JP2012110079A - 位置・速度センサレス制御装置 - Google Patents

位置・速度センサレス制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 速度推定部における推定誤差を低減し、推定ゲインを高くすることにより、応答性のよい位置・速度センサレス制御装置を提供する。
【解決手段】 実施形態に係る位置・速度センサレス制御装置は、インバータへの出力電圧指令を演算する出力電圧指令演算手段9と、前記出力電圧指令に基づきゲート信号を生成するゲート生成手段11と、交流電動機7に流れる電流を検出する検出手段6と、第1の周期を有する第1制御割り込みの各区間におけるインバータ出力電圧平均値を区間平均電圧として演算する平均電圧演算手段17と、前記検出手段6にて検出された電流値及び前記平均電圧演算手段17にて演算された区間平均電圧に基づき、前記交流電動機7の回転速度を推定する処理を、前記第1制御割り込みのタイミングで行う速度推定手段13とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機の位置・速度センサレス制御装置に関する。
従来の位置・速度センサレス制御装置の構成を図11(a)に示す。
図11(a)は直流電車の駆動装置を示している。この駆動装置は、架線から電力をパンタグラフ1にて受電し、平滑フィルタとなるリアクトル3とコンデンサ4に電流が供給される。VVVFインバータ5は、入力される直流を交流に変換して出力する。同出力は、例えば誘導電動機などの電車の主電動機7を駆動する。
この駆動装置の制御系について概略を以下に示す。本制御系は、一例としてDQ軸回転座標系を用いたベクトル制御系である。図12は交流電動機7(誘導電動機である場合)の等価回路図である。この図に示すように、誘導電動機7は、1次抵抗R1、1次自己インダクタンスL1、2次抵抗R2、及び2次自己インダクタンスL2を有している。
図13は誘導電動機ベクトル制御の概要を示す図である。インバータ出力電圧(電動機印加電圧)V1は、電動機の誘起電圧Eと固定子の巻線インダクタンスによる電圧降下分V2の和に等しい。この電圧降下分V2は次式により示される。
V2=ω・σ・L1・I
ここで、σは漏れ係数(=M/L1/L2)、ωはインバータ出力角周波数、Iは電動機に流れている電流である。この電流IはD軸、Q軸の原点を起点とするベクトルIとしても示されている。D軸は、固定子巻線の駆動電流により、回転子に生じる2次磁束方向の軸を示し、Q軸はD軸に直交する方向の軸である。
電流IのD軸成分は磁束を発生し、Q軸成分はトルクを発生する。図中、Φ2は回転子の2次磁束である。誘起電圧Eは2次磁束に直交して発生するため、Q軸上に生じる。この誘起電圧Eはインバータ出力角周波数ωと2次磁束Φ2の積(=ω・Φ2)により示される。
Φ2とトルクTrqは次式により示される。
Φ2=相互インダクタンスM・D軸電流Id
Trq=(M/L2)・Φ2・Iq・Pn
ここでPnは極対数である。誘導電動機のベクトル制御では、回転子の2次磁束Φ2にD軸が一致するように電流及び電圧が制御される。
図11(a)の説明に戻り、電流指令演算部8は、磁束指令及びトルク指令に基づき、D軸電流指令IdやQ軸電流指令Iqを演算する。トルク指令は例えば運転台から伝送されるノッチ指令に対応し、磁束指令は例えば予め設定されて固定値であり得る。電圧指令演算部9は、DQ軸電流指令に、フィードバックされたDQ軸電流値Id,Iqが追従するように、DQ軸出力電圧指令Vd,Vqを、例えば、PI制御などによって決定する。この電圧指令Vd,Vqは、所定周期毎に得られる目標値を示す基本波であって、所定周期における平均値を示す。座標変換部10は、DQ軸出力電圧指令Vd,Vqを変調率指令Au,Av,Awに変換する。
座標変換部10は図11(b)に示すように、座標変換回路10aと変調回路10bからなる。座標変換回路10aは、DQ軸出力電圧指令Vd,Vqから、DQ軸座標系の位相角θdqに基づき、三相電圧指令Vu, Vv, Vwを演算出力する。変調回路11aは三相電圧指令Vu,Vv,Vwを、最大出力電圧(インバータ入力DC電圧)に対する割合を示す変調率Au,Av,Awに変換する。この変調率はインバータ出力電圧を入力DC電圧で除した値である。従って各変調率は0〜1の範囲内に含まれる数値である。ゲート生成部11は、それら変調率に基づき、三角波比較PWMや同期PWM,あるいは1パルスモードなどに対応したゲート信号を生成する。
