JP3722948B2 - 永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は永久磁石界磁同期電動機を、フィードバック用のエンコーダや速度ジェネレータを使用することなく回転制御を行うセンサレス制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法については渡辺等の研究が知られている(電気学会論文誌D,110巻11号,平成2年,P.1193〜P.1200)。ここでは、永久磁石の回転子を駆動する三相の電機子巻線の相電流と相電圧より、永久磁石界磁同期電動機の等価回路の電圧方程式を解いて上記回転子の位置角度および回転速度を算出し、これらに基づいて各電機子巻線に印加する交流電圧の電圧指令値をセンサレスで得ることが提案されている。このようなセンサレス制御方法が適用される永久磁石界磁同期電動機は、例えばよく知られるPWM制御で駆動されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記センサレス制御方法では、上記電圧方程式からは界磁磁極の極性を特定できないため位置角度のとりうる値が2値存在する。このため起動時に界磁磁極の極性を調べ位置角度の初期値を求め、起動後の制御周期においては前の制御周期の位置角度の算出値と連続するように位置角度として上記2値のうち一方を選択する。しかしながら低速時のように電圧指令値が小さい場合、デッドタイムにより電圧指令値と実際にモータに加わる相電圧の差が相対的に大きくなる等の原因で位置角度の検出誤差が大きくなる。この結果、界磁磁極の極性を誤って認識、すなわち実際の位置角度と算出した位置角度との間に約πラジアンの位相の誤差が生じるおそれがある。
【0004】
図10(A)はかかる誤差が生じていない正常な場合を示しており、回転子の算出した位置角度と実際の位置角度は一致し、回転速度(図は回転子の角速度で表している)についても算出した値と実際の値とでは一致している。一方、図10(B)は界磁磁極の極性を誤って認識した場合を示している。回転子の算出した位置角度と実際の位置角度の間にπラジアンの誤差がある。この誤差により適正な電圧指令値が得られず、この結果、永久磁石界磁同期電動機の回転が反転している。
【0005】
そこで、本発明はかかる課題を解決するもので、永久磁石界磁同期電動機の回転中にも界磁磁極の極性の検出異常が判定できて適正な電圧指令値が得られ、制御性のよい永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、多相の交流電力発生手段により電圧指令値に応じた相電圧が印加されて作動する永久磁石界磁同期電動機の制御周期ごとの相電流を検出し、検出した相電流を直交する静止座標系x−y上の二相電流i x ,i y に変換し、これら二相電流に応じて上記永久磁石界磁同期電動機の回転子の位置角度と回転速度とを算出し、これに基づいて電圧指令値を逐次設定する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記二相電流i x ,i y を回転座標系d−q上に変換したid,iqから算出される上記回転子の回転速度ωと、現制御周期の位置角度と前の制御周期の位置角度の差分から求めた上記回転子の回転速度ω’とが一致しないとき、上記算出された位置角度に所定量の位相を加算する位相補正を行なう。
【0007】
界磁磁極について極性の検出異常が生じると、すなわち算出位置角度と実際の回転子の位置角度とがずれると、算出回転速度ωに誤差を生じる。このため算出位置角度の差分から求めた上記回転子の回転速度ω’と算出回転速度ωとが一致しない。この不一致より極性の検出異常が知られる。回転子の位置角度について位相補正を行うことで正常な状態に復する。
【0008】
請求項2記載の発明では、算出位置角度の変化から判断される回転方向と、算出回転速度より判断される回転方向の異同から、算出位置角度の差分から求めた上記回転子の回転速度ω’と、算出回転速度ωとの不一致を判定する。
【0009】
界磁磁極について極性が逆に認識されていても、算出位置角度の変化からは上記回転子の回転方向が正しく判断される。一方、算出回転速度ωは、界磁磁極について極性が逆に認識されていると、回転方向が実際の回転方向とは逆になる。したがってこれら2つの方法で判断される上記回転子の回転方向とが逆方向であることから界磁磁極について極性が逆に認識されていることが知られる。
【0010】
請求項3記載の発明では、算出位置角度の変化に基づいて算出された上記回転子の回転速度の大きさの、算出回転速度の大きさに対する比の大きさから、算出位置角度の差分から求めた上記回転子の回転速度ω’と、算出回転速度ωとの不一致を判定する。
【0011】
