若しくは演算手段によって現在角度を算出するシステムにおいて、上記のようにして現在の電動機の回転角度を検出し、電流センサ103を用いて電動機の相電流値を読み込み、マイクロコンピュータやDSPに代表されるディジタル演算手段を用いて電流フィードバック制御演算処理を行い、得られた制御指令値によってPWM化電力変換部104を制御することにより、電動機に電力を供給する駆動制御装置に本発明を適用した場合を説明する。
【0015】
図2〜図5は本発明の第1の実施例における処理手順を示すフローチャート、図6は本発明の第1の実施例の動作を説明するための波形図である。
まず、本発明によるディジタルサーボ手段の具体的な演算処理の実現手段として、概略の手順を図2および図3に示す。なお、図2と図3は▲1▼、▲2▼の部分で接続される。この際、説明のため一例として電流フィードバック制御の条件を、PWMキャリア周波数10kHz(周期=100μsec)、電流制御周期400μsecとする。なお、本発明においては、PWMキャリア周波数と電流制御周期は、互いに独立に任意に設定可能である。
【0016】
図6の1204に示す10kHzのPWMタイマ(三角波発生)を動作させ、例えばタイマ波形の谷のタイミングで100μsec毎の割り込みが発生するとする。本実施例ではk演算周期の割り込み1205の発生により、まず、現在角θre(k)(図6の1228)を用いて電動機の相電流読み込み値iu(k)、iv(k)をid(k)、iq(k)に軸変換し(図2のステップ1106)、算出された現在の2相電流値と電流指令値をもとに電流制御演算を行い(図2のステップ1107)、必要に応じて非干渉制御(図2のステップ1108)を行った上で、k制御周期目のPWM出力指令値を演算する(図3のステップ1109)。そしてk制御周期目に出力すべき4個のPWMパルスの出力指令値演算を開始する。すなわち、k制御周期目の最初の割り込み1205直後を制御周期カウンタi=0としてiu(k)およびiv(k)を取り込み、A/D変換を行う(図2のステップ1101)。また現在角θre(k)を読み込み(図2のステップ1102)、次にk制御周期に出力する4個のPWMのそれぞれの出力タイミングにおける補正角θ’re(k、j)を一度に演算する(図2のステップ1103)。
【0017】
以下、図2のステップ1103における補正角演算手順(ステップ1104、1105)を、図4に基づいて詳細に説明する。先ず現在角θreを取り込む(図4のステップ1121)。そしてk番目の電流フィードバック演算周期とk番目の演算による4個のPWM出力周期とは、1PWM周期(10kHz時には100μsec)だけ遅れることから、PWM周期のカウンタjは制御周期のカウンタiに1を足してj=i+1とする。これはすなわちk周期目の出力指令値演算は、必ずk周期目の出力が始まる1PWM周期前に演算が完了していることを示す。
【0018】
また、4個各々のPWM出力時間を算出するため、4個のPWM出力タイミングの時間平均値PWMout(k)(図6の1222)から、各PWMパルスの出力タイミングPWMout(k、j)までの遅れ(進み)時間DELTA(k、j)(図6の△τd1〜△τd4に相当)を下記(数1)式で演算する(図4の1122)。
DELTA(k、j)=(10−6/2)(2×j−n−1)×(dθre/dt)…(数1)
さらに上記時間平均値(1222)からの遅れ時間DELTA(k、j)をそれぞれ足しあわせ、かつ演算にかかる1PWM周期100μsecを加えることにより、現在角θreを読み込むタイミングから、k制御周期目の4個のPWM出力それぞれまでの遅れ時間△τd1〜△τd4を求め、この遅れ時間にk制御周期中の平均角速度dθre/dtを掛け合わせ、現在角θreに足しあわせることで、各々のPWM出力時間における補正後の角度θ’re(k、1)(図6の1234)〜θ’re(k、4)(図6の1238)を算出する(図4のステップ1123)。
【0019】
