JPH06183007A - インクジェット記録ヘッド、その製造方法及び記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、その製造方法及び記録装置

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JPH06183007A
JPH06183007A JP34260392A JP34260392A JPH06183007A JP H06183007 A JPH06183007 A JP H06183007A JP 34260392 A JP34260392 A JP 34260392A JP 34260392 A JP34260392 A JP 34260392A JP H06183007 A JPH06183007 A JP H06183007A
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JP
Japan
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recording head
resin
layer
ink jet
substrate
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JP34260392A
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English (en)
Inventor
Hisashi Yamamoto
寿 山本
Emi Saito
恵美 齋藤
Fujihiro Itou
富士弘 伊藤
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 トランスファ成形により液流路、液室を形成
するに当たり、一旦、液流路の高さまで固体層を形成し
た後、1回目のトランスファ成形を行ない、液室部分に
さらに固体層を形成した後、2回目のトランスファ成形
を行なう。またインク吐出口面及び切断分離面を形成す
る部分の樹脂部材を組成の異なる2層以上の樹脂層で構
成する。 【効果】 吐出口の面積及び液流路の寸法を変化させる
ことなく、液室の容量を増大させることができ、またブ
レードの耐久性の向上と、基板と樹脂との密着力、樹脂
の応力緩和の確保を両立し、製造歩留まりを向上させる
ことが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録方式
に用いる記録液小滴を発生させるためのインクジェット
記録ヘッド及びその製造方法に関する。並びにその記録
ヘッドを搭載してなるインクジェット記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液流路形成用材料の成形方法としては、
トランスファ成形による方法があり、従来、複数個の素
子を成膜形成した基板を、トランスファ成形法で一括成
形する方法においては、先ず素子面に除去可能な材料
で、液流路、吐出口、及び液室になる部分に固体層を設
けておいて、その後に樹脂を成形し、それを構造部材と
して、その後、前記除去可能な材料を除去して、液流
路、吐出口及び液室を形成していた。
【0003】上記従来技術の製造方法のいくつかの詳細
について、以下に述べる。
【0004】インクが吐出される吐出口と、前記吐出口
に供給するためのインクを一時的に貯える液室と、前記
吐出口と前記液室とを連通する液流路と、前記吐出口か
らインクを吐出するためのエネルギーを発生するエネル
ギー発生素子とを備えたインクジェット記録ヘッドの製
造方法において、 1)予め、基板の一面に前記エネルギー発生素子を成膜
形成して素子面とし、前記基板の素子面に前記吐出口と
前記液室の一部と前記エネルギー発生素子の位置に対応
した前記液流路とに相当する除去可能な材料からなる固
体層を形成する工程と、前記基板の固体層が形成された
素子面に、トランスファ成形により前記固体層の表面の
うち、吐出口に相当する表面と液室の一部に相当する部
分の表面の一部位とが露出し、その他の表面が被覆され
るように、構造部材を成形と同時に融着する工程と、離
型後、前記構造部材が成形と同時に融着された基板から
前記固体層を除去する工程とからなるものや、 2)予め、基板の一面に前記エネルギー発生素子を成膜
形成して素子面とし、前記基板の素子面に前記吐出口と
前記液室の一部と前記エネルギー発生素子の位置に対応
した前記液流路とに相当する除去可能な材料からなる固
体層を形成する工程と、前記基板の固体層が形成された
素子面に、トランスファ成形により前記固体層の表面の
うち、液室の一部に相当する部分の表面の一部位が露出
し、その他の表面が被覆されるように、構造部材を成形
と同時に融着する工程と、離型後、前記構造部材と基板
とを、前記融着した状態のままで、前記吐出口を形成す
る位置で切断し、その後、前記固体層を除去する工程と
からなるものや、 3)2個の前記インクジェット記録ヘッドが前記吐出口
を中心に双方の前記インクジェット記録ヘッドの液流路
が接続するように対向配置したものに相当する大きさの
基板を用い、前記基板の一面に前記インクジェット記録
ヘッド2個分の前記エネルギー発生素子を前記対向配置
に対応させて成膜形成して素子面とし、前記基板の素子
面に前記各エネルギー発生素子の位置に対応した前記2
個分の互いに連続する液流路と前記各インクジェット記
録ヘッドのそれぞれの液室の一部とに相当する除去可能
な材料からなる固体層を前記対向配置に対応させて形成
する工程と、前記基板の固体層が形成された素子面に、
トランスファ成形により前記固体層の表面のうち、前記
各インクジェット記録ヘッドのそれぞれの液室の一部に
相当する各部分の表面の一部位が露出し、その他の表面
が被覆されるように、構造部材を前記対向配置に対応さ
せて成形と同時に融着する工程と、離型後、前記構造部
