JP3004814B2 - インクジェット記録ヘッド、その製造方法及びインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、その製造方法及びインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置

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JP3004814B2
JP3004814B2 JP17119692A JP17119692A JP3004814B2 JP 3004814 B2 JP3004814 B2 JP 3004814B2 JP 17119692 A JP17119692 A JP 17119692A JP 17119692 A JP17119692 A JP 17119692A JP 3004814 B2 JP3004814 B2 JP 3004814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いるインク液小滴を発生するためのインクジェッ
ト記録ヘッド、その製造方法、及びインクジェット記録
ヘッドを備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に適用されるイ
ンクジェット記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」とい
う)には、一般に、インクが吐出されるための吐出口
と、前記吐出口に供給するためのインクを貯えるインク
液室と、前記吐出口と前記液室とを連通する液路と、前
記液路の一部に設けられたインクを吐出するためのエネ
ルギーを発生するエネルギー発生素子と、前記液室に外
部からインクを供給するための供給口が設けられてい
る。
【0003】このような従来の記録ヘッドの製造方法と
しては次のようなものが知られている。 (1) エネルギー発生素子が設けられた第1の基板を
備え、ガラスや金属などからなる第2の基板に切削やエ
ッチングなどの加工手段により吐出口、液路及び液室を
形成するための凹部、ならびに前記液室と外部とを連通
するための供給口を設けたのち、前記第1の基板に前記
第2の基板をエネルギー発生素子と液路との位置を合わ
せて接着剤により貼り合わせる方法。 (2) エネルギー発生素子が設けられたガラスなどか
らなる第1の基板にポジ型、もしくはネガ型の感光性ド
ライフィルムを貼り、前記感光性ドライフィルムのうち
吐出口、液路及び液室に相当するパターンをマスクもし
くは露出させて露光し、現像して前記吐出口、液路及び
液室に相当するパターンの固体層を第1の基板上に設け
る。その後前記固体層および第1の基板の上に硬化剤が
混合された液状の硬化性材料を適宜厚さに塗布し、所定
の温度で長時間放置して前記硬化性材料を硬化させる。
ついで、前記硬化性材料が硬化した第1の基板を吐出口
を形成する位置で切断して前記固体層の端面を露出させ
たのち、前記固体層を溶解する溶剤中に浸漬し、前記硬
化性材料が硬化した第1の基板から前記固体層を溶解除
去して内部に液路および液室を形成する空間を設ける方
法(特開昭61−15497号公報参照)。 (3) エネルギー発生素子が設けられた第1の基板に
ポジ型もしくはネガ型の感光性ドライフィルムを貼り、
前記感光性ドライフィルムのうち吐出口、液路及び液室
に相当するパターンをマスクもしくは露出させて露光
し、現像して前記吐出口、液路、及び液室に相当するパ
ターンの固体層を第1の基板上に設ける。前記固体層お
よび第1の基板の上に活性エネルギー線により硬化する
活性エネルギー線硬化性材料を適宜厚さに塗布し、液室
の一部を形成するための凹部、および供給口が設けられ
た活性エネルギー線透過性の第2の基板を前記活性エネ
ルギー線硬化性材料の上に、前記凹部を液室が形成され
る予定位置に合わせて貼り付け積層体を作る。つぎに、
前記活性エネルギー線硬化性材料のうち液室が形成され
る予定部分を隠すように、第2の基板をマスクして活性
エネルギー線をその第2の基板を通して活性エネルギー
線硬化性材料に照射し硬化させる。ついで、前記活性エ
ネルギー線硬化性材料を硬化させた積層体を吐出口を形
成する位置で切断して前記固体層の端面を露出させたの
ち、前記固体層と未硬化の活性エネルギー線硬化性材料
とを溶解する溶剤中に浸漬し、前記積層体から前記固体
層および未硬化の活性エネルギー線硬化性材料を溶解除
去して内部に液路および液室を形成する空間を設ける方
法(特開昭62−253457号公報参照)。 (4) インク吐出エネルギー発生素子が設けられたガ
ラス等からなる第1の基板上に除去可能な材料から成る
固体層により吐出口、液路及び液室に相当する部分を形
成する。前記固体層および第1の基板の上にトランスフ
ァーモールド成形により、前記固体層の表面の内、少な
くともインク液室の一部に相当する部分以外の表面部分
をモールド樹脂により被覆する。ついで、第1の基板を
吐出口を形成する位置で切断して前記固体層の端面を露
出させたのち前記固体層を溶解する溶剤中に浸漬し、モ
ールド樹脂で被覆された第1の基板から前記固体層を溶
解除去して、内部に液路および液室を形成する空間を設
ける方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の各記録ヘッ
ドの製造方法において、(1)の記録ヘッドの製造方法
では、第2の基板に形成する凹部を大きくすることによ
り、高速記録に好適な大きな液室を有する記録ヘッドを
製造することができるという利点はあるが、第1の基板
と第2の基板とを接着剤により貼り合わせる際、第1の
基板の微細なエネルギー発生素子と第2の基板の微細な
液路とを精密に位置合わせする必要がある。また接着剤
で貼り合わせる際、微細な液路に接着剤が流れ込まない
工夫が必要であり、そのための装置が複雑、高価なもの
となる。また多量生産性に欠け、製品のコストアップを
