JP3004812B2 - インクジェット記録ヘッド、その製造方法及びインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、その製造方法及びインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いる記録液小滴を発生するためのインクジェット
記録ヘッド、その製造方法、及びインクジェット記録ヘ
ッドを備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に適用されるイ
ンクジェット記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」とい
う)には、一般に、インクが吐出されるための吐出口
と、前記吐出口に供給するためのインクを貯える液室
と、前記吐出口と前記液室とを連通する液路と、前記液
路の一部に設けられたインクを吐出するためのエネルギ
ーを発生するエネルギー発生素子と、前記液室に外部か
らインクを供給するための供給口が設けられている。
【0003】従来の記録ヘッドの製造方法としては次の
ようなものが知られている。 (1) エネルギー発生素子が設けられた第1の基板を
備え、ガラスや金属などからなる第2の基板に切削やエ
ッチングなどの加工手段により吐出口、液路及び液室を
形成するための凹部ならびに前記液室と外部とを連通す
るための供給口を設けたのち、前記第1の基板に前記第
2の基板をエネルギー発生素子と液路との位置を合わせ
て接着剤により貼り合わせる方法。 (2) エネルギー発生素子が設けられたガラスなどか
らなる第1の基板にポジ型もしくはネガ型の感光性ドラ
イフィルムを貼り、前記感光性ドライフィルムのうち吐
出口、液路及び液室に相当するパターンをマスクもしく
は露出させて露光し、現像して前記吐出口、液路及び液
室に相当するパターンの固体層を第1の基板上に設け
る。前記固体層及び第1の基板の上に硬化剤が混合され
た液状の硬化性材料を適宜厚さに塗布し、所定の温度で
長時間放置して前記硬化性材料を硬化させる。ついで、
前記硬化性材料が硬化した第1の基板を吐出口を形成す
る位置で切断して前記固体層の端面を露出させたのち前
記固体層を溶解する溶剤中に浸漬し、前記硬化性材料が
硬化した第1の基板から前記固体層を溶解除去して内部
に液路および液室を形成する空間を設ける方法(特開昭
61−15497号公報参照)。 (3) エネルギー発生素子が設けられた第1の基板に
ポジ型もしくはネガ型の感光性ドライフィルムを貼り、
前記感光性ドライフィルムのうち吐出口、液路及び液室
に相当するパターンをマスクもしくは露出させて露光
し、現像して前記吐出口、液路及び液室に相当するパタ
ーンの固体層を第1の基板上に設ける。前記固体層及び
第1の基板の上に活性エネルギー線により硬化する活性
エネルギー線硬化性材料を適宜厚さに塗布し、液室の一
部を形成するための凹部および供給口が設けられた活性
エネルギー線透過性の第2の基板を前記活性エネルギー
線硬化性材料の上に前記凹部を液室が形成される予定位
置に合わせて貼り付け積層体を作る。つぎに、前記活性
エネルギー線硬化性材料のうち液室が形成される予定部
分を隠すように第2の基板をマスクして活性エネルギー
線をその第2の基板を通して活性エネルギー線硬化性材
料に照射し硬化させる。ついで、前記活性エネルギー線
硬化性材料が硬化された積層体を吐出口を形成する位置
で切断して前記固体層の端面を露出させたのち前記固体
層と未硬化の活性エネルギー線硬化性材料とを溶解する
溶剤中に浸漬し、前記積層体から前記固体層および未硬
化の活性エネルギー線硬化性材料を溶解除去して内部に
液路および液室を形成する空間を設ける方法(特開昭6
2−253457号公報参照)。 (4) インク吐出エネルギー発生素子が設けられたガ
ラス等からなる第1の基板上に除去可能な材料からなる
固体層により吐出口、液路及び液室に相当する部分を形
成する。前記固体層及び第1の基板上にトランスファー
モールド成形により、前記固体層の表面の内、少なくと
もインク液室の一部に相当する部分の表面を除く他の部
分をモールド樹脂により被覆する。ついで、第1の基板
を吐出口を形成する位置で切断して前記固体層の端面を
露出させた後、前記固体層を溶解する溶剤中に浸漬し、
モールド樹脂で被覆された第1の基板から前記固体層を
溶解除去して、内部に液路及び液室を形成する空間を設
ける方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の記録ヘッド
の製造方法において、(1)の記録ヘッドの製造方法で
は、第2の基板に設けられる液室を形成するための凹部
を大きくすることにより、高速記録に好適な大きな液室
を有する記録ヘッドを製造することができるという利点
はあるが、第1の基板と第2の基板とを接着剤により貼
り合わせる際、第1の基板の微細なエネルギー発生素子
と第2の基板の微細な液路とを精密に位置合わせする必
要があり、また接着剤で貼り合わせる際、微細な液路に
接着剤が流れ込まない工夫が必要であり、そのための装
置が複雑、高価なものとなり、また多量生産性に欠け、
製品のコストアップを引き起こすという問題点がある。
(2)の記録ヘッドの製造方法では、(1)の記録ヘッ
ドの製造方法にみられるような第1の基板と第2の基板
との貼り合わせに起因する問題点を解決できる利点はあ
るが、液室の容積は第1の基板上に設けられるパターン
状の固体層の厚さと同じ高さに制限されてしまうのであ
まり大きくすることができず、また、工程が複雑で時間
がかかり、工程数も多いのでやはり多量生産性に欠け、
製品のコストアップを引き起こすという問題点がある。
(3)の記録ヘッドの製造方法では、第2の基板に設け
る液室の他の一部を形成するための凹部を大きくするこ
とにより、大きな液室を有する記録ヘッドを製造するこ
とができるという利点と、(1)の記録ヘッドの製造方
