JP7272026B2 - インバータ装置 - Google Patents

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本発明は、インバータ装置に関する。
直流電源を用いて交流電動機を駆動するために、インバータを用いたモータ駆動システムが使用されている。インバータは、インバータ駆動回路によりスイッチング制御されることによって、直流/交流電力変換を実行する。たとえば、正弦波状の電圧指令と搬送波(三角波)との比較に基づいて、直流電圧をスイッチングして得られる、パルス幅変調された擬似交流電圧が、インバータから出力されて交流電動機に印加される。
また、交流電動機への印加電圧の基本波成分の振幅を拡大するために、正弦波電圧指令の振幅が搬送波の振幅を超える過変調PWM制御や、回転周波数に同期した正負1パルスの矩形波電圧を印加する矩形波制御が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-188609号公報
しかしながら、過変調PWM制御を行うと、相電圧指令値に対するインバータの実際の出力電圧の制御性が低いことが判明した。
そこで、本開示は、相電圧指令値に対するインバータの出力電圧の制御性を向上させたインバータ装置を提供する。
本開示は、
交流電動機を駆動するインバータと、
三角波キャリアのキャリア周波数を演算するキャリア周波数演算器と、
各相の相電圧指令値に基づいて各相の変調率指令値を演算する変調率演算器と、
各相の変調率指令値と三角波キャリアとの比較に基づいて、前記インバータへのPWM信号を生成するPWM演算器とを備え、
前記変調率演算器は、前記相電圧指令値と前記インバータの入力電圧とに応じた変調率調整指令値を演算し、電圧位相角の所定の調整区間において前記変調率調整指令値を選択して前記変調率指令値を調整する、インバータ装置を提供する。
本開示の技術によれば、相電圧指令値に対するインバータの出力電圧の制御性を向上させたインバータ装置を提供できる。
インバータ装置を備える電動機システムの構成例を示す図である。 変調率演算器の構成例を示す図である。 正弦波状の各相の変調率指令値及び三角波キャリアと、両者の比較によって生成される9パルスのPWM信号とを例示する図である。 階段状の各相の変調率指令値及び三角波キャリアと、両者の比較によって生成される5パルスのPWM信号とを例示する図である。 階段状の各相の変調率指令値及び三角波キャリアと、両者の比較によって生成される1パルスのPWM信号とを例示する図である。 二相変調される各相の変調率指令値を例示する図である。 電圧位相角の所定の期間において調整される前後の各相の変調率指令値を例示する図である。 過変調方式と提案方式のそれぞれについて、相電圧指令値の振幅に対する実際の出力電圧振幅を示すグラフである。 過変調方式と提案方式のそれぞれについて、相電圧指令値に対して生成されるPWM信号を例示する図である。 過変調方式と提案方式のそれぞれについて、相電圧指令値に対して生成されるPWM信号を例示する図である。 過変調方式と提案方式のそれぞれについて、相電圧指令値に対して生成されるPWM信号を例示する図である。 変調率調整指令値λx *の生成方法を説明するための図である。 制御装置が備える演算装置のハードウェア構成を例示する図である。
以下、本開示に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本開示に係るインバータ装置を備える電動機システムの構成例を示す図である。図1に示す電動機システム300は、直流電源50、インバータ装置200及び交流電動機80を備える。直流電源50は、例えば、バッテリである。インバータ装置200は、直流電源50から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力によって交流電動機80を駆動する。交流電動機80は、例えば、永久磁石型同期電動機である。
インバータ装置200は、交流電動機80の回転速度およびトルクを制御する。インバータ装置200は、交流電動機80の制御を、回転子と同期して回転する直交回転座標軸であるd,q軸上で行うことで、高性能なトルク制御や速度制御を実現する。電動機の回転子の磁極のN極方向をd軸と定義し、d軸から90°進んだ方向をq軸と定義する。
インバータ装置200は、直流電源50に両極に接続される一対の直流母線の間に接続される複数の半導体スイッチング素子(例えば、IGBT)によって交流電動機80を駆動するインバータ70と、インバータ70を制御する制御装置100とを備える。インバータ70は、例えば、直流電力を三相の交流電力に変換する三相インバータである。