材と基板とを、前記融着した状態のままで、前記対向配
置の対向の中心線に沿って切断し、その後、前記固体層
を除去する工程とからなるものや、 4)2個の前記インクジェット記録ヘッドが前記吐出口
を中心に双方の前記インクジェット記録ヘッドの液流路
が接続するように対向配置したものを組として、該組を
複数組並べたものに相当する大きさの基板を用い、前記
基板の一面に前記インクジェット記録ヘッド複数組分の
前記エネルギー発生素子を前記各対向配置に対応させて
成膜形成して素子面とし、前記基板の素子面に前記各エ
ネルギー発生素子の位置に対応した前記複数組分の互い
に連続する液流路と前記各インクジェット記録ヘッドの
それぞれの液室の一部とに相当する除去可能な材料から
なる固体層を前記対向配置に対応させて形成する工程
と、前記基板の固体層が形成された素子面に、トランス
ファ成形により前記固体層の表面のうち、前記各インク
ジェット記録ヘッドのそれぞれの液室の一部に相当する
各部分の表面の一部位が露出し、その他の表面が被覆さ
れるように、構造部材を前記対向配置に対応させて成形
と同時に融着する工程と、離型後、前記構造部材と基板
とを、前記融着した状態のままで、隣接する各組間の境
界線と前記対向配置の対向の中心線に沿って切断し、そ
の後、前記固体層を除去する工程とからなるものがあ
る。
【0005】また、上記の1)〜4)の各方法のトラン
スファ成形による構造部材の成形融着工程において、液
室の一部に相当する各部分の表面の一部位の代わりに、
液流路の液室への接続部に相当する表面が露出するよう
にトランスファ成形を行う方法もある。
【0006】更に、前記4)及びその改良方法におい
て、構造部材と基板とを、融着した状態のままで、隣接
する各組間の境界線と対向配置の対向の中心線とに沿っ
て切断し、その後、固体層を除去する工程の代わりに、
前記構造部材と基板とを、融着した状態のままで、前記
対向配置の対向の中心線に沿って切断し、前記固体層を
除去し、その後、前記構造部材と基板とを前記融着した
状態のままで隣接する各組間の境界線に沿って切断する
工程を採っても良い。
【0007】しかしながら、これらの従来のトランスフ
ァ成形法によるインクジェット記録ヘッドの構造及び製
造方法においては次のような問題があった。 1.最初の除去可能な材料による固体層の形成によっ
て、吐出口、液流路及び液室の厚み寸法が、一度に決定
されてしまうので、設計の自由度が少ない。 2.リファイル速度を速くするため、液室はなるべく高
くしたいが、従来の製造方法では、液室部の除去可能な
固体層の寸法を広げるしか方法がなく、ワークサイズの
増大につながっていた。 3.液室は、液路のすぐ後ろになければならないため、
後述する図4の成形までで終わらせて、その上にインク
供給のホルダーを取り付け、液室の拡大を図ろうとして
も、液流路が約0.3mmと短いため、液流路部上部の
接着部分が非常に少なく、インク供給系の接続が困難で
あった。また、そのため、インクの供給口はなるべく小
さな穴で液流路よりも後ろに持ってこなければならなか
った。
【0008】また、従来のインクジェット記録ヘッドの
構造として、連続的なインクの吐出を安定させるヘッド
の能力を付与するために、吐出口分離切断面には、樹脂
そのものの持つ応力の緩和を目的とした、低弾性率で柔
軟性のある樹脂層を、基板の素子面上に1層形成してい
た。また切断方法においては、図13に示されるよう
に、ステップカット方式や、図14のシングルカット方
式が採られていた。
【0009】図13において、1は最初に通すブレード
で、ステップ1の切断に用いる。ここで吐出口分離部の
ノズル上50μm程度までの樹脂2を切断除去する。次
にステップ2の切断として、ブレード4によって、ステ
ップ1で残った部分の樹脂と基板を動じに切断し、ヘッ
ドを分離する。
【0010】図14はブレード5で樹脂と基板を1回の
切断により分離する方法を示している。
【0011】しかしながら、従来の切断方法およびイン
クジェット記録ヘッドの構造においては、次のような問
題があった。
【0012】1.ステップカット方式においては、それ
ぞれ異なる切削性を持った部材を切断するので、異種類
のブレードを使用する必要があり、さらにそれぞれのブ
レードの耐久性や切削速度が異なるために、ブレード交
換頻度の違いによる装置稼動率の低下や、切断装置の台
数の増加、使用ブレード数の増加などの問題が発生し
た。
【0013】2.シングルカット方式においては、樹脂
の柔軟性が高いために切削性が悪く、ブレードに樹脂が
付着し、目詰まりを起こし易いという問題が発生する。
従って耐久性を上げるためには、ブレード砥粒の粒度を
大きくしたり、ブレードに自生作用を持たせるなどの方
法が採られていた。ブレード砥粒の粒度を大きくする方
法では、切削面に基板のチッピングや、樹脂傷が多発す
る問題が発生し、他方、自生作用をを持たせる方法で
は、ボンド材を脆くする必要があり、そのためブレード
剛性が要求され、この要求を満たすためにブレード自体
を厚くし、その結果分離ラインの拡大が必要となり、ヘ
ッドの取り個数が減少するというような問題が発生し
た。
【0014】3.ヘッドの構造から、切削分離時の基板
の反り量には図15に示すグラフのような傾向があり、
フィラーを混入して線膨張係数を下げるよりも、弾性率
を下げて樹脂を柔らかくした方が基板が反らないという
結果が得られた。従って、樹脂中にフィラーを混入する
ような方法は適当ではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明における目的
は、トランスファ成形による上記の問題を解決し、液室
の容積を自由に増大させることが可能で、吐出口の面積
及び液流路の容積と、更に液室の容積とを別々に決定で
きるようにする方法を提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、インクジェッ