界磁磁極の極性が逆に認識されると、相電流は回転子と一体の座標系に変換したとき正負が逆になる。このため界磁磁極の極性が正しく認識されている正常な状態から、界磁磁極の極性が逆に認識されている異常な状態へ移行する過程においては、変換された相電流は急激に変化することになり上記相電流の時間微分値は大きなものになる。これが算出回転速度の値に大きく寄与し、上記過程において算出回転速度ωは、算出位置角度から求めた回転速度ω’との差が拡大する。しかして算出位置角度から求めた回転速度ω’と算出回転速度ωとを比較することにより、界磁磁極の極性が逆に認識される状態の前の段階の、界磁磁極について極性の検出異常を生じている状態が知られる。
【0012】
請求項4記載の発明では、上記位相補正において、上記所定量の位相をπラジアンとすることにより、位置角度が反対の磁極の方向に補正される。
【0013】
請求項5記載の発明では、上記位相補正とともに、上記算出回転速度の符号を反転する符号補正を行なうことにより、速やかに良好な制御性が得られる。
【0014】
請求項6記載の発明によれば、上記位相補正に続いて、あらためて回転速度を算出し直すことにより、速やかに良好な制御性が得られる。
【0015】
請求項7記載の発明では、上記位相補正を行うとともに、上記回転子の回転速度について算出位置角度から求めた回転速度の値に変更することで、速やかに良好な制御性が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図2に本発明になる永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を実施したセンサレス制御システムを示す。永久磁石界磁同期電動機たるIPMモータ6は逆突極形の内部永久磁石埋め込み型の同期電動機で、その三相の電機子巻線に給電するインバータ5と給電線8で接続してある。インバータ5にはこれに電流指令値を与える制御ユニット1が接続してある。給電線8には電流センサ7が設けてあり、インバータ5の三相の出力のうち2つの相の相電流(例えばu相、w相)を検出して制御ユニット1に入力するようになっている。
【0017】
制御ユニット1はDSP(Digital Signal Processor)と、三相のPWM波形の出力が可能なタイマインターフェースやA/Dコンバータ等のハードウエアで、その機能は図3に示すように一定周期(本実施形態では100μs)ごとにパルス幅変調の周期と同期して起動するように設定された上記DSP上のプログラムとして実現する。このプログラムはA/Dコンバータを介して電流センサ7で検出されて入力する相電流の値および外部より入力するトルク指令値に基づいてインバータ5を制御するようになっている。
【0018】
図2では制御ユニット1は上記プログラムがブロックダイアグラムとして表してある。上記プログラムは各ブロックの演算を図中の矢印で示す信号の流れに沿って順次実行し、PWMブロック35に出力する電圧指令値を演算するようになっている。そして電圧指令値に基づいてPWMブロック35から三相のパルス幅変調信号がインバータ5に出力するようになっている。PWMブロック35とインバータ5が交流電力発生手段を形成する。そして制御ユニット1の制御周期は、電圧指令値を演算する「計算」と、「待ち」を含み(図3の(1))、先の制御周期の最後段で電圧指令値Vu ,Vv , Vw の出力(図中、指令電圧出力と記す)を実行するとともに、これに続く制御周期の最前段で相電流iu ,iw の検出と制御ユニット1への入力(図中、相電流検出と記す)を行っている。PWMブロック35は、入力する電圧指令値Vu ,Vv , Vw と上記制御周期に等しい周期で変化する比較三角波とを比べて(図3の(2))電圧指令値が大きければ高いレベルの電圧(図中、HI)、小さければ低いレベルの電圧をインバータ5に出力する(図3の(3))。なおPWM変調と相電流検出のタイミングを図のようにするのは電流の時間微分による誤差を低減するためである。
【0019】
制御ユニット1には本発明の特徴部分である極性判別ブロック4が設けてあり、算出した位置角度、角速度の補正を行なうようになっている。
【0020】
上記センサレス制御システムの作動とともに本発明の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を説明する。
【0021】
制御ユニット1は、起動時にIPMモータ6の回転子の界磁磁極の極性を判定する。回転子が回転しないように任意の相に瞬間的に電圧を印加し、その電流応答から位置角度として取りうる2値を算出する。次いでこの2値の示す方向(互いに反対方向)に短時間の電圧パルスを印加し、電流センサ7で検出される電流のピーク値を比較する。IPMモータ6の電機子鉄芯の磁化特性の非線形性からピーク値が大きい方がN極、ピーク値が小さい方がS極と決定できる。しかして位置角度の初期値が定められる。
【0022】
