JPH0618946B2 - ポリプロピレン組成物 - Google Patents

ポリプロピレン組成物

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JPH0618946B2
JPH0618946B2 JP1334000A JP33400089A JPH0618946B2 JP H0618946 B2 JPH0618946 B2 JP H0618946B2 JP 1334000 A JP1334000 A JP 1334000A JP 33400089 A JP33400089 A JP 33400089A JP H0618946 B2 JPH0618946 B2 JP H0618946B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリプロピレン組成物に関する。更に詳しく
は、比較的低い立体規則性を有する特定のポリプロピレ
ンに造核剤を添加してなる、易加工性と強度バランスに
優れたポリプロピレン組成物に関する。
[従来の技術とその課題] 従来、沸騰n-ヘプタン不溶部分が95重量%を超える、充
分に立体規則性の制御されたアイソタクチックポリプロ
ピレンは商業的に生産されており、またこのこのに芳香
族カルボン酸のアルミニウム塩やジベンリデンソルビト
ール類等の各種造核剤を添加し、剛性や透明性を向上さ
せた組成物も成形品の各分野に使用されている。
しかしながら、該ポリプロピレンやその組成物は、ポリ
プロピレンの立体規則性が高い(アイソタクチックペン
タッド分率(P)が0.92〜0.96)ことにより、加工時に
は高いエネルギーや高い成形圧力を必要とするなど加工
性が不十分であったり、また得られた成形品の剛性は高
いものの耐衝撃性が低いといった課題を有していた。
一方、上記のアイソタクチックポリプロピレンやその組
成物に対して、沸騰n-ヘプタン不溶部分が20重量%〜80
重量%程度の低い立体規則性ポリプロピレン(特公昭32
-10596号公報、特公昭39-12105号公報、特公昭53-46799
号公報、特開昭52-102214号公報等)が知られている。
該ポリプロピレンはアイソタクチックポリプロピレンに
比較して加工時の必要エネルギーも低いことから、通常
のアイソタクチックポリプロピレンとは異なった用途が
フィルム等の成形分野で期待されている。
しかしながらこれらのポリプロピレンは著しく低い立体
規則性を有する沸騰n-ヘプタン可溶部分と比較的高い立
体規則性を有する沸騰n-ヘプタン不溶部分とから構成さ
れているため、成形品とした場合には、著しく低い立体
規則性部分が表面にブリードする結果、特開昭57-47371
号公報に見られるように表面粘着性のある成形品しか得
られない。
この点を改良するために該ポリプロピレンにジベンジリ
デンスルビトール類およびゼオライトを添加した組成物
(特開昭60-118727号公報)や、該ポリプロピレンにジ
ベンジリテンソルビトール類等を添加した組成物を用い
てフィルムとする際に急冷したり、特定の結晶構造をと
らせたりする技術(特開昭59-33339号公報、特開昭59-4
3044号公報)が提案されているが、著しく低い立体規則
性を有する沸騰n-ヘプタン可溶部が本質的に多いことか
ら改良効果は未だ不十分なものであった。
また、該ポリプロピレンや組成物を用いて得られた成形
品はその目的が低い剛性にあるものであった。
本発明者は、上述したアイソタクチックポリプロピレン
と低立体規則性ポリプロピレンの長所を兼ね備えた、易
加工性と強度バランスに優れ、しかもブリード等の問題
もないポリプロピレン組成物について鋭意研究した。
その結果、比較的低い立体規則性を有する特定のポリプ
ロピレンに造核剤を添加してなる組成物を用いる際に、
上記課題が解決されることを見いだし、その知見に基つ
き本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は易加工
性と強度バランスに優れたポリプロピレン組成物を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は以下の構成を有する。
(1)アイソタクチックペンタッド分率(P)が0.80〜0.9
1、沸騰n-ヘプタン不溶部分が80重量%〜95重量%であ
り、かつ該n-ヘプタン不溶部分のアイソタクチックペン
タッド分率(Pr)が前記(P)との関係において、0<(P
r)−(P)≦0.08の式を満足するポリプロピレン100重
量部に対して、造核剤0.005重量部〜5重量部を添加し
てなるポリプロピレン組成物。
(2)造核剤が芳香族系燐化合物の金属塩である前記第1
項に記載の組成物。
(3)造核剤がジベンジリデンソルビトール類である前記
第1項に記載の組成物。
(4)造核剤が芳香族系カルボン酸の金属塩である前記第
1項に記載の組成物。
本発明の構成について以下に詳述する。
本発明の組成物を構成する主要な成分であるポリプロピ
レンとしては、ポリプロピレン全体のアイソタクチック
ペンタッド分率(P)が0.80〜0.91であり、かつ該ポリ
プロピレンをソックスレー抽出器により沸騰n-ヘプタン
中で6時間抽出した際の不溶部分についてのアイソタク
チックペンタッド分率(Pr)とした時、上記(P)と、0
<(Pr)−(P)≦0.08なる関係にあり、またこの時の、
沸騰n-ヘプタン不溶部分がポリプロピレン全体の80重量
