JPH0623782A - インクジェット記録ヘッド、その製造方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、その製造方法及びインクジェット記録装置

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JPH0623782A
JPH0623782A JP18393192A JP18393192A JPH0623782A JP H0623782 A JPH0623782 A JP H0623782A JP 18393192 A JP18393192 A JP 18393192A JP 18393192 A JP18393192 A JP 18393192A JP H0623782 A JPH0623782 A JP H0623782A
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JP
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liquid flow
flow path
liquid
substrate
recording head
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JP18393192A
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Shigeo Togano
滋雄 戸叶
Akihiko Shimomura
明彦 下村
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Canon Inc
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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間高い信頼性を維持するインクジェット
記録ヘッドを効率よく製造する。 【構成】 吐出口、液流路及び液室をトランスファ成形
により一体成形するとともに基板に融着した液流路構成
部材で、電極及び電気的接続部分を内包させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吐出口よりインク液滴
を吐出させることにより記録媒体に記録を行なうインク
ジェット方式の記録ヘッドと、前記記録ヘッドの製造方
法と、前記記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式の記録ヘッドで
あるインクジェット記録ヘッドは、一般にインクを吐出
するための微細な吐出口、吐出口ごとに設けられた吐出
口に連通する液流路、各液流路の一部にそれぞれ設けら
れインクを吐出するためのエネルギーを発生する吐出エ
ネルギー発生素子とを有している。多くの場合、1個の
記録ヘッドには多数の吐出口が設けられ、各液流路に安
定してインクを供給するための、各液流路に共通の液室
が設けられている。吐出エネルギー発生素子として電気
エネルギーを吐出エネルギーに変換する素子、例えば電
気熱変換体や圧電素子が用いられる。
【0003】従来、このようなインクジェット記録ヘッ
ドは、例えば特開昭62−253457号公報に開示さ
れるように、基板上に吐出エネルギー発生素子を所望の
個数配置し、少なくとも液流路形成部位上に固体層を設
け、さらにその上に天板を貼着し、液室形成部位をマス
クしながら紫外線を照射し、その後固体層(液流路部
位)と未硬化の紫外線硬化性樹脂(液室部位)を溶剤を
用いて除去するようになっていた。この場合、このイン
クジェット記録ヘッドへの電気配線は、基板の一部に前
記紫外線硬化性樹脂が積層されないようにし、この部位
に吐出エネルギー発生素子への電極を設け、インクジェ
ット記録ヘッド本体を形成した後に、この電極とプリン
ト基板等の電気的接続部材との間をワイヤボンディング
等の電気実装技術を用いて接続していた。
【0004】あるいは液室と液流路が一体的に形成され
た溝付天板を用意し、これと吐出エネルギー発生素子が
配置された基板とを接着することによってもインクジェ
ット記録ヘッドを作ることができる。この場合もインク
ジェット記録ヘッドへの電気配線は、上述の方法と同様
に、インクジェット記録ヘッド本体を組み立てた後に、
基板上の電極と電気的接続部材との間をワイヤボンディ
ング等で接続するようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のインク
ジェット記録ヘッドでは、インクジェット記録ヘッドの
本体部分の形成、組み立て後に電気的接続部材との接続
を行なっているため、量産性が低く、またインクジェッ
ト記録ヘッドの完成状態にならないと電気的特性の評価
が行なえず、不良の早期発見に支障があった。また、吐
出エネルギー発生素子に電力を供給するために基板上に
設けた電極が、インクジェット記録ヘッドの本体部分の
形成、組み立ての過程で、酸化、腐食されやすく、ま
た、傷つけられることがあり、電気的接続部材との接続
の信頼性の維持に注意を要し、そのための工程増を招く
場合があるという問題がある。
【0006】また、インクジェット記録ヘッドの本体部
分の形成、組み立て工程において貼着工程を必要とし、
特に溝付天板を基板に貼着する場合には高い位置決め精
度を必要として量産性が低下し、さらに歩留まりも悪化
するという問題がある。
【0007】本発明の目的は、高品位、精密、安価かつ
量産性が高いインクジェット記録ヘッドと、その製造方
法と、そのインクジェット記録ヘッドを用いたインクジ
ェット記録装置を提供することにある。特に、電気的接