三相の電圧指令値Vu ,Vv , Vw に基づいてPWMブロック35より出力されるパルス幅変調信号が制御ユニット1外のインバータ5に入力し、パルス幅変調信号に応じてIPMモータ6の各電機子巻線にパルス通電がなされる。電機子巻線の三相の相電流iu ,iw は電流センサ7により検出され、上記A/Dコンバータを経て3相−2相変換ブロック21に入力する。3相−2相変換ブロック21では残る相電流iv を式(1)により上記相電流iu ,iw から算出するとともに、これら三相の相電流iu ,iv ,iw を式(2)により所定の直交する静止座標系x−y上の二相電流ix ,iy に変換する。上記静止座標系x−yは、図4に示す如く、回転子と一体の直交する回転座標系d−qと相対角度が回転子の位置角度θだけ異なっている。
【0023】
【数1】
【0024】
3相−2相変換ブロック21から出力される二相電流ix ,iy は回転子位置検出ブロック26に入力し、回転子位置検出ブロック26では式(3)を使用して位置角度θを算出する。式中のRd ,Ld ,Lq はIPMモータ6の等価回路における回転座標系d−q上のそれぞれd軸、q軸の巻線抵抗およびインダクタンスであり、pは微分演算子(d/dt)である。またVy ,Vx は、電流制御ブロック32の後段に設けた座標変換ブロック33から出力される静止座標x−y上の二相の電圧指令値を使用する。なお角速度ωは現制御周期のものが算出されていないから前制御周期で角速度バッファ25から出力されたものを使用する。角速度ωは一周期で急激に変化することはないから、前制御周期のものを使用しても問題はない。またLPFブロック24は通過帯域幅固定である。
【0025】
【数2】
【0026】
なお式(3)を満たす位置角度θは−π≦θ<πの範囲でπラジアン異なる2値を取りうるが、前の制御周期のθと連続する方を選択する。
【0027】
位置角度θは、角速度バッファ25から出力された角速度ωf とともに可変LPFブロック27に入力する。可変LPFブロック27は一次遅れ型アナログフィルタと等価なデジタルフィルタでソフトウエアにより実現されており、角速度ωf が小さいほど通過帯域が狭くなるようになっている。
【0028】
可変LPFブロック27では、式(4)が実行される。式中、θ(n)は現制御周期において式(3)により得られた位置角度で、θf (n−1)は前の制御周期において可変LPFブロック27から出力された位置角度で、aはフィルタ定数である。
【0029】
【数3】
【0030】
フィルタ定数aは角速度ωf が大きいほど小さな値に設定され、通過帯域を広くすることで、位置角度θf の位相遅れの低減効果および適度なリプル低減効果を得ている。
【0031】
可変LPFブロック27の出力θf は位置角度バッファ28に入力する。
【0032】
座標変換ブロック22では式(5)の関係を用いて、静止座標系x−y上の二相電流ix ,iy を回転座標系d−q上の二相電流id ,iq に変換する。この変換式における位置角度θとして位置角度バッファ28から出力される位置角度θf が使用される。
【0033】
【数4】
【0034】
座標変換ブロック22より出力される二相電流id ,iq は電流制御ブロック32に入力するとともに回転数検出ブロック23にも入力し、式(6)により角速度ωが算出される。式中、回転座標系d−q上のq軸相電圧Vq は上記電流制御ブロック32の出力として得られるものである。またφfは回転子磁束である。算出された角速度ωはLPFブロック24に入力する。
【0035】
【数5】
【0036】
LPFブロック24では、式(7)が実行されリップルが除去される。式中、ω(n)は現制御周期において式(6)により得られた角速度で、ωf (n−1)は前の制御周期においてLPFブロック24から出力された角速度で、bはフィルタ定数である。
【0037】
【数6】
【0038】
LPFブロック24のフィルタ機能は、IPMモータ6の出力トルクと、負荷を含めたIPMモータ6の慣性モーメントから考えられる最大加速度に十分追従できるように帯域幅が設定してある。LPFブロック24の出力は、角速度ωf として角速度バッファ25を経て回転子位置検出ブロック26および可変LPFブロック27に入力するとともに電流制御ブロック32に入力する。
【0039】
電流指令発生ブロック31は、制御ユニット1外より与えられるトルク指令に基づいて電流指令値id *,iq *を出力し、この電流指令値id *,iq *を受けた電流制御ブロック32は式(8),式(9)を使用して、回転座標系d−q上の二相の電圧指令値Vd ,Vq を出力する。式中、Kdp,Kqpはそれぞれd軸,q軸の比例ゲイン、Kdi,Kqiはそれぞれd軸,q軸の積分ゲインである。
【0040】
【数7】
【0041】
上記電圧指令値Vd ,Vq は座標変換ブロック33に入力し、式(10)により静止座標系x−y上の二相の電圧指令値Vx ,Vy に変換される。