引き起こすという問題点がある。(2)の記録ヘッドの
製造方法では、(1)の記録ヘッドの製造方法にみられ
るような第1の基板と第2の基板とを貼り合わせる際に
発生する問題点を解決できる利点はあるが、液室の容積
は第1の基板上に設けられるパターン状の固体層の厚さ
と同じ高さに制限されてしまうのであまり大きくするこ
とができず、また、製造工程が複雑で時間がかかり、工
程数も多いので、やはり多量生産性に欠け、製品のコス
トアップを引き起こすという問題点がある。(3)の記
録ヘッドの製造方法では、第2の基板に設ける液室の他
の一部を形成するための凹部を大きくすることにより、
大きな液室を有する記録ヘッドを製造することができる
という利点と、(1)の記録ヘッドの製造方法にみられ
るような第1の基板と第2の基板との貼り合わせで発生
する問題点を解決できる利点とがあるが、(2)の記録
ヘッドの製造方法と同様に工程が複雑で時間がかかり、
工程数はさらに多いのでやはり多量生産性に欠け、製品
のコストアップを引き起こすという問題点がある。
(4)の記録ヘッドの製造方法では、(1),(2),
(3)の問題点を解決し、多量生産性に優れた、安価な
インクジェット記録ヘッドを提供できるが、第1の基板
とトランスファーモールド成形を用いる金型が接触する
部分において、前記する金型が基板に損傷、或いは破損
等の不良を発生させる危険性があった。また、このよう
な問題を防ぐ為に、金型の設計公差及び基板の厚さに対
する公差を厳しくする必要があり、そのことは、コスト
アップにつながる。本発明は、上記従来の技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであり、安価、精密であ
り、又信頼性の高い高解像度(吐出口が高密度にて実装
された)インクジェット記録ヘッド、その製造方法、及
び記録装置を提供することを目的とするものである。
【0005】また、液路が精度良く、正確に、且つ歩留
り良く微細加工されたインクジェット記録ヘッドを供給
することが可能なインクジェット記録ヘッドの製造方
法、及び記録装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、基板上にインク吐出エネルギー発生素子を
配設した後、前記基板上に少なくともインク液室を含む
液路パターンを有する第1固体層を前記素子に対応させ
て形成し、次いで前記基板上に前記第1固体層を覆っ
て、トランスファーモールド用上金型及び下金型を用い
るトランスファーモールド成形法によりモールド樹脂層
を形成し、その後、固体層を除去することにより、少な
くともインク吐出口、インク供給口を含む液室及びイン
ク液路を形成するインクジェット記録ヘッドの製造方法
において、前記基板上の第1固体層の周囲に、第1固体
層より所定間隔離れて第2固体層を形成することによ
り、前記基板と前記トランスファーモールド用上金型と
が接触しないように構成するインクジェット記録ヘッド
の製造方法である。
【0007】また、本発明は、上記製造方法において、
第1固体層と第2固体層とが同一の材料で同時に形成さ
れるものを含むものである。
【0008】更に、本発明は、上記製造方法において、
モールド樹脂層を基板上の第1固体層と第2固体層との
間に、インク吐出側を除いて形成するものである。
【0009】また、本発明は、上記製造方法によって製
造したインクジェット記録ヘッドであり、インク吐出エ
ネルギー発生素子が電気エネルギーを与えることによっ
て発熱し、インクに状態変化を生ぜしめて吐出を行わせ
るための電気熱変換体であり、記録媒体の記録領域の全
幅にわたって吐出口が複数設けられているフルラインタ
イプのものを含むものである。
【0010】更に、本発明は、記録媒体の被記録面に対
してインクを吐出する吐出口が設けられている上記記録
ヘッドと、該ヘッドを載置するための部材とを少なくと
も具備する記録装置である。
【0011】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0012】図1から図3は、本発明の製造方法の基本
的な態様を示すための模式図であり、図1から図3の夫
々には、本発明の方法に関わるインクジェット記録ヘッ
ドの構成とその製作手順の一例が示されている。尚、本
例では、3つの吐出口を有するインクジェット記録ヘッ
ドが示されているが、勿論これ以上の吐出口を有する高
密度マルチアレイインクジェット記録ヘッドの場合でも
同様にして製作できることは、言うまでもない。
【0013】まず、本態様においては、例えば図1に示
されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあ
るいは金属等からなる基板1が用いられる。
【0014】このような基板1は、インク液路構成部材
の一部として機能し、又、後述するレジストの支持体と
して機能し得るものであれば、その形状、材質等、特に
限定されることなく使用できる。上記基板1上には、電
気熱変換素子あるいは圧電素子等のインク吐出エネルギ
ー発生素子が所望の個数配置される。このような、イン
ク吐出エネルギー発生素子によってインク小滴を吐出さ
せるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記録
が行われる。因に、例えば、上記インク吐出エネルギー
発生素子として電気熱変換素子が用いられるときには、
この素子が近傍のインクを加熱することにより、吐出エ
ネルギーを発生する。又、例えば、圧電素子が用いられ
るときは、この素子の機械的振動によって、吐出エネル
ギーが発生される。
【0015】尚、これらの素子には、これら素子を動作
させるための制御信号入力用電極が接続されている。
又、一般にはこれら吐出エネルギー発生素子と前記電極
の一部の耐久性を向上させる目的で、保護膜層等の各種
機能層が設けられる場合があるが、勿論本発明において