この際、PWM出力タイミングの時間平均値PWMout(k)(図6の1222)から各PWMパルス出力時間までの遅れ(進み)時間は、遅れ方向(正符号)と進み方向(負符号)とが1対となることから、DELTA(k、j)の演算(図4の1122)はどちらか一方のみを行い、対となる時間は角度補正演算(図4のステップ1123)の演算式の符号反転により行い、得られたθ’をもとにsin(θ’)、cos(θ’)をマップ参照により得ることができる(図4のステップ1124)。
上記演算処理により、角度補正演算をj=1〜nまで行うことなく、j=1〜n/2までで完了することができる(図4の1125)。
【0020】
なお、上記の非干渉制御とは、電動機を2次磁束に直交するq軸成分と平行するd軸成分とに分離して電流制御を行うベクトル電流制御において、流れる電流とq軸、d軸のインダクタンスおよび回転数の作用により、d軸電流がq軸電圧として、q軸電流がd軸電圧として相互に干渉が生じるものを、予め演算によって差し引いて打ち消す制御をいう。
【0021】
以下、図3のステップ1109におけるPWM出力指令値の演算について図5に基づいて説明する。
まず、j=1〜4までの4個のPWMパルスそれぞれに、先に演算した補正角θ’を用いて軸変換を行い(図5のステップ1131)、得られたu、v、w各相電圧指令をストアする(図5のステップ1132)。
【0022】
k番目の制御周期における最初の100μsec割り込みjobで、上記のようなk制御周期に出力するPWMパルスの指令電圧値をまとめて演算しておき、それ以降は定期割り込みが発生する度にPWMコンペアレジスタに当該ストアされた指令電圧値を順番に書き込む(図5のステップ1133)。PWMコンペアレジスタに書き込まれた値(図6のrcu(k,1)等)と三角波1204とを比較することにより、PWM信号(図6の1216等)を発生することができる。これにより、400μsec毎に電流フィードバック演算を行っているにも関わらず、あたかも100μsec毎に演算しているかのごとく正確かつ高分解能の出力を得ることができる。
【0023】
電流フィードバック演算周期における電動機の速度変化は一般的には小さいと考えられるので、電流フィードバック演算の1周期と同時間に出力されるn個のディジタル出力のそれぞれの補正量の演算を1電流フィードバック演算周期内でまとめて行うことにより、電流フィードバック演算周期Aとディジタル出力の出力周期Bとを異ならせることができる。それにより高速回転にした場合の制御性を悪化させることなくディジタル演算手段の負荷を低減できる。
【0024】
図7(図の右半分は左半分の時間軸を短く表示したもの)は本実施例による電流サーボを用い、n=4とした時のPWM出力波形の一例を示したものであるが、PWMキャリア周波数を10kHz(周期=100μsec)とすると、制御周期802が400μsecの電流フィードバック演算を行っているにも関わらず、100μsec毎にPWM波形801を指令値に追従させて変化することが可能であり、図のようにsin波に近い3相電圧指令値803を出力することが可能となる。本性能は、高速回転領域でより顕著となる。
【0025】
次に、本発明による電流サーボ手段の第2の実施例について説明する。図8は本発明の第2の実施例の処理手順を示すフローチャートであり、前記図2のステップ1103に示す補正角演算の別の内容を示す。また、図9は本発明の第2の実施例の動作説明図である。なお、構成のブロック図は前記図1と同じであり、処理手順の概略構成は前記図2と同じである。
【0026】
以下、図8に示す補正角演算について説明する。まず、図8のステップ1301で現在角θre(図9の1423)を取り込む。そして割り込みタイミングとパルス出力タイミングとのオフセット50μsec間に進む角度T0(図9のT0)を演算する(図8のステップ1303)。また、k番目の電流フィードバック演算周期における4個の出力PWMパルスのうち、各々のパルスの間隔、すなわち100μsecに進む角度DELTA(図9の1422)を演算する(図8のステップ1304)。そして、上記のT0とDELTAを用いて、最初のパルスを出力するまでの遅れ時間150μsec間の進み角を求める。
【0027】
まず、θ’re(k、j)を下記(数2)式で求める(図8のステップ1305)。
θ’re(k、j)=θre(k)+T0 …(数2)
