JP2005287169A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 出力側操作ドライブ回路側で電源喪失事故などが発生したとき、電力変換装置内に設けられた各パワー半導体素子のゲートを遮断して、出力側コンタクタの主接点溶着事故などが発生しないようにする。
【解決手段】 出力側コンタクタ操作コイル25よりも小さく、かつ早く動作するコイルを選択し、これを電源喪失検出用操作コイル26として出力側コンタクタ操作コイル25に並列に接続し、R相ライン24、T相ライン22を介して供給される電源電圧の喪失事故などが発生したとき、出力側コンタクタ操作コイル25が出力側コンタクト19を開状態にする前に、電源喪失検出用操作コイル26に接点27を開状態にし、エレベータ制御マイコン基板20に対するアンサーバック信号の供給を停止させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、エレベータ設備の巻線モータなどに電力を供給する電力変換装置に関する。
近年、ビルの集約化が進んで、設備も大規模化、高層化され、これに伴いビルに設置されるエレベータシステムにも、大量、高速輸送が可能な大容量エレベータシステムが要求され、電力変換システムも、大容量化されている。
図9はこのような大容量エレベータシステムで使用される大容量化された電力変換システムの一例を示すブロック図である。
この図に示す電力変換システム101では、商用電源から供給される三相交流電圧を電力変換して、指定された電圧値、電流値、周波数の三相交流電圧を生成する2つの電力変換装置103、104と、ビルの各階床毎に設けられた呼び入力装置、乗りかご106内に設けられた呼び入力装置からの呼び情報などに基づき、各電力変換装置103、104の動作を制御して、巻線モータ105に駆動力を発生させ、乗りかご106を昇降制御する制御装置107とを備えており、ビルの各階床毎に設けられた呼び入力装置、乗りかご106内に設けられた呼び入力装置からの呼び情報などに基づき、制御装置107によって、各電力変換装置103、104が制御され、予め設定された運転パターンに沿って乗りかご106を昇降するのに必要な電圧値、電流値、周波数の三相交流電圧が生成されて巻線モータ105が駆動される。
各電力変換装置103、104は、制御装置107のエレベータ制御マイコン基板120から出力側オン信号が出力されたとき、オン状態になる操作コイル121と、一端がT相ライン122に接続され、操作コイル121がオン状態になっているとき、閉状態にされる接点123と、一端がR相ライン124に接続され、他端が接点123の他端に接続され、接点123が閉状態にされているとき、オン状態になり、出力側コンタクタ119を閉状態にする出力側コンタクタ操作コイル125と、出力側コンタクタ操作コイル125がオン状態になっているとき、閉状態になって、エレベータ制御マイコン基板120にアンサーバック信号を供給する接点126とによって構成され、制御装置107から出力側オン信号が出力されているとき、出力側コンタクタ119を導通状態にして、電力逆変換器117から出力される三相交流電圧を通過させ、巻線モータ105を駆動する出力側操作ドライブ回路118を備えている。
また、制御装置107は、各種の処理を行うマイクロコンピュータ、マイクロコンピュータの動作を規定するプログラム、運転パターンなどが格納されるEEPROM、マイクロコンピュータの作業エリアなどとして使用されるRAMなどが搭載されたエレベータ制御マイコン基板120を備えている。
そして、各電力変換装置103、104のいずれか一方、例えば電力変換装置103が故障し、残っている方の電力変換装置104だけで、巻線モータ105の駆動を継続するとき、エレベータ制御マイコン基板120によって、故障した電力変換装置103の出力側操作ドライブ回路118をオフ状態にして、巻線モータ105と、故障した電力変換装置103の電力逆変換器117とを切り離すとともに、電力変換装置103の電力逆変換器117に対するゲート信号の供給を停止し、巻線モータ105に逆起電圧が誘起された場合にも、故障した電力変換装置103の電力逆変換器117に印加されるのを防止して、機器などの破損事故につながる、インバータ直流リンク回路電圧(電力変換装置103に設けられた平滑コンデンサ116の両端間電圧)の上昇事故を防止するようにしている。