%〜95重量%であるポリプロピレンが用いられる。
なお、本発明におけるアイソタクチックペンタッド分率
とは、A.Zambelli等によってMacromolecules 6 925(197
3)に発表されている方法、即ち、13C-NMRを使用して測
定されるポリプロピレン分子中のペンタッド単位でのア
イソタクチック分率である。ただし、上述のNMR吸収ピ
ークの帰属決定法は、Macromolecules 8 687(1975)に基
づいた。
上記の(P)が0.91を超えるか、沸騰n-ヘプタン不溶部
分が95重量%を超えると記述した従来のアイソタクチッ
クポリプロピレンとなり、加工性と耐衝撃性に劣るもの
となってしまう。(P)が0.80未満か、沸騰n-ヘプタン
不溶部分が80重量%未満であると剛性が低くなり、本発
明の目的を達成しないばかりか沸騰n-ヘプタン可溶部分
のブリードが問題となってくる。また(Pr)が(P)との
間に、0<(Pr)−(P)≦0.08の関係を満足しない、即
ち(Pr)−(P)が0.08を超えることは、沸騰n-ヘプタン
可溶部分の立体規律性が極めて低いことであり、該沸騰
n-ヘプタン可溶部分のブリードが激しくなる他、強度バ
ランスも不良となる。
以上の物性を満足するポリプロピレンを本発明の組成物
では必須構成成分とするが、このようなポリプロピレン
は、例えばチタン含有固体触媒成分と、有機アルミ
ニウム化合物(A1)、およびP=O結合、イソシアネー
ト基、アクリロキシ基、およびメタクリロキシ基から選
択されたいずれかの結合若しくは基を有する有機ケイ素
化合物(S)とを組み合せた触媒の存在下に、プロピレ
ンを重合することによって得られる。
以下にその詳細を述べる。
まず、チタン含有固体触媒成分としては、立体規則性ポ
リプロピレン製造用チタン含有固体触媒成分であれば公
知のどの様なものでも使用可能であるが、工業生産上、
好適には、特公昭59-28573号公報、特開昭58-17104号公
報等に記載の方法で得られる三塩化チタンを主成分とす
るチタン触媒成分や、特開昭62-104810号公報、特開昭6
2-104811号公報、特開昭62-104812号公報等に記載のマ
グネシウム化合物に四塩化チタンを担持したチタン、マ
グネシウム、ハロゲン、および電子供与体を必須成分と
するチタン含有担持型触媒成分が用いられる。
また、有機アルミニウム化合物(A1)としては、一般式が
AIR1 pR2 p′X3-(p+p′)(式中、R1,R2はアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基で示される炭化水素基また
はアルコキシ基を、Xはハロゲンを表わし、またp,p′
は0<p+p′≦3の任意の数を表わす。)で表わされる
有機アルミニウム化合物が用いられる。
具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリn-プロピルアルミニウム、トリn-ブ
チルアルミニウム、トリi-ブチルアルミニウム、トリn-
ヘキシルアルミニウム、トリi-ヘキシルアルミニウム、
トリ2-メチルペンチルアルミニウム、トリn-オクチルア
ルミニウム、トリn-デシルアルミニウム等のトリアルキ
ルアルミニウム類、ジエチルアルミニウムモノクロライ
ド、ジn-プロピルアルミニウムモノクロライド、ジi-ブ
チルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウ
ムモノフルオライド、ジエチルアルミニウムモノブロマ
イド、ジエチルアルミニウムモノアイオダイド等のジア
ルキルアルミニウムモノハライド類、ジエチルアルミニ
ウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドラ
イド類、メチルアルミニウムセスキクライド、エチルア
ルミニウムセスキクロライド等のアルキルアルミニウム
セスキハライド類、エチルアルミニウムジクロライド、
i-ブチルアルミニウムジクロライド等のモノアルキルア
ルミニウムジハライド類などがあげられ、他にモノエト
キシジエチルアルミニウム、ジエトキシモノエチルアル
ミニウム等のアルコキシアルキルアルミニウム類を用い
ることもできる。これらの有機アルミニウム化合物は2
種類以上を混合して用いることもできる。
触媒を構成する第三成分として使用する有機ケイ素化合
物(S)は、P=O結合、イソシアネート基、アクリロ
キシ基、およびメタクリロキシ基から選択されたいずれ
かの結合若しくは基を有する有機ケイ素化合物(S)
(以後、有機ケイ素化合物(S)と省略していうことが
ある。)である。
該有機ケイ素化合物(S)の具体例としては、トリス
(トリメチルシリル)ホスフェート、トリス(エチルジ
メチルシリル)ホスフェート、トリス(トリエチルシリ
ル)ホスフェート、ビス(トリメチルシリル)メチルホ
スフェート、ビス(トリメチルシリル)エチルホスフェ
ート、ビス(トリメチルシリル)1−メチルビニルホス
フェート、ジエチル(トリメチルシリルメチル)ホスフ
ェート、ジエチル(トリメチルシリルエチル)ホスホネ
ート、ジエチル(トリメチルシロキシカルボニル)メチ
ルホスホネート、ビス(トリメチルシリルメチル)エチ
ルホスフィネート、ビス(トリメチルシリルエチル)エ
チルホスフィネート等のP=O結合を有する有機ケイ素
化合物、トリメチルシリルイソシアネート、トリエチル