交流電動機80には、交流電動機80の磁極位置及び交流電動機80の回転速度を検出する位置・速度センサ90が取り付けられている。制御装置100に備えられる位置・速度検出器91は、交流電動機80の磁極位置及び交流電動機80の回転速度を検出する位置・速度センサ90の出力信号に基づいて、速度検出値(電気角周波数)ωreと位置検出値(電気角)θreを検出する回路である。速度検出値ωreは、交流電動機80の電気角速度の検出値を表し、位置検出値θreは、交流電動機80の電気角の検出値を表す。
速度検出値ωreと位置検出値θreは、位置・速度センサ90と位置・速度検出器91を用いないで、交流電動機80の端子電流と端子電圧に基づいて演算されてもよい。
電圧検出器12は、制御装置100に備えられており、直流電源50からインバータ70に入力される直流電圧(インバータ70の入力電圧)を検出し、検出した直流電圧値に対応する直流電圧検出値Edcを出力する回路である。直流電源50とインバータ70との間を結ぶ直流配線は、DCリンクとも称されるので、インバータ70の入力電圧は、DCリンクの電圧とも称され、直流電圧検出値Edcは、DCリンク電圧検出値とも称される。
電流指令演算部18は、トルク指令値τ及び直流電圧検出値Edcに基づき、交流電動機80のトルクをトルク指令値τに制御するd軸電流指令値i とq軸電流指令値i を演算する。トルク指令値τは、交流電動機80のトルクの指令値を表す。
u相電流センサ11uは、インバータ70と交流電動機80との間を流れるu相電流を検出する。w相電流センサ11wは、インバータ70と交流電動機80との間を流れるw相電流を検出する。制御装置100に備えられる電流検出器11は、u相電流センサ11u及びw相電流センサ11wの各出力信号に基づき、u相電流検出値i、v相電流検出値i及びw相電流検出値iを検出する回路である(i+i+i=0)。u相電流検出値iは、u相電流の大きさの検出値を表し、v相電流検出値iは、v相電流の大きさの検出値を表し、w相電流検出値iは、w相電流の大きさの検出値を表す。電流座標変換器14は、相電流検出値i,i,iを、位置検出値θreを使って、d,q軸電流検出値i,iに座標変換する。
d軸電流調節器21は、d軸電流指令値i とd軸電流検出値iとの偏差(減算器19で演算)を増幅してd軸電圧指令値v を演算する。q軸電流調節器22は、q軸電流指令値i とq軸電流検出値iとの偏差(減算器20で演算)を増幅してq軸電圧指令値v を演算する。
電圧制限器23は、電圧検出器12により検出される直流電圧検出値Edcに基づいて、直流電圧検出値Edcの大きさに対応する電圧制限値Valimを演算する。電圧制限器23は、例えば、直流電圧検出値Edcにほぼ比例し、かつ、直流電圧検出値Edcに応じて決まるインバータ70の最大出力電圧以下の電圧制限値Valimを演算する。電圧制限器23は、交流電動機80の端子電圧(インバータ70の出力電圧)が電圧制限値Valimを超えないように、d軸電圧指令値v 及びq軸電圧指令値v を制限する。
電圧座標変換器15は、d,q軸電圧指令値v ,v を、位置検出値θreを使って、u,v,w相の相電圧指令値v ,v ,v に座標変換する。
PWM(Pulse Width Modulation)回路13は、各相の相電圧指令値v ,v ,v および直流電圧検出値Edcに基づいて、インバータ70の出力電圧を相電圧指令値v ,v ,v に制御するための複数(例えば、三相の場合、6個)のPWM信号を生成する。インバータ70は、PWM回路13からの複数のPWM信号に基づいて、インバータ70内部の複数の半導体スイッチング素子を制御することにより、交流電動機80の各相の端子電圧を、対応する各相の相電圧指令値v ,v ,v に制御する。
制御装置100は、キャリア周波数演算器24を備え、PWM回路13は、変調率演算器16及びPWM演算器17を備える。
キャリア周波数演算器24は、三角波キャリアのキャリア周波数を演算する。変調率演算器16は、u,v,w相の相電圧指令値v ,v ,v に基づいて、各相の変調率指令値λ **,λ **,λ **を演算する。PWM演算器17は、変調率演算器16により演算される各相の変調率指令値λ **,λ **,λ **と、キャリア周波数演算器24により演算されるキャリア周波数を有する三角波キャリアとの比較に基づいて、インバータ70へのPWM信号を生成する。