続部材との接続の信頼性が高く、かつ、電気的特性の評
価が早期に行なえて不良の早期発見が可能であるインク
ジェット記録ヘッドと、その製造方法と、そのインクジ
ェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドは、吐出口と、該吐出口に連通する液流路
と、該液流路とに連通してインクを一時的に貯える液室
と、前記液流路に設けられた吐出エネルギー発生素子
と、該吐出エネルギー発生素子に接続された電極とを有
し、前記吐出エネルギー発生素子を駆動することにより
前記インクよりなるインク液滴を前記吐出口から吐出さ
せるインクジェット記録ヘッドにおいて、基板上に前記
吐出エネルギー発生素子と前記電極とが形成され、前記
液流路と前記液室のそれぞれの底壁は前記基板であり、
前記吐出口と前記液流路と前記液室とは液流路構成部材
として合成樹脂の一体成形により前記基板上に形成さ
れ、外部からの信号を前記吐出エネルギー発生素子に伝
達するための電気的接続部材と前記電極との電気的接続
部分が前記液流路構成部材に内包されているインクジェ
ット記録ヘッドであって、前記液流路構成部材の塩素イ
オン及び加水分解性塩素の含有量が100ppm以下で
あることを特徴とするインクジェット記録ヘッドであ
る。
【0009】ここで、合成樹脂の一体成形としてはトラ
ンスファ成形を用いるのがよい。トランスファ成形によ
れば液流路構成部材の一体成形が容易なばかりでなく、
基板への融着が同時に実施できるため、高い精度を維持
しながら量産性を高めることができる。トランスファ成
形以外の一体成形法としては注型成形法等を挙げること
ができる。また、吐出エネルギー発生素子として電気熱
変換体を使用することができる。
【0010】本発明のインクジェット記録ヘッドの一つ
の特徴は液流路構成部材の塩素イオン及び加水分解性塩
素の含有量が100ppm以下である点である。これら
の塩素は原料となる樹脂の製造上の不紙物が発生原因で
あり、完全に排除することは困難であるが、電極や電気
的接続部材の腐食の原因となり得るので、長期的な信頼
性、耐環境性を実現するにはできるだけ少なくすること
が好ましい。
【0011】本発明においては、ヘッドの構造におい
て、まず、吐出口、液流路及び液室を一体化した部材と
すること、次に、該部材で電極及び電気的接続部分を構
造的に内含させてしまうことにより、電極及び電気的接
続部材の表面を保護する。前記塩素100ppm以下で
あれば、長期的信頼性等を実用レベルで維持可能とな
る。
【0012】前記塩素の測定方法としては1N KOH
−メタノール ジオキサン環流30分で抽出液をイオン
クロマトで測定する等により行なうことができる。
【0013】トランスファ成形により一体成形される液
流路構成部材の材質は合成樹脂であるが、用い得るもの
としては、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂等を挙げることができる。
【0014】次に、本発明の製造方法は、吐出口と、該
吐出口に連通し底壁に吐出エネルギー発生素子が設けら
れた液流路と、該液流路と連通し一時的にインクを貯え
る液室とを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法
において、(a)基板上に、前記吐出エネルギー発生素
子と前記吐出エネルギー発生素子に接続された電極とを
形成し、(b)前記基板上の少なくとも前記吐出口と前
記液流路となるべき位置に除去可能な材料からなる固体
層を形成し、(c)前記吐出エネルギー発生素子への信
号を伝達するための電気的接続部材と前記電極とを電気
的に接続し、(d)前記固体層のうち、前記液流路に相
当する部分以外が露出し、前記液流路に相当する部分が
被覆され、さらに前記電気的接続部材と前記電極との電
気的接続部分が内包されるように、前記吐出口と前記液
流路と前記液室とを一体化した液流路構成部材をトラン
スファ成形により成形すると同時に前記基板上に融着
し、(e)離型後、前記固体層を除去する工程を包含
し、前記液流路構成部材の塩素イオン及び加水分解性塩
素の含有量を100ppm以下としたことを特徴とする
インクジェット記録ヘッドの製造方法である。
【0015】液流路が吐出口を挟んで連続するような対
向配置によって2個のインクジェット記録ヘッドに相当
する液流路構成部材を一体として基板上に形成し、その
後対向配置の対向の中心線で切断するようにしてもよ
く、さらにこれを多数個並べた構成として同時に多数個
のインクジェット記録ヘッドを製造するようにしてもよ
い。これらにより製造の効率化を図ることができ、かつ
精度の向上を図ることもできる。
【0016】具体的には、同時に2個のインクジェット
記録ヘッドを製造するには前記工程(a),(b),
(e)を以下のように実施すればよい。(a)2個の前
記インクジェット記録ヘッドが、前記吐出口を中心に双
方の前記インクジェット記録ヘッドの液流路が連続する
ように、対向配置したものに相当する大きさの基板を使
用し、前記基板上に、前記対向配置に対応して、前記2
個分の前記吐出エネルギー発生素子と前記吐出エネルギ
ー発生素子に接続された電極とを形成する。(b)前記
基板上の、少なくとも前記対向配置により連続する液流
路となるべき位置に除去可能な材料からなる固体層を形
成する。(e)離型後前記対向配置の対向の中心線に沿
って、前記液流路構成部材と前記基板とを融着した状態
のままで切断し、その後、前記固体層を除去する。
【0017】一方、同時に多数個(2の倍数)のインク
ジェット記録ヘッドを製造するには、同様に前記工程
(a),(b),(e)を以下のように実施すればよ