シリルイソシアネート、エチルジメチルイソシアネー
ト、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-
イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-イソシ
アネートプロピルジメチルクロロシラン等のイソシアネ
ート基を有する有機ケイ素化合物、 3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリロキ
シプロピルジメチルメトキシシラン、3-アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルト
リス(トリメチルシロキシ)シラン、3-アクリロキシプ
ロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン等のア
クリロキシ基を有する有機ケイ素化合物、3-メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジメ
チルエトキシシラン、2-メタクリロキシプロペニルトリ
メトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルビス(トリ
メチルシロキシ)メチルシラン、3-メタクリロキシプロ
ピルジメチルジクロロシラン等のメタクリロキシ基を有
する有機ケイ素化合物があげられ、これらは1種以上が
用いられる。
上記のチタン含有固体触媒成分、有機アルミニウム化合
物(A1)および有機ケイ素化合物(S)の使用量について
は、チタン含有固体触媒成分中のTi1モルに対し、有機
アルミニウム化合物(A1)を0.1〜2000モル、および有機
ケイ素化合物(S)を0.01〜100モル使用する。
有機ケイ素化合物(S)の使用量が上記範囲外であると
既述した立体規則性を有するポリプロピレンが得られ
ず、アタクチックポリプロピレンの生成が多くなり、重
合運転上や品質上の問題が生じる。
上記した所定量でもって組み合せた触媒はそのままでも
プロピレンの重合に使用することが可能であるが、プロ
ピレン重合時の運転性の面からチタン含有固体触媒成分
に代えて、チタン含有固体触媒成分と有機アルミニウム
化合物(A2)とを組み合わせてこのものにオレフィンを反
応させて予備活性化した触媒成分を用いることがより望
ましい。
予備活性化は、チタン含有固体触媒成分1gに対し、有
機アルミニウム化合物(A2)0.005g〜500g、溶媒0〜50
、水素0〜1000m、およびオレフィン0.01g〜5,00
0g、好ましくは0.05g〜3,000gを用い、0℃〜100℃
で1分〜20時間、オレフィンを反応させて、チタン含有
固体触媒成分1g当り0.01g〜200gのオレフィンを反
応させることが望ましい。
予備活性化のためのオレフィンの反応は、脂肪族または
芳香族炭化水素溶媒中でも、又、溶媒を用いないで液化
プロピレン、液化ブテン-1等の液化オレフィン中でも行
え、エチレン、プロピレン等のオレフィンを気相で反応
させることもできる。更にまた、予めオレフィン重合体
または水素を共存させて行う事もできる。
予備活性化に用いるオレフィンとしては、エチレン、プ
ロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、ヘプテ
ン−1、オクテン-1等の直鎖オレフィン類や4-メチル−
ペンテン-1、2-メチルペンテン-1、3-メチルブテン-1等
の枝鎖オレフィンやスチレン等があげられる。また、有
機アルミニウム化合物(A2)としては、既述の(A1)と同様
なものがあげられる。
予備活性化終了後は、溶媒、有機アルミニウム化合物(A
2)未反応オレフィンを減圧蒸留等で除き、乾燥した粉粒
体として重合に用いることもできるし、チタン含有固体
触媒成分1g当り、80を超えない範囲の溶媒に懸濁し
た状態で用いることもでき、また、溶媒、未反応のオレ
フィン、有機アルミニウム化合物(A2)を濾別若しくはデ
カンテーションで除いた後、乾燥した粉粒体として用い
ることもできる。
かくして組み合わされた触媒、若しくは予備活性化され
た触媒を用いてプロピレンの重合を、実施する。プロピ
レンを重合させる重合形式としては、n-ヘキサン、n-ヘ
プタン、n-オクタン、ベンゼン若しくはトルエン等の炭
化水素溶媒中で行うスラリー重合、または液化プロピレ
ン中で行うバルク重合や気相中で行う気相重合があげら
れる。
重合温度は20℃〜100℃、好ましくは30℃〜90℃であ
る。重合圧力は常圧(0kgf/cm2G)〜50kgf/cm2Gで通常
30分〜15時間程度の重合時間で実施される。重合の際、
分子量調節のための適量の水素を添加するなどは従来の
プロピレンの重合方法と同じである。なお重合はパッチ
重合、連続重合のいずれの方法においても可能である。
なお、上記の重合条件の範囲内であれば必ず既述した本
発明に用いることのできるポリプロピレンが得られると
限らず、個々の触媒および重合条件(特に、使用する
(S)の具体的種類とTiに対するモル比や重合温度等)
を確認し、既述の必要な物性要件を満足するように選択
する必要がある。
以上のようにして本発明のポリプロピレン組成物を構成
するポリプロピレンが得られるが、本発明に使用するポ
リプロピレンは製造方法については何等限定されず、既
述の物性要件を満足するポリプロピレンであればどのよ
