JP5472205B2 - 多相回転電機の制御装置、多相電動機の制御装置 - Google Patents

多相回転電機の制御装置、多相電動機の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、インバータのスイッチング素子を操作することで多相回転電機の出力を制御する多相回転電機や多相電動機の制御装置に関する。
3相モータの3相のそれぞれと電源電圧の正極側及び負極側とのいずれかとを導通させる3つのアームを備えるインバータのスイッチング素子を操作することで、同モータの出力トルクを制御する制御装置が周知である。この制御装置による制御時において、インバータのいずれかのアームのスイッチング素子に短絡異常が生じるときには、アームを貫通電流が流れることにより、トルクが変動したりインバータの発熱量が増大したりするおそれがある。
そこで従来、下記特許文献1に見られるように、インバータの各アームを流れる電流を検出する手段を備え、これにより、インバータのいずれかのアームのスイッチング素子に短絡異常が生じているか否かを判断するものも提案されている。更に、下記特許文献1では、インバータと電源との間に遮断回路を備えて、短絡異常時に短絡した相についてインバータと電源との間を遮断することも提案されている。
特開平6−319263号公報
ただし、上記従来の制御装置では、短絡異常時のトルク変動や発熱の問題を回避するために遮断回路を備えるため、部品点数の増加やインバータ回路の大型化が無視できない。
また、近年、3相モータ及び3相発電機の回転軸と内燃機関の出力軸とを動力分割機構により連結したハイブリッド車用のシステムが実用化されている。このシステムでは、内燃機関の停止時には、インバータを操作することで3相モータの出力トルクを制御し、この出力トルクにより車両を走行させる。また、内燃機関の稼動時等において、インバータを操作することで3相発電機の発電量を制御する。
上記システムにおいても、3相発電機のインバータのいずれかのアームに短絡異常が生じるときには、発電機のトルク変動やインバータの発熱量の増大が問題となる。更に、このシステムにおいては、発電機及び電動機のトルクが動力分割機構を介して内燃機関の出力軸に伝達されると、内燃機関の停止時であっても内燃機関の出力軸が回転し、ひいては上記システムの動力伝達系統に振動が生じるおそれもある。更に、3相電動機のインバータのいずれかのアームに短絡異常が生じるときには、内燃機関の出力トルクを駆動力としてリンプホーム処理をすることが望まれるが、この際、3相電動機に負荷トルクが生じ、内燃機関の出力トルクを駆動輪へと適切に伝達させることが困難となるおそれもある。
しかし、上記従来の制御装置では、上記ハイブリッド車用のシステムにおけるこうした問題については何ら触れられていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、インバータのスイッチング素子を操作することで多相回転電機の出力を制御する多相回転電機の制御装置にあって、インバータの異常時により適切に対処することのできる多相回転電機の制御装置や多相電動機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
第1の発明は、インバータのスイッチング素子を操作することで多相回転電機の出力を制御する多相回転電機の制御装置において、前記インバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があると判断されて且つ前記多相回転電機の回転速度が予め定められた速度以上であるとき、異常のない相の前記スイッチング素子のうち、前記一方のスイッチング素子と接続される側の前記インバータの入力端と接続される全てのスイッチング素子を導通状態とすることを特徴とする。
上記構成では、予め定められた速度以上であるときに一方のスイッチング素子と接続される側のインバータの入力端を介して、多相回転電機の全ての相を短絡する。これにより、多相回転電機に流れる電流は逆起電力によって流れる電流となり、また、このときの逆起電力と電流とは略直交する関係となる。このため、多相回転電機を流れる電流が大きい値になることや、多相回転電機のトルクの絶対値が大きい値になること、更にはトルクが変動することを抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記多相回転電機が3相回転電機であり、前記多相回転電機の前記回転軸のトルクを所望のトルクに制御するための3相の指令電圧を算出する算出手段を更に備え、前記インバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があると判断されて且つ前記多相回転電機の回転速度が予め定められた速度未満であるとき、前記3相の相間電圧が前記算出手段によって算出される前記3相の指令電圧によって定まる相間電圧となるように前記異常のある相以外の2相の指令電圧を変調することを特徴とする。
上記構成において、1相の一方のスイッチング素子に異常が生じるとその相の電圧はインバータの正極電位又は負極電位のいずれかに固定されるため、多相回転電機の実際の電圧を上記3相の指令電圧に制御することができない。そこで上記構成では、残りの2相の指令電圧を変調することで、3相の相間電圧を3相の指令電圧によって定まるものと一致させる。これにより、回転軸のトルクを所望のトルクに制御することができるため、例えば回転軸の負荷トルクを制限できる。
第3の発明は、前記インバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があると判断されるとき、異常のない相の前記スイッチング素子のうち、前記一方のスイッチング素子と接続される側の前記インバータの入力端と接続される全てのスイッチング素子を導通状態とすることを特徴とする。
上記構成では、スイッチング素子の上記異常時において、多相回転電機の出力トルクが過度に大きくなることや、多相回転電機を流れる電流が過度に大きくなることを好適に回避することができる。
第4の発明において、インバータのスイッチング素子を操作することで多相回転電機の出力を制御する多相回転電機の制御装置において、前記多相回転電機と前記インバータとの間には、導通状態を制御する導通制御手段が設けられ、前記インバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があると判断されるとき、前記導通制御手段を非導通状態に操作することを特徴とする。
上記構成では、異常があると判断されるとき、多相回転電機とインバータとの間を遮断することで、多相回転電機の各相の間を絶縁する。これにより、多相回転電機を流れる電流をゼロとすることができるため、トルクを略ゼロとすることができる。
第5の発明において、第1第4のいずれかの発明において、前記多相回転電機が多相電動機であり、当該制御装置は、前記多相回転電機とは別に原動機を備えるシステムの制御装置であることを特徴とする。
上記構成では、上記スイッチング素子の異常により上記回転電機の出力トルクを利用することができないときであっても、他の原動機の動力を利用することができる。特に電動機の負荷トルクを低減するなら、原動機の動力の利用の妨げになることを抑制又は回避することができる。
第6の発明は、前記インバータに異常があると判断されるとき、前記多相電動機の電気的な状態の操作によって前記多相電動機の負荷トルクを制限する制限手段を備えることを特徴とする。
インバータの異常時には、多相電動機の出力を所望に制御できず、多相電動機の出力トルクが負荷トルクとなるおそれがある。この場合、必要な駆動力を得ることが困難なものとなる。この点、上記構成では、多相電動機の負荷トルクを制限するために、こうした問題を緩和することができる。
第7の発明は、第6の発明において、前記インバータに異常があると判断されて且つ前記内燃機関が非稼動状態であるとき、前記内燃機関を稼動させる稼動手段を更に備えることを特徴とする。
上記構成では、インバータの異常時、多相電動機によって駆動力を得ることができないときに、内燃機関の出力を駆動力として利用することができる。このため、リンプホーム処理を適切に行なうことができる。
第8の発明は、第6又は第7の発明において、前記制限手段は、前記インバータのスイッチング素子の操作により前記負荷トルクを制限することを特徴とする。