法にみられるような第1の基板と第2の基板との貼り合
わせに起因する問題点を解決できる利点とがあるが、
(2)の記録ヘッドの製造方法と同様に工程が複雑で時
間がかかり、工程数はさらに多いのでやはり多量生産性
に欠け、製品のコストアップを引き起こすという問題点
がある。(4)の記録ヘッドの製造方法では、(1),
(2),(3)の問題点を解決し、多量生産性に優れ
た、安価なインクジェット記録ヘッドを提供できるが、
第1の基板に配設された電気的な接続部分と前記基板を
モールド樹脂を被覆するために用いるトランスファー成
形金型との接触により、キズ、或いは破損、モールド樹
脂のバリ、フラッシュにより電気的な接続不能等の不良
を発生させる危険性があった。従って、金型の精密加工
(寸法精度、接触部の鏡面仕上げ等)が必要となり、強
いては製品のコストアップになっている。
【0005】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであり、2つの基板を精密に位置
合わせして貼り合わせるという工程を必要とせずに簡単
で、少ない工程により精密、信頼性の高い、多量生産に
適した安価なインクジェット記録ヘッドと、前記インク
ジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置
と、前記インクジェット記録ヘッドの製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】また、液路が精度良く正確に、且つ歩留り
良く微細加工された構成を有するインクジェット記録ヘ
ッドを提供することが可能なインクジェット記録ヘッド
の製造方法、及び記録装置を提供することも目的とす
る。
【0007】また、電気的な接続部分の信頼性の高いイ
ンクジェット記録ヘッドを提供することが可能なインク
ジェット記録ヘッドの製造方法、及び記録装置を提供す
ることも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、インク吐出口と、インク供給口を含むイン
ク液室と、インク吐出口とインク液室とを連通するイン
ク液路と、インク液路内に配設されたインク吐出エネル
ギー発生素子とを有するインクジェット記録ヘッドの製
造方法であって、基板上にインク吐出エネルギー発生素
子を配設すると共に、前記素子を動作させる為の制御信
号入力用電極を設けた後、該基板上に前記素子に対応し
て少なくとも液路パターンを有する第1固体層と、前記
第1固体層とは離れて基板上の電気的接続部を覆う第2
固体層とを積層し、次いで、該基板上に前記液路パター
ンを有する第1固体層を覆って、トランスファーモール
ド成形法によりモールド樹脂層を成形し、その後、前記
両固体層を除去するインクジェット記録ヘッドの製造方
法である。
【0009】また、本発明は、上述製造方法で製造した
インクジェット記録ヘッドであり、インク吐出エネルギ
ー発生素子が、電気エネルギーを与えることによって発
熱しインクに状態変化を生ぜしめて吐出を行わせるため
の電気熱変換体でああり、記録媒体の記録領域の全幅に
わたって吐出口が複数設けられているフルラインタイプ
のものを含むものである。
【0010】更に、本発明は、記録媒体の被記録面に対
してインクを吐出する吐出口が設けられている上記記録
ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部材とを少な
くとも具備する記録装置である。
【0011】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0012】図1から図4は、本発明の製造方法の基本
的な態様を示すための模式図であり、図1から図4の夫
々には、本発明の方法に係るインクジェット記録ヘッド
の構成とその製作手順の一例が示されている。尚、本例
では、3つの吐出口を有するインクジェット記録ヘッド
が示されているが、勿論これ以上の吐出口を有する高密
度マルチアレイインクジェット記録ヘッドの場合でも同
様にして製作できることは、言うまでもない。
【0013】まず、本態様においては、例えば図1に示
されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあ
るいは金属等からなる基板1が用いられる。
【0014】このような基板1は、インク液路構成部材
の一部として機能し、又、後述するレジスト層の支持体
として機能し得るものであれば、その形状、材質等、特
に限定されることなく使用できる。上記基板1上には、
電気熱変換素子あるいは圧電素子等のインク吐出エネル
ギー発生素子2が所望の個数配置される(図2では3個
にて例示)。このような、インク吐出エネルギー発生素
子2によってインク小滴を吐出させるための吐出エネル
ギーがインク液に与えられ、記録が行われる。因に、例
えば、上記インク吐出エネルギー発生素子2として電気
熱変換素子が用いられるときには、この素子が近傍のイ
ンクを加熱することにより、吐出エネルギーを発生す
る。又、例えば、圧電素子が用いられるときは、この素
子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生され
る。
【0015】尚、これらの素子2には、これら素子を動
作させるための制御信号入力用電極3が接続されてい
る。該電極用材料としては、Au,Al,Al−Cu−
Si,Al−Si等が使用できる。この制御信号入力用
電極は吐出口側とは反対の末端部は、記録装置との電気
的接続部12として機能するもので、電気的接続部材に
よって記録装置本体と接続される。接続は一般的なアル
ミワイヤーを用いたボンディング方法等で行う。従って
前記電気的接続部12においては、キズ、汚れ、樹脂バ
リ等の発生を防ぐ必要がある。
【0016】また、一般的に、前記素子2及び前記電極
3の耐久性を向上させる目的で、基板上の一部に保護膜