うな製造方法であってもかまわない。例えば、次の方法
によっても製造可能である。
該方法は、三塩化チタン組成物と、ジアルキルアル
ミニウムモノハライド(A3)、有機アルミニウム化合物
と水との反応生成物(A4)、および必要に応じて電子供与
体(B1)とを組み合せた触媒の存在下にプロピレンを重合
することによって得られる。
上記の三塩化チタン組成物とジアルキルアルミニウムモ
ノハライドとしては、先に述べたチタン含有固体触媒成
分および有機アルミニウム化合物(A1)としてあげた例中
の三塩化チタン組成物およびジアルキルアルミニウムモ
ノハライドが用いられる。
また有機アルミニウム化合物と水との反応生成物(A4)は
既述の(A1)と同様な有機アルミニウム化合と水との反応
生成物であり、主として下記の一般式[I]および一般
式[II]で表されるアルキルアルミノキサン若しくは一
般式[I]または一般式[II]において、Rが部分的に
塩素、臭素などのハロゲン原子で置換され、かつハロゲ
ン含有量が40重量%以下、好ましくは30重量%以下のハ
ロゲン化アルミノキサンである。これらのうちでトリメ
チルアルミニウムと水との反応生成物であるメチルアル
ミノキサンが最も好ましい。
(式中;Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1
〜約20の整数である。) この際の有機アルミニウム化合物と水との反応方法とし
ては様々な方法があるが、たとえば次の方法を例示する
ことができる。
(1)吸着水を含有する化合物若しくは結晶水を有する塩
類、たとえば硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、
塩化マグネシウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に有
機アルミニウム化合物を添加して反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテルなどの媒体中
で有機アルミニウム化合物に直接水を作用させる方法。
本発明に用いるポリプロピレンの製造においては、上述
の有機アルミニウム化合物と水との反応生成物(A4)を単
独で用いることはもちろん、この生成物(A4)と未反応の
有機アルミニウム化合物(A2)を混合したものを用いるこ
とも可能である。
上記の核触媒成分と共に必要に応じて用いる電子供与体
(B1)は、酸素、窒素、硫黄、燐のいずれかの原子を有す
る有機化合物、すなわち、エーテル類、アルコール類、
エステル類、アルデヒド類、脂肪酸類、ケトン類、ニト
リル類、アミン類、アミド類、尿素又はチオ尿素類、イ
ソシアネート類、アゾ化合物、ホスフィン類、ホスファ
イト類、ホスフィナイト類、硫化水素又はチオエーテル
類、チオアルコール類、シラノール類やSi-O-C結合を有
する有機ケイ素化合物などである。
以上の各触媒成分の使用量としては、三塩化チタン組成
物中のチタン原子1モルに対して、0.005モル〜200モル
のジアルキルアルミニウムモノハライド(A3)、電子供与
体(B1)0〜100モルを用い、かつ有機アルミニウム化合
物と水との反応生成物(A4)をジアルキルアルミニウムモ
ノハライド(A3)に対してアルミニウムのモル比((A4)/
(A3))が0.005〜30となる範囲で使用する。特に(A4)/
(A3)のモル比が重要で、上記範囲をはずれると目的とす
る比較的低い立体規則性を有するポリプロピレンが得ら
れない。
上記した所定量でもって組み合わされた触媒はそのまま
でもプロピレンの重合に用いられるが、プロピレン重合
時の安定運転の面から、三塩化チタン組成物に代えて、
三塩化チタン組成物とジエチルアルミニウムモノクロラ
イド(A3)を組み合わせて、このものにオレフィンを反応
させて予備活性化した触媒成分を用いることがより好ま
しい。
予備活性化の条件は先に述べたチタン含有固体触媒成分
の予備活性化と同様である。かくして得られた触媒、若
しくは予備活性化触媒の存在下にオレフィンを重合させ
て本発明に用いるポリプロピレンが得られる。該重合時
の条件も先に述べたポリプロピレンを得る際と同様な重
合条件が採用される。
本発明の組成物のもう一方の構成成分は、造核剤であ
る。該造核剤としては、ポリプロピレン用造核剤として
一般に用いられている公知の造核剤が使用可能である。
具体例としては、ナトリウム−ビス−(p-t-ブチルフェ
ニル)ホスフェート、カリウム−ビス−(p-t-ブチルフ
ェニル)ホスフェート、ナトリウム−ビス−(p-シクロ
ヘキシルフェニル)ホスフェート、ナトリウムp-t-ブチ
ルフェニルホスフェート、ナトリウム-2,2′-メチレン
−ビス−(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート、ナ
トリウム-2,2′-エチリデン−ビス-(4,6-ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスフェート、リチウム-2,2′-メチレン
−ビス−(4,6-ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェー
ト、ナトリウム-2,2′-エチリデン−ビス-(4-i-プロピ
ル−6-t-ブチルフェニル)オスフェート等の芳香族系燐
化合物、 1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ−