ト記録ヘッド製造工程内の切断工程の負荷を大幅に低減
し、歩留まりを向上させ、なおかつインクジェット記録
ヘッド自体に必要とされる能力を低下させる事無くイン
クジェット記録ヘッドを製造することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達したも
のである。
【0018】本発明は、トランスファ成形法による前述
の問題点を解決するものであり、その詳細は、以下の通
りである。
【0019】即ち、トランスファ成形法により作製され
るインクジェット記録ヘッドにおいて、基板の素子面に
液流路、吐出口、及び液室になる部分に、除去可能な材
料で固体層を設けておいて、その後にトランスファ成形
により樹脂を成形し、それを構造部材として、その後除
去可能な材料を除去して、液流路、吐出口、及び液室を
形成するインクジェット記録ヘッドの製造方法におい
て、基板上の液流路、吐出口及び液室になる部分の液流
路の高さまで一旦除去可能な材料で固体層を形成し、前
記基板の固体層が形成された素子面に、トランスファ成
形により、前記液室になる部分の表面が露出しその他の
表面が被覆させるように、構造部材を成形と同時に融着
する工程、離型後、除去可能な材料を前記固体層の露出
面上に注入し固体層を形成した後、該固体層上に、トラ
ンスファ成形により構造部材を成形と同時に融着する工
程、および、離型後、前記構造部材と基板とが前記融着
した状態のままで、基板上の固体層を除去する工程とか
らなることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製
造方法であり、該方法により提供されるインクジェット
記録ヘッドである。また、このように形成される記録ヘ
ッドを搭載してなるインクジェット記録装置である。
【0020】この方法は、前述のトランスファ成形によ
る従来技術の各方法に適用することができるものであ
り、液室の容積を自由に増大させることが可能で、吐出
口の面積及び液流路の容積と、液室の容積とを別々に決
定することができる。
【0021】また、本発明は、インクジェット記録ヘッ
ドの構造を、少なくとも組成の異なる2層以上の構造に
することで、インクジェット記録ヘッド製造工程内の切
断工程の負荷を大幅に低減させ、歩留まりを向上させ、
なおかつインクジェット記録ヘッド自体に必要とされる
能力を低下させることのないインクジェット記録ヘッド
の構造、及びその製造方法を提供するものである。
【0022】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出させる方
式の記録ヘッド、記録装置において、優れた効果をもた
らすものである。
【0023】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,
740,796号明細書に開示されている基本的な原理
を用いて行なうものが好ましい。この方式はいわゆるオ
ンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可
能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて
核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つ
の駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱
エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸
騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し液体
(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(イ
ンク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形
状の駆動信号としては、米国特許第4,463,359
号明細書、同第4,345,262号明細書に記載され
ているようなものが適している。なお、上記熱作用面の
温度上昇率に関する発明の米国特許第4,313,12
4号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに
優れた記録を行なうことができる。
【0024】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4,558,333号明細書、米国特
許第4,459,600号明細書を用いた構成も本発明
に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に
対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とす
る構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱
エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させ
る構成を開示する特開昭59−138461号公報に基
づいた構成としても本発明は有効である。
【0025】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0026】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0027】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段などを付加することは本発明の効果を一層安定化で
きるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリー
ニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体ある
いはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせ
による予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐
出モードを行なうことも安定した記録を行なうために有
効である。
【0028】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラーまたは、混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0029】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体あるいは、上述のイン
クジェットではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲内で温度調整を行なってインクの粘性を安定吐出範囲
にあるように温度制御するものが一般的であるから、使
用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよ
い。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインク
の固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして
使用せしめることで防止するかまたは、インクの蒸発防
止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかし
て、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付
与によってインクが液化してインク液状として吐出する
ものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始める
ものなどのような、熱エネルギーによって初めて液化す
る性質のインク使用も本発明には適用可能である。この
ような場合インクは、特開昭54−56847号公報あ
るいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0030】図29は上記処理のための機構を備えたイ
ンクジェット記録装置の一例を示す外観斜視図である。
【0031】図において、501はプラテン507上に
送紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を
行うノズル群を備えたインクジェットヘッドカートリッ
ジ(IJC)である。502はIJC501を保持する
キャリッジ(HC)であり、駆動モーター503の駆動
力を伝達する駆動ベルト504の一部と連結し、互いに
平行に配設された2本のガイドシャフト505及び50
6と摺動可能とすることにより、IJC501の記録紙
の全幅にわたる往復移動が可能となる。
【0032】508はヘッド回復装置であり、IJC5
01の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向
する位置に配設される。伝動機構509を介したモータ
ー510の駆動力によって、ヘッド回復装置508を動
作せしめ、IJC501のキャッピングを行う。このヘ
ッド回復装置508のキャップ部511によるIJC5
01へのキャッピングに関連させて、ヘッド回復装置5
08内に設けた適宜の吸引手段によるインク吸引もしく
はIJC501へのインク供給経路に設けた適宜の加圧
手段によるインク圧送を行い、インクを吐出口より強制
的に排出させることによりノズル内の増粘インクを除去
する等の吐出回復処理を行う。また、記録終了時等にキ
ャッピングを施すことにより記録ヘッドが保護される。
【0033】512はヘッド回復装置508の側面に配
設されるクリーニングブレードである。ブレード512
はブレード保持部材513にカンチレバー形態で保持さ
れ、ヘッド回復装置508と同様、モーター510及び
伝動機構509によって作動し、IJC501の吐出面
との係合が可能となる。これにより、IJC501の記
録動作における適切なタイミングで、あるいはヘッド回
復装置508を用いた吐出回復処理後に、ブレード51
2をIJC501の移動経路中に突出させ、IJC50
1の移動動作に伴ってIJC501の吐出面における結
露、濡れあるいは塵埃等を拭き取るものである。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。
【0035】実施例1 図1〜7は本発明の一態様を説明するためのものであ
る。以下、図面を参照して説明する。
【0036】図1は、基板15に素子面12を成膜形成
したものに吐出口14、液室11、液流路13となる位
置に除去可能な材料で固体層を設けた状態を示す斜視図
である。この時の吐出口部の固体層の厚さとパターン幅
によって吐出口の面積が決定される。
【0037】図2は、図1で説明した基板に1回目のト
ランスファ成形を施した時の断面図であり、18は成形
された樹脂層である。この時点ではまだ液室の容量は決
定されていない。16及び17はそれぞれトランスファ
成形のための上型と下型である。
【0038】図3は、図2で成形されたものの離型後の
斜視図であり、樹脂層18は、液室部と、他の電気回路
と接続する素子面の一部を除いて、その他の素子面に成
形と同時に融着されている。
【0039】図4は、図3の基板の除去可能な固体層が
露出した液室の部分に、再び除去可能な材料で液室部分
を形成した状態を示す断面図である。同図において、デ
ィスペンサー19などを利用して、塗布することのでき
る材料20を用いれば容易に液室の容量を増大させるこ
とができる。また、吐出口の面積は前記図1〜3に示す
工程で既に決定されているので、その部分を変えずに液
