JP5396754B2 - 出力推定装置 - Google Patents

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本発明は、正弦波駆動で駆動する三相同期モータのトルクまたは推力を簡易な方法で推定する出力推定装置に関する。
PWM(Pulse Width Modulation)制御によってモータを制御する方式では、マイクロプロセッサを用いたディジタル制御が広く行われている。モータを制御するためには、モータ電流やモータのロータ位置情報を検出する必要があり、ディジタル制御では、ある所定のサンプリング周期毎にこれらのモータ情報を検出している。
FAサーボで使用される表面磁石構造の同期モータ(Surface Permanent Magnet Synchronous Motor)が出力するトルクは、モータ電流と比例関係にあるので、モータ電流の値をPWM制御で制御することで、モータが出力するトルクを制御することができる。
このようなモータを使用したシステム商品では、制御性や安全性を高める目的でモータが出力しているトルクを検出して、安全信号としてシステム保護をかける取り組みがなされている。
トルクの検出は、歪ゲージや渦電流検出方式のトルク検出器を用いれば精度良くトルクを検出することが可能であるが、モータのシャフトと負荷の間に取り付けるためシステムが大型になり、また取り付けによる性能悪化が問題となる。この問題を解決するために、図8に示すようにモータ電流とロータ位置情報からトルクを演算することによって求める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、誘導モータの例であるが、モータ電流と各相の線間電圧からトルクを演算することによって求める方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−255220号公報 特開平06−217585号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、ロータの位置情報を検出する必要があるが、最近のモータ制御装置とロータ位置検出手段(例えば、ロータリーエンコーダ)とのI/Fは、省線化のためシリアル通信で行われているものがほとんどであり、外部から容易にロータの位置情報を得ることができない。また、モータにエンコーダを取り付けるとコストアップとなる。
一方、特許文献2の方法では、各相の線間電圧を検出する必要があるが、PWM制御を行う場合には周期的に粗密となるパルス状の波形となり、この波形をローパスフィルタによって波形整形し電圧値を求めると振幅や位相の誤差が大きくなる。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、安価で安全性と信頼性の高いモータ制御システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の出力推定装置は、三相同期モータの少なくとも二相分のモータ電流の電流値を検出するモータ電流検出部と、前記モータ電流検出部で検出した二相分のモータ電流を用いて三相分のモータ電流を演算で求める電流演算器と、 前記電流演算器で求めた三相分のモータ電流から前記三相同期モータが出力している
トルクまたは推力を推定する出力推定部を備え、前記出力推定部は、前記電流演算器で検出した三相分のモータ電流から二相のモータ電流の交点を検出して他相のモータ電流から波高値を求め、前記モータ電流の波高値を用いて出力を推定する。
そして、前記出力推定部は、前記電流演算器で求めた三相分のモータ電流から二相のモータ電流の交点を検出し、極性が正である交点間でモータ電流の波高値を求め、または極性が負である交点間でモータ電流の波高値を求め、前記モータ電流の波高値を用いて出力を推定する。
また、前記モータ電流検出部は、三相分のモータ電流の電流値を検出し、二相分のモータ電流を加算して符号反転した値と残り一相の電流値を比較し、値が異なる場合に異常と判定する構成としてもよい。
また、前記出力推定部で求めた推定値を入力して出力上限設定値と比較し、前記出力上限設定値を超えた場合に、前記三相同期モータを停止させる指令を生成する指令回路を設けた構成としてもよい。
また、前記出力推定部で求めた推定値を入力して出力上限設定値と比較し、前記出力上限設定値を超えた場合に、モータ出力を低減させる指令を生成する指令回路を設けた構成としてもよい。