特開平02−48387号公報
しかしながら、このような従来の電力変換システム101では、R相ライン124、T相ライン122を介して供給される電源電圧の喪失事故、あるいは出力側コンタクタ操作コイル125の故障、操作コイル121の故障などが発生したとき、出力側コンタクタ操作コイル125によって、出力側コンタクタ119が開状態にされると同時に、接点126が開状態にされて、エレベータ制御マイコン基板120に対するアンサーバック信号の供給を停止し、電力変換装置103の電力逆変換器117に対するゲート信号の供給を停止するようにしているので、エレベータ起動時などのように、各電力変換装置103、104から大きな電流値を持つ三相交流電圧が出力されている状態で、R相ライン124、T相ライン122を介して供給される電源電圧の喪失事故、あるいは出力側コンタクタ操作コイル125の故障、操作コイル121の故障などが発生したとき、エレベータ制御マイコン基板102によって、電力逆変換器117などを構成しているパワー半導体素子のゲート遮断などが行われる前に、出力側コンタクタ119が開いて、有電流遮断が発生し、出力側コンタクタ119の主接点が溶着してしまうなどの事故が発生する恐れがあった。
そこで、このような問題を解決する方法として、出力側コンタクタ119として、高価な大型のコンタクタを使用し、有電流遮断が発生しても、主接点が溶着しないようにすることも検討されているが、このような方法では、システム全体のコストが高くなるという問題がある。
本発明は上記の事情に鑑み、出力側操作ドライブ回路側で電源喪失事故や操作コイルの故障などが発生したときにあっても高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、出力側コンタクタの主接点溶着事故などの発生を未然に防止できるようにした電力変換装置を提供することを主目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、制御装置により制御され、商用電源から供給される電力を電動機の運転に必要な電力に変換して前記電動機を駆動する駆動装置に供給する電力変換装置において、電源喪失が発生したとき、前記駆動装置との間に配置された出力側コンタクトを開状態にして前記駆動装置との間を電気的に遮断する出力側コンタクタ操作コイルと、この出力側コンタクタ操作コイルよりも速い接点開閉速度を持つコイルによって構成され、前記出力側コンタクタ操作コイルが消磁されたとき、同時に消磁されて、前記制御装置に対するアンサーバック信号の供給を停止することにより、当該電力変換装置内に設けられたパワー半導体素子のゲート遮断処理を実行する電源喪失検出用操作コイルとを備えたことを特徴としている。
上記の構成において、請求項1では、出力側操作ドライブ回路側で電源喪失事故や操作コイルの故障などが発生したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、制御装置に対するアンサーバック信号の供給を停止して、電力変換装置内に設けられた各パワー半導体素子のゲートを遮断し、出力側コンタクタの主接点溶着事故などの発生を未然に防止する。
また、請求項2では、制御装置により制御され、商用電源から供給される電力を電動機の運転に必要な電力に変換して前記電動機を駆動する駆動装置に供給する電力変換装置において、電源喪失が発生したとき、前記駆動装置との間に配置された出力側コンタクトを開状態にして、前記駆動装置との間を電気的に遮断する出力側コンタクタ操作コイルと、この出力側コンタクタ操作コイルよりも速い接点開閉速度を持つコイルによって構成され、前記出力側コンタクタ操作コイルが消磁されたとき、同時に消磁されて、前記制御装置のインバータ起動指令伝達経路を遮断することにより、当該電力変換装置内に設けられたパワー半導体素子のゲート遮断処理を実行する電源喪失検出用操作コイルと、
を備えたことを特徴としている。
上記構成において、請求項2では、出力側操作ドライブ回路側で電源喪失事故、操作コイルの故障などが発生したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、制御装置に対するインバータ起動指令確立信号の供給を停止して、電力変換装置内に設けられた各パワー半導体素子のゲートを遮断し、出力側コンタクタの主接点溶着事故などの発生を防止する。