室の容量を増大させることが可能となる。
【0040】図5は、図4までの工程を施した基板に2
度目のトランスファ成形を行った際の断面図を示すもの
であり、樹脂22としては樹脂18と同じものを用い
た。上型を21のような形状に変更して成形すること
で、22の位置に樹脂が成形される。また、この時点
で、ある程度の寸法精度の出た液室の容量が決定され
る。
【0041】図6は、図5までの工程で形成された基板
上の除去可能な材料を全て除去した状態を示す断面図で
あり、図7はその正面からの斜視図である。図6及び図
7において、24は吐出口、23は液流路、26は液
室、25はインク供給口をそれぞれ示す。
【0042】以上の説明で、図4における除去可能な材
料の2度目の塗布量を調節することで、吐出口の面積を
変えずに液室の容量だけを自由に変化させて増大させる
ことができる。
【0043】実施例2 実施例1において、図1における除去可能な材料と図4
における除去可能な材料とをそれぞれ異なる材料を用い
て記録ヘッドの作製を行うことができる。
【0044】図1において使用する材料は、吐出口の形
状と面積を決定するために、感光性レジストや感光性ポ
リイミド等の感光性のものを使用し、現像後の寸法精度
の良い材料を使用し、図4で使用する材料については耐
熱性や除去性に優れていればさほど寸法精度が要求され
ないために、材料費や処理費が経済的なものが使用でき
る。例えば、一般的に水にて除去できるポリビニルアル
コールや感光性でないレジストの使用も可能である。
【0045】また、図5における樹脂22は樹脂18と
異なる材料を使用することも可能である。樹脂18は吐
出口と液流路となる部分に形成されるために、後の工程
で液流路のゴミつまり検査や、吐出口部の検査のために
は透明の材料を使用することが好ましいが、樹脂22は
2度目のトランスファ成形時に樹脂18との接着性が良
く、インクに対して強い材料であればどのような材料で
も使用できる。また、樹脂22は着色された材料、例え
ばカラーのヘッドにした場合に、対応するインクの色に
合わせてY,M,C,Bなどに染料を用いて着色して色
分けをしておけば、違う色のヘッドと混ざることがな
い。
【0046】実施例3 図8〜11は、2個取り用の基板でヘッド作製する工程
を説明するものである。図中のそれぞれの符号は図1〜
7に一致する。
【0047】図8は、2個分の素子面が対向し合う形で
形成された2個取り用の基板上に、除去可能な材料で2
個分の液流路と液室となる固体層を形成した状態を示す
斜視図である。27で示される線は、切断線である。こ
の線に沿って切断することによって吐出口が形成され、
2つのワークができるわけであるが、この時点では、ま
だ切断しない。
【0048】図9は図8のものに1度目のトランスファ
成形を施し、離型後、液室となる部分に再び固体層を形
成した状態を示す斜視図である。
【0049】図10は2度目のトランスファ成形後の状
態を示し、図11は切断線27に沿って切断し、ワーク
内の除去可能な材料を全て除去した後の状態を示すもの
である。この段階で実施例6と同じところまで完成した
ことになる。この方法では、切断という工程を必要とす
るが、取り個数は単純に倍になる。
【0050】図12は更に多数個取りのための方法を説
明するためのものであり、1枚のウエハー上に図8〜1
0に示されるものを多数形成して、トランスファ成形し
た例である。ウエハーの上で一括成形して、後で分離す
るような製造方法を用いれば、コスト的にも大きく改善
される。同図において、28は空気抜きであり、29は
主ランナ、20はランナを示す。
【0051】実施例4 図16はヘッド部の基になるSi、ガラス等からなる基
板100の表面に、発熱抵抗素子を並べて、それを向か
い合わせになるように成膜形成した素子面101上面
に、吐出口部102、液流路部103、液室部104と
なる位置にポジ型レジスト、ネガドライフィルム等、エ
ッチングや洗浄、現像等によって除去可能な材料で固体
層を設けた段階を示す斜視図である。
【0052】図17は、図16までに作製した基板上に
先ず1回目のトランスファ成形を施した時の斜視図であ
る。105は、トランスファ成形によって形成された樹
脂層である。基板と密着する層を形成する樹脂は、基板
との密着性を重視し、弾性率を低くする必要があるた
め、できるだけ軟化性で密着性の良いエポキシ系樹脂な
どを使用することが好ましい。
【0053】図18は、インクジェット記録ヘッドの図
17までに作製したものに、2回目のトランスファ成形
を行ったもので、樹脂106はガラスやSi系等のフィ
ラーを混入させて前記樹脂層105の上面にトランスフ
ァ成形により形成される。樹脂106の全体的な性質と
しては、切削性とブレードの目詰まり除去を重点に考え
ており、主材はエポキシ系やアクリル系の樹脂を使用す
ることができる。また、2層目の樹脂で106には、フ
ィラーを重量比で50%混入させてあり、樹脂層の比率
は第1の樹脂層105対第2の樹脂層106とすると
2:1である。
【0054】図19は、図18まで作製したインクジェ
ット記録ヘッドを107の分離切断ラインにより、それ
ぞれ1つのヘッドに分離切断して、上記除去可能な構造
部材を現像、洗浄等によって除去したものである。この
時の切断に用いたブレードは、自生作用をある程度無視
して、メタルボンドを用い、粒度は#600〜#600
0を使用した。
【0055】図20は、切断時に発生する切削負荷
(W)とブレードの耐久性(切断距離)を、ブレードの
砥粒の大きさ毎に比較したグラフである。aは#500
0と#6000、bは#3000と#4000、cは#
1000と#2000、dは#600の粒度のブレード
を用いた場合の結果を示す。尚、破線19はチッピング
発生ラインを示し、負荷がこのラインを突破するとチッ
ピングが発生することを示す。ブレードの耐久性だけで
判断すれば#600〜#4000で良好な結果が得られ