また、三相同期モータを正弦波駆動で駆動するモータ制御装置において、前記三相同期モータのモータ電流の電流値を検出するモータ電流検出部と、前記モータ電流検出部で検出した三相分のモータ電流から前記三相同期モータが出力しているトルクまたは推力を推定する出力推定部を備え、前記出力推定部は、前記モータ電流検出部で検出した三相分のモータ電流から二相のモータ電流の交点を検出して他相のモータ電流から波高値を求め、前記モータ電流の波高値を用いて出力を推定する構成としてもよい。
また、前記モータ制御装置は、前記出力推定部は、前記電流演算器で求めた三相分のモータ電流から二相のモータ電流の交点を検出し、極性が正である交点間でモータ電流の波高値を求め、または極性が負である交点間でモータ電流の波高値を求め、前記モータ電流の波高値を用いて出力を推定する構成としてもよい。
また、前記モータ制御装置は、上記記載のモータ制御装置の外部に出力上限設定値を設けた指令回路を備え、前記モータ制御装置の出力推定部で求めた推定値を前記指令回路に入力して出力上限設定値と比較し、前記推定値が出力上限設定値を超えたとき、前記指令回路は、前記モータ制御装置に対して三相同期モータを停止させる指令を出力する構成としてもよい。
また、三相同期モータを正弦波駆動で駆動するモータ制御システムにおいて、三相同期モータと、前記三相同期モータのモータ電流の電流値を検出する第1モータ電流検出部が検出した三相分のモータ電流から前記三相同期モータが出力しているトルクまたは推力を推定する第1出力推定部を有するモータ制御装置と、
前記モータ制御装置の外に設けた第2モータ電流検出部が検出した三相分のモータ電流から前記三相同期モータが出力しているトルクまたは推力を推定する第2出力推定部とから成る出力推定装置と、前記第1および第2出力推定部で求めた推定値を入力し、あらかじめ設定された設定値と比較する指令回路を備え、前記指令回路は、入力された2つの推定値の差が前記設定値を超えたとき、前記三相同期モータを停止させる指令をモータ制御装置に出力する構成としてもよい。
請求項1に記載の出力推定装置によれば、ロータまたは可動子の位置情報を検出する必要がなく、二相のモータ電流を検出するだけで、簡単にモータ出力を推定することができる。このため、トルク検出器の設置が不要となり、カップリングの設置およびシャフト長を増加による制御性能の低下がなく、安価なモータ制御システムを構築することができる。
さらに、モータ電流を検出しながら決められた領域で最大値を検出することで二相のモータ電流の交点誤検出を防止することができるため、ノイズにつよい、安価なモータ制御システムを構築することができる。
なお、三相分のモータ電流によって異常を逐次検出することができるため、推定した出力値の信頼性が高くなる。
また、請求項に記載の出力推定装置によれば、推定値が出力上限設定値を超えたときシステムを停止することができるので、安価で安全性の高いモータ制御システムを構築することができる。
また、請求項に記載の出力推定装置によれば、推定値が出力上限設定値を超えたときモータ出力を低減させながら運転することができるので、運転の継続性を優先させた安価で、安全性の高いモータ制御システムを構築することができる。
また、モータ電流検出部の構成を共用できるので、出力推定のための構成を安価に提供できる。
また、モータ電流検出部の構成を共用し、モータ電流を検出しながら決められた領域で最大値を検出することで二相のモータ電流の交点誤検出を防止することができるため、ノイズにつよい、出力推定のための構成を安価に提供できる。
また、モータ制御装置で推定した出力値で三相同期モータを停止することができるので、より安価で安全性の高いモータ制御システムを提供できる。
また、本発明のモータ制御システムによれば、モータ制御装置の内外に設けた2つの出力推定部で求めた推定値を比較して異常状態の確認を行うため、より安全性の高いモータ制御システムを提供できる。
三相同期モータを正弦波駆動で駆動するモータ制御装置において、前記三相同期モータのモータ電流の電流値を検出するモータ電流検出部と、前記モータ電流検出部で検出した三相分のモータ電流から前記三相同期モータが出力しているトルクまたは推力を推定する出力推定部を備え、前記出力推定部は、前記電流演算器で検出した三相分のモータ電流から二相のモータ電流の交点を検出して他相のモータ電流から波高値を求め、前記モータ電流の波高値を用いて出力を推定する。以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、図1、図2および図3を用いて説明する。図1は、モータ制御装置の外部に出力推定装置(トルク推定装置)を装備したモータ制御システムのブロック図を示している。各ブロックの役割を以下に説明する。