また、請求項3では、制御装置により制御され、商用電源から供給される電力を電動機の運転に必要な電力に変換して前記電動機を駆動する駆動装置に供給する電力変換装置において、電源喪失が発生したとき、前記駆動装置との間に配置された出力側コンタクトを開状態にして、前記駆動装置との間を電気的に遮断する出力側コンタクタ操作コイルと、この出力側コンタクタ操作コイルよりも速い接点開閉速度を持つコイルによって構成され、前記出力側コンタクタ操作コイルが消磁されたとき、同時に消磁されて、前記制御装置との間に設けられたゲート信号伝達経路を遮断する電源喪失検出用操作コイルとを備えたことを特徴としている。
上記構成において、請求項3では、出力側操作ドライブ回路側で電源喪失事故、操作コイルの故障などが発生したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、制御装置と、電力変換装置との間に設けられた各ゲート信号経路を遮断して、出力側コンタクタの主接点溶着事故などの発生を未然に防止する。
また、請求項4では、制御装置により制御され、商用電源から供給される電力を電動機の運転に必要な電力に変換して前記電動機を駆動する駆動装置に供給する電力変換装置において、電源喪失が発生したとき、第1接点を開状態にするとともに、第2接点を開状態にして、前記制御装置に対するアンサーバック信号の供給を停止することにより、当該電力変換装置内に設けられたパワー半導体素子のゲート遮断処理を実行する操作コイルと、この操作コイルよりも遅い接点開閉速度を持つコイルによって構成され、前記操作コイルによって前記第1接点が開状態にされたとき、当該電力変換装置と前記駆動装置との間に配置された出力側コンタクトを開状態にして両装置間を電気的に遮断する出力側コンタクタ操作コイルとを備えたことを特徴としている。
上記構成において、請求項4では、出力側操作ドライブ回路を構成している操作コイルなどが故障したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、制御装置に対するアンサーバック信号の供給を停止して、電力変換装置内に設けられた各パワー半導体素子のゲートを遮断し、出力側コンタクタの主接点溶着事故などの発生を未然に防止する。
また、請求項5では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力変換装置において、前記制御装置は、前記電力変換装置が異常になったとき、前記乗りかごの運転を即時停止した後、異常であると判定した電力変換装置を前記駆動装置から切り離した状態で、正常に動作する電力変換装置を再起動して、前記乗りかごの救出運転を行うことを特徴としている。
上記構成によれば、請求項5では、出力側操作ドライブ回路側で電源喪失事故、操作コイルの故障などが発生したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、乗りかごの運転を即時停止して、1つの電力変換装置の異常が他の電力変換装置などに波及しないようにした後、正常な電力変換装置を再起動して乗りかごの救出運転を行うことで、利用者の閉じこめ事故などの発生を未然に防止する。
本発明によれば、出力側操作ドライブ回路側で電源喪失事故や操作コイルの故障などが発生したときにあっても高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、出力側コンタクタの主接点溶着事故などの発生を未然に防止できる。
《第1の実施形態》
図1は本発明による電力変換装置が適用された電力変換システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
この図に示す電力変換システム1は、商用電源2から供給される三相交流電圧を電力変換して、指定された電圧値、電流値、周波数の三相交流電圧を生成する2つの電力変換装置3,4と、ビルの各階床毎に設けられた呼び入力装置、乗りかご6内に設けられた呼び入力装置からの呼び情報などに基づき、各電力変換装置3,4の動作を制御して、巻線モータ5に駆動力を発生させ、乗りかご6を昇降制御する制御装置7とを備えている。