上記構成では、インバータのスイッチング素子の操作により負荷トルクを制限するために、フェールセーフ処理に際して多相電動機を流れる電流の連続性を保つことができる。このため、多相電動機の電流を強制的にゼロとする場合に生じるアーク電流の発生等を好適に回避することができる。
第9の発明は、第8の発明において、前記多相電動機が3相電動機であり、前記インバータの異常が1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子の短絡であり、前記多相電動機の前記回転軸のトルクを所望のトルクに制限するための3相の指令電圧を算出する算出手段を更に備え、前記制限手段は、前記3相の相間電圧が前記算出手段によって算出される前記3相の指令電圧によって定まる相間電圧となるように前記異常のある相以外の2相の指令電圧を変調する2相変調手段を備えることを特徴とする。
上記構成において、1相の一方のスイッチング素子に異常が生じるとその相の電圧はインバータの正極電位又は負極電位のいずれかに固定されるため、多相回転電機の実際の電圧を上記3相の指令電圧に制御することができない。そこで上記構成では、残りの2相の指令電圧を変調することで、3相の相間電圧を3相の指令電圧によって定まるものと一致させる。これにより、回転軸のトルクを所望のトルクに制御することができ、ひいては回転軸の負荷トルクを制限できる。
第10の発明は、第9の発明において、前記制限手段は、前記多相電動機の回転軸の回転速度が所定速度以上であるとき、異常のない相のスイッチング素子のうち、前記一方のスイッチング素子と接続される側の前記インバータの入力端と接続される全てのスイッチング素子を導通状態とする制御に切り替えることを特徴とする。
上記構成では、所定速度以上であるときに上記一方のスイッチング素子と接続される側のインバータの入力端を介して、多相電動機の全ての相を短絡する。これにより、多相電動機に流れる電流は逆起電力によって流れる電流となり、また、このときの逆起電力と電流とは略直交する関係となる。このため、多相電動機を流れる電流が大きな値になることや、多相電動機のトルクの絶対値が大きい値になること、更にはトルクが変動することを抑制することができる。
ただし、上記制御によれば、回転速度が小さいときに負荷トルクが大きくなる。この点、上記構成では、所定速度未満のときには上記2相変調手段を用いることで、所定速度未満の領域にあっても多相電動機の負荷トルクを制限することができ、ひいては全回転領域に渡って負荷トルクを制限することができる。
第11の発明は、第8の発明において、前記制限手段は、前記多相電動機の回転速度が所定速度以上であるとき、異常のない相のスイッチング素子のうち、前記一方のスイッチング素子と接続される側の前記インバータの入力端と接続される全てのスイッチング素子を導通状態とすることを特徴とする。
上記構成では、所定速度以上であるときに上記一方のスイッチング素子と接続される側のインバータの入力端を介して、多相電動機の全ての相を短絡する。これにより、多相電動機に流れる電流は逆起電力によって流れる電流となり、また、このときの逆起電力と電流とは略直交する関係となる。このため、多相電動機を流れる電流が大きな値になることや、多相電動機のトルクの絶対値が大きい値になること、更にはトルクが変動することを抑制することができる。
第12の発明は、第6又は第7の発明において、前記多相電動機と前記インバータとの間には、導通状態を制御する導通制御手段が設けられ、前記制限手段は、前記異常があると判断されるとき、前記導通制御手段を非導通状態に操作することを特徴とする。
上記構成では、異常があると判断されるとき、多相電動機とインバータとの間を遮断することで、多相電動機の各相の間を絶縁する。これにより、多相電動機を流れる電流をゼロとすることができるため、トルクを略ゼロとすることができる。
第13の発明は、第6第12のいずれかの発明において、前記動力分割機構が遊星歯車機構を備えて構成され、前記回転機の回転軸がサンギアと、前記多相電動機の回転軸がリングギアと、前記内燃機関の出力軸がプラネタリギアとそれぞれ接続されてなることを特徴とする。
上記構成では、多相電動機の回転速度は、共線図において、回転機の回転速度と内燃機関の回転速度とを結ぶ直線上の値となる。このため、回転機の回転速度と内燃機関の回転速度とを制御することで、多相電動機の回転速度を制御することができる。特に制限手段により多相電動機の負荷トルクを制限することができるため、多相電動機の回転速度を好適に制御することができる。
第14の発明は、第6第13のいずれかの発明において、前記多相電動機が、磁石磁界電動機であることを特徴とする。
上記構成では、多相電動機が磁石界磁電動機であるため、多相電動機の全てのスイッチング素子をオフ状態としたとしても、逆起電力により多相電動機に電流が流れ得る構成となっている。
第1の実施形態にかかるハイブリッド車用システムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかる発電機、インバータ、及びマイコンの構成を示す図。 同実施形態にかかるマイコン内の処理を示す機能ブロック図。 同実施形態における正常時の発電機の電流とトルクの推移を例示するタイム チャート。 同実施形態における1相短絡制御時の発電機の電流とトルクの推移を例示す るタイムチャート。 3相短絡制御の態様を示す回路図。 上記実施形態における3相短絡制御時の発電機の電流とトルクの推移を例示 するタイムチャート。 3相短絡制御による電流及びトルクと回転速度との関係を示す図。 上記実施形態における発電機、内燃機関及び電動機の回転速度の関係を定め る共線図。 1相短絡制御及び3相短絡制御における回転速度と負荷との関係を示す図 。 上記実施形態における2相変調の態様を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる短絡異常時のフェールセーフ処理の手順を示すフロー チャート。 上記フェールセーフ処理のうちの2相変調処理の手順を示すフローチャー ト。 第2の実施形態にかかる発電機、インバータ、及びマイコンの構成を示す 図。 同実施形態にかかる短絡異常時のフェールセーフ処理の手順を示すフロー チャート。 第3の実施形態にかかる短絡異常時のフェールセーフ処理の手順を示すフ ローチャート。 第4の実施形態にかかる問題点を説明する共線図。 同実施形態にかかるフェールセーフ処理の切替態様を示す図。 同実施形態にかかる短絡異常時のフェールセーフ処理の手順を示すフロー チャート。 第5の実施形態にかかる電動機、インバータ、及びマイコンの構成を示す 図。 同実施形態にかかるフェールセーフ処理の切替態様を示す図。 同実施形態にかかる短絡異常時のフェールセーフ処理の手順を示すフロー チャート。 第6の実施形態にかかる電動機、インバータ、及びマイコンの構成を示す 図。 第7の実施形態にかかるハイブリッド車用システムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかる短絡異常時のフェールセーフ処理の手順を示すフロー チャート。 第8の実施形態にかかる短絡異常時のフェールセーフ処理の手順を示すフ ローチャート。 第9の実施形態にかかる電動機、インバータ、及びマイコンの構成を示す 図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる多相回転電機の制御装置をハイブリッド車に搭載される多相回転電機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、上記ハイブリッド車の動力伝達システムの全体構成を示す。
図示されるように、内燃機関1には、その振動を抑制するフライホイールダンパ2が設けられている。内燃機関1の動力は、動力分割機構3を介して第1のモータジェネレータ(発電機4)と、第2のモータジェネレータ(電動機5)とに分配される。詳しくは、動力分割機構3は、遊星歯車機構を備えて構成されており、そのプラネタリギア3pが内燃機関1の出力軸と、サンギア3sが発電機4の回転軸と、リングギア3rが電動機5の回転軸とそれぞれ接続されている。なお、上記発電機4及び電動機5は、いずれもDCブラシレスモータにて構成されている。
発電機4の負荷トルクや電動機5の出力トルクは、パワーコントロールユニット6によって制御される。パワーコントロールユニット6には、バッテリ7が接続されている。そして、発電機4の発電エネルギがパワーコントロールユニット6を介してバッテリ7に充電され、また、バッテリ7の電力により、電動機5が稼動する。そして、電動機5の出力トルクは、車両の駆動輪に伝えられる。
