JP2000358393A - 電動機制御装置およびその方法 - Google Patents
電動機制御装置およびその方法Info
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/72—Electric energy management in electromobility
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- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 トルク指令値や回転数などが急変する過渡変
化時においても交流電動機を安定的に制御可能とする。 【解決手段】 交流電動機の各相の電圧指令値の絶対値
がA/2(ここで、Aは、バッテリ電圧と等価な値)を
越えるまでは(S105)、PWM波形電圧による制御
を行ない(S106)、電圧指令値の絶対値がA/2以
上となると、矩形波電圧による制御を行なう(S11
3)。さらに、各相の電圧指令値のうちのいずれかが、
インバータで生成可能な最大電圧値Vmaxを越えたと
きには(ステップS110〜S112)、トルク指令値
T*を△Tだけ引き下げて(S114)、電圧指令値の
算出(S103)を再度行なう。また、その引き下げら
れたトルク指令値T*を車両制御用のECUに通知する
(S115)。
化時においても交流電動機を安定的に制御可能とする。 【解決手段】 交流電動機の各相の電圧指令値の絶対値
がA/2(ここで、Aは、バッテリ電圧と等価な値)を
越えるまでは(S105)、PWM波形電圧による制御
を行ない(S106)、電圧指令値の絶対値がA/2以
上となると、矩形波電圧による制御を行なう(S11
3)。さらに、各相の電圧指令値のうちのいずれかが、
インバータで生成可能な最大電圧値Vmaxを越えたと
きには(ステップS110〜S112)、トルク指令値
T*を△Tだけ引き下げて(S114)、電圧指令値の
算出(S103)を再度行なう。また、その引き下げら
れたトルク指令値T*を車両制御用のECUに通知する
(S115)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機制御装置お
よびその方法に関し、特に、交流電動機を駆動制御する
技術に関する。
よびその方法に関し、特に、交流電動機を駆動制御する
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】交流電動機を直流電源を用いて駆動する
際にはインバータが用いられるが、このインバータはイ
ンバータ駆動回路によりスイッチング制御されており、
一般には、パルス幅変調(PWM)波形電圧が交流電動
機に印加される。
際にはインバータが用いられるが、このインバータはイ
ンバータ駆動回路によりスイッチング制御されており、
一般には、パルス幅変調(PWM)波形電圧が交流電動
機に印加される。
【0003】このPWM波形電圧による制御では、電圧
利用率に限界があり、十分な高出力が得られないという
問題がある。これに対して、矩形波電圧による制御があ
る。この矩形波電圧による制御は、例えば、特開平3−
143289号公報に記載されたものである。この公報
には、PWM波形電圧と矩形波電圧との双方を必要に応
じて切り替えて電動機に印加する技術が開示されてい
る。矩形波電圧による制御は、PWM波形電圧による制
御に比べて電圧利用率の点で優れており、この結果、電
動機の出力を高めることができる。
利用率に限界があり、十分な高出力が得られないという
問題がある。これに対して、矩形波電圧による制御があ
る。この矩形波電圧による制御は、例えば、特開平3−
143289号公報に記載されたものである。この公報
には、PWM波形電圧と矩形波電圧との双方を必要に応
じて切り替えて電動機に印加する技術が開示されてい
る。矩形波電圧による制御は、PWM波形電圧による制
御に比べて電圧利用率の点で優れており、この結果、電
動機の出力を高めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記矩
形波電圧による制御によれば、電圧を限界に近いところ
まで利用することから、トルク指令値や回転数などが急
変する過渡変化時に、バッテリに瞬時ドロップが発生し
たり、あるいは電流変化によるインダクタンス分電圧を
増大させる必要があったりした場合に、モータの要求す
る電圧をインバータで作ることができなくなり、弱め界
磁制御等の所望の制御を行なうことができなくなり、モ
ータ制御そのものが破綻するようなことがあった。この
結果、この従来技術では、交流電動機の制御を安定的に
行なうことができなかった。
形波電圧による制御によれば、電圧を限界に近いところ
まで利用することから、トルク指令値や回転数などが急
変する過渡変化時に、バッテリに瞬時ドロップが発生し
たり、あるいは電流変化によるインダクタンス分電圧を
増大させる必要があったりした場合に、モータの要求す
る電圧をインバータで作ることができなくなり、弱め界
磁制御等の所望の制御を行なうことができなくなり、モ
ータ制御そのものが破綻するようなことがあった。この
結果、この従来技術では、交流電動機の制御を安定的に
行なうことができなかった。
【0005】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、トルク指令値や
回転数などが急変する過渡変化時においても交流電動機
を安定的に制御可能とすることを第1の目的とする。ま
た、電圧利用率に優れた可変電圧制御を行ないながらも
その第1の目的を達成することを第2の目的とする。
を解決するためになされたものであり、トルク指令値や
回転数などが急変する過渡変化時においても交流電動機
を安定的に制御可能とすることを第1の目的とする。ま
た、電圧利用率に優れた可変電圧制御を行ないながらも
その第1の目的を達成することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するため、この発明の電動機制御装置は、
交流電動機を駆動するインバータと、前記交流電動機の
トルクなどの運転状態を表わす運転パラメータの目標値
を読み込む目標運転パラメータ入力手段と、前記運転パ
ラメータの目標値に基づいて、前記交流電動機の各相の
電圧を指令する電圧指令値を算出する電圧指令値算出手
段と、前記電圧指令値に応じて前記インバータに対する
スイッチング制御を行なうインバータ制御手段とを備え
る電動機制御装置において、前記電圧指令値算出手段
は、前記算出したいずれか1つの電圧指令値が、前記イ
ンバータ制御手段で生成可能な最大値より大きいか否か
を判別する判別手段と、該判別手段で肯定判別されたと
き、前記運転パラメータの目標値を補正して前記電圧指
令値の算出を再度行なう再実行手段とを備えることを要
旨とする。
記課題を解決するため、この発明の電動機制御装置は、
交流電動機を駆動するインバータと、前記交流電動機の
トルクなどの運転状態を表わす運転パラメータの目標値
を読み込む目標運転パラメータ入力手段と、前記運転パ
ラメータの目標値に基づいて、前記交流電動機の各相の
電圧を指令する電圧指令値を算出する電圧指令値算出手
段と、前記電圧指令値に応じて前記インバータに対する
スイッチング制御を行なうインバータ制御手段とを備え
る電動機制御装置において、前記電圧指令値算出手段
は、前記算出したいずれか1つの電圧指令値が、前記イ
ンバータ制御手段で生成可能な最大値より大きいか否か
を判別する判別手段と、該判別手段で肯定判別されたと
き、前記運転パラメータの目標値を補正して前記電圧指
令値の算出を再度行なう再実行手段とを備えることを要
旨とする。
【0007】上記構成の電動機制御装置では、運転パラ
メータの目標値に基づいて、電圧指令値算出手段により
交流電動機の各相の電圧指令値を算出し、その電圧指令
値に応じて、インバータ制御手段によりインバータに対
するスイッチング制御を行なう。さらに、その算出した
いずれか1つの電圧指令値が、インバータ制御手段で生
成可能な最大値より大きいと判別手段により判別された
とき、再実行手段により、前記運転パラメータの目標値
を補正して前記電圧指令値の算出を再度行なう。
メータの目標値に基づいて、電圧指令値算出手段により
交流電動機の各相の電圧指令値を算出し、その電圧指令
値に応じて、インバータ制御手段によりインバータに対
するスイッチング制御を行なう。さらに、その算出した
いずれか1つの電圧指令値が、インバータ制御手段で生
成可能な最大値より大きいと判別手段により判別された
とき、再実行手段により、前記運転パラメータの目標値
を補正して前記電圧指令値の算出を再度行なう。
【0008】このため、この発明の電動機制御装置によ
れば、電圧指令値算出手段により算出される電圧指令値
は、インバータ制御手段で生成可能な最大値以下に抑え
られる。したがって、トルク指令値や回転数などが急変
する過渡変化時にあっても交流電動機を安定的に制御す
ることができる。
れば、電圧指令値算出手段により算出される電圧指令値
は、インバータ制御手段で生成可能な最大値以下に抑え
られる。したがって、トルク指令値や回転数などが急変
する過渡変化時にあっても交流電動機を安定的に制御す
ることができる。
【0009】上記構成の電動機制御装置において、前記
インバータ制御手段は、前記交流電動機に印加される各
相の電圧が、前記電圧指令値に応じたパルス幅変調波形
電圧となるように、前記インバータに対してスイッチン
グ制御を行なうパルス幅変調波制御手段と、前記交流電
動機に印加される各相の電圧が、前記電圧指令値に応じ
た矩形波電圧となるように、前記インバータに対するス
イッチング制御を行なう矩形波制御手段と、前記パルス
幅変調波制御手段と前記矩形波制御手段とを選択的に切
り替える制御切替手段とを備える構成とすることができ
る。
インバータ制御手段は、前記交流電動機に印加される各
相の電圧が、前記電圧指令値に応じたパルス幅変調波形
電圧となるように、前記インバータに対してスイッチン
グ制御を行なうパルス幅変調波制御手段と、前記交流電