【0042】
【数8】
【0043】
続く2相−3相変換ブロック34では、上記電圧指令値Vx ,Vy を式(11)によりIPMモータ6の電機子巻線への三相の電圧指令値Vu ,Vv , Vw に変換してPWMブロック35へ出力する。
【0044】
【数9】
【0045】
次に本発明の特徴部分である極性判別ブロック4について説明する。図1は極性判別ブロック4で実行されるプログラムを説明するフローチャートで、1制御周期ごとに実行される。既に説明したように電流センサ7が三相電流iu ,iw を検出し(ステップ101)、次いで位置角度θ、角速度ωが計算(可変LPFブロック27、LPFブロック24におけるフィルタ処理含む)される(ステップ102,103)。その結果が角速度バッファブロック25,位置角度バッファブロック28に出力されると、ステップ104において制御周期カウント変数cntがNかどうかを判定する。ここでNは予め上記プログラム上に設定される数値で、IPMモータ6の回転中に界磁磁極の極性の判定を行なう頻度を示している。
【0046】
制御周期カウント変数cntがNのとき、極性判定ルーチンAに移行する。制御周期カウント変数cntを0とするステップ201を経てステップ202に進む。ステップ202ではステップ102で算出した現制御周期の位置角度θと前の制御周期の位置角度θの差分を計算し、これを位置角度から求めた角速度ω’とする。ステップ102で算出した位置角度θが実際の位置角度との間に約πラジアンの誤差を生じていてもいなくても、上記位置角度θの差分であるω’の取る値はその符号が正確に回転子の回転方向を示している。次いで位置角度θから求めた角速度ω’とステップ103で算出した角速度ωとで符号を比較する(ステップ203)。
【0047】
上記式(3)を満たす2値から実際の位置角度が選択されていなければ、位置角度θは実際の位置角度との間にπラジアンの誤差がある。この結果、座標変換ブロック22において式(5)により静止座標系x−y上の二相電流ix ,iy を回転座標系d−q上の二相電流id ,iq に変換するとき、二相電流id ,iq は実際の相電流に対して符号が反転する。またこれらに基づいて演算されるVq も符号が反転する。この結果、式(6)により算出されるωは、一般的にφf の方がLd id より遙かに大きいから、符号が式(6)の分子の符号で決定し、実際の角速度の符号と逆になる。
【0048】
したがって位置角度θから求めた角速度ω’と算出される角速度ωの符号が異なる場合には、位置角度θが上記式(3)を満たす2値から適正に選択されておらず界磁磁極の極性が間違って認識されていることが分かる。また位置角度θから求めた角速度ω’と算出される角速度ωの符号が同じであれば、界磁磁極の極性が正しく認識されていることが分かる。
【0049】
比較の結果、ωとω’の符号が異符号の場合にはステップ204に進み、位置角度θにπラジアンを加算してこれをあらためて位置角度θとする位相補正を行なう。そして角速度ωの符号を反転して、すなわち−ωをあらためてωとする符号補正を行なう(ステップ204)。
【0050】
位相補正された位置角度θは位置角度バッファブロック28から座標変換ブロック33と、次の制御周期には座標変換ブロック22に出力される。また符号補正された角速度ωが角速度バッファブロック25から回転子位置検出ブロック26および可変LPFブロック27、電流制御ブロック32に出力されて電圧指令値Vu ,Vv ,Vw がPWMブロック35に出力される(ステップ106)。そして次の制御周期で再びステップ101からの手順が実行される。またステップ203でωとω’が同符号であれば界磁磁極の極性が正しく認識されているものと判断し、角速度バッファブロック25、位置角度バッファブロック28からは位相補正や符号補正が行われない角速度ω、位置角度θが出力される。
【0051】
なおステップ104で制御周期カウント変数cntがNでなければ極性判別ルーチンAには移行せず、制御周期カウント変数cntを1ステップ、インクレメントし(ステップ105)、ステップ106に進む。しかして制御周期カウント変数cntは、制御周期ごとに増加し、N回の制御周期ごとに極性判別ルーチンAが実行され、界磁磁極の極性が正しく認識されていなければ位置角度θ、角速度ωに位相補正、符号補正が行われる。この結果、正確な位置角度θ、角速度ωに基づいてIPMモータ6の制御が行われる。
【0052】
以上に説明したセンサレス制御システムによりIPMモータを駆動した場合のシミュレーション結果を図5に示す。なおIPMモータの条件は、定格出力2.2kW、定格電流8A、定格回転数3000rpm、d軸インダクタンス9.5mH、q軸インダクタンス18.2mH、回転子磁束0.307Wbである。
【0053】