図2は、変調率演算器の構成例を示す図である。図2に示す変調率演算器16は、各相の相電圧指令値Vk *(=v ,v ,v )と直流電圧検出値Edcとに基づいて、上述のPWM演算器17で三角波キャリアと比較するための各相の変調率指令値λk **を演算する。kは、u,v,wを表す。変調率演算器16は、変調率演算部29、振幅演算部25、第1の指令値演算部26、第2の指令値演算部27及び選択部28を有する。
変調率演算部29は、各相の相電圧指令値v ,v ,v と直流電圧検出値Edcに基づいて、各相の変調率指令値λk *を演算する。変調率指令値λk *は、相電圧指令値Vk *を直流電圧検出値Edcに基づいて基準変換した値であり、直流電圧検出値Edcの下で出力可能な最大値を1と表現する。変調率指令値λk *は、-1~1の値をとりうる。
振幅演算部25は、各相の変調率指令値λk *の振幅λkpk *を演算する。
選択部28は、振幅演算部25により演算される各相の振幅λkpk *が第1の閾値未満のときは、第1の指令値演算部26(第1のPWM生成アルゴリズム)を用いて演算される各相の第1の変調率指令値λk1 **を、各相の変調率指令値λk **として選択する。選択部28は、振幅演算部25により演算される各相の振幅λkpk *が第2の閾値以上のときは、第2の指令値演算部27(第2のPWM生成アルゴリズム)を用いて演算される各相の第2の変調率指令値λk2 **を、各相の変調率指令値λk **として選択する。
第1の閾値は、第2のPWM生成アルゴリズムから第1のPWM生成アルゴリズムに切り替えるための判定閾値であり、第2の閾値は、第1のPWM生成アルゴリズムから第2のPWM生成アルゴリズムに切り替えるための判定閾値である。第1の閾値は、第2の閾値以下に設定される。
第1の指令値演算部26(第1のPWM生成アルゴリズム)は、各相の変調率指令値λk *に応じて、三相変調、または、二相変調によって第1の変調率指令値λk1 **を演算する。図3は、三相変調により生成された正弦波状の各相の第1の変調率指令値λk1 **及び三角波キャリアと、両者の比較によって生成される9パルスのPWM信号とを例示する図である。図3は、各相の第1の変調率指令値λk1 **が三角波キャリアのピーク値及びボトム値を超えない場合を示す。
図6は、二相変調される各相の第1の変調率指令値を例示する図である。第1の指令値演算部26(第1のPWM生成アルゴリズム)は、各相の変調率指令値λk *が三角波キャリアのピーク値を超える場合、二相変調によって各相の変調率指令値λk *を修正することで、第1の変調率指令値λk1 **を演算する。二相変調とは、正弦波状の各相の変調率指令値λk *が三角波キャリアのピーク値又はボトム値を超える量を各相の変調率指令値λk *から減算することで、三角波キャリアのピーク値とボトム値との間に収まる第1の変調率指令値λk1 **を演算することをいう。
第2の指令値演算部27(第2のPWM生成アルゴリズム)は、図4,5に示すように、階段状の各相の第2の変調率指令値λk2 **を生成する。図4は、階段状の各相の第2の変調率指令値λk2 **及び三角波キャリアと、両者の比較によって生成される5パルスのPWM信号とを例示する図である。図5は、階段状の各相の第2の変調率指令値λk2 **及び三角波キャリアと、両者の比較によって生成される1パルスのPWM信号とを例示する図である。第2の指令値演算部27が階段状の各相の第2の変調率指令値λk2 **を生成する結果、後段のPWM演算器17で三角波キャリアとの比較によって生成されるPWM信号が、インバータ70の出力電圧の基本波1周期に対して5パルス又は1パルスとなる。このように、5パルスのPWM信号と1パルスのPWM信号は、共通のアルゴリズム(つまり、第2のPWM生成アルゴリズム)の下で生成される。
図7は、電圧位相角αの所定の期間において調整される前後の各相の第2の変調率指令値を例示する図である。第2の指令値演算部27(第2のPWM生成アルゴリズム)は、各相の相電圧指令値Vk *とインバータ70の入力電圧(直流電圧検出値Edc)とに応じて、電気位相角の所定の調整区間31~34において各相の第2の変調率指令値λk2 **を調整する。例えば、第2の指令値演算部27は、各相の相電圧指令値Vk *とインバータ70の入力電圧(直流電圧検出値Edc)とに応じた変調率調整指令値λx *を演算する。そして、第2の指令値演算部27は、各相の相電圧指令値Vk *の正の期間36と負の期間37のPWM信号が対称になるように、電圧位相角αの調整区間31~34を設定し、設定した調整区間31~34においてのみ変調率調整指令値λx *を選択(置換)することで、第2の変調率指令値λk2 **を演算する。