動機に印加される各相の電圧が、前記電圧指令値に応じ
た矩形波電圧となるように、前記インバータに対するス
イッチング制御を行なう矩形波制御手段と、前記パルス
幅変調波制御手段と前記矩形波制御手段とを選択的に切
り替える制御切替手段とを備える構成とすることができ
る。
【0010】この構成によれば、パルス幅変調(PW
M)波形電圧による制御と矩形波電圧による制御とを選
択的に切り替えて行なうことができる。矩形波電圧によ
る制御は電圧を高効率で利用することができることか
ら、制御全体として電圧利用率に優れているという効果
も奏する。
M)波形電圧による制御と矩形波電圧による制御とを選
択的に切り替えて行なうことができる。矩形波電圧によ
る制御は電圧を高効率で利用することができることか
ら、制御全体として電圧利用率に優れているという効果
も奏する。
【0011】上記PWM波形電圧による制御と矩形波電
圧による制御とを選択的に切り替えて行なう構成の電動
機制御装置において、前記矩形波制御手段は、前記交流
電動機に印加される各相の電圧が、順に、第1期間で第
1基準電圧となり、第2期間で前記第1基準電圧よりも
高い第2基準電圧となり、第3期間で前記第1基準電圧
となり、第4期間で前記第1基準電圧よりも低い第3基
準電圧となり、第4期間で前記第1基準電圧となるよう
に、前記インバータに対するスイッチング制御を行なう
構成とすることができる。
圧による制御とを選択的に切り替えて行なう構成の電動
機制御装置において、前記矩形波制御手段は、前記交流
電動機に印加される各相の電圧が、順に、第1期間で第
1基準電圧となり、第2期間で前記第1基準電圧よりも
高い第2基準電圧となり、第3期間で前記第1基準電圧
となり、第4期間で前記第1基準電圧よりも低い第3基
準電圧となり、第4期間で前記第1基準電圧となるよう
に、前記インバータに対するスイッチング制御を行なう
構成とすることができる。
【0012】この構成の電動機制御装置では、インバー
タでのスイッチング損失を低減することができ、インバ
ータの発熱を抑えることができるとともに、高効率で交
流電動機を駆動することができる。
タでのスイッチング損失を低減することができ、インバ
ータの発熱を抑えることができるとともに、高効率で交
流電動機を駆動することができる。
【0013】上記いずれの構成の電動機制御装置におい
ても、前記電圧指令値算出手段は、さらに、前記再実行
手段の実行後、当該再実行手段による補正後の前記運転
パラメータの目標値を補正前の値に漸次、復帰させて、
前記電圧指令値の算出を逐次行なう復帰手段を備える構
成とすることができる。
ても、前記電圧指令値算出手段は、さらに、前記再実行
手段の実行後、当該再実行手段による補正後の前記運転
パラメータの目標値を補正前の値に漸次、復帰させて、
前記電圧指令値の算出を逐次行なう復帰手段を備える構
成とすることができる。
【0014】この構成によれば、補正後の運転パラメー
タの目標値を補正前の値に漸次、復帰させながら、電圧
指令値の算出を逐次行なうことができる。このため、運
転パラメータを急変させることなしに元の目標値に戻す
ことができることから、交流電動機の制御精度を高める
ことができる。
タの目標値を補正前の値に漸次、復帰させながら、電圧
指令値の算出を逐次行なうことができる。このため、運
転パラメータを急変させることなしに元の目標値に戻す
ことができることから、交流電動機の制御精度を高める
ことができる。
【0015】また、上記いずれの構成の電動機制御装置
においても、交流電動機と、内燃機関と、前記運転パラ
メータを少なくとも含む各種指令に応じて前記交流電動
機および内燃機関の運転を制御する運転制御装置とを備
え、前記交流電動機と内燃機関のうちの少なくとも交流
電動機を駆動源として走行可能であるハイブリッド車両
に搭載されるとともに、さらに、前記再実行手段により
低くした運転パラメータの目標値を前記運転制御装置に
通知する通知手段を備える構成とすることもできる。
においても、交流電動機と、内燃機関と、前記運転パラ
メータを少なくとも含む各種指令に応じて前記交流電動
機および内燃機関の運転を制御する運転制御装置とを備
え、前記交流電動機と内燃機関のうちの少なくとも交流
電動機を駆動源として走行可能であるハイブリッド車両
に搭載されるとともに、さらに、前記再実行手段により
低くした運転パラメータの目標値を前記運転制御装置に
通知する通知手段を備える構成とすることもできる。
【0016】一般に、電気自動車の場合、主に単一の電
動機にて車両は駆動されるため、再実行手段により運転
パラメータの目標値を補正するような制限(例えば、ト
ルク制限)を行なっても、その影響は車両駆動力の低下
として現われるに過ぎない。これに対して、内燃機関と
交流電動機を備える構成のハイブリッド車両では、電動
機のトルク制限を行なうと、車両駆動力の低下だけでな
く、内燃機関の過回転等の支障を引き起こす可能性があ
る。上記通知手段を備える構成とすることで、再実行手
段による補正後の運転パラメータの目標値に応じた内燃
機関の制御を、運転制御装置により行なうことが可能と
なる。したがって、この構成によれば、交流電動機のト
ルク制限に起因する上記内燃機関の過回転等の支障を回
避することができるという効果を奏する。
動機にて車両は駆動されるため、再実行手段により運転
パラメータの目標値を補正するような制限(例えば、ト
ルク制限)を行なっても、その影響は車両駆動力の低下
として現われるに過ぎない。これに対して、内燃機関と
交流電動機を備える構成のハイブリッド車両では、電動
機のトルク制限を行なうと、車両駆動力の低下だけでな
く、内燃機関の過回転等の支障を引き起こす可能性があ
る。上記通知手段を備える構成とすることで、再実行手
段による補正後の運転パラメータの目標値に応じた内燃
機関の制御を、運転制御装置により行なうことが可能と
なる。したがって、この構成によれば、交流電動機のト
ルク制限に起因する上記内燃機関の過回転等の支障を回
避することができるという効果を奏する。
【0017】この発明の電動機制御方法は、(a)前記
交流電動機のトルクなどの運転状態を表わす運転パラメ
ータの目標値を読み込む工程と、(b)前記運転パラメ
ータの目標値に基づいて、前記交流電動機の各相の電圧
を指令する電圧指令値を算出する工程と、(c)前記電
圧指令値に応じて、前記交流電動機を駆動するインバー
タに対するスイッチング制御を行なう工程とを備えると
ともに、前記工程(b)は、(b1)前記算出したいず
れか1つの電圧指令値が、前記工程(c)で生成可能な
最大値より大きいか否かを判別する工程と、(b2)前
記工程(b1)で肯定判別されたとき、前記運転パラメ
ータの目標値を補正して前記電圧指令値の算出を再度行
なう工程とを備えることを要旨としている。
交流電動機のトルクなどの運転状態を表わす運転パラメ
ータの目標値を読み込む工程と、(b)前記運転パラメ
ータの目標値に基づいて、前記交流電動機の各相の電圧
を指令する電圧指令値を算出する工程と、(c)前記電
圧指令値に応じて、前記交流電動機を駆動するインバー
タに対するスイッチング制御を行なう工程とを備えると
ともに、前記工程(b)は、(b1)前記算出したいず
れか1つの電圧指令値が、前記工程(c)で生成可能な
最大値より大きいか否かを判別する工程と、(b2)前
記工程(b1)で肯定判別されたとき、前記運転パラメ
ータの目標値を補正して前記電圧指令値の算出を再度行
なう工程とを備えることを要旨としている。
【0018】この発明の電動機制御方法は、この発明の
電動機制御装置と同様に、トルク指令値や回転数などが
急変する過渡変化時にあっても交流電動機を安定的に制
御することができる。
電動機制御装置と同様に、トルク指令値や回転数などが
急変する過渡変化時にあっても交流電動機を安定的に制
御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に
係る第1実施例の電動機制御装置10の概略構成を示す
ブロック図であり、図2は、この電動機制御装置10を
搭載するハイブリッド車両の概略構成を示す説明図であ
る。
例に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に
係る第1実施例の電動機制御装置10の概略構成を示す
ブロック図であり、図2は、この電動機制御装置10を
搭載するハイブリッド車両の概略構成を示す説明図であ
る。
【0020】まず、図1を用いて、電動機制御装置10
の構造について説明する。図1に示すように、電動機制
御装置10は、バッテリBTから供給された直流電力を
交流電力に変換してモータ(三相同期型の交流電動機)
MTを駆動するインバータ12と、インバータ12に対
するスイッチング制御を行なうことにより、モータMT
の各コイルに印加される三相交流電圧を制御するモータ
制御用ECU14とを備える。
の構造について説明する。図1に示すように、電動機制
御装置10は、バッテリBTから供給された直流電力を
交流電力に変換してモータ(三相同期型の交流電動機)
MTを駆動するインバータ12と、インバータ12に対
するスイッチング制御を行なうことにより、モータMT
の各コイルに印加される三相交流電圧を制御するモータ
制御用ECU14とを備える。
【0021】インバータ12は、三相(U,V,W相)
の各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを
2つ1組で備えたトランジスタインバータである。
の各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを
2つ1組で備えたトランジスタインバータである。
【0022】モータ制御用ECU14の内部には、算術
論理演算を行なうCPU14a、このCPU14aが行
なう処理や必要なデータを予め記憶したROM14b、
処理に必要なデータ等を一時的に読み書きするRAM1
4c、計時を行なうクロック14d等が設けられてお
り、バス14eにより相互に接続されている。このバス
14eには、入力ポート14fや出力ポート14gも接
続されている。モータMTには、各相の電流値Iu,I