図1において、1はモータに電圧を印加して駆動させるモータ制御装置、2は三相同期
モータ、3は位置センサを示している。
三相同期モータ2には、ロータの表面にマグネットを配置してマグネットトルクを発生させるものや、ロータにスリットを設けてリラクタンストルクのみを発生させるもの、マグネットをロータの内部に配置してマグネットトルクとリラクタンストルクの両方を発生させるものがあり、モータの特性である効率やトルク性能、そしてコストを考慮してそれぞれ適した分野へ導入されている。
位置センサ3には、ロータの磁極位置(コミュテーション)のみを検出するCSセンサや、FA分野や自動車分野では高精度の位置決め制御や、高い応答性や頑強性が必要なことから、1回転で17bit以上の分解能を有するロータリーエンコーダや、1回転10bit以上の分解能を有するレゾルバ等の検出器が用いられている。また、位置センサ3とモータ制御装置1とのI/Fは省線化の目的でシリアル通信によるものが多い。
モータ制御装置1は、位置センサ3からのロータ位置情報に基づき、モータに電圧を印加するタイミングを制御することによってモータを駆動しており、電流制御を備えているものが多く、内部にCTやシャント抵抗器を配置して、モータ電流を電圧に変換し、変換された電圧値をA/Dコンバータによってディジタルデータに変換している。
図3は、三相のモータ電流波形図を示しており、2/3πラジアンの位相差をもった正弦波であり、U相、V相、W相のモータ電流(10a,10b、10c)をIu、Iv、Iw、θreを電気角、Aを正弦波の波高値とすると、モータ電流は二相の電流を検出し、残り一相は、下記の式1から演算により求めることができるので、コストダウンの目的でこのような構成とするケースが多い。
Figure 0005396754
モータ電流は、位置センサ3からのロータ位置情報と合わせて、下記の式2から3相/2相変換してq軸電流Iqとd軸電流Idに変換し、q軸とd軸電流を指令値と一致させるように電流を制御することでモータトルクを制御している。
Figure 0005396754
以上のような構成でモータが出力するトルクを求めるには、下記の式3あるいは式4を演算することによって求めることができる。
Figure 0005396754
Figure 0005396754
ここで、Pnはモータの極対数、Φfaは一相分の巻線に鎖交する電機子巻線鎖交磁束数の最大値、ΦfadはΦfaを3相/2相変換してえられ、Φfad=sqrt(3/2)・Φfaで表される。
この場合、ロータの電気角θreが必要であるが、位置センサ3の情報はシリアル通信によってモータ制御装置1と接続されているため、外部のシステムで位置センサ3の情報を検出するのは困難である。
この課題を解決するため、モータ制御装置1の外部にモータ電流検出部24(電流検出器4aと電流検出器4cおよびAD変換器6で構成)、電流演算器25および出力推定器5で構成した出力推定装置を設けている。
電流検出器4aと電流検出器4cは、モータ巻線に流れた電流を検出し、電圧に変換するものであり、CT(Current Transfer)や抵抗器が用いられる。電流検出器4aと電流検出器4cによって電圧値に変換されたモータ電流は、AD変換器6によってディジタル信号に変換される。
電流演算器25は、AD変換器6によってディジタル信号として検出した二相分のモータ電流を加算し、符号反転する方式によって(式1参照)、残り一相分の電流を求める。
出力推定部5は、交点検出器30と、各相のピーク検出器(31a、31b、31c)と、出力演算器32で構成されている。交点検出器30は、電流演算器25で求めた三相分のモータ電流を使用し、そのうち二相のモータ電流が等しくなる点を検出し、各相のピーク検出器(31a、31b、31c)に交点検出信号(C1〜C6)を出力する。交点検出器30は、電流演算器25のモータ電流検出のサンプリング時間によって、二相のモータ電流が等しくなるタイミングを検出できないケースもある。このような場合は二相のモータ電流の大小を比較し、大小が反転した点によって交点を検出することができる。
U相ピーク検出器31aは、交点検出器30で検出したV相のモータ電流10bとW相のモータ電流10cから生成される交点信号(C2、C5)が入力され、このときのU相モータ電流10aを保存することによってU相モータ電流10aの波高値Aを検出することができる。V相モータ電流およびW相モータ電流も同じ構成によってそれぞれのモータ電流の波高値Aを検出することができる。