例えば、第2の指令値演算部27は、
電圧位相角αが10~50°、130~170°の調整区間31,32において、変調率に正の変調率調整指令値λx *を選択し、
電圧位相角が190~230°、310~350°の調整区間33,34において、変調率に負の変調率調整指令値λx *を選択し、
電圧位相角αが50~130°の区間において、変調率に正の最大値を選択し、
電圧位相角αが230~310°の区間において、変調率に負の最大値を選択し、
電圧位相角αの0~10°、170~190°、350~360°の区間において、変調率に零を選択するようにして、第2の変調率指令値λk2 **を演算する。ここで、変調率の最大値(=1)を三角波キャリアのピーク値、変調率の最小値(=-1)を三角波キャリアのボトム値、零を三角波キャリアのピーク値とボトム値の中点と定義する。
このような調整区間を設けることによって、PWM制御(図3)と矩形波制御(図5)に移行する際に、インバータの出力電圧を連続的かつ滑らかに変更できる。これにより、変調モードが切り替わる際の交流電動機のトルクの変動を抑制できる。
図8は、過変調PWM制御を行う方式(過変調方式)と調整区間を設けて変調率指令値を調整する本発明(提案方式)のそれぞれについて、相電圧指令値の振幅に対する実際の出力電圧振幅(PWM信号の基本波成分)を示すグラフである。基本波成分とは、相電圧指令値と同じ周波数成分を表す。
図8に示すように、過変調方式の場合、相電圧指令値を大きくしても、実際の出力電圧があまり変化しない。これに対し、提案方式の場合、相電圧指令値に比例して実際の出力電圧を大きくできる。したがって、相電圧指令値に対するインバータの出力電圧の制御性を向上させることができる。つまり、過変調方式に比べて、提案方式の方が、短い時間で所望の出力電圧に収束させることができる。
図9~11は、過変調方式と提案方式のそれぞれについて、相電圧指令値に対して生成されるPWM信号を例示する図である。図9は、三角波キャリアと相電圧指令値との振幅が一致している場合を示す。両方式の相電圧指令値の振幅を1.0から1.27324に変化させると、図10に示すように、提案方式では、PWM信号を1パルスの矩形波に変更できるが、過変調方式では、PWM信号にまだ短いパルスが生じている。図11に示すように、過変調方式では、PWM信号を1パルスの矩形波に変更するには、相電圧指令値の振幅を2.0まで上昇させなければならない。なお、この例では、インバータが三相変調によって出力できる最高電圧を1.0と定義する。
次に、第2の指令値演算部27が、各相の相電圧指令値Vk *とインバータ70の入力電圧(直流電圧検出値Edc)とに応じて、変調率調整指令値λx *を演算する方法例について説明する。
相電圧指令値Vk *に基づき求めた線間電圧実効値をV1 *とし、xおよびVxを中間変数とすると、第2の指令値演算部27は、式(1),(2),(3)に従って、変調率調整指令値λx *を演算する。
Figure 0007272026000001
上記の式(1)は、厳密には、式(4)より導出される。
式(4)に対し、「sinθ≒θ(ただし、θ≒0)」という近似を用いると、数式(1)が得られる。つまり、式(1)は、演算を簡単化するための近似式である。三角関数を用いることにより、近似の無いより正確な演算が可能となり、制御精度が向上する。三角関数は、式(4)のsin-1に限らず、sin、cos、cos-1等に変形可能である。
式(4)は、予め計算して所定のメモリに格納したテーブル(テーブル入力:式(4)の右辺の括弧の中身をあらかじめ計算して入力(もしくは、V1 *とEdcを入力)、テーブル出力:xの値)で構成しても可能である。つまり、第2の指令値演算部27は、予め用意されたテーブルを用いて、変調率調整指令値λx *(∝Vx)を演算してもよい。
また、式(4)は、PWM波形の基本波成分(インバータ出力周波数成分)から求めることができる。具体的には、図12の「PWM電圧V(t)の基本波成分がインバータ出力の相電圧指令値と一致する」という条件から求められる。基本波成分とは、インバータ出力周波数と同じ周波数成分を指す。図12の場合、α(横軸)=0~360[deg]までが基本波1周期となる。PWM電圧V(t)の基本波成分は、図12の方形波からフーリエ変換やFFT解析を用いて導出可能である。
また、図12を「PWM電圧V(t)の面積」から求めると、フーリエ変換やFFT解析等の複雑な演算を用いなくても、より簡単に、インバータ出力の相電圧指令値と変調率調整指令値λx *(∝Vx)との関係性を求めることが可能である。