v,Iwを検出する電流センサ16,17,18や、モ
ータMTの回転数Nを検出する回転数センサ19が設け
られているが、CPU14aは、入力ポート14fを介
してこれら検出された電流値Iu,Iv,Iwおよび回
転数Nを読み込むことができる。また、入力ポート14
fには、トルク指令値Tcが別途入力可能となってい
る。
論理演算を行なうCPU14a、このCPU14aが行
なう処理や必要なデータを予め記憶したROM14b、
処理に必要なデータ等を一時的に読み書きするRAM1
4c、計時を行なうクロック14d等が設けられてお
り、バス14eにより相互に接続されている。このバス
14eには、入力ポート14fや出力ポート14gも接
続されている。モータMTには、各相の電流値Iu,I
v,Iwを検出する電流センサ16,17,18や、モ
ータMTの回転数Nを検出する回転数センサ19が設け
られているが、CPU14aは、入力ポート14fを介
してこれら検出された電流値Iu,Iv,Iwおよび回
転数Nを読み込むことができる。また、入力ポート14
fには、トルク指令値Tcが別途入力可能となってい
る。
【0023】モータ制御用ECU14には、入力ポート
14fから入力されたトルク指令値Tcに基づいて決定
されるモータMTの各相電圧が得られるように、モータ
の各コイル間に交流電圧を印加するインバータ12が、
その出力部に設けられている。モータ制御用ECU14
からの制御出力が、このインバータ12に出力されてお
り、モータMTの各コイルに印加される電圧を外部から
制御することが可能となっている。
14fから入力されたトルク指令値Tcに基づいて決定
されるモータMTの各相電圧が得られるように、モータ
の各コイル間に交流電圧を印加するインバータ12が、
その出力部に設けられている。モータ制御用ECU14
からの制御出力が、このインバータ12に出力されてお
り、モータMTの各コイルに印加される電圧を外部から
制御することが可能となっている。
【0024】次に、図2を用いて、上記電動機制御装置
10を搭載するハイブリッド車両の構成について説明す
る。図2はハイブリッド車両の概略構成を示す説明図で
ある。ハイブリッド車両とは、エンジンとモータの双方
を動力源として搭載した車両をいう。図2に示すハイブ
リッド車両は以下で説明するとおり、エンジン50の動
力を直接駆動輪に伝達可能な構成となっている。このハ
イブリッド車両の動力系統は、エンジン50と、前述し
たモータMTに相当する2つのモータ、すなわち、クラ
ッチモータ60およびアシストモータ70から構成され
ている。エンジン50は通常の車両に用いられるガソリ
ンエンジンである。クラッチモータ60とは、インナロ
ータ62とアウタロータ64とがそれぞれ相対的に回転
可能な対ロータ電動機である。クラッチモータ60のイ
ンナロータ62にはエンジン50のクランクシャフト5
2が結合され、アウタロータ64には車軸80が結合さ
れている。
10を搭載するハイブリッド車両の構成について説明す
る。図2はハイブリッド車両の概略構成を示す説明図で
ある。ハイブリッド車両とは、エンジンとモータの双方
を動力源として搭載した車両をいう。図2に示すハイブ
リッド車両は以下で説明するとおり、エンジン50の動
力を直接駆動輪に伝達可能な構成となっている。このハ
イブリッド車両の動力系統は、エンジン50と、前述し
たモータMTに相当する2つのモータ、すなわち、クラ
ッチモータ60およびアシストモータ70から構成され
ている。エンジン50は通常の車両に用いられるガソリ
ンエンジンである。クラッチモータ60とは、インナロ
ータ62とアウタロータ64とがそれぞれ相対的に回転
可能な対ロータ電動機である。クラッチモータ60のイ
ンナロータ62にはエンジン50のクランクシャフト5
2が結合され、アウタロータ64には車軸80が結合さ
れている。
【0025】アシストモータ70は、図示しない接続切
換装置によりアシストモータ70のロータ72の結合先
を選択的に切り換え可能となっている。図2に示す状態
は、アシストモータ70のロータ72が駆動軸であるク
ラッチモータ60のアウタロータ64に結合された状態
である。この結果、エンジン50から出力された動力
は、クラッチモータ60を経て、駆動軸であるアウタロ
ータ64に出力されるが、このアウタロータ64に対し
て、アシストモータ70が動力をやり取りすることが可
能となる。この結合状態をアンダードライブ結合と呼
ぶ。
換装置によりアシストモータ70のロータ72の結合先
を選択的に切り換え可能となっている。図2に示す状態
は、アシストモータ70のロータ72が駆動軸であるク
ラッチモータ60のアウタロータ64に結合された状態
である。この結果、エンジン50から出力された動力
は、クラッチモータ60を経て、駆動軸であるアウタロ
ータ64に出力されるが、このアウタロータ64に対し
て、アシストモータ70が動力をやり取りすることが可
能となる。この結合状態をアンダードライブ結合と呼
ぶ。
【0026】他方、接続切換装置により、アシストモー
タ70のロータ72の結合先を、クラッチモータ60の
インナロータ62に切り換えることができる。図3は、
アシストモータ70のロータ72がクラッチモータ60
のインナロータ62に結合された状態を模式的に示して
いる。この結果、エンジン50からクラッチモータ60
を経て駆動軸であるアウタロータ64に出力される動力
の出力系統に対して、アシストモータ70はクランクシ
ャフト52からインナロータ62の間で動力のやり取り
を行なうことが可能となる。この結合状態をオーバード
ライブ結合と呼ぶ。
タ70のロータ72の結合先を、クラッチモータ60の
インナロータ62に切り換えることができる。図3は、
アシストモータ70のロータ72がクラッチモータ60
のインナロータ62に結合された状態を模式的に示して
いる。この結果、エンジン50からクラッチモータ60
を経て駆動軸であるアウタロータ64に出力される動力
の出力系統に対して、アシストモータ70はクランクシ
ャフト52からインナロータ62の間で動力のやり取り
を行なうことが可能となる。この結合状態をオーバード
ライブ結合と呼ぶ。
【0027】クラッチモータ60、アシストモータ70
は、前述したように、インバータ12に接続されてお
り、バッテリBTとの間で電力のやり取りを行ないなが
ら、それぞれインバータ12により駆動される。これら
の運転は、前述したようにモータ制御用ECU14によ
り制御されている。モータ制御用ECU14には、ハイ
ブリッド車両制御用ECU90が接続されている。
は、前述したように、インバータ12に接続されてお
り、バッテリBTとの間で電力のやり取りを行ないなが
ら、それぞれインバータ12により駆動される。これら
の運転は、前述したようにモータ制御用ECU14によ
り制御されている。モータ制御用ECU14には、ハイ
ブリッド車両制御用ECU90が接続されている。
【0028】ハイブリッド車両制御用ECU90は、C
PU、ROM、RAM等を内蔵しており、CPUがRO
Mに記録されたプログラムに従い、クラッチモータ6
0、アシストモータ70のトルク指令値Tcやエンジン
50の運転指令を決定する制御を実行する。なお、クラ
ッチモータ60、アシストモータ70のトルク指令値T
cの決定は、アクセルセンサ92にて検出されたアクセ
ル開度やバッテリBTの容量等を総合的に勘案して行な
われており、こうして求められたトルク指令値Tcは、
モータ制御用ECU14に送られる。また、ハイブリッ
ド車両制御用ECU90は、エンジン50の運転制御用
のEFIECU95に接続されており、求めたエンジン
50の運転指令をEFIECU95に送っている。
PU、ROM、RAM等を内蔵しており、CPUがRO
Mに記録されたプログラムに従い、クラッチモータ6
0、アシストモータ70のトルク指令値Tcやエンジン
50の運転指令を決定する制御を実行する。なお、クラ
ッチモータ60、アシストモータ70のトルク指令値T
cの決定は、アクセルセンサ92にて検出されたアクセ
ル開度やバッテリBTの容量等を総合的に勘案して行な
われており、こうして求められたトルク指令値Tcは、
モータ制御用ECU14に送られる。また、ハイブリッ
ド車両制御用ECU90は、エンジン50の運転制御用
のEFIECU95に接続されており、求めたエンジン
50の運転指令をEFIECU95に送っている。
【0029】上記構成によるハイブリッド車両では、エ
ンジン50から出力される動力の一部がクラッチモータ
60のインナロータ62とアウタロータ64の電磁的な
結合により車軸80に伝達される。この際、両ロータ間
の相対的な滑りを制御することによって、クランクシャ
フト52の回転数を車軸80に要求された回転数に変換
する。クラッチモータ60は、両ロータの相対的な滑り
により一部の動力を電力として回生する。一方、アシス
トモータ70は、電力の供給を受けて車軸80に出力さ
れるトルクが要求トルクに一致するようにトルクを付加
する。この電力には、クラッチモータ60で回生された
電力が用いられる。かかるハイブリッド車両は、クラッ
チモータ60、アシストモータ70を用いることによ
り、エンジン50から出力された動力を要求トルク、回
転数に変換指定出力可能であるため、効率の高いポイン
トを選択してエンジン50を運転することができる。な
お、このハイブリッド車両は、その他、エンジン50の
運転を停止してアシストモータ70から出力される動力
のみを用いて走行するなど、各種の運転モードによる走
行が可能となっている。
ンジン50から出力される動力の一部がクラッチモータ
60のインナロータ62とアウタロータ64の電磁的な
結合により車軸80に伝達される。この際、両ロータ間
の相対的な滑りを制御することによって、クランクシャ
フト52の回転数を車軸80に要求された回転数に変換
する。クラッチモータ60は、両ロータの相対的な滑り
により一部の動力を電力として回生する。一方、アシス
トモータ70は、電力の供給を受けて車軸80に出力さ
れるトルクが要求トルクに一致するようにトルクを付加
する。この電力には、クラッチモータ60で回生された