ているが、切削面のチッピングや樹脂への傷つけ易さな
どを考慮すれば、ブレードの粒度は#1000〜程度が
好ましい。また、図21は前記105の樹脂部材1層の
みで形成された従来のインクジェット記録ヘッドを切断
した時の切削負荷(e)と、本実施例で得られたインク
ジェット記録ヘッドを切断した時の切削負荷(f)を示
すものである。この時使用したブレードは粒度#100
0のものを使用した。本発明の構造のインクジェット記
録ヘッドでは切削負荷が変化せず、良好に切断を行うこ
とが可能であるが、従来のインクジェット記録ヘッドで
は切削負荷が切削開始から増大し、すぐにチッピング発
生ラインを突破しており、チッピングや傷の発生が予想
される。尚、上記の結果は、実際の切断条件とは異なる
ものであるが、データを得る便宜上、切削速度5.0m
m/sec、切断距離9mに固定して行ったものであ
る。これらの結果から、実際の切断条件でも同様の結果
が得られるものと予想される。
【0056】実施例5 図22,図24は、他の実施例であり、トランスファ成
形は1層目の部材を形成するのに1回行い、2層目の樹
脂部材は直接インクジェット記録ヘッドの性能上に関係
しないので、簡単な製造方法で形成した例を示すもので
ある。
【0057】図22は、実施例4の図17までに作製し
たインクジェット記録ヘッドの1層目の樹脂部材105
の上面に、エポキシ系、またはアクリル系、シリコン系
等の主材に、フィラーを重量比で50%混入した樹脂材
料をディスペンサを用いて塗布した状態(図中、109
の部分)で、この樹脂の切削性に対する性質としては、
実施例4の2層目の樹脂部材106と同じである。
【0058】図24は、素子面101を対向させ、それ
を複数個並べた形で、Siやガラス等の基板203上に
成膜形成したものである。前記同様、その素子面上には
除去可能な材料による固体層が、吐出口部、液流路部、
液室部となる位置に形成され、その後に一括で樹脂部材
105をトランスファ成形したものである。2層目の樹
脂部材204は、印刷方式によって転写形成した。ま
た、200、201は分離切断ラインで、インクジェッ
ト記録ヘッドの複数個搭載された大型基板になると、分
離ラインが大幅に増加する。1枚の基板から出来るだけ
多くのワーク数を取るためには、ブレードは出来るだけ
薄いものを使用することが好ましく、0.1〜0.3m
m程度のものが得に良好な結果を与えている。
【0059】実施例4と比べて、2層目の樹脂部材10
9、204の形成方法が非常に簡単であり、樹脂部材1
09、204の硬化方法として光硬化や、常温硬化でも
よく、2層目の樹脂部材材料の選択範囲を広くすること
ができる。
【0060】図23、図25は、それぞれ上記図22、
図24の分離切断が終わった後に、前記除去可能な材料
を、現像、洗浄などの方法によって除去した後のヘッド
完成図(正面斜視図)である。
【0061】図26は本実施例のそれぞれの製造方法に
より作製されたインクジェット記録ヘッドを切断した時
の切削負荷の状態を示すグラフである。gは、大型の基
板に印刷方法を用いて2層目の樹脂部材を転写形成する
製造方法によるインクジェット記録ヘッドを切断した時
の切削負荷であり、hはディスペンサを使用してフィラ
ー混入樹脂を塗布する製造方法によって、2層目の樹脂
部材を形成したインクジェット記録ヘッド切断した時の
切削負荷である。ディスペンサによる方法は、厚みのば
らつきが大きいために、若干、切削負荷の変動が大きい
が、チッピング発生ライン(破線)以下に充分収まる値
であるために問題とはならない。尚、同図においても、
実施例4とのデータの互換性を持たせるために、樹脂層
の厚さの比率を2:1にし、ブレードとして#1000
メタルボンドを使用し、切削速度5.0mm/sec、
切断距離9mに固定して測定を行った。
【0062】実施例6 図27は、基板の素子面とトランスファ成形される樹脂
部材との接触面に、密着性の向上と樹脂の応力緩衝、切
断時に発生する振動の緩衝の役割を果たす層205を1
層設け、3層構造にしたものである。
【0063】このような層205は、感光性のポリイミ
ド樹脂や感光性エポキシ樹脂などをスピンコート法等で
塗布し、それを乾燥、露光、現像などを工程を経て形成
することができる。また、キャスティング方式や印刷方
式によって形成してもよい。
【0064】図28は、この層205の上面にトランフ
ァ成形によって第2の樹脂層206を形成し、またその
樹脂部材206の上面に、第3の樹脂層109をディス
ペンサ塗布により形成し、分離切断を実施例5と同じ条
件で行い、その後、除去可能な材料で形成された固体層
を現像、洗浄などによって除去してインクジェット記録
ヘッドを完成させたものである。
【0065】1層目の樹脂部材205は、トランスファ
成形によって形成される樹脂部材の壮図、基板の素子面
との接触面の応力の緩衝と切断時に起こる振動の緩衝、
密着性の向上を重視した樹脂層で、厚さは1〜20μm
程度が適当である。そのため、2層目の樹脂部材206
は、1層目の樹脂部材205によって密着性が確保され
ているので、低弾性率で応力の緩衝作用の優れている樹
脂を使用でき、トランスファ成形用樹脂材料の選択範囲
を広げることができる。3層目の構造部材は、実施例
4、5で説明した樹脂で、主材にエポキシ系、及びアク
リル系、シリコン系樹脂等を使用し、そこにフィラーを
重量比で50%混入したものを使用した。
【0066】また、トランスファ成形により形成される
樹脂層と素子面との間に、密着性向上、応力緩衝、切断
時の振動緩衝の作用を有する層を1層設けることで、製
造工程後の総合歩留まりを、実施例4、5に比較して8
0%から98%に向上させることができた。
【0067】
【発明の効果】本願発明の方法を用いることにより、吐
出口の面積及び液流路の寸法を変化させる事無く、液室
の容量を増大させることが可能である。更に、2層目の
除去可能な材料による固体層の厚膜形成化が容易なの