い。(a)2個の前記インクジェット記録ヘッドが、前
記吐出口を中心に双方の前記インクジェット記録ヘッド
の液流路が連続するように、対向配置したものを組とし
て、該組を前記対向配置の対向面を共有するように複数
個並べたものに相当する大きさの基板を用い、前記基板
上に、前記複数個の組に対応して、所定数の前記吐出エ
ネルギー発生素子と前記吐出エネルギー発生素子に接続
された電極とを形成する。(b)前記基板上の、少なく
とも前記対向配置により連続する液流路となるべき位置
に除去可能な材料からなる固体層を形成する。(e)離
型後隣接する組間の境界線と前記対向配置の対向面に沿
って、前記液流路構成部材と前記基板とを融着した状態
のままで切断し、その後、前記固体層を除去する。
【0018】前記工程(b)において、固体層を形成す
る位置は、少なくとも吐出口と液流路であり、必要によ
り、液室の位置に形成してもよい。工程(c)で、電気
的接続部材と電極を電気的に接続する手段としては、ワ
イヤーボンド、半田バンプ等を採用できる。工程(d)
では、液流路構成部材は溶融状態で、液流路と電気的接
続部分を覆うように、金型内に配置された基板上に流し
込まれ成型される。これにより液室、液流路、吐出口を
一体的に基板上に形成することができる。工程(a),
(b),(e)は公知技術に基づき実施すればよい。
【0019】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でもバブルジェット方式の記録ヘッド、記録装置にお
いて、優れた効果をもたらすものである。その代表的な
構成や原理については、例えば、米国特許第47231
29号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。こ
の方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場
合には、液体(インク)が保持されているシートや液路
に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に
対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少
なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気
熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱
作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一
対応し液体(インク)内の気泡を形成できるので有効で
ある。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して
液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形
成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切
に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れ
た液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463
359号明細書、同第4345262号明細書に記載さ
れているようなものが適している。なお、上記熱作用面
の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124
号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優
れた記録を行なうことができる。
【0020】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。さらに、記録装置が記
録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフル
ラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に
開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによ
って、その長さを満たす構成や一体的に形成された一個
の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよいが、本発明
は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電
気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる
交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘ
ッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの記
録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。また、
記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対して
の回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発
明の効果を一層安定できるので好ましいものである。こ
れらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャ
ッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手