各電力変換装置3,4は、図2に示すように、2つの電源リアクトル8,9、1つのダンピング抵抗10、1つのフィルタコンデンサ11によって構成され、商用電源2から供給される三相交流電圧に含まれる不要な交流成分を取り除くフィルタ回路12と、制御装置7から入力側オン信号が出力されているとき、入力側コンタクタ14を導通状態にして、フィルタ回路12から出力される三相交流電圧を通過させる入力側操作ドライブ回路13と、制御装置7から出力される各ゲート信号に基づき、入力側コンタクタ14を介して供給される三相交流電圧を順変換し、指定された電圧値、電流値の直流電圧を生成する電力順変換器15と、電力順変換器15から出力される直流電圧を平滑する平滑コンデンサ16と、制御装置7から出力される各ゲート信号に基づき、平滑コンデンサ16によって平滑化された直流電圧を逆変換し、指定された電圧値、電流値、周波数の三相交流電圧を生成する電力逆変換器17とを備えている。
さらに、各電力変換装置3,4は、図3に示すように、制御装置7のエレベータ制御マイコン基板20から出力側オン信号が出力されたとき、オン状態になる操作コイル21と、一端がT相ライン22に接続され、操作コイル21がオン状態になっているとき、閉状態にされる接点23と、一端がR相ライン24に接続され、他端が接点23の他端に接続され、接点23が閉状態にされているとき、オン状態になり、出力側コンタクタ19を閉状態にする出力側コンタクタ操作コイル25と、出力側コンタクタ操作コイル25が出力側コンタクタ19を開閉する速度、例えば、100msに比べて速く接点を開閉するコイル、例えば10msで接点を開閉するコイルによって構成され、出力側コンタクタ操作コイル25に並列に接続される電源喪失検出用操作コイル26と、電源喪失検出用操作コイル26がオン状態になっているとき、閉状態になって、エレベータ制御マイコン基板20にアンサーバック信号を供給する接点27とによって構成され、制御装置7から出力側オン信号が出力されているとき、出力側コンタクタ19を導通状態にして、電力逆変換器17から出力される三相交流電圧を通過させ、巻線モータ5を駆動する出力側操作ドライブ回路18を備えている。
そして、制御装置7から入力側オン信号が供給されているとき、入力側操作ドライブ回路13が動作し、商用電源2→フィルタ回路12→入力側コンタクタ14→電力順変換器15なる経路で電力順変換器15に三相交流電圧を導き、制御装置7から出力される電力順変換側の各ゲート信号で指定された電圧値、電流値の直流電圧に変換した後、平滑コンデンサ16によって平滑して、電力逆変換器17に供給する。また、この動作と並行し、制御装置7から出力側オン信号が供給されているとき、出力側ドライブ回路18が動作して、平滑コンデンサ16から出力される直流電圧g電力逆変換器17に取り込まれるとともに、制御装置7から出力される電力逆変換側の各ゲート信号で指定された電圧値、電流値、周波数の三相交流電圧に変換され、電力逆変換器17→出力側コンタクタ19→巻線モータ5なる経路で、巻線モータ5に供給され、乗りかご6が昇降される。
また、制御装置7は、各種の処理を行うマイクロコンピュータ、マイクロコンピュータの動作を規定するプログラム、運転パターンなどが格納されるEEPROM、マイクロコンピュータの作業エリアなどとして使用されるRAMなどが搭載されたエレベータ制御マイコン基板20を備えている。そして、この制御装置7は、各呼び入力装置から出力される呼び情報、予め設定されている運転パターンに応じて、乗りかご6を運転するときの加速度、速度、および必要な電力を求め、入力側操作ドライブ回路13、電力順変換器15の動作状況をモニタしつつ、入力側オン信号、電力順変換側の各ゲート信号などを生成し、これら入力側オン信号、各ゲート信号などを入力側操作ドライブ回路13と電力順変換器15とに各々、供給するとともに、出力側操作ドライブ回路18、電力逆変換器17の動作状況をモニタしながら、出力側オン信号、電力逆変換側の各ゲート信号などを生成し、これら出力側オン信号、各ゲート信号などを出力側操作ドライブ回路18と電力逆変換器17とに各々供給して、巻線モータ5を駆動制御する。
そして、各電力変換装置3,4のいずれか一方、例えば電力変換装置3が故障し、残っている方の電力変換装置4だけで、巻線モータ5の駆動を継続させるとき、エレベータ制御マイコン基板20によって、故障した電力変換装置3の出力側操作ドライブ回路18をオフ状態にして、巻線モータ5と、故障した電力変換装置3の電力逆変換器17とを切り離すとともに、電力変換装置3の電力逆変換器17に対するゲート信号の供給を停止し、巻線モータ5に逆起電圧が誘起された場合にも、故障した電力変換装置3の電力逆変換器17に印加されるのを防止して、機器などの破損事故につながる、インバータ直流リンク回路電圧(電力変換装置3に設けられた平滑コンデンサ16の両端間電圧)の上昇事故を防止する。