(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ
−(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-
ジ−(p−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,
2,4-ジ−(2′,4′-ジメチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3-p-クロルベンジリデン−2,4-p-メチルベンジリ
デンソリビトール、1,2,3,4-ジ−(p-クロルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,2,3,4-ジ-(p-メトキシベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ-(p-エトキシベンジリデ
ン)ソルビトール等のベンジリデンソルビトール類、安
息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸アルミ
ニウム、p-t-ブチル安息香酸アルミニウム、ジ−p-t-ブ
チル安息香酸アルミニウム等の芳香族カルボン酸の金属
塩、更にはタルク、カオリン等があげられる。
本発明のポリプロピレン組成物は、既述の物性要件を満
足するポリプロピレンに上記した造核剤を添加してな
る。造核剤の添加量は、ポリプロピレン100重量部に対
して0.005重量部〜5重量部である。造核剤の添加量が
0.005重量部より少ないと得られた組成物を用いて製造
された成形品の剛性が低く、また5重量部を超えても本
発明の効果の向上が期待できず経済的でない。
本発明の組成物の製造にあたっては、上記ポリプロピレ
ンおよび造核剤の所定量を混合し、引き続いて混練すれ
ばよい。混合装置としては、ヘンセルミキサー(商品
名)、スーパーミキサーなどの高速攪拌装置をもちいれ
ばよく、また混練装置としては、バンバリミキサー、ロ
ール、コニーダー、単軸若しくは二軸の押出機などを用
いればよい。
混合条件は限定されないが、室温〜100℃、好ましくは
室温〜60℃で30秒ないし1時間、好ましくは1分〜30分
である。また混練条件も限定されないが、混練時間とし
ては押出機内の滞留時間として10秒〜10分、好ましくは
20秒〜5分である。混練温度としては150℃〜300℃、好
ましくは160℃〜260℃である。混練後は、冷却、カット
し粒状の組成物として用いるのが望ましい。
なお、本発明の組成物には上記のポリプロピレンおよび
造核剤のほかに、必要に応じて通常ポリプロピレンに添
加される各種の安定剤や添加剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、帯電防止剤、中和剤、滑剤、アンチブロッキング
剤、銅害防止剤、難燃剤、顔料等を適宜併用することが
できる。
更に本発明の組成物には、本発明の目的を著しく損なわ
ない範囲において、ポリエチレン、ポリブテン、エチレ
ン−プロピレンラバー等の重合体や任意の充填剤を含む
ことができる。充填剤としては、例えばマイカ、ゼオラ
イト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維等の無機
充填剤や、シラン化合物、チタン化合物、アルミニウム
化合物等のカップリング剤で処理された上述の無機充填
剤または木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維等の
有機充填剤があげられる。
かくして得られた本発明のポリプロピレン組成物は、射
出成形、真空成形、押し出し成形、ブロー成形、延伸等
の公知の成形技術によって、射出成形品、無延伸フィル
ム、延伸フィルム、シート等の成形品の用に供される。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を説明する。実施例、比較
例において用いられる用語の定義、および測定方法は次
の通りである。
(1)MFR:メルトフローレート JIS K 7210表1の条
件14による。(単位:g/10分) (2)アイソタクチックペンタッド分率:前述した方法に
基づき、日本電子社製 JEOL GX-270を用いて測定し
た。
(3)沸騰n-ヘプタン不溶部分:前述した方法に基づき、
ポリプロピレンを沸騰n-ヘプタンで抽出した後の固形残
分を表わす。
(4)スパイラルフロー:ポリプロピレン組成物を射出成
形機により、溶融樹脂温度220℃で、断面が半径3mmの
半円形をなし、長さ方向にArchimedesのスパイラルをな
している、50℃の金型に射出圧力が600kgf/cm2で15秒間
射出した際の金型内の樹脂長を測定した。該樹脂長が長
い程、樹脂の溶融流動性が良好で加工性が良いことを示
す。
(5)曲げ弾性率:ポリプロピレン組成物を射出成形機に
より、溶融樹脂温度220℃、金型温度50℃でJIS形の試験
片を作成した。該試験片を湿度50%、湿度23℃の室内で
96時間放置後、JIS K 7230に準拠して23℃にて曲げ弾性
率を測定した。(単位:kgf/cm2) (6)アイゾット衝撃強度:(5)と同様にして試験片を調製
し、JIS K 7203に準拠して23℃にてアイゾット衝撃強度