電力が用いられる。かかるハイブリッド車両は、クラッ
チモータ60、アシストモータ70を用いることによ
り、エンジン50から出力された動力を要求トルク、回
転数に変換指定出力可能であるため、効率の高いポイン
トを選択してエンジン50を運転することができる。な
お、このハイブリッド車両は、その他、エンジン50の
運転を停止してアシストモータ70から出力される動力
のみを用いて走行するなど、各種の運転モードによる走
行が可能となっている。
【0030】次に、モータ制御用ECU14の動作につ
いて詳細に説明する。モータ制御用ECU14は、入力
ポート14fから入力されたトルク指令値Tcをモータ
制御用のトルク指令値T*として、そのモータ制御用の
トルク指令値T*に応じて各相の電圧指令値を算出し、
その電圧指令値と搬送波である三角波とを比較し、その
比較結果に基づいてインバータ12に含まれる複数のス
イッチング素子にオンオフ指令を与える。これにより、
電圧指令値が正弦波状に推移している場合には、インバ
ータ12からはモータMTの各コイルにPWM波形電圧
(疑似正弦波電圧)が印加される。一方、電圧指令値が
矩形波状に推移している場合には、インバータ12から
はモータMTの各コイルにその矩形波に対応する矩形波
電圧が印加される。
いて詳細に説明する。モータ制御用ECU14は、入力
ポート14fから入力されたトルク指令値Tcをモータ
制御用のトルク指令値T*として、そのモータ制御用の
トルク指令値T*に応じて各相の電圧指令値を算出し、
その電圧指令値と搬送波である三角波とを比較し、その
比較結果に基づいてインバータ12に含まれる複数のス
イッチング素子にオンオフ指令を与える。これにより、
電圧指令値が正弦波状に推移している場合には、インバ
ータ12からはモータMTの各コイルにPWM波形電圧
(疑似正弦波電圧)が印加される。一方、電圧指令値が
矩形波状に推移している場合には、インバータ12から
はモータMTの各コイルにその矩形波に対応する矩形波
電圧が印加される。
【0031】図4は、以上の動作を実現するモータ制御
用ECU14のCPU14aで実行されるモータ制御処
理を示すフローチャートである。このモータ制御処理
は、所定時間毎に繰り返し実行される。図示するよう
に、処理が開始されると、CPU14aは、まず、回転
数Nおよびトルク指令値Tcの読み込みを行なう(ステ
ップS100)。回転数Nは、回転数センサ19により
検出されたもので、トルク指令値Tcは、ハイブリッド
車両制御用ECU90から出力されたものである。次い
で、CPU14aは、このトルク指令値Tcをモータ制
御用のトルク指令値T*としてRAM14c内に記憶す
る(ステップS101)。続いて、CPU14aは、上
記回転数Nとトルク指令値T*に基づいてモータMTの
d軸、q軸の目標電流id*,iq*を算出する処理を
行なう(ステップS102)。
用ECU14のCPU14aで実行されるモータ制御処
理を示すフローチャートである。このモータ制御処理
は、所定時間毎に繰り返し実行される。図示するよう
に、処理が開始されると、CPU14aは、まず、回転
数Nおよびトルク指令値Tcの読み込みを行なう(ステ
ップS100)。回転数Nは、回転数センサ19により
検出されたもので、トルク指令値Tcは、ハイブリッド
車両制御用ECU90から出力されたものである。次い
で、CPU14aは、このトルク指令値Tcをモータ制
御用のトルク指令値T*としてRAM14c内に記憶す
る(ステップS101)。続いて、CPU14aは、上
記回転数Nとトルク指令値T*に基づいてモータMTの
d軸、q軸の目標電流id*,iq*を算出する処理を
行なう(ステップS102)。
【0032】その後、CPU14aは、電流センサ1
6、17,18により検出された電流値Iu,Iv,I
wを3相/2相変換し、それを電流フィードバック値と
して、上記算出した目標電流id*,iq*とその電流
フィードバック値を用いて、いわゆる比例積分制御(P
I制御)を行なうことにより、電圧指令値Vd*,Vq
*を求め、さらには、これらの電圧指令値を2相/3相
変換することにより、U,V,Wの各相の電圧指令値V
u*,Vv*,Vw*を算出する(ステップS10
3)。
6、17,18により検出された電流値Iu,Iv,I
wを3相/2相変換し、それを電流フィードバック値と
して、上記算出した目標電流id*,iq*とその電流
フィードバック値を用いて、いわゆる比例積分制御(P
I制御)を行なうことにより、電圧指令値Vd*,Vq
*を求め、さらには、これらの電圧指令値を2相/3相
変換することにより、U,V,Wの各相の電圧指令値V
u*,Vv*,Vw*を算出する(ステップS10
3)。
【0033】次いで、CPU14aは、その算出した電
圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて波高値Va
cを算出する処理を行なう(ステップS104)。通
常、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*は正弦波状に推
移しており、このステップS104ではその正弦波の波
高値Vacを算出する処理を行なう。詳細には次のよう
にして求めている。現時点でのモータMTのロータ位置
をθとし、ロータ原点と通電電流の0点との位相差をα
とすると、例えば電圧指令値Vu*,Vv*は次のよう
に求められる。
圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて波高値Va
cを算出する処理を行なう(ステップS104)。通
常、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*は正弦波状に推
移しており、このステップS104ではその正弦波の波
高値Vacを算出する処理を行なう。詳細には次のよう
にして求めている。現時点でのモータMTのロータ位置
をθとし、ロータ原点と通電電流の0点との位相差をα
とすると、例えば電圧指令値Vu*,Vv*は次のよう
に求められる。
【0034】 Vu*=Vac×sin(θ+α) …(1) Vv*=Vac×sin(θ+α−2/3π) …(2)
【0035】(1)式,(2)式からθ+αを消去する
と、波高値Vacは次のように求められる。
と、波高値Vacは次のように求められる。
【0036】 Vac=2/√3×(Vu*2+Vu*×Vv*+Vv*2)1/2 …(3)
【0037】すなわち、ステップS104では、電圧指
令値Vu*,Vv*,Vw*のうち任意の二つの値を用
いて波高値Vacを算出する。
令値Vu*,Vv*,Vw*のうち任意の二つの値を用
いて波高値Vacを算出する。
【0038】その後、CPU14aは、ステップS10
4で算出した波高値Vacが次式(4)を満足するか否
かを判断する(ステップS105)。
4で算出した波高値Vacが次式(4)を満足するか否
かを判断する(ステップS105)。
【0039】Vac>A/2 …(4)
【0040】ここで、Aは、バッテリBTの電圧と等価
な制御上の値で、後述するPWM制御処理で用いる搬送
波の振幅に相当する(図5参照)。なお、このAは、電
動機制御装置10によって決まる値である。すなわち、
ステップS105では、ステップS101で算出した電
圧指令値Vu*,Vv*,Vw*がバッテリBTの供給
電圧を超えて推移しようとするものであるか否かを判断
している。そして、波高値VacがAを2で除したもの
以下であると判断された場合には、三角波比較によるP
WM制御処理によりモータMTを駆動する(ステップS
106)。
な制御上の値で、後述するPWM制御処理で用いる搬送
波の振幅に相当する(図5参照)。なお、このAは、電
動機制御装置10によって決まる値である。すなわち、
ステップS105では、ステップS101で算出した電
圧指令値Vu*,Vv*,Vw*がバッテリBTの供給
電圧を超えて推移しようとするものであるか否かを判断
している。そして、波高値VacがAを2で除したもの
以下であると判断された場合には、三角波比較によるP
WM制御処理によりモータMTを駆動する(ステップS
106)。
【0041】図5は、PWM制御処理による三角波比較
がどのようなものであるかを示す説明図である。図示す
るように、このPWM制御処理によれば、三相の各相ご
とに電圧指令値Vu*(図示したのはU相だけ)の正弦
波と変調用の搬送波である三角波とを比較することによ
りパルス幅を決定している。なお、この三角波比較の方
法は周知のもので、ここでは詳しい説明は省略する。
がどのようなものであるかを示す説明図である。図示す
るように、このPWM制御処理によれば、三相の各相ご
とに電圧指令値Vu*(図示したのはU相だけ)の正弦
波と変調用の搬送波である三角波とを比較することによ
りパルス幅を決定している。なお、この三角波比較の方
法は周知のもので、ここでは詳しい説明は省略する。
【0042】一方、波高値VacがAを2で除したもの
を超えている場合には、以下の処理を実行する。まず、
波高値Vacが、インバータ12で生成可能な最大電圧
値Vmaxより大きいか否かを判別する(ステップS1
10)。ここで、最大電圧値Vmaxは、次式(5)に
従って求める。
を超えている場合には、以下の処理を実行する。まず、
波高値Vacが、インバータ12で生成可能な最大電圧
値Vmaxより大きいか否かを判別する(ステップS1
10)。ここで、最大電圧値Vmaxは、次式(5)に
従って求める。
【0043】Vmax=A/2×4/π …(5)
【0044】ここで4/π倍したのは、後述する矩形電
圧制御を実施することで、モータ印加電圧が増加するた
めである。なお、ステップS105,ステップS110
はともに、電圧指令値の大きさを物理的な出力可否に関
して判定するに際し、実際のバッテリ電圧Vbtでなく
Aを用いるために、センサ等の新たな検出装置を設ける
必要がない。
圧制御を実施することで、モータ印加電圧が増加するた
めである。なお、ステップS105,ステップS110
はともに、電圧指令値の大きさを物理的な出力可否に関
して判定するに際し、実際のバッテリ電圧Vbtでなく