出力演算器32は、各相のピーク検出器(31a、31b、31c)からの波高値を入力されるたびに波高値Aを更新し、この波高値Aから下記の式5を計算することによって、モータのトルクを容易に求めることができる。
Figure 0005396754
ここで、Pnはモータの極対数、Φfaは一相分の巻線に鎖交する電機子巻線鎖交磁束数の最大値であり、駆動モータによって定まる既知数である。
モータ電流検出部24は、二相分のモータを検出した構成としているが、三相分のモータ電流を検出してもよい。この場合、電流演算器25の演算は不要となる。
実施の形態1の出力推定装置によれば、ロータの位置情報を必要とせず、二相のモータ電流検出と簡単な演算処理によって、三相同期モータが出力しているトルクを推定できる。このように、トルク検出器を用いることなく出力異常を検出できるので、システムの安全性を確保することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図4から図6を用いて説明する。実施の形態1と異なるのは、モータ電流の波高値を検出する構成であり、この点を中心に説明する。
図4は出力推定部5aの構成を示したブロック図、図5と図6はモータの波高値を検出している波形を図示したものである。
出力推定部5aは、交点検出器30aと、各相のピーク更新器(33a、33b、33c)と、出力演算器32で構成されている。
交点検出器30aは、電流演算器25で求めた三相分のモータ電流を使用し、そのうち二相のモータ電流が等しくなる点(C1〜C6)を検出する。実施の形態1と同様に、交点検出器30aは、電流演算器25のモータ電流検出のサンプリング時間によって、二相のモータ電流が等しくなるタイミングを検出できないケースもある。このような場合は二相のモータ電流の大小を比較し、大小が反転した点によって交点を検出することができる。
交点検出器30aは、U相とW相の交点信号(C1、C4)、U相とV相の交点信号(C3、C6)をU相のピーク更新器33aに出力し、V相とU相の交点信号(C3、C6)、V相とW相の交点信号(C2、C5)をV相のピーク更新器33bに出力し、W相とU相の交点信号(C1、C4)、W相とV相の交点信号(C2、C5)をW相のピーク更新器33cに出力する。
次に、図5から図8を用いて各相のピーク更新器(33a、33b、33c)について説明する。
U相ピーク更新器33aは、交点検出器30aから入力された交点信号C1でピーク更新を開始するためにU相のモータ電流10aを記憶する。モータの進行方向が「+」の場合、図5に示すように波形となる。U相のモータ電流はサンプリング毎に検出するので、今回検出したU相のモータ電流10aと記憶したU相のモータ電流10aを比較し、今回検出したU相のモータ電流10aが大きい場合記憶した値を更新し、小さい場合は前回記憶した値を保持する。この動作を、モータ電流を検出する毎に繰り返し、交点信号C3が検出された時点で記憶した値をU相のモータ電流10aの最大値をする。
次に交点信号C3の検出でピーク更新を開始するためにV相のモータ電流10bを記憶する。U相のピーク更新器33aの動作と同様、V相のピーク更新器33bは、V相のモータ電流10bをサンプリング毎に検出するので、今回検出したV相のモータ電流10bと記憶したV相のモータ電流10bを比較し、今回検出したV相のモータ電流10bが大きい場合、記憶した値を更新し、小さい場合は前回記憶した値を保持する。この動作を、V相のモータ電流10bを検出する毎に繰り返し、交点信号C3が検出された時点で記憶した値をU相のモータ電流10bの最大値をする。
また、W相のモータ電流10cの最大値検出も同様の方法で検出できる。
また、交点信号C2、C4、C6を使用し、各交点で記憶したモータ電流とサンプリング毎に検出したモータ電流を比較し、今回検出したモータ電流が小さい場合記憶した値を更新し、大きい場合は前回記憶した値を保持することで、モータ電流の最小値を検出することができる。
また、進行方向が「−」の場合のモータ電流波形は図6のようになり、上記と同じ方法でモータ電流の最大値/最小値を検出することができる。
交点信号が図5や図6のような順序で発生しない場合は、例えば交点信号C1を検出し、交点信号C3やC5を検出せず、再び交点信号C1を検出した場合は、進行方向に変化が生じており、最大値を検出できないため図7の状態遷移図に示すように記憶した値をクリアし、再び交点信号C1を記憶し直して最大値の検出を開始する。