それ以降の3個のパルスは下記(数3)式のように順次θ’re(k、j−1)にDELTAを加算することで求める(図8のステップ1306)。
θ’re(k、j)=θ’re(k、j−1)+DELTA …(数3)
さらに同演算ループの中で得られたθ’をもとにsin(θ’)、cos(θ’)をマップ参照によって得る(ステップ1307)。上記演算処理により、単純な和算の操り返しのみで所望の進み角θ’を求めることが可能となる。
本演算以降は、第1の実施例に示した演算処理と同様に、k制御周期目の4個のPWM指令出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施例における処理手順を示すフローチャートの一部。
【図3】第1の実施例における処理手順を示すフローチャートの他の一部。
【図4】図2のステップ1103における補正角演算内容の詳細を示すフローチャート。
【図5】図3のステップ1109におけるPWM出力指令値の演算内容の詳細を示すフローチャート。
【図6】本発明の第1の実施例の動作を説明するための波形図。
【図7】本発明によるPWM出力波形の一例を示す図。
【図8】本発明の第2の実施例における補正角演算内容の詳細を示すフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施例の動作を説明するための波形図。
【符号の説明】
図面の簡単な説明
101…電動機 102…回転角度センサ
103…電流センサ 104…PWM化・電力変換ブロック
105…電流制御演算ブロック 106…非干渉演算ブロック
107…2相→3相変換ブロック 109…電流値A/D変換部
110…3相→2相変換ブロック 111…現在角θre演算ブロック
112…θre補正演算ブロック 113…sin・cos参照ブロック
114…sin・cos参照ブロック

Claims (3)

  1. 電動機に流れる電流の値と電流指令値と電動機の回転角とに基づいてディジタル出力を演算して出力することにより、電動機の電流フィードバック制御を行うディジタル演算手段を備えた電動機の駆動制御装置において、
    前記ディジタル演算手段における、電動機に流れる電流の値と電流指令値と電動機の回転角とに基づくディジタル出力の演算である電流フィードバックの演算周期が、該電流フィードバックの演算によって得られるディジタル出力の出力周期の整数n倍であり、前記電流フィードバック演算の1演算周期の時間内に出力されるn個のディジタル出力は、該n個のディジタル出力それぞれの出力タイミングにおける電動機の回転角と電動機に流れる電流の値と電流指令値とに基づいて算出され、かつ、前記電流フィードバック演算の1演算周期の時間内に出力されるn個のディジタル出力の演算を、前記電流フィードバック演算の1演算周期毎に、前記電流フィードック演算の1演算周期内で行なうように構成したことを特徴とする電動機の駆動制御装置。
  2. 前記n個のディジタル出力のそれぞれの演算において、電動機に流れる電流の値を読み込んだタイミングにおける電動機の回転角からディジタル出力の出力中心時間までの進み角を用いて、前記n個のディジタル出力それぞれの出力タイミングにおける電動機の回転角を算出し、該算出した出力タイミングにおける電動機の回転角に基づいてディジタル出力を演算することを特徴とする請求項1に記載の電動機の駆動制御装置。
  3. 前記n個のディジタル出力の各々の出力時間を算出する際に、n個の出力タイミングの時間平均値から、各ディジタル出力の出力タイミングまでの遅れ(進み)時間を演算し、さらに前記遅れ(進み)時間をそれぞれ足しあわせ、かつディジタル演算に要する1周期分の時間を加えることにより、現在角を読み込んだタイミングから、当該制御周期中のn個それぞれのディジタル出力までの遅れ時間を求め、この遅れ時間に制御周期中の平均角速度を掛け合わせ、現在角に足しあわせることで、前記n個のディジタル出力それぞれの出力タイミングにおける電動機の回転角を算出し、該算出した出力タイミングにおける電動機の回転角に基づいてディジタル出力を演算することを特徴とする請求項1に記載の電動機の駆動制御装置。
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