Aを用いるために、センサ等の新たな検出装置を設ける
必要がない。
【0045】ステップS110において否定判定された
場合、すなわち、電圧指令値の振幅Vacが最大電圧V
max以下であると判別された場合には、CPU14a
は、ステップS113に処理を進めて、以下に示す矩形
波電圧制御処理を実行する。
場合、すなわち、電圧指令値の振幅Vacが最大電圧V
max以下であると判別された場合には、CPU14a
は、ステップS113に処理を進めて、以下に示す矩形
波電圧制御処理を実行する。
【0046】図6は、前述したステップS113で実行
される矩形波電圧制御処理を示すフローチャートであ
る。図示するように、この矩形波電圧制御処理に処理が
移行すると、CPU14aは、まず、次式(6)に従っ
て電圧識閾値Vthを算出する(ステップS201)。
される矩形波電圧制御処理を示すフローチャートであ
る。図示するように、この矩形波電圧制御処理に処理が
移行すると、CPU14aは、まず、次式(6)に従っ
て電圧識閾値Vthを算出する(ステップS201)。
【0047】 Vth=Vac×sin[cos-1{πVac/(2A)}]…(6)
【0048】図7は、この矩形波電圧制御処理によりモ
ータMTに与えられる電圧波形と、上記電圧識閾値Vt
hとの関係を示す説明図である。同図において、波形S
1は、矩形波制御処理によって生成される電圧指令値V
u*、Vv*、Vw*を表わしている。一方、波形S2
は、PWM制御処理によって生成される電圧指令値Vu
*、Vv*、Vw*であり、上記ステップS101で算
出された電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*と一致した
ものである。そして、波形S1をフーリエ逆変換して得
られる基本波が波形S2に一致するようしている。
ータMTに与えられる電圧波形と、上記電圧識閾値Vt
hとの関係を示す説明図である。同図において、波形S
1は、矩形波制御処理によって生成される電圧指令値V
u*、Vv*、Vw*を表わしている。一方、波形S2
は、PWM制御処理によって生成される電圧指令値Vu
*、Vv*、Vw*であり、上記ステップS101で算
出された電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*と一致した
ものである。そして、波形S1をフーリエ逆変換して得
られる基本波が波形S2に一致するようしている。
【0049】このモータ制御用ECU14では、この矩
形波制御処理を実行することにより、この波形S2に係
る電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*をリアルタイムに
波形S1に係る電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に修
正変更することで、波形S1の電圧をモータMTに印加
している。こうすることにより、矩形波電圧制御からP
WM制御に制御モードが移行した際にも、モータMTの
トルクに大きな影響を与えると考えられる基本波の実効
値が変化しないため、モータMTにショックが発生せ
ず、かかる電動機制御装置10を搭載する電気自動車の
ドライプフィーリングを好適なものに維持することが可
能となる。
形波制御処理を実行することにより、この波形S2に係
る電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*をリアルタイムに
波形S1に係る電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に修
正変更することで、波形S1の電圧をモータMTに印加
している。こうすることにより、矩形波電圧制御からP
WM制御に制御モードが移行した際にも、モータMTの
トルクに大きな影響を与えると考えられる基本波の実効
値が変化しないため、モータMTにショックが発生せ
ず、かかる電動機制御装置10を搭載する電気自動車の
ドライプフィーリングを好適なものに維持することが可
能となる。
【0050】この波形S1を生成するためには、同図に
示す、電気角α,180゜−α,180゜+α,360
゜−αのタイミングを得る必要がある。ここでは同図横
軸から波形S1と波形S2とが交差する点までの電位差
である電圧識閾値Vthを算出することにより、このタ
イミングを得ている。詳細には、まず、波形S1の基本
波の波高値Vrecは、αを用いて次式(7)で示され
る。
示す、電気角α,180゜−α,180゜+α,360
゜−αのタイミングを得る必要がある。ここでは同図横
軸から波形S1と波形S2とが交差する点までの電位差
である電圧識閾値Vthを算出することにより、このタ
イミングを得ている。詳細には、まず、波形S1の基本
波の波高値Vrecは、αを用いて次式(7)で示され
る。
【0051】 Vrec=2A/π×cosα …(7)
【0052】(7)式はフーリエ逆変換して得られる。
そして、この波高値Vrecが波高値Vacに等しいと
の条件により、次式(8)が求められる。ところで、電
圧識閾値Vthは電気角αを用いて次式(9)に示すよ
うに表わされる。
そして、この波高値Vrecが波高値Vacに等しいと
の条件により、次式(8)が求められる。ところで、電
圧識閾値Vthは電気角αを用いて次式(9)に示すよ
うに表わされる。
【0053】 α=cos-1{πVac/(2A)} …(8) Vth=Vac×sinα …(9)
【0054】(9)式に(8)式を代入することにより
(6)式が導出される。
(6)式が導出される。
【0055】こうして、この電動機制御装置10では電
圧指令値Vu*,Vv*,Vw*の値が電圧識閾値Vt
hを超えるか否かを監視することで、電気角α,180
゜−α,180゜+α,360゜−αのタイミングを容
易に得ることができ、波形S1を生成することができ
る。すなわち、図6のステップS202においてはu相
の電圧指令値Vu*につき、その絶対値が電圧識閾値V
thを超えているか否かを判断する。そして、超えてい
る場合には電圧指令値Vu*の値をA/2にVu*の符
号を付した値に修正し(ステップS203)、一方、電
圧指令値Vu*の絶対値が電圧識閾値Vth以下である
場合には電圧指令値Vu*の値を零に設定する(ステッ
プS204)。同様の処理をv相の電圧指令値Vv*と
w相の電圧指令値Vw*にも適用する(S205〜S2
10)。そして、CPU14aは、その修正済みの電圧
指令値Vu*、Vv*、Vw*をインバータ12に出力
する(ステップS211)。
圧指令値Vu*,Vv*,Vw*の値が電圧識閾値Vt
hを超えるか否かを監視することで、電気角α,180
゜−α,180゜+α,360゜−αのタイミングを容
易に得ることができ、波形S1を生成することができ
る。すなわち、図6のステップS202においてはu相
の電圧指令値Vu*につき、その絶対値が電圧識閾値V
thを超えているか否かを判断する。そして、超えてい
る場合には電圧指令値Vu*の値をA/2にVu*の符
号を付した値に修正し(ステップS203)、一方、電
圧指令値Vu*の絶対値が電圧識閾値Vth以下である
場合には電圧指令値Vu*の値を零に設定する(ステッ
プS204)。同様の処理をv相の電圧指令値Vv*と
w相の電圧指令値Vw*にも適用する(S205〜S2
10)。そして、CPU14aは、その修正済みの電圧
指令値Vu*、Vv*、Vw*をインバータ12に出力
する(ステップS211)。
【0056】こうすれば、電気角0〜αの第1期問に0
電位(第1基準電圧)、電気角α〜180゜−αの第2
期間にVbt/2(第2基準電圧)、電気角α〜180
゜−α〜180゜+αの第3期間に0電位(第1基準電
圧)、電気角180゜+α〜360゜−αの第4期間に
−Vbt/2(第3基準電圧)、電気角360゜−α〜
360゜の第5期間に0電位(第1基準電圧)、のよう
に推移する電圧をモータMTに印加することができる。
電位(第1基準電圧)、電気角α〜180゜−αの第2
期間にVbt/2(第2基準電圧)、電気角α〜180
゜−α〜180゜+αの第3期間に0電位(第1基準電
圧)、電気角180゜+α〜360゜−αの第4期間に
−Vbt/2(第3基準電圧)、電気角360゜−α〜
360゜の第5期間に0電位(第1基準電圧)、のよう
に推移する電圧をモータMTに印加することができる。
【0057】図4のフローチャートに戻り、ステップS
110において肯定判定された場合、すなわち、Vac
が最大電圧Vmaxを越えたと判別された場合には、C
PU14aは、処理をステップS114に進めて、目標
とするトルク指令値T*を所定量ΔTだけ減少補正す
る。その後、そのトルク指令値T*を、出力ポート14
gを介してハイブリッド車両制御用ECU90に送信す
る処理を行なう(ステップS115)。ステップS11
5の実行後、CPU14aは、ステップS102に処理
を戻してステップS102以下の処理を実行し直す。
110において肯定判定された場合、すなわち、Vac
が最大電圧Vmaxを越えたと判別された場合には、C
PU14aは、処理をステップS114に進めて、目標
とするトルク指令値T*を所定量ΔTだけ減少補正す
る。その後、そのトルク指令値T*を、出力ポート14
gを介してハイブリッド車両制御用ECU90に送信す
る処理を行なう(ステップS115)。ステップS11
5の実行後、CPU14aは、ステップS102に処理
を戻してステップS102以下の処理を実行し直す。
【0058】なお、ステップS106またはステップS
113の処理が終了すると、「エンド」に抜けてこのル
ーチンに従う処理を終了する。
113の処理が終了すると、「エンド」に抜けてこのル
ーチンに従う処理を終了する。
【0059】図8は、このモータ制御処理によってイン
バータ12からモータMTに印加される単相の出力電圧
を示すグラフである。今回、インバータとしては2レベ
ルインバータを考えているため、デューティ比50
[%]のスイッチングを行なうことで、第1,3,5期
間の0電位を等価的に発生させている。
バータ12からモータMTに印加される単相の出力電圧