を測定した。(単位:kgf・cm/cm) (7)内部ヘーズ:(5)と同様にして得た1mmの試験片につ
いて、該試験片の両面に流動パラフィンを塗った後、JI
S K 7205に準拠してヘーズを測定し、表面の影響を除い
た試験片内部の透明性を評価した。(単位:%) (8)ブロッキング力:ポリプロピレン組成物をT-ダイ式
製膜機により、溶融樹脂温度230℃で押し出し、20℃
の冷却ロールで厚さ1mmのシートとした後、該シートを
140℃の熱風で60秒間熱し、二軸延伸機を用いて、縦
横両方向に7倍ずつ延伸し、厚み20μの二軸延伸フィル
ムを得た。2cm(幅)×7cm(長さ)該フィルムの同一
面同士を長さ2cmにわたり重ね、250gf/cm2の荷重下で
温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下に72時間放置した
後、引張試験機を用いて300mm/分の速度で試料のせん
断剥離に要する力を測定した。該数値が低い程、沸騰n-
ヘプタン可溶分やその他の成分のブリードが少なく、耐
ブロッキング性が良い。
(単位:kgf/4cm2) 実施例1 (1)ポリプロピレンの製造 チタン含有固体触媒成分の調製 攪拌機付きステンレス製反応機中において、デカン3
、無水塩化マグネシウム480g、オルトチタン酸n-ブ
チル1.7Kgおよび2-エチル−1−ヘキサノール1.95Kgを
混合し、攪拌しながら130℃に1時間加熱して溶解させ
均一な溶液とした。該均一溶液を70℃とし、攪拌しなが
らフタル酸ジイソブチル180gを加え1時間経過後四塩化
ケイ素5.2Kgを、2.5時間かけて滴下し固体を析出させ、
更に70℃に1時間加熱した。固体を溶液から分離し、ヘ
キサンで洗浄して固体生成物を得た。
該固体生成物全量を1,2-ジクロルエタン15に溶かした
四塩化チタン15と混合し、続いて、フタル酸ジイソブ
チル360gを加え、攪拌しながら100℃に2時間反応させ
た後、同温度においてデカンテーションにより液相部を
除き、再び、1,2-ジクロルエタン15を加え、100℃に
2時間攪拌し、ヘキサンで洗浄し乾燥し、チタン含有担
持型触媒成分を得た。
該チタン含有担持型触媒成分のTi含量は、3.0重量%で
あった。
予備活性化触媒成分の調製 内容積30の攪拌機付きステンレス製反応器を窒素ガス
で置換した後、n-ヘキサン20、トリエチルアルミニウ
ム150g、ジフェニルジメトキシシラン45gおよび上記
で得たチタン含有担持型触媒成分100gを加えた後、
プロピレン150gを供給し、30℃で2時間、予備活性化
反応を行った(チタン含有担持型触媒成分1g当り、プ
ロピレン1.0g反応)。反応時間経過後、固体部分をn-
ヘキサンで洗浄し、さらに乾燥して予備活性化触媒成分
を得た。
プロピレンの重合 窒素置換をした内容積80の攪拌機のついたL/D=3の
横型重合器にMFR3.0の公知の方法で得たポリプロピレン
パウダー20kgを投入後、上記(2)で得た予備活性化触媒
成分にn-ヘキサンを添加し、4.0重量%のn-ヘキサン懸
濁液とした後該懸濁液をTi原子換算で0.423ミリグラム
原子/hr、トリエチルアルミニウムおよび3-イソシアネ
ートプロピルトリエトキシシランの30重量%n-ヘキサン
溶液をTi原子に対してモル比がそれぞれ200および50と
なるように連続的に供給した。
また重合器内の気相中の濃度が0.2容積%を保つように
水素を、全圧力が23Kg/cm2Gを保つようにプロピレンを
それぞれ重合器に供給してプロピレンの気相重合を70℃
において72時間連続して行った。該重合期間中は、重合
器内の重合体の保有レベルが60容積%となるように重合
器から重合体を連続的に10kg/hrで抜き出した。
抜き出した重合体を続いてプロピレンオキサイドを0.2
容積%含む窒素ガスにより85℃にて30分間接触処理した
後、ポリプロピレンパウダーとして得た。該ポリプロピ
レンのアイソタクチックペンタッド分率(P)は0.84
0、沸騰n-ヘプタン不溶部分は87.6重量%であり、該沸
騰n-ヘプタン不溶部分のアイソタクチックペンタッド分
率(Pr)は0.872であった。
(2)ポリプロピレン組成物の製造 内容積100のヘンセルミキサー(商品名)に(1)で得た
ポリプロピレン20kg、テトラキス(メチレン-3-(3′,
5′-ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート)メタン10g、ステアリン酸カルシウム10g
および造核剤としてナトリウム2,2′−メチレンビス−
(4,6-ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート10gを投
入し、3分間攪拌混合した。
引き続いて、内径40mmの単軸押出機を用いて230℃下で
混合物を溶融混練して押し出し、水冷後、カットし、粒
状のポリプロピレン組成物を得た。
比較例1 実施例1の(2)においてナトリウム-2,2′-メチレン−ビ
ス−(4,6-ジ−t-ブチルフェニル)ホスフェートを添加
しないこと以外は同様にしてポリプロピレン組成物を得
た。
比較例2 (1)実施例1の(1)のにおいて、3-イソシアネートプロ
ピルトリエトキシシランを使用しないこと、また重合器
内の気相中の水素濃度を0.1容積%とすること以外は同
様にしてプロピレンの重合を行ったところ、生成する重
合体の流動性が悪化し、重合熱の除熱不良や重合体の重