図2に、パワーコントロールユニット6のうち、特に発電機4の制御に関する部分を示す。
図示されるように、発電機4の3つの相(U相、V相、W相)には、インバータ10が接続されている。このインバータ10は、3相インバータであり、3つの相のそれぞれとバッテリ7の正極側又は負極側とを導通させるべく、スイッチング素子12,14(U相アーム)とスイッチング素子16,18(V相アーム)とスイッチング素子20,22(W相アーム)との並列接続体を備えて構成されている。更に、インバータ10は、各スイッチング素子12〜22に逆並列に接続されたフライホイールダイオード24〜34を備えている。そして、スイッチング素子12及びスイッチング素子14を直列接続する接続点が発電機4のU相と接続されている。また、スイッチング素子16及びスイッチング素子18を直列接続する接続点が発電機4のV相と接続されている。更に、スイッチング素子20及びスイッチング素子22を直列接続する接続点が発電機4のW相と接続されている。ちなみに、これらスイッチング素子12〜22は、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)によって構成されている。
インバータ10の各1組のスイッチング素子12,14とスイッチング素子16,18とスイッチング素子20,22との両端には、平滑コンデンサ40が接続されている。
一方、マイクロコンピュータ50は、発電機4の出力軸の回転角度を検出する位置センサ52や、U相及びV相に流れる電流を検出する電流センサ54,56の検出結果を取り込む。そして、マイクロコンピュータ50は、W相に流れる電流を、キルヒホッフの法則に基づき、U相を流れる電流とV相を流れる電流とから算出する。そして、マイクロコンピュータ50は、上記発電機4の出力軸の回転角度や3つの相を流れるそれぞれの電流等に基づき、ゲート駆動回路60〜70を介してスイッチング素子12〜22を操作する。更に、マイクロコンピュータ50は、各スイッチング素子12〜22を流れる電流をノードNa〜Nfを流れる電流として検出し、これに基づきインバータ10の異常の有無を検出する機能を有する。
図3に、マイクロコンピュータ50の行なう処理についてのブロック線図を示す。本実施形態では、基本的には、三角波PWM制御によって、発電機4の負荷トルクを要求トルクに制御する。以下では、まず、図3に示す処理のうち、特に三角波PWM制御に関する処理について説明する。
3相2相変換部80は、上記電流センサ54,56によって検出されるU相を流れる実電流iu及びV相を流れる実電流ivと、これらに基づき算出されるW相を流れる実電流iwとを、dq軸に座標変換して実電流id及び実電流iqを生成する部分である。ちなみに、この座標変換に際しては、発電機4の回転角度が用いられるために、3相2相変換部80には、位置センサ52によって検出される回転角度θが入力される。一方、指令電流生成部82は、要求トルクや回転角度θの時間微分値としての回転速度Nm等に応じて指令電流iqc,idcを生成する部分である。この指令電流iqc,idcは、dq軸上での指令値となっている。
これら指令電流idcと実電流idとの差に基づき、PI制御部84によって比例項と積分項とが算出される。そして、この算出値は、第1指令電圧vd1としてPI制御部84から出力される。また、指令電流iqcと実電流iqとの差に基づき、PI制御部86によって比例項と積分項とが算出される。そして、この算出値は、第1指令電圧vq1としてPI制御部86によって出力される。ここで、これら第1指令電圧vd1,vq1の振る舞いについて説明する。
上記3つの相のそれぞれに印加される電圧vu,vv,vw、これら3相のそれぞれに生じる逆起電力eu,ev,ew、発電機4の抵抗R、自己インダクタンスL´、相互インダクタンスM、時間微分演算子Pとの関係は下式となる。

vu=(R+PL´)×iu −1/2×PM×iv −1/2×PM×iw+eu
vv=−1/2×PM×iu+(R+PL´)×iv −1/2×PM×iw+ev
vw=−1/2×PM×iu −1/2×PM×iv+(R+PL´)×iw+ew

ここで、dq軸変換を行なうと、d軸及びq軸の電圧vd,vqは、回転速度ωと、インダクタンスL(=L´+3/2×M)と、逆起電力ωφとを用いて下式(cd)及び(cq)となる。

vd=(R+PL)×id −ωL×iq …(cd)
vq= ωL×id+(R+PL)×iq +ωφ …(cq)

上式(cd)、(cq)に示されるように、発電機4に印加される電圧の各軸成分は、発電機4を流れる電流のうち同一の軸成分に比例する項のみならず、異なる軸成分に比例する項や逆起電力ωφ(以下、これらを干渉項という)を含む。
そこで、本実施形態では、非干渉化制御部88により、これら干渉項を、実電流id及び実電流iqに基づき算出して第0指令電圧vd0,vq0を算出する。そして、第1指令電圧vd1と第0指令電圧vd0との和としてd軸の指令電圧vdcを算出し、第1指令電圧vq1と第0指令電圧vq0との和としてq軸の指令電圧vqcを算出する。
d軸の指令電圧vdcとq軸の指令電圧vqcとは、2相3相変換部92に取り込まれる。2相3相変換部92では、d軸の指令電圧vdcとq軸の指令電圧vqcとを、U相の指令電圧vucと、V相の指令電圧vvcと、W相の指令電圧vwcとに変換する。これら指令電圧vuc,vvc,vwcは、発電機4の各相に指令電流を流すときに各相に印加すべき電圧となっている。これら指令電圧vuc,vvc,vwcは、正弦波となって且つその電圧の中心がゼロとなっている。なお、発電機4の各相の上記指令電流とは、上記指令電流idc,iqcによって定まる3相のそれぞれにおける指令電流を意味する。
これら指令電圧vuc,vvc,vwcは、切替部94を介して、各々比較器96,98,100の非反転入力端子に印加される。比較器96,98,100では、指令電圧vuc,vvc,vwcと、三角波生成部102によって生成される三角形状の搬送波との大小が比較される。そして、これら各比較器96、98、100の出力信号gu、gv、gwは、指令電圧vuc,vvc,vwcを各々パルス幅変調(PWM)したものとなる。
出力信号gu,gv,gwは、切替部104に取り込まれる。そして、切替部104から出力される信号及びインバータ106,108,110によるそれらの反転信号が、Deadtime生成部112に取り込まれる。Deadtime生成部112では、上記出力される各信号とこれに対応する上記反転信号とを、これらのエッジ部分同士のタイミングの重なりを避けるように波形整形する。そして、波形整形された信号は、U相のスイッチング素子12を操作する操作信号gup、U相のスイッチング素子14を操作する操作信号gun、V相のスイッチング素子16を操作する操作信号gvp、V相のスイッチング素子18を操作する操作信号gvn、W相のスイッチング素子20を操作する操作信号gwp、W相のスイッチング素子22を操作する操作信号gwnとなる。
上記構成において切替部104により出力信号gu,gv,gwが選択されているときには、実電流iu,iv,iwを指令電流idc,iqcによって定まる3相の電流(指令電流)に追従させるべく、PI制御によりスイッチング素子12〜22の操作がなされる。この際には、3相に印加される電圧は、指令電圧vuc、vvc、vwcに追従するため、その振幅中心がゼロとなる正弦波となる。図4(a)に、上記PWM制御による実電流iu,iv,iwの推移を、図4(b)に、発電機4のトルクの推移を示す。ここでは、発電機4の回転軸のトルクが正となる例を、換言すれば発電機4が電動機として機能している例を示している。
次に、マイクロコンピュータ50の行なう処理のうち、特に、インバータ10のいずれかのアーム(スイッチング素子12,14の直列接続体、スイッチング素子16,18の直列接続体、スイッチング素子20,22の直列接続体)のいずれかのスイッチング素子12〜22が常時導通状態となる短絡異常が生じる場合の処理について説明する。本実施形態では、まず先の図2に示したノードNa〜Nfを流れる電流に基づき、上記アームの2つのスイッチング素子を貫通する貫通電流が流れるか否かを判断する。そして、貫通電流が流れるときには、当該アームに異常が生じているおそれがあるとして、全てのスイッチング素子12〜22をオフ操作する。これにより、スイッチング素子12〜22のうち短絡異常のないものについては、全て非導通状態となる。ただし、スイッチング素子12〜22のうちのいずれか1つに短絡異常があるときには、これと、フライホイールダイオード24〜34のいくつかと、発電機4と、バッテリ7とによって閉ループ回路が構成されるため、発電機4に電流が流れる。