図8は図7の状態遷移図を表に表したものであり、交点信号C1の検出では、U相のモータ電流の最大値、もしくはW相のモータ電流の最大値の検出を開始、あるいは検出を完了する。
以上が各相のピーク更新器(33a、33b、33c)による各相のモータ電流の最大値/最小値の検出方法であり、この方法によってモータ電流の波高値を随時検出することができる。
実施の形態2の出力推定装置によれば、ロータの位置情報を必要とせず、二相のモータ電流検出と簡単な演算処理によって、三相同期モータが出力しているトルクを推定できる。また、モータ電流波形が歪んでいる場合にも、モータ電流の波高値を検出することができる。このように、トルク検出器を用いることなく出力異常を検出できるので、システムの安全性を確保することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2では、モータ電流検出部において二相分のモータ電流を検出したが、実施の形態3は、三相分のモータ電流を検出する。このため、実施の形態1および2における電流演算器の演算が不要となる。以下、相違点を中心に説明する。
図9は、実施の形態3における出力推定装置のブロック図である。図9において、モータ制御装置1の外部に設置した出力推定装置は、モータ電流検出部24a(3つの電流検出器4a−4cとAD変換器6aで構成)と、出力推定部5aで構成され、電流検出器4a−4cで検出した三相分のモータ電流をAD変換器6aに入力し、それぞれディジタル信号に変換する。
ディジタル信号に変換した三相分のモータ電流は、出力推定部5aに入力され、位相差が2/3πラジアンの三相正弦波信号の総和がゼロになる性質を利用して、検出した三相分のモータ電流を全て加算する。
その演算結果が検出誤差範囲内であれば、出力推定部5aは実施の形態1と同様に出力トルクの推定値を求める。一方、演算結果が検出誤差範囲外であれば、モータの異常、あるいはCTや抵抗器、AD変換器の異常が想定されるため、この場合はシステムの異常と判定する。
検出誤差は、CTや抵抗器、AD変換器の精度、モータの巻線に鎖交する電機子巻線鎖交磁束数のばらつきによって求めることができ、一般的な用途でトータルの検出誤差として±5〜10%程度であるので、検出誤差範囲として10〜15%に設定すればよい。こ
のばらつき範囲は、トルク検出器等の外部に測定器を接続する方式では精度は数%内であるが、電流と電圧から演算する方法や、電流とロータの位置情報から求める方法では、同じばらつき要因となるので、本方式の出力推定精度は十分に使用できるレベルである。
実施の形態3の出力推定装置によれば、CTの出力異常や、抵抗器の短絡/抵抗値変化異常、AD変換器の故障で生じる電流検出の異常を容易に検出することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態1から3と異なるのは、新たに指令回路を設けた点であり、この点を中心に説明する。
図10は、実施の形態4におけるモータ制御システムのブロック図である。図10において、指令回路22には、出力推定部5cが出力する推定トルクが入力され、モータ制御装置1へモータを駆動させるか、停止させるかの指令を出力する。駆動/停止の判断をするため指令回路22には、あらかじめ最大許容トルクを設定しておく。
指令回路22は、最大許容トルクと出力推定部5cのトルク推定値とを比較して、|トルク推定値|>|最大許容トルク|の関係が成立した場合に三相同期モータを停止させる指令を出力する。
また、指令回路22は、最大許容トルクと出力推定部5cのトルク推定値とを比較して、|トルク推定値|>|最大許容トルク|の関係が成立した場合に三相同期モータへのトルク制限値を低下させる指令をモータ制御装置1に出力するようにしてもよい。
本実施の形態によれば、簡易な構成で三相同期モータの出力トルクを最大許容トルクに制限し、最大許容トルクを超えるような異常が発生した場合にシステムを停止することができる。また、三相同期モータの出力トルクを更に低減させるような指令を与えることで、安価で安全性の高いシステムを構築することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5について説明する。実施の形態1から3と異なるのはモータ電流検出部や出力推定部をモータ制御装置1の外側ではなく、モータ制御装置1内に設けた点である。