なお、第2の指令値演算部27が調整区間における変調率調整指令値λx *(∝Vx)を決めるのに必要な情報は、各相の相電圧指令値Vk *とインバータの入力電圧(直流電圧検出値Edc)だけに限られない。変調率調整指令値λx *(∝Vx)を決めるのに必要な情報として、例えば、
・変調率指令値
・インバータ出力周波数(または周期)
・インバータキャリア周波数(または周期)
・PWM波形の面積
・PWM波形の基本波成分(インバータ出力周波数成分)
・電圧位相角
・三角関数(sin/sin-1またはcos/cos-1の関数、sin/sin-1またはcos/cos-1のテーブルを含む)
・基本波1周期に含まれる三角波キャリアの数
・基本波1周期に含まれるPWMパルス(オンパルス、または、オフパルス)の数
・交流電動機の回転速度(または回転周波数、または回転周期)
が挙げられる。
第2の指令値演算部27は、これらの情報のうちの少なくとも一つを適宜使用することで、変調率調整指令値λx *(∝Vx)をより高精度に演算できる。
図13は、制御装置が備える演算装置のハードウェア構成を例示する図である。図13は、制御装置100が備える演算装置の一例であるマイクロコンピュータ110を示している。マイクロコンピュータ110は、メモリ121、CPU(Central Processing Unit)122、AD(Analog to Digital)変換部123、PWMモジュール124、通信部125及びタイマ126を備える。CPU122は、制御装置100の制御を行うプロセッサである。通信部125は、マイクロコンピュータ110外部の上位コントローラと通信を行う。タイマ126は、タイマ値のカウントを行う。メモリ121は、プログラム等を記憶する。メモリ121内のプログラムによって、CPU122が動作する。図1の各制御ブロックの機能は、メモリ121に読み出し可能に記憶されるプログラムによってCPU122が動作することにより実現される。
図1の各制御ブロックとは、例えば、電流指令演算部18、減算器19,20、電流調節器21,22、電圧制限器23、電圧座標変換器15、電流座標変換器14、キャリア周波数演算器24及びPWM回路13である。
図1の各制御ブロックの機能は、コンピュータに各機能を実現させるプログラムによって提供可能である。また、各制御ブロックの機能は、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、又は、上記のプログラム等のコンピュータプログラムプロダクトによって提供可能である。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
以上、インバータ装置を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
例えば、制御装置が制御する交流電動機は、永久磁石型同期電動機に限られず、誘導電動機やシンクロナスリラクタンスモータなどの他の形式の交流電動機でもよい。
13 PWM回路
16 変調率演算器
17 PWM演算器
24 キャリア周波数演算器
25 振幅演算部
26 第1の指令値演算部
27 第2の指令値演算部
28 選択部
70 インバータ
80 交流電動機
90 位置・速度センサ
100 制御装置
110 マイクロコンピュータ
200 インバータ装置
300 電動機システム

Claims (3)

  1. 交流電動機を駆動するインバータと、
    三角波キャリアのキャリア周波数を演算するキャリア周波数演算器と、
    各相の相電圧指令値に基づいて各相の変調率指令値を演算する変調率演算器と、
    各相の変調率指令値と三角波キャリアとの比較に基づいて、前記インバータへのPWM信号を生成するPWM演算器とを備え、
    前記変調率演算器は、前記相電圧指令値と前記インバータの入力電圧とに応じた変調率調整指令値を演算し、電圧位相角の所定の調整区間において前記変調率調整指令値を選択して前記変調率指令値を調整する、インバータ装置。
  2. 前記変調率演算器は、前記相電圧指令値の正の期間と負の期間のPWM信号が対称になるように、前記調整区間を設定する、請求項に記載のインバータ装置。
  3. 前記変調率演算器は、前記インバータが出力するPWM電圧の基本波成分と前記相電圧指令値とが等しくなるように、前記変調率調整指令値を演算する、請求項1又は2に記載のインバータ装置。
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