で、設計の自由度が向上し、リファイル周波数を向上さ
せる場合にも有利になった。
【0068】また、ブレードの耐久性の向上と、基板と
樹脂の密着力、樹脂の応力緩和の確保を両立することが
可能であり、インクジェット記録ヘッドの製造工程終了
後の歩留まりで見ると、従来構造の65%に対し、実施
例4、5では80%、実施例6では98%に増加させる
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板上に除去可能な材料で固体層を設けた状態
を示す斜視図である。
【図2】図1で説明した基板に1回目のトランスファ成
形を施した時の断面図である。
【図3】図2で成形されたものの離型後の斜視図透過で
ある。
【図4】図3の基板の除去可能な固体層が露出した液室
の部分に、再び除去可能な材料で液室部分を形成した状
態を示す断面図である。
【図5】図4までの工程を施した基板に2度目のトラン
スファ成形を行った際の断面図である。
【図6】図5までの工程で形成された基板上の除去可能
な材料を全て除去した状態を示す断面図である。
【図7】図6の正面からの斜視透過図である。
【図8】2個取り用の基板上に、除去可能な材料で2個
分の液流路と液室となる固体層を形成した状態を示す斜
視図である。
【図9】図8のものに1度目のトランスファ成形を施
し、離型後、液室となる部分に再び固体層を形成した状
態を示す斜視透過図である。
【図10】2度目のトランスファ成形後の状態を示す斜
視透過図である。
【図11】切断線27に沿って切断し、ワーク内の除去
可能な材料を全て除去した後の状態を示す斜視透過図で
ある。
【図12】多数個取りのための方法を説明するための図
である。
【図13】ステップカット方式による従来の切断方法を
示す概略断面図である。
【図14】シングルカット方式による従来の切断方法を
示す概略断面図である。
【図15】切断分離時の基板の反り量を示すグラフであ
る。
【図16】2個取り用の基板上に、除去可能な材料で2
個分の液流路と液室となる固体層を形成した状態を示す
斜視図である。
【図17】図16のものに1度目のトランスファ成形を
施し固体層を形成した状態を示す斜視透過図である。
【図18】図17のものに第2層目を2回目のトランス
ファ成形により形成した状態を示す斜視図である。
【図19】図18のものを分離切断ラインに沿って切断
したものの透過斜視図である。
【図20】切断時に発生する切削負荷(W)とブレード
の耐久性(切断距離)を、ブレードの砥粒の大きさ毎に
比較したグラフである。
【図21】樹脂部材1層のみで形成された従来のインク
ジェット記録ヘッドを切断した時の切削負荷と、本実施
例で得られたインクジェット記録ヘッドを切断した時の
切削負荷を示すものである。
【図22】図17までに作製したインクジェット記録ヘ
ッドの1層目の樹脂部材の上面に、2層目の樹脂材料を
ディスペンサを用いて塗布した状態を示す透過斜視図で
ある。
【図23】図22の分離切断が終わった後に、除去可能
な材料を除去した後のヘッド完成図(正面斜視図)であ
る。
【図24】素子面を対向させ、それを複数個並べた形
で、基板上に成膜形成した状態を示す概略図である。
【図25】図24の分離切断が終わった後に、除去可能
な材料を除去した後のヘッド完成図(正面斜視図)であ
る。
【図26】実施例5のそれぞれの製造方法により作製さ
れたインクジェット記録ヘッドを切断した時の切削負荷
の状態を示すグラフである。
【図27】基板の素子面とトランスファ成形される樹脂
部材との接触面に1層設け、3層構造にしたものであ
る。
【図28】図27の基板上にトランスファ成形を行った
後、分離切断を行い、除去可能な材料を除去した後のヘ
ッド完成図(正面斜視図)である。
【図29】本発明のインクジェット記録ヘッドを搭載し
たインクジェット記録装置の一例を示す外観斜視図であ
る。
【符号の説明】
11 第1の固体層 12 素子面 13 液流路対応部分 14 吐出口対応部分 15 基板 16 第1の上型 17 下型 18 第1の樹脂 19 ディスペンサー 20 第2の固体層 21 第2の上型 22 第2の樹脂 23 液流路 24 吐出口 25 インク供給口 26 液室 27 切断線 28 空気抜き 29 主ランナ 30 ランナ 100 基板 101 素子面 102 吐出口部 103 液流路部 104 液室部 105 1層目の樹脂層 106 2層目の樹脂層 107 分離切断ライン 108 インク供給部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/16 // B29L 31:00 4F 9012−2C B41J 3/04 103 H

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスファ成形法により作製されるイ
    ンクジェット記録ヘッドであって、基板の素子面に液流
    路、吐出口、及び液室になる部分に、除去可能な材料で
    固体層を設け、その後にトランスファ成形により樹脂を
    成形し、それを構造部材として、その後除去可能な材料
    を除去して、液流路、吐出口、及び液室が形成された構
    造を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、 基板上の液流路、吐出口及び液室になる部分の液流路の
    高さまで一旦除去可能な材料で固体層を形成し、前記基
    板の固体層が形成された素子面に、トランスファ成形に
    より、前記液室になる部分の表面が露出しその他の表面
    が被覆させるように、構造部材を成形と同時に融着する
    工程、 離型後、除去可能な材料を前記固体層の露出面上に注入
    し固体層を形成した後、該固体層上に、トランスファ成
    形により構造部材を成形と同時に融着する工程、およ