図11は、実施の形態5におけるモータ制御装置のブロック図である。図11において、モータ制御装置1の内部に設置したモータ電流検出部24bは、3つの電流検出器12a−12cとAD変換器14で構成され、それぞれの役割は、実施の形態1、2と同様であり説明を省略する。
モータ電流検出部24bで検出した三相分のモータ電流は、出力推定部21で三相の正弦波信号の総和はゼロになる性質を利用して、検出した三相分のモータ電流を全て加算する。
その演算結果が検出誤差範囲内であれば、実施の形態1および2と同様に式5を用いてトルク推定の演算を行い、出力トルクを推定する。演算結果が検出誤差範囲外であれば、モータの異常、あるいはCTや抵抗器、AD変換器の異常が想定され、この場合はシステムの異常と判定する。検出誤差範囲は前述したように±5〜10%程度であるので、検出誤差範囲として10〜15%に設定すればよい。
なお、本実施の形態では、モータ電流検出部で三相のモータ電流を検出したが、一般的なモータ制御装置が備えている少なくとも2つの電流検出器を利用して実施の形態1および2と同様に二相分のモータ電流のみを検出する構成としてもよい。
本実施の形態によれば、モータ制御装置のみの安価な構成で、三相同期モータが出力しているトルクを推定することができる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6について説明する。実施の形態5と異なるのは指令回路をモータ制御装置の外側に設けて三相同期モータの出力異常を監視する点であり、この点を中心に説明する。
図12は、実施の形態6におけるモータ制御システムのブロック図である。図12において、指令回路22は、三相同期モータ2を駆動させるか、停止させるかの指令をモータ制御装置1へ出力する。駆動/停止の判断は、あらかじめ最大許容トルクを指令回路22に設定しておき、出力推定部5cが推定したトルク推定値と比較して、|トルク推定値|>|最大許容トルク|の関係が成立した場合に三相同期モータを停止させる。
あるいは、最大許容トルクと出力推定部5cが推定したトルク推定値とを比較して、|トルク推定値|>|最大許容トルク|の関係が成立した場合に、指令回路22は、三相同期モータへのトルク制限値を低下させる指令をモータ制御装置1に出力するようにしてもよい。さらに、指令回路22は、モータ制御装置1の内部に設けてもよい。
本実施の形態によれば、モータ制御装置が出力トルクの推定を行うため、より簡易な構成で三相同期モータの出力制限が可能となり、最大許容トルクを超えるような異常が発生した場合にシステムを停止することができる。あるいは、三相同期モータの出力を低減させるような指令を与えることで、安価で安全性の高いモータ制御システムを提供することができる。
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7について説明する。実施の形態1−6までと異なるのは出力推定部とモータ電流検出部をモータ制御装置の内部と外部の両方に設けた点であり、この点を中心に説明する。
図13は、実施の形態7におけるモータ制御システムのブロック図である。図13において、モータ制御装置1の内部にあるトルク推定部21によって求められたトルク推定値23と、モータ制御装置1の外部に設置したトルク推定部5aによって求められたトルク推定値11を共に指令回路22aに入力する。
指令回路22aでは、先ず入力されたトルク推定値11とトルク推定値23を比較し、その差が検出誤差範囲外であれば異常と判断してシステムを停止させる指令をモータ制御装置1のモータ制御部16に出力する。その差が検出誤差範囲内であれば、あらかじめ指令回路22aに設定してある最大許容トルクと、トルク推定部5a、トルク推定部21が推定したトルク推定値を比較して、|トルク推定値|>|最大許容トルク|の関係が成立した場合にモータを停止させる。検出誤差範囲は前述したように±5〜10%程度であるので、検出誤差範囲として10〜15%に設定すればよい。
同様に、あらかじめ指令回路22aに設定してある最大許容トルクと、トルク推定部5a、トルク推定部21が推定したトルク推定値を比較して、|トルク推定値|>|最大許容トルク|の関係が成立した場合にモータへのトルク制限値を低下させる指令をモータ制御装置1に出力するようにしてもよい。
本実施の形態によれば、モータ制御装置1の内部および外部に設置したモータ電流検出部とトルク推定部の結果を指令回路で比較して異常状態の確認を行うため、より安全性の高いシステムを構成することができる。
なお、上述した実施の形態1−7は、三相同期モータが出力するトルク(回転系)を推定する構成であるが、同様の方法によって、三相同期型のリニアモータが出力する推力(直動系)を推定することができる。