時間が0.1(sec )の時点より前では実際の位置角度と算出した位置角度(図中、位置角度を位置角と記す)にはπラジアンの誤差があり、実際の角速度と算出した角速度とで符号が逆転している。時間が0.1(sec )の時点における制御周期において、図1の極性判別ルーチンAに移行し位置角度、角速度の補正が実行されて、位置角度および角速度ともに算出した値と実際の値とが一致している。このように本センサレス制御方法によれば、界磁磁極の極性がIPMモータの回転中に周期的に判定されて位置角度および角速度が正確に算出される。そしてこれに応じて適正な電圧指令値が得られ、制御性が向上する。
【0054】
なお本実施形態では、図1のステップ204で位置角度θの位相補正と角速度ωの符号補正とを行なったが、符号補正を行うのではなく位置角度θの位相補正に次いで、補正した位置角度θを用いてあらためてステップ103を実行し直してもよい。すなわち式(5)の関係を用いて、静止座標系x−y上の二相電流ix ,iy を回転座標系d−q上の二相電流id ,iq に変換し、式(6)により角速度ωを算出する。この場合も補正された位置角度θとあらためて算出された角速度ωとに基づいて適正な電圧指令値が得られ、制御性が向上する。
【0055】
(第2実施形態)
図6は、図2に示すブロックダイアグラムの極性判別ブロック4の内容を別の構成としたものを説明するフローチャートで、図1の極性判別ルーチンAに代えて別の極性判別ルーチンBとした点が実質的な相違点である。以下に第1実施形態との相違点を中心に説明する。位置角度θ、角速度ωが計算され(ステップ102,103)、その結果が角速度バッファブロック25,位置角度バッファブロック28に出力されると、ステップ301において制御周期カウント変数cntがNかどうかを判定する。NはIPMモータ6の界磁磁極について極性の検出異常が起きているかどうかを判定する頻度を決めている。
【0056】
制御周期カウント変数cntは後述するようにN+1回の制御周期ごとに0にリセットする。このときのステップ102で算出された位置角度θは極性判別ルーチンBで用いられる変数θ1 として記憶される(ステップ302)。変数θ1 は連続するN+1回の制御周期の最初の制御周期における位置角度である。
【0057】
ステップ301で制御周期カウント変数cntがN,0のいずれでもなければ、制御周期カウント変数cntを1ステップ、インクレメントし(ステップ105)、ステップ106に進む。しかして制御周期カウント変数cntは、0にリセットされた以降、制御周期ごとに増加する。
【0058】
制御周期カウント変数cntがNのとき、極性判別ルーチンBに移行する。ステップ102において算出した位置角度θは、本ルーチンにおいて用いられる変数θ2 として記憶される(ステップ401)。変数θ2 は連続するN+1回の制御周期の最後の制御周期における位置角度である。制御周期カウント変数cntを0とするステップ402を経てステップ403に進む。ステップ403は、第1実施形態における図1のステップ202と同じく位置角度から求めた角速度ω’を求める手順で、Δtを制御周期として式(12)により算出する。
ω’=(θ2 −θ1 )/(N×Δt)……(12)
【0059】
ここでN×Δtは上記N+1回の制御周期の最初と最後の間隔である。したがってω’はこの間における平均の角速度であり、θの算出誤差等の影響を抑制し、極性判別の確度を高めるようになっている。N×Δtは、制御周期Δtを100μsecのとき、Nを50とすれば5msecであり、通常のモータでは実質的に同時とみなせる時間間隔である。
【0060】
次いで位置角度θから求めた角速度ω’とステップ103で算出した角速度ωとを比較する(ステップ404)。
【0061】
ステップ404は式(13),(14)を満たすかどうかを判定するもので、式(14)は第1実施形態における符号判定と同じで、ω,ω’の符号が異なるときに成り立つ。
|ω|> |ω’| ×2……(13)
ω ×ω’< 0……(14)
【0062】
式(13),(14)のいずれかを満たす場合、極性の検出異常と判断し、ステップ405に進み、位置角度θにπラジアンを加算してこれをあらためて位置角度θとする位相補正を行なう。そして位置角度θの変化から求めた角速度ω’の値を、ステップ106で用いられる角速度ωとする。かくして極性判別ルーチンが終了しステップ106に戻り、次の制御周期で再びステップ101からの手順が実行される。
【0063】
なおステップ404で、式(13),(14)のいずれも満たさない場合は正常と判断し、角速度ω、位置角度θは位相補正や符号補正が行われない。
【0064】
極性判別ルーチンBはN+1回の制御周期ごとに実行され、界磁磁極の極性の検出異常が生じていれば位置角度θ、角速度ωが補正される。
【0065】