段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるい
はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別
の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した
記録を行なうために有効である。さらに、記録装置の記
録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけ
ではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組
み合わせによってでもよいが、異なる色の複色カラー又
は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装
置にも本発明は極めて有効である。
【0021】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか又は、インクの蒸発防
止を目的として放置状態で固化するインクを用いるかし
て、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付
与によってインクが液化してインク液状として吐出する
ものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始める
もの等のような、熱エネルギーによって初めて液化する
性質のインク使用の場合も本発明には適用可能である。
このような場合インクは、特開昭54−56847号公
報あるいは特開昭60−71260号公報に記載される
ような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又は固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0022】図1は上記処理のための機構を具えたイン
クジェット記録装置(IJRA)の一例を示す外観斜視
図である。図において、20はプラテン24上に送紙さ
れてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行なう
ノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19A及び19Bと摺動可能とす
ることにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往復
移動が可能となる。26はヘッド回復装置であり、IJ
C20の移動経路の一端、例えばホームポジションと対
向する位置に配設される。伝動機構23を介したモータ
22の駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せし
め、IJC20のキャッピングを行なう。このヘッド回
復装置26のキャップ部26Aによる記録IJC20へ
のキャッピングに関連させて、ヘッド回復装置26内に
設けた適宜の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC
20へのインク供給経路に設けた適宜の加圧手段による
インク圧送を行ない、インクを吐出口より強制的に排出
させることによりノズル内の増粘インクを除去する等の
吐出回復処理を行なう。また、記録終了時等にキャッピ
ングを施すことによりIJC20が保護される。31は
ヘッド回復装置26の側面に配設され、シリコンゴムで
形成されるワイピング部材としてのブレードである。ブ
レード31はブレード保持部材31Aにカンチレバー形
態で保持され、ヘッド回復装置26と同様、モータ22
及び伝動機構23によって動作し、IJC20の吐出面
との係合が可能となる。これにより、IJC20の記録
動作における適切なタイミングで、あるいはヘッド回復
装置26を用いた吐出回復処理後に、ブレード31をI
JC20の移動経路中に突出させ、IJC20の移動動
作に伴なってIJC20の吐出面における結露、濡れあ
るいは塵埃等を拭き取る。
【0023】
【実施例】本実施例のトランスファーモールド成形を用
いる工法として、個体層が形成された基板を適切なラン
ナー、ゲート、エア抜き構造を備えたキャビティーから
なる上型、下型のいずれかへ挿入したのち型締めを行
う。構造部材の材料としてトランスファーモールド用樹
脂組成物を用い、樹脂の予備加熱温度60〜90℃、注
入圧力20〜140kgf/cm2、成形型温度100
〜180℃、保圧硬化時間1〜10分及び成形後のポス
トキュアという一般的な成形条件、工法に従って行うこ
とができる。前記する条件は、成形性(形状、樹脂内の
気泡、バリ、フラッシュなど)を確認し、それぞれ適切
なポイントを設定すれば良い。一般に成形温度を高くす
れば、硬化時間は短くて済む。また注入圧力が高いほ
ど、形状の安定性、気泡の発生が無くなるが、過剰な圧
力は製品へのダメージ、樹脂のバリ、フラッシュの問題
を起こす。ここで、ポストキュアを行う時期としては、
必ずしも成形と連続して行う必要はなく、製品が完成す
るまでのどの時点で行っても良い。従って、工程の都合
の良い段階で行うことができる。もちろん製品の使用状
態によっては、前記工程を除くことも可能である。
【0024】また、成形後に型から製品を離型する場合
の離型性を良くする目的で、成形型などに離型剤を用い
ることがある。
【0025】成形後、吐出口を形成する位置で切断しそ
の後、前記個体層を除去して記録ヘッドを完成させる。
個体層を除去する時に使用する溶剤は、いうまでもなく
構造部材の樹脂硬化物を侵さないものが望ましい。実際
のインクジェット記録ヘッドはこの後さまざまな洗浄、