図5(a)に、W相アームのスイッチング素子20に短絡異常があるときについて、スイッチング素子12〜18,22をオフ状態としたときの実電流iu,iv,iwの推移を示し、図5(b)に、このときの発電機4のトルクを示す。図示されるように、この場合、実電流iwの平均値が、実電流iu,ivの平均値に対して所定のオフセット量だけ大きな電流となっている。これに対し、例えばスイッチング素子22に短絡異常があるときには、実電流iu,ivの平均値に対し、実電流iwの平均値が所定のオフセット量だけ小さい値となる。このため、いずれかの相の実電流の平均値が他の2相の実電流の平均値に対してオフセットしているときに、そのオフセット量に基づき、スイッチング素子12〜22のいずれに短絡異常が生じているかを判断することができる。
こうしてスイッチング素子12〜22のいずれかに短絡異常があると判断されるときには、異常のない他の2相のアームについて、異常のあるスイッチング素子と対応するスイッチング素子を全て導通状態とする。例えばW相のスイッチング素子20に短絡異常がある場合、図6に示すように、スイッチング素子12,16をオン操作し、残りをオフ操作する。これにより、発電機4の3相全てを短絡させることができる(3相短絡制御)。これにより、発電機4に生じる逆起電力によって発電機4に電流が流れるものの、実電流iu,iv,iwは3相とも位相ずれを除けば互いに略等しい電流となり、発電機4の動作が安定する。
図7(a)に、上記3相短絡制御による電動機5の実電流iu,iv,iwの推移を示し、図7(b)に、このときの発電機4の回転軸のトルクの推移を示す。図示されるように、実電流iu,iv,iwは互いに振幅及び振幅中心が等しい正弦波となっており、安定している。そして、発電機4のトルクの絶対値も低トルクで安定している。このため、スイッチング素子20に短絡異常が生じた場合であっても、トルク変動や発熱の問題を好適に回避することが可能となり、更に、スイッチング素子22をオフ状態で固定することで貫通電流を回避することもできる。
ただし、上記3相短絡制御では、発電機4の低回転速度領域において、トルクの絶対値が増大する。図8(a)に、3相短絡制御時における回転速度と相電流(実電流iu,iv,iw)との関係を示し、図8(b)に、3相短絡制御における回転速度とトルクの絶対値との関係を示す。なお、図8(b)において、トルクは、負荷トルク(<0:回転軸の回転を停止させる側のトルク)を示している。図示されるように、回転速度が低下するにつれて、実電流iu,iv,iwは低下し、トルクは増加する。これは、回転速度が上昇するときには、電圧Vd,Vqのインダクタンス成分(上記の式(cd)、(cq)のPL)が増加すること及びこれが電流iq,idと直交することから、回転速度が上昇するにつれて力率が減少するためである。
このように、低回転速度領域において3相短絡制御を用いると、発電機4の負荷トルクが増大する。そして、この際、内燃機関1が非稼動状態(燃料噴射制御停止)とされ、電動機5が稼動しているときには、内燃機関1の出力軸の回転を誘起するおそれがある。すなわち、図9の共線図に示すように、電動機5、内燃機関1、発電機4の各回転速度は、直線で結ばれる関係となるため、内燃機関1を停止させたまま電動機5の回転速度を上昇させていくためには、図中、2点鎖線にて示されるように、発電機4の回転速度を上昇させる必要がある。しかし、低回転速度領域では、負荷トルクが大きいために発電機4の回転速度を上昇させることができず、結果として、図9に破線にて示すように、内燃機関1の回転速度が上昇することとなる。そしてこの場合、内燃機関1の回転速度が、アイドル回転速度よりも低い回転速度(>0)で彷徨うおそれがある。
一方、アイドル回転速度以下の領域には、上記フライホイールダンパ2の共振周波数に相当する回転速度領域がある。このため、発電機4の低回転速度領域において上記3相短絡制御をすると、内燃機関1の回転速度が上記共振周波数に相当する回転速度領域に入り、顕著な振動が生じるおそれがある。
これに対し、発電機4の低回転速度領域においては、スイッチング素子12〜22のうち短絡異常のないもの全てを非導通状態とすべく、オフ操作をすることが考えられる(1相短絡制御)。この1相短絡制御によれば、発電機4の低回転速度領域において、発電機4の負荷トルクを小さくすることができる。ただし、これら1相短絡制御及び3相短絡制御によっても、内燃機関1の出力軸の回転を開始させる発電機4の回転速度領域が存在する。
図10に、上記1相短絡制御及び3相短絡制御によって発電機4に生じる負荷トルクと回転速度との関係を示す。図示されるように、1相短絡制御によれば、発電機4の回転速度が小さい領域では負荷トルクが小さいが、回転速度の上昇とともに負荷トルクが増加する。そして、回転速度N1において、図中一点鎖線にて示す内燃機関1のフリクショントルクと釣り合うトルクとなる。ここで、フリクショントルクと釣り合うトルクとは、内燃機関1のフリクションに打ち勝って内燃機関1の出力軸の回転を開始させる最小トルクである。すなわち、1相短絡制御によって発電機4の回転速度が回転速度N1を上回ると、力学の法則にしたがい、動力分割機構3を介して伝達される電動機5の動力が、発電機4の負荷トルクに抗して発電機4の回転軸を加速させることなく、内燃機関1のフリクショントルクに抗して内燃機関1の出力軸を加速させることとなる。このため、電動機5の回転速度の上昇に伴い、内燃機関1の回転が開始される。
一方、3相短絡制御によれば、発電機4の回転速度が大きい領域では負荷トルクが小さいが、回転速度が低下するにつれて負荷トルクが上昇する。そして、回転速度N1よりも大きい回転速度N2において、発電機4の負荷トルクが上記フリクションと釣り合うトルクとなる。このため、先の図9に示したように、電動機5の回転速度を徐々に上昇させていくに際し、1相短絡制御から3相短絡制御へと移行させたとしても、回転速度N1及び回転速度N2の間の領域で内燃機関1の出力軸の回転が開始される。このため、電動機5の回転速度の上昇は、内燃機関1の回転速度の上昇を招き、発電機4の回転速度を回転速度N2まで上昇させることができない。
そこで本実施形態では、電動機5の回転速度が上昇することで発電機4の回転速度が上昇する際、回転速度N1から回転速度N2へと移行させるべく、図11に示す処理を行なう。図11において、一点鎖線は、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcである。図示されるように、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcは、それぞれ一周期の「1/3」の期間に渡って他の相よりもインバータ10の正極電位側に近くなり、また、一周期の「1/3」の期間に渡って他の相よりもインバータ10の負極電位側に近くなる。
ここで、例えばW相のスイッチング素子20に短絡異常が生じると、図示されるようにW相の電圧vwがインバータ10の正極電位側に固定される。ここで、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcのうちの各2つによって定まる各相間電圧と実際の相間電圧とを等しくするなら、指令電流iqc,idcによって定まる3相の指令電流を実際に流すことが可能である。しかし、図示されるように、W相の電圧vwが正極電位側に固定されているため、U相やV相の電圧をW相の電圧vwよりも高い電圧とすることはできない。このため、指令電圧vucや指令電圧vvcが指令電圧vwcよりも高い場合には、実際の相間電圧を、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcのうちの各2つによって定まる各相間電圧とすることはできない。