本例では、主電動機7の回転数ないし位置を直接検出する手段がない。代わりに、速度推定部13は、DQ軸電圧指令Vd,VqとDQ軸電流値Id,Iqから主電動機の回転数(すなわち角速度)を推定演算し、推定角速度ωrhを出力する。この速度推定部13で、主電動機7の角速度を推定する方式としては、DQ軸電圧指令Vd,Vq及びDQ軸電流値Id,Iqに基づく誘起電圧の演算を介して求める方式、あるいはDQ軸電圧指令Vd,Vq及びDQ軸電流値Id,Iqに基づく主電動機7の出力パワーの演算を介して求める方式等、各種の従来方式がある。
すべり周波数基準演算部15は、DQ軸電流指令に基づき、すべり角周波数基準ωs(=2次抵抗R2/2次インダクタンスL2×Iq/Id)を演算し出力する。
加算器16は、推定角速度ωrhとすべり角周波数基準ωsとを加算し、インバータ出力周波数ω1とする。積分器14によって、これが積分されて、静止座標系に対するDQ軸座標系の位相角θdqが決定される。この位相角θdqは運転初期においては誤差が大きいが、運転している間に速度推定部13による速度推定が行われることで、真の値に収束する。
上記のように構成した位置・速度センサレス制御装置により、主電動機のトルク制御が行える。上記の制御系は、第1制御割込にて演算処理が成される第1制御割込処理部30にて実現されるものとする。
実際のインバータ出力電圧波形は、電圧指令Vd,Vqに対応する理想的な正弦波ではなく、パルス状で高周波成分を多く含む波形である。従って電流検出値Id,Iqもパルス状で高周波成分を多く含む波形となる。このように目標の平均値を示す電圧指令Vd,Vqと、実際に電動機に流れる電流の検出値Id,Iqを用いて推定される推定角速度ωrhには、一般に推定誤差が常に含まれている。従って、推定角速度ωrhには大きなリプルが重畳する。
このため、推定の速さを高めるために、速度推定部13の推定ゲインを高く設定すると、リプルが更に増大するとともに、高次不安定な現象が生じる。このため、推定ゲインを高くすることが制限されてしまう。この結果、トルク指令に対するトルクの応答性や、外乱に対する抑圧特性が劣化し、制御系の不安定化が生じやすい。主回路のリアクトル3及びコンデンサ4の間で共振が生じたり、負荷急変によって直流電圧の急変を抑制できず、過電圧保護が動作する場合もある。
よって本発明は、速度推定部13における推定誤差を低減し、推定ゲインを高くすることにより、応答性のよい位置・速度センサレス制御装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る位置・速度センサレス制御装置は、直流電圧を交流電圧に変換し、交流電動機を駆動するインバータと、前記インバータへの出力電圧指令を演算する出力電圧指令演算手段と、前記出力電圧指令に基づきゲート信号を生成するゲート生成手段と、前記交流電動機に流れる電流を検出する検出手段と、第1の周期を有する第1制御割り込みの各区間における前記インバータ出力電圧平均値を区間平均電圧として演算する平均電圧演算手段と、前記検出手段にて検出された電流値及び前記平均電圧演算手段にて演算された区間平均電圧に基づき、前記交流電動機の回転速度を推定する処理を、前記第1制御割り込みのタイミングで行う速度推定手段と、
を具備する。
本発明の第1実施例に係る位置・速度センサレス制御装置の構成を示すブロック図。 三角波PWMでのキャリアCAR,U相変調率Au,U相ゲート信号Guの関係を示す図。 三角波PWMでのキャリアCAR,U相変調率Au,U相ゲート信号Guの他の関係を示す図。 区間平均電圧演算部17の構成例を示す図。 区間平均電圧17の他の構成例を示す図。 区間平均電圧17の更に他の構成例を示す図。 本発明の第2実施例の構成を示す図。 図7の出力レベル検出部26の詳細なブロック図。 本発明の第3実施例の構成を示す図。 3dPモードの波形例を示す図。 従来の位置・速度センサレス制御装置の構成を示す図。 交流電動機7の等価回路図。 誘導電動機ベクトル制御の概要を示す図。