表面処理等を実施し、フィルター等の補助部品を装着し
て最終製品を完成させるが、ここでは本発明の目的と直
接関係ないので省略する。
【0026】次に、トランスファー成型によりインクジ
ェット記録ヘッドを製造し、液流路構成部材の塩素含有
量をIN KOH−メタノールジオキサン環流30分の
油出液をイオンクロマトグラフィーで測定するととも
に、85℃85%RHに500時間放置したときの腐食
の有無について調べた結果(各20ヘッド)を表1に示
す。
【0027】
【表1】 表1に示すように、樹脂の塩素含有量が100ppm以
下のものでは極めて有効に腐食が防止でき耐環境性に優
れていることが判る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電気的接続部材と電極との電気的接続部分が、インクジ
ェット記録ヘッド製造の比較的早い工程で形成されて、
液流路と構成部材に内包される状態となるので、量産性
が高いばかりか、電極や電気的接続部材の表面の腐食や
傷つきが起こりにくくなるとともにと電気的特性の評価
が早期に行なえるようになり、不良品の早期発見が可能
となる。さらには、電極や電気的接続部材を内包する液
流路構成部材が、前記電極や前記電気的接続部材の腐食
の原因となりやすい塩素イオンや加水分解性塩素の含有
量が少ないので、長期的な信頼性や耐環境性も極めて高
いインクジェット記録ヘッドが得られる。
【0029】また、基板上の液流路に相当する部分に除
去可能な材料からなる固体層を形成し、その後液流路構
成部材を基板上に形成するので、液流路の基板に対する
位置決め精度が高くなり、歩留まりも向上する。対向配
置された状態での2個のインクジェット記録ヘッドに相
当する液流路構成部材を一体として構成し、その後切断
する場合は、1個当たりの作業量が低減するとともに、
切断によって初めて吐出口が形成されるため、吐出口形
状の精度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られたインクジェット記録ヘッ
ドを組み込んだインクジェット記録装置(IJRA)の
概略図を示す。
【符号の説明】
16 キャリッジHC 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A,19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ(IJC) 22 モータ 23 伝動機構 24 プラテン 26 ヘッド回復装置 26A チャップ部 31 ブレード 31A ブレード保持材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/05 2/16 // B29L 31:34 4F 9012−2C B41J 3/04 103 H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、吐出口と、該吐出口に連通す
    る液流路と、該液流路に連通してインクを一時的に貯え
    る液室と、前記液流路に設けられた吐出エネルギー発生
    素子と、該吐出エネルギー発生素子に接続された電極と
    を有し、前記吐出エネルギー発生素子を駆動することに
    より前記インクよりなるインク液滴を前記吐出口から吐
    出させるインクジェット記録ヘッドにおいて、前記吐出
    口と前記液流路と前記液室とは液流路構成部材として合
    成樹脂の一体成形により前記基板上に形成され、外部信
    号を前記吐出エネルギー発生素子に伝達するための電気
    的接続部材と前記電極との電気的接続部分が前記液流路
    構成部材に内包されており、前記液流路構成部材の塩素
    イオン及び加水分解性塩素の含有量が100ppm以下
    であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 合成樹脂の一体成形がトランスファ成形
    による請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 吐出エネルギー発生素子は、インクを吐
    出するための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を具
    備している請求項1または2に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  4. 【請求項4】 吐出口が被記録媒体の記録領域の全幅に
    わたって形成されているフルラインタイプである請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録ヘッドを備え、記録信号に基づい
    てインクを前記インクジェット記録ヘッドの吐出口から
    吐出して記録を行なうインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 吐出口と、該吐出口に連通し底壁に吐出
    エネルギー発生素子が設けられた液流路と、該液流路に
    連通し一時的にインクを貯える液室とを有するインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法において、(a)基板上
    に、前記吐出エネルギー発生素子と前記吐出エネルギー
    発生素子に接続された電極とを形成し、(b)前記基板
    上の、少なくとも前記吐出口と前記液流路となるべき位
    置に、除去可能な材料からなる固体層を形成し、(c)
    前記吐出エネルギー発生素子への信号を伝達するための
    電気的接続部材と前記電極とを電気的に接続し、(d)