このため、図中、W相の指令電圧vwcが他の2相の指令電圧vuc,vvcよりも正極電位に近くなる「120°」の区間においてのみ、実際の相間電圧を、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcのうちの各2つによって定まる各相間電圧とすることが可能となる。したがって、この区間において、実際の相間電圧を、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcのうちの各2つによって定まる各相間電圧とすることができるように、指令電圧vuc,vvcを変調する。図中、変調した指令電圧vuc,vvcである指令電圧vum,vvmを実線にて示した。
以下、先の図3に示す処理のうち、特にインバータ10の短絡異常時の処理について説明する。
2相変調部120は、上記2相3相変換部92の出力する3相の指令電圧vuc,vvc,vwcのうち、短絡異常のない2相を変調する部分である。そして、切替部94では、2相3相変換部92の出力する3相の指令電圧vuc,vvc,vwcと、変調された指令電圧vum,vvm,vwmとのいずれかを選択する。
一方、切替部104では、比較器96,98,100の出力する信号gu,gv,gwと論理「H」の信号と論理「L」の信号とのいずれかを選択する。
フェールセーフ処理部122は、上記1相短絡制御、3相短絡制御、及び2相変調制御を行うべく、切替部94,104を操作する。
ここで、フェールセーフ処理部122や2相変調部120によって行われる処理について、更に詳述する。
図12に、短絡異常にかかる処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理においては、まずステップS12において、3相のうちの1つのアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があるか否かを判断する。この処理は、上述した手法を用いて図示しない別のロジックで行われる短絡異常診断処理において、短絡異常であると判断されているか否かを判断するものである。短絡異常があると判断されると、ステップS14において、内燃機関1が非稼動状態であって且つ電動機5が稼動状態であるか否かを判断する。この判断は、内燃機関1が稼動されていないにもかかわらず、発電機4の負荷トルクによっては内燃機関1の回転が開始されるおそれがある状況であるか否かを判断するためのものである。
内燃機関1が非稼動状態で且つ電動機5が稼動状態であるときには、ステップS16において発電機4の回転速度が回転速度N2以上であるか否かを、また、ステップS18において発電機4の回転速度が回転速度N1以下であるか否かをそれぞれ判断する。そして、発電機4の回転速度Nmが回転速度N1より大きく回転速度N2未満であるときには、ステップS20において、電動機5の回転速度が上昇中であるか否かを判断する。
そして、発電機4の回転速度Nmが回転速度N1以下であるときや、回転速度Nmが回転速度N1より大きく回転速度N2未満であって且つ電動機5の回転速度が上昇中でない(下降中である)ときには、ステップS26において、1相短絡制御を行う。ここで、電動機5の回転速度が下降中であるときには、電動機5の回転速度の低下にかかわらず内燃機関1を停止させるべく、発電機4の回転速度を低下させていく必要がある。このため、このときには、発電機4の負荷トルクが大きいことは、内燃機関1の回転を開始させないための条件と矛盾しない。このため、回転速度N1より大きく回転速度N2未満であって且つ電動機5の回転速度が下降中であるときには、1相短絡制御を行う。
また、回転速度Nmが回転速度N2以上であるとき、及び内燃機関1が稼動中であるときには、ステップS22において、3相短絡制御を行う。ここで、内燃機関1の稼動中に3相短絡制御を行うのは、3相短絡制御によって負荷トルクを低減することができるためである。
そして、回転速度N1よりも大きく回転速度N2未満であって且つ電動機5の回転速度が上昇中であるときには、ステップS24において、2相変調にかかる処理を行なう。
図13に、上記ステップS24の処理内容を示す。ここでは、W相のいずれかのスイッチング素子12,14に短絡異常がある場合の処理について記載する。他の2相については、W相の場合と同様であるため、その説明を割愛する。
ここでは、まずステップS24aにおいて、W相に異常があるか否かを判断する。そして、W相に異常があると判断されると、ステップS24bにおいて、W相の指令電圧vwcが、他の2相の指令電圧vuc、vvc以上であるか、又はW相の指令電圧vwcが他の2相の指令電圧vuc、vvc以下であるかを判断する。なお、ここで、指令電圧vuc,vvc,vwcは、発電機4の回転速度を回転速度N2以上となるように加速させることができる値とされている。
そして、ステップS24bにおいて否定判断される間は、ステップS24cにおいて1相短絡制御をして待機する。そして、ステップS24bにおいて肯定判断されると、ステップS24dにおいて、実際の相間電圧が、指令電圧vuc,vvc,vwcによって定まる相間電圧となるように、U相及びV相の指令電圧vuc、vvcを変調する。詳しくは、例えば先の図11に示した例では、インバータ10の正極電位側の電圧vpを用いて、変調後のU相及びV相の指令電圧vum,vvmを、下記に変調する。
vum=vp−vwc+vuc
vvm=vp−vwc+vvc
なお、上記ステップS24aにおいて否定判断されるときには、U相及びV相について同様の処理を行う。また、ステップS24c、S24dの処理が完了すると、先の図12のステップS24に戻る。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)発電機4のインバータ10に短絡異常があると判断されて且つ内燃機関1が稼動されていないとき、動力分割機構3を介して伝達される電動機5の動力による出力軸の回転を発電機4の電気的な状態の操作によって制限した。これにより、発電機4のインバータ10の異常時であってもハイブリッドシステムに振動が生じることを好適に抑制することができる。
(2)発電機4のインバータ10の短絡異常時、発電機4の負荷トルクを内燃機関1の出力軸の回転を停止させるトルクとなるように制御した。これにより、内燃機関1の出力軸の回転に伴う不都合を好適に回避することができる。
(3)発電機4のインバータ10の短絡異常時における内燃機関1の回転制限を、インバータ10のスイッチング操作によって行った。このため、発電機4の電流の連続性を保つことができ、ひいては発電機4の電流を強制的にゼロとする場合に生じるアーク電流の発生等を好適に回避することができる。
(4)発電機4のインバータ10の短絡異常時、発電機4の回転速度が回転速度N2以上であるとき、他の全てのアームについて、対応するスイッチング素子を導通状態とする3相短絡制御を行った。これにより、発電機4を流れる電流が大きな値になることや、発電機4のトルクの絶対値が大きい値になること、更には発電機4のトルクが変動することを抑制することができる。
(5)発電機4の回転速度が回転速度N1以下であるとき、インバータ10のスイッチング素子のうち異常の無いものを全て非導通状態とする1相短絡制御を行った。これにより、回転速度N1以下のときの発電機4の負荷トルクの絶対値が大きい値となることやトルクが変動することを抑制することができる。
(6)発電機4の回転速度が回転速度N1より大きく且つ回転速度N2未満であって且つ電動機5の回転速度が上昇中であるとき、発電機4の回転速度を回転速度N2以上となるように加速制御した。これにより、発電機4の回転速度が回転速度N1より大きく回転速度N2未満である領域で彷徨うことで内燃機関1の回転が開始されることを好適に抑制することができる。
(7)発電機4の回転速度が回転速度N1より大きく且つ回転速度N2未満であって且つ電動機5の回転速度が上昇中であるとき、3相の相間電圧が、指令電圧vuc,vvc,vwcによって定まる相間電圧となるように異常のある相以外の2相の指令電圧を変調した。これにより、発電機4の回転軸のトルクを所望のトルクに制御することができ、ひいては回転速度N2以上の領域まで迅速に移行させることができる。
(8)3相の指令電圧vuc,vvc,vwcの周期の「1/3」の期間、2相変調による制御を行った。これにより、発電機4のトルクを所望のトルクに好適に制御することができる。
(9)発電機4の回転速度が回転速度N1より大きく且つ回転速度N2未満であって且つ電動機5の回転速度が上昇中であるときにおいて、2相変調による制御を行う期間以外は、1相短絡制御を行った。これにより、2相変調による制御とすべく待機する期間において、トルクの絶対値の増大を抑制することができる。