次に、図1に示すブロック図、図2、図3に示す各回路図、図4に示すフローチャート、図5に示すタイミングチャートを参照しながら、電力変換システム1の動作を説明する。
まず、図4のフローチャートに示すように、各電力変換装置3,4のいずれか一方、例えば電力変換装置3の出力側操作ドライブ回路18において、図5(a)に示すように、R相ライン24、T相ライン22を介して供給される電源電圧の喪失事故、あるいは出力側コンタクタ操作コイル25の故障、操作コイル21の故障などが発生し、図5(b)に示すように、出力側コンタクタ操作コイル25が消磁されると、この出力側コンタクタ操作コイル25が消磁されるのと同時に、電源喪失検出用操作コイル26が消磁されて、図5(c)、図5(d)に示すように、出力側コンタクタ19が開状態にされる前に、接点27が開状態にされて、エレベータ制御マイコン基板20に対するアンサーバック信号の供給が停止される(ステップS1、S2)。
これにより、エレベータ制御マイコン基板20によって、R相ライン24、T相ライン22を介して供給される電源電圧の喪失事故、あるいは出力側コンタクタ操作コイル25の故障、操作コイル21の故障などが発生したと判断されて、図5(e)に示すように、故障している電力変換装置3の電力逆変換器17などを構成しているパワー半導体素子のゲート遮断などが行われる(ステップS3)。
この後、図5(c)に示すように、電力変換装置3に設けられた電源喪失検出用操作コイル25の消磁が開始されてから、100ms程度、遅れて、電力変換装置3に設けられた出力側コンタクタ19が開状態にされて、巻線モータ5と、故障した電力変換装置3の電力逆変器17とが電気的に分離されるとともに、電力変換装置4が制御されて、巻線モータ5に制動がかけられ、乗りかご6が緊急停止される(ステップS4)。
次いで、エレベータ制御マイコン基板20によって、通常の運転パターンに代えて、救出運転パターンが選択されるとともに(ステップS5)、各電力変換装置3,4のどちらが故障したかが判定され(ステップS6)、故障していない電力変換装置4が再起動されて、救出運転パターンに基づいた三相交流電圧の生成が開始される(ステップS6〜S9)。
これにより、故障していない電力変換装置4から低い周波数の三相交流電圧が出力されて、巻線モータ5に供給され、乗りかご6がゆっくりした速度で、最も近い階床まで運転され、乗りかご6に乗っている利用者が救出される。
このように、第1の実施形態では、出力側コンタクタ操作コイル25より小さく、かつ速く動作するコイルを選択し、これを電源喪失検出用操作コイル26として出力側コンタクタ操作コイル25に並列に接続し、R相ライン24、T相ライン22を介して供給される電源電圧の喪失事故、操作コイル21の故障などが発生したとき、出力側コンタクタ操作コイル25と、電源喪失検出用操作コイル26とを同時に消磁させ、出力側コンタクタ操作コイル25が出力側コンタクト19を開状態にする前に、電源喪失検出用操作コイル26に接点27を開状態にし、エレベータ制御マイコン基板20に対するアンサーバック信号の供給を停止するようにした。
このため、出力側操作ドライブ回路18側で電源喪失事故、操作コイル21の故障などが発生したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、制御装置7に対するアンサーバック信号の供給を停止して、電力変換装置17内に設けられた各パワー半導体素子のゲートを遮断し、出力側コンタクタ19の主接点溶着事故などを未然に防止できる。
また、第1の実施形態では、各電力変換装置3,4のいずれかが故障したとき、エレベータ制御マイコン基板20によって、各電力変換装置3,4のいずれか故障したかを判断し、故障した電力変換装置、例えば電力変換装置3の電力逆変換器17を構成しているパワー半導体素子のゲート遮断などを実行するとともに、乗りかご6の運転を即時、停止した後、故障していない電力変換装置4を再起動して、乗りかご6の救出運転を開始させるようにしているので、出力側操作ドライブ回路18側で電源喪失事故、操作コイル21の故障などが発生したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、乗りかご6の運転を即時停止して、1つの電力変換装置3の異常が他の電力変換装置4などに波及しないようにした後、正常な電力変換装置4を再起動して、乗りかご6の救出運転を行わせ、利用者の閉じこめ事故などを未然に防止できる。