合器からの抜き出し不良が生じたため、重合開始後24
時間でプロピレンの重合を停止した。
(2)実施例1の(2)において、ポリプロピレンとして上記
(1)で得たポリプロピレンを用いること以外は同様にし
てポリプロピレン組成物を得た。
比較例3 (1)実施例1の(1)のにおいて、3-イソシアネートプロ
ピルトリエトキシシランの代わりにジフェニルジメトキ
シシランをTiに対するモル比が20となるように用い、ま
た各触媒成分を重合器内の全圧力が23kg/cm2Gを保つよ
うに供給すること以外は同様にしてプロピレンの重合を
行い、ポリプロピレンを得た。
(2)比較例1の(2)において、ポリプロピレンとして上記
(1)で得たポリプロピレンを用いること以外は同様にし
てポリプロピレン組成物を得た。
実施例2,3 実施例1の(2)において、ナトリウム-2,2′-メチレン−
ビス-(4,6-ジ−t-ブチルフェニル)ホスフェートの添加
量を2g(実施例2)、60g(実施例3)とそれぞれ変
化させること以外は同様にしてポリプロピレン組成物を
得た。
実施例4 (1)実施例1の(1)のにおいて、3-イソシアネートプロ
ピルエトキシシランの代わりに3-アクリロキシプロピル
トリメトキシシランをTiに対するモル比が30となるよう
に用い、また各触媒成分を重合器内の全圧力が23kg/cm2
Gを保つように供給すること以外は同様にしてプロピレ
ンの重合を行い、ポリプロピレンを得た。
(2)実施例1の(2)において、ポリプロピレンとして上記
(1)で得たポリプロピレン20kg、また造核剤としてナト
リウム-2,2′-メチレン−ビス-(4,6-ジ−t-ブチルフェ
ニル)ホスフェートに代えて1,3,2,4-ジ-(p-メチルベン
ジリデン)ソルビトール20gを用いること以外は同様に
してポリプロピレン組成物を得た。
比較例4 実施例4の(2)において、1,3,2,4-ジ-(p-メチルベンジ
ルリデン)ソルビトールを添加しないこと以外は同様に
してポリプロピレン組成物を得た。
実施例5 (1)ポリプロピレンの製造 チタン含有固体触媒成分の調製 n-ヘキサン6、ジエチルアルミニウムモノクロライド
(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル12.0モルを25
℃で1分間で混合し5分間同温度で反応させて反応生成
液(I)(ジイソアミルエーテル/DEACのモル比2.4)
を得た。窒素置換された反応器に四塩化チタン40モルを
入れ、35℃に加熱し、これに上記反応生成液(I)の全
量を30分間で滴下した後、同温度に30分間保ち、75℃に
昇温して更に1時間反応させ、室温迄冷却し上澄液を除
き、n-ヘキサン20を加えてデカンテーションで上澄液
を除く操作を4回繰り返して、固体生成物(II)を得た。
この(II)の全量をn-ヘキサン30中に懸濁させ、ジエチ
ルアルミニウムモノクロライド200gを加え、30℃でプ
ロピレン1.0kgを加え1時間反応させ、重合処理を施し
た固体生成物(II-A)を得た(プロピレン反応量600
g)。反応後、上澄液を除いて後、n-ヘキサン300mlを
加えてデカンテーションで除く操作を2回繰り返し、上
記の重合処理を施した固体生成物(II-A)2.5kgをn-ヘキ
サン6中に懸濁させて、四塩化チタン3.5kgを室温に
て約10分間で加え、80℃にて30分間反応させた後、更
に、ジイソアミルエーテル1.6kgを加え、80℃で1時間
反応させた。反応終了後、上澄液をデカンテーションで
除いた後、40のn-ヘキサンを加え、10分間攪拌し、静
置して上澄液を除く操作を5回繰り返した後、減圧で乾
燥させ、三塩化チタン組成物を得た。三塩化チタン組成
物1g中のチタン含量を192mgであった。
予備活性化触媒成分の調製 内容積150の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素
ガスで置換した後、n-ヘキサン100、ジエチルアルミ
ニウムモノクロライド114g、で得た三塩化チタン組
成物1.8kgを室温で加えた後、30℃で2時間かけてエチ
レンを1.8Nm3供給し、反応させた(三塩化チタン組成物
1g当り、エチレン1.0g反応)後、未反応エチレンを
除去し、n-ヘキサンで洗浄してから、濾過、乾燥して予
備活性化触媒成分を得た。
プロピレンの重合 実施例1の(1)において、予備活性化触媒成分として、
上記で得た予備活性化触媒成分をTi原子換算で5.8ミ
リグラム原子/hrで、またトリエチルアルミニウムおよ
び3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランに代え
てジエチルアルミニウムモノクロライドおよびトリス
(トリメチルシリル)ホスフェートをTi原子に対してモ
ル比がそれぞれ7.0および2.0となるように用いること、
更に重合器内の気相中の水素濃度を0.7容積%とするこ
と以外は同様にしてポリプロピレンを得た。該ポリプロ
ピレンのアイソタクチックペンタッド分率(P)は0.82
0、沸騰n-ヘプタン不溶部分は85.5重量%、該沸騰n-ヘ
プタン不溶部分のアイソタクチックペンタッド分率(P
r)は0.865であった。
(2)ポリプロピレン組成物の製造 実施例1の(2)において、ポリプロピレンとして上記(1)
で得たポリプロピレンを、また造核剤としてナトリウム
-2,2′-メチレン−ビス-(4,6-ジ−t-ブチルフェニル)