以下、本発明に係る位置・速度センサレス制御装置の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る位置・速度センサレス制御装置の構成を示すブロック図である。このセンサレス制御装置は、速度推定部13への入力信号が従来とは異なっている。
区間平均電圧演算部17には、ゲート生成部11の出力である6つのゲート信号(Gu,Gx,Gv,Gy,Gw,Gz)が入力される。区間平均電圧演算部17は、同ゲート信号から所定区間の平均電圧を各相それぞれについて推定演算して、三相区間平均電圧Vuh,Vvh,Vwhとして出力する。座標変換部18では、該平均電圧をDQ軸上の値に変換して、DQ軸区間平均電圧Vdh,Vqhとして出力する。速度推定部13は、このDQ軸区間平均電圧を従来のDQ軸電圧指令Vd,Vqの代わりに入力して、速度を推定演算する。尚、主電動機が誘導電動機ではなく永久磁石同期電動機の場合、速度推定部13は速度に加えて回転子位置も推定する。
ここで、区間平均電圧について説明する。図2は三角波PWMでのキャリアCAR,U相変調率Au,U相ゲート信号Guの関係を示している。ここではU相ゲート信号GuはU相出力電圧を示すものとする。また前述のように、ベクトル制御・電流制御・速度推定部などの機能は、制御用マイコンの処理の中で、第1制御割込処理部31にて実施されている。この第1制御割込処理は制御用マイコンが実行する複数タスクの中の1タスクである。
図2は、第1制御割込処理部31の割込発生タイミングを横軸に記載している。ここで、“区間平均電圧“の区間とは、この推定速度演算を行う処理間隔、すなわち第1制御割込が発生する間の時間的区間を指すものとする。
図2の場合、第1制御割込は、キャリアの山谷に一致すなわち同期している。この場合、第1制御割込のタイミングで電圧指令演算部9にて演算されたDQ電圧指令Vd*、Vq*、あるいは座標変換部10の出力である変調率Au*、Av*、Aw*は、各区間の平均電圧を現すことになる。この場合、推定速度演算を行うにあたり、実際にインバータから出力された電圧の区間における平均値(ゲート信号Guの平均値)と電圧指令Au*とが一致する。すなわち四角形a、b、c、dの面積と、四角形e、f、g、dの面積は等しい。従って、電流検出値Id,Iqはインバータの電圧指令値Vd,Vqに対応する値となる。この場合、速度推定部13にて推定される速度推定値の推定誤差(すなわち速度リプル)が小さく、良好な推定が可能である。
しかしながら、電動機の低騒音化を図るためキャリア周波数を分散させるキャリア分散制御法や、キャリア周波数が低いためにキャリア周波数の2倍より速く第1制御割込の周期を設定する場合、図2のような関係を維持できない。
この例を図3に示す。図3では、第1制御割込がキャリアに同期していない。このために、第1制御割込で演算された出力電圧指令Au*は、第1制御割込の区間における平均電圧(ゲート信号Guの平均値)に一致しない。すなわち四角形a’、b’、c’、d’の面積と、四角形e’、f’、g’、d’の面積は相違する。従って、電流検出値Id,Iqはインバータの電圧指令値Vd,Vqに対応する値とならない。このために速度推定部13にて電流検出値Id,Iq及び電圧指令値Vd,Vqを用いて推定される速度推定値に推定誤差が生じ、この誤差が推定角速度のリプルになって現れる。
そこで本実施例では、第1制御割込より高速な第2制御割込を設定し、第2制御割込のタイミングにてゲート信号Guを読み取り、ゲート信号Guに基づいて出力電圧を推定演算する。
このように出力電圧を推定演算する区間平均電圧演算部17の構成例を図4に示す。
区間平均電圧演算部17には、ゲート信号とインバータ入力側の直流電圧値が入力される。係数変換器20はゲート信号を入力し、ハイレベルの場合に0.5を、ローレベルの場合に−0.5を出力する。乗算器21にて入力直流電圧を乗じて、積分器22にて、それを積分していく。ここまでは高速な演算が必要であり、第2制御割込処理部19によって、第2制御割込のタイミングにて演算処理が成される。区間平均電圧読取部23は、第1制御割込のタイミングにて処理が成されるが、この処理毎に、積分器22の出力を読み取るとともに、リセット信号を出して積分器をクリアする。このように構成することにより、区間平均電圧Vuh、Vvh、Vwhすなわち実際のインバータ出力電圧平均値を演算することが可能である。