また、マグネットをロータ内部に配置したIPMモータ(Interior Magnet Synchronaous Motor)や、ロータにはマグネットがなく、スリットを設けてた同期リラクタンスモータ(Synchronous Reluctance Motor)等を含めた同期モータのトルク式は下記の式6で表される。
Figure 0005396754
ここで、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、βはq軸の位相を0ラジアンとした場合の位相角である。表面磁石構造の同期モータの場合は、位相角βが0ラジアンの場合に最大トルクとなり、同期リラクタンスモータの場合は、位相角βがπ/4ラジアン、IPMモータの場合は、LdとLqの値によって最大トルクを発生する位相角が異なる。Ld、Lqは既知数、最大トルクを出力する位相角βはこれらの既知数から計算によって求めることができるので、IPMモータや同期リラクタンスモータの場合も同様にして出力を推定することができる。
本発明の出力推定装置およびモータ制御装置は、ロータまたは可動子の位置情報がなくても三相同期モータの出力推定ができ、回転系および直動系のモータ制御システムにおける安全性確保などに有用である。
実施の形態1における出力推定装置のブロック図 実施の形態1における出力推定部のブロック図 実施の形態1のモータ電流波形の説明図 実施の形態2における出力推定部のブロック図 実施の形態2のモータ電流波形の説明図(1) 実施の形態2のモータ電流波形の説明図(2) 実施の形態2のモータ電流の波高値推定方法の状態遷移図 実施の形態2のモータ電流の波高値推定方法の状態遷移チャート 実施の形態3における出力推定装置のブロック図 実施の形態4におけるモータ制御システムのブロック図 実施の形態5におけるモータ制御装置のブロック図 実施の形態6におけるモータ制御システムのブロック図 実施の形態7におけるモータ制御システムのブロック図 従来例におけるトルク推定装置の要部ブロック図
1 モータ制御装置
2 三相同期モータ
3 位置センサ
4a、4b、4c 電流検出器
5、5a、5c 出力推定部
6、6a AD変換器
7a、7b、7c 各相のモータ検出電流(アナログ値)
8a、8b、8c 各相のモータ電流
9 位置情報シリアル通信データ
10a、10b、10c 各相のモータ検出電流(ディジタル値)
12a、12b、12c 電流検出器(モータ制御装置内)
14 AD変換器(モータ制御装置内)
15 位置検出回路(モータ制御装置内)
16 モータ制御部
17 モータ駆動回路
18 各相PWM信号
20 位置情報
21 出力推定部(モータ制御装置内)
22、22a 指令回路
23 トルク推定値
24、24a、24b モータ電流検出部
25 電流演算器
26a、26b I/Fデータ
30、30a 交点検出器
31a、31b、31c 各相のピーク検出器
32 出力演算器
33a、33b、33c 各相のピーク更新器

Claims (3)

  1. 三相同期モータの少なくとも二相分のモータ電流の電流値を検出するモータ電流検出部と、
    前記モータ電流検出部で検出した二相分のモータ電流を用いて三相分のモータ電流を演算で求める電流演算器と、
    前記電流演算器で求めた三相分のモータ電流から前記三相同期モータが出力しているトルクまたは推力を推定する出力推定部を備え、
    前記出力推定部は前記モータ電流のピーク更新器を含み、
    また、前記出力推定部は、前記電流演算器で検出した三相分のモータ電流から二相のモータ電流の交点を検出し、極性が正である交点間で前記ピーク更新器により他相のモータ電流の波高値を求め、または極性が負である交点間で前記ピーク更新器により他相のモータ電流の波高値を求め、前記モータ電流の波高値を用いて出力を推定することを特徴とする出力推定装置。
  2. 前記出力推定部で求めた推定値を入力して出力上限設定値と比較し、前記出力上限設定値を超えた場合に、前記三相同期モータを停止させる指令を生成する指令回路を設けた請求項1に記載の出力推定装置。
  3. 前記出力推定部で求めた推定値を入力して出力上限設定値と比較し、前記出力上限設定値を超えた場合に、モータ出力を低減させる指令を生成する指令回路を設けた請求項1または請求項2に記載の出力推定装置。
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