図7、図8、図9は界磁磁極の極性が正しく認識されている正常な状態から、界磁磁極の極性が逆に認識されている異常な状態へ移行する過程をシミュレーションしたもので、図7は回転子の位置角度の経時変化を示している。図中、実線が実際の位置角度で、破線がステップ102において算出された位置角度θを示している。I領域では実際の位置角度と算出位置角度θとが一致し界磁磁極の極性が正しく認識されている。続くII領域では、式(3)の2つの解のうち間違った解を選択した結果、算出位置角度θが実際の位置角度の値からずれはじめる。連続的にずれるのは可変LPF27の作用によるものである。次いで実際の位置角度と算出位置角度θとのずれがπになる。この状態は界磁磁極の極性が完全に逆に認識された状態であり、算出位置角度θと実際の位置角度の差はπのまま安定する(III 領域)。
【0066】
図8は電流センサ7で検出した相電流iu ,iw を、上記の算出されたθを用いて式(1),(2),(5)により変換した二相電流の算出値id ,iq の経時変化を示すものである。II領域においては算出位置角度θが実際の位置角度からずれていくため、id は0から凸形に変化し、iq は一方向に変化する。iq はこのII領域において大きな微分値をとる。id が極値をとりかつiq が0となる時点は、算出位置角度θと実際の位置角度の差がπ/2である。そして算出位置角度θと実際の位置角度の差がπとなるIII 領域では、id は0に戻りiq は正負が反転する。
【0067】
図9は回転子の回転速度(角速度)を示すもので、実線は式(6)により算出した角速度ωであり、破線は算出位置角度θから式(12)により算出した角速度ω’である。界磁磁極の極性が正しく認識されているI領域では両者は一致し、かつ実際の角速度を示している(図略)。
【0068】
II領域では、ωはきわめて大きな値となる。シミュレーションではI領域における角速度の50倍以上に増加する。これは位置角度θがずれていく過程で式(6)におけるpiq の項の大きさが大きくなるためである。一方、式(12)からもとめたω’は、算出される位置角度θと実際の位置角度の差が可変LPF27の作用で単調変化するため、実際の回転速度に対し若干ずれるが、そのずれ量は、算出角速度よりも小さい。
【0069】
したがってII領域においてはωはω’に比してその大きさが著しく大きい。したがって式(13)を満たし界磁磁極について極性の検出異常が知られる。しかしてステップ405においてθおよびωを補正することにより適正な電圧指令値が得られる。
【0070】
界磁磁極の極性が逆に認識されているIII 領域では、ωは正負が反転し、ω’はもとの符号のままである。これは第1実施形態において述べたとおりである。したがって何らかの理由で、III 領域に入ってしまった場合や、IPMモータ6の始動時における界磁磁極の極性が逆に認識され、はじめからIII 領域にある場合には、第1実施形態の条件と等価な式(14)により極性異常が検出できる。
【0071】
なお式(12)の|ω’|の係数の「2」は、必ずしもこれに限定されるものではない。|ω|が|ω’|よりも十分大きいことが判断できればよい。但しωの算出誤差や極性の検出異常の検出感度等を考慮してあまり1に近い値や大きすぎる値を避けて設定する。上記のようなシミュレーションや実験等で適当な値を求めるのがよい。
【0072】
ステップ405において位置角度θの変化から求めた角速度ω’の値を、ステップ106で用いられる角速度ωとしたが、第1実施形態において述べたように角速度ωは、符号補正や算出のやり直しにより適正値に修正してもよい。
【0073】
また本発明は起動時の界磁磁極の極性判定にも適用することもできる。すなわち式(3)を満たす2値のうち任意に初期値を設定しておけば、極性判別ルーチンの実行により、上記初期値において界磁磁極の極性が正しく認識されているかどうかが判定され、間違って認識されている場合には位置角度および角速度が補正される。またIPMモータが回転した状態から起動する場合の界磁磁極の極性の判定に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法の要部のフローチャートである。
【図2】本発明の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を実施したセンサレス制御装置の全体ブロック構成図である。
【図3】本発明の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法を実施したセンサレス制御装置の作動状態を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法で用いられる2つの座標系の関係を示す図である。
【図5】本発明の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法の効果を説明するグラフである。