等の各種機能層が設けられる場合があるが、勿論本発明
においてもこの様な各種機能層を設けることには一向に
差し支えない。
【0017】次いで、図2に示すように上述方法で素子
面を形成した基板上に液路及び液室のパターンを形成し
た第1固体層4及び前記第1固体層と所定間隔離れて前
記電極3を覆う第2固体層5を積層する。固体層として
はレジスト等が使用できる。好ましいレジストとして
は、ポジ型レジスト、AZ−4000シリーズ(ヘキス
トジャパン)、AZLPシリーズ(ヘキストジャパ
ン)、PMEP−P−G7000シリーズ(東京応化工
業)等が使用できる。また、モールド樹脂成形後に除去
可能なものであれば上記材料に限定されない。固体層の
基板上への形成は、公知のフォトリソグラフィー等によ
り行う。
【0018】次に、図3はインクジェット記録ヘッドの
外形とインク供給口を形成できる上金型7及び下金型8
からなる成形型を用いて、モールド樹脂層6をトランス
ファーモールド成形する様子を示している。
【0019】ここで、トランスファーモールド成形方法
について説明すると、本実施例のトランスファーモール
ド成形を用いる工法として、固体層4,5が形成された
基板1を適切なランナー、ゲート、エア抜き構造を備え
たキャビティーからなる上型7、下型8のいずれかへ挿
入したのち型締めを行う。モールド樹脂6の材料として
熱硬化性のエポキシ樹脂を用い、樹脂の予備加熱温度6
0〜90℃、注入圧力20〜140Kgf/cm2 、成
形型温度100〜180℃、保圧硬化時間1〜10分及
び成形後のポストキュアという一般的な成形条件、工法
に従って行うことができる。前記する条件は、成形性
(形状、樹脂内の気泡、バリ、フラッシュなど)を確認
し、それぞれ適切なポイントを設定すれば良い。一般に
成形温度を高くすれば、硬化時間は短くて済む。また注
入圧力が高いほど、形状の安定性、気泡の発生が無くな
るが、過剰な圧力は製品へのダメージ、樹脂のバリ、フ
ラッシュの問題を起こす。ここで、ポストキュアを行う
時期としては、必ずしも成形と連続して行う必要はな
く、製品が完成するまでのどの時点で行っても良い。従
って、工程の都合の良い段階で行うことができる。もち
ろん製品の使用状態によっては、前記工程を除くことも
可能である。
【0020】また、成形後に型から製品を離型する場合
の離型性を良くする目的で、成形型などに離型剤を用い
ることがある。
【0021】モールド樹脂6の成形手段としては、量産
性、精度、タクトを考えると、トランスファーモールド
成形法が本発明に最も適している。もちろん、他の方法
例えば、ポッティング法、液状の樹脂を用いた注型法、
射出成形法及び紫外線硬化型の樹脂を用いた選択的露光
による成形法等も使用可能である。どの成形方法におい
ても、基板上の電気的接続部に固体層を設け、モールド
樹脂層成形時に、成形用上金型と基板とが直に接触する
ことがないようにして、電気的接続部におけるキズ、汚
れ、モールド樹脂のバリ等を防ぐことが必要である。
【0022】モールド樹脂6の材料としては、上記エポ
キシ樹脂の外にアリル系樹脂、ジアリルフタレート系樹
脂、シリコン系樹脂、ポリエステル、フェノール、メラ
ミン、成形手段としては、液状であっても、常温硬化
性、熱硬化性、紫外線硬化性などの材料を用いることが
できる。例えば、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂等が
挙げられる。
【0023】次に、モールド樹脂6の硬化が完了した
ら、固体層4,5を除去して、図4に示すような本発明
のインクジェット記録ヘッドを完了する。
【0024】固体層の除去方法としては、適当な溶剤中
に記録ヘッドを浸漬させ、固体層を溶解除去する溶解法
が好ましい。溶剤としては、モールド樹脂層を侵さない
ものであればよい。具体的には、例えば、固体層がポジ
型レジストの場合は苛性ソーダ水溶液、アセトン等の有
機溶剤等を挙げることができる。さらに、除去手段にお
いては、溶剤の攪拌、超音波等の促進手段を併用するこ
とで、固体層をより効果的に除去できることは言うまで
もない。
【0025】また、インクの吐出特性はインク液路の長
さにより変化することから、インク液路の長さを調整し
て、インクの吐出性能を向上させる為に、ウエハーの切
断に用いられる公知のダイシング法等により、吐出口部
を所望のインク液路長に切断する場合もある。
【0026】また、本発明においては、吐出口部の切断
を行ってから固体層を除去することも可能である。この
方法によれば、インクジェット記録ヘッドにおいて重要
な役割を占めるインク液路内に、吐出口部切断後まで固
体層があることから、切断粉、ゴミ等によるインク液路
内の詰まりを防止できる上、固体層を除去する際、イン
ク液路長が短くなっているので、除去性が向上する等の
利点を有し、好ましい。
【0027】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛躍液滴を形成し、記録
を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装置
に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0028】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
は所謂オンデマンド型、コンティニュアンス型のいずれ
にも適用可能である。
【0029】この記録方式は簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に該沸騰現象を越え、沸騰現象を生じるよう
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状にすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成で