    び、 離型後、前記構造部材と基板とが前記融着した状態のま
    まで、基板上の固体層を除去する工程とから製造された
    ものであることを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 トランスファ成形法により作製されるイ
    ンクジェット記録ヘッドであって、基板の素子面に液流
    路、吐出口、及び液室になる部分に、除去可能な材料で
    固体層を設け、その後にトランスファ成形により樹脂を
    成形し、それを構造部材として、その後除去可能な材料
    を除去して、液流路、吐出口、及び液室を形成するイン
    クジェット記録ヘッドの製造方法において、 基板上の液流路、吐出口及び液室になる部分の液流路の
    高さまで一旦除去可能な材料で固体層を形成し、前記基
    板の固体層が形成された素子面に、トランスファ成形に
    より、前記液室になる部分の表面が露出しその他の表面
    が被覆させるように、構造部材を成形と同時に融着する
    工程、 離型後、除去可能な材料を前記固体層の露出面上に注入
    し固体層を形成した後、該固体層上に、トランスファ成
    形により構造部材を成形と同時に融着する工程、およ
    び、 離型後、前記構造部材と基板とが前記融着した状態のま
    まで、基板上の固体層を除去する工程とからなることを
    特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 発熱抵抗素子が形成された基板上に、ト
    ランスファ成形法により、樹脂層が形成されるインクジ
    ェット記録ヘッドにおいて、インク吐出口面及び切断分
    離面を形成する樹脂部材が少なくとも組成の異なる2層
    以上の樹脂層により構成されることを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記組成の異なる2層以上の樹脂層の上
    層を形成する樹脂層がフィラーを混入させたものである
    こと特徴とする請求項3のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 フィラーの混入比率が重量比率で5〜7
    5%であることを特徴とする請求項4のインクジェット
    記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記組成の異なる2層以上の樹脂層によ
    り構成されるインク吐出面及び切断分離面を形成する樹
    脂部材が、上層を形成する樹脂層と他の層とが1:20
    〜20:1の比の厚さで構成されていることを特徴とす
    る請求項3のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 複数個形成された基板を切断することに
    よってインク吐出口面を形成したことを特徴とする請求
    項3のインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 発熱抵抗素子が形成された基板上に、ト
    ランスファ成形法により、樹脂層を形成し、その後イン
    ク吐出口面及び切断分離面を形成するために切断する過
    程を含むインクジェット記録ヘッドの製造方法におい
    て、前記インク吐出口面及び切断分離面を形成する樹脂
    部材が少なくとも組成の異なる2層以上の樹脂層により
    構成した後、切断を行うことを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記組成の異なる2層以上の樹脂層の上
    層を形成する樹脂層がフィラーを混入させたものである
    こと特徴とする請求項8のインクジェット記録ヘッドの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 フィラーの混入比率が重量比率で5〜
    75%であることを特徴とする請求項9のインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記組成の異なる2層以上の樹脂層に
    より構成されるインク吐出面及び切断分離面を形成する
    樹脂部材が、上層を形成する樹脂層と他の層とが1:2
    0〜20:1の比の厚さで構成されていることを特徴と
    する請求項8のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 複数個形成された基板を切断すること
    によってインク吐出口面を形成したことを特徴とする請
    求項8のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 記録媒体の被記録面に対向してインク
    を吐出するインク吐出口が設けられている請求項1又は
    請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドと、該ヘッ
    ドを載置するための部材とを少なくとも具備することを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のインクジェット記
    録装置において、カラー記録を行うことを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8500255B2 (en) 2009-02-25 2013-08-06 Seiko Epson Corporation Manufacturing method of liquid ejecting head, liquid ejecting head, and liquid ejecting apparatus

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