ホスフェートに代えてp-t-ブチル安息香酸アルミニウム
20gを用いること以外は同様にしてポリプロピレン組成
物を得た。
比較例5 実施例5の(2)において、p-t-ブチル安息香酸アルミニ
ウムを添加しないこと以外は同様にしてポリプロピレン
組成物を得た。
比較例6 (1)実施例1の(1)のにおいて、トリス(トリメチルシ
リル)ホスフェートを使用せずに、また、その他の触媒
成分を重合器内の全圧力が23kg/cm2Gを保つように供給
すること以外は同様にしてプロピレンの重合を行い、ポ
リプロピレンを得た。
(2)実施例5の(2)において、ポリプロピレンとして上記
(1)で得たポリプロピレンを用いること以外は同様にし
てポリプロピレン組成物を得た。
実施例6 (1)ポリプロピレンの製造 チタン含有固体触媒成分の調製 実施例5の(1)のと同様にして三塩化チタン組成物を
得た。
予備活性化触媒成分の調製 内容積80の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素ガ
スで置換した後、n-ヘキサン40、ジエチルアルミニウ
ムモノクロライド43g、およびで得た三塩化チタン組
成物450gを室温で加えた後、反応器内の温度を40℃
にし、プロピレン300gを加え、40で1時間、予備活性
化処理を行った。(三塩化チタン組成物1g当り、プロ
ピレン0.5g反応)反応終了後、n-ヘキサンで洗浄して
から、濾過、乾燥して予備活性化触媒成分を得た。
有機アルミニウム化合物と水との反応生成物(A4)の調
製 内容積300の攪拌機を備えたステンレス製反応器を窒
素置換した後、硫酸銅・5水和物37kgと脱水したトルエ
ン50を装入し、10℃まで冷却後、内温が35℃を保つよ
うにコントロールしながら攪拌下にトルエン50で希釈
したトリメチルアルミニウム500モルを4時間かけて添
加した。
添加後、15℃で48時間反応を続けた後、固体を除去し、
更に室温下でトルエンを一部減圧留去してメチルアルミ
ノキサンを含むトルエン溶液40を得た。
プロピレンの重合 実施例5の(1)のにおいて、予備活性化触媒成分とし
て上記で得た予備活性化触媒成分にトルエンを添加
し、4.0重量%のトルエン懸濁液とした予備活性化触媒
成分を用い、ジエチルアルミニウムモノクロライドに加
えて上記で得たメチルアルミノキサンのトルエン溶液
をアルミニウム原子換算でジエチルアルミニウムモノク
ロライドに対してモル比が0.13となるように供給し、ま
たトリス(トリメチルシリル)ホスフェートに代えてメ
タクリル酸メチルをチタン原子に対するモル比が0.05と
なるように供給すること、更に重合器の気相中の水素濃
度を0.8容積%とし、かつ重合器内の全圧力が23kg/cm2G
を保つように各触媒成分を供給すること以外は同様にし
てプロピレンの重合を行い、ポリプロピレンを得た。
得られたポリプロピレンのアイソタクチックペンタッド
分率(P)は0.880、沸騰n-ヘプタン不溶部分は91.0重
量%、該沸騰n-ヘプタン不溶部分のアイソタクチックペ
ンタッド分率(Pr)は0.905であった。
(2)ポリプロピレン組成物の製造 実施例1の(2)において、ポリプロピレンとして上記(1)
で得たポリプロピレンを用いること以外は同様にしてポ
リプロピレン組成物を得た。
比較例7 実施例6の(2)において、ナトリウム-2,2′-メチレン−
ビス-(4,6-ジ−t-−ブチルフェニル)ホスフェートを添
加しないこと以外は同様にしてポリプロピレン組成物を
得た。
以上の実施例および比較例について、ポリプロピレン組
成物の製造(ポリプロピレンと造核剤について)と評価
結果を表に示す。
[発明の効果] 既述した実施例で明らかなように、本発明のポリプロピ
レン組成物(実施例1〜6参照)を成形品に加工する際
には、溶融時の流動性が優れているため、省エネルギー
や生産性向上に寄与する。しかも得られた成形品は通常
のポリプロピレン(比較例3参照)を用いて得られた成
形品と同等の剛性および耐ブロッキング性を有しなが
ら、耐衝撃性および透明性において優れているので各用
途分野に広く利用することが可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アイソタクチックペンタッド分率(P)が
    0.80〜0.91、沸騰n-ヘプタン不溶部分が80重量%〜95重
    量%であり、かつ該n-ヘプタン不溶部分のアイソタクチ
    ックペンタッド分率(Pr)が前記(P)との関係におい
    て、0<(Pr)−(P)≦0.08の式を満足するポリプロピ
    レン100重量部に対して、造核剤0.005重量部〜5重量部
    を添加してなるポリプロピレン組成物。
  2. 【請求項2】造核剤が芳香族系燐化合物の金属塩である
    特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】造核剤がジベンジリデンソルビトール類で
    ある特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  4. 【請求項4】造核剤が芳香族系カルボン酸の金属塩であ
    る特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
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