き、おり好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0030】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用面が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0031】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0032】更に、本発明が有効に利用される記録ヘッ
ドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に
対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがある。
このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示されて
いるような記録ヘッドを複数組み合わせることによって
フルライン構成にしたものや、一体的に形成された一個
のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0033】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合でも本発明は有効で
ある。
【0034】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行う手段
を付加することも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0035】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0036】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態になるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0037】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態編かのエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることもできる。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0038】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
【0039】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0040】図5は本発明により得られる記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0041】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行う
ノズル群を備えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0042】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝導機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行う。このヘッド回復装置2
6のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピン
グに関連させ、ヘッド回復装置26内に設けた手木々の
吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイン
ク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を
行い、インク吐出口より強制的に排出させることにより
ノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を行
う。また、記録終了時等にキャッピングを施すことによ
りIJCが保護される。
【0043】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝導機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出
面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるもので
ある。
【0044】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明する。
【0045】図1において使用する基板1にシリコンウ
エハーを用い、基板1上には、電気熱変換体2(材質H
fB2 からなるヒーター)と前記電気熱変換体2に対応
する電極3(材質Al)を蒸着、スパッタリング、エッ
チングなどの半導体製造プロセスにより成膜形成し所定
の間隔を置いて並べ、該一面を素子面とした。
【0046】また、図示されていないが、耐久性の向上
などを目的として、各電極3、各電気熱変換体2を含め
て素子面に保護膜などの各種の機能層を設けた。
【0047】次いで、前記基板1上にポジレジストを所
定の厚さにピンナーコーティングし、各電気熱変換体2
に相対するインク液路、液室となるパターンマスクを用
いて、露光、現像工程を経て、図2に示すような固体層
4を形成した。
【0048】これと同時に、基板上の電気的接続部にも
同様にして固体層5を形成した。
【0049】次に、前記固体層4,5が形成された基板
1をトランスファーモールド成形機に挿入しエポキシ樹
脂よりなるモールド樹脂層を成形した。成形条件は、予
備加熱温度80℃、予備加熱注入圧力70Kgf/cm
2 、成形型温度150℃及び保圧硬化時間4分で行っ
た。
【0050】モールド樹脂硬化後、苛性ソーダ5wt.