【図6】本発明の別の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法の要部のフローチャートである。
【図7】本発明の別の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法の作用を説明する第1のグラフである。
【図8】本発明の別の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法の作用を説明する第2のグラフである。
【図9】本発明の別の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法の作用を説明する第3のグラフである。
【図10】(A),(B)は従来技術の問題点を説明する第1、第2のグラフである。
【符号の説明】
1 制御ユニット
35 PWMブロック(交流電力発生手段)
4 極性判別ブロック
5 インバータ(交流電力発生手段)
6 IPMモータ(永久磁石界磁同期電動機)
Claims (7)
- 電圧指令値を入力とする多相の交流電力発生手段により上記電圧指令値に応じた相電圧が印加されて作動する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法であって、制御周期ごとに上記電圧指令値に応答する上記永久磁石界磁同期電動機の相電流を直交する静止座標系x−y上の二相電流i x ,i y に変換し、これら二相電流に応じて上記永久磁石界磁同期電動機の回転子の位置角度と回転速度とを算出し、これら算出した位置角度と回転速度とをフィードバックして上記電圧指令値を逐次設定し、上記永久磁石界磁同期電動機の制御を行なう永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記二相電流i x ,i y を回転座標系d−q上に変換したid,iqから算出される上記回転子の回転速度ωと、現制御周期の位置角度と前の制御周期の位置角度の差分から求めた上記回転子の回転速度ω’とが一致しないとき、上記演算された位置角度に所定量の位相を加算する位相補正を行なうことを特徴とする永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
- 請求項1記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、算出位置角度の変化から判断される回転方向と、算出回転速度より判断される回転方向とが異なるとき、算出位置角度の差分から求めた上記回転子の回転速度ω’と、算出回転速度ωとが一致しないものと判定する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
- 請求項1または2いずれか記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、算出位置角度の変化に基づいて算出された上記回転子の回転速度の大きさの、算出回転速度の大きさに対する比が所定の値よりも大きいとき、算出位置角度の差分から求めた上記回転子の回転速度ω’と、算出回転速度ωとが一致しないものと判定する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
- 請求項1ないし3いずれか記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記所定量の位相をπラジアンとする永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
- 請求項1ないし4いずれか記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記回転子の位置角度について上記位相補正を行うとともに、上記回転子の回転速度について演算回転速度の符号を反転する符号補正を行なう永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
- 請求項1ないし4いずれか記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記回転子の位置角度について上記位相補正を行い、上記回転子の回転速度について補正後の演算位置角度を用いて算出し直す永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
- 請求項1ないし4いずれか記載の永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法において、上記回転子の位置角度について上記位相補正を行うとともに、上記回転子の回転速度について算出位置角度から求めた回転速度に変更する永久磁石界磁同期電動機のセンサレス制御方法。
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