を示すグラフである。今回、インバータとしては2レベ
ルインバータを考えているため、デューティ比50
[%]のスイッチングを行なうことで、第1,3,5期
間の0電位を等価的に発生させている。
【0060】このモータ制御処理によれば、さらに、電
圧指令値の振幅Vacが、インバータ12で生成可能な
最大電圧値Vmaxを越えたときには、トルク指令値T
*がΔTだけ引き下げられて電圧指令値Vu*,Vv
*,Vw*の算出が再度行なわれる。また、その引き下
げられたトルク指令値T*がハイブリッド車両制御用E
CU90に通知される。
圧指令値の振幅Vacが、インバータ12で生成可能な
最大電圧値Vmaxを越えたときには、トルク指令値T
*がΔTだけ引き下げられて電圧指令値Vu*,Vv
*,Vw*の算出が再度行なわれる。また、その引き下
げられたトルク指令値T*がハイブリッド車両制御用E
CU90に通知される。
【0061】上記トルク指令値T*は電動機制御装置1
0によってモータMTで実際に出力されるトルクに一致
することから、このトルク指令値T*を受けたハイブリ
ッド車両制御用ECU90は、そのトルク指令値T*に
応じて、エンジン50や他方側のモータの制御値を算出
して、EFIECU95に制御信号を送り、あるいはモ
ータ制御用ECUに他方側のモータを制御するための制
御信号を送る。
0によってモータMTで実際に出力されるトルクに一致
することから、このトルク指令値T*を受けたハイブリ
ッド車両制御用ECU90は、そのトルク指令値T*に
応じて、エンジン50や他方側のモータの制御値を算出
して、EFIECU95に制御信号を送り、あるいはモ
ータ制御用ECUに他方側のモータを制御するための制
御信号を送る。
【0062】以上のように構成されたこの第1実施例で
は、電圧指令値がインバータ12で生成可能な最大電圧
値を越えるようなときには、トルク指令値T*がΔTだ
け引き下げられて電圧指令値が再算出されることから、
電圧指令値はその最大電圧値以下に常に抑えられる。し
たがって、トルク指令値や回転数などが急変する過渡変
化時に、モータMTの要求する電圧をインバータ12で
作ることができなくなり、その制御が破綻するようなこ
とがない。このため、モータMTを安定的に制御するこ
とができるという効果を奏する。
は、電圧指令値がインバータ12で生成可能な最大電圧
値を越えるようなときには、トルク指令値T*がΔTだ
け引き下げられて電圧指令値が再算出されることから、
電圧指令値はその最大電圧値以下に常に抑えられる。し
たがって、トルク指令値や回転数などが急変する過渡変
化時に、モータMTの要求する電圧をインバータ12で
作ることができなくなり、その制御が破綻するようなこ
とがない。このため、モータMTを安定的に制御するこ
とができるという効果を奏する。
【0063】また、この実施例では、パルス幅変調(P
WM)波形電圧による制御と矩形波電圧による制御とが
選択的に切り替えて行なわれることから、矩形波電圧に
より電圧を高効率で利用することができるため、制御全
体として電圧利用率に優れているという効果も奏する。
WM)波形電圧による制御と矩形波電圧による制御とが
選択的に切り替えて行なわれることから、矩形波電圧に
より電圧を高効率で利用することができるため、制御全
体として電圧利用率に優れているという効果も奏する。
【0064】この実施例のハイブリッド車両において
は、前述したようにモータMTのトルクを強制的に引き
下げることにより制限を掛けているが、このようにトル
ク制限を掛けることがハイブリッド車両の運転にどのよ
うな影響を与えるかを次に説明する。
は、前述したようにモータMTのトルクを強制的に引き
下げることにより制限を掛けているが、このようにトル
ク制限を掛けることがハイブリッド車両の運転にどのよ
うな影響を与えるかを次に説明する。
【0065】まず、ハイブリッド車両が、前述したアン
ダードライブ結合状態にある場合について説明する。こ
のアンダードライブ結合状態では、次式(10),(1
1)のトルク式が成立する。
ダードライブ結合状態にある場合について説明する。こ
のアンダードライブ結合状態では、次式(10),(1
1)のトルク式が成立する。
【0066】Tp=T2+T1 …(10) T1=Te …(11)
【0067】ここで、Tpはペラシャフトトルク、Te
はエンジントルク、T1はクラッチモータトルク、T2
はアシストモータトルクである。
はエンジントルク、T1はクラッチモータトルク、T2
はアシストモータトルクである。
【0068】このアンダードライブ結合の状態で、アシ
ストモータ70にトルク制限が掛かりT2が引き下げら
れたとすると、(10)式よりペラシャフトトルクTp
が減少する。この場合には、車両駆動力が低下すること
になる。一方、クラッチモータ60にトルク制限が掛か
りT1が引き下げられた場合には、(10)式よりペラ
シャフトトルクTpが減少するとともに、(11)式よ
りエンジン50への負荷トルクも減少する。モータ制御
用ECU14では、モータ制御を行なっているだけでエ
ンジン制御を行なうことができないことから、モータ制
御用ECU14側からハイブリッド車両制御用ECU9
0にトルク制限を行なった旨の通知を行なわない限り、
エンジントルクTeを所望の大きさに制御することがで
きない。したがって、クラッチモータ60にトルク制限
が掛かった場合には、単に車両駆動力が低下するだけに
留まらず、エンジン過回転、延いては、クラッチモータ
60の過回転、バッテリBTへの過充電等の支障を引き
起こす可能性がある。
ストモータ70にトルク制限が掛かりT2が引き下げら
れたとすると、(10)式よりペラシャフトトルクTp
が減少する。この場合には、車両駆動力が低下すること
になる。一方、クラッチモータ60にトルク制限が掛か
りT1が引き下げられた場合には、(10)式よりペラ
シャフトトルクTpが減少するとともに、(11)式よ
りエンジン50への負荷トルクも減少する。モータ制御
用ECU14では、モータ制御を行なっているだけでエ
ンジン制御を行なうことができないことから、モータ制
御用ECU14側からハイブリッド車両制御用ECU9
0にトルク制限を行なった旨の通知を行なわない限り、
エンジントルクTeを所望の大きさに制御することがで
きない。したがって、クラッチモータ60にトルク制限
が掛かった場合には、単に車両駆動力が低下するだけに
留まらず、エンジン過回転、延いては、クラッチモータ
60の過回転、バッテリBTへの過充電等の支障を引き
起こす可能性がある。
【0069】この実施例では、モータ制御用ECU14
側からハイブリッド車両制御用ECU90に制限したト
ルク指令値T*を送信することにより、上記支障を回避
することができる。すなわち、ハイブリッド車両制御用
ECU90では、アンダードライブ結合時にクラッチモ
ータ60にトルク制限が掛けられた場合には、上記モー
タ制御用ECU14から受け取ったトルク指令値T*を
反映して、エンジン50およびアシストモータ70の制
御値を算出する処理を行なうことで、上記エンジン過回
転、延いては、クラッチモータ60の過回転、バッテリ
BTへの過充電等の支障を回避することができる。
側からハイブリッド車両制御用ECU90に制限したト
ルク指令値T*を送信することにより、上記支障を回避
することができる。すなわち、ハイブリッド車両制御用
ECU90では、アンダードライブ結合時にクラッチモ
ータ60にトルク制限が掛けられた場合には、上記モー
タ制御用ECU14から受け取ったトルク指令値T*を
反映して、エンジン50およびアシストモータ70の制
御値を算出する処理を行なうことで、上記エンジン過回
転、延いては、クラッチモータ60の過回転、バッテリ
BTへの過充電等の支障を回避することができる。
【0070】次に、ハイブリッド車両が、前述したオー
バードライブ結合状態にある場合について説明する。こ
のオーバードライブ結合状態では、次式(12),(1
3)のトルク式が成立する。
バードライブ結合状態にある場合について説明する。こ
のオーバードライブ結合状態では、次式(12),(1
3)のトルク式が成立する。
【0071】Tp=T2+T1 …(12) T1=Te …(13)
【0072】このオーバードライブ結合の状態では、前
述したアンダードライブ結合状態と比較して、クラッチ
モータ60とアシストモータ70とを入れ替えて考える
ことで同様の支障が生じることがわかる。したがって、
ハイブリッド車両制御用ECU90では、オーバードラ
イブ結合時にアシストモータ70にトルク制限が掛けら
れた場合には、上記モータ制御用ECU14から受け取
ったトルク指令値T*を反映して、エンジン50および
クラッチモータ60の制御値を算出する処理を行なうこ
とで、上記エンジン過回転等の支障を回避することがで
きる。
述したアンダードライブ結合状態と比較して、クラッチ
モータ60とアシストモータ70とを入れ替えて考える
ことで同様の支障が生じることがわかる。したがって、
ハイブリッド車両制御用ECU90では、オーバードラ
イブ結合時にアシストモータ70にトルク制限が掛けら
れた場合には、上記モータ制御用ECU14から受け取
ったトルク指令値T*を反映して、エンジン50および
クラッチモータ60の制御値を算出する処理を行なうこ
とで、上記エンジン過回転等の支障を回避することがで
きる。
【0073】次に、この発明の第2実施例について説明
する。この第2実施例は、第1実施例と比較して、モー
タ制御用ECU14のCPU14aで実行されるモータ
制御処理の構成が相違し、その他のソフトウェアおよび
ハードウエアについては同一である。
する。この第2実施例は、第1実施例と比較して、モー
タ制御用ECU14のCPU14aで実行されるモータ
制御処理の構成が相違し、その他のソフトウェアおよび
ハードウエアについては同一である。
【0074】図9は、そのCPU14aで実行されるモ
ータ制御処理を示すフローチャートである。この第2実
施例のモータ制御処理は、第1実施例のモータ制御処理
(図4)の各ステップS101〜S115をそのまま備
えており、その上で、ステップS201ないしS206