%溶液により固体層を溶解除去し、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドを完成した。
【0051】
【発明の効果】以上、説明した本発明によってもたらさ
れる効果としては、下記に列挙する項目が挙げられる。
【0052】1) ヘッド作製のための主要工程が、フ
ィトレジスト、ドライフィルム等を用いたフォトリソグ
ラフィー技術による為、ヘッドの細密度を所望のパター
ンで、しかも極めて容易に形成できるばかりか、同構成
の多数のヘッドを同時に加工することも可能である。
【0053】2) 特別の工程を付加すること無く、成
形時に電気的接続部の保護が可能となり、電気的接続部
の信頼性の高いヘッドが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録ヘッド基板上
にインク吐出エネルギー発生素子を配設した一例を示す
模式的斜視図である。
【図2】図1で示される素子面上に固体層を形成した基
板の一例を示す、(A)模式的斜視図及び(B)模式的
断面図である。
【図3】本発明に係るトランスファーモールド成形の金
型に基板を挿入しモールド樹脂層を成形した一例を示す
模式的断面図である。
【図4】固体層を除去して、インク供給口、インク液
室、インク液路及びインク吐出口を完成したインクジェ
ット記録ヘッドの一例を示す、(A)模式的断面図及び
(B)模式的斜視図である。
【図5】本発明に係るインクジェット記録ヘッドを備え
た記録装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 インク吐出エネルギー発生素子 3 制御信号入力用電極 4 第1固体層 5 第2固体層 6 モールド樹脂層 7 トランスファーモールド成形用上金型 8 トランスファーモールド成形用下金型 9 インク吐出口 10 インク液路 11 インク供給口 12 電気的接続部 16 キャリッジ 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A,19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モータ 23 伝導機構 24 プラテン 26 キャップ部材 30 ブレード 30A ブレード保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−90355(JP,A) 特開 平3−90356(JP,A) 特開 平3−90357(JP,A) 特開 昭62−101455(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05 B29C 45/02 B41J 2/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出口と、インク供給口を含むイ
    ンク液室と、インク吐出口とインク液室とを連通するイ
    ンク液路と、インク液路内に配設されたインク吐出エネ
    ルギー発生素子とを有するインクジェット記録ヘッドの
    製造方法であって、基板上にインク吐出エネルギー発生
    素子を配設すると共に、前記素子を動作させる為の制御
    信号入力用電極を設けた後、該基板上に前記素子に対応
    して少なくとも液路パターンを有する第1固体層と、前
    記第1固体層とは離れて基板上の電気的接続部を覆う第
    2固体層とを積層し、次いで、該基板上に前記液路パタ
    ーンを有する第1固体層を覆って、トランスファーモー
    ルド成形法によりモールド樹脂層を成形し、その後、前
    記両固体層を除去することを特徴とするインクジェット
    記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で製造したイン
    クジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 インク吐出エネルギー発生素子が、電気
    エネルギーを与えることによって発熱しインクに状態変
    化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体であ
    る請求項2記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    ることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 記録媒体の被記録面に対してインクを吐
    出する吐出口が設けられている請求項2記載の記録ヘッ
    ドと、該記録ヘッドを載置するための部材とを少なくと
    も具備することを特徴とする記録装置。
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