《第2の実施形態》
図6は本発明による電力変換装置の第2の実施形態で使用される出力側操作ドライブ回路の詳細な構成例を示す回路図である。なお、図3に示す各部と対応する部分に同じ符号が付してある。
第2の実施形態では、出力側操作ドライブ回路18の電源喪失検出用操作コイル26によって開閉される接点27を用いて、エレベータ制御マイコン基板20から出力されるインバータ起動指令をインバータ起動指令確立信号として、エレベータ制御マイコン基板20に帰還させるようにし、電源喪失検出用操作コイル26が消磁されて、接点27を開状態にされたとき、制御装置7のエレベータ制御マイコン基板20に対するインバータ起動指令確立信号の供給を停止し、エレベータ制御マイコン基板20に、R相ライン24、T相ライン22を介して供給される電源電圧の喪失事故、あるいは出力側コンタクタ操作コイル25の故障、操作コイル21の故障などが発生したことを知らせ、電力逆変換器17に設けられた各パワー半導体素子のゲート遮断などを実行するようにしている。
このように、第2の実施形態では、出力側コンタクタ操作コイル25より小さく、かつ早く動作するコイルを選択し、これを電源喪失検出用操作コイル26として、出力側コンタクタ操作コイル25に並列に接続し、R相ライン24、T相ライン22を介して供給される電源電圧の喪失事故、操作コイル21の故障などが発生したとき、出力側コンタクタ操作コイル25と、電源喪失検出用操作コイル26と同時に消磁し、出力側コンタクタ操作コイル25が出力側コンタクト19を開状態にする前に、電源喪失検出用操作コイル26に接点27を開状態にして、エレベータ制御マイコン基板20に対するインバータ起動指令確立信号の供給を停止するようにした。
このため、出力側操作ドライブ回路18側で電源喪失事故、操作コイル21の故障などが発生したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、制御装置7に対するインバータ起動指令確立信号の供給を停止して、電力変換装置17内に設けられた各パワー半導体素子のゲートを遮断し、出力側コンタクタ19の主接点溶着事故などを未然に防止できる。
《第3の実施形態》
図7は本発明による電力変換装置の第3の実施形態で使用される出力側操作ドライブ回路の詳細な構成例を示す回路図である。なお、図3に示す各部と対応する部分に同じ符号が付してある。
第3の実施形態では、各電力変換装置3、4内に、エレベータ制御マイコン基板20から出力される各ゲート信号を増幅して、電力逆変換器17に設けられた各パワー半導体素子のゲートに供給するベースドライブ基板31を設けるとともに、ベースドライブ基板31と、制御装置7のエレベータ制御マイコン基板20との間に、電源喪失検出用操作コイル26が消磁されたとき、開状態になる複数の接点32を設け、電源喪失検出用操作コイル26が消磁されたとき、各接点32を開状態にして、制御装置7のエレベータ制御マイコン基板20から出力される各ゲート信号を遮断するようにしている。
このように、第3の実施形態では、出力側コンタクタ操作コイル25より小さく、かつ早く動作するコイルを選択し、これを電源喪失検出用操作コイル26として、出力側コンタクタ操作コイル25に並列に接続し、R相ライン24、T相ライン22を介して供給される電源電圧の喪失事故、操作コイル21の故障などが発生したとき、出力側コンタクタ操作コイル25と、電源喪失検出用操作コイル26と同時に消磁し、出力側コンタクタ操作コイル25が出力側コンタクト19を開状態にする前に、電源喪失検出用操作コイル26に各接点32を開状態にし、エレベータ制御マイコン基板20からベースドライブ基板31に供給されている各ゲート信号を直接、遮断するようにした。
このため、出力側操作ドライブ回路18側で電源喪失事故、操作コイル21の故障などが発生したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、制御装置7と、電力変換装置17に設けられた各パワー半導体素子との間を遮断して、電力変換装置内に設けられた各パワー半導体素子のゲートを遮断し、出力側コンタクタの主接点溶着事故などの発生を未然に防止できる。
《第4の実施形態》