が付加された構成である。なお、図9では、図示表示の
都合からステップS101ないしS106の記載は省略
した。
ータ制御処理を示すフローチャートである。この第2実
施例のモータ制御処理は、第1実施例のモータ制御処理
(図4)の各ステップS101〜S115をそのまま備
えており、その上で、ステップS201ないしS206
が付加された構成である。なお、図9では、図示表示の
都合からステップS101ないしS106の記載は省略
した。
【0075】図示するように、ステップS110におい
て肯定判定された場合、すなわち、電圧指令値の振幅V
acが最大電圧Vmaxを越えたと判別された場合に
は、CPU14aは、トルク制限を行なった旨を示すフ
ラグFLを値1にセットする(ステップS200)。次
に、現在のモータ制御用のトルク指令値T*とハイブリ
ッド車両制御用ECUからのトルク指令値Tcとの比較
を行ない(ステップS201)、T*がTcより小さけ
れば、T*をTcに更新する(ステップS203)。そ
の後、CPU14aは、ステップS114,S115に
処理を進めて、目標とするトルク指令値T*を所定量Δ
Tだけ減少補正するとともに、そのトルク指令値T*を
出力ポート14gを介してハイブリッド車両制御用EC
U90に送信する。ステップS115の実行後、第1実
施例と同様に、図示しないステップS102に処理を戻
す。
て肯定判定された場合、すなわち、電圧指令値の振幅V
acが最大電圧Vmaxを越えたと判別された場合に
は、CPU14aは、トルク制限を行なった旨を示すフ
ラグFLを値1にセットする(ステップS200)。次
に、現在のモータ制御用のトルク指令値T*とハイブリ
ッド車両制御用ECUからのトルク指令値Tcとの比較
を行ない(ステップS201)、T*がTcより小さけ
れば、T*をTcに更新する(ステップS203)。そ
の後、CPU14aは、ステップS114,S115に
処理を進めて、目標とするトルク指令値T*を所定量Δ
Tだけ減少補正するとともに、そのトルク指令値T*を
出力ポート14gを介してハイブリッド車両制御用EC
U90に送信する。ステップS115の実行後、第1実
施例と同様に、図示しないステップS102に処理を戻
す。
【0076】一方、ステップS110において否定判定
された場合、すなわち、電圧指令値の振幅Vacが最大
電圧Vmax以下であると判別された場合には、CPU
14aは、処理をステップS203に進める。ステップ
S203では、CPU14aは、フラグFLが値1であ
るか否かを判別することで、ステップS114でトルク
制限がなされた状態にあるか否かを判別する。ここで、
肯定判別、すなわち、トルク制限がなされた状態である
と判別された場合には、そのトルク制限がなされた後の
トルク指令値T*(ステップS114で計算されたT
*)は、ハイブリッド車両制御用ECU90から出力さ
れたトルク指令値Tc以上であるか否かを判別する(ス
テップS204)。ここで、トルク指令値T*がトルク
指令値Tcより小さいと判別されたときには、目標とす
るトルク指令値T*を所定量ΔSだけ増大補正する。な
お、この所定量ΔSはステップS114で減少補正した
ΔTより小さい値である。
された場合、すなわち、電圧指令値の振幅Vacが最大
電圧Vmax以下であると判別された場合には、CPU
14aは、処理をステップS203に進める。ステップ
S203では、CPU14aは、フラグFLが値1であ
るか否かを判別することで、ステップS114でトルク
制限がなされた状態にあるか否かを判別する。ここで、
肯定判別、すなわち、トルク制限がなされた状態である
と判別された場合には、そのトルク制限がなされた後の
トルク指令値T*(ステップS114で計算されたT
*)は、ハイブリッド車両制御用ECU90から出力さ
れたトルク指令値Tc以上であるか否かを判別する(ス
テップS204)。ここで、トルク指令値T*がトルク
指令値Tcより小さいと判別されたときには、目標とす
るトルク指令値T*を所定量ΔSだけ増大補正する。な
お、この所定量ΔSはステップS114で減少補正した
ΔTより小さい値である。
【0077】一方、ステップS204でトルク指令値T
*がハイブリッド車両制御用ECU90から出力された
トルク指令値Tc以上であると判別された時には、フラ
グFLを値0にクリアする(ステップS206)。ステ
ップS205またはステップS206の処理を終える
と、ステップS113に処理を進めて、第1実施例と同
じ矩形波電圧制御の処理を実行する。なお、ステップS
203で、フラグFLが値1でないと判別された場合に
は、ステップS204ないしS206の処理を実行する
ことなくステップS113に処理を進める。
*がハイブリッド車両制御用ECU90から出力された
トルク指令値Tc以上であると判別された時には、フラ
グFLを値0にクリアする(ステップS206)。ステ
ップS205またはステップS206の処理を終える
と、ステップS113に処理を進めて、第1実施例と同
じ矩形波電圧制御の処理を実行する。なお、ステップS
203で、フラグFLが値1でないと判別された場合に
は、ステップS204ないしS206の処理を実行する
ことなくステップS113に処理を進める。
【0078】以上のように構成されたこの第2実施例の
モータ制御処理によれば、第1実施例と同様に、電圧指
令値の振幅Vacが、インバータ12で生成可能な最大
電圧値Vmaxを越えたときには、トルク指令値T*が
ΔTだけ引き下げられて電圧指令値Vu*,Vv*,V
w*の算出が再度行なわれる。さらに、この第2実施例
のモータ制御処理によれば、そのトルク指令値T*の引
き下げがなされた後に、そのトルク指令値T*を、ハイ
ブリッド車両制御用ECU90からのトルク指令値Tc
に徐々に復帰させて、逐次電圧指令値の再計算がなされ
る。
モータ制御処理によれば、第1実施例と同様に、電圧指
令値の振幅Vacが、インバータ12で生成可能な最大
電圧値Vmaxを越えたときには、トルク指令値T*が
ΔTだけ引き下げられて電圧指令値Vu*,Vv*,V
w*の算出が再度行なわれる。さらに、この第2実施例
のモータ制御処理によれば、そのトルク指令値T*の引
き下げがなされた後に、そのトルク指令値T*を、ハイ
ブリッド車両制御用ECU90からのトルク指令値Tc
に徐々に復帰させて、逐次電圧指令値の再計算がなされ
る。
【0079】図10は、この第2実施例によるモータ制
御処理によってトルク指令値*がどのように変化するか
を示すタイミングチャートである。図示するように、ト
ルク指令値T*は、ハイブリッド車両制御用ECU90
から出力されたトルク指令値Tcの値からΔTだけ一旦
引き下げられ(時刻T1)、その後、ΔS毎に徐々に引
き上げられ、Tcの値に復帰される(時刻T2)ことに
なる。したがって、この第2実施例のモータ制御装置に
よれば、第1実施例と同様の効果を奏し、さらに、トル
ク指令値T*を急変させることなしに元の目標とする値
Tcに戻すことができることから、モータMTの制御精
度を高めることができるという効果を奏する。
御処理によってトルク指令値*がどのように変化するか
を示すタイミングチャートである。図示するように、ト
ルク指令値T*は、ハイブリッド車両制御用ECU90
から出力されたトルク指令値Tcの値からΔTだけ一旦
引き下げられ(時刻T1)、その後、ΔS毎に徐々に引
き上げられ、Tcの値に復帰される(時刻T2)ことに
なる。したがって、この第2実施例のモータ制御装置に
よれば、第1実施例と同様の効果を奏し、さらに、トル
ク指令値T*を急変させることなしに元の目標とする値
Tcに戻すことができることから、モータMTの制御精
度を高めることができるという効果を奏する。
【0080】なお、本発明は上記した実施例に限られる
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々
の態様にて実施することが可能である。
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々
の態様にて実施することが可能である。
【0081】(1)即ち、上記した実施例においては、
電圧指令値の算出の基となり、目標値の引き下げが行な
われる運転パラメータとして、トルク指令値が採用され
ていたが、これに替えて、モータの回転数などモータの
運転状態を表わす他のパラメータとすることが可能であ
る。
電圧指令値の算出の基となり、目標値の引き下げが行な
われる運転パラメータとして、トルク指令値が採用され
ていたが、これに替えて、モータの回転数などモータの
運転状態を表わす他のパラメータとすることが可能であ
る。
【0082】(2)また、上記した実施例においては、
矩形波電圧による制御の際にトルク制限を行なう構成と
しているが、これに加えて、PWM波形電圧による制御
の際にもトルク制限を行なう構成とすることも可能であ
る。要は、波形電圧制御のタイプに制限されることはな
い。
矩形波電圧による制御の際にトルク制限を行なう構成と
しているが、これに加えて、PWM波形電圧による制御
の際にもトルク制限を行なう構成とすることも可能であ
る。要は、波形電圧制御のタイプに制限されることはな
い。
【0083】(3)さらに、上記した実施例において
は、エンジンとモータの2つの駆動力を使 い分けて車
軸を駆動する所謂パラレルハイブリッド方式の車両に本
発明を適用した場合について説明したが、エンジンが発
電機を駆動し発電した電力によってモータが車軸を駆動
するシリーズハイブリッド方式の車両に本発明を適用す
ることも可能である。また、この実施例においては、い
わゆる電気分配式のハイブリッド車両に適用していた
が、これに替えて、エンジンの出力軸と、駆動軸および
第2のモータの回転軸と、第1のモータの回転軸とにそ
れぞれ結合された3軸を有するプラネタリギヤを備える
いわゆる機械分配式のハイブリッド車両に適用すること
も可能である。
は、エンジンとモータの2つの駆動力を使 い分けて車
軸を駆動する所謂パラレルハイブリッド方式の車両に本
発明を適用した場合について説明したが、エンジンが発
電機を駆動し発電した電力によってモータが車軸を駆動