座標変換部18は回転子位相角θdqに基づいて、この区間平均電圧Vuh、Vvh、Vwhをdq軸区間平均電圧Vdh、Vqhに変換する。この結果、速度推定部13は、このような実際値を示す区間平均電圧Vdh、Vqh及び電流検出値Id、Iqに基づいて推定演算を行うので、推定角速度ωrhの誤差すなわちリップルは、従来より大幅に減少する。
また、図1では区間平均電圧演算部17への入力として、ゲート信号Guと相補関係にあるGxなど、計6本を入力している。上述のように、Gu,Gv,Gwの各相の情報でも計算はできるが、デッドタイムなどGu,Gxが供にローとなった区間の電圧は、Guのみでは正しく推定できない。このため、GuとともにGxを加え、GuもGxもローであるときは、デッドタイム期間中であると判断し、相電流検出器6によって検出された相電流値Iu,Iv,Iwの極性に基づき、出力電圧がハイレベルかローレベルかを判断すればよい。すなわち、相電流検出器6をインバータ5から主電動機7へ向かう方向を正とすれば、GuとGxが共にローである場合、Iuが正であれば、ロアアームのスイッチング素子に逆並列接続されたダイオードに電流が流れているので、出力電圧はローレベルであると判断する。Iuが負であれば、アッパーアームのスイッチング素子に逆並列接続されたダイオードに電流が流れているので、出力電圧はハイレベルであると判断する。これにより、デッドタイムを考慮して、より精度の高い区間平均電圧を求めることができる。
また、区間平均電圧の他の実施例を図5に示す。図4と比べ、積分器22にはリセット信号入力がない。一方、区間平均電圧読取部23は、積分器22より読み出した値と前回読み出した値(Z−1)との差分を推定出力電圧として記憶する。このように構成しても実際の区間平均電圧を演算できる。
また、区間平均電圧の他の実施例を図6に示す。この場合、第2制御割込処理部19の中に、直流電圧との乗算部がなく、区間平均電圧読取部23の前段に設けた乗算器21にて、積分器22から読み出した積分値に直流電圧を乗じる。このように構成しても、区間平均電圧を求めることができる。
第2制御割込部19は、ゲート信号を直接読み出すために、数マイクロ秒以下の高速な処理が必要となる可能性がある。更に、精度を追求すれば、ソフトでの対応は不可能になり、GA(ゲートアレイ)などハードでの構成を実施することが有効となる。図4や図5の構成の場合、第2制御割込処理部では、その高速なサンプリングやハード化に対応したAD変換器が必要であり、ハードウェアへの要求が高くなる。直流電圧は数μsecというオーダーでの変化は小さいため、図6のように、ゲート信号の読み込み及び積算は高速な第2制御割込処理にて実施し、変化が小さい直流電圧を乗じるのは、第1制御割込処理にて実施することが有効である。
尚、直流電圧の変動が小さい応用例では、直流電圧を固定値として扱うことも可能である。
(第1実施例の作用効果)
以上のように構成することにより、推定角速度を演算する区間の平均電圧である区間平均電圧を求めることが可能であり、これを用いて推定演算することにより、推定誤差が小さい推定角速度を求めることができる。この結果、制御系の高次不安定化が生じることなく、推定ゲインを増加することが可能になるため、トルク応答性及び外乱抑圧特性が向上する。これにより、制御系の不安定現象や過電圧による保護動作を回避することが可能になる。
また、前述のように、第1制御割込部で計算される出力電圧指令は、第1制御割込の区間平均出力電圧に一致することもあるが、図3のように、第1制御割込の周期がキャリア周期の1/2より小さい場合や、第1制御割込の周期がキャリア周期の1/2の整数倍でない場合、期待する出力電圧は出し得ない。この場合に、第1制御割込より速い第2制御割込を設け、その中でゲート信号を読み取り、第1制御割込区間の平均出力電圧を演算すれば、精度の高い位置・速度推定が可能となる。