図8は本発明による電力変換装置の第4の実施形態に使用される出力側操作ドライブ回路の詳細な構成例を示す回路図である。なお、図3に示す各部と対応する部分に同じ符号が付してある。
第4の実施形態では、動作速度が速い小容量のコイルによって構成され、制御装置7のエレベータ制御マイコン基板20から出力側オン信号が出力されたとき、オン状態になる操作コイル41と、一端がT相ライン22に接続され、操作コイル41がオン状態になっているとき、閉状態にされる接点42と、操作コイル41がオン状態になっているとき、閉状態にされ、エレベータ制御マイコン基板20から出力される信号を取り込み、アンサーバック信号として、エレベータ制御マイコン基板20に帰還させる接点43と、操作コイル41の動作速度より遅い動作速度を持つ大容量のコイルによって構成され、一端がR相ライン24に接続され、他端が接点42の他端に接続され、接点42が閉状態にされているとき、オン状態になって出力側コンタクタ19を閉状態にさせる出力側コンタクタ操作コイル25とによって構成される出力側操作ドライブ回路18を使用させるようにしたことである。
そして、制御装置7から出力側オン信号が出力されて、操作コイル41が励磁され、各接点42、43が閉状態にされているとき、接点42に接続されている出力側コンタクタ操作コイル25によって、出力側コンタクタ19が導通状態にされる。そして、電力逆変換器17→出力側コンタクタ19→巻線モータ5なる経路で巻線モータ5に三相交流電圧が供給されて、乗りかご6が運転される。
また、この動作と並行し、操作コイル41により閉状態にされている接点43によって、エレベータ制御マイコン基板20から出力される信号が取り込まれ、これがアンサーバック信号としてエレベータ制御マイコン基板20に帰還される。これにより、エレベータ制御マイコン基板20は操作コイル41が励磁されていることを認識する。
また、操作コイル41などに故障が発生し、各接点42、43が開状態にされたとき、出力側コンタクタ操作コイル25により出力側コンタクト19が開状態にされる前に、エレベータ制御マイコン基板20に対するアンサーバック信号の供給が停止されて、電力逆変換器17などを構成しているパワー半導体素子のゲート遮断などが実行される。
このように、第4の実施形態では、操作コイル41によって開閉される一方の接点42を用いて、出力側コンタクタ操作コイル25が制御され、出力側コンタクタ19が開閉されるとともに、他方の接点43を用いて、アンサーバック信号が生成され、これがエレベータ制御マイコン基板20に供給される。これにより、操作コイル41などに故障が発生したとき、出力側コンタクタ操作コイル25が出力側コンタクト19が開状態にされる前に、エレベータ制御マイコン基板20によって、これが検知され、電力逆変換器17などを構成しているパワー半導体素子のゲート遮断などが実行されるようにしている。このため、出力側操作ドライブ回路18を構成している操作コイル41などが故障したとき、高価な大型の出力側コンタクタを使用することなく、制御装置7に対するアンサーバック信号の供給が停止されて、電力変換装置17内に設けられた各パワー半導体素子のゲートが遮断され、出力側コンタクタ19の主接点溶着事故などが未然に防止できる。
本発明による電力変換装置が適用される電力変換システムの全体構成を示すブロック図である。 図1に示す各電力変換装置の詳細な構成例を示す回路図である。 本発明による電力変換装置の第1の実施形態である出力側操作ドライブ回路の詳細な構成例を示す回路図である。 第1の実施形態の動作例を示すフローチャートである。 第1の実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。 本発明による電力変換装置の第2の実施形態である出力側操作ドライブ回路の詳細な構成例を示す回路図である。 本発明による電力変換装置の第3の実施形態である出力側操作ドライブ回路の詳細な構成例を示す回路図である。 本発明による電力変換装置の第4の実施形態である出力側操作ドライブ回路の詳細な構成例を示す回路図である。 従来の電力変換装置における各出力側操作ドライブ回路の詳細な構成例を示す回路図である。
符号の説明
1:電力変換システム
2:商用電源
3、4:電力変換装置
5:巻線モータ
6:乗りかご
7:制御装置
8、9:電源リアクトル
10:ダンピング抵抗
11:フィルタコンデンサ
12:フィルタ回路