するシリーズハイブリッド方式の車両に本発明を適用す
ることも可能である。また、この実施例においては、い
わゆる電気分配式のハイブリッド車両に適用していた
が、これに替えて、エンジンの出力軸と、駆動軸および
第2のモータの回転軸と、第1のモータの回転軸とにそ
れぞれ結合された3軸を有するプラネタリギヤを備える
いわゆる機械分配式のハイブリッド車両に適用すること
も可能である。
【0084】(4)上述した実施例の動力出力装置で
は、モータとして同期電動機を用いていたが、これに替
えて誘導電動機等、その他の交流電動機に適用すること
も可能である。
は、モータとして同期電動機を用いていたが、これに替
えて誘導電動機等、その他の交流電動機に適用すること
も可能である。
【0085】(5)エンジン50としてガソリンにより
運転されるガソリンエンジンを用いていたが、その他に
ディーゼルエンジンなど各種の内燃機関を用いることが
できる。
運転されるガソリンエンジンを用いていたが、その他に
ディーゼルエンジンなど各種の内燃機関を用いることが
できる。
【図1】本発明の実施の形態に係る第1実施例の電動機
制御装置10の概略構成を示すブロック図である。
制御装置10の概略構成を示すブロック図である。
【図2】電動機制御装置10を搭載するハイブリッド車
両の概略構成を示す説明図である。
両の概略構成を示す説明図である。
【図3】アシストモータ70のロータ72がクラッチモ
ータ60のインナロータ62に結合された状態を模式的
に示す説明図である。
ータ60のインナロータ62に結合された状態を模式的
に示す説明図である。
【図4】モータ制御用ECU14のCPU14aで実行
されるモータ制御処理を示すフローチャートである。
されるモータ制御処理を示すフローチャートである。
【図5】PWM制御処理による三角波比較がどのような
ものであるかを示す説明図である。
ものであるかを示す説明図である。
【図6】矩形波電圧制御処理を示すフローチャートであ
る。
る。
【図7】矩形波電圧制御処理によりモータMTに与えら
れる電圧波形と、上記電圧識閾値Vthとの関係を示す
説明図である。
れる電圧波形と、上記電圧識閾値Vthとの関係を示す
説明図である。
【図8】モータ制御処理によってインバータ12からモ
ータMTに印加される単相の出力電圧を示すグラフであ
る。
ータMTに印加される単相の出力電圧を示すグラフであ
る。
【図9】本発明の第2実施例におけるモータ制御処理を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図10】第2実施例によるモータ制御処理によってト
ルク指令値T*がどのように変化するかを示すタイミン
グチャートである。
ルク指令値T*がどのように変化するかを示すタイミン
グチャートである。
10…電動機制御装置 12…インバータ 14…モータ制御用ECU 14a…CPU 14b…ROM 14c…RAM 14d…クロック 14e…バス 14f…入力ポート 14g…出力ポート 16,17,18…電流センサ 19…回転数センサ 50…エンジン 52…クランクシャフト 60…クラッチモータ 62…インナロータ 64…アウタロータ 70…アシストモータ 72…ロータ 80…車軸 90…ハイブリッド車両制御用ECU 92…アクセルセンサ 95…EFIECU BT…バッテリ MT…モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02P 7/63 302 H02P 7/63 302M B60K 9/00 E Fターム(参考) 5H007 AA04 BB06 DA05 DB01 DB12 DC02 5H115 PA01 PC06 PG04 PI16 PI24 PI29 PU09 PU10 PU11 PU22 PU24 PU25 PV09 PV23 QN03 QN09 QN22 QN23 RB22 RB26 RE03 SE04 SE05 SE09 TI01 TO12 TO21 TO30 5H560 AA08 BB04 BB12 CC04 DB07 EB01 EC01 EC02 EC05 EC10 GG04 RR10 TT07 TT11 TT15 UA02 XA02 XA08 XA12 XA13 5H576 AA15 BB04 BB10 CC04 DD07 EE01 EE11 EE30 GG04 GG10 HA02 HB01 JJ03 JJ24 KK06 LL01 LL22
Claims (9)
- 【請求項1】 交流電動機を駆動するインバータと、 前記交流電動機のトルクなどの運転状態を表わす運転パ
ラメータの目標値を読み込む目標運転パラメータ入力手
段と、 前記運転パラメータの目標値に基づいて、前記交流電動
機の各相の電圧を指令する電圧指令値を算出する電圧指
令値算出手段と、 前記電圧指令値に応じて前記インバータに対するスイッ
チング制御を行なうインバータ制御手段とを備える電動
機制御装置において、 前記電圧指令値算出手段は、 前記算出したいずれか1つの電圧指令値が、前記インバ
ータ制御手段で生成可能な最大値より大きいか否かを判
別する判別手段と、 該判別手段で肯定判別されたとき、前記運転パラメータ
の目標値を補正して前記電圧指令値の算出を再度行なう
再実行手段とを備えることを特徴とする電動機制御装
置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の電動機制御装置であっ
て、 前記インバータ制御手段は、 前記交流電動機に印加される各相の電圧が、前記電圧指
令値に応じたパルス幅変調波形電圧となるように、前記
インバータに対してスイッチング制御を行なうパルス幅
変調波制御手段と、 前記交流電動機に印加される各相の電圧が、前記電圧指
令値に応じた矩形波電圧となるように、前記インバータ
に対するスイッチング制御を行なう矩形波制御手段と、 前記パルス幅変調波制御手段と前記矩形波制御手段とを
選択的に切り替える制御切替手段とを備える電動機制御
装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の電動機制御装置であっ
て、 前記矩形波制御手段は、 前記交流電動機に印加される各相の電圧が、順に、第1
期間で第1基準電圧となり、第2期間で前記第1基準電
圧よりも高い第2基準電圧となり、第3期間で前記第1
基準電圧となり、第4期間で前記第1基準電圧よりも低
い第3基準電圧となり、第4期間で前記第1基準電圧と
なるように、前記インバータに対するスイッチング制御
を行なう構成である、電動機制御装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のうちのいずれかに記
載の電動機制御装置であって、 前記電圧指令値算出手段は、さらに、 前記再実行手段の実行後、当該再実行手段による補正後
の前記運転パラメータの目標値を補正前の値に漸次、復
帰させて、前記電圧指令値の算出を逐次行なう復帰手段
を備える電動機制御装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のうちのいずれかに記
載の電動機制御装置であって、 交流電動機と、内燃機関と、前記運転パラメータを少な
くとも含む各種指令に応じて前記交流電動機および内燃
機関の運転を制御する運転制御装置とを備え、前記交流
電動機と内燃機関のうちの少なくとも交流電動機を駆動
源として走行可能であるハイブリッド車両に搭載される
とともに、 さらに、 前記再実行手段により補正した運転パラメータの目標値
を前記運転制御装置に通知する通知手段を備えることを
特徴とする電動機制御装置。 - 【請求項6】 交流電動機を制御する電動機制御方法で
あって、(a)前記交流電動機のトルクなどの運転状態
を表わす運転パラメータの目標値を読み込む工程と、
(b)前記運転パラメータの目標値に基づいて、前記交
流電動機の各相の電圧を指令する電圧指令値を算出する
工程と、(c)前記電圧指令値に応じて、前記交流電動
機を駆動するインバータに対するスイッチング制御を行
なう工程とを備えるとともに、 前記工程(b)は、(b1)前記算出したいずれか1つ
の電圧指令値が、前記工程(c)で生成可能な最大値よ
り大きいか否かを判別する工程と、(b2)前記工程
(b1)で肯定判別されたとき、前記運転パラメータの
目標値を補正して前記電圧指令値の算出を再度行なう工
程とを備える電動機制御方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の電動機制御方法であっ
て、 前記工程(c)は、(c1)前記交流電動機に印加され
る各相の電圧が、前記電圧指令値に応じたパルス幅変調
波形電圧となるように、前記インバータに対してスイッ
チング制御を行なう工程と、(c2)前記交流電動機に
印加される各相の電圧が、前記電圧指令値に応じた矩形
波電圧となるように、前記インバータに対するスイッチ
ング制御を行なう工程と、(c3)前記工程(c1)と
(c2)とを選択的に切り替える工程とを備える電動機
制御方法。 - 【請求項8】 請求項6ないし7のうちのいずれかに記
載の電動機制御方法であって、 前記工程(b)は、さらに、(b3)前記工程(b2)
の実行後、当該工程(b2)による補正後の前記運転パ
ラメータの目標値を補正前の値に漸次、復帰させて、前
記電圧指令値の算出を逐次行なう工程を備える電動機制
御方法。 - 【請求項9】 請求項6ないし8のうちのいずれかに記
載の電動機制御方法であって、 交流電動機と、内燃機関と、前記運転パラメータを少な
くとも含む各種指令に応じて前記交流電動機および内燃
機関の運転を制御する運転制御装置とを備え、前記交流
電動機と内燃機関のうちの少なくとも交流電動機を駆動
源として走行可能であるハイブリッド車両に採用される
とともに、 さらに、(d)前記工程(b2)の補正した運転パラメ
ータの目標値を前記運転制御装置に通知する工程を備え
る電動機制御方法。
Priority Applications (1)
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