もこの様な各種機能層を設けることには一向に差し支え
ない。
【0016】ついで、上記インク吐出エネルギー発生素
子を含む基板1上に、除去可能な、例えばレジスト、ド
ライフィルム等からなる固体層2を形成する。レジスト
としては、AZ−4000シリーズ(ヘキストジャパ
ン)、AZLPシリーズ(ヘキストジャパン)等が使用
できる。この固体層2は、除去可能なものであれば、特
にレジストに限らず使用可能である。
【0017】エネルギー発生素子及び固体層の基板上へ
の形成は公知のフォトリソグラフィー等による。
【0018】また、前記固体層2を形成する際、基板1
の素子面と後述するトランスファーモールド成形に用い
る金型(本説明例では上型)との接触する部分において
も同時に且つ同一材料の除去可能な材料からなる固体層
3も同様に成形する。
【0019】図2は、トランスファーモールド成形に用
いる金型(上型,下型)に前記固体層を形成した基板1
を挿入し、モールド樹脂を成形する概略を示す図であ
る。ここで、基板1上に固体層3の斜線部が上型4と接
触する部分であることを示している。
【0020】ここで、トランスファーモールド成形方法
について説明すると、本実施例のトランスファーモール
ド成形を用いる工法として、固体層2,3が形成された
基板1を適切なランナー、ゲート、エア抜き構造を備え
たキャビティーからなる上型、下型のいずれかへ挿入し
たのち型締めを行う。モールド樹脂の材料として熱硬化
性のエポキシ樹脂を用い、樹脂の予備加熱温度60〜9
0℃、注入圧力20〜140Kgf/cm2 、成形型温
度100〜180℃、保圧硬化時間1〜10分及び成形
後のポストキュアという一般的な成形条件、工法に従っ
て行うことができる。前記する条件は、成形性(形状、
樹脂内の気泡、バリ、フラッシュなど)を確認し、それ
ぞれ適切なポイントを設定すれば良い。一般に成形温度
を高くすれば、硬化時間は短くて済む。また注入圧力が
高いほど、形状の安定性、気泡の発生が無くなるが、過
剰な圧力は製品へのダメージ、樹脂のバリ、フラッシュ
の問題を起こす。ここで、ポストキュアを行う時期とし
ては、必ずしも成形と連続して行う必要はなく、製品が
完成するまでのどの時点で行っても良い。従って、工程
の都合の良い段階で行うことができる。もちろん製品の
使用状態によっては、前記工程を除くことも可能であ
る。
【0021】また、成形後の型から製品を離型する場合
の離型性を良くする目的で、成形型などに離型剤を用い
ることがある。
【0022】モールド樹脂の成形手段としては、量産
性、精度及びタクト等を考慮すると、トランスファーモ
ールド成形法が、本発明に最も適している。しかしなが
ら、他の成形方法、例えば、射出成形法、ポッティン
グ、液状樹脂を用いる注型法、更には、紫外線硬化型の
樹脂を用いた選択的露光による成形法等も使用すること
ができる。
【0023】何れの成形法であっても、本発明は、基板
と型との接触、或いは非モールド樹脂部を全て除去可能
な材料からなる固体層を形成することで、基板の保護、
成形不良(非モールド部のバリ、フラッシュ)に対して
効果を発揮する。
【0024】モールド樹脂の材料としては、上記エポキ
シ樹脂の外に、アリル系樹脂、ジアリルフタレート系樹
脂、シリコン系樹脂、ポリエステル、フェノール、メラ
ミン、成形手段によっては、液状であって、常温硬化、
熱硬化、紫外線硬化などの材料を用いることができ、例
えば、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられ
る。
【0025】次に、モールド樹脂の硬化が完了したら、
固体層2,3を除去する。本実施例では、固体層とし
て、ポジレジストを使用したので、苛性ソーダ5wt%
水溶液、或いは、有機溶剤であれば 、アセトン等で、
容易に除去が可能である。また、前記する溶剤以外であ
ってもモールド樹脂との選択性(耐溶剤性)のあるもの
であれば、使用可能である。さらに、除去手段において
は、溶剤の攪拌、超音波等の促進手段を併用すること
で、より効果的に除去できることは言うまでもない。
【0026】また、吐出性能を向上させる為にインク液
路の長さを調整するために、ウエハーを切断する公知の
ダイシング法により、吐出口部を所望のインク流路長に
切断する場合もある。
【0027】図3は、モールド成形後に固体層を除去し
て、インク供給口12、インク液路11及びインク吐出
口10を形成した本発明に係るインクジェット記録ヘッ
ドである。尚、図中、1は基板、9はモールド樹脂層で
ある。
【0028】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛躍液滴を形成し、記録
を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装置
に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0029】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
は所謂オンデマンド型、コンティニュアンス型のいずれ
にも適用可能である。
【0030】この記録方式は簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に該沸騰現象を越え、沸騰現象を生じるよう
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状にすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成で
き、おり好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0031】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用面が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0032】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0033】更に、本発明が有効に利用される記録ヘッ
ドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に
対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがある。
このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示されて
いるような記録ヘッドを複数組み合わせることによって
フルライン構成にしたものや、一体的に形成された一個
のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0034】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合でも本発明は有効で
ある。
【0035】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行う手段
を付加することも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0036】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0037】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態になるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0038】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態編かのエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることもできる。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0039】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
【0040】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0041】図4は本発明により得られる記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0042】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行う
ノズル群を備えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0043】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝導機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行う。このヘッド回復装置2
6のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピン
グに関連させ、ヘッド回復装置26内に設けた手木々の
吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイン
ク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を
行い、インク吐出口より強制的に排出させることにより
ノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を行
う。また、記録終了時等にキャッピングを施すことによ
りIJCが保護される。
【0044】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝導機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出
面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるもので
ある。
【0045】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明する。
【0046】図1において使用する基板1にシリコンウ
エハーを用い、基板1上には、電気熱変換体2(材質H
fB2 からなるヒーター)と前記電気熱変換体2に対応
する電極(材質Al)を蒸着、スパッタリング、エッチ
ングなどの半導体製造プロセスにより成膜形成し所定の
間隔を置いて並べ、該一面を素子面とした。
【0047】また、図示されていないが、耐久性の向上
などを目的として、各電極、各電気熱変換体を含めて素
子面に保護膜などの各種の機能層を設けた。
【0048】前記基板1上にポジレジストを所定の厚さ
にスピンナーコーティングし、各電気熱変換体に相対す
るインク液路及び液室形成部とからなるパターンマスク
を用いて、露光、現像工程を経て、図2に示すような固
体層2を形成した。
【0049】同時に、後述するトランスファーモールド
成形に使用する金型と基板1が接触する部分、つまり、
非モールド部分に相当する部分も形成できる用に前記マ
スクパターンを配設することにより、図1に示す固体層
3も同時に形成した。
【0050】次に、前記固体層2,3が形成された基板
1をトランスファーモールド成形機に挿入しエポキシ樹
脂からなるモールド樹脂を成形した。成形条件は、予備
加熱温度80℃、注入圧力70Kgf/cm2 、成形型
温度150℃、保圧硬化時間4分で行った。
【0051】次いで、苛性ソーダ5wt%水溶液によ
り、固体層を溶解除去して、本発明のインクジェット記
録ヘッドを得た。
【0052】
【発明の効果】以上、説明した本発明によってもたらさ