更に、前述のように、区間平均電圧の精度は、ゲート信号を読み取る第2制御割込の速さに大きく依存する。例えば、スイッチング周波数を5kHzとすれば、キャリアの1/2周期の時間は100μsecである。第2制御割込の周期を1μsecとすれば、検出の分解能は1%電圧になる。これは制御上の限界に近い。この1μsecをソフトで実現するのは、処理速度の点で困難である。前述のように、第2制御割込部をGAなどのハードウェアで実現することにより、精度の高い区間平均電圧を求めることができる。
尚、本実施例では、2レベルのインバータを想定したが、多レベルのインバータであっても、ゲート信号から出力電圧のレベルを判断できるのは周知の事実である。
また、ゲート信号から出力電圧を推定する上で、推定電圧の精度向上のためにデッドタイムの期間を考慮する場合、前述のように、流れている各相電流から出力電圧レベルを決定できることは周知の事実である。
図7は、本発明の第2実施例の構成を示す。第1実施例と比べ、区間平均電圧演算部17の入力信号が異なるため、この部分のみを説明する。
出力レベル検出部26は、各相の出力電位を入力し、ハイレベル出力かローレベル出力かを検出する。この詳細なブロック図を図8に示す。
出力レベル検出部26は、各相の出力レベル検出回路27を有する。例えば、U相出力点と、直流側のマイナス電位点とを抵抗R1とR2により分圧し、フォトカプラ(PH)などで絶縁して、制御系へと取り込むことで、実際にハイレベルが出力されているか、ローレベルが出力されているかが判断できる。この後の処理方法は、第1実施例と同一である。尚、本実施例では、2レベルのインバータを想定したが、多レベルのインバータであっても、本実施例に従ってインバータの出力電圧のレベルを判断できることは明らかである。
(第2実施例の作用効果)
本実施例によれば、第1実施例に比べ、実際の出力電圧から直接、出力レベルの判断を行うことが可能である。第1実施例のように、ゲート信号から出力電圧を予測する場合、ゲート信号立ち上がりから実際の出力電圧の立ち上がりまでの遅れ、デッドタイムの補償誤差など誤差の要因があるが、本実施例のように、直接出力から判断することで、これらの誤差の要因を排除して、精度の高い区間平均電圧の演算が可能となる。
図9は、本発明の第3実施例の構成を示す。第1実施例と比べ、区間平均電圧演算部17へ入力する情報がゲート情報ではなく、三相電圧指令(厳密には三相変調率指令)である。以下、この異なる部分のみを説明する。
区間平均電圧演算部17は、各相の電圧指令、すなわち変調率指令Au*、Av*、Aw*を入力する。例えば同期PWM方式では、出力電圧位相情報とその変調率指令に基づいてスイッチングが成される。
例えば、3dP(3ダッシュパルスモード)の場合を、図10の波形例とともに説明する。図10のように3dPの場合、U相出力電圧の位相角に応じて、その0度及び180度付近で、スイッチングを行う。このような同期PWM方式の場合、第1制御割込により計算する出力電圧指令に対して、その第1制御割込の区間に実際の出力されている出力電圧の平均値は一致しない。
ここで、この点弧角α[rad]と変調率の関係は、次の関係にある。
変調率Au[PU]=2×cos(α)−1
このPU(par unit)は、Auが正規化された値で単位がないことを示している。
よって、点弧角α[rad]は、次のように求めればよい。
点弧角α[rad]=Acos((Au+1)/2)
尚、各相の出力電圧位相角は次のように求めればよい。
θu=θdq+Atan(Vq/Vd
θv=θdq+Atan(Vq/Vd)−2×π/3
θw=θdq+Atan(Vq/Vd)+2×π/3
このように、第1制御割込部では、その時点の出力電圧位相角の情報と変調率指令により、どのようなゲート信号が出力されるかが正確に把握できる。つまり区間平均電圧演算部17は、図10に示す例えばゲート信号Guの波形を把握できる。よって、このゲート信号(ここでは1/−1の信号で表現されている)から、その積分値を演算にて求めることが可能である。
図10の3ダッシュパルスの場合、次のようにして区間平均電圧を求めることができる。