13:入力側操作ドライブ回路
14:入力側コンタクタ
15:電力順変換器
16:平滑コンデンサ
17:電力逆変換器
18:出力側操作ドライブ回路
19:出力側コンタクタ
20:エレベータ制御マイコン基板
21:操作コイル
22:T相ライン
23:接点
24:R相ライン
25:出力側コンタクタ操作コイル
26:電源喪失検出用操作コイル
27:接点
31:ベースドライブ基板
32:接点
41:操作コイル
42:接点
43:接点

Claims (5)

  1. 制御装置により制御され、商用電源から供給される電力を電動機の運転に必要な電力に変換して前記電動機を駆動する駆動装置に供給する電力変換装置において、
    電源喪失が発生したとき、前記駆動装置との間に配置された出力側コンタクトを開状態にして前記駆動装置との間を電気的に遮断する出力側コンタクタ操作コイルと、
    この出力側コンタクタ操作コイルよりも速い接点開閉速度を持つコイルによって構成され、前記出力側コンタクタ操作コイルが消磁されたとき、同時に消磁されて、前記制御装置に対するアンサーバック信号の供給を停止することにより、当該電力変換装置内に設けられたパワー半導体素子のゲート遮断処理を実行する電源喪失検出用操作コイルと、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 制御装置により制御され、商用電源から供給される電力を電動機の運転に必要な電力に変換して前記電動機を駆動する駆動装置に供給する電力変換装置において、
    電源喪失が発生したとき、前記駆動装置との間に配置された出力側コンタクトを開状態にして、前記駆動装置との間を電気的に遮断する出力側コンタクタ操作コイルと、
    この出力側コンタクタ操作コイルよりも速い接点開閉速度を持つコイルによって構成され、前記出力側コンタクタ操作コイルが消磁されたとき、同時に消磁されて、前記制御装置のインバータ起動指令伝達経路を遮断することにより、当該電力変換装置内に設けられたパワー半導体素子のゲート遮断処理を実行する電源喪失検出用操作コイルと、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  3. 制御装置により制御され、商用電源から供給される電力を電動機の運転に必要な電力に変換して前記電動機を駆動する駆動装置に供給する電力変換装置において、
    電源喪失が発生したとき、前記駆動装置との間に配置された出力側コンタクトを開状態にして、前記駆動装置との間を電気的に遮断する出力側コンタクタ操作コイルと、
    この出力側コンタクタ操作コイルよりも速い接点開閉速度を持つコイルによって構成され、前記出力側コンタクタ操作コイルが消磁されたとき、同時に消磁されて、前記制御装置との間に設けられたゲート信号伝達経路を遮断する電源喪失検出用操作コイルと、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  4. 制御装置により制御され、商用電源から供給される電力を電動機の運転に必要な電力に変換して前記電動機を駆動する駆動装置に供給する電力変換装置において、
    電源喪失が発生したとき、第1接点を開状態にするとともに、第2接点を開状態にして、前記制御装置に対するアンサーバック信号の供給を停止することにより、当該電力変換装置内に設けられたパワー半導体素子のゲート遮断処理を実行する操作コイルと、
    この操作コイルよりも遅い接点開閉速度を持つコイルによって構成され、前記操作コイルによって前記第1接点が開状態にされたとき、当該電力変換装置と前記駆動装置との間に配置された出力側コンタクトを開状態にして両装置間を電気的に遮断する出力側コンタクタ操作コイルと、
    を備えたことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
    前記制御装置は、前記電力変換装置が異常になったとき、前記乗りかごの運転を即時停止した後、異常であると判定した電力変換装置を前記駆動装置から切り離した状態で、正常に動作する電力変換装置を再起動して、前記乗りかごの救出運転を行う、
    ことを特徴とする電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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