(10)発電機4の回転軸をサンギアと、電動機5の回転軸をリングギアと、内燃機関1の出力軸をプラネタリギアとそれぞれ接続した。これにより、電動機5の回転速度が上昇するほど発電機4の回転速度を逆方向に上昇させることで、内燃機関1の出力軸の回転速度を制限することができる。
(11)発電機4を、DCブラシレスモータとすることで、3相短絡制御時であっても、逆起電力により発電機4に電流が流れる構成となっている。ここで、回転速度N2以下のときには、2相変調制御や1相短絡制御をすることで、発電機4の負荷トルクの増大を好適に抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図14に、本実施形態にかかる発電機4、インバータ10、及びマイクロコンピュータ50を示す。なお、図14において、先の図2と同一の機能を有する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、インバータ10の各アームの出力と発電機4の3相とを接続する開閉回路130,132,134を備えている。これら開閉回路130,132,134は、ノーマリークローズ式のものであるが、一度オープン状態となると閉状態とならないものであることが望ましい。これら開閉回路130,132,134は、例えば出力バスバーの備えるリレーとすればよい。
図15に、本実施形態における短絡異常時の処理の手順を示す。この処理は、マイクロコンピュータ50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。図示されるように、インバータ10のスイッチング素子12〜22のいずれかに短絡異常があるとき(ステップS30:YES)、開閉回路130,132,134を開操作する(ステップS32)。
これにより、発電機4の3相は、開ループとなるため、逆起電力も生じず、発電機4の負荷トルクを略ゼロとすることができる。このため、電動機5の回転速度が上昇したとしても、これに応じて、内燃機関1の停止を保つように発電機4の回転速度が変化する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)及び(2)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(12)短絡異常があると判断されるとき、開閉回路130,132,134を非導通状態とした。これにより、発電機4のトルクを略ゼロとすることができ、ひいては内燃機関1の出力軸の回転を抑制することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図16に、本実施形態における短絡異常時の処理の手順を示す。この処理は、マイクロコンピュータ50により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、インバータ10のスイッチング素子12〜22のいずれか1つに短絡異常がある旨判断されているとき(ステップS40)、ステップS42において、既に開閉回路130,132,134の開操作がなされているか否かを判断する。ここでは、開閉回路130,132,134として、一度オープン状態となると閉状態とならないものを想定している。このため、一度開操作がなされている場合には、この図16に示す一連の処理を終了する。
一方、開操作が未だなされていないときには、実電流iu,iv,iwの全てがゼロであるか否かを判断する。そして、実電流iu,iv,iwの全てがゼロであるであるときには、ステップS46において、開閉回路130,132,134を開操作する。これに対し、iu,iv,iwの全てがゼロではないときには、ステップS48において、上記第1の実施形態と同様の処理を行う。
ここで、実電流iu,iv,iwの全てがゼロであるときに開閉回路130,132,134を開操作するのは、以下の理由による。すなわち、実電流iu,iv,iwが流れているときに開閉回路130,132,134によって強制的に実電流iu,iv,iwをゼロとする場合には、アーク電流が発生するため、開閉回路130,132,134にアーク電流を減衰させる機能を設ける必要が生じる。このため、こうした構成とする場合には、開閉回路130,132,134に上記機能を備えることで、インバータ10の大型化が避けられない。
これに対し、本実施形態によれば、実電流iu,iv,iwの全てがゼロであるときに開閉回路130,132,134を開操作するために、こうした問題を回避することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)及び(2)の効果、先の第2の実施形態の上記(12)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(13)実電流iu,iv,iwの全てがゼロであるときに開閉回路130,132,134を開操作することで、アーク電流の発生を回避することができ、開閉回路130,132,134にアーク電流を減衰させる機能を備える必要性を解消することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第1の実施形態では、発電機4の回転速度に応じて1相短絡制御、2相変調制御、3相短絡制御を切り替えることで、内燃機関1の回転速度がフライホイールダンパ2の共振周波数に相当する回転速度領域となることを回避した。しかし、上記制御を行なったとしても、内燃機関1が極めて低い回転速度で回転するおそれがあることが、第1の実施形態の実施によって発明者らによって見出されている。
その要因としては、発電機4が内燃機関1のフリクショントルク以下の負荷トルクを発生していたとしても、フライホイールダンパ2が必ずしも停止しないことが考えられる。このため、フライホイールダンパ2により内燃機関1の出力軸にトルクが加わる可能性がある。また、1相短絡制御によって発電機4に生じる負荷トルクは、先の図5(b)に示したように、実際には時間に対して顕著に変動することも要因となり得る。すなわち、1相短絡制御による発電機4の負荷トルクと回転速度とについての先の図10に示した関係は、時間軸上で変動する負荷トルクに対していかに定義するかについて自由度があるが、ここで各回転速度における時間平均値を負荷トルクとする場合には、実際には内燃機関1のフリクショントルクを超えることが有りえることとなる。これらについて、要因が完全に究明されいているわけではないが、内燃機関1が極めて低い回転速度で回転する現象は発明者らによって実際に観察されている。
特に車両が極低速(例えば「0〜数キロ」)で走行するときには、発電機4は「100rpm」前後で回転する。そしてこのとき、図17に示すように、発電機4の負荷トルクにより内燃機関1が非常に低い回転速度で回転する現象が生じ得る。このように非常に低い回転速度で回転するときには、内燃機関1のフリクショントルクの変化、すなわち、ピストンによる圧縮、膨張の周期的な変化に起因するフリクショントルクの変化は、「0〜10Hz」程度の周波数を有する周期的な変動となる。この周波数は、内燃機関1から駆動輪8までの駆動系の共振帯と一致するため、これにより、車両に前後振動が生じるおそれがある。
そこで本実施形態では、図18に示すように、回転速度N2未満であるときには、2相変調を行うことで発電機4の負荷トルクを低減する。
図19に、本実施形態にかかる短絡異常時の処理手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図19において、先の図12に示した処理と同一の処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS16において、発電機4の回転速度が回転速度N2未満であると判断されると、ステップS24において2相変調を行なう。なお、この際の指令電圧vuc,vvc,vwcは、上記インバータ10の1相短絡異常時のフェールセーフ処理として適切な値を予め実験等によって定めておく。なお、この際、指令電圧vuc,vvc,vwcを、例えば電動機5に対する要求トルクや電動機5の回転速度に応じて可変設定するようにしてもよい。ただし、ここでは、電動機5の回転速度が上昇中であるときと上昇中でないときとで、各別に指令電圧vuc,vvc,vwcを設定することが望ましい。すなわち、電動機5の回転速度が上昇中であるときには、上記第1の実施形態のように、発電機4の回転速度を回転速度N2以上に加速する処理を行う。これに対し、減速中等にあっては、発電機4の負荷トルクを極力低減するうえで適切な処理を行なう。なお、これらいずれにせよ発電機4の負荷トルクを低減するという点では同一である。