上記のように、3ダッシュパルスの場合、点弧する位相(点弧角θ)が上式により明らかであるため、例えばU相の場合、現在のU相出力電圧位相角をθu1、前回の位相角をθu2とすれば、次式のように、U相の区間平均電圧を演算できる。ただし、次式におけるGu3dP(θ)は、U相の3ダッシュパルスにおける前記点弧角θに対して選択されるゲート信号に対して、実際のU相出力電圧が正側電位出力であれば1を、負側電位出力であれば−1を出力する関数である。つまりGu3dP(θ)は1又は−1の値をとる。
Figure 2012110079
(第3実施例の作用効果)
以上のように構成することにより、同期PWM制御においても、区間平均電圧を算出することが可能である。本実施例では、第2制御割込処理を用いることなく、区間平均電圧を求めることができるため、制御マイコンのソフト的な負荷、あるいは特殊なハードを備えることなく実現できるメリットがある。
尚、本実施例では、誘導電動機を対象とした制御構成図となっているが、他の電動機を対象とした場合にも同様に適用できる。
以上の説明はこの発明の実施の形態であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができるものである。例えば、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。
1…パンタグラフ、2…車輪、3…リアクトル、4…コンデンサ、5…VVVFインバータ、6…相電流検出器、7…主電動機。

Claims (8)

  1. 直流電圧を交流電圧に変換し、交流電動機を駆動するインバータと、
    前記インバータへの出力電圧指令を演算する出力電圧指令演算手段と、
    前記出力電圧指令に基づきゲート信号を生成するゲート生成手段と、
    前記交流電動機に流れる電流を検出する検出手段と、
    第1の周期を有する第1制御割り込みの各区間における前記インバータ出力電圧平均値を区間平均電圧として演算する平均電圧演算手段と、
    前記検出手段にて検出された電流値及び前記平均電圧演算手段にて演算された区間平均電圧に基づき、前記交流電動機の回転速度を推定する処理を、前記第1制御割り込みのタイミングで行う速度推定手段と、
    を具備することを特徴とする位置・速度センサレス制御装置。
  2. 平均電圧演算手段は、前記ゲート信号及び前記直流電圧値に基づき、前記区間平均電圧を演算することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  3. 前記区間平均電圧演算手段は、前記第1制御割込より短い周期でゲート信号を読み取り、該ゲート信号を前記第1制御割込処理の各区間で積算して前記区間平均電圧を求めることを特徴とする請求項2記載の制御装置。
  4. 前記ゲート生成手段は、三角波比較PWMにてゲート信号を生成する手段であって、
    第1制御割込の割込周期が、三角波キャリアの1/2周期より短い周期に設定されることを特徴とする請求項1乃至3の内1項記載の制御装置。
  5. 前記ゲート生成手段は、三角波比較PWMにてゲート信号を生成する手段であって、
    第1制御割込の割込周期が、三角波キャリアの1/2周期の整数倍以外の周期に設定されることを特徴とする請求項1乃至3の内1項記載の制御装置。
  6. 前記インバータはNレベル出力の変換器であって、
    前記平均電圧演算手段は、前記インバータの出力電圧が前記Nレベルのいずれのレベルで出力されているか判断し、該出力レベル及び前記直流電圧に基づいて前記区間平均電圧を求めることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
  7. 前記区間平均電圧演算手段は、前記第1制御割込より短い周期で前記インバータの出力電圧レベルを読み取り、該出力電圧レベルを前記第1制御割込の各区間で積算して前記区間平均電圧を求めることを特徴とする請求項6記載の制御装置。
  8. 前記ゲート生成手段は、同期PWM方式にてゲート信号を生成することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
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