れる効果としては、下記に列挙する項目が挙げられる。
【0053】1) ヘッド作製の為の主要工程が、フィ
トレジストや、ドライフィルム等を用いたフォトリソグ
ラフィー技術による為、ヘッドの細密度を所望のパター
ンで、しかも極めて容易に形成できるばかりか、同構成
の多数のヘッドを同時に加工することも可能である。
【0054】2) 特別の工程を付加すること無く、非
モールド部分の基板面の保護ができ、キズ、破損を防い
で、歩留りの良い、信頼性の高いヘッドが提供できる。
【0055】3) 金型の交差、基板の交差を厳しくせ
ずとも、精度の良い、高品位のヘッドが供給でき、その
結果、安価なヘッドが供給できる。
【0056】4) 成形時に発生するバリ、フラッシュ
の発生部分である非モールド部に除去可能な固体層があ
るため、固体層と同時に、バリ、フラッシュ部分を除去
することが可能である。従って、成形性に優れた高品位
のヘッドが供給できる。
【0057】5) トランスファーモールド成形法によ
るモールド成形によりヘッドの主要構成部材が成形可能
なため、基板との密着力、強度、耐熱性に優れたヘッド
を容易に、且つ安価に提供できる。
【0058】6) ヘッドの大きさ、吐出口の数に左右
されず、高密度マルチアレイヘッドであっても、歩留り
良く、また、簡単な手段で製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における基板上に設けた固体層
とトランスファーモールド成形用金型とが接触する部分
を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明の実施例における非モールド部に固体層
を設けた基板と成形型との対応を示す模式的斜視図であ
る。
【図3】本発明の実施例におけるモールド樹脂成形後、
固体層を除去したところを示す模式的斜視図である。
【図4】本発明の実施例において製造されたインクジェ
ット記録ヘッドを備えた記録装置を示す模式的斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 第1固体層 3 第2固体層 4 トランスファーモールド成形用上金型 5 トランスファーモールド成形用下金型 6 ランナー 7 ゲート 8 エアー抜き 9 モールド樹脂 10 インク吐出口 11 インク液路 12 インク供給口 16 キャリッジ 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A,19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モータ 23 伝導機構 24 プラテン 26 キャップ部材 30 ブレード 30A ブレード保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−90355(JP,A) 特開 平4−90356(JP,A) 特開 平4−90357(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/16 B29C 45/02 B29C 45/14 B41J 2/05

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にインク吐出エネルギー発生素子
    を配設した後、前記基板上に少なくともインク液室を含
    む液路パターンを有する第1固体層を前記素子に対応さ
    せて形成し、次いで前記基板上に前記第1固体層を覆っ
    て、トランスファーモールド用上金型及び下金型を用い
    るトランスファーモールド成形法によりモールド樹脂層
    を形成し、その後、固体層を除去することにより、少な
    くともインク吐出口、インク供給口を含む液室及びイン
    ク液路を形成するインクジェット記録ヘッドの製造方法
    において、前記基板上の第1固体層の周囲に、第1固体
    層より所定間隔離れて第2固体層を形成することによ
    り、前記基板と前記トランスファーモールド用上金型と
    が接触しないように構成することを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1固体層と第2固体層とが同一の材料
    で同時に形成されることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 モールド樹脂層が基板上の第1固体層と
    第2固体層との間に、インク吐出側を除いて形成される
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット
    記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか記載の製造方
    法で製造されたインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 インク吐出エネルギー発生素子が電気エ
    ネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変
    化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体であ
    る請求項4記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    ることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  7. 【請求項7】 記録媒体の被記録面に対してインクを吐
    出する吐出口が設けられている請求項4記載の記録ヘッ
    ドと、該ヘッドを載置するための部材とを少なくとも具
    備することを特徴とする記録装置。
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