この2相変調処理は、先の図13に示した処理と同様、指令電圧の周期の「1/3」の期間、換言すれば電気角「120°」の期間に限って行なわれる。そして、残りの期間については、1相短絡制御及び3相短絡制御のいずれかを行う。なお、1相短絡制御及び3相短絡制御のいずれにするかについては、発電機4の構造によって定まる負荷トルク特性と、内燃機関1の構造(排気量や気筒数等)によって定まるフリクション特性に応じて、内燃機関1の回転をより低減できる方を、車両毎に選択すればよい。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(4)、(7)、(10)、(11)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(14)発電機4の回転軸の回転速度が回転速度N2未満であるとき、異常のある相以外の2相の指令電圧を変調する2相変調処理を行なった。これにより、発電機4の回転軸のトルクを所望のトルクに制御することができ、ひいては回転軸の負荷トルクを制限できる。また、発電機4の回転速度が回転速度N2以上であるときには3相短絡制御をすることで、全回転速度領域にわたって、発電機4の負荷トルクを好適に低減することができる。このため、発電機4の全回転速度領域に渡って内燃機関1の出力軸の回転を好適に制限することができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、電動機5の出力制御をする際に操作対象となるインバータの異常時、フェールセーフ処理を行なう。
図20に、パワーコントロールユニット6のうち、特に電動機5の制御に関する部分を示す。なお、図20において、先の図2に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
インバータ10のいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常が生じるときには、電動機5の出力トルクを高精度に制御することができない。このため、こうした状況下、本実施形態では、内燃機関1によるリンプホーム処理を行なう。ただし、この際、電動機5の負荷トルクが大きくなると、内燃機関1の駆動力を駆動輪8に適切に伝達させることができなくなるおそれがある。また、電動機5やインバータ10に過大な電流が流れるおそれもある。
そこで本実施形態では、図21に示すように、電動機5の回転速度が回転速度N3以上であるときには3相短絡制御を行い、回転速度N3未満であるときには2相変調制御によって電動機5の負荷トルクを制限する。図22に、本実施形態にかかる電動機5側のインバータ10の短絡異常時の処理手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS50において、電動機5側のインバータ10のいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があるか否かを判断する。この処理は、先の第1の実施形態において説明した手法にて図示しないロジックで行なわれる短絡異常診断処理にて、短絡異常であると判断されているか否かを判断するものである。短絡異常があると判断されると、ステップS52において、内燃機関1が非稼動状態であるか否かを判断する。この判断は、電動機5に代えて、内燃機関1による駆動力の供給が可能な状態か否かを判断するものである。そして、内燃機関1が非稼動状態であると判断されるときには、ステップS54において、内燃機関1を稼動させる。
ステップS52において否定判断されるときや、ステップS54の処理が完了するときには、ステップS56に移行する。ステップS56では、電動機5の回転速度が回転速度N3以上であるか否かを判断する。ここで回転速度N3は、3相短絡制御によって電動機5に生じる負荷トルクが、内燃機関1による駆動輪8への駆動力の供給の妨げになることのない回転速度に設定されている。このため、ステップS56において肯定判断されるときには、ステップS58において3相短絡制御を行う。
これに対し、ステップS56において否定判断されるときには、ステップS60に移行する。ここでは、電動機5の負荷トルクを低減するように2相変調制御を行う。なお、この際の指令電圧vuc,vvc,vwcは、上記インバータ10の1相短絡異常時のフェールセーフ処理として適切な値を予め実験等によって定めておく。この際、指令電圧vuc,vvc,vwcを、例えば電動機5に対する要求トルクや電動機5の回転速度に応じて可変設定するようにしてもよい。ここで要求トルクとは、リンプホーム時の要求トルクである。また、回転速度については、回転速度が高いほど電動機5に生じる逆起電力が大きくなることに鑑み、回転速度が高いほど指令電圧vuc,vvc,vwcの振幅を大きくする。
この2相変調処理は、先の図13に示した処理と同様、指令電圧の周期の「1/3」の期間、換言すれば電気角「120°」の期間に限って行なわれる。そして、残りの期間については、1相短絡制御及び3相短絡制御のいずれかを行う。なお、1相短絡制御及び3相短絡制御のいずれにするかについては、電動機5の構造によって定まる負荷トルク特性に応じて、車両毎に選択すればよい。
以上説明した本実施形態によれば、電動機5の短絡異常時に適切にリンプホーム処理を行なうことができる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図23に、本実施形態にかかる電動機5、インバータ10、及びマイクロコンピュータ50を示す。なお、図23において、先の図14と対応する部材には、便宜上、同一の符号を付している。
本実施形態では、インバータ10の各アームの出力と電動機5との間に、開閉回路130,132,134を備える。そして、インバータ10のいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子が短絡する異常等が生じたときには、開閉回路130,132,134を開操作する。これにより、電動機5の3相を開ループとすることができ、ひいては逆起電力の発生を回避し、電動機5の負荷トルクを略ゼロとすることができる。なお、開閉回路130,132,134の開操作手法としては、先の第3の実施形態の手法を採用してもよい。
(第7の実施形態)
以下、第7の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図24に、本実施形態にかかるハイブリッドシステムの全体構成を示す。なお、図24において、先の図1に示した部材と対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態にかかるハイブリッド車は、4輪駆動車である。そして、後輪8Rに動力を伝達すべく、第2の電動機9(MG3)を備えている。第2の電動機9も、DCブラシレスモータである。この場合、第2の電動機9側のインバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があるときには、第2の電動機9に負荷トルクが発生することで、後輪8Rに負荷トルクが生じ、ひいては車両の走行にとって意図しない制動力が生じるおそれがある。
そこで本実施形態では、第2の電動機9側のインバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があるときには、先の第5の実施形態に準じたフェールセーフ処理を行なう。図25に、本実施形態にかかる第2の電動機9側のインバータの短絡異常時の処理手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS70において、第2の電動機9側のインバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があるか否かを判断する。この処理は、先の図22のステップS50の処理と同様の処理である。そして、異常があると判断されるときには、ステップS72に移行する。ステップS72においては、第2の電動機9の回転速度が回転速度N4以上であるか否かを判断する。ここで回転速度N4は、3相短絡制御によって第2の電動機9に生じる負荷トルクが、車両の走行に支障をきたすことのない回転速度に設定されている。そして、回転速度N3以上であるときには、ステップS74において3相短絡制御を行う。これに対し、回転速度N3未満であると判断されるときには、ステップS76において、2相変調制御を行う。この処理は、先の図22のステップS60の処理に準じたものである。