    前記固体層のうち、前記液流路に相当する部分以外が露
    出し、前記液流路に相当する部分が被覆され、さらに前
    記電気的接続部材と前記電極との電気的接続部分が内包
    されるように、前記吐出口と前記液流路と前記液室とを
    一体化した液流路構成部材をトランスファ成形により成
    形すると同時に前記基板上に融着し、(e)離型後、前
    記固体層を除去する工程を包含し、前記液流路構成部材
    の塩素イオン及び加水分性塩素の含有量を100ppm
    以下としたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 吐出口と、該吐出口に連通し底壁に吐出
    エネルギー発生素子が設けられた液流路と、該液流路に
    連通し、一時的にインクを貯える液室とを有するインク
    ジェット記録ヘッドの製造方法において、(a)2個の
    前記インクジェット記録ヘッドが、前記吐出口を中心に
    双方の前記インクジェット記録ヘッドの液流路が連続す
    るように、対向配置したものに相当する大きさの基板を
    使用し、前記基板上に、前記対向配置に対応して、前記
    2個分の前記吐出エネルギー発生素子と前記吐出エネル
    ギー発生素子に接続された電極とを形成し、(b)前記
    基板上の、少なくとも前記対向配置により連続する液流
    路となるべき位置に、除去可能な材料からなる固体層を
    形成し、(c)前記吐出エネルギー発生素子への信号を
    伝達するための電気的接続部材と前記電極とを電気的に
    接続し、(d)前記固体層のうち、前記液流路に相当す
    る部分以外が露出し、前記液流路に相当する部分が被覆
    され、さらに前記電気的接続部材と前記電極との電気的
    接続部分が内包されるように、前記2個分の前記液流路
    と前記液室とを一体化した液流路構成部材をトランスフ
    ァ成形により成形すると同時に前記基板上に融着し、
    (e)離型後前記対向配置の対向の中心線に沿って、前
    記液流路構成部材と前記基板とを融着した状態のままで
    切断し、その後、前記固体層を除去して前記2個のイン
    クジェット記録ヘッドを得る工程を包含し、前記液流路
    構成部材の塩素イオン及び加水分解性塩素の含有量が1
    00ppm以下としたことを特徴とするインクジェット
    記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 吐出口と、該吐出口に連通し底壁に吐出
    エネルギー発生素子が設けられた液流路と、該液流路に
    連通し一時的にインクを貯える液室とを有するインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法において、(a)2個の前
    記インクジェット記録ヘッドが、前記吐出口を中心に双
    方の前記インクジェット記録ヘッドの液流路が連続する
    ように対向配置したものを組として、該組を前記対向配
    置の対向面を共有するように複数個並べたものに相当す
    る大きさの基板を用い、前記基板上に前記複数個の組に
    対応して、所定数の前記吐出エネルギー発生素子と前記
    吐出エネルギー発生素子に接続された電極とを形成し、
    (b)前記基板上の、少なくとも前記対向配置により連
    続する液流路となるべき位置に、除去可能な材料からな
    る固体層を形成し、(c)前記吐出エネルギー発生素子
    への信号を伝達するための電気的接続部材と前記電極と
    を電気的に接続し、(d)前記固体層のうち、前記液流
    路に相当する部分以外が露出し、前記液流路に相当する
    部分が被覆され、さらに前記電気的接続部材と前記電極
    との電気的接続部分が内包されるように、前記複数個
    の、前記組ごとに前記液流路と前記液室とを一体化した
    液流路構成部材をトランスファ成形により成形すると同
    時に前記基板上に融着し、(e)離型後、隣接する組間
    の境界線と前記対向配置の対向面とに沿って前記流路構
    成部材と前記基板とを融着した状態のままで切断し、そ
    の後、前記固体層を除去して、前記複数個の2倍の個数
    のインクジェット記録ヘッドを得る工程を包含し、前記
    液流路構成部材の塩素イオン及び加水分解性塩素の含有
    量を100ppm以下としたことを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5355181A (en) * 1990-08-20 1994-10-11 Sony Corporation Apparatus for direct display of an image on the retina of the eye using a scanning laser
CN102899234A (zh) * 2012-10-18 2013-01-30 江苏久吾高科技股份有限公司 一种膜法啤酒除菌及酵母回收的方法

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US5355181A (en) * 1990-08-20 1994-10-11 Sony Corporation Apparatus for direct display of an image on the retina of the eye using a scanning laser
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