上記ステップS70において否定判断されるときや、ステップS74、S76の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。なお、後輪8Rのみを駆動輪として走行するモードを有する場合には、ステップS70において肯定判断されるとき、内燃機関2及び電動機5の少なくとも一方を稼動させ、駆動輪8による走行を行なうようにすることが望ましい。
以上説明した本実施形態によれば、第2の電動機9側のインバータの短絡異常に適切に対処することができる。
(第8の実施形態)
以下、第8の実施形態について、先の第7の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図26に、本実施形態にかかる第2の電動機9側のインバータの短絡異常時の処理手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図26において、先の図25に示した処理と対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付した。
図示されるように、本実施形態では、第2の電動機9側のインバータの短絡異常時、その回転速度にかかわらず、3相短絡制御を行う。
(第9の実施形態)
以下、第9の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図27に、本実施形態にかかる第2の電動機9、インバータ10、及びマイクロコンピュータ50を示す。なお、図27において、先の図23と対応する部材には、便宜上、同一の符号を付している。
本実施形態では、インバータ10の各アームの出力と第2の電動機9との間に、開閉回路130,132,134を備える。そして、インバータ10のいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子が短絡する異常等が生じたときには、開閉回路130,132,134を開操作する。これにより、第2の電動機9の3相を開ループとすることができ、ひいては逆起電力の発生を回避し、第2の電動機9の負荷トルクを略ゼロとすることができる。なお、開閉回路130,132,134の開操作手法としては、先の第3の実施形態の手法を採用してもよい。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第7の実施形態において、第2の電動機9の回転速度が回転速度N4よりも低速の所定速度以下であるときには、1相短絡制御を行ってもよい。また、第8の実施形態において、回転速度N4未満であるときに1相短絡制御を行ってもよい。
・第2の実施形態や第6の実施形態において、開閉回路130,132,134としては、ノーマリークローズタイプのものに限らず、ノーマリーオープンタイプのものであってもよい。
・上記第1の実施形態について、回転速度が回転速度N1よりも大きく回転速度N2未満であって2相変調を行わない待機期間において、3相短絡制御を行っても、上記(1)〜(8)、(10)、(11)の効果を得ることはできる。
・上記第1の実施形態において、電動機5の回転速度が低下するときにも、発電機4の回転速度が回転速度N1より大きく回転速度N2未満であるなら、回転速度N1以下とするように、発電機4の負荷トルクを2相変調によって制御してもよい。
・上記第1の実施形態では、内燃機関1の回転速度がゼロとなるように発電機4のトルクを制御したが、これに限らず、例えばフライホイールダンパの共振周波数に相当する回転速度領域に内燃機関1の回転速度が入らないように発電機4のトルクを制御してもよい。
・上記第1の実施形態において、内燃機関1が通常アイドル回転速度以上で運転されることに鑑みれば、内燃機関1の回転速度がアイドル回転速度未満であってゼロより大きい回転速度とならないように発電機4のトルクを制御することで、内燃機関1の出力軸の回転による不都合を好適に抑制することができると考えられる。
・フライホイールダンパの共振周波数に相当する回転速度領域がアイドル回転速度未満の領域に無い場合であっても、内燃機関1の非稼動時に意図せずして内燃機関1の出力軸が回転を開始することを制限することは有効である。
・短絡異常時における発電機4のトルクの制御手法としては、先の第1の実施形態等で例示したものに限らない。例えば全ての回転速度領域において、2相変調による処理によって発電機4のトルクを内燃機関1の回転を制限するように制御してもよい。この場合、発電機4を流れる電流が過度に大きくならないように、実電流iu,iv,iwを監視することが望ましい。
・発電機4、電動機5及び内燃機関1と遊星歯車機構の各ギアとの連結態様は、上記実施形態で例示したものに限らない。更に、動力分割機構3としては、上記遊星歯車機構を備えるものに限らない。要は、発電機4のインバータ10の短絡異常時において、内燃機関1が稼動されていないにもかかわらず、電動機5の動力が動力分割機構3によって内燃機関1の出力軸に伝達されることで内燃機関1の出力軸が回転するおそれがあるなら、本発明の適用は有効である。
・インバータの短絡異常時にトルク制御の対象となる多相回転電機(多相発電機、多相電動機)としては、DCブラシレスモータに限らない。ただし、磁石界磁式回転電機のように3相短絡制御によって逆起電力が生じる構成であるなら、発電機4の回転速度が回転速度N2未満となるときや、電動機5の回転速度が回転速度N3未満となるとき等には3相短絡制御によって不都合が生じるため、上記各実施形態やその変形例の適用は有効である。
・PI制御部84,86のゲインの設定を調節するなどして、非干渉化制御部88を割愛してもよい。
・多相回転電機の制御装置としては、ハイブリッド車に搭載されるものに限らない。例えば電気自動車に搭載されるものであっても、インバータの短絡異常時に3相短絡制御をすることは有効である。また、この場合であっても、インバータの短絡異常時に、第9の実施形態を適用することも有効である。
1…内燃機関、2…フライホイールダンパ、3…動力分割機構、4…発電機、5…電動機、10…インバータ、50…マイクロコンピュータ(多相回転電機の制御装置の一実施形態)。

Claims (2)

  1. インバータのスイッチング素子を操作することで相回転電機の出力を制御する相回転電機の制御装置において、
    前記インバータの各相のアームにおける一方のスイッチング素子を操作する操作信号及び前記操作信号の反転信号を生成し、前記一方のスイッチング素子を前記操作信号により操作し且つ他方のスイッチング素子を前記反転信号により操作するものであり、
    前記インバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があると判断されて且つ前記相回転電機の回転速度が予め定められた速度以上であるとき、異常のない相の前記スイッチング素子のうち、前記一方のスイッチング素子と接続される側の前記インバータの入力端と接続される全てのスイッチング素子を前記操作信号により導通状態とし、且つ各相のアームにおける他方のスイッチング素子を前記反転信号により非導通状態とし、
    前記3相回転電機の回転軸のトルクを所望のトルクに制御するための3相の指令電圧を算出する算出手段を更に備え、
    前記インバータのいずれか1相のアームのいずれか一方のスイッチング素子に短絡異常があると判断されて且つ前記3相回転電機の回転速度が前記予め定められた速度未満であるとき、正極との前記短絡異常がある1相の前記指令電圧が他の2相の前記指令電圧以上である区間、又は負極との前記短絡異常がある1相の前記指令電圧が他の2相の前記指令電圧以下である区間において、前記3相の相間電圧が前記算出手段によって算出される前記3相の指令電圧によって定まる相間電圧となるように前記異常のある相以外の2相の指令電圧を変調することを特徴とする3相回転電機の制御装置。
  2. 前記3相回転電機が3相電動機であり、
    当該制御装置は、前記3相回転電機とは別に原動機を備えるシステムの制御装置であることを特徴とする請求項1に記載の3相